🎼Back Ground
Music 》》》
♪〜TM・NETWOEKより・GET WILD
「……終わったか」(シャー……)
キン!…ザッ…!…チャキッ…!
ダダダダダダ………!!!
「!!」
チャキッ! チャキッ!
「じ…ジィール様!!」「【Hux・row】!!貴様ぁ〜!!…よくも【Zeal】様を…!!」「生かして還すな!!」「絶対に報いを受けさせてやる!!」
ワーッ!! ワーッ!! ワーッ!!
「…っ!!…野郎…騒ぎを聞きつけて、厄介な野次がおいでなすったか〜!」
【Hux・row】は【Zeal】との戦闘に勝利するが、騒ぎを聞きつけ、【真・ユートピア創造士隊】が立ち塞がり、【Zeal】の仇と言わんばかりに武器を持ち、襲いかかる。
「ウォーーー!!」
………!!
べキィ〜ッ!!
「!?」
【Hux・row】は突然【真・ユートピア創造士隊】が何者かに鈍器のような武器で殴られる光景を目にした───────
スタン!!……ブンブン!!
チャキッ!!
「あ〜っ!!…全くもぉ〜、人が寝てる時間に一体何なのよ〜!?この騒ぎはぁ〜!?」
「………え?…だ、誰だ?…女性?…なんかハンマーを持ってるな?」
「ん?……!?おお〜っ!?」
その女性は、ハンマーを持っており、上がデニムジャケット、下はジーンズを履いていた女性であった。その女性は【Hux・row】に近づくと顔を確認し、理解したかのように話し始めた。
「……ふむふむ」(じぃ〜……)
「…あ、あの…な、なんですか!?」
「銀髪で……儀礼刀のような刀……《名刀【Louvel】》……!?あ〜なるほどね〜!…君が【Oriana】(オリアナ)救済長が言ってたハクローって子なのね〜!?」
「!?…お、オリアナ救済長の事を知ってる!?……って、そもそもアンタ誰なんだ?」
【Hux・row】はそう言うと、ハンマーを持っていた女性は、申し訳なさそうに言いつつも挨拶した。
「あ〜っ!!ごめんごめん!!自己紹介まだだったよね〜!?……え〜と私は【G島】の【Olfes】(オルフェス)って街にある【Siel】(シエル)の《神聖学兼救済ギルド》に所属している【Aria】(アリア)って名前なの!!…ま、テキトーに《アリア》と呼んでくれたらいいよ!!…そっか〜!君がね〜!?…【Oriana】さんからは話は聞いてるよ!よろしくね、ハクローくん!」
《救済ギルド【Siel】所属》
《【Aria】(アリア)》
「ああ……ども!…まあ、それはそうとして、とにかくこの軍勢を何とかしないとなっ!」
ワーッ! ワーッ! ワーッ!
「そうよね〜!」(仕方ない、私一人でも……!!)
ドカーーーーーン!!!
「!!」「!!」
【Hux・row】は【Aria】と喋っていたその時、轟音が鳴り響き、そこには【Bill】【Keito】が応援に駆けつけていた。
「教官!!助けにきた!!」「ウチもや!!ハクローはん!加勢するでー!!」
「ビル!ケイト!無事だったか〜!?」「ほほ〜う!あの二人が君の仲間なんだね〜!…これなら…!」
何だ貴様らは〜!!覚悟しろー!!
ダカーーーーーン!!!!!
ぎゃー!! ぐあぁああ!! ひ、ヒィいいい!!
「なっ!?」「こ、今度は何ぃ〜!?」「なんだ!?」「な!?何や〜!い、一体!?…おっ!あれは〜!」
更にタテ続きに誰かの轟音が鳴り響いた。そこには猛スピードで【Hux・row】へ接近してくる【Beanne】と【Towa】がいた───────
「〜♡!!あぁ〜んハクローく〜ん♡!私、リーネちゃん見つけたよ〜♪…けどぉ〜…!!わ〜ん!助けてぇ〜!」(ジョーッ!)
「は、ハクロー!!助太刀求むッッ!!…り、リーネさんが…!!リーネさんが〜っ!!」(ポロッ!…ビクビク!)
「ベアさん!トワさん!リーネが見つかったのか!?…え?…二人共…そんなに慌ててどうしたんだ!?…それに!…リーネがどうかしたのか…?」
二人はどうやら【Linea】を発見したようであるが、その様子からは、まるで誰かに執拗に追いかけ回されている様子でもあった。すると背後には、何かおぞましいオーラを放った者が姿を現した───────
ザッザッザ……
ゾゾ〜っ………
「あ〜っ♡…ふふ…ふふふふ!!♡…やっと見つけましたよ〜♡…私だけのハ・ク・ロ・ーさ〜ん♡♡…ウフ!…ウフフフ♡…私…すっごく心配したんですよ〜♪……でも…会えて嬉しいですよ〜♡…うふ…うふふふふふ…♪」(ニコニコ…ユラー…ゴゴゴゴゴゴ……)
「リーネはん!?無事やったか〜!って……どええぇっ!?」(ヒェー!!!)「り、リーネ!…!!ゲッ!!…笑っているけど…なんか…凄く怒っている…!!」「…っ!?」(ゾクッ!!)
そこには微笑みを浮かべつつも、ドス黒いオーラを身に纏った【Linea】がいた───────
「り、リーネ…お前…今までどこに!!」
ガバッ!!…ムニッ♡ムニッ♡
「〜!?…っておわっ!?///…お、おいベアさん!!それにトワさんも!?///」
【Hux・row】は【Linea】に話しかけようとするが、それを【Beanne】と【Towa】にしがみつかれ、両方の自慢な《Fカップ》のある豊満な胸に押さえつけられ、逃走を強く薦められる。
「ハァ…ハァ!!…は、ハクローくん!!今は逃げるんだよぉぉ〜〜〜!!」「ハァ…ハァ…早く逃げたほうがいい!!ハクロー!!今のリーネさん…かなり危険なのだ!!撤退するぞ!!」
「ええ!?ちょっ、二人共!?///……っ!!」(と、トワさん…///あ…当たってる…///)
ピュ〜!!…ダダダダダダダダダ!
「アハ…!!アハハハハ!!!!!…あぁ〜ん♡二人共〜♪…私のハクローさんから手を離してくださいよ〜♡でも…ふふふ…逃しませんよ〜♡…ハクローさ〜ん!!!!!!」(ニコニコ…ゴゴゴゴゴ…)
テッテッテテテテ…!!
