GiorGiaNo

 
《Paradisoシリーズ〜導かれし七人の現世人の冒険譚》

A.:GiorGia 

〜第一章:白狼と誓いの儀礼刀〜


第17話:【Agente】(エージェント)【Kagoya】街の維新編Part2



【R・P社】のギルドチーム【Agente】(エージェント)の一員【Hux・row】は名刀【Louvel】の復活の旅に向かう為、【Paradiso】の世界で10番目に位置する【J島】内に存在する───────日本古来の大和文化が栄える町【Kagoya】へと【Linea】と一緒に旅立つ。無事に辿り着いたものの、名刀【Louvel】の名を聞くだけで、誰も関わりを持たないものばかりであり、途方に暮れていた時、一人の少女が現れる───────




《Capitolo・1》
物語を開始しますか?

🎼Back Ground Music 》》》



Freedom resembles the air of the mountains.Neither can withstand the weak.
(自由は山巓の空気に似ている。どちらも弱い者には堪えることは出来ない。)

I think it's natural to suffer because I'm alive anyway.
(どうせ生きているからには、苦しいのはあたり前だと思え。)

Ryunosuke Akutagawa
(芥川龍之介)



♪〜大逆転裁判2より〜大追求・成歩堂龍之介の覚悟

「ウチの名前は【Keito】(ケイト)!!【現世人】の18歳!!ランクはDランク!猟師兼鍛冶屋ギルド【Melton】の一員やねんがな〜♪宜しゅうな!!」

《猟師兼鍛冶屋ギルド【Melton】所属・【Keito】(ケイト)》

「か…関西弁!?」「よ…よろしくお願いします!」(そのお姿で…18歳…?…どう見ても中学一年入りたての子供のような…)

相手の少女は猟師兼鍛冶屋ギルド【Melton】という名のあるギルドに所属する一員であった。すると相手は少しばかり眉を顰(しか)めた。

「むむっ!?ちょっとちょっと、そこの姉さん!?…今ウチを子供扱いしたんと違いますの〜!?」(プンプン)

「え!?…い、いえ別にっ!!」(な…何でわかったのでしょうか!?)「ファッ!?…お、お前…まさかオロアみたいな読心能力者なのか!?」

【Linea】は【Keito】の容姿を見て、年相応の姿をしていないと心の中で疑う。その事が相手に勘付かれ、機嫌を損ねられてしまう。その様子を見ていた【Hux・row】は【Keito】の事を読心能力者ではないのかという疑惑が浮上する。しかし、彼女の返答は予想外にも違う答えが返ってきた。

「あ〜ちゃうちゃう兄さん!…そこの姉さんがただ単に顔に出過ぎてただけやねん!…こんなもん、読心能力使わんでも誰でも分かるもんや!」

「そ、そうか。…それはすまなかったな〜」「あうぅ。……ご、ごめんなさい!!」(ぺこり!)

「…ハァ〜。…まあ別にええんやけどな〜、こう見えてウチはもう5年もこの姿でここ【Paradiso】にいるさかいにこの態(やり)やねんです〜!…あと、あんまここで長話していて店に長居しとったら、店の人に迷惑やさけに、一度外に出やんかいな?」

「ああ…そうだな」「それもそうですね…!」

【Hux・row】と【Linea】は【Keito】に言われ、勘定を済ませて甘味処へと出る。そして道を歩きつつ【Keito】との話を続けた。

「んで?この名刀【Louvel】を直す手立てがあると…」「どんな方法があるのですか?」

【Keito】はそれを聞いて何か訳ありの事情もあるかのような深刻な表情をしながら、このように語った。

「…ウチ【Orubin】って鍛冶屋の親方がおるんやけど、その腕は確かや!…でもあんまり期待せんときや!最近になってちょっと訳ありで深傷の大怪我してもうてな〜!…治癒能力があればもしかしたら何とかなるかもしれんのやけどな〜!」

「!!…そ、そうか…!…なあリーネ…お前さんの能力なら!?」「!!…そ、そうですね!!…ケイトさん!その方の場所を教えてください!!私は治癒能力を持つ【Fiducia】能力者なので、もしかしたら!!」

「ほほ〜う!…!!わかった。ほな…ついて来てくれるやろか、こっちや!!」

【Keito】はそう言い、【Hux・row】と【Linea】は細い路地の中に入り、広場へと出る。

・・・

〜【Paradiso】歴2000年6/30・昼方・【J島】【Kagoya】下町通り・広場〜

コツンコツン……

「……!?…ケイト。…こりゃあ〜…」「…?」「!?…ご名答やで〜ハクローはん。……この気配…明らかに妙やで〜…」

一同は下町の広場へと出た。すると四方八方に交差する狭い路地の内、何者かの殺気の気配を【Hux・row】と【Keito】の二人は感じ取った───────

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜龍が如く0より・怨魔の契り

ドドドドドドド………

「…!!…誰だ!?そこにいるのは!?出てきやがれ!!」「えっ!?」「!?【真・ユートピア創造士隊】の【Varisk】のもんかいな!?……まさか、ここら一帯を騒がしとるっちゅう……!!例の《辻斬り》もんかいな!?…観念して出てきた方が身の為やで〜自分!!」

…コツンコツン……

「ふむ。勘だけは鋭いようですね。………その手に持っている名刀【Louvel】……なるほど。…どうやら我がマスターの【Makiras】様を討ち取ったというのは確かな情報であると。……あなたが【現世人】【Hux・row】で間違いないようですね」

「!?」「!!」

「!?……【Makiras】だと…?……っ!!貴様!一体何者だ!?」

【Hux・row】は、黒髪で淡い空色の執事服に見立てたような服を身に纏い、右手にはステッキを持った何処となく大正時代を生きる紳士的のような雰囲気を醸し出す男性に対し、名を問いかける。すると相手は紳士的かつ丁寧な態度で挨拶を交わす。

「…私の名前は【Varisk】所属。…Aランクの【Zeal】(ジィール)と申す者です。【Makiras】様の《元部下の者》と言いますかね。…僭越ながらあなた様方の。………命を刈り取る為にお相手いたしましょうか?」

《【Varisk】所属Aランク【Zeal】(ジィール)》

ジャキッ!!

