GiorGiaNo

 
《Paradisoシリーズ〜導かれし七人の現世人の冒険譚》

A.:GiorGia


〜第一章:白狼と誓いの儀礼刀〜>


第18話:【Agente】(エージェント)【Kagoya】街の維新編 Part3

【R・P】社ギルドチームの一員である【Hux・row】と【Linea】の二人は、猟師兼鍛冶屋ギルドに所属する【Keito】と出会い、親方である【Orbin】との出会いにより、現世の菊川からの餞別である木刀の中に仕込まれていた白銀のように光り輝く大業物の刃【白狼刃】を名刀【Louvel】に納まり、別の異名《【白狼刀】》として目的通り、復活を果たす。その一週間後に【Mist garden】の領主であり、【Paradiso】でも名が知れ渡る癒しの力を重んじる《【F】フレイシア家》の令嬢【Agartania・F】(アガルタニア・フレイシア)と各島の六人のギルド幹部【Elto】(エルト)【Ruves】(ルーヴェス)【Nelva】(ネルヴァ)【Oriana】(オリアナ)【Yulis】(ユリス)【Agnas】(アグナス)と出会い、名刀【Louvel】のマスターであった、【Louverd】騎士団長の真実を【Hux・row】は知る───────




《Capitolo・1》
物語を開始しますか?

🎼Back Ground Music 》》》



How can humans endure life without oblivion and the accompanying beautification of the past?
(人間に忘却と、それに伴う過去の美化がなかったら、人間はどうして生に耐えることができるだろう。)

Only the monster of habit can surpass the spirit.
(精神を凌駕することのできるのは習慣という怪物だけなのだ。)

Mishima Yukio
(三島由紀夫)



♪〜聖剣伝説3より・Evening Star

〜【Paradiso】歴:2000年7/5・【J島】【Mystia】山【Mist garden】玄関前〜

俺は昨晩、半強制的にネルヴァさんと一緒に寝てしまい、酒の匂いを嗅ぎ過ぎては二日酔いのような状態になり、身体がだるさを感じてしまっていた為、先にシャワーを借り、浴びてから朝食を済ませようとした。その間に訪れていた幹部のギルドメンバーはとっくに旅立ち、各島の母国へと帰還していったらしい。そしてこちらも朝食を終え、【Kagoya】の町に戻ろうと下山する為、玄関から出ると、アガルタさんが見送りに来てくれた。

・・・

「もう行かれるのでございますね…」(シュン…)

「はい!…昨日一晩お世話になり、本当にありがとうございました!」「ありがとうございました!」「おおきにな〜!アガルタさん!!」

「いえいえ!…でも…その姿を見ていると…ふふっ!…ハクローさん…貴方様の隣には、まるでロベルが立っているようにも見受けられます!」

「!!…へ、へぇ〜…ロベルがね〜…」(ちらほら…)

「…ふふふっ♪…」

ガバッ♡!

「ウォっ!?///」(まっ!?また…不意打ち!?///)「!?///も〜うアガルタさ〜ん!!///…うぅ〜!!///」「!!」(ハァ〜…またかいな〜!…アガルタさん…ハクローはんの親友の事どんだけ好きなんやねんなぁ〜!?)

【Hux・row】は不意打ちにも、再び【Agartania・F】の温かみのある抱擁に包まれる。その様子を嫉妬深く

「あらあら…リーネさんもどうか怒りを鎮めて…どうぞ一緒にいらっしゃって…」(バサッ…)

「!?…〜!!///」

ダキッ!!

「…リーネ…?」「もう!今回だけですよ…それに…アガルタさんに抱かれていると…何だかお姉ちゃんの事を思い出すんです…」

「あらあら…昨日お話ししたリーネさんの姉君……ありささんの事をですか…?…ふふ…昨日リーネさんの家族写真を拝見させていただきましたが、確かにリーネさんの姉君は本当に綺麗なお方でしたね…!」(なでなで!)

「…あ…///」

「……」(…そうかリーネ…心なしか…寂しかったんだな……俺は…この人からロベルのことを知り【paradiso】に来ては、真・ユートピア創造士隊のような人の命をなんとも思わない連中がいれば、俺の住んでいた現世で出会った西野さんのような…こんな聖母のような慈悲深い人もいることを知ることができた。…ロベル…お前がこの人を親身になって助けようとした気持ち…何だかわかったよ…)

ポタ…ポタ…ポタ…

「…!!」「…え…アガルタさん…泣いているのですか…?」

【Hux・row】と【Linea】が上を見上げていると【Agarutania・F】が慈悲深い涙の雨を流していた。そして二人の旅の安全を願うかのようにこう話した。

「…お二人とも…どうかご無事で!!……私は…もうこれ以上…あの子…ロベルのような尊い犠牲を出されて……いなくなってしまうところは見たくはないのです…!だから…!」(ギュウ…!)

【Agarutania・F】は【Hux・row】と【Linea】をまるで大切な我が子を見送るかのように、強く抱きしめていては身体が震えていた。その様子に【Hux・row】は理解した。ロベルを失ったという事実は【Agarutania・F】にとっても心の傷が深かった出来事なのだと感じ取り、二人は自信を持って語りかけた。

「!!…大丈夫です!!…俺は…いや、俺達は【G・lrof】の奴を討ち取り…必ず無事にこの名刀【Louvel】を持って…真っ先に貴女の元へと戻ってきます!!…だからアガルタさん…もうそんな悲しそうな顔をして泣かないでください…頼みますから…!」(ポタポタ…)

「…私も…ハクローさんと同じ気持ちです…!現世の時を生きていたハクローさんや千夜さんにとっても…かけがえのない友人の方であり、アガルタさんの命の恩人でもあるロベルさんを卑劣にも手に掛け…!…アガルタさんをこんなに辛い思いになるまで悲しませた【G・lrof】という人…!!…私も絶対に許しません!!…私もこの戦いを済ませたら…ハクローさんと一緒に…アガルタさん…貴女の元へと戻って参ります…だから…グスッ!…アガルタさん…もう泣かないでくださいよ…私…!!…うわあぁああああん!!」(ポロポロ…)

「…!!…ふふ…ありがとうございます…お二人共…約束ですよ…!」(ギュッ!)

【Hux・row】と【Linea】は【Agarutania・F】を励まし、心の中でロベルへの感謝の気持ちを伝えた。

《…貴方があの時…私を救っていただいたおかげで…今…こんなにも幸福を感じております……ありがとう…ロベル…!!感謝します…》

・・・

「じゃあ俺達は行きます!…アガルタさんもお元気で…!」(ビシッ!)

「アガルタさん…またいつの日かお会いしましょう!…では失礼します…!」(フリフリ!)

「ほなアガルタさんさいなら〜!また物資とか持ってくるさかいに〜!!」(フリフリ!)

「…皆さん、道中お気をつけて…いってらっしゃいませ…!」(フリフリ…)

【Agarutania・F】は【Hux・row】と【Linea】【Keito】の三人を見送る。三人の背中を見ていると少し名残惜しく感じていた。

「皆さん…どうかご無事に元気な姿で帰ってきてくださいね…!…約束ですよ……?…急に…霧が立ち込めて……!!…え…!?…あれは…!?」

突然【Agarutania・F】の前には霧が立ち込み、何やらそこに人影が見えていた。その人影からは親しみのある優しい声が語られた。

『安心してよアガルタ!…古くから癒しの力を持つ…君達フレイシア家の令嬢の貴女なら…きっと白狼達の力になってくれるよ…!』

「…!!ロベルなのっ!?…どこ!?…どこにいるの!?…あ…あぁ…!!」(ポタポタ…)

【Agarutania・F】はそこでロベルの幻影と幻聴を聞いたのか切ない涙を流していた。それでも幻影とはいえどロベルが目の前に来てくれたことを嬉しく思えた。

「…ごめんなさいねロベル!…貴方が去った後も…ご心配をおかけしまして…!!…わかりました…ハクローさん…それに皆さん…貴方方の旅の無事を…心から祈っております…!」(ギュッ!)

・・・
・・



🎼Back Ground Music 》》》



♪〜聖剣伝説3より〜Swivel

〜【Paradiso】歴:2000年7/7日・J島【Kagoya】の町に続く高原〜

【Hux・row】と【Linea】は【Keito】の案内で、約二日程度が経過して【Mystia】山を無事に下山するも、遠回りの道に回り込んでしまったからか【Kagoya】の町に続く緑の高原の長い道のりを歩いていた───────

「なんとか【Mystia】山から降りれたが…!!すげえなぁ〜!…緑の草原が続いている!…だがまだまだ【Kagoya】までは長い道のりのようだぜ〜…」

「そうですね〜!私はもう病弱ではなくなり、こうして歩いてもさほど疲れがないのが何よりの救いですね〜!!…!!ん〜うっ!この心地の良い風と草原の景色を見ながらこの空気を吸うと…ふふっ♪…何だか気持ちがいいですね〜♪」

「あ〜、そういや〜リーネはんは現世の時は病弱体質でしばらく病院で生活したんやな!…それで【Paradiso】に早速来ては【Dail】邸でメイドとして監視の生活を受けて…今となっちゃあ〜こうして《自由の身》になってこの景色を見ていることがリーネはんにとって信じられん事やもんな〜!」

「はい!本当にそうですよ〜♪それも全て、ハクローさんのおかげでもあります!!本当にあなたには感謝しきれませんから…!!ハクローさん♡!!///」(ドキドキ///)

【Linea】は【Hux・row】に対し、再びお礼を言う。すると少しばかり照れ臭そうにもこう告げる。

「へへ、そうだな〜!…さーて、どんどん行くとするか!!…お前ら〜!!遅れるなよ〜!!」(タッタッタ!)

「ああっ!ハクローさ〜ん!待ってくださいよ〜!」(テッテッテ〜!)

「なはは!ハクローはんもこの景色を見ては、心なしかノリノリやんけ!…伊達に狼の名がつくからかね〜!」(タッタッタ!)

三人は、長い道を歩いていく。すると何かの動物を発見した───────

ピョンピョン!!

「!!…うぉっ何だ!?…ウサギ…か?……!?にしてはでか〜っ!!80cmはあるぞ!!」(ぎょえ〜!)

「そうですよね〜!【Paradiso】の動物の生態系は…一体どうなっているのでしょうか?」

「ホンマに摩訶不思議やからな〜っ!この【Paradiso】っちゅう世界は!!…あれはこの世界に住むウサギで【Graconiglio】(グラコニジオ)っちゅうんや!…特に人には危害を加えたりはせえへん。毛皮はいいけど肉は食えたもんやないからスルーや!次いくで〜!!」

「ヘえ〜ケイト!やっぱ猟師ギルド所属だからか、この世界の生態系に詳しいな〜!…なんか、でもあれだ…モンスターみたいな動物が出てくるからか…《ゲーム》とか《ラノベ》みたいな…ファンタジー世界に来たようにも思うよな〜俺達…」(チラホラ!)

「そうですよね〜!…私はゲームやラノベ?というのはあまり知りませんが…確かに何かのファンタジー小説に出てきそうな雰囲気ではありますよね〜!」(ちやほや!)

「ウチも現世にいた時はよくファンタジー系のラノベは読んでたな〜!特にオススメはな〜!……」(カクジカ…)

三人は雑談しながら草原の道のりを走っていく。すると、何か巨大な黒い影が見えてきた。

タッタッタ!

「!?あ〜!!スト〜〜ップ!!隠れるんや、自分ら!!」(キキーーー!!ササッ!チラッ!)

「な、なんだよケイト!!…って…!!…げっ!?…あ、あれは…!?」(ササッ!チラッ!)

「…え?…!!…あ!…あ…あれって…もしかして……!!クマですか!?」(ドキドキ!)(ササッ!チラッ!)

グオオ…

「…ああ…あれはおっかないで〜!…【Paradiso】に生息してる黒熊【orso nero】(オルソネーロ)や!!…アレには注意しぃや!!」

グォォ…!!

三人は目の前の黒熊【orso nero】を目撃し、岩陰に隠れて身を潜めた。その体長は2mはある。【Keito】曰く気性が荒く、攻撃性も高いため、旅人曰く遭遇すれば現世の世界でも言えることだが、《怪我だけでは済まない》らしい───────

「なるほどな〜!…ケイト。…アンタはこいつら熊に対するトラウマは?」

「…昔は抵抗あったんやけど、今はあのオロアはんの試練のおかげでそんなもん乗り越えたわ!!…よし…ハクローはん!アンタの能力が頼りや!…ウチの標的能力で狙いを定めて…」(ググー!)(スナイパー能力発動)

ピロピロピロ ピピ…!!

【Keito】 ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
スナイパー能力を発動しました。敵の位置を特定して標的を定めました。

「俺が奴の急所を逃さないようにソナー能力で位置を感知すると…了解だ!!」(ソナー能力発動!)

フォン…フォン…ピン…ピン…!

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
索敵能力を発動しました。北北東の方角に動物らしき影を感知しました。

【Hux・row】と【Keito】の二人は能力を使い、息の合ったコンビネーションで黒熊を仕留めようとする。そして狙いが定まり、攻撃の合図が出た。

「そこだ!!」(ビシッ!)「今やで!!」(パシュッ!)

シュッ!! グサッ!!

グォーーーー!! ギラッ!!

「…!!まだ生きてやがる!!ええいくそがぁっ!!」(ジャキン!!)「あかん!仕留め損なったか!!気づかれたで〜!!」(ガチャン…!)

グォーー!!ダダダダダ!!

ヒュンヒュン!! ブシャ!! グサッ!!

グオオ……オォ…… 

バターーーン!!

「」(ポカーン…)「」(ポカーン…)

二人の存在に気づいたのか、黒熊が突進してくる。【Hux・row】は名刀【Louvel】を抜刀し、【Keito】は猟銃のショットガンの引き金を引こうとする。その時、二人の目の前にかまいたちのような斬撃が飛んできたのを確認し、斬撃は黒熊に直撃し、そのまま倒れ伏せて討伐される。その光景を目撃した二人は唖然とした表情をして立ち尽くしている。するとそこには見事な薙刀捌きをして黒熊を睨みつけている【Linea】がいた。

「二人には危害は加えさせませんよ!!…ですが、突然ごめんなさい。…どうか成仏なさってくださいね……」(ぺこり…)

【Linea】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
戦果ポイントが加算されました。次のランクアップまであと※※※※です。

「……武器に魂を集気させて、かまいたちのように斬撃を飛ばしたのか!!…魂を補填して治癒する以外にもそんな使い方がな〜!…考えてみたら…おっかねえ能力なんだな〜……」

「リーネはん…本気で怒らせたらいかんぜよこりゃあ…」

・・・

タッタッタ…!!

「…でも、任務のこともあるけど…こうしてお前さん達とこんな広大な自然のある草原を走って旅をするのも…なかなか面白いな〜!!」(二カッ!)

「そうですね〜!…ふふ…まるでこうしていると…私達三人は…!!」(クスクス!)

「家族とでも言いたげな雰囲気やな〜!!…まあそういうん嫌いやないで〜ウチは!!…ハハ…!!」(ケラケラ…!)

アーーッハハハハハハハ!!