「あ…あら〜!こりゃあいかんなぁ〜!…ハクローはん…ま〜た何かやらかしたようやな〜!」(やれやれ…)「教官…大変だな〜!!」(アセアセ…)
∧( 'Θ' )∧・・・・・・・・・
「…一体…どうなってんの?」(アセアセ…)
突然の光景について行けず、【Aria】はただ、鳥が過ぎ去るように苦笑いをするしかなかった様子であった───────
・・・
🎼Back Ground
Music 》》》
♪〜こち亀より・両津VS部長2
ブン!ブン!ブン!
「ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサン♡ハクローサーン♡……イッタイ…ドコデスカ〜?…デテコナイト…オ・シ・オ・キ・デ・ス・ヨ〜♡<●><●>」(ブンブン!)
【Linea】には目に光がなくドス黒いオーラを放ち、執念深く、まるでゾンビ映画に出てくる《バイオゾンビ》のように【Hux・row】と【Beanne】【Towa】を追いかけ回していた。そして三人はバレないように建物の物陰に隠れており、事の事情を説明される───────
かくかくしかじか……
「〜!?///は…!!ハァーーー!?///……で…【Demister】(終焉ノ使徒)のアウロ(【Auro】)に突然襲われて……!!///り、リーネの…ば、バー…ジンが…そ!…喪失ぅーーーッッ!?///」
「あぁ〜ん♡!!///ハクローくんったら〜♡も〜う♡女の子の前でそんな大胆なこと言わないでよぉ〜♡」「そうだぞハクロー!!///…ッ〜!!///そういう恥ずかしい事を僕達女の前で堂々と言うなぁ〜〜ッッ!!!///」(カァ〜ッ!///)
「あ。…す、すまんっ!!///…まあ聞きたい事は山程ある。…だが、確かに説得力はある!!…あんなリーネ…俺は初めて見るぜぇ〜………!!もしバレたらただではすまないだろうな……」
【Hux・row】達は身を隠しているも──────
「ン〜?…ア〜♪…ウフフ♡…ソ・コ・デ・ス・ネーーーーー!!!!!<●><●>」
ブォーン………!!
バギャーーーーーン!!
【Linea】は女の勘を働かせたのか、その場所に薙刀を薙ぎ払った。辺りは甲高い音が響き渡る。
パラパラ………
「!!あ〜らら……」「!!ゲゲッ!!み、見つかったぁ〜!?」「!!ひぃっ!?」(ビクビク!)
「ウフフ♡…ハクローサ〜ン♪ミ・ナ・サ・ンオソロイデ〜♪<●><●>…ヤットミツケマシタヨ〜♡<●><●>…リョウテニハナ…ウフフ♪…ドウヤラウワキノヨウデスネ〜♪<●><●>…イケナイコシタンダカラ〜♡ミ・ナ・サ・ン…<●><●>カクゴハイイデスカーーーーーー!?!?!?!?<●><●>」(スーッ!)(ゴゴゴゴゴ…!!!!!!!)
「(・ー・|||)」「(・ー・|||)」「(・ー・|||)」
ガクブルガクブルガクブルガクブル!
三人は恐怖のあまりに震えてしまい、救いはもうないのだと諦めていた。
プスッ!
「!!……ぁ……」
バタリ!!
するとどこからか【Linea】目掛けて何かが飛んできた。
「!!え?…!!…あ〜!これ…矢だよ!!」「僕達…た、助かった…のか!?」(ヘナヘナ…)「矢?…ってことは!?」
🎼Back Ground
Music 》》》
♪〜大逆転裁判2より〜大追求・成歩堂龍之介ノ覚悟
「せやで〜ハクローはん!…ソイツはウチが調合して作った特性睡眠薬入りの矢やでんだな!!……ふぃ〜…何とか間におうたで〜!皆は〜ん、大丈夫でっか〜?」「教官達〜!!大丈夫か〜!!」
【Linea】の背中には矢が突き刺さっていた。急所は外されており、飛んできた方向には【Keito】が弓矢を構え、その隣には【Bill】が立ちつくし、皆を心配していた。そしてすかさず三人は安堵した表情をし、声を出す───────
「け、ケイトちゃ〜ん!!♡あ〜!!助かったで〜♪ホンマにも〜キューピット様やで〜♡」「急所は…ちゃんと外しているな!…本当にグッジョブだ!!でかしたケイト!!!」「…た、助かったんだな…私達……ケイトさんと言ったか?…礼を言う……」
「ちょっとちょっと〜ベアはん!慣れへん関西弁は使うもんやぁ〜ないでぇ〜!…ほらみんな早く!リーネはんを【河原木亭】まで連れてくとするでぇ〜!」
《お〜!!!!!》
・・・
その後、俺達は【河原木亭】に戻り、セノさんに事情を説明し、納得してもらった。トワさんを除いた女性陣は睡眠薬によって眠っていたリーネを風呂場に連れていき、身体を念入りに綺麗に洗っていた。身体周辺にはねっとりとして粘っこい粘液が付着していたらしく、洗い流すのには苦労したとベアさんがデリカシーなく話しかけてきた為、色々大変だったようにも思う。そして俺に課せられた《罰ゲーム》の内容は、今晩は俺とベアさん、リーネの三人で川の字になって一緒に寝ることだと言われ、今回のリーネのこともあるし、慰めてやる気持ちで、一緒に睡眠を取ることにした。そして何故か俺が真ん中に入れられそうになったので、リーネを真ん中にして寝るようにして睡眠を取った。ベアさんは不満そうであったが、『将来私達の子供が出来た時の予行練習だと思って割り切るよ〜♡』とか言って、納得してくれたようだ。そしていつの間にやら眠りについて、朝が来た───────
・・・
・・
・
〜【Paradiso】歴2000年:7/9・朝方【J島】【kagoya】大正通り・【河原木亭】(かはらぎてい)〜
チュンチュン〜♪
「ん?…んん〜!……あれ?…私…あの後…何をしていたのでしょうか〜?……?…!!え!?は…ハクローさん!?///…べ…ベアさん!?///」
「zzz…リーネ…ちゃ…ん…ごめんね〜…私…お姉…さん…な…のに…一人ぼっちにして………寂しくて……辛い……思い……させ…て……zzz…zzz…」
「zzz…リーネ…俺が…遅…くな…った…せい……で…また…まも…って……やれ……なく……て……ごめ…ん…なぁ…zzz…zzz…」
「!!」
【Hux・row】と【Beanne】は【Linea】を抱き抱えるようにして睡眠を取っていた。二人の顔には【Linea】の為に涙を流した跡が残っており、まるで謝罪するかのように寝言を話していた。その様子に【Linea】は微笑み、二人に思いっきり密着し、再び睡眠に入ると、心の中で話した。
「…ふふ…♪」(ふふっ!本当にですよ〜♪…もうハクローさんもベアさんも少しは反省してくださいね!…でもお二人共、もう私、いつまでも子供ではありませんよ!…昨日の事で私も、子供から《大人の女性》としての自覚が出たかのように思います!…確かにあれは辛い事でした。無理やり…自分達の目的の為だけに他人を陥れ、下劣で身勝手にもいやらしい事を強要して《悪逆》に対する反省すらなく、人の物を奪い取っては嬉しそうに欲望を満たそうとする人…私…本当に大嫌いです!!…でも…もう過ぎた事です。……いつまでもそんなことを悔やんで考えていても何も進みませんよね!……だから私は、必ずあなた達二人のように、強い人に…必ずなって見せます!!…あなた達二人が安心して背中を預けることができる……そんな人に!!)