「!!……ええい、くそがぁっ!!…木刀しかないが…!!やるしかないようだな!!」(チャキッ!!)「!!…私も…お相手します!!」(チャキ!)「!?仕込み刀やて!?……しゃあないの〜!!」(カチャ!)

【Hux・row】は木刀【Linea】は薙刀【Keito】はサバイバルナイフを持ちて相手を威嚇する。それを見ても相手は余裕の表情を見せ、ステッキの中からはギラつく刀身が姿を現した。どうやら【Zeal】が所持していたのは、ステッキに見立てた《仕込み刀》であった。

「………」(…やれやれ、木刀とは…)

チャキリッ…!!

「……三人で、この私の剣を止められるとでもお思いでしょうか?…何とも浅はかな考えの持ち主のようですね。……では、行きますよ!!」(チャキン!)

シュッ!!

ザシュ!! ズバッ!! ズサ!!

「!!ぐぁっ!!」「あぁっ!!」「くぁっ!!」

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡】
ーーー

【Linea】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡】
ーーー

【Keito】 ランクD
【♡♡♡♡♡♡】
ーーー

【Zeal】は、三人を目にも止まらぬ速さで躊躇無く斬り捨てる。そして自信ありげにこう話す。

「ご心配なさらずとも、峰打ちです。………解せませんね。…木刀で私に敵うとでもお思いだったのですか?…真剣で確実に命を取ろうともしない……弱腰の《半端者》…【Hux・row】」

「…!?」

【Zeal】は本気の殺意を持って戦おうとしない【Hux・row】の事をこれでもかという位に見下す態度でこう告げる。

「木刀相手の今のあなたでは、まったく話にはなりません。…実に興醒めな事ですねぇ〜…本当に。…はぁ〜…今日はここまでです。…次はいい剣でお相手願いたいものです。…では…失礼します…」

シュッ!

「ま、待て!!…!?ぐっ!!」「ハクローさん!!…すぐに治します!!」「いつつ!…たくっ!運がええと言えばええんやろうかな〜」

・・・

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF13より・ライトニングのテーマ

突然【Zeal】と名乗る【Varisk】の者に襲われ、三人は負傷を負った。だが幸い軽症で済んだのか、【Keito】は安堵の表情を浮かべていた。そしてこの状況を【Hux・row】は安心できずこの【Kagoya】の町で一体何が起こっているのかについて聞く。

「【Varisk】……どうやらこの【Kagoya】の町にもいたようだな〜!…それにケイト。…さっきの口振りからするに、以前から奴らがこの町に潜伏しているような言い方だったけど、どうなんだ?」

「…ああ、そうや!さっき出て来た【Zeal】だけやないで!…他にもおるねんがな!ウチらの仲間も、そしてウチんとこの親方もアイツらの仲間の被害受けて……!!ホンマに困っとんのや!…せやけど兄さん。…【Varisk】の連中にも目をつけられとるっちゅう事は、余程の事やらかしたようやな〜」

「まあな。…この名刀【Louvel】の使い手だった【Varisk】Aランクの【Makiras】ってクソッタレ騎士野郎は…!!とんでもねえ〜奴だったよ!……あれを野放しにしてたら、ダルマの【Dail】と手を組んで…【E島】の【Velkana】の街の支配に飽き足らず、今度は他の島に対して虐殺の被害を企てようとしただろうな。……それでも奴を倒せたのは、俺だけの力じゃあないんだ!……俺の仲間達。…特に身寄りのなかった俺を【R・P】社の【Agente】に迎入れてくれて、教育係として世話してくれている…《ベアさん》……あの人の協力がなかったら、俺は間違いなくアイツにこの刀でやられていた!…いや、それだけじゃあないッ!……!!アイツが…俺の現世での愛人……《千夜》があの時声をかけてくれたおかげで…俺達は助かったのもある。…!!だからその為にも、この名刀【Louvel】を何としてでも復活させたい!…英雄の名を冠しているという事も誰かとは言えないが聞いたからな…尚更だ!」

「……ハクローさん」(ギュッ!)

「………」

【Hux・row】の手には名刀【Louvel】が強く握られていた。その意気込みから、彼自身には、日本の武士道を象徴とする《使命ノ侍》のような力強い《大和魂》の意志が、周りにひしひしと伝わってくる。その様子を【Linea】は胸に手を握って見守り、【Keito】はその【Hux・row】の気高く逞しい精神の姿勢に、何か惹かれるものを感じ取ったのか、笑みを浮かべてその要望に対し、《誠心誠意》答えるかのように話す。

「よ〜しわかったで!アンタさんの持っとるその名刀【Louvel】…絶対復活させるんに協力したるさかいに!!…あ〜、そういやぁ〜アンタらの名前をちゃんと聞いてなかったな〜!…名は何て言いはるんや?」

「ああ!俺は【Hux・row】!!ハクローと呼んでくれたらいい!」「私は【Linea】と申します!リーネと呼んでください!これからよろしくお願いしますね。…ケイトさん!」

「ああ!二人共よろしゅうな!!」

《テ〜レレレッテ レ〜テレレッテ・テッテレ〜♪》

【Keito】 ランク D
【♡♡♡♡♡♡】
ーーー
【Keito】が戦闘メンバーリストに加入しました。

・・・
・・



〜【Paradiso】歴6/30・【J島】【Kagoya】下町通り・とある民家〜

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜大逆転裁判より・亜双義一真:使命のサムライ

「よ〜し着いたで〜!…ここや!ここがウチの親方と一緒に住んどるとこやねん!」

バァーーン!!!