三人は笑いながら広大な草原の道のりを走っていく。すると【Kagoya】の街が見えてきた───────

「見えてきたな〜!およそ一週間ぶりだ!!」「本当にお久しぶりですよね〜!」「ふ〜遂に我が故郷やで〜!!」

【Hux・row】【Linea】【Keito】の三人は笑みを浮かべ、急いで草原を駆け巡り【kagoya】の街へと入っていく───────

・・・
・・



🎼Back Ground Music 》》》



♪〜久石譲より・Summer



〜【Paradiso】歴:2000年・7/7・昼間【J島】【Kagoya】・清流通り〜

リンリーン〜♪ ミ〜ンミンミンミ〜♪

「…へぇ〜!蝉の泣き声に、この世界にも風鈴があるのか!…もう日付的に夏だから…何となく《久石譲》の《Summer》とか現世の《日本映画・菊次郎の夏》を思い出すな〜!」

「ふふ!…風鈴がとても良い音ですね〜♪涼しげで…何だか風情を感じますね〜♪」

「この【Paradiso】の世界には、季節の概念がなくても時間とかの概念があって一応日付があるからな〜!…まあこの【Kagoya】の千夜ノ桜は、一年中桜が咲いてたりするから4月以外やと違和感感じてしもうて、そこまで季節感が味わた心地がせんけどなぁ〜…」

俺達三人は、【Kagoya】の町通りの一つ《清流通り》と呼ばれる道を歩いていた。清流通りは、リーネ曰く周囲の風景が何となく現世の《岐阜》にある《群上八幡》の町の景色とよく似ているらしい。俺は行った事はないが、リーネは父が出張で写真を撮ってきてはその風景の写真を見て、一度行ってみたかったと言ってたらしく、この【Paradiso】の世界を訪れ、場所は違えど似たような雰囲気のある町を訪れる事が出来てとても嬉しそうにしていた。確かにこの季節にはとても涼しげで快適な場所だと感じる。それに水も透き通っていてとても綺麗な場所だと俺は思っていた。

タッタッタ………!!

「おっ!思い出したけど今日は七夕やんかいな〜!?」

「あ〜言われてみればそうですね〜!…でも…笹はないので…ここでは七夕の文化はないようですね〜!」

「おそらく現世人のセノさんは笹とか準備してそうだな〜!…また戻るまでに七夕の短冊に何を書くか考えておくか!」

「いいですね〜♪」「それええな〜♪…って…ウチは親方の家で寝泊まりやったな…」

「いやいや折角だし書いていけばいいと思うぞ!!」

三人は談笑しながら、道を歩いていく。すると【Linea】が何かを発見した。

「…ん?何でしょうか…【天鏡水導の鳥居道】…?」

「…何だろうな?…なあケイト?…ここは一体何なんだ?」

「ああ〜、ここはな!清流通り名物スポットの一つの遊歩道でな〜!…まあ言葉で教えるよりも、実際にその目で見て歩いてみたほうが早いで〜!…ほな折角やしついて来てや〜!」

タッタッタ!

「あ!おい!」(タッタッタ…)「一体どんな場所なんでしょうね?」(テッテッテ…)

【Keito】は【Hux・row】【Linea】の二人を誘導するかのように遊歩道の道を歩いていく。そこには青と白の千本鳥居が続いており、しばらく道を歩いて行くと赤い橋が見えて来た。その橋を渡り、ふいと景色をみると、そこには二人にとっても、馴染み深い絶景かつ広大な光景が広がっていた───────

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜天気の子より・花火大会

「…!!こ…ここは…!?」「…こ…これは…!!…まぁ〜!なんて広い湖なのでしょうか!?…それに広大な清流が湖になって…!!前方に見える空模様も…山々も…ハッキリと鏡写しのように写り込んでいます!!」「ここが【天鏡水導の鳥居道】の有名スポットの醍醐味……《明鏡止水ノ境地》と言われてる場所やで〜!!」

二人が見た場所は、一度見たことがある光景でもあった。それは【Hux・row】の夢の中にある心の世界【Sognare】の鏡写しの空間を連想させるような心が澄んだ空間とも呼べる場所を連想する景色がそこにあった。景色を見て先に口を開いたのは【Linea】であり、思わず【Hux・row】の手を握り、彼の胸に手を添える形で、雄弁に語り出した。

「…やっぱり、この景色は…とても澄んでいて…濁りもなく綺麗な場所ですね。……私がハクローさんの目覚めを待っていた時に思わずうたた寝をしてしまい、あなたの夢の心の中の世界【Sognare】に介入した時のことを思い出します……ふふっ!」(トン!ポロ…)

「…ああ!俺もまさか俺の心の中に…こんな水鏡が広がる世界があるとは思わなかったよ。…!!夢の中で東京にいて……嬉しかったのが…まさか現世に存在する千夜の心そのものと会って…マスターの空川少尉の喫茶店で過ごしていた家族と友人。……それだけじゃあなかった。…俺やロベルの掛け替えのない居合道の仲間の菊川先生と千里に会って…その後、俺と千夜は一緒にこの景色を見て…!!俺の心の中に存在している三橋三等海佐と、西野さんと会ったんだ!いくら俺自身が心の中で認知している二人とはいえ……あの時…またあの人達に会えて…俺は本当に嬉しかったんだ!…二人さん方…本当にあの時は…お世話になりました!!」(トン!ポロ…)

「…お兄ちゃん!…お姉ちゃん!…この景色を見ていますか?…今…私達は、こうしてこの【Paradiso】で、仲良く過ごしておりますよ!」(ポロ…二コッ!)

「……っ!」(…へぇ〜ハクローはんの【Sognare】の世界はこんな景色なんやな〜!…てっきり《白狼》ってイメージやから、雪原とかそんなんやと思っておったけど…まあハクローはん……何となく心が広いからこんな景色なんかもな〜!)

カシャ!!

【Linea】は【P-Watch】のカメラ機能でこの幻想的な風景を撮影した。その時に旅の記念ということで、【Keito】が【Hux・row】と【Linea】のツーショット写真を撮影した。【Hux・row】は凛とした表情をしており【Linea】は満更ではなく、幸福な笑みをして写真が撮影された。そしてメール機能でその写真が二人に共有されて配られた───────

・・・

「よ〜し!次はここやで〜!!」

「…へぇ〜今度は《広島》の《厳島神社》のように鳥居があるんだな〜!……ん?にしては?」「千本の鳥居になっているのですね〜…とても幻想的ではありますが。……何でしょうか?…切なくもありますね…」「《彼岸の鳥居》とも呼ばれる場所やからな〜!あそこからあの世の魂が行き来したりするとかいう迷信ができたりもした程やしな〜!!」

カシャ!! 

・・・

ヒラヒラ〜!

「何だ?……桜の花びら?…じゃあここは…」「ああ〜!あそこに見えるのは…千夜ノ桜通りの桜ですね…!!」「ここはあの通りとも隣接しとるからな〜!なんかこの赤の橋と桜の色って…相性がいいんよな〜!」

・・・

【Hux・row】【Linea】【Keito】は【天鏡水導の鳥居道】の幻想的な清流の澄んだ空間の途中の道を心ゆくまで楽しみ、改めて和の心を実感した。そろそろ昼も近い為、【天鏡水導の鳥居道】内に《食事処》があったので、すかさず立ち寄り、昼食を堪能していた。

リーンリンリィ〜ン〜♪

「お待ちどおさまです…ご注文の素麺でございます…」

コトッ!

「おお〜っ!来た来た素麺!」「涼しげですね〜♪」

「うちんところは北海道生まれで寒かったから、よく熱々の白味噌の味噌汁に入れて食べとったな〜!…じゃあ二人共…食べよか〜!」

「そうだな〜!じゃ…いただきます…」「いただきます!」「いただきます〜!」

ズルズル……!!

「!!…これは…!?俺……!?こんなうまい素麺…初めてだ!!…清流だからか…だしも旨味が効いていて…なんか…!?澄んでいる味がする!!」(チュルル…!)

「…まあ〜、本当ですね!…何でしょうか…この素麺の食感…!!まるで清流のように流れ、繊細な糸のような喉越し…!!とても…凄くおいしいです〜♪」

「こりゃあ一体どんな小麦で出来ているんやろうかな〜!?…まあ美味いからええか〜♪」

【Hux・row】【Linea】【Keito】は心ゆくまで素麺を堪能した。《食事処》を出ては引き続き三人は道を歩いて行く。すると【Linea】は何かを発見した───────

バサバサ〜!!

「!?…あぁっ!ハクローさん!…あそこ!!」(ビシッ!)「…ん?…おっ!《白鳥》か〜!!」

「お〜白鳥な〜!…え〜っと。…あの種類やと…!?…おお〜!あれ【Louvel】(ロウヴェル)やんけ!」

「…!!…【Louvel】…!!そうなのか!?…この名刀と同じ名前の白鳥!…ロベル!…見てるか!?」(チャキッ!)

「ハクローさん!…撮りますね!」

カシャ!!

「なはは!ハクローはん!…よかったな〜!【Louvel】っちゅうのは、そう滅多に現れん白鳥やから運がええで〜!…きっと何かいい事が起こるで〜!!」

「…そうか!まあ俺は迷信を信じるタイプではないが…ちょっと嬉しいかもな!」

「ふふふ!…でもハクローさん本当に嬉しそうですね〜!」「ほんまやな!…なんか肩の荷が少し降りたんと違うん?」

「ん?そうか?…でも確かに、特にロベルの事を知っていたアガルタさんとの出会いや…各島の6人のギルドリーダーでロベルが創設した騎士ギルド【Verkuy】のユリスとの出会い…そしてこの【Kagoya】の町の景色を見ているうちに…俺も何だか心に余裕を持てたのかもしれないな!」

【Hux・row】は【Kagoya】の町を訪れてからの事を思い出しては考えに耽っていた───────この町で見た【千夜ノ桜】や現在見ている【天鏡水導の鳥居道】の景色【Mist garden】の領主である【Agarutania・F】と、各島に在籍する6人の幹部ギルドとの出会い、その中でロベルの事を知る者がいたりとその経験が【Hux・row】にとって、今回の旅で何かかけがえのないものになっていた───────だが【Linea】は【Agarutania・F】の名前を口にした【Hux・row】を、嫉妬深そうな表情をして見つめていた───────

「む〜っ!!///ハクローさん!!なんでそこで《アガルタさん》が出てくるのですか!?もう!///浮気とふしだらなことは…この私と千夜さんが絶対に許しませんよ〜!!ハクローさんのばかばか〜っ!!///」(プンプン!)

ポカポカポカポカポカポカ!

「あ〜!いたいいたいって!落ち着けってリーネ!…って、あはは!くすぐったい!…やめろって!あははっ!」

コチョコチョコチョ!

「〜!!///…っ!!…うふふっ♪」

「…ハァ〜本間に仲良ええなぁ〜自分ら!…まったく、この二人の熱いムードには…」(やれやれ…)

《こんなに涼しいところでも冷めんし…ホンマにあきまへんわ〜!!》

・・・

【Hux・row】【Linea】【Keito】の三人は【天鏡水導の鳥居道】の遊歩道を終え、出口に辿り着いた。出口付近の周りは澄んだ水の清流が流れている橋があり、その橋の下には多数の《錦鯉》が泳いでいた───────

スイスイ〜♪

「まぁ〜!…色鮮やかな錦鯉さん達がこんなに!たくさん元気そうに泳いでいますね〜♪」(ウキウキワクワク♪)

「…なぁ〜ケイト。……もしかしたらだけど…この錦鯉ってさ…」(哲学的視点)

「…うん、ハクローはん。……ウチもな…猟師ギルドに所属してる身でな…生態系にも強くなったとも思ったんやけどな〜!…それでも…たま〜に思うんよ。…この錦鯉共の事。…こいつら一体どっから湧いて出てきたのかっちゅう事をな〜…」(哲学的視点)

【Linea】は無邪気に錦鯉を見て純粋に楽しんでいた。そして錦鯉を見ていた【Hux・row】と【Keito】の二人は、現世から来たものなのか…それとも元から【Paradiso】に住んでいる独特の鯉なのかという哲学的な疑問を持ち、この【Paradiso】の世界の《摩訶不思議》な世界観について改めて実感した───────

・・・
・・

 
B. いいえ


《Capitolo・2》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜エクソシストより・メインテーマ

〜【Paradiso】歴2000年:7/7・昼間【J島】【Kagoya】大正通り・【河原木亭】(かはらぎてい)〜

俺達は、《清流通り》から拠点としている【河原木亭】がある《大正通り》へと無事に辿り着いた。ケイトは【Orbin】さんの様子が気掛かりだと言って、先にセノさんとこに行っといてと話す。そして俺とリーネの二人で行動し、なぜか雲行きが怪しくなるのを気にしていたが、いよいよ【河原木亭】の玄関を開く時がきた───────

タッタッタ………

「…およそ一週間ぶりですね〜!」「よ〜し!開けるぞ〜!」

コンコン!…ガラガラ…

「こんにちは〜!!セノさ〜ん!今戻りました〜!!…?あり?いないな…」「セノさ〜ん!……いますか〜?…あれ?」

二人は【Senno】の名前を呼ぶ。しかし一向に姿を現さない。すると、何やら階段の上から物音が聞こえてきた────────

ガタッ!…ギシ…ギシ…

「?……なんか上から音がしないか?……リーネ?」「…そ、そうですね。…何でしょうか?…掃除でもされているのでしょうか?」(首かしげ?)

キイイイャアアアア!!!!

「!!」「…!?な、何ですか!?」(ビクッ!!)

突然上の階から呻き声のような奇声を上げた女性の声が聞こえてきた。螺旋階段の上からは、何やら素早く誰かが駆け込んで降りてくる轟音が響き渡ってきた───────

ガタッ!!…ギシィ〜ッ………!!ガタガタガタガタガタガタッッ!!

「!!な、何だ何だぁ〜!?…なぁっ!?ぶっ!!ブリッジの姿勢で物凄げぇ〜勢いで階段からセノさんじゃあない別の女性の人が降りてきただとぉ〜!?」「い、いやあ〜っ!!い、一体何なんですか〜!?」(ビクビク…!)(ギュッ!)

【Hux・row】が見た光景は高速で螺旋階段をブリッジで降りてくる女性の姿であった。そして階段を降り終えてくると、光の速さで玄関へ向かいながら床を這いずり回り、顔を見せない様に玄関前へと姿を現し【Hux・row】と【Linea】の二人の前に迫って来た───────

「……お、おいマジか…!!これって…まさか…!?…EXORCI…おわっ!?」(ゾワゾワ…)

「いやぁ〜〜っ!!…は、ハクローさん!!…私凄く怖いですぅ〜!!」(ビクビク!)(ギュウっ!!…ブンブン!!)

あまりにも突然の恐怖に絶望を感じていた【Hux・row】が発言しようとしていたその時、【Linea】が身体にしがみつかれ、その言葉は中断された。そしてその女性はゆっくりと二人に顔をジワジワと拝見させるかの様に見上げていく。その度に心なしか外から雷が鳴り響く音が聞こえてきた───────

「…こんにちはぁ……よくおいで下さいましたぁ…そして…会いたかったよ〜♪…ハクローく…」(ニチャアア〜♪…)

ガラガラピシャンッッ!! ダダーーーーーッッ!!