・・・
【Hux・row】は、その後目を覚まし、これまでの自分の事を【Linea】に報告する。自分は剣の腕を見込まれ、臨時で【狼志組】の仕事を引き受けられた為、手続きとして昨晩、京ノ通りの【桂実荘】という料亭で【狼志組】副長【Fukabe】と話をしていた事。【Beanne】はあくまで付き添いであり、やましいことではなく、【Linea】に危険が及ばないようにと思い、黙っていた事を一から十まで説明する。それを聞いた【Linea】は素直にそう言ってくれたら良かったと頬を膨らませ、身体中を小突かれてしまった。また【Beanne】も同じように小突かれ、くすぐったいからか、微笑みを浮かべており、両者は心配かけてすまなかったと話し謝罪した。その後、朝食を終えた【Hux・row】は、いよいよ【狼志組】を尋ねる準備を整えていた───────
バサァ〜…バタバタ……
「ふぅ〜……よーし!…いくか〜!!」
「ふふ〜ん!よっ!今日から【新撰組】デビューだね〜ハクローくん!」
「ベアさん…【新撰組】じゃあなくて【狼志組】な…」
「たはは〜!どっちでもいいじゃ〜ん♪…それにハクローくん、ちょっと耳貸してくれる〜?」
「ん?…何だよ?そう言って頬にキスするんじゃあないよなぁ〜ベアさん…?」(ジトー!!)
「違う違〜う!!もう、ほ〜ら!か〜し〜て〜!」
「ったく。……で?何だよ?」
【Hux・row】は【Beanne】に耳を貸す。するとニヤついた様子で、話しかけた。
「…トワさんの素顔ってさぁ〜♪……《千夜ちゃん》にそっくりなんだね〜♪?」
「!?なぁっ!?///」(ドキッ!)
「あっはは〜♪赤くなってるぞ〜ハクローく〜ん♪…だからね。……」
ダキッ!ギュッ!!
「!!」
「………」
【Beanne】は【Hux・row】に抱きつき、真剣な目でこのように伝え始める───────
「……今度も…この世界【Paradiso】で…君の大切な愛人……千夜ちゃんの生き写しみたいな人。……ちゃんと守ってあげないとね…」
「…!!」
「大丈夫だよ、ハクローくん!…君なら《トワさん》を守れるよ!…だから。……もう前を向きなさい。……あなたとルーくんが誓い合ったその刀に込められた《覚悟》が本物なら、必ずこの先の道を切り開く事が出来ると信じているのだから……」
「…わかってるよ…!!あの人は女といえど隊長だし、剣は俺以上にすげぇ強い。……けど、もしもの時は絶対守る!!…だか……ら………ハァ〜。……ベアさん……」(ジーートーー!)
「んん〜?どうしたの〜♡?」(ムチュ〜…ドキドキ///)
わかったから………!!いい加減離〜し〜て〜く〜れ〜よぉ〜〜っ!!!!! いやだよぉ〜♡現世の《欧米》に因んで〜♪朝から玄関の前で大胆に〜あなた〜♡いってらっしゃいのチュー♡くらいさせてよ〜♡ハクローく〜ん〜♡♡…チュー〜!!♡♡♡ だーベアさん!!やめろってのぉ〜〜!!また現世の警官漫画の部長みたいな【近代組】の《ダイト隊長》達が来ちまうから〜!!!
ギャー!ギャー!
【Hux・row】は【Beanne】の熱い接吻をされつつも、満更でも無いようで戸惑いながらも、必死に引き剥がそうとする。その光景を見ていた【Linea】はご立腹なのか頬を膨らませており、【Bill】【Rolan】【Senno】は仲睦まじく話をしていた。
「ム〜!!!///も〜う!またベアさんがハクローさんに〜///!!本当にあの二人は懲りていませんね〜!///」(プク〜!プンプン!)
「あらあら〜!…本当に大胆にも朝から玄関前で〜!ふふ♪二人は本当に熟年夫婦のようでお熱く、仲の良いお二人ですこと〜♪まるで昔の昭和のドラマでも見ているようですわ〜♪」
「教官…ベア姉さんと更にあんな仲良くなってたんだな〜!!」「うむ!《フィアンセ》としてベアを任せられるのは、ハクローしかいないようだな!!」
「おいこら〜そこの二人!!悪ノリするんじゃあねえ〜っての〜!!///!!…ハァ〜…じゃあ行ってくるわ…」(ビシッ!)
「「「「「いってらっ………え?」」」」」
ダダダダダダ!!御用だ!御用だ!御用改めであ〜る〜♪
「!!げっ!?この足音…それにこの掛け声…まさか…!?」「ふふ〜んお尋ね者だね〜ハクローく〜ん♪」「な、何でしょうか?すごく大人数ですけど…事件でしょうか〜?」「え?な、何だあれっ!?」「!!…あれは御用見廻組だ!!」「ん〜?あらあら〜!どうやらこちら【河原木亭】にやってくるようですね〜!」
🎼Back Ground
Music 》》》
♪〜こち亀より・最低男、両津勘吉3
あ〜あ〜!やっちゃった!パフ♪
あ〜あ〜!やっちゃった!チン♪
あ〜あ〜!やっちゃった!ポヨン♪
ヒューン…バサバサ…
突然、【河原木亭】に御用見廻組の者達が押しかけてきた。すると先頭には長めの法被を着た堅物そうな雰囲気を醸し出したちょび髭が特徴である【近代組】隊長の【Daito】が出迎えてきた。そして【Hux・row】の顔を見た途端、大きな高笑いを上げ立てた───────
「ワーッハッハッハッハ!!!!ここで会ったが百年目!!!やっと見つけたぞ〜!!全く朝っぱらから玄関前で金髪女と口付けとは相変わらず怪しからん奴だ!!…だが…クックック!!待たせたようだな〜ハクロー!!」
「ゲゲ〜!!ぶ、部長〜!?」
「《バッカモ〜ン!!!!》ワシはダイト隊長と言っておろうが〜!?まったく貴様というやつはぁ〜〜ッッ!!…いいから来い!!!お前を引っ捕らえるよう【狼志組】のフカベ(【Fukabe】)副長殿と十維新の各隊長達から頼まれておるのだ!!!さっ!!一緒に来てもらおうか〜!?」(ニチャ〜!)