【Hux・row】と【Linea】は【Keito】に案内され、頭領の住む場所を案内される。

「…意外と古い建物だな〜」「はい。…でも、それなりの風格を感じる佇まいのようですね〜!」

それは、古い木造で出来ていた古風な住まいである。二人の間に【Keito】は入り込み、話を進めて玄関の障子扉を開ける。

ススゥ〜………

「さ、どぞ!入りぃ〜な!」(ニカニカ!)

「じゃあ…!!こんにちは〜!」「こ、こんにちは!」「親方〜!お客はん連れて来たで〜!!」

ムクっ!

「…あ〜…ケイトよ!…もう飯の時間か〜?」

「違うがな!!…飯は夕方になってからやっ!!…紹介するわ。…こちらはウチの親方の【Orbin】(オルビン)!ほな二人も挨拶しなはれや!!」

親方の【Orbin】は布団で寝転がっていた。その容姿は70代後半と年老いており、髭が立派に生やされていた。そして傷の負傷が激しいのか安静にしている状態であった。【Keito】に言われると二人は【Orbin】に対し、挨拶を交わす。

「ああ。…どうも初めまして【Hux・row】と言います!ハクローと呼んでください!」「私は【Linea】と申します!…リーネと呼んでください!」

「…ん〜?…!?うほ〜♡!!///」(ドキン!///)

「?…え?」

【Orbin】は突然起き上がり、【Linea】の姿を見るとすかさずやましい大胆な行動に出た。

「こらまた…!!…なかなかに可愛いらしい娘じゃ〜ないか〜♡!!///」(ガバッ♡!!)

スリスリ〜♡

「〜!?///…き、きゃあああああ〜〜〜ッッ!!!!///」(アタフタ!)

「………」(グキ…ゴキ!)

《げ・ん》
《こ・つ・やで〜★!!》

ガキン!!!

「はぐッ!!…う、うぅ〜ん!…あ〜いでで〜……」(しゅ〜……ヒリヒリ〜☆!)

【Orbin】は【Linea】の身体と姿を見て、煩悩と性欲に忠実なのか、すかさず思いっきり彼女の胸元へ顔を埋めるように抱きついて擦り寄って来た。突然の事で【Linea】も悲鳴を上げ赤面をする。それを見ていた【Keito】は呆れるように拳を作り、現世で持て囃されているある国民的アニメに登場する主婦が繰り出す《げんこつ》を連想させる《鉄拳制裁》を行い、静止させ、勢いよく罵声を浴びせる。

「こんの、エロ親父〜!!///あれほど女の人に抱きつくんやめ〜やいうたやんけ!?///……あぁ〜すまんな、こんなスケベな親方やねんがな〜…」(ハァ〜!)

「そ、そうか。…リーネ〜、大丈夫か〜?」「は…はい!///…ですが…ちょっと恥ずかしかったです…///」(シュン…///)(何で私ばかり〜…///)

「…あと、ここをやられてんねん!ちょっと見てくれるかいな?」(ピラッ!)

「!!こ、コイツは!?」「ひ、酷いですね…」

【Keito】は【Orbin】の負傷した怪我を見せる。すると状態は毒を盛られたのか、思った以上に酷く、傷口は化膿していた。それを見た二人は早急に治療を開始する。

「…かなり深傷のようだな…リーネ、頼めるか?」「まかせてください!!」

キィイイイン!!

「!?おお…化膿した部分が退いていく!」「……」「ほ〜う!…こりゃあ驚いたで〜!!傷が、みるみるうちになくなっていくで〜…思ったよりもアンタはんの【Fiducia】能力…!!すごいんやな〜!!」

「お…おお〜〜!!足の痛みが引いていくわい…!!…傷も治っていくのがわかる!!…これは…!!」

【Linea】は懸命に【Orbin】の治療を開始する。すると傷口は塞がり、何事もないように回復する。

「…終わりました!!…【Orbin】さん、どうですか?」

【Linea】の治癒能力で重度の負傷は治療された。すると【Orbin】は足を動かしてみると特に痛みもなく、満面の笑みを浮かべ【Linea】にお礼の言葉を告げる。

「おお〜!!おかげ様で治ったぞい〜!!感謝するぞ〜女神のような娘よ〜!!」(ブワァ〜!!ダキイッ!!ムニムニ〜♡)

「!!…い、いやぁぁあぁぁああ〜〜〜〜っっ!!///は、離してくださぁ〜〜い!!///」(ブンブン!!///)

盛大に豊満な彼女の身体を堪能するかのようにデリケートな部位にボディータッチをしつつ───────

ゲシッ!!

「ぐあっ!!…!!こ、腰はやめて〜腰は〜!ワシ腰弱ってるから〜!!」

「だ〜か〜ら〜!!///やめぇ〜やいうてますやん!!///このセクハラ親方〜!!///」(ゴゴゴゴ…)

【Orbin】は感謝の気持ちを込めて、今度は【Linea】の胴体に思いっきり抱きつくと、デリケートなヒップとふくよかな太ももを優しく撫でまわす。そのセクハラ行為に流石の【Linea】も悲鳴を上げて赤面をする。それを見ていた【Keito】は今度は蹴りを腰に入れて静止させる。

「…最近何かと嫌な目に遭うことが多いな〜リーネ〜」(お色気系キャラって奴か?)