「に、逃げるんだよぉおおお〜〜〜〜!!」「キャアアアア〜〜〜ッ!!!!」

【河原木亭】の玄関を迎えてくれていたのは【Senno】ではなく、ホラー要素満載の別の女性であった。そこには血の気のない真っ白な顔つきをし、顔面には爪で皮膚を抉ったかのような生々しいゾンビのような掻き傷があった。髪色はオレンジがかった金髪の髪色をしており、服は水色のワンピースを着た女性がそこにいた。【Hux・row】自身、先程の階段からブリッジで素早く階段を降りる様と、その女性の顔と服装には《悪い意味》で見覚えがある。それは現世で過ごしていた時、ある洋画で《悪魔祓い》をテーマとした《ホラー映画》の傑作で《金字塔》とも呼べるレベルの映画にあったワンシーンの恐怖を思い出していた。その女性は【Hux・row】を見て不気味な笑みを浮かべており、すかさず名前を呼ぼうとしたその時、思わず恐怖と身の危険を感じた【Hux・row】は思いっきり玄関の扉を閉め、その現場を目撃していた【Linea】も恐怖を感じ、一緒に逃亡し、すぐにその場から避難し、【河原木亭】の所在を【Linea】に確認を取った───────

「…ハァ…ハァ…!!おいリーネ!?…ここ本当に【河原木亭】だよな!?…《幽霊屋敷》とか《狐屋敷》とか…言いたくないけど悪魔に取り憑かれた《リーガン・マクニール》の家だとかじゃあないよなあ〜ッッ!?」(ゾクゾク…)(ビシッ!)

「そ…そのはずです!!……あと、先程のオレンジ色の髪の女性の方……着物ではなく…なんか水色の服を着ていましたけど!!…それにハクローさんのことを呼んでい…!?ひぃっ!!……あ、あの…ハクローさん!!…う…後ろ…!!」(ビクビク…ビシッ…)

「…う、後ろが…なんだよ…!?」(ドキドキ…)

ヌッ!!…ピチャア……

「!!…つ…冷たぁっ!!…え…!?………ッ!!」

オレンジがかった金髪で生気が全く感じられない女性は水気を帯びているからなのか、冷え切った水気の帯びた手で【Hux・row】の肩を掴み、その表情から発せられる寂しく少し嫉妬じみた感情をしつつも【Hux・row】の顔を見た途端、狂った様に微笑み、次第に求愛を求めるかのように笑みを浮かべ【Hux・row】にじわじわと迫ってきた───────

「〜♪…ひぃどぉいなぁ〜…折角待っていたのにぃ〜!!…でもぉ〜……!!会いたかったぁああよぉぉぉ!!!!〜♪…ハクローく〜ん♡…うふ…♡…うふふふふふふ♡!!!!!」(ニタァ…!!)

チュウッ♡!ペロペロ…チュ〜〜〜ッ!!♡

「!!??………ッ…」(ゾワァ〜〜!!)

フラァ〜ガシッ!!

「は、ハクローさぁん!!!…い、いやぁああああ〜〜っ!!!!!」(ポロ…!)

普段冷静な【Hux・row】も突然現れた女性に対し、頬にキスをされたと同時に舌を舐められ、そしてとどめには、吸血鬼の様に血を吸い取るかのような熱いキスを頬にされてしまい、とてつもない《恐怖》と《絶望》を感じたのか、失神をしたかのように、その場で倒れ伏せようとした【Hux・row】を女性は優しく抱き抱える。そしてその女性は、妖怪じみた物凄い力があるのか【Hux・row】をお姫様抱っこして抱き抱えながら、次にジリジリと【Linea】の方へ視線を合わせ、不気味な笑みをして歩み寄ってきた───────

コツン……コツン……〜♪

「…うふ…うふふふふふ…♡」(ジリジリ歩み寄る〜)

「!!…い…いやぁ〜っ!!…こ、来ないでください!!」(ブンブン!)

「うふ…うふふふふふふふ…!!ハクローくんとぉ〜…随分と…楽しそうな旅…だねぇ〜♪…リーネちゃ〜ん♪」

「いっ!!…いやぁっ!!誰か!!助けてくだ…!!…え…?あれ?…何であなた、私の名前を…?それにハクローさんを襲うどころか…むしろ優しく抱き抱えて…!!それにその声…もしかして…あなたは!?」

・・・



「ん〜…!?…あれ?…ここは…?」

「あ…気づかれましたか!?ハクローさん!!あ〜良かったです〜!!」(ギュー!)

【Hux・row】はあの後気を失い、【河原木亭】の布団で横になっていた。その隣には【Linea】が心配そうに【Hux・row】を抱いていた。そして【Hux・row】は先程の女性に対し、悪い夢を見ていたかのように語った───────

「…ああ、リーネ。…俺…なんかすごく悪い夢を見ていたよ。…俺は…別に怖いものは嫌いってわけじゃあないんだ。…だが実際あんなテレビで見たことがあるような《恐怖体験》を……この【Paradiso】で初めて経験して、ホラー映画を演じている出演者って、こんな気持ちで演じていたのかって気持ちだったよ…」

「あ、いえ、あれは夢ではなくてですね!…あの女性の人はですね!……あ」

「あ?……!?って…まさか…!?……げげっ!?」(クル…!!)

「…うふ…うふふふふふふ…」

【Hux・row】は【Linea】の反応から後ろから後ろを振り向くとそこには先程【Hux・row】を襲った女性が立ち尽くしており、不敵な不気味な笑い声を出して見下ろしていた。その様子に【Hux・row】は絶句した。

「」(あ、今度こそ俺死んだわ…)

「…うふふふふ……!!ぷっ…あっははははっ!!…ハイッ!!みんな〜もういいよ〜!!」(パンパン!)

「……え?」「…ふふ…!」

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜大逆転裁判2より・復活の検事

シュバッ!!テッテレ〜!!

《ドッキリ大成功!!》

「!!…なぁっ!?…ど、ドッキリぃ〜!?」

【Hux・row】自身、それはとても驚いた。突然襖が開かれ、看板に《ドッキリ大成功!!》と書かれていた───────

「教官!!無事か!?」「ハクロー!!一週間ぶりだな!!」

すると、二人組に声をかけられる。どうやら今回の騒ぎであるドッキリ企画の首謀者は、自分の所属するギルドメンバー【Agente】の者達の協力があったようだ。そして何よりも【Hux・row】が驚いたのは、そのメンバーは【Bill】【Rolan】と自分の所属する顔馴染みのギルドメンバーがそこに集結していたからである───────

「ビル!それにロラン!…じゃあ……あの《リーガン・マクニール》は。……!?もしかして!?」

バサァッ!!

「ふっふ〜んご名答〜♪!!…よっと!…どうも〜♪【Agente】所属のマドンナで〜♪ハクローくん!…貴方の愛しのパートナーレディー♡…べアンヌだよ〜♡!!」

被り物のマスクを破り捨てた彼女はその本性を現す。《リーガン・マクニール》になりきった女性は【Beanne】であった───────

「んも〜久しぶりぃ〜!会いたかったぞ〜♪そ〜ら!!ウリウリ〜♡」

チュッ♡!チュッ♡!ベロリ…

久しぶりに【Hux・row】の顔を見れたのが嬉しいのか、すかさず抱きついて微笑ましい表情をしつつ、普段よりも熱く濃厚なスキンシップを交わす。

「だぁ〜!!///やめろってベアさ〜ん!!///……ったく、《ドッキリ》とは恐れ入ったよ本当に〜!!…つ〜か、そもそも何でアンタがあの金字塔のホラー映画を知っているんだよ〜!?」

「うふふ〜♪私の母国の《カナダ》でもあの映画は結構有名で流行ってたんだ〜♪!!でも…驚いた顔をした君も…〜♡!!///すっごく可愛いかった〜♡!キャ〜ッ!!♡♡」(ムギュ〜ッ♡!!)

「!?んぅ〜ッ!!///」(べ、ベアさんの胸に圧迫されて…!!くっ!苦しい!!///)(ジタバタ!)

「うぅ〜〜っ///も〜う、ベアさん!!///いい加減ハクローさんから離れてくだ〜さ〜い〜!!///」(グイグイ!)

「え〜っ!嫌ー!!だってリーネちゃん!これまでハクローくんと一週間もイチャイチャしたんだから〜!今度は私の番だよ〜♪!」(ブーブー!)

「ん〜っ!!///」(ググ〜!ジタバタ!!)(た、頼むから離してくれ〜!!ビル!ロラン!助けろ〜!!)

「教官…何だか見ない間にすっきりした顔になったよな?…ロラン兄貴!」「そうだな、ビル!それにベアもうれしそうで何よりだ!!」

ハハハハハハハ!!

【Agente】一同は笑顔で【Hux・row】を歓迎して祝福した。そして、後からこの【河原木亭】の管理者【Senno】と【Orbin】の用事を済ませ、この邸に訪れていた【Keito】が姿を現した───────

「あらあら〜♪…【R・P】社の【Agente】の方々は…ふふっ♪!皆さん本当に仲がよろしいですね〜♪!」(ニコニコ♪)

「何してるんや〜?自分ら?」(やれやれ…)

自力で【Beanne】の抱擁から逃れた【Hux・row】は、【Bill】と【Rolan】と共に【Senno】の姿を見てすかさず挨拶をする。

「あ、すみませんセノさん!無事に帰還しました!!…ようケイト!さっきぶりじゃねえか!」

「あ、どうもセノさん!と…アレ…あの女の子…誰だ?」

「セノさんどうもお疲れ様です!この度は……!!なっ!?き、君は!?」

「ん?なんや?」

【Rolan】の方は、【Keito】の方を見て何処かで見かけたからか、思わず声をかけた。

「もしかして…!!五年前の、あの時の少女の者か!?」

「?……!?あ〜っ!!アンタはんは確か、あの雲の世界【Delka】で花男のおっさん共に捕まってて、ウチが引っ叩いて助けた兄さんやないけ〜!?…うわ〜!!ごっつ、ご無沙汰ってやつやな〜!!」(ニカニカ!)

「ああ!!…あの時は本当に君に助けられたようだ!!……う…ぅぅ……!!俺はあの時、花男達に捕まってしまい…もうすぐで…アイツらの…禁断な…」(ウルウル…!)

「あ〜あ〜っ!!それ以上はもう言わんでいいわっ!!聞くだけでむさ苦しいし!あのムキムキなおっさん共を見て思い出すだけでも暑苦しいっちゅうねん!!…ってあれ?…ハクローはん?…なんやアンタはん、どえらい気分悪そうやけど、どないしたん?」

「……俺の前でその話をするな…気分が悪い…!!」(オエ〜っ……)

「……もしかしてハクローはん…アンタも被害者かいなぁ〜?……それはおいたわしややな〜…」(合掌…)(女難だけやのうて…まさかあのむさ苦しい男共にも愛されるとはな〜……こりゃあ〜心が広いを通り越して《宇宙》行きそうやで〜!!)

「そうだね〜!…ハクローくん…それがトラウマになってね〜!…【Sognare】でもその花男の夢を見たらしいんだって〜!!…もう本当に…!!可〜愛〜そ〜う〜!…今日はこのベアお姉さんが君の教育(今日イク♡)係として布団の中で一晩付きっきりでお供して優しく抱きしめて慰めてあげるからね〜♡♡」(ダキィッ!)(なでなで…スリスリ〜♡)

「…〜!!///な…なな…!!///…〜!?///なんて破廉恥な事をみんなの前で堂々と言っているのですかベアさぁ〜ん!?///……あなたという人はぁ〜っ!!///…さ、させませんよ〜!どさくさに紛れて、ハクローさんを取らないでくださ〜い!!///」(グイグイ!)

「…あはは…どないやねんな〜これ……あ〜自己紹介遅れたようやな!ほな改めまして!ウチは鍛冶屋兼猟師ギルド【Melton】所属のDランク【Keito】現世人の18歳や!!ケイトと呼びや!!…そこのえ〜とロランはんの顔見知りや!よろしゅうな!!」

「そうか!!…ロラン兄貴と同じ時期の…!!今から五年前から来た【現世人】だからその姿でも俺と同い年なんだな〜!!俺は【R・P】社!【Agente】【Bill】だ!!ビルと呼んでよ!!ケイト!」

「俺も【R・P】社【Agente】所属の【Rolan】(ロラン)後さっきからハクローに抱き付いている彼女がウチの同僚の【Beanne】(べアンヌ)だ。…アレは彼女なりの《愛情表現》なのだ!…俺の事は先程のようにロランと呼んでくれればいい!!改めてよろしくな、ケイト!!…君と再び会えたことを…俺は嬉しく思う!!」

「お互い様やで〜♪!!よろしくな〜ロランはん!ビル!」

《リンダリンダ〜♪》

【Bill】 ランクE
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー
【Keito】が戦闘メンバーリストに加入しました。

・・・

俺はその後、何故【R・P】社【Agente】のメンバーがこの【Kagoya】に訪れたのかの事情を聞いた。すると、それはルーシス室長から三人に課せられた直々の特殊な指令があったらしい。計画として俺達が一週間の間の期間中に、この【Kagoya】を不在にしている間、三人はその仕事を陰で遂行していたらしい。その仕事とは、この【Kagoya】の町で【真・ユートピア創造士隊】を動かしていた悪代官のような者の存在が、この地に潜伏していたという事だ。俺達がこの町を去った後、その悪代官はタイミングを見計らい、何か大きな花火を放とうとしていた時に、【Agente】のメンバーが駆けつけ、その動きを静止させたらしい。しかし未だにその肝心な黒幕の悪代官の居所の情報は掴めておらず、とりあえずは第一ラウンドは取っただけで、油断は出来ない状態であるらしい。とりあえず今は休息の時間だと話してくれた。それでも、壮大で恐怖を感じた過剰ドッキリではあったが、みんながこうして来てくれたのなら嬉しい限りだと心の中で思った。そして夕方頃になり、折角みんなが集まったのだからと、セノさんがメンバー分の《浴衣》を用意してくれて、俺達は浴衣に着替えてメンバーのベアさん、ビル、ロラン、俺とリーネ、ケイト、そして意外にもセノさんまで参加し、ある場所へと案内された───────


・・・
・・

 

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜四つ目神より・古都に咲く花

〜【Paradiso】歴2000年・7/7・夕方【J島】【Kagoya】清流通り〜

スタッ!スタッ!