「そ…それはお出迎えっていうんじゃあ……!!って!?…お、おい!お前らも何とか!?……あれ?」
シーーーーン… ヒュ〜ン……ヒラヒラ…
「わブッ!!…な、何だ…?…伝言メモ?」(ピラッ!)
【Hux・row】は突然飛んできた小さな紙が顔に引っ付いてはすぐさま取り出し、内容を確認するとそれは【Linea】からの伝言メモであり、文面は女の子らしく書かれており、【近代組】が見ている中で内容を読み上げた。
《昨日散々皆さんに心配をおかけした罰ですよ!…では…気をつけて行ってらっしゃい♪心配しなくてもご夕飯はご用意しておきますよ♪…例えあなたが女難で浮気をして警官のお世話になって連行されても…私はあなたの帰りをいつまでも待って…ずっと…愛しています…ハクローさん♡ by貴方の愛しのリーネより♡》
「…いやリーネ。……別に連行されるわけじゃあ……」
ガシッ!!
「…!!」
「ふっふっふ!!…こんなにも優しく、可愛らしい文面を書く《愛妻》までいながら、堂々と金髪の女を目の前にして浮気を働くとは…いいご身分のようだな〜!!ハクローーーー!!!」(ニチャー!!ゴゴゴゴゴ…)
「観念したほうがいいでさぁ〜!《異世界転生ハーレム主人公》的なポジション。……ハクローの旦那〜♪」(ニヤニヤ〜!鉄バットチャキッ!)
「ハッハッハ!その銀髪はどうやら地毛だったようだな〜!毛根が抜け落ちてしまって大人しく俺のようにハゲ散らかすといいぞ〜!!どれどれバリカンを持ってこい!!モテない俺を見せつけるように金髪のボインな姉ちゃんと熱い接吻を目の前で見せつけた罪で貴様の髪を一毛も無くし、全ての毛根を刈り取ってやるゾォ〜〜〜ッッ!」(ボォーーーッ!!)
「【Paradiso】の世の中の女性の敵、ハクローを確保〜!!」(ガチャン!!)
「よーし!!連れてイケーーーーイ!!!!」
ハッ!!!ほらほらキビキビ歩けー!!
《そ…そんなぁぁぁ〜!?…もう女難なんて!!…こぉりごぉりだぁぁぁーーーーーー!!!!!》
【Hux・row】は、またもやある金好きな下町警官のような声を上げながら【近代組】の集団に連行され、そのまま【狼志組】の屯所へと連行されていく。その道中、予想もしない仕打ちを受けることになるとは知らずに───────
デデーン!!
「Mr.ハクロー!!ダイト隊長カラ伝達ネ!!アナタヲ《公然猥褻》ト浮気ノ罪デタイキックノ刑ニ処スルネ!!…ハァッ!!!!!」
ドゴーーーン!!!
「だぁああああ!!い…いででででで!!!くそっ!!…け、ケツが割れるぜぇ〜〜ッッ!!」(ジンジンジン…!)
「あらら〜!……こりゃあ〜モロに喰らいやしたか〜こらぁ痛そうでさ〜!」(お〜!)
「いたって普通のリアクション芸人のリアクションだ。……イマイチだな…もう少し面白く出来んのか!……プッ!…ハハハッ!…ぐあっ!!…いてぇ!!貴様ぁ…突然ケツバットとは…何をするだ〜!?」(プンスカ!)
「笑ったからケツバットですよ!…はい先輩!返しときますですはい!」(ニッ!)
「おお〜!助かるぞ〜後輩!その調子でどんどん俺を見習うんだな〜!」(ニタァ〜!)
「アイアイサーですーせんぱ〜い!」(ニタァ〜!)
「貴様の仕業かぁ〜!折角の可愛い後輩にS気質な責めの教育を施し、どさくさに紛れて《ドSコンビ》を結成しようとするな〜!!」(イライラ!)
ギャーギャー ゲラゲラ!!
あれは…あらあらまた【近代組】のドSさんね〜! 本当にあの薄毛の隊員の人をいつも茶化しているのよね〜♪ でも…あのドSさんって…なんか清純派なお人で新鮮ですね〜!!
クスクスクスクス!!
「バッカモ〜ン!!貴様ら三人勤務中に私語を喋って無駄な騒ぎを起こすんじゃあない!このハクローを【狼志組】に明け渡した後、お前達三人には《始末書を五十枚》書いてもらい、今日までに仕上げて提出だぁーーーー!!!!!」
ドカーーーン!!
そ、そんなぁああああ!!!!!
「…ハァ…やれやれ…こんな世界でも始末書とかいうワードがあるとは…本当に生々しいな〜…」
・・・
🎼Back Ground
Music 》》》
♪〜龍が如く維新より・Receive Doubt you
〜【Paradiso】歴:2000年・7/9【Kagoya】幕末通り・御用見廻組【狼志組】屯所〜
「ここだ!!」
「…やっと着いたな。……!!おぉ〜!」
タッタッタ!!
「あっ!?お、おい!?」
【Hux・row】は顔見知りの者がいたからか、手を振り挨拶を交わす───────
「お〜い!トワさ〜ん!」(フリフリ!)
「え?…お〜ハクロー!!来たようだね!…【近代組】の者達も同行任務のお勤めご苦労様でした!」(ペコッ!)
「ああ〜これはこれは《十番隊隊長》【Towa】さんではないですか〜!いや〜!今日も精が出ておりますな〜!」(ビシッ!ペコリペコリ!)