「…あ…あうぅ〜///」(もう…何で私…こんないやらしい目に遭うのでしょうか〜?///)

「それに親方!!…リーネはんやのうて、そこのハクローはんの方が、親方に用があるらしいんや!」

「ん〜?…あ〜、何じゃ男か。…ガックシ…んで、何の用件じゃ?若いのよ…?」

「…これを直してもらえないか?…名刀【Louvel】って名刀なんだが、何かこいつに合うような刀剣がなくってな〜困ってたんだよ」

「?…!?そ、それは…!!まさしく名刀【Louvel】!!…若いのよ!?…一体それをどこで!?」

「…!!爺さん、知っているのか!?何か知っているのなら教えてくれ!!…この刀は一体何なんだ!?…さっきからこの刀を見せる度に鍛冶屋の連中から避けられて困ってるんだよ…」

【Orbin】は名刀【Louvel】の姿を見て心当たりがあったのか、こう語りかける。

「…ああ。その刀を打った者は知っているが。……亡くなってしまった」

「!!」「そ、そんな!!…一体何があったのですか!?」

【Orbin】は重い口調をしつつ、その真意を話した。

「その刀を打った者の名は…【Danx】(ダンクス)といい、《ドワーフ》という異名を持つくらいのかなり名手の鍛冶屋じゃった。今まで数々の名のある武器を設計したと言われておるのじゃ。……その名刀【Louvel】の持ち主であった騎士団長の名を【Louverd】(ルーヴァード)と言っておった。……だがその【Danx】と【Louverd】も…ある殺し屋によって殺されたんじゃ…」

「そ、そんな!?」「【Danx】か。…そういや〜どっかで聞いた事あったな〜!」

「……その殺し屋…もしかして【G・lrof】(ゲー・ルロフ)か…?」

「!?」

【Orbin】は【Hux・row】の発言を聞き、驚愕した表情をしてその真意を探るかのようにこう話した。

「何故その名を…!?…どこで聞いたのだ!?」

「…この名刀の次の持ち主の【Makiras】っていう【Varisk】に所属していたAランクの奴と、俺の仲間のベアさんが話していた。…頼む、教えてくれ!!…【G・lrof】って一体何者なんだ!?…俺はどうしてもそいつのことが知りたいんだ!!」

「…ハクローさん…」「ハクローはん…アンタ…」

【Orbin】は悩み抜いたが、【Hux・row】の真剣な眼差しに負けて【G・lrof】についての真実を語った。

「……【G・lrof】という男はな……昔からこの【Paradiso】の世界においても、名のある《殺し屋》と言われておってな。…あまりの武力の持ち主から、《武神》という異名を持ち、恐れられておる存在なのじゃ。……恐らく現在では……【Demister】(デミスター)通称:(終焉ノ使徒)と呼ばれる者達とも密接な関わりがあるやもしれん…」

「?…【Demister】?…終焉ノ…使徒…?」「…あの…一体どういった方達なのですか…?」「初めて聞くな〜そんな名のある連中」

【Hux・row】と【Linea】【Keito】は【Orbin】に対し更に話を促す。すると、話をする前に同意を得るように言い放つ。

「…この話をすると。……もしかしたらお前さん達の命を危険に晒しかねないのだぞ?……それでも聞くのか?」

「……!!」「!!…どうしますか…?ハクローさん…」「どうするんやハクローはん?」

【Hux・row】は【Orbin】の問いに少しばかりの躊躇をした。この話を聞く事で、再び後戻りができない底知れぬ闇へ誘われるやもしれないと。しかし彼自身の瞳には決して曇り一つない白狼のような金色の眼差しで相手を見つめる。それはまるで、閃光の瞳を持つ彼女から少しずつ学んでいるのか、気高く信念を貫き、真実へ向かおうとする強い意志が彼にはあった。

「…覚悟はできている…!!聞かせてくれ!!」「私もお願いします!!…これ以上、この世界を住む善良な人達を傷つけるような悪人を…許してはおけませんから!!」「…親方。…ウチにも聞かせて欲しいわ」

【Hux・row】【Linea】【Keito】の三人の覚悟は決まっていた。その目つきを見て【Orbin】は観念したのか、話を始める。

「…わかった。…では話そう。…もう10年以上も前になる。…かつて、この【Paradiso】の世界各地で…大きな戦争が引き起こされていたのだ…」

・・・
・・





B. いいえ


《Capitolo・2》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜聖剣伝説3より・Political Pressure



At the time of the 1980s and 1990s, the current true utopian creators were trying to bring about major reforms in [paradiso] around here under the name of the utopian creators.

(1980年〜1990年代の当時、現在の【真・ユートピア創造士隊】は【ユートピア創造士隊】という名前でこの各地の【Paradiso】で大きな改革をもたらそうとしていた。)

It is good, as a typical example of what the world knows as the ancient utopian races have long wanted, with the introduction of the Bentham Panopticon-themed panopticon surveillance system. Utopians are managed under their control, and even if they lose all freedom, they should be educated about the idea that they do not have to think about anything to guarantee peace of mind, safety, and comfort, and to let utopians spend time in isolation facilities. It was the purpose.

(それは、太古の昔【創造派】の種族が永年望んでいたように現世の世界の者が知っているものの代表的な例として、ベンサムのパノプティコンをモチーフとした全展望監視システムの導入により、善良なユートピア人はその配下において管理され、一切の自由がなくなるも、安心かつ安全で安楽を保証し、何も考えなくてもいいという思想を教育させてユートピア人を隔離施設で過ごしてもらうことを目的としていた。)

Of course, the local Utopians tried to escape from the quarantine facility by causing rebellion one after another if there was a fierce opposition to that opinion.