「〜♪…はいは〜い!お待たせ〜!!今日はお祭りの日だよ!!」「ふふふっ♪…では行きましょうか〜皆さん!」

「へぇ〜っ!祭りの文化!この【Paradiso】にもあるんだな〜!俺!祭りは好きだ!!楽しみだな〜!!」

「はは!ビルよ!この【Kagoya】の町を結構気に入ったようだな!」

「あっ!…ハクローさん!…ここって!?」

「ああ。どうやら俺達が昼に訪れた…」

「【天鏡水導の鳥居道】やな〜!…あ、そうか!思い出したで〜!七夕に因んでここでは《灯籠流し》と、ここならではの祭りをやるんや!!おそらく場所は、彼岸の鳥居やで〜!」

夜になり、メンバーは浴衣姿になって【天鏡水導の鳥居道】の道のりを、灯籠を持ちながら歩いていく。しばらくすると、青と白の千本鳥居をくぐり、再び鏡写しの空間が広がる、清流の秘境の場所へと辿り着いた───────

「へぇ〜!《明鏡止水の境地》とは聞いてたんだけど、本当に水が澄んでるねぇ〜♪!」「そうですね〜!夕方になれば尚更なんですよ〜この景色は!…なんて果てしないくらいに世界が広く見えますね〜♪!」

「俺!!こんな景色見たのは!生まれて初めてだ!!」「そうだな!ビル!これぞロマンってやつだ!!よく見ておくと良いぞ!!」

「やっぱり…夕方になっても綺麗ですね…ハクローさん!」(コテッ!)「そうだな…本当に…!!」(ニッ!)

「…へへ!」(ハクローはんもリーネはんもホンマにアツアツのたこ焼きのように暑苦しいな〜!……まあ嫌いやないけどな〜♪)

幻想的な風景を見て、再び感動の感想の声を、皆のメンバーが語り出しながら遊歩道を歩いて行く。すると今度は、いよいよ目的の《彼岸の鳥居》へと辿り着いた───────

「…ここですね!」「ああ。…ん?……!?おおっ!?…なんかあの鳥居の前に《屋形船》みてえな舟があるな〜!」

「あの舟に乗ってあの鳥居をくぐっていくのですよ〜♪…ですがその前に…このように灯籠を流すのですよ…」

ポチャン…

「お、灯籠を流した!」「儀式みたいなものか?」

「そんなもんや!ここでは舟を乗る事、つまり向こう側にとっては、《渡る舟》に乗る意思表示の確認の為に、《敬意を表して灯籠を清流に流し、安全に渡る為》に!…っちゅう意味を込めてやるらしいんや!…どれ、ウチも、と!」

ポチャン…

「へぇ〜!そういう習わしがあるんだな…じゃあよろしくな…」「昔からのしきたりがあるのですね〜!…では私も!」

ポチャン… ポチャン…

「ロラン兄貴!俺達も!」「そうだな!!」「私も〜♪」

ポチャン… ポチャン… ポチャン…

灯籠は綺麗に流されていき、清流には幻想的な明かりが灯され、命の輝きのように煌びやかに流れていく。すると千本鳥居から屋形船がこちらに渡ってきた───────

シャラ〜ン♪! シャラーン♪! シャラ〜ン♪! シャラーン♪! シャラ〜ン♪! シャラーン♪!

「おお〜!…よく居合道で刀を振っていた時に《龍川神社》で巫女さんがよく鳴らしてたあの時の鈴の音がする!なんか…懐かしい響きだよな〜!」

「ハクローさん…何だか嬉しそうですね〜♪!それに舟ですし、元海上自衛隊であった事も思い出してしまいそうですね〜♪」

「そうか〜ハクローはん居合やってたんか〜!通りで刀持つ姿も様になってたんやな〜!それに屋形船に乗ってた時も、やけに船乗り姿が様になってたけど、《海上自衛隊》におったからか〜!?…なるほどな〜!元日本の海を守る《ソルジャー》やったんやな!」

「なかなかデカい船だな〜!」「乗り心地は…どうだろうかな?」

「なかなか年季があるね〜セノさん♪」「そうですね〜!もう何年もこうして向こうの千年鳥居を送り届けているのですから〜!」

ガタン…ガララララ!

舟が岸に上がると、自動的に階段が出てきて客人を安全に乗船できるように工夫が施されていた───────

「おお〜!!自動階段だ〜!!すっげぇ〜!!」(キラキラ!)「ビル!早速乗るか!!」

「ふふふ!ビルさん、何だか楽しそうですね〜!」「だな!ここに来てはこういうからくりのような機械物が好きになったらしくてな〜!」

「ではでは行きましょう〜!」「お乗りになりましょうか!ケイトさん!」「せやな〜セノさん!!」

メンバー一同は屋形船に乗船し、千本鳥居をくぐっていく。その道のりは長く狭いが、舟は安全に渡航していく。

ザザ〜…

シャラ〜ン♪! シャラ〜ン♪! シャラ〜ン♪! シャラ〜ン♪! シャラ〜ン♪! シャラ〜ン♪!

「へぇ〜!結構長いんだな〜、この鳥居…」「本当ですよね〜!でも周りは思ったよりも明るくて……あ、灯籠が流れている事で、灯りの役割を果たしているんですね!」

「結構揺れるな〜ロラン兄貴は船酔いとか大丈夫なのか?」「うむ!これくらいなら大丈夫だ!すまないな、ビル!」

「ふっふ〜ん!なかなかの乗り心地だね〜♪」「そうですね〜!」「…」(屋形船か…時々懐かしくなるな〜!…舞香。…アンタは元気にしてるかな〜…)

・・・


ガタン…ガララララ!

「着きましたね!」「どれどれ…!!へぇ〜!…日本独特の祭りを思い出すね〜!」「屋台がいっぱいやで〜!!皆さん〜!!…お〜たこ焼きもあるやん!!」

「おお!!綿飴に焼きそば〜!あ〜腹が減ってきそうだ!!」(キラキラ!)「どれも美味そうだ!ビル!今日はとことん食べるぞ!」

「綺麗ですね〜!まさか【Paradiso】の世界にも…!!こんな景色のある文化が栄えているなんて…私、本当に驚く事ばかりです…!!」

「…俺もだよ!こんな景色なら俺も来ていて、本当に良かったとも思える!…でも…だからこそ………!!俺は!」

【Hux・row】は拳を握っていた。このような素晴らしい景色と文化があり、今まで善良な【ユートピア人】と【現世人】が、奇跡的に手を合わせて築き上げてきた平和的な和の文化を脅かそうとしている者達も少なからずいる。その者達を必ず止めるという強い決意が彼にはあった。

「……ハクローさん。……っ!!」

ガシッ!!

「!?…リーネ…」

それを見ていた【Linea】は【Hux・row】の手を優しく握り、優しく語りかけた───────

「ハクローさん…私も同じ気持ちですよ!…だからこそ…折角の祭りです!今は楽しみましょう!!ここの人達が築き上げてきた文化を大切にする為に!!」(ニコッ!)

「!!…そうだな!!…ありがとなリーネ!」

「…いえいえ!!///」

【Hux・row】は【Linea】に励まされ、心なしか元気が出たようだ。そして【Bill】達は早速お好み焼きを食べており、美味だったのか【Hux・row】を呼ぶ。

「お〜い教官!!ここのお好み焼き!すごく美味しい!!早く来てみんなで食べよう!!」

「おう!わかったよ!!…リーネ行こうか!」

「…はい!行きましょうか!」

・・・

「…確かにビルの言う通り、美味いな!…ここのお好み焼き…!!」

「そうですね〜!!…昔防衛大学校の開校祭でお兄ちゃんが作ってくれた広島焼きも絶品でしたが、ここのお好み焼きも…本当に美味しいですね〜♪!!…ん〜幸せです〜♪」

「あはは!…まあ〜リーネはんかて、神戸生まれやから根っからの《関西人》なんやな〜!!ウチもお好み焼きは結構好きやけどな〜!……でもやっぱ《たこ焼き》が大好きやねんな!現世で生きてた時に大阪から引っ越して来た舞香って友達とたこ焼きパーティーして、よう盛り上がったもんやで〜!」

「綿飴!甘いな〜!」

「ビル!りんご飴もなかなかシャキシャキしていて美味いぞ!…う〜む…だがステラも来ていたら、色々このような景色を見せてやれたのにな…アイツに似合うお土産でも探して買うか!!」

「!!…それいい!!きっとステラ姉さんも喜ぶよ!!俺も全力で何か探す!!…後この【Kagoya】の町の写真もいっぱい撮る!!」

「わかった!!二人でステラを元気付けてやろう!!」(バッ!)

「ああ!ロラン兄貴!!」

ガシッ!!

「ふふ!…何だか皆さん楽しそうですね〜!…あら?ベアさんはハクローさんの所には行かないのですか〜?」

「ふっふ〜ん!今は羽休めさせておきたいの!…これからだよ〜!!ここの名物といえば…ほら、アレなんでしょ〜!?」(ニヤ〜♪)

「!?…あぁ〜♪そうですね〜♪!…アレですね〜♪…ふふふ…季節的にもそろそろ良いと思いますし、もう夜も近いですからね〜♪私…アレ好きなのですよ〜♪」(クスクス…)

ウフフフフフ…

・・・

「ラムネ…これも美味いな〜!清流で汲んだからか…澄んだ味がして喉越しが良い」(ゴクゴク!)

「そうですね〜♪もう夏を感じさせますね〜!あ、そういえばケイトさん!花火はあるのでしょうか?」

「花火か!?…そろそろ…あ〜!!打ち上がったで〜!!」

ヒューーーン! ドーーーン!! パーーーーン!!

「お〜花火だ!!」「ロマンだな…!!…ステラのためにビデオに残しておくか!!」

ピコ〜ン♪!!

「花火か〜!あ、そうだハクローくん!!」(タッタッタ!)

「おっ?何だよ、ベアさん?」

「掛・け・声!!…私とハクローくんとの【D島】でのヘリ救出劇での初仕事の時のア・レ♪!!」

「!?…あ〜っ!…あの時のか!?…よし、分かった〜!!」

そう言うと【Hux・row】と【Beanne】は【D島】でのF街騒動の事を思い出し、口を大きく開き、二人は花火の言葉を天高く言い放った───────

「ふ〜…た〜まや〜♪」「か〜ぎや〜♪」

「アッッハハハハ!!やっぱハクローくんノリいいね〜♪」(ビシッ!)「ハッハハ!ベアさんこそだよ!」(ビシッ!)

【Hux・row】と【Beanne】は掛け声を終えた後、ひたすら笑い、指を刺してはサインを送る。その様子を嫉妬深く【Linea】は見つめていた。

「ム〜!!///横取りなんてズルイです!ベアさん!!」(プンプン!)「まあまあリーネはん!落ち着き〜や!」(やれやれ…)

「へぇ〜!よ〜し教官に負けないぞ〜!た〜まや〜♪」「俺も!…か〜ぎや〜♪」

「〜♪」(…ふふ!皆さん本当に心から楽しそうですね…!これがあなたの目指したかった【R・P】社のギルドの姿なのですね!…ルーシスさん!)

ヒューーーン! ドーーーン!! パーーーーン!!

【R・P】社に所属するギルドメンバーと【Senno】は、心ゆくまで祭りと花火を楽しんだ。そして最後に【Beanne】と【Senno】が言っていた、そのお楽しみと呼べる有名スポットへ訪れたのだった───────

・・・


🎼Back Ground Music 》》》



〜♪ゴーン!…ゴーン!…ゴーン!

「ん?何だ?よく大晦日に鳴る鐘の音が聞こえてくる!」「そうだな!ちなみにこれを《除夜の鐘》というのだ、ビル!」

「あら〜♪…どうやら着きましたね〜♪」「さ〜てお待ちかねの場所だよ〜♪」「あ〜!最後にまさかのここかいな〜!?…確かにベアはんとかセノさんが好きそうな場所やで〜!」

「…ん?…なんだこりゃ?…【幽冥界霊拝堂】(ゆうめいかいれいはいどう)…」「なんでしょうかここ?…玄関の門は桜が咲いていて周辺は、赤い木造建築になっているようですが…」

ここへ来た目的を【Beanne】と【Senno】の二人は不気味な声で【幽冥界霊拝堂】(ゆうめいかいれいはいどう)について語り出した───────

ヒュ〜…ドロロロロロ……

「実は〜この場所はね〜…」(ユラ〜…)「所謂…現世でいう…《お化け屋敷》のような〜ものです〜…」(ユラ〜…)「ノリノリやなお二人はんは〜…」(ハァ〜!)

「!!お…お化け〜!?」「なるほど肝試しか!!それは夏の風物詩だ!…その後に怪談話をすると何かと盛り上がりそうだ!!」

「御安心を〜!」(ユラ〜…)「…ちゃんと〜このお化け屋敷の最後の部屋に〜…怪談話専用の部屋もあって〜怪談を〜語らないと〜出られないから〜…」(ユラ〜…)「お二人はん何でそんなに幽霊役ハマるねん…」(やれやれ…)

「へぇ〜!肝試しか〜!リーネどうする?」「ッ!!…わ、私はあの!?ハクローさんがいれば…だ、だ、大丈夫です…!!」(ガチゴチ…)

お化け屋敷というワードから【Linea】は内心震えていた。どうやら彼女は、色欲関連の類の他にも、お化けや幽霊というのは、大の苦手だったようだ───────

「リーネはん、まあ〜無理さんすなや!……と、言いたいとこやけど…へへ〜♪…ここでハクローはんにギュッと抱きしめたら…もしかしたら向こうが振り向いてくれるかもやで〜♪」(ゴニョゴニョ…)

「…///!?」(ボンッ!!///)

「まあ折角だし、行くか!…流石にベアさんのような名演技レベルの《リーガン・マクニール》みたいな完成度高いやつは…ここにはいないだろ…流石に…」(頭抱え…)「…確かにあれは…私も凄く怖かったです〜!!」(ビクビク!)

「では!行きましょうか〜ベアさ〜ん〜♪」(キラキラ!)「そだね〜♪セノさん〜!あ〜私楽しみ〜♪」(ワクワク!)「まあどんなん出てくるかは気になるかな〜♪」(ドキドキ!)

「ベア姉さん…ノリノリだな〜…」(すげぇ〜)

「ベアは昔から人見知りなのに、ホラー映画が好きでな…ひたすら見倒すように観ては色々怪談話を聞いていてもむしろ大好物のように食いついたものだ…」(やれやれ…)

「準備はいいか?…リーネ?」「は…はい…ハクローさんもと、途中で…倒れないで…くださいね…!」(ビクビク…!)

【R・P社】に所属するギルドメンバーと【Senno】は、【幽冥界霊拝堂】の入り口へと入っていく。それが一体どんな場所であるのか、一同はまだ知らない。


・・・
・・

 
B. いいえ


《Capitolo・3》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜フリーBGMより・終焉の始まり

〜【Paradiso】歴:2000年7/7・夜方・【J島】【Kagoya】【幽冥界霊拝堂】(ゆうめいかいれいはいどう)

・・・

一同は【幽冥界霊拝堂】の建物内に入った。そこは、緑の明かりがついているも周囲は暗く、いかにも何か出そうな雰囲気を醸し出していた。そして心なしか流れている音楽から、不安感をよぎらせる音楽が流れている。周囲には滴が落ちてくる音が聞こえてくる───────

ポタ…ポタ…ポチャン…

「…なんか悲しいようで、不気味な音楽だな…」「…そうですね…聴いていくにつれて。……なんかこう不安にさせる気持ちが…心にきますよね…!」(ギュッ!)