【Daito】は深々と【Towa】に対して挨拶を交わす。どうやら階級的にも【近代組】と【狼志組】と比べると後者の方が地位が高いように見受けられた。
「…どうも!……じゃあハクロー!…いこうか!」
「あ、ああ!じゃあ部長〜!くれぐれも部下を大事にな〜!」
「なぁっ!?…だからワシは《部長》ではない!!それに下らんことを〜…!大きな…!!」
お世話だ〜!!!!!」
・・・
ザッザッザ………
「…!!これは!?」
「各島で遠征中の隊員達が…今日戻ってきたんだよ」
【Hux・row】は【Towa】に案内され、屯所の中へと入る。そこには【Towa】を筆頭とした《十維新》の十傑メンバーがそれぞれの席に座り、前には副長の【Fukabe】が座っており、【Towa】はすかさず挨拶をした───────
「おはようございます副長!…ハクロー氏を連れてきました」
「ご苦労だった。…ではトワ…自分の席に座ってくれ。…ハクロー君は、前の長椅子に座ってくれるかな?」
「はっ!」(ペコリ!)「はっ!失礼します!」(ビシッ!)
【Fukabe】はそういうと【Towa】は、自分の席に戻り、【Fukabe】は視線を【Hux・row】に戻し、設けた席へ座るように話しかける。それを確認すると、周りに挨拶するように促す。
「よく来てくれたな…諸君。この者が昨日【Towa】と真剣での一騎討ちを行い、我々と同じ【冥鐘】を会得し、晴れて今日付けで臨時として【狼志組】に配属となった【Hux・row】もといハクロー君だ。…では…皆に挨拶をしてくれるか?」
「…はい!…本日付けで臨時として【狼志組】に配属となった【Hux・row】です!ハクローとお呼びください!!…よろしくお願いします!」
「…」「…」「…」「…」「…」「…」「…」「…」「…」「…」
【Hux・row】は十維新メンバーに対し挨拶をする。隊長達は、その様子をじっと観察していたようだ。引き続き【Fukabe】は口を開き、今度はメンバーに対し、こう伝える───────
「皆の衆、覚えておくように。……昨日で私とソガミ、ナガワ、トワは自己紹介を済ませたのだったな…では今度は他のメンバーを紹介しよう。まず九番隊隊長【Kyusaku】(キュウサク)挨拶を…」
「…【Kyusaku】だ。…歓迎するぞ…」
《【狼志組・十維新】九番隊隊長【Kyusaku】(キュウサク)》
九番隊隊長【Kyusaku】はそう挨拶する。特徴は20後半の渋い顔つきの男であった。
「…八番隊隊長【Yaeka】(ヤエカ)挨拶を…」
「【Yaeka】(ヤエカ)です。…へぇ〜!君がトワの言っていたハクローくんなのね〜!?よろしく!!」
《【狼志組・十維新】八番隊隊長【Yaeka】(ヤエカ)》
「……」(ヤエカさん……か。…性格は明るい人でフランクな姉気質ときたか。……なんか何処か西野さんに似てるな…!)
八番隊隊長【Yaeka】は性格が明るく、フランクな感じがしており、その様子から【Hux・row】はありさを連想していた。
「…七番隊隊長【Nalsame】(ナルサメ)挨拶を…」
「七番隊隊長【Nalsame】(ナルサメ)だ。よろしく」
《【狼志組・十維新】七番隊隊長【Nalsame】(ナルサメ)》
七番隊隊長【Nalsame】は淡々とした性格をしていた。
「…六番隊隊長【Muhara】(ムハラ)挨拶を…」
「六番隊隊長【Muhara】(ムハラ)と申す者であ〜る。よろしく!」
《【狼志組・十維新】六番隊隊長【Muhara】(ムハラ)》
六番隊隊長【Muhara】は少し楽観的な性格である。
「…五番隊隊長【Akill】(アキル)挨拶を…」
「五番隊隊長【Akill】(アキル)だ若いの!!…おい!!…俺の足引っ張るようなら承知せぇへんぞ〜!…まあよろしくな!」
《【狼志組・十維新】五番隊隊長【Akil】(アキル)》
【Akil】は血の気が多いからか柄が悪く、少し口が悪い印象がもたれている様子であった。
「…三番隊隊長【Miyobe】(ミヨベ)挨拶を…」
「三番隊隊長【Miyobe】(ミヨベ)だ。…お見知り置きを!」
《【狼志組・十維新】【Miyobe】(ミヨベ)》
「…二番隊隊長【Niyano】(ニヤノ)挨拶を…」
「二番隊隊長【Niyano】だ。…臨時とはいえ、よろしく頼む」
《【狼志組・十維新】【Niyano】(ニヤノ)》
二番隊隊長【Niyano】は周りよりも身長は低めであるも冷静だからなのか、落ち着いている。そして全てのメンバーの自己紹介を終えると、【Fukabe】は周りに【Hux・row】を歓迎するような言葉を投げかける。
「…以上だ。今日からハクローくんには任務についてもらう。皆の者…日が浅いハクローくんと仲良くしてやってくれ…」
ハッ!!
【Fukabe】は歓迎の言葉を述べた後、本題に入る。
「そして…昨日人斬り容疑の罪で確保した【Zeal】であるが、今回ハクロー君との戦闘で奴は腕の靭帯をやられ、二度と剣を降る事は出来なくなった。……昨夜、我々は今回の事件の《黒幕》について知っている事を吐かせるために尋問をしたのだが…奴は笑みを浮かべ、自身ありげにこのような事を述べていた…」
ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…
「『いずれ、近いうちに…この【Kagoya】の町に救済の神による報復措置が待っている事を…そしてその時。……私は、必ず復活致しましょう!』……そう話していた」
!!…なっ!? それって一体…!? では他に黒幕がこの町にいると…!?
「!!」(つまり…あれで終わりではなかったってのか!?……まだどっかで、裏から何やらデカいものと手を引いていたってことか…!!【Zeal】の口振りからして…まるで《テロリズム》とか、《事変》だとかを引き起こす《犯罪者的思考》を持ち合わせてやがるような言い草だ。……そして救済の手といったからには…またもや奴らは何か大きな悲劇を…この【Kagoya】の町に引き起こそうとしているんだ…)
【Hux・row】は手を握り、おそらく【Varisk】と【Demister】(終焉ノ使徒)の六使徒メンバーが近い内に再び現れ、町を襲撃しようと目論んでいる事を頭に浮かべていた。そして、【Fukabe】自身も同じであり、話を続ける───────
「…それを聞き、我々も穏便に見過ごす事は出来なくなり、今回急ではあったが、君達【狼志組】の各隊長を収集し、緊急集会をさせてもらった。おそらく奴らは普段寝静まっている夜の時間帯に行動を共にし、何かを実行しかねない。そこで今回我々は、敵対勢力からの夜襲に備え。…【Kagoya】全土の町の夜廻り警備措置を取ることとした。時に怪しいと思われ、こちらに危害を加えるものと遭遇した場合…武力行使をしても構わない」
「…」(まんま【新撰組】みたいなもんだな。……《疑わしきは罰せよ!》…とでも言いたげだな…)
「…以上だ!…作戦開始時刻は本日7/9…二一〇〇の夜決行とする!…それまで皆には自由行動とする。夜に備え、十分な休息や英気を養うといい。それでは今回の緊急集会は以上とする。解散」
スタッ!…ザッザッザッザ…!