(もちろん現地のユートピア人は、その意見に猛反発をし、次々と反逆を起こしては隔離施設から脱出を図ろうとした。)

However, the Utopian Creators took steps to keep it stationary. As in the old tradition, it is a corpse that is dismembered to show off the crime of selecting and jailbreaking the Utopian who committed the crime, or it is soaked in chemicals and put in a glass case. This isolation facility mind-controls utopians in an overly inhumane way of being trapped and letting them spend together in the gauge with or without jailbreak or rebellion. I was educated to promise peace of mind, safety, and comfort when I was there.

(しかしそれを静止させる為、【ユートピア創造士隊】の者達はある対策を取った。それは抵抗する者を昔の伝統にあるように、犯罪を犯したユートピア人の者を選別し脱獄を図ったという罪で見せしめにバラバラ死体にし、人体標本として薬品漬けにし、ガラスケースに閉じ込められ、脱獄や反逆を企てる者がいれば有無を言わさず、即座に一緒に置かれた臓物の塊を置き、そのゲージの中で共に過ごさせるという過剰な非人道的なやり方でユートピア人をマインドコントロールし、この隔離施設にいれば安心や安全、安楽を約束するという教育・洗脳を受けさせていた。)

The Utopian Creator's speculation was more than expected. At that time, there was a liberal who destroyed the isolation facility owned by the Utopian Creators. They are a revolutionary army formed by leaders and staff members belonging to the guilds of each island, and rebel against the fact that the world aiming for such a domineering and liberty system against the creative faction is wrong. But nonetheless, the creativity rejected all Liberal opinions, and a great war broke out between the Liberal Guild Allied Forces and the Utopian Creators.

(ユートピア創造士隊の思惑は、予想以上に事が運ぼうとしていた。そんな時、ユートピア創造士隊の所有する隔離施設を破壊した【自由派】の者がいた。それらは各島のギルドに所属するリーダー兼参謀の者達で結成された革命軍であり、【創造派】の者達に対し、このような横暴かつ自由を奪う体制を目指す世界は間違っていると反旗を翻す。しかしそれでも【創造派】の者達は【自由派】の意見を全て拒否したことにより、【自由派】の【ギルド連合軍】と【ユートピア創造士隊】との間に、大きな大戦が勃発した。)

As the battle between the Allied Forces of the Liberal Guilds and the Utopian Creators continues, a group surrounded by the mysterious darkness that has existed since ancient times appears ... That is [Demister] (Apostle of the End)

(【自由派】の【ギルド連合軍】と【ユートピア創造士隊】との戦いが続く中、太古から存在している謎の闇に包まれた集団が現れる───────それが【Demister】(終焉ノ使徒))

The identity of [Demister] (Apostle of the End) is not well understood, and it is not particularly related to the Utopian Creators. However, the existence of a guide has been recognized as a vulgar thing for a long time, and it is supposed to oppose and oppose it. When a regular existence appears, the Utopian Creator Corps [Demister] recognizes those who have the qualities as a companion, who block the way and rebel, as sinful, and as if to argue against it. He worships (The Apostle of the End) as a messenger of God, and if he erases this world from this [paradiso] world, he will see the whole view as soon as the creators who lived in the ancient times wanted. We are aiming to introduce a monitoring system.

(【Demister】(終焉ノ使徒)の素性はあまり分かっておらず、特に【創造派】に属する【ユートピア創造士隊】とも関わりがあるわけではない。しかし【導き人】の存在を古くから下賤な者として認識し、その者達と敵対を企てようと対抗する者としており、自らこそが【Paradiso】の世界に真なる救済をもたらす本当の《救済者》なのだとそう宣言している。ここ近年から、【導き人】に導かれし永遠に歳を取らず【Paradiso】の世界を生きる異世界転生種族【現世人】の出現による極めて《イレギュラー》な存在の者達が現れたことから、その動きが激化。素質のある者を仲間として引き入れ、行く手を阻んで反逆する者を罪深き者として認識しており、組織力の絶対なる力の前に屈服させ、理解してもらう為に、それ相応の救済の手を下したとも記述を残している。それに便乗するかの様に【ユートピア創造士隊】は【Demister】(終焉ノ使徒)を《神の使い》として崇めており、その協力もあってか、何としてでもこの【Paradiso】の世界から、不要な【現世人】を選別して抹消し、太古の時代に生きていた【創造派】が望んだように、一刻も早く全展望監視システムの導入を目指そうと終止符を打たんとすべく行動している。)

When [Demister] (Apostle of the End) is driven to the battlefield, the powerful guilds of many free groups are defeated one after another. Still, their eyes did not give up and succeeded in subduing the chief of [Demister] (Apostle of the End). However, a few years later, when [Demister] (Apostle of the Demise) reappeared, he scouted an armed killer and killed one after another who belonged to the guild that killed the chief.

(【Demister】(終焉ノ使徒)が戦場に君臨する頃には、数々の【自由派】に属するギルドの実力者は次々に敗れ去っていく。それでも彼らの目は諦めず、【Demister】(終焉ノ使徒)の長の者を討伐することに成功した。しかし、その数年後に【Demister】(終焉ノ使徒)を名乗る者が再び現れ、腕のある殺し屋をスカウトし、報復として長の者を殺したギルドに所属する者を次々と殺害していった。)

The True Utopian Creators are still carrying the [Demister] (Apostles of the End), and it seems that they are jointly planning to break out a tragic war. There will still be people waiting for the liberals who can stop it ...