「…う〜そろそろ…出てくるか…!」「ビル!気をしっかり持て!これも鍛錬の一つだ!」

「ふっふ〜ん〜♪ど〜こ〜か〜な〜?」(ニタァ〜♪)「で〜て〜こ〜い〜♪」(ニタァ〜♪)「…もはやお二人はんの方が幽霊役をやった方がええと思うわ〜」(やれやれ…)

キェエエエエアアアアア!!!

「!!…キャアア!!」(ガシッ!)「うぉ!!」「キター!!…あ〜んハクローく〜ん♡こ〜わ〜い〜♡!!」(ダキッ!!)

突然女性の呻き声のような声が響き渡る。【Linea】は【Hux・row】の右腕に抱きつき、【Beanne】は特に怖がるふりをして左腕へ抱きつく。

「…あ。…ただの悲鳴のようでしたね…///すみませんハクローさん!!」(ぺこり!)「構わないよリーネ!……あと、何してんだよ〜ベアさん?…アンタ怖がるどころか、この状況楽しんでるだろ?」「あ、バレた〜?」(テヘペロ♡)

「教官…大変そうだな〜!二人もボディガードか〜!」「両手に花というやつか!」

「あら残念…!もう少し歯応えのある仕掛けはないのかしらね〜?」「そろそろ来そうやけどな〜!…おっ!」

ヒューン…!ブラ〜ン!

「「「「「「「!!」」」」」」」

一同の目の前から突然体長約2mはある巨大蜘蛛が糸にぶら下がってきて素早く降りてきた。その《巨大蜘蛛》のボディーは黒と赤の縞縞模様であり、お尻には大きい目玉があり、こちらをじっと見ているが特に敵意はなく、ただじっと観察しているだけであった。その大きな体を目撃し、一同は喜んでいたり驚愕したりと、忙しいリアクションをしていた───────

「!!まあまあ〜大きい蜘蛛さんですこと〜♪!」(キラキラ!)

「デカいやんけ〜!黒熊も食べそうやな〜!!」(ほぉ〜!)

「で、でかい!!…毒とかありそう!!」「タランチュラの何十倍はあるな!!」

「いやぁあああ!!な、なんて大きい蜘蛛なんですか〜!?」(ガバッ…)

「でかっ!!何かのゲームとかB級の洋画で出てきそうだ…!」(ぎょえ〜!)「あ〜ん私も怖いよ〜ハクローく〜ん♡!!」

「………」(シュン…)

シャーーッ!

巨大蜘蛛は、一同の態度を見て、目の表情からはなんか期待外れだったと言わんばかりのリアクションをし、少し残念そうにして天井へ戻っていった。

「では次行きましょうか〜♪」「次はどんなんがでてくるんやろうかな〜!?」

「うへぇ〜!気持ち悪かった…あんなのが現世にいたら、俺達どうなっていたか…」

「…確かに現世にいたら間違いなく《生態系》が崩れていただろうな…おそらく奴が《食物連鎖》の頂点で《No.1》だろう!」

「ロラン…それどっかのB級洋画で観たような気がするぞ!!」

「うぅ〜…でもあの大きな蜘蛛…大きな目があって怖かったです〜」「まだまだこれからだよ〜リーネちゃん〜♪ほ〜ら!楽しく行こうよ〜♪」

【Beanne】【Senno】【Keito】【Bill】【Rolan】【Hux・row】【Linea】の一同は、長く暗い道を歩いていく。

タッタッタタンタタン!!

「!!…ん?」

「!!…どうしたんですか…ハクロー…さん…?」

「…?教官!?何かあったのか?」「どうしたハクロー?」

「どないしたんや〜ハクローはん?」「あらあらどうかされまして〜?」「どうしたの〜?ハクローくん?」

突然【Hux・row】はその場で立ち止まった───────

「いや…なんか…俺達…この場にちゃんと《7人》いるんだよな?」

その発言から【Hux・row】は、歩いていると自らの歩数の加減から、何かの気配を感じていた───────

「そ、そうですよ!…も〜う何言ってるんですか…!?驚かすのはなしですよ〜!」

「そのはずやで〜!まさかハクローはん…疑心暗鬼ってやつか…まさか背後に誰かおるような気がするってやつか〜!?」

「…た、確かに!!警戒とかしてると後ろに誰かいるって考えがある…!!」「なるほど…もしかしてこの中に誰かが混じっていると言いたいのか、ハクローよ?」

「…そのまさかだ…おそらく…!!」

《俺達の中に…誰かが混じっている!!》

「「「「「「「!!」」」」」」」

【Hux・row】は確信し、一同にそう知らせる。するとメンバーはその真意を問いかける。

「お、驚かせないでくださいよ〜ハクローさん!!」(ポロ…)(ダキィッ!)

「ほ、本当なのか教官!?」「ハクローそれは誠か…!?」

「ホンマか!?…でも…誰もおらへんで〜!」(ちらほら…)「…透明人間でしょうか〜?」(首かしげ…)

他のメンバーは周囲を警戒するが特に人影が見当たらなかった。しかし、その何かに気づいたのか、【Beanne】は【Hux・row】に対し気軽にその者の存在に指を指して知らせた───────

「ハクローく〜ん♪!…それ…本当のようだよ〜♪…だってその女の子♪…君にベッタリくっついてるみたいだよ〜♪」(ビシッ!)

「!!…へ?……ハッ!?」

「えへへ〜♪」(ニッコリ!・ヒョコッ!)

【Hux・row】は【Beanne】の指を刺した方を見る。そこには身体が透けていた少女がひょっこり現れ【Hux・row】の顔を見て満面の笑みで笑っていた。そして透けた身体で前へ走り、笑顔に挨拶した。

「ウフフ…あはは♪…あ〜バレちゃった〜♪…でも楽しかった〜♪…バイバ〜イ!ハクローって名前のお兄さ〜ん♪私を当てたおね〜ちゃ〜ん〜!またね〜♪」

タッタッタ…スッ!

「!!き…消えた!?」「びっくりしました〜!…まさか女の子が混じっていたとは驚きました!……でも、悪い子ではなさそうですね〜!」

「教官よく分かったな〜!!」「伊達に狼のような野生の感があるのだな!」

「ハクローはん、やるやんけ!」「あらあら〜可愛らしい女の子だこと〜!《座敷童》というのでしょうか〜!?縁起がいいですよ〜♪!」

「でも〜ハクローくんって本当に女の子にも好かれるよね〜!?ロアの時もそうだし〜!」

「…はぁ〜…なんか心なしか身体が軽くなったよ…」(頬ポリポリ…)

・・・

スタッスタッ…

一同は道を歩いていく。すると今度は左右から檻に囲まれていた道を歩んでいた。するとそこには、【ONEWAY TO GO!!】というミリタリーチックに描かれた注意書きが書かれていた───────

「あらあら、今度は監獄でしょうか?…何とおいたわしいですね〜!」「でも…この人らは……」「役の人だろうね〜♪」

「何か出てきそう…」「こういうのは檻から突撃して脅かしてくるタイプだろう…」

うわああああああ!! ガシャガシャ!!

「!!キャアア〜〜ッッ!!」「リーネ落ち着け!…奴らは塀の中だから!…大丈……夫…!!」

ガシャンガシャン!カランカラン!…ギィ………

「「「「「「「!!」」」」」」」

ニチャアアアア…

ガチャガチャカランカラン…ギィ………

ザッザッザ…

牢獄からは、まるで囚人のように捕らえられていた見た目がゾンビ役者の大群達は、強力な力で牢屋の扉を破壊し、こちらへジリジリと寄ってくる。その姿を見て一同は焦っていた。

「!!…出てきましたよハクローさ〜ん!!」「教官!!」「まさか檻が壊れるとは…!?」「あらあら…これはこれは〜♪」「ハクローはん!」「ハクローくん…さあどうする〜?」

「くそ…武器を使うのは禁止だと注意書きがあったし…どうすれば……?…」

「ウフフ…あはは!…ハクローお兄さ〜ん♪おねえちゃ〜ん♪こっちだよ〜♪ついて来て〜♪」(フリフリ〜♪)

「おっ!!」「お〜!さっきぶりだね〜♪」「あ!…あれはさっきの女の子!?」「おそらくついてこいってことじゃあないのか!?ハクローよ!」「きっとそうだ教官!」

「ハクローさんどうしますか〜?」「ハクローはん!」

「……!!」

すると【Hux・row】は靴の紐を整え、準備体操を済ませてメンバーの一同に強く宣言した───────

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜High speed boysより・△

「…よ〜し、みんな!!【Delka】の執行者以来の…!!鬼ごっこ開始だ〜!!みんな〜あの子について行くぞ〜!!!」(ウキウキ!)

オーーーッ!!ダダダダダダ!!

グシャああああああ!! ドドドドドド!!

一同は追いかけてくるゾンビの大群から逃亡劇を開始する。そして、ひたすら先へ進んでいき、一同はお互い雲の世界【Delka】での逃亡劇を思い出していた───────

タッタッタッタ!!

「ハァッ…ハァッ…たく…オロアの試験を受けては西部劇やらリア充嫌い、それに武装した執行者に追いかけられていたことを思い出すよ!!…ったく…へへ!!」

「私も、なんかいやらしい執行者の人に突然捕まって、身体を無理やり縄で縛られて乱暴されそうになりました。あの時は、あなたが助けてくれて…でも今はもう私にはこんな多くの仲間達がいますから…大丈夫ですよハクローさん!!私達…きっとどこへでも行けます!!えへへ!!」

「ハクローはん、ここお化け屋敷ということを忘れて全力疾走やな〜!まあウチもそんな時期があったな〜!オロアはんから捕まれば、即閻魔大王の元に連れて行かれる言われたからそんなもん必死になるわ!!」

「教官!!俺も今、一年前のあの時の必死さを思い出していたよ!!ロラン兄貴もそうだろう!?」

「ああそうだな!!もうあの逃走劇から五年もなるのか…俺はあの忌々しい思い出もある、だが今は…」

「うちがあの花男のおっさん共をどついて道を開いてやったんや!ロランはん感謝しいや!…なはは!!」

「…あの時は本当に世話になった…!恩に着る!!…はっはっは!!」

「ウフフ…そういえば私もこの【Paradiso】に来て…こんなに楽しく走るのは…かれこれ十年ぶりですね〜♪こうして走るのも〜♪あ〜風を感じます♪…ウフフ!」

「私もAランクになって、許可も降りて年齢サロンに行って整形したけど、今思えばセノさんと比べても結構近い時期だったんだね〜♪通りで親近感湧くわけだよ〜♪…あっはは…!」

アーッハハハハハハハ!!!!!

一同は走ることに苦にはなっておらず、この逃亡劇の経験を見事笑いにかえた。すると終着地点が見えてきた。

「ハァッ…ハァッ…!!…見えた!!…!?…ゲッ!!くそ!行き止まりだ!!」

「ええ!?」「ホンマかいな〜!」「きょ、教官!?」「くっ!万事休すか…」「あらあらここまできて…ついていないですね〜!」「どうしよっか〜?何か仕掛けが〜…!!…あ〜!見いつけた〜!」

「ん?…おおいた!!お〜い!今度はどこ行くんだ〜!?」

【Hux・row】と【Beanne】は幽霊の少女を見つけては次のルートを教えてもらうように促す。すると、次のルートを指し示した。

「ウフフ…あはは!…ハクロー兄さ〜ん♪おねえちゃ〜ん♪こっちこっち〜♪」(フリフリ〜♪)

「よ〜し!…わか!?…あーーーーー!!」(スポッ!)「え?…あらー♪」(スポッ!)

ヒューーーン!!

「!!ハクローは〜ん!ベアは〜ん!」「は…ハクローさん!!ベアさん!!…って!!キャーーー来ますよ!!」「うわぁ〜ゾンビが来る!!」「くっ!」「……」

【Hux・row】と【Beanne】は少女の方に行こうとしたが、立っていた床が何故か剥け落ちてしまい、二人は下へと落ちて行った。そして取り残されたメンバーは万事休すかと思えた。



🎼Back Ground Music 》》》



♪〜大逆転裁判より・大逆転のとき



「グオオォ…ニヤリ!!…勇敢なる現世人の方々…よくぞここまでおいで下さいました〜!!よ〜しお前ら〜我らと同じく【現世人】として雲の世界【Delka】の試練を乗り越え、敬愛する【導き人】の方々に招かれた【現世人】の客人である皆様への感謝の気持ち込め!!快くおもてなししろ〜!!」 (パチン!)

バサ…パラパラパラパラ…【幽冥界霊拝堂】(ゆうめいかいれいはいどう)へようこそいらっしゃいました〜!!

「「「「え?」」」」「…ふふ!どうやら《クリアー!》…と言ったところですね〜♪」

ゾンビの仮装をした者が指を鳴らし、周囲の薄暗い空間が一気に明るくなり、そこには桜が咲き乱れ、周囲の景色が赤色の木造建築に華やかに切り替わった。そしてゾンビの仮想の集団は一同を大きく空高く胴上げした。

「まあ桜が!!…き…綺麗ですね〜!…!!キャッ!!」「おお〜こりゃあ千夜ノ桜のようやな〜!…!!おおっと!」「すげぇ〜…!!おわっ!」「おお!もしかして胴上げか!?」「その通りですよ〜!あら〜♪」

ワイワイガヤガヤ!! 胴上げ祭り〜だ!!ワッショイワッショイ!!ワッショイワッショイ!!ワッショイワッショイ!!

「…!!ふ!ふぇえええ!!高い!!高いですって〜!!!」(ポーイ!)「おお!!祭りだ〜!!!ははは!!」(ワーイ!!)「うむ!どんどん上げろ〜!!」(ポーイ!)

「おお〜!!はは!!よ〜しアンタら〜!もっとあげて〜な!!まだまだ上には届いてないで〜!!」

「あら〜!!…ウフフ〜これです!これこそ!!この【幽冥界霊拝堂】の醍醐味なんですよね〜♪!」(…さ〜て、あの座敷童のような女の子に招かれたハクローさんとベアさん達…今頃どうしていますでしょうかね〜♪)(ヒュ〜ン!)

・・・
・・


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ゼルダの伝説:風のタクトより・賢者ラルト

ヒューーーン!

バターーン!!!!