【Fukabe】の言葉を請け負った【狼志組】の隊長達は、建物の外へと出る。すると【Hux・row】の目の前には【Towa】が目の前に立ち、何かを後ろに隠しては微笑んで話し始めた。
「今日からよろしく、ハクロー!…これは、ここ【狼志組】の制服だよ!」
「え?…ああ!ありがとなトワさん!」
「……じゃあ早速行こうか!」
「…え?…どこへ?」
【Hux・row】の返答に対し、【Towa】は笑みを浮かべるとこう伝える。
「ここでの仕事についてだよ。…僕が色々教えてあげる!ほら、その制服に着替えたら早速始めるよ!」
「そうか!…すまないな。…夜に備えて休んどかないといけないのに…」
「別にいいよ。……着替える場所はあそこにあるから。……では。また後で!」
タッタッタ…
「ハァ〜…よし!着替えるか…!」
🎼Back Ground
Music 》》》
♪〜大逆転裁判2より〜成歩堂龍之介・冒険の前奏曲
「…見た目は学ランみたいなようではあるけど素材はかなり丈夫だ。マントはっと……」
バサっ!…バタバタ……
「!!おお〜っ!…結構いい感じだな!!……昔の空川少尉もこんな感じだったんだろうな…」
【Hux・row】は着替えを済ませた。その服装はネイビー色の制服を見に纏い、上には長めのデジタル迷彩のマントを羽織り、バンカラのように見立てた服装であった。そして、靡くマントについて疑問を感じていた───────
「でも…何故にマントだけはデジタル迷彩なんだ?」
「…それが君のトレードマークだからだろう。……ハクロー君」
「え?…あっ!?副長!!」
「…なかなか様になっているようだな。…ルーシス室長からも話は聞いているが、現世では君《海上自衛隊》に所属していたのだろう?…そこで、【Wear.CR】(ウェア・クリエイティブ)を使い、特注で君用のマントを作らせてもらったのだ」
「…は、はぁ〜……ありがとうございます!」(…まあいいか…こりゃあもう俺のアイデンティティみたいなものか…)
・・・
「トワさん…終わり…まし…ええっ!?」
「おっ!着替えたようだね!ハクロー!」「おっ!ハクローくん!…へぇ〜デジタル迷彩のマントか〜!…うん!…なかなか似合うわ〜!良いわね!」
「と、トワさん!?…それに【Yaeka】隊長まで!?…な、なんで巫女服なんだ!?」
【Hux・row】は驚いた。【Towa】と【Yaeka】の二人は赤と白の巫女服に着替えており、これから何処かへ行こうとしていた所であった。すると【Yaeka】は笑みを浮かべては、【Hux・row】に接近してきた。
「ハクローくん!別に私の事は隊長呼びせずに、トワと同じように《ヤエカ》って呼んでくれたら良いから!…ウフフ♡…そ・れ・は♪…今から向かう所に着いたら分かるわよ〜!!…んじゃあ行くとしますか〜ト・ワ♡!!」(ガシッ!)
「ああ、ヤエカ姐さん!じゃあ早速行こうか!ハクロー!」(ガシッ!)
ズルズルズルズル……
「え?ええーーーっ!?い、一体何をするって言うんだ〜!?」(アセアセ!)
【Hux・row】は【Towa】と【Yaeka】の二人に両脇を持たれるとそのまま移動し、《目的地》へと向かっていく。
・・・
・・
・
〜【Paradiso】歴:2000年・7/9・【J島】【Kaguya】千夜ノ桜通り〜
「着いたよ!!」「さ〜て、お仕事といきますか〜♪」
「……一体何の仕事なんだ?…《千夜ノ桜》にまで桜を見に来て…」
【Hux・row】は【Towa】と【Yaeka】に連れられ、辿り着いたのは千夜ノ桜通りの千夜ノ桜の前であった。その場で桜が舞う様子を見物していると、その目的について二人は語り出した。
「実は私達。……現世では《巫女》だったの!その名残もあってか定期的にここ千夜ノ桜の方に来てはね。《お祈りの儀》をしてるのよ!…折角だし…そ・れ・を…♪」
「ハクローにもぜひ見物して見せてやろうと思ってヤエカ姐さんと話をしていたんだ!」
「お祈りの儀…所謂《奉仕活動》ってやつなのか?」
「まあそのようなものだ!…!!あったあった!」(ゴソゴソ!)「ウフフ♡…私の《神楽鈴》!…これがないと始まらないわね〜♪」
リィーーン…♪…シャラシャラシャラ〜♪
【Towa】と【Yaeka】は【P-Watch】から《神楽鈴》を呼び寄せる。その鈴の発する音色を聴き取った【Hux・row】は口を開く。
「…それって…もしかして現世の鈴か?」
「その通りだよハクロー!」「正解よ♪…流石、狼の名がつくだけあって鋭いね!」
「いや別に。…だけどいい音だよな〜!!思わず【冥鐘】と間違えそうになるな〜!」
「はは!それは言えるかもしれないね!…じゃあヤエカ姐さん!…そろそろ…」「ええ!…じゃあ始めましょうか!行くよ〜ハクローくん!…私達…実の姉妹のように生きてきた息ピッタリな《桜の巫女の舞》……とくとご覧あれ〜!」
【Yaeka】はそう言うと、千夜ノ桜の前に立ち、向き合いつつ、その隣に【Towa】が立ちつくし、一礼お辞儀をし、終えると神楽鈴を持ち、両方は同じ姿勢で鳴らし、桜の花びらが散りゆく中で優雅に舞う───────
🎼Back Ground
Music 》》》
♪〜八重の桜より・メインテーマ
リィーーン…♪…シャラシャラシャラ〜♪
「…」(クルクル〜…)「…」(クルクル〜…)
リィーーン…♪…シャラ〜シャラシャラシャラ〜♪
「!!…へぇ〜!!」(…龍川神社の巫女さんも舞う日があったけど…この二人…長年奉仕活動を続けているからか、すげぇ息があってるんだなぁ〜!……なんか昔から生活していた姉妹のようで、とても仲が良い事が伝わる……!!)