【Demister】(終焉ノ使徒)の者達を今となって【ユートピア創造士隊】から【真・ユートピア創造士隊】に改名した【創造派】の者達は、現在も彼らを肩入れしており、共同して今再び、悲劇の戦争を勃発させようと企んでいる動きもある。それを止められる【自由派】側の者を……今も待つ人々はいるだろう───────


・・・

「…ワシが知っているのはそれくらいなのだ…」

「!!」(その話が本当だとすると…!!じゃあ…まさかハヤトと同じ姿をした…あのロウディって男は!?)「ハクロー…さん…?」「ハクローはん…?」

【Hux・row】は先程の話を聞き、以前接触したハヤトと同じような姿をした者の正体について少しだけ分かったように感じた。しかし、その話が本当であれば、何故【Linea】の能力が必要になってくるのかという疑問が脳内によぎった。それを【Linea】と【Keito】は心配そうに見つめる。

「ふむ。…どれ、その名刀【Louvel】を貸して少し待っておれ。…折角じゃ!この刀に接合する刀剣を探してくるぞい!」

「!!…ああ!…頼みましたよ!」

「…あの〜…ではケイトさん、私達はどうしましょうか?」「せやな〜…とりあえず…お茶でも飲んで待っておこか〜!」

【Linea】と【Keito】は雑談まじりでそのように話す。

コンコン……

突如、玄関の扉から物音が聞こえる。どうやらお客なのか、誰かが尋ねに来た様子である。

コツン…コツン…

「…あの〜…ごめんくださいな〜…」

「ん?白い女性?」「はい。…あの〜、どちら様ですか?」「ん?何やお客さんかいな?…え〜と何の御用でしょうに?」

【Hux・row】【Linea】【Keito】の三人は、来訪してきた客を確認する。それは肌は色白で、髪の毛は銀髪のロングヘア、前髪はぱっつん髪にアクセントとして黒色の朝顔の装飾のあるヘアバンドを着用した20代前半の太ももが大胆にも露出した黒のドレスを着た女性が立っていた。そして和かに笑みを浮かべて、【Linea】の方を見つめる。

「〜♪どうもどす〜♪…もしかして、あなたが【Linea】さんでいいんどす〜?」

「…え?…はい。…そうですけど。…あなたは?」(?どす?…京都弁でしょうか〜?)

【Linea】は答えた女性に対し、素直に返答する。すると女性はニヤついた表情をし、【Linea】の方を見つめ、突然の行動に出る。

「あらあら、噂通り…何と可愛らしいお嬢さんだことドスわ〜♪…まだ、その治癒能力は早熟のようどすけどぉ〜…!!こんなに可愛いし……ウフフ♡」

ざわ……ざわ……!!

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜TOGFより・狂乱舞踏

お持ち帰りしていくドスぅ〜♪!!

シュッ!

シュルル!!…!!ギュウゥゥッ!!!!

「…!?んッ!んん〜〜!!」(ジタバタ!)

「…!!り、リーネ!!」「リーネはん!!」

女性は能力者であったのか、突然植物の朝顔を呼び寄せて召喚する。朝顔の蔓一本一本は結えられており、集合体となりて太めの蔓を形成して【Linea】の全身を拘束して捕らえ、口を塞がれる。逃れようと必死に振り解こうと踠いて抵抗する。

「ん!!ん〜んん〜ッ!?///」(ギリギリ!)(な!?何ですかこれ!?…朝…顔!?…い、いやぁっ!!///)

「の、能力者か!?…!!テメェ〜!!…【Varisk】の手先か!?…リーネを離さないと、俺は女だろうがただじゃあ済まさないぜ!!」(チャキッ!)「観念しいや!!…自分の顔に傷つく羽目になるで〜自分!!」(チャキッ!)

「あらあら〜そこの殿方さん。…そんな木刀で何が出来ますん?……へぇ〜【Linea】さんて…この殿方にリーネさんって言われてるんどすな〜…それに、なかなかふくよかで私好みのええ身体してるんドスな〜♪…ウフフドス〜♡…もっとじっくりと味わい深く、ゆっくりねっとりとあなたの身体の味……堪能してみたいドスな〜♡♪」(モミモミサワサワ〜♡!)

女性は拘束した【Linea】の身体をいやらしく触り、敏感な部位を触られたのか、【Linea】の顔は次第に紅潮して首を振って激しく拒絶する。

「!!ん〜っ!!///」(いっ!?いやッ!離して!!///…私…もう、いやらしい目に遭うのは!…くっ!!…い…ゃぁ…〜!!///……!!いやぁ〜〜ッッ!!///)(ギリギリ!)(ポロポロ!…ブンブン!!///)

「テメェ〜!!」(ブン!!)

ブチッ!!

「!?なぁっ!?」(ば、馬鹿なドス!?…普通の剣では斬ることすら出来ない硬度を誇る…私の自慢の…朝顔を…こうも易々と!?)

女性の召喚した朝顔の集合体の蔓を【Hux・row】は易々と斬り飛ばす。

「っ…!!」

シュル…

「おっとリーネはん!!しっかり!」(ダキッ!)

その拍子に朝顔の拘束から解けた【Linea】をすかさず【Keito】が支える。彼女の身体は震えており、その様子から彼女は、以前縄使いの男【Jeil】による麻縄を用いられた《緊縛》の辱めを受けた経験もある為、その記憶がフラッシュバックしてしまい、身体中には拒絶を示す《生理的嫌悪感》を肌で鳥肌を立たせていた。その様子に【Hux・row】は外道を働いた相手の女性に一切の躊躇をせず、重い一振りを叩きつける。

「うぉおおおらあああ!!!」(ブン!)

バキィッ!!