「あでっ!…つつ……!?…なんだここ?…なんか変わった部屋だな〜……って!?…おおあっ!ごめんベアさん!!///」(ムニッ♡)

「んん〜っ♡…はああん♡!!…ハクローくんったら大胆〜♡私の豊満な胸を鷲掴み〜♡」(きゃ〜♡)

【Hux・row】と【Beanne】は、幽霊の少女に招かれたのか、ある空間へと訪れる。そこは青白い光の広い空間が広がっており、両サイドには清流が流れ、様々な書物が置かれていた。そこに先程出会った少女がハッキリ観測されていた。髪型は紺色であり、服は水色の水玉の着物を着ていた。少女は微笑み、笑顔で挨拶をした。

「あはは〜♪!ハクローお兄さん!お姉ちゃん!…よく来てくれたね〜♪!…へぇ〜!お姉ちゃんの名前って〜ベアっていうんだね〜!?」

「…よう!…全く、無茶してくれるお嬢さんだな〜!」「はいは〜いベアって言ってもいいけどね〜!本名は【Beanne】っていうの〜♪…ねえねえ!お嬢ちゃんの名前なんて言うのかな〜?」

【Beanne】は幽霊の少女に名前を問うと、快く受け入れたのか、明るい笑みを浮かべた。

「私は【Milal】(ミラル)!!この【J島】の【Kagoya】の町を古くから長い時代にかけて見守っている水を司る守り神的な存在でもあるんだ〜♪…所謂あなた達の現世の世界でいう《座敷童》に近い《水の精霊》なの〜!……よろしく〜♪」

「!?…せ…精霊!?…この町【Kagoya】の水の守り神的存在なのか!?…まあ信じるよ!この【Paradiso】は本当になんでもありだからな〜!」

「で、私達に何の用かな〜水の精霊のラルちゃん♪このベアお姉さんとハクローくんと遊んで欲しいのかな〜?」

すると、【Milal】と名乗る水の精霊の少女は、明るい表情から一変し、真面目な表情をして二人にこう告げた───────

「…実はね。…私は水の力を利用してあなた達のこれまでの冒険の出来事を観測して見守っていたの!…この地の水を司る精霊でもある存在の者として…!!あなた達二人にどうしても協力して欲しい事があるの!…この【Paradiso】の世界に…!!再び大きな《厄災》が来ようとしているの!!…あの人…厄災と抗う術を持つ……光輝の力【Luster】を宿していた【Louverd】騎士団長の事を知っている、【Fiducia】が四大元素を司る全能の能力を持つベアお姉ちゃん!…そしてその騎士団長は【現世人】で、現世の世界では《ロベル》と名乗っていて、あなたとは親友の関係で名刀【Louvel】の正式な《後継者》として選ばれたハクローお兄さん!…あなた達二人の協力がどうしても必要なのっ!!」

「…!?」

「!!…え…嘘!?…あの子…騎士ギルド【Verkuy】創設者のルーくんが…!!ハクローくんの…現世の親友の…!?ロベルって人だったの!?……ハクローくん…それ本当なの!?」

「……」

【Hux・row】はこの事を告げる事で、彼女を傷つけ、互いに仲違いを起こすかも知れない為、その話題にはあまり触れたくはなかった。しかしあるがままの真実を正直に【Beanne】へ伝える。

「ああ…本当の話だ。…この【Kagoya】を訪れて一週間の間にケイトとの合同任務の際に【Mist garden】を訪れて、そこの領主…アガルタさんにもロベルの事情を聞いたんだ。それにこの名刀【Louvel】の事を知っているロベルの創設した騎士ギルド【Verkuy】に所属するユリスって現騎士団長からも、【Louverd】がロベルである証拠を手紙と写真を見て知ったんだ。……ちょっと待っててくれ…データを送るから」

ジリリリリr〜♪

「…!!…どうやら本当だね。…あの子…最後に手紙で…その名刀【Louvel】の後継者を…現世で生きているハクローくんと決めていて…その名刀【Louvel】を繋ごうとして…懸命に…!!…うぅ…!…ルーくん…!!…ごめん…!!本当にごめんね!!…あの時私が一緒にいれば…【G・lrof】の奴なんかには…!!」(ポロポロ…!)

「!!…ベアさん…」(ポロ…)

「…な〜んてね♪ハハッ!嘘泣きだよ〜!!…ハハハ…え?」

ギュッ!

「うわ〜!///」

「!?///…ハクロー…くん?」

「…すまない!…俺言い出せなくて…アンタを傷つけたくなかったんだ!!…ベアさん…本当にごめんな!!」(ポタポタ…)

【Hux・row】は涙を流しながら【Beanne】を優しく慈悲心を込めて抱きしめた。すると彼女は微笑みを浮かべて、茶化すように接する。

「〜♪…も〜う♡…だから大丈夫だよ〜♪でも…心配してくれて…ありがとうね〜ハクローくん♡…ふふ!君の方から抱きついてくるなんて珍しいな〜♪…私の愛が…!!///やっと伝わったんだね〜!!あ〜嬉しいぞも〜う!!♡♡♡」(ギュッ!)

チューー♡

「!!…ちょっベアさん!!///だからこんな真面目な話の時にそれやめろっての!!///」(グイー!)「え〜!?私を慰める為にもっと深く熱く抱いてぇ〜♡///」(ムチュー♡)

【Hux・row】は愛情を求めて目を瞑りながら顔を紅潮して迫ってくる【Beanne】を必死に押さえ込み、忙しそうにしていた。その光景が微笑ましく、おかしく見えたのか、【Milal】は笑いながら、茶化すように言った。

「ウフ!…アハハ!!…私の思った通り♪…二人はとっても仲良しなんだね〜♪まるで末長〜く幸せな生活をしている《熟年夫婦》みたいだよ〜♪」

「なっ!?///」「そ〜う!?ありがとねラルちゃん!…でもね〜ハクローくんも〜結構ハーレム気質の《プレイボーイ》でね〜♪!…私以外にも色んな何十人の女の人に手を出していてね〜!現世の世界でも〜愛人で将来のフィアンセとも呼べる千夜ちゃんって名前の愛しい人がいるんだよ〜♪二人の愛がとっても熱いのか、ハクローくんの【Sognare】の世界でも、心そのものが会いに来てくれたりしてね〜!その人とすっご〜くラブラブだったの♡!!そのせいか私も熱いアプローチのスキンシップしてもハクローくんはなかなか振り向いてくれなくてね〜♡♡!キャ〜ッ!!♡」(ダキッ!)

「ちょ、ベアさん!?///誤解を招く言い方はやめろぉ〜ッ!!///…それに千夜は……女作っても私はもう大丈夫だとか言ってくれたから…俺は別に……///」

「そうなんだね〜♪!…あーでもわかる気がする〜!…ハクローお兄さんのそばに薄らだけどね〜♪…背の高くてつり目で長い黒髪の美人な女の人がなんか恨めしそうに立ってるのが見えるよ〜♪」(ニヤニヤ!)

「!?…げげっ!?…ま、マジか!?」(ちらほら!)

「うん♪私精霊だから見えるんだ〜♪あと手刀の構えしてるよ〜♪!」(ニヤニヤ♪)

「うぉあわぁ!!千夜!!待て早まるな〜!!…って…あれ?何にも起こらない?」

「あはは〜♪ねぇハクローお兄さん!その青黒い十手!持ってみて!!」

「?……ああ。…!!…なっ!?」(スッ!)

キィイイン…!!

「…!!…蒼夜の十手に…光りが…!?…ラルちゃん!?一体これって…何なの?」

「うん!その光がね…この【Paradiso】の世界で厄災を企てる者達と抗う為の力…悪しきものを断ち切り、正しき道を示す光輝の力【Luster】なんだ〜!!」

「これが…【Luster】!?…アイツが…ロベルが持っていた…光!?……あれ?…!!」

『……』(ニコッ!)

【Hux・row】は誰かに触られていた感触に気づいた。そこには【Hux・row】がよく知るフィアンセの千夜がいた。そして千夜は名刀【Louvel】を見て優しく撫で、【Hux・row】に囁くかのように言葉を添える。すると頭の中で声が聞こえた───────

『…ロベル!あなたが私達の世界を去った後も…頑張っていて、こうして名刀【Louvel】って名前になって名を残して再び私達が…会う事が出来たわね…!!…ロベル!この世界に生きる白狼の事を頼んだわよ!…白狼…その刀はロベルだけじゃないの!私達菊川先生や千里の居合道の仲間、そして何よりもあなたが本当に守りたい人がいる為に刀を振るう強い意志がこの【白狼刀】に込められてあるんだから!…あなたは一人じゃないわ!…強く生きなさい!…あと……!!///本当にアンタは《女難》が多いんだから程々にね!!///まったく!!///…ふふっ!…それでもね。…私はアンタの事を…ずっと心から…愛してる!!///』

ポタ…ポタ…ポチャン…!!

「…くそ…反則だろうが!!…もうこの【Paradiso】の世界に来て…!!どんだけ千夜が出てくる度に涙を流すんだよ…俺は!!…男はそう簡単に涙を流しちゃあいけないのによ〜…!!…でもありがとな…千夜!!……ロベルにまた会えて…良かったな!!」(ギュッ!)(ポタポタ…)

「…ハクローくん!」(フフッ!)

「ハクローお兄さん…!」(フフッ!)

【Hux・row】からは涙が溢れており、手には蒼夜の十手と名刀【Louvel】を強く抱きしめていた。それはまるでロベルと千夜の二人が近くにおり、再会を祝って抱きしめ合っているかのように、仲間としての強い意志と絆が感じられた。その光景を見ていた【Beanne】と【Milal】は優しく微笑んで見守っていた。暫くすると【Hux・row】はある疑問を持ちかけた。

「…でもよ〜?何で俺にこの【Luster】の能力が身についたんだ?…これって【Fuducia】の類稀な能力だとかで、特殊な体質だか素養がないと宿らないんだろ?」

その問いに【Milal】は微笑みを浮かべながら真面目にこのように返答した。

「それはね、ハクローお兄さんが持っているそのロベルの名刀【Louvel】に、あの人自身の光輝の力【Luster】が宿っていた事と、そして【Mist garden】の領主アガルタニア・フレイシアさんと接触したからだよ〜!…あの方は遥か古来から伝わる【F】フレイシア家の令嬢として生まれ、人並外れた神の力に匹敵する癒しの力を持ってるの!…ハクローお兄さんはね、あなたの言うアガルタさんと接触して…その古来より伝わる癒しの力を分け与えられ、関わりのあったロベル、そして先程の千夜さんとの強い絆が芽生え、奇跡的に疑似的な形でね、あなたに【Luster】の力を宿すきっかけになったの!!…だけどね…」

「…まだこの力は…未完成だと、そう言いたげだな…」

「…そう。…それはロベルも同じで…あの人も旅路の中で【Luster】の恩恵を受けていた私や他の精霊達の水・風・火・土の力を刀身に宿し、古来より栄えている一族の関わりや絆を芽生えさせる旅の途中に、厄災でもある存在の一人【G・lrof】と衝突したの!…ロベルは【Luster】の光を宿した名刀【Louvel】を持って厄災に立ち向かおうとしました。それでも彼の【Luster】の力は未完成でね。…致命傷を与えることは出来たんだけど…【G・lrof】には…残念ながら及ばなかったんです!…それでも彼は【G・lrof】に致命傷を与え、こうして時間を作ってくれました。…ハクローお兄さん!…あなたにはこれから、この【Paradiso】の長きにわたる旅で、各島に存在する私のような《水・風・火・土》の精霊達や古来より栄えている歴史ある一族と接触して絆を芽生えさせ…その名刀【Louvel】に【Luster】を宿して鍛え上げ。……そして…いつか必ず…あなた達二人の宿敵である…」

「「【G・lrof】を…討つ!!(んだよね!)」」

「そうです!…でもベアお姉ちゃん…【G・lrof】以外にも、何か因縁が多いようだね…」

「……!!」

「…そういえば言っていたな、【Makiras】の時の戦闘でも【G・lrof】以外にもまだいるような口ぶりだったし…ベアさん。…アンタは……この十年間に一体何を…?」

「……それはね…」

【Hux・row】は【Beanne】の言葉を続け様に聞こうとした。しかしその質問を予想外の者が現れ、その思惑を破られた───────

コツン…コツン…コツン

「…そこまでだよ〜君達…」

「!!」「!!」「!!」

突然室内からは足音が響き渡り、声が聞こえたので【Hux・row】【Beanne】【Milal】の三人は振り向いた。そこには白衣を着ており、銀髪の青年の姿をした者がこちらをじっと見つめていた。そしてその青年はやれやれと言わんばかりの態度をし、このように語り出した。

「そっか…そんな壮大の話の他に…そこにいる童の《水の精霊》とも知り合ってしまうとは…君達はどうやら決して開けてはならない《パンドラの匣》を開けてしまったようだね〜!…その事が…せっかく君達が平和的にこの【Paradiso】で過ごす為の時間を崩してしまうとも知らずにね〜…」

・・・
・・

 
B. いいえ


《Capitolo・4》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》




♪〜ゼルダの伝説スカイウォードソードより・ギラヒムのテーマ

「!!…お前は!?…ロウディー!!」「!!…こいつが…ロウディー!!……あの時ハクローくんが言ってた…【真・ユートピア創造士隊】ではない…新しい脅威の…!!」「…!!」(…嘘……で…【Demister】(終焉ノ使徒)!!…な…何でここが…!?)(ゾクッ!!)

「どうも…ハクロー君。…そして長からも話は聞いているよ〜。…神羅万象の能力を持つ少女のベア…君の事を。…!!おっと失礼したね〜【R・P】社の皆様…ご機嫌よう!…ん〜む。君達はどうやらこの世界の裏事情を深く知り過ぎてしまったようだね〜!…【G・lrof】やその他の厄災…そしてそれらの要因と抗う術……その事を聞いてしまっては、ここで事が大きく動いてしまうというのに…」(…やれやれ)

そこには【Hux・row】の宿敵である【Rowdy】が立ち尽くしていた。【Beanne】自身も新しい脅威の敵を初めて見て警戒しており、【Milal】は【Rowdy】の姿を見て何やらひどく怯えていた。

「なんでここにロウディー…お前が!?…目的はなんだ!?」(ジャキン!)

「…どう来るのかな〜?…ラルちゃん…危ないからこっちにおいで!!」(カチャッ!)

「…っ!……!?」(チャプ!!)

バン!バン!

「!!なっ!?」「ラルちゃん!?」

【Rowdy】は何かの能力を使用したのか、【Milal】を水の中に閉じ込め、脱出できない様にコーティングされている。【Hux・row】と【Beanne】の二人は我慢できず、名刀【Louvel】と銃剣【Arbitro】を振りかざし、【Milal】を救出しようとする。

「!!…貴様ぁ〜!!…今すぐラルを解放しろ!!」(ブン!!)「ハァッ!!」(ブン!!)

シュン…! スタンッ!

「!!くそ!また転移能力か!?」「…っち!…ラルちゃん!!」

【Rowdy】は【Hux・row】と【Beanne】の斬撃を安易と躱し、高台の場所へ避難する。すると【Rowdy】は【Milal】の方を見て、何やら下賤の者を見るかのように見下げたまま、鋭い目をし、彼女の真実について二人に伝える。

「ふふ。…君達はこの子の正体がまだわからないようだね〜?…この水の精霊の子はね…」

「!!やめて!!…そ、その事をあの二人に!!…お…お願いです…!!い、言わないでください!!!!」

【Milal】はその事実を語る事を静止させようと必死になる。しかし【Rowdy】は非情にもその事実を語った───────

「昔…ある事件でこの子自身の《水の能力》が暴走し、この【Kagoya】の町全体を浸水させてね…そこに住んでいた数々の【ユートピア人】と【現世人】を溺死させるのみではなく、この町の全土を全滅させたという大きな《大罪》を…この子は犯しているのさ!!」

「!!なっ!?」

「何ですって!?……!!そういえば聞いたことがあるわ…その昔…ある報告書に【J島】の【Kagoya】に大きな水害の大事故があったって…!!」

「!!…うぅ!!ごめん…なさい!!ごめんなさい!!!!…私…それで…!!この町を…住んでいたみんなを!!!!!」(ブクブクブク!!)