「…」(クルクルクル〜…)「…」(クルクルクル〜…)
リィーーン…♪…シャラ〜シャラシャラシャラ〜♪…リィーーン…♪…シャラ〜…
カン! カン! カカン! キィン♪ 〜♪
「ん?…どっかからよく《火の用心》で鳴らす時の音が。………後、鐘と…笛かこれ?………!!あれは………」
ワイワイ! ガヤガヤ! ワイワイ!
そうか!今日はやえちゃんととわちゃんの舞の日じゃったの〜いや〜ありがたや〜…ありがたや〜… 相変わらず二人共べっぴんさんだね〜! あの二人は現世人で巫女だったから舞がとても上手で美しいわね〜!いつの間にか…もうこの【Kagoya】の千夜ノ桜の顔だね〜! そうですね〜!本当の姉妹ではないと言いますが…それでも本当に仲の良い姉妹のようですよね〜! そういえばヤエカさんが来ては《11年》。トワさんが来てもう《8年》か〜!! …トワちゃんも来た時、昔は小さかったのに、頑張ってAランクになってよそで年齢サロンを受けた途端いきなりあんなに大きくなったものだからね〜…あぁ〜時間が経つのもあっという間だね〜♪
「!!…そうか!」(最初はヤエカさんが11年前に来てトワさんが8年…それ以降からこうして仲良く…もうそんなに長くもこの奉仕活動をな〜!…それに…心なしか、桜の花びらが舞ってその中で華やかに踊っていて…二人共…すげえ綺麗だ…!///)
「…〜♪」(クルクルクル〜…)「…〜♪」(クルクルクル〜…)
リィーーン…♪…
・・・
・・
・
「…ふぅ〜!どうだったハクローくん?」「ハクロー!…どうだったんだい?」
「…とても…いいものが見れました。……二人共奉仕活動お疲れ様です!」(ビシッ!)
「そっか。…で…そのいいものって何だい?……まさか、疾しい事なのかい?」(サッ!…ジーッ!///)「ふふふ♡…ハクローくんもやっぱり男の子なんだね〜♪私達の身体を見ては…一体何を考えていたのかな〜♡?」(ニヤニヤ〜♪)
「えっ!?…だぁ〜っ!!///いやいやいや、そうじゃあなくて!?///と…とにかく!!…二人はこの【Kagoya】の住人の方々にすこぶる親しまれていて愛されているのだと!…そう思っただけですよ〜!!」(アタフタ!)
「え〜っ!…もーなんだぁ〜つまんないなぁ〜!」(額当て!)「ハクロー!!…【狼志組】といえど、たまには羽目を外してもいいんだよ!」(フンス!)
「ハァ…」(いちいち二人のリアクションで疲れるな〜本当に……まあいいか…)
その後、俺とトワさん、ヤエカさんはお互いの事を話した。現世ではトワさんはどうやら《島根県》出身で《出雲大社》の巫女。12歳の頃に《肺炎》で亡くなり、今は8年の歳月が経って20歳となっている。この世界に来て剣に生き、実力を重ねていき【Aランク】になったが彼女自身、ある複雑な事情もあったが、何とか吹っ切り、整形をして今の大人の女性らしい姿となったそうだ。ヤエカさんは《宮城県》の仙台市のある神社の巫女であり、【Paradiso】に来たのは《11年前》。死因は25歳の時、通り魔による殺人事件に巻き込まれてこの世を去り、【J島】の【Kagoya】に訪れたその3年後、少女の姿をしたトワさんと出会い、彼女を保護して一緒に過ごしていく内に、本当の姉妹のような関係を築き、今のような巫女の舞の奉仕活動をしていた時に副長がトワさんの才能に何か光るものが見えたらしく、目をつけヤエカさんが訪れた時から所属していた【狼志組】に入門し、二人は《切磋琢磨》していき、現在の立場まで上り詰めたらしい───────
・・・
「そうか。……そんなことがな。……大変だったんだな…二人は!」
「そうだね〜!……で、トワが現世でのハクローくんの愛人元よりフィアンセの《千夜ちゃん》って子にすごく似ているのね〜♪!?」(ニヤニヤ!)
「!!な、なんでそれを!?…ハッ!……まさかトワさん!?」
「ああ。…僕がヤエカ姐さんに教えたんだ!」
「……そういうことか。…通りでなぁ〜…」
「でも。……ハクローくんこそ大変だったわよね〜?…まさか折角千夜ちゃんとお互いようやく両想いの《恋》が結ばれた途端に……すぐに別れが来て……」
「…っ!!」
「………ふふっ!」
トントン!
「!!…え…」
【Yaeka】は、慰めるかのように【Hux・row】の肩を置き、心から慈悲深く接する。
「でもよかったわ〜!こうして千夜ちゃんと瓜二つのトワとあなたは出会ったんだから〜♪!まあ〜元気出しなさいよ〜♪!!まだ若いのにチャンスなんかいくらでもあるんだから〜♪」
トントン!
「!!……すまないな。…ヤエカさん…」
その彼女の温かい心に揺れたのか、少しばかり笑みをこぼし、申し訳なさそうに言った。
「ふふ♪…でもね…ハクローくん…」
「?…でも?」
そう言うと、【Yaeka】は【Towa】を強く万力のように力強く抱きしめては、まるで毒牙が触れないように守る気持ちで【Hux・row】をじっとみては強く宣言した。
「いくら君のフィアンセの千夜ちゃんにトワが似ていてもねぇ〜!!!私の可愛い妹のト・ワ・に・は!!!!…絶っ対に指一本触れさせないしッッ!!!誰にも渡さないんだから〜♡♡♡!!!///」(ムギュ〜♡!!!)
「!!///…ちょ!?ちょっ!?///…ヤエカ姐さん!!///…おおうっ!?…くっ!…苦しいってぇ…!!ああっ♡!!///…いっ!!いたたたたたたたたたたたたたッッ!!…い、痛いってぇ〜〜!!…ね、姉さ…ん……!!は…はなしてぇ…おくれよぉ〜〜///!!!」(ググググ…!!)(グイッ!)
「…あ、あはは…」(ヤエカさん…き、極度の《シスコン》なんだな…)
「は、ハクローーー!!み、見ていないで…助けっ!……!!…ブクブクブク…!!!」(ぐったり…)
「!?うぉっ!?あ、泡吹いてる〜!?おいおいヤエカさん!?そのくらいで〜!!トワさん泡吹いているから〜!!」(ガシッ!)