「あぁぐぅッッ♡!!……〜♪ウフフどす〜♡…そうどすか〜♪…あなたが、ロウディ(【Rowdy】)が言ってた噂のハクローくんなんどすな〜♪?…いいルックスにしては、木刀で女の顔を思いっきり打つなんて、女の扱いが下手なようどすな〜!…でも、その木刀に秘めたブツ…どうやらホンマもんのようどすね〜♪」

「…!!…そうか、テメェ〜がまさか噂の、この世界の救済企ててるっつう【Demister】(終焉ノ使徒)って奴か!?…あのハヤトの姿をしたロウディも…お前の仲間ってことでいいんだよな〜!!……一体何者だ!?」(チャキッ!)

【Hux・row】は木刀の先を女性に向け、睨みつけて探りを入れる。女性は微笑みを浮かべ、自らの名前と所属を名乗る。

「ウフフドス〜♡♪……名前も言わずに失礼やったどすね〜♪…私は《【Auro】(アウロ)》言いますわね〜!そしてハクローさんの言うように…!!ご名答!オ〜ホホホホホドス〜♡♪…憎き【導き人】達の存在を消し去りたいくらいに敵対しとる【Demister】(終焉ノ使徒)所属で六使徒の幹部…元よりの〜オホホ♡…《6幹部》の一人です。…以後お見知り置きをどすな〜♪!

【Demister】(終焉ノ使徒)6幹部・【Auro】(アウロ)》

【Auro】はそう話すと妖艶な雰囲気でクスクスと笑っている。そして【Linea】の事を気に入ったのか、彼女に対し、狙いをつけたかのような眼差しでこう別れを告げる───────

「…ほな、リーネさん…この続きは、今度ゆっくり話しましょうドス〜♪…この私の美しい生命に満ち溢れた朝顔を見物しながらどす〜♪…フフフ♡…さいならドス!」(バッ!)

シュルル!!

【Auro】は立ち尽くしていた地面に朝顔の種を撒き、自分の姿を覆うかのように蔓が絡みついて束になる。【Hux・row】は相手の口ぶりからして逃亡を図ると断定し、木刀を朝顔の束に強く叩きつけた。

「逃すか!!」(パン!)

シュルル…

「…!!…逃したか…!!リーネ大丈夫か!?」「…は、はい…大丈夫です!でも…あの人が…先程【Orbin】さんが話しておられた…」「ああ!…あの女、ハッキリ言うてたな……!!あれが…」

《【Demister】(終焉ノ使徒)!!》

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜大逆転裁判より・亜双義一真:使命のサムライ

三人は同調して、自分達の敵である【Auro】とそれらを取り巻く存在の者達を心の中で叫んだ。そして先程の【Linea】は【Auro】のやり取りを思い返して赤面する。

「…でも…何で私…こんなにいやらしい目に遭うのでしょうか…?///」(モジモジ///)

「……」(…キャラだと思うぞ)(…やれやれ)「…はぁ…」(…リーネはん、典型的に襲われそうな性格とそんな豊満なボディしてたら…そらな〜!)(やれやれ…)

彼女自身、何故自分はここまで猥褻的な被害を受けるのかの理由について発言すると【Hux・row】と【Keito】は呆れて当たり前のように心の中で語った。

コツン…コツン……

三人がたわいのない話をしていると騒ぎを聞きつけたのか【Orubin】が顔を出してきた。

「…おお何かあったのか…なんか物音がしたのだが?」

「…ああ、ちょっと。…んで?…見つかりましたか?」

【Hux・row】の問いに【Orbin】は首を横に振って深刻そうに言った。

「…だめだ。…名刀【Louvel】は、結局どの刀剣にも合致しないようだ。…すまないな…力になれなくてな…」

「…そうか」「…残念ですね」

【Hux・row】と【Linea】は落胆した。【Keito】は【Hux・row】の木刀を見て何か思いついたのか、話を進めた。

「ん?……いや、待てよ〜…ハクローはん!…もしかしてその木刀…ちょっと見せてくれへんか?」

「え?…ああ、まあいいけど。…その代わり木刀にしては結構重いぞ…ほら!」

ボスっ!

「おっと!…!!やっぱりや〜!!…親方!!もしかして、これ!!」(ズイ!)

「?ん?」「な、何でしょうか?」

「…!!でかしたぞ、ケイトよ!!…これはもしかしたら…!!ハクローという名の若者よ!?…ちょっと木刀を借りてもいいかの〜?」

「?…まあ別に構いませんけど…」

「しばしまたれい!!」(タッタッタ!)「親方!ウチも〜!!」(テッテッテ…)

そういうと【Orbin】と【Keito】は木刀を持って工房へと足を運んで行った。

「一体…何なんだ?」「さあ…一体なんなのでしょうね…」

〜数分後〜

コツン……コツン………

「…ハクローという若者よ!!…ほれ!…抜いてみろ!」(チャキッ!)「特とご覧あれや!!」(フンス!)


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜聖剣伝説3より〜Delicate Affection

「…よし!………!?」(ジャキンッ!!)

ヒィーーン!!……キラキラキラ…

「!!…刃が…白銀のように煌めいている!!」「ま、まあ〜っ!…なんて神々しいのでしょう!?…ですが、一体どこから、このような刀身を!?」

名刀【Louvel】に納められていた刀身はまるで白狼のように白銀色に輝きを放つ刃が備え付けられており、まるで森林に照らされる日差しの如く、それはまるで《聖刀》と呼ぶに相応しい神秘的な雰囲気をも醸し出していた。そして何処に刃があったのか、その問いに対し、【Orbin】と【Keito】は木刀を持ってきてそれを見せびらかすように説明する。

「実はな、ハクローはんが木刀やと思って振っていたのは…!!実は仕込み刀やったんやで〜!!」

「…まさか現世の世界からの贈り物とは珍しい!!…それにその刀身は、どうやら大業物のようじゃ!…大事にせえよ!!」

「!!…そう…だったのか……菊川先生。……じゃあ木刀じゃあなく…この仕込み刀を…選別に………っ!!くっ…!…ありがとうございます!…菊川先生!!…あんたから授かったこの刀…大切にするぜ!!」(ギュッ!)