「……!!」(ジャキッ!)

「アンタ…いくら精霊だからといって…!!そんな小さい子を虐めて泣かして…傷つけるようならタダでは済まさないわよ!!」(チャッ!)

二人は【Milal】の身を案じて敵対する姿勢を見せる。その様子に【Rawdy】はやれやれと言わんばかりの表情でこう答える。

「?…一体何を怒っているんだい?この子は君の言うように善良な【ユートピア人】や【現世人】といった人々を無差別に水害を起こして溺死させて殺し、挙げ句の果てに、この【Kagoya】の町をも滅ぼしてしまったんだよ?…その責任を…精霊の子供であろうと取って貰わないといけないんだ。……本来なら…君が持っているその名刀で…この子に手をかけ、裁く立場なんだろ?…それなのに…何故僕の方を見て敵意を向けるのかな〜?…それでは君のやっている事はただの偽善さ。……僕は君とは違い…今やっているのは…そうだね〜。…これはまさしく…この【Paradiso】の世界の《救済》そのものさ!!」

「!!」「!!…何ですって…」

【Rowdy】はどうやら自分なりの正義を【Hux・row】と【Beanne】に向けようとしている。しかしそれを聞いても【Hux・row】は決して惑うこともなく、自分の信念を曲げようとはせず、名刀【Louvel】を【Rowdy】に対して刀身を向け【Milal】を救助しようとする意志を見せつける───────

「…ロウディー…確かにそんな事実があるのなら仕方ないのかもしれない。……!!だが、結局それはあくまで《結果論》や《価値観》を…ただ人に押し付けているだけだろうが!!んなもん!てめえ自身の言い訳でしかねぇ〜話だぜ!!!……それにラルは、そんな大きな災害を起こして平気で嘲笑うような精霊ではないのはさっきから話していて今の様子を見ていてもすぐにわかる!…ただあるのは…!!お前が俺達の敵で…倒すべき相手でしかない事だ!!…待ってろラル!!すぐに助けてやる!!」(ジャキ!)

「!!…ハクローくん。……そうだね♪よく言った!!…それでこそ私のフィアンセだよね〜♡♪…ラルちゃん!…助けてあげるから待っててね〜☆!……ふぅ〜、さ〜て〜!………覚悟はいいかしら?…ロウディー!!……私もね。…一切アンタら【Demister】(終焉ノ使徒)の連中には容赦しないわよ!!!」(チャキ!!)

「ハクローお兄さん…ベアお姉ちゃん…!!」(…二ッ!)

【Hux・row】と【Beanne】は【Milal】を助けようと、敵意を【Rowdy】とそれらを取り巻く組織【Demister】(終焉ノ使徒)に向けて《宣戦布告》をかける。すると【Rowdy】はやれやれと言わないばかりに冷静になり、議論を進めて強行策に出た。

「…ふぅ…じゃあ仕方ないね。……その問題と向き合うための贈り物を…君達にあげるよ…この子を今の君達に止められるかな〜?」

パチン!

「!!…んん!!…!!んん!!」(ブクブク…!!)

「…!?…貴様ああぁっ!!……!?なっ!?…何だ!?」「!?…気をつけてハクローくん!!…何か、嫌な予感がする…!!」

【Rowdy】の策略により、【Milal】の身体に何かしらの変化が生じる。そうしていくうちに、包まれていた水球の中で無数の泡が彼女を包み込み、何かを仕掛けてきたようである。【Rowdy】は、それを見届けると、二人にこう伝える───────

「ふふふ…さて…この子の抱えている心の闇は見せてもらったし…もうここには用はないね…!…では…また会う日まで。…そろそろ…第二の花火のタイミングかな…」

シュン!!

「くっ!!ロウディー待て!!…くそっ!!」「来るよ!!ハクローくん!!」

ブクブクブクブク…ジャキン!!

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF7REMAKEより・エリゴル戦

ガキン!!

「こ、こいつは…!?凍った!!それにこのフォルムは!?」(キッ!)「どうやら…昔の戦国の武士をモチーフにしたようだね!…氷で作られた騎馬武士ってやつね…!!」(チャキッ!)

《【氷の騎馬武士】Samurai cavallo di ghiaccio》

【Rowdy】が【Milal】の身体を媒介にして召喚したのは、氷で作られた《戦国武将》をモチーフにした氷の騎馬武士であった。その頭身から乗馬している馬までもが凍てつくような冷き冷気を放っている。そして氷の騎馬武士は無慈悲にも突進を仕掛けてきた。

ヒヒ〜〜ン!!パタパタパターン!!

「…!!危ないベアさん!!」(ガシッ!!)「くっ!!」(ダキッ!!)

ゴロゴロゴロ…

「…たく…厄介なやつを召喚してくれるぜ〜!!」(チャキ!)「そうだね…これは思った以上に手こずりそう!!」

「……」

チャキ!!

「刀を抜いてきた!?…ベアさん…アンタの能力の火で!!」「任せて!!…でも消耗が激しいから乱用はできないから…その点を理解しといて!!」

ダダッ!!

【氷の騎馬武士】は抜刀し、二人に向かって突進を仕掛ける。【Hux・row】はソナー能力を使用し、《アナライズ》スキルで相手の弱点を見破る。そして【Beanne】に指示を出し、火の能力を使用し、銃剣【Arbitro】の刀身に火を纏わせ、攻撃準備に入る。

フォン…フォン…ピン…ピン…!

「!!来た!!ベアさん!!奴の馬の足が弱点だ!そこを狙ってくれ!!」

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
対象の者の情報を更新しました。

「了解!…FIRE!!」(ダン!!)

【Beanne】 ランクA
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
火属性と風属性を付加しました。

ブン!!ガキィーーン!!

「!!」

ヒヒーーン!!

【Beanne】は銃剣【Arbitro】に仕込んでいた弾薬を発砲して噴射させ、風の能力で高速移動を行い、【氷の騎馬武士】の馬の氷の足を粉々にした。そしてすかさず、【Hux・row】は抜刀の姿勢に入り、流派の型にて攻撃に入る。

「よし!!いいぞベアさん!!…うぉらあああああ!!」

《白狼夜宗流・一式二の型【千夜・転狼】》

パリィイン!!…ガキィイイン!!

「グッ!!堅いが…何とか差し込んだ!!…なっ!!」

ギラギラギラギラ…

ザシュ!!

「ぐあっ!!かはっ!」

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー

【氷の騎馬武士】は持っていた氷の刀を折られ、氷の身体は砕かれた。しかし再び身体を再形成させると、無数のナイフを作り出し、それを【Hux・row】の身体に突き刺す。それを見た【Beanne】は、【Hux・row】を援護する。

「ハクローくん下がって!!…ハァッ!!」(バン!!)

シャッ!ガキィイイン!!

「ぐっ!!炎の刃でもなかなか削れないね〜!…!!」

ギラギラギラギラ…

ザシュ!!グサッ!!キーーン!!

【Beanne】 ランクA
【♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー

「…くっ!…させないよ〜!」

「うぉらああああ!!」

《白狼夜宗流・対空迎撃一式・一の型【千夜・鷲空】》

ガギィイン!!

「!!」

「ぐっ!!よし胸を貫いた!…なっ!?」

ギラギラギラギラ…

ブォン!! メコーーーーン!!

「ぐっ!!……!?うぉぁわぁーーーー!!」(キン!)

ドゴーーーーン!!

「ハクローくん!!……ッ!?」

【氷の騎馬武士】は腕から氷を氷結させて武器を形成し、中世のナイトが使用していた武器である《ジャベリン》を装備し、【Hux・row】に叩きつけ、計り知れない力で壁に激突させた。その次に【Beanne】に攻撃を加えようとジャベリンを振り下ろした。

ブォーン!!

「!!…ちぃっ!!」(ヒョイ!!)

スタン!!

「ハクローくん大丈夫!?」「ああ。大丈夫だ!!…どうやらアイツの弱点は…胸のようだ!!…そこを貫けば!!」(ジャキン!!)

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡】
ーー
対象の者の情報を更新しました。

「わかったわ!…!!…なっ!?」

「!!…な、なんだ!?」

「………!!」

ギラギラギラギラ…

ヒヒーーン!!バサバサ!!

「!!あれはまさか…ぺ、ペガサス!?」「くそ!今度は…中世のナイト気取りかよ!?」

【氷の騎馬武士】は姿を変えると中世のナイトへと変貌し、乗っている馬には翼が生え、まるで現世でいう《ギリシャ神話》に登場する伝説上の生物《ペガサス》のような姿へと変化する。相手は宙を高く舞い、飛行する。

「ベアさん!アンタの銃火器で奴を落とせるか!?」「試してみましょうか!…いざという時に、火の力を蓄積しておいた弾薬があるんだ〜♪」

ヒヒ〜ン! バサバサ!!

「了解した!…俺が奴に気を散らせておく!!…そして油断を誘ったら、ベアさん!…その時は頼む!!」「了解〜♪」

【氷の騎馬武士】は優雅に空を飛んでいた。そして【Hux・row】は無防備の状態になり、【氷の騎馬武士】の油断を誘った。

「……!!」

「ほら来いよ〜!…エセナイト気取りのメルヘンペガサス騎士野郎!!」(キッ!!)

ヒヒーーン!!バサバサ!!

ヒュンヒュンヒュン!!

「!!…なっ!?氷のナイフの…雨!?…グッ!!」「こりゃあ一旦避難が必要だね!!」

ザシュ!グシャ!グサッ!キーーン!

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡】

周囲の魂を集気させて補填しました。

「…うぐうっ!?…ハァ…ハァ…すまねえな…!!…千夜!!助かったよ…!」(ググッ!)

【Hux・row】の左手には《蒼夜ノ十手》が握られており、集気していた魂が【Hux・row】の生命力へと置換させた為、難を逃れた。そして相手の隙を見計らい、【Beanne】は火属性と風属性の能力を付加させ、バズーカに弾薬を込めて砲撃を開始した。

「…よ〜し!ここで終わらせてあげるよ〜!!FIRE!!」

【Beanne】 ランクA
【♡♡♡♡♡♡♡♡】

火属性と風属性を付加しました。

ドーーーン!!

パリーーン!!

「!!!」

ヒヒーーン!!バサ…バサ…

ヒューーーン…ダーーーーン!!

【Beanne】の放ったバズーカが見事【氷の騎馬武士】に直撃し、氷のペガサスの身体も粉々になり飛行不可となり、地上に落下し轟音が鳴り響いた。それを見計らい、【Hux・row】と【Beanne】がとどめと言わんばかりに、武器を構える。

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜SAOより・Sacred Swords

「行くよ、ハクローくん!」「ああベアさん!」

ダダダッ!

「……」

ギラギラギラギラ…

ブン!! キン!! ブン!! カン

「くそ!!胸を貫けねえように硬化してコーティングしてやがる!!」「ダメ押しでもう一発!!過激にFIRE!!」(ダーン!)

ドーーーン!!

ガラガラガラ…

「!!」

【Beanne】の放った砲撃により、相手のコーティングが解かれ、弱点である《胸》が顕となった。それを確認すると、二人はカタをつける為、《総攻撃》を仕掛ける───────

「よ〜し…こいつで!!」(シャー…キン!)

「Finale!!!」(シャキン!)

《【Beanne Formula Sacred Sword】(べアンヌ式神聖剣)Ⅲの奥義》

「…!!」

ヒュン!ヒュン!ヒュン!

ザシュザシュ!!

「!!いつつ!!…だけど。……甘くみないでもらえるかしら?」(ギラッ!!)

【Beanne】 ランクA
【♡♡♡♡♡♡】

火属性・風属性付加効果継続中。

【Beanne】の身体に氷のナイフが突き刺さる。それでも彼女の目には諦めるという感情はなかった。必ず【Milal】を助けるという意志がそれを後押しするかのように銃剣【Arbitro】を持ち、攻撃を開始する。

「大丈夫。…絶対に助けてあげるからね。……ラルちゃん…!!…ハァアアアア!!」

十・十・十 ガキ・ガキッ・ガキーン!!

【Beanne】は【Arbitro】を【氷の騎馬武士】の急所である胸部を十字架状に六連撃して切りつけていく。そして剣には風の能力を使い、貫く姿勢を構えては一気に【Arbitro】を胸部に突き刺す。

「救済…完了!!」(ラルちゃん!そろそろ目を覚ましなさい!)

ザシュー!!ガシャアア!!

「!!」

「待っていろよ!!ラル!!」(チャカッ!)

【Hux・row】は名刀【Louvel】を手にもち、そして誓いの儀礼刀を交わすように正々堂々と曇りのない感情で覚悟を決め、【氷の騎馬武士】の距離を詰めていく。

「…!!」(ラル!!…絶対お前を助け出してやる!!例え災害を起こして町や数々の【ユートピア人】や【現世人】を犠牲にした《水の精霊》だと責められたとしても、あの《偽善連中共》にこの世界の害悪だと言われようがな……アイツらがお前を嫌おうとも…俺達はお前を絶対に嫌いにならない!例えお前を守った事で…この世界の奴らを敵に回そうとも…お前のやった過ちを…!!俺も一緒に償ってやんよ!!絶対にお前を最後まで一人ぼっちにさせない!…お前を信じて守り抜いてやる!!…この俺の持っている儀礼刀の名刀【Louvel】に誓って…!!)

「うぉおおおらああ!!」(チャキッ)

《白狼夜宗流一式三の型!!》

キィイイーーン…ザシュ!!!!

「!!!」

【Hux・row】は【氷の騎馬武士】の胸部に強い正拳突きの如く、鋭く貫くような一撃を放ち、そのまま勢いよく前に押し出していき、渾身の力で力強く前に押し出したまま薙ぎ払う。

「うぉおおおおおお…らあああああああ!!」(ブーーーン!!)

カィィイイイイイイイイイン!!!

薙ぎ払われ、前に吹き飛ばされた【氷の騎馬武士】は、まるで閃光のように貫く一閃を放たれたか如く、凍てついた身体は無慈悲にも壁に強く衝突した。そして埃が立ち込めては、崩壊を迎えるかのように崩れていく───────

ダーーーーーン!! カラ…カラカ…ラ……

「…ハァ…ハァ……!!どうだ!?」

「何とか……吹っ飛ばしたようだね〜!…さっきの技はもしかして新技〜?」

「ああ。確かにラルは取り返しのつかない過ちをしたかもしれない!…それでもアイツは反省もしていて、《罪悪感》を感じているから、最後までアイツのことを世界の脅威になろうとも信じてあげたいと思ってこう名前をつけたよ…!」

《【千夜・威信】(いしん)》

【Hux・row】は、流派の名前の技を【Beanne】に伝えた。すると彼女は笑い、今度は【Beanne】が技名を教えた。

「そっか〜!やっぱ優しいね…ハクローくんは〜♪まあ私も偽善かもしれないけどね〜!イタリア語で《聖者の救済》という意味を兼ねてね〜!こう付けたんだ〜!」

《【Rilievo del santo】(リレーボ・デェル・サント)》

「ははっ!ベアさんもお人好しだな〜!」「お互い様でしょ〜♪……!?……あっ!ハクローくん!!あれ!!」(ビシッ!)