「いやよ〜♡いやいや♡!!絶対離さないわぁ〜♡!私はトワのお姉ちゃんとして〜…〜♡♡!!」(ギュッ!!なでなで!)
《トワを一生大切にして〜♡誰にも連れていかれないで、ただ平和に…幸せに生きていて欲しいのーーーーーーー〜♡♡!!!!!》
・・・
・・
・
🎼Back Ground
Music 》》》
♪〜大逆転裁判より・亜双義一真:使命のサムライ
〜【Paradiso】歴:2000年7/9日・昼方【J島】【Kagoya】・清流通り〜
「…あぁ〜……い、痛かった〜!……今日の姐さんの《抱擁》は激しかったかな〜……」(ズキズキ…)
「…ヤエカさん…何かあったのか?現世で妹がいるとか?」
「いや、そうじゃあないんだ。…実はその昔、ヤエカ姐さんには妹が産まれる予定だったんだけど、流産で生まれなくて…それが凄くショックだったんだと思うんだ…」
「!!…そうなのか。…それでアンタをまるで生を受けられなかった妹の分まで、とても大切に…」
【Hux・row】は【Yaeka】の事を【Towa】から聞き、辛い事情があったのだと知った。するとラムネを持ってきた【Yaeka】が姿を現した───────
カランカラン♪
「おっまたせ〜♪…はい、ラムネ!ハクローくんも!」
「ああヤエカさん!…ありがとう!…すまないな…」「ありがとね。…ヤエカ姐さん!」
「ん?どうしたの?浮かない顔してさ…」
「いや、なんでもないよ。じゃあいただきます!」(ゴクゴク)
「いただきます!」(ゴクゴク!)
「…変なの〜!」(ゴクゴク!)
【Hux・row】達は清流通りの町のベンチに腰を掛け、ラムネを飲んで一息ついていた。そしてこれからの事について聞く。
「…まだ作戦実行まで時間があるな。それまでこの町を、他の志士達がパトロールしているんだな〜!」
「そうだね!…今回はどのように出てくるか…副長もヤケに気を張っているようだからね…」
「まあなんとかなるでしょ!気楽にいきましょ!…大丈夫!トワに何かあれば!!私がすぐに助けてあげるんだから〜♪!!」(フンス!)
「はっは!…トワさんには頼りになる姉さんがいて、色々支えになってるな〜!…まあ俺も同じ気持ちだよ!何か困ったことがあればアンタを守るよう協力する!」
「…ありがとう二人共!…だが私は大丈夫だ!……!!ぷはぁ〜!」(ゴクゴク!)
「ハクローくん言ってくれるねぇ〜♪!…?あり?…あれは?」
「ん?…!!」「?…!!ヒィッ!!」
【Yaeka】は何かを見かけたのか声を出す───────
ゴゴゴゴゴ…
「……うふふ!…ハクローサ〜ン♡!…あなたという人は性懲りもなく巫女さん達を口説いて堂々と私の前で浮気して……早速【狼志組】の仕事を職務放棄ですか〜!?」(ニコニコゴゴゴ…)
「…!!ゲッ!り…リーネだ!!…うぉっ!?と、トワさん!?」「!!…お、お助け〜…!」(ぴえん!)
「……〜♪」(ふぅ〜ん、ハクローくん《モテモテ》なのね〜♪……ふふっ!…)
そこには見回りしていた【Linea】と【Bill】【Keito】達が現れた。思わず【Hux・row】は驚き、【Towa】も昨日のことがあり、後ろに隠れて身を守る───────
「おっ教官だ!…お〜い!教官!…お!?学ラン着てるのか教官!?…なんか懐かしいな〜!」「ビル!あれは学ランやのうて【狼志組】の制服やで!…それにしてもハクローはん!巫女はんを二人連れて、ここで何しとんのや〜?」
「お〜ビル!ケイトも!見廻りご苦労さんだな〜!俺は今【狼志組】の奉仕活動を終え、昼飯を食べてからこうして一服してたんだよ!この二人は…その奉仕活動していた時に知り合った巫女さんだ!」
「…へぇ〜」(あえて素性をバラさず…か!)
「ふむふむ…」(伊達に諜報機関ギルドにいるわけではないと。やっぱり心得はあるんだね〜♪)
「そうなのか!!俺、巫女さん見るの…初めてだ!」「ああ〜!…そういえば千夜ノ桜通りでお祈りしてたん、よう見かけたな〜!」「珍しいですね〜!…あら?あの〜そちらの方…」
「!!は、はい!な、なんでしょう!?」(ドキン!)
「あの〜…もしかして最近何処かでお会いしませんでしたか?」(ジーッ!)
「!!い、いえ…気のせいかと…」(アセアセ…)
「…ん〜…!!なんか怪しいですね〜!!」(ジーッ!)
「…!!」(アセアセ……)
【Linea】は【Towa】の顔をじっと見ている。【Towa】は傘を深々と被り、意地でも身分を隠す。それを見兼ねたのか、そろそろと言わんばかりに【Hux・row】は【Linea】の前に立ち、宥めるかのように言いその場を立ち去ろうとする───────
「まあまあリーネ!その辺で…じゃあ俺達はそろそろいくよ!…引き続き見回りを頼むわ!じゃっ!」「じゃあ…私達も…」「失礼します!」
タッタッタ!
「あ!も〜う!ハクローさ〜ん!…うぅ〜!!///」(プク〜!)「まあまあリーネはん!…ほなウチらもいこか」「そうだな〜!教官もなんか忙しそうだし!」
・・・
「はぁ…はぁ…あ〜びっくりしたな〜!まさか俺の仲間が聞き込みしている所と鉢合わせるとはな…」
「僕、しばらくリーネさんはトラウマかもしれない…」(ヒヤヒヤ!)
「あはは!大丈夫大丈夫!…へぇ〜リーネちゃんか〜!ああ見えても…根はすっごく心優しい子なんだね〜!」
「…まあな!…あの子の姉さんには…現世では本当に世話になったんだ!…だから…あの子を…守ってやりたい!」
ハクロー!…本当に女関連のトラブルが多いぞ! そうだね!こりゃあ女難体質ってやつだね〜♪ お、俺だってもう懲り懲りなんだっての!!
・・・
一人の白狼の男と、それをまるで従えているようにも見える二人の巫女は京のようで和のような町を駆け巡っていく。そして【Hux・row】の物語は、いよいよ佳境へと進もうとしていた。
・・・
・・
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