「…よかったですね、ハクローさん!」(二コッ!)

「それだけやないで〜♪…どうやらその刀剣にはな…何と名前が掘られてるんや!!…よ〜う見てみ?」

《白狼刃》

「え?…!?…本当だ!!…それに…この名前は…!?」「白狼刃……!!つまり《白狼刀》(ハクロウトウ)という事ですか!?…ハクローさん、もうこの名刀【Louvel】は正真正銘……!!あなたの刀になったようですね♪!」(ニコニコ!)

・・・
・・


〜その頃現世・龍川神社〜

ザッザッザ…

「…白狼くん。…今頃、私の贈り物を見ている頃には嘸(さぞ)びっくりしている事でしょうね。…本当は神木の行事でこの《白狼刃》をお備えする予定でしたが……あなたの名前に因んで棺の中へと忍ばせて入れさせてもらいました。……もしあの世でロベル…くんに会うようでしたら、是非二人で刀を振るってくださいね。…!!あ〜もう私は相も変わらずカタ…カナが苦手なんですよ〜!!」

菊川は【Hux・row】に託す為に仕込み刀に入っていた、まるで亡骸のように焼きついた跡が残る《白狼刃》をしみじみと見つめていた。そこに務めていた巫女が来て何やら疑問を感じながら菊川に問いかける。

「あら、菊川さん?…その焼きついた刀がどうかされましたか?」

「いえいえ、別に何でもございませんよ。…では少し道場に足を運ばせていただきますか」

コツン……コツン………

「?……!?〜♪」(…ん?…白狼…刃…!!ああそうですか!…わかりました。…ふふ、大丈夫ですよ。白狼さん達は…きっと向こうでも元気ですよ…菊川さん!)

菊川は三年前に撮影された居合道の五人が写った写真を納めていた写真立てを見て考えに耽っていた。

「…ふう。…白狼くん…ロベル…くん…千夜さん…千里さん…そして私…この五人で…我々居合道の仲間です。…白狼くん。…どうかその白狼刃をある刀身として仕込み、《白狼刀》と名付けたのであれば、もしその一振りを自らの使命で振るうその時が来るのであれば…」

しみじみに思いながらも【Hux・row】の今後の安全と検討を祈るかのように、心の中で語りかけた。

《まるで…日本神話の伝説にもある『真神』のような心で振るってくれることを…私は願っておりますよ……》


・・・
・・


「…ありがとうございます…【Orbin】さん!」(チャキーン!)

「ああ構わん!…だが刃が出ないよう頑丈に封印されていたとはな…わしも驚いた…まあ大業物じゃからな…抜刀して刃を出せぬようにしていたのか保管も厳重だったのだろう…後オマケとして、この仕込みに使っていた木刀もなかなか良い木で作られていたからの〜!木刀として使えるように改良しておいたぞい!!」

カラン!

「!!…ありがとうございます!」

【Hux・row】は笑みを浮かべ、刀と仕込みに使われていた木刀を修める。そして次に【Linea】が丁寧に頭を下げ、薙刀を担いで【Orbin】に話しかける。

「あの…【Orbin】さん!!…もしよろしければ、私のこの薙刀も!…その…改良ができますでしょうか?」

「お〜!可愛いリーネちゃんの頼みであればわしは何でも引き受けよ〜う!!ど〜れじっくりとよくお見せなさい!!」(ジロジロ〜♪!)

「え?…!?…〜!!///…あの〜!!///私の身体をジロジロ見ていないで《薙刀》の方を見てくださ〜い!!///」(カァ〜!!///)

「…【Orbin】さん…」(やれやれ…)

「親方〜?………そろそろ真面目にな〜!!」(グキゴキゴゴゴ…!)

「あ〜はいはい。…それにしても…そんな可愛いらしい容姿をしていて、豪快な武器を扱うのじゃな〜!…んで、どんな風にしようかの〜?」

「はい!…それはですね…!」

・・・

「なるほど!《フォチャード》のようにとな!?……そうだな、この薙刀も一度手入れの時期じゃし…試してみるか!…しばらく待っていてはくれぬか?」

「は、はい!」

「薙刀をフォチャードにか〜!確かにあの武器は攻守共に文句なしの武器やな!」

「……」(リーネ…西野さんから受け継がれた事を大切にしてるんだな〜!)

【Orbin】が薙刀を預かって数時間が経過し、夕方になる頃には薙刀を持って来た【Orbin】が現れる。

「リーネちゃんや〜!出来たぞよ!」

チャキッ!!

「あ、はい!…あら!確かに注文した通りに、逆刃に三日月状の刃が施されております!…ありがとうございます!」(ぺこり!)

「ああ…!構わん!それにな…リーネちゃんのような可愛らしい子がワシの腕を気に入ってくれたのなら…何よりじゃあ〜♡♪」(ダキィ〜♡!)

「キャッ!!///もう【Orbin】さんっ!!///だめですってば〜!!///」(グイ〜ッ!)

「や・か・ら〜!!やめんかいな!!///」(バキッ!)

「ヘブン!!…うぉ〜痛い気な年寄りに手刀とは〜!!…じゃが悪くはないな〜!」(フラフラ…)

「あ…あうぅ…///」「…ははは…」(【Orubin】さん…千夜の手刀チョップ喰らったらどんな反応するのか一度見てみたいな…)

【Hux・row】は無事に名刀【Louvel】を復活させる事に成功した。しかし【Demister】の【Auro】と名乗る女性は、【Linea】を標的に何かを企んでいると踏んだ【Hux・