ガラガラ…ガシャアアン!!…バタン!

「!!ラルーーー!!」「ラルちゃん!!」

【氷の騎馬武士】の残骸から【Milal】が姿を現し、その場に倒れ伏せた。その光景を見た【Hux・row】と【Beanne】は安否を確認する為、すぐに【Milal】の元へ向かった───────

【Hux・row】 ランクE→D
【♡♡♡♡♡♡】

E→Dにランクアップしました!

【Beanne】 ランクA→AA
【♡♡♡♡♡♡】

A→ AA(ダブルA)にランクアップしました!
・・・
・・


 
B. いいえ


《Capitolo・5》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ゼルダの伝説・トワイライトプリンセスより・Boss defeated

〜【Paradiso】歴:2000年7/7・夜方・【J島】【Kagoya】【幽冥界霊拝堂】(ゆうめいかいれいはいどう)内・【Milal】の居住空間〜

「…ん……?」

【Roudy】の力によって強制的に【氷の騎馬武士】の姿にされてしまい、暴走してしまっていた彼女は、【Hux・row】【Beanne】の活躍によって静止され、気を失っていた。暫くして目が覚めたのを確認すると【Hux・row】と【Beanne】はすぐさま声を掛けた。

「!!ラル!!気がついたか!?」「ラルちゃん!起きた〜?」

「!!…ハクロー…お兄さん…ベアお姉…ちゃん…!!…そうだ私!!…!!…二人共…怪我してる!!…!!ごめんなさい…ごめんなさい!!!私のせいで〜!…うぅ…うう…!!」(ポロポロ)

「ん?…ああ大丈夫だよ〜これくらい!!お前を助ける為、これくらいなんてないさ!!」(えっへん!)

「そうだよ〜♪…も〜う!気にしない気にしな〜い!!…それに私達はあなたを責めたりなんかしないよ〜!!…それよりか…この【Kagoya】に来て…すごく感謝してるかな〜!!」

「!!…え…!?…なん…で…?…私…あんなにハクロー兄さんやベアお姉ちゃんに酷いことして…この町のことも…!!ここに住んでいる人のことだって…!!」

「あぁ〜あぁ〜ッッ!!いつまでもズルズル昔の失敗を引き摺って…《真面目》過ぎるんだよお前は〜!!…いいかぁ〜!?《水害》ってのはなぁ〜!?…嫌でも自然な事でな!?…人間生きていれば必ず起こるもんなんだ!!降水量とかいろんなもんで水嵩が上がったりしてな〜!…もしかしたら精霊の力もそうかもしれないけど、大体は《自然現象》的な事で起こるもんなんだからよ!!…水の精霊やら《鼻水の精霊》やらよくわかんないけど、まだお前は見た目も子供なんだから、そんなこと気にしなくてもいいんだよ!!」

「!!…え?…鼻水の…精霊……?」(首かしげ?)

「…ハクローくん。…流石にそれは台無しだよ…」(やれやれ…)

「え?…すべってたか?」(あらら…)

プ…クスクス…!!

「おっ!」「おや〜?」

【Milal】は笑っていた。それを【Hux・row】と【Beanne】はお互いに彼女の顔を見る。

「ウフフ♪…アーッハハハハハ!!♪…《鼻水の精霊》って〜何それ〜!?変なの〜♪そんな精霊なんか見たことないよ〜!…ウフ!アーッハハハハハ!!」

パンパンパン!

「…ハハッ!…案外うけるもんなんだな〜!…まあ元気になってくれて嬉しいよ!」(ニカッ!)「世の中には物好きな精霊がいるんだね〜♪」(ニコニコ!)

【Hux・row】と【Beanne】は【Milal】を、まるで我が子のように温かく見守っていた。しばらくすると彼女は落ち着き、肝心の話を続けた───────

「…そうか。…ここ【Kagoya】の町で昔大火事がな〜…」「それでラルちゃんは能力を使ったんだね〜…」

「うん…それでみんなをね…本当に取り返しのつかないことをね…私はしてしまって…!!」

「…でも…この町の家とか火で焼かれていた人を見て、見過ごしてはいられなかったんだろ?」(なでなで)

「…うん…」

「ここの清流通りの清流の流れる水も…お前が毎日管理して見ていたのか?」

「…そうだよ」

「そうか。…なら許すよ!…俺は!」「私も〜!」

「…え…?…許して…くれるの…?」

【Hux・row】と【Beanne】は【Milal】を寛大な心で許し、言葉を続けた。

「【天鏡水導の鳥居道】の景色を見たよ!あの遊歩道…すげえよな〜!?…長い間あの場所を守ってたんだろ!?」

「!!…そ、そうだよ!…あの鏡写しで水鏡の景色が広がった《明鏡止水ノ境地》!!…あの場所は私も凄く気に入っていて、あそこだけはちゃんとしとかないとと思って…!」

「へぇ〜!それならハクローくんの【Sognare】の世界もね…あの景色と全く同じ世界が広がってるらしいんだ〜♪」

「…!!……そうなんだ。…通りでハクローお兄さんにひっついていて、落ち着くと思ってたの…!」

「おう!…あとそうだ…ここの素麺も、清流で潤っていたからか、すげえ美味かったよ!…出汁も美味かった!…俺からしたら、お前はそこまで悪い事…してないと思うぜ!…寧ろこの町に住む人の為に、この地を見守るお前は…十分この町の水の精霊らしいことをしていると俺は思うよ!…ありがとうな!…そして、今までお疲れさんだったな…よく辛かったのに逃げ出さなかったな…偉いぞ…ラル!」(なでなで!)

「!!///…あ…あぁ…!…うっ!…うわああああん!!」(ダキッ!!)

「おっと!…水の精霊とはいえ…まだまだ子供だな〜!」(なでなで)「そうだね〜♪やっぱ子供はこうでなくっちゃね〜♪」(なでなで)

「うぐ…えぐ!…ああぁあん!!」(ハクローお兄さんの身体…やっぱり凄く…温かい!まるで白い狼のように気高くて心優しくて…広い心を持っているように…透き通ってる…!!ありがとうハクローお兄さん!…ベアお姉ちゃん!!…私…おかげで…心苦しかったことから…ようやく解放されたよ!…本当に…ありがとう!!)

キラキラキラ……

「!!ら、ラル!?」「身体が…!?ラルちゃん!?」

【Hux・row】と【Beanne】は【Milal】の身体がみるみるうちに消えていくのを見て驚いていた。すると、【Milal】は名残惜しそうに話す。

「…どうやら私の役目が終わるようです。……でも心配しないでください…私がいなくなっても…次の《水の精霊》がすぐに来ますので…!」

「!!…でもよ。…お前はどうなるんだよ!?…消えるんだろ!?…なあ、ベアさん…なんとか出来ないのか…!?」(ポロ…ガシッ!)

「…残念だけどハクローくん…仕方ないよ…私達じゃあ…こればかりはどうしようも出来ない…」(フルフル…)

【Beanne】は【Hux・row】に【Milal】を助けることはできない事を話す。それを聞き、胸の中でやるせない思いを感じ、《悔し涙》を流していた。

「…ぐ…くそっ!…こんなことって!…!?」(ギュッ!)(ポロポロ…)

「…ハクローお兄さん…もう…泣かないで……悲しまないで!…私は…もう大丈夫だから心配しないで!…頼みがあります!…最後に名刀【Louvel】を出してください!」

「…!!ああ!お安い御用だ!!…これを…どうするんだ…?」(チャキッ!)

【Hux・row】は名刀【Louvel】を手に持ち【Milal】に見せるとすぐに近寄り、鞘に両手を翳し、涙を流しながら名刀【Louvel】に意志を宿したロベルに声をかけるかのようにこう話した。

「…フフフ!……ロベル!!…やっと会えるね!!…優しいハクローお兄さんとベアお姉ちゃんを…他にもハクローお兄さんの大切な人達…【Paradiso】の人達を…これからも一緒に見守っていこうね…!私も…この名刀【Louvel】の中でずっと生きていくから!!…ハクローお兄さん…!…また会えるなら…【Sognare】で…必ず会おうね!」(ニコッ!)(ポタポタ…)

「…っ!?…くっ!!」

「!?」

キィイイイイン!!!…シュン!……

・・・
・・


〜【Paradiso】歴:2000年・7/7・【J島】【Kagoya】【幽冥界霊拝堂】の宴会場〜

ポタン…ポタン…

「!!…ハッ!」「!!…ここって…?」

ワイワイガヤガヤ…

【Hux・row】と【Beanne】は目を覚ました。するとそこは【幽冥界霊拝堂】の宴会場であった。その光景を見ていると、顔馴染みのメンバーである【Senno】【Keito】【Bill】【Rolan】【Linea】の一同が心配そうにこちらを見つめいた。

「大丈夫ですか!?ハクローさん!!ベアさん!!」「ハクローはん!?ベアはん!?」

「大丈夫か!?教官!?ベア姉さん!?」「大丈夫か!?ハクロー!?ベア!?」

「あらあら、大丈夫ですか〜ハクローさん?ベアさん?…私達がゴールした後、一時間くらいしてから落ちた場所に寝そべっていた状態だそうなのですよ〜!……座敷童さんからのおもてなし…如何でしたか〜?」

「…セノさん…それにみんな…!!…くっ!!」(ポタポタ!!)

「は、ハクローさん!!…!?…え…?」「…今はそっとしといてあげて!…ハクローくん…今凄くブルーな気分だから…」

「?…ブルー?」「ハクロー…何か取ってこよう…お腹を減らしたのだろう…」「せやな〜まあうちらがこう馬鹿騒ぎしたり怪談話に参加できんかったから寂しかったんかもしれん!」

「……っ!」(…ハクローさん…その様子では座敷童さんの世代交代と遭遇した。…といったところですね…その刀…ずっと手放しておりませんし…)

「………」(…ギュッ!)

【Hux・row】は【幽冥界霊拝堂】の宴会場から、外で《千夜ノ桜》の花びらを散る様を見つめながら満月の月に照らされた明るい夜の町の景色を、先程の【Milal】との会話を思い出して見つめていた───────

『…フフフ!……ロベル!!…やっと会えるね!!…優しいハクローお兄さんとベアお姉ちゃん…他にもハクローお兄さんの大切な人達…【Paradiso】の人達を…これからも一緒に見守っていこうね…!私も…この名刀【Louvel】の中でずっと生きていくから!!…ハクローお兄さん…!…また会えるなら…【Sognare】で…必ず会おうね!』

「……!!」(ポロポロ!…ギュ!!)

【Hux・row】は名刀【Louvel】を握り締めながら涙を堪えきれず流した。しかし、それでも名刀【Louvel】に宿っていると思い、少し安堵したのか、身体を密着させ、彼女に対し感謝の意を述べるように言った。

「ラル…ありがとうな…!!俺の夢の心の中の世界【Sognare】には、俺の現世の愛人の千夜…恩師の三橋三等海佐や、リーネの姉……西野さんがいたり、もうお前を苦しめたりする人はいないよ…!!だから…もし今俺の【Sognare】にいるなら…ゆっくり休んでくれ!…お前の分まで…俺は必ず【Demister】(終焉ノ使徒)の野望も…そして【G・lrof】の惨劇の行いも…!!必ずこの手で阻止する!…お前の流した涙を…俺は絶対に…忘れない!!」(ポタポタ…)

スタスタスタ…ピト…!

「…!!つ、冷た!…!!…って!…ベアさん…」

【Hux・row】は頬に冷たいものを押し付けられた。すると、そこにはラムネを二本持ってきた【Beanne】がいた。

「ラムネだよ〜♪…どうやらこの清流で取れたとっておきの一本らしいよ!……私も貰ってきた!」

「…そうか」

そしてすかさず彼女は隣に座る。空気を読んでいたのか少しだけ距離を置いていた。

「…折角だし、ラルの分まで乾杯するか?…ベアさん?」

「そうだね!…後は…」(スー…)

ギュッ!!

「…!!」「……」

【Beanne】は真剣な眼差しで敬意を込めて名刀【Louvel】を見つめ、鞘を握っている。彼女も【Milal】の事が気掛かりな様子であった───────

「…ベアさん?」「私にも名刀【Louvel】…握らせて!…なんだかんだ言ってね…ラルちゃんとの別れは…私も寂しいの…!!」(ポロっ!)

フッ…珍しいな!…こう言う時なんか、いつも『私が慰めてあげる〜♡』って感じで執拗に迫ってくるのにな〜! あ〜っ!そんなこと言うなら〜ふっふっふ〜♪……シュワ〜♡! !!だぁ〜!!コラかけるな!!やめろー!!…あ!…このラムネ…甘くて…美味いな〜!…って!うわベアさん!!顔を舐め回すなって〜!!/// ペロペロレロレロ〜♡ウフフ♡!!

「むぅ〜っ!!///…ベアさんだけずるいです〜!!」(ムスー!)「まあまあ嫉妬すんなやリーネはん!…やけど楽しそうやな〜!お二人はん!」

「教官!!…元気が出て良かった!!」「今日はいい夢が見れそうだ!!」

「ウフフ…仲睦まじいお二人ですことね〜♪………?…おや?…あれは?」

「ハァ〜…たくも〜ベアさ〜ん!!…折角の浴衣がベトベトだぜ〜…!」

「ふっふ〜ん!《宴》らしくていいんじゃあな〜い♪…それにさ…きっと近くで見ているよ…ラルちゃん…!」

「…!!…ああそうかもな!!…なんかさっきから…肩が重くてな。…でも悪くない!!…まったく……水の精霊にしては…本当に小さなお嬢さんで……それに…」

「ん〜?それに?」

「この清流のように心が純粋で清らかなのか…よく笑う子だったな〜!!」「!!…そうだね〜♪」

『〜♪』
   


「!!…ふふっ!」(あらあら…ハクローさん…ベアさん…どうやらあなた方がお会いした世代交代の座敷童さん…どうやら引退した後、あなた達と一緒にいたいのか…《第二の人生》を見つけてしまったのか、あなた方二人と、とても強い《絆》で結ばれたようですね〜♪…あなた方の近くで…本当にこの清流の流れる水のように心が澄んでいて…清々しく…よく笑っていますね〜♪)

【Senno】は【Hux・row】と【Beanne】を暖かく見守っていた。そして【Senno】は【Milal】の姿が観測して見えているのか、【Hux・row】【Milal】【Beanne】と並んでいるように見えているようであった。そして【Hux・row】は笑い【Beanne】にこう話しかけた───────

「もしかしたらさ。…俺達の間にラルがいるのかもな…!!」(ギュ…!)「そうだね〜♪…ねぇっ!ラルちゃん♪いるんでしょ〜?」

・・・









『ウフフ!…アハハ♪…ハクローお兄さん!ベアお姉ちゃん!もう私は一人じゃないよ〜♪…いつもみんなと一緒だよ〜♪!!』















《To Be Continued…→》









第18話:【Agente】(エージェント)【Kagoya】街の維新編part3
完読クリア!!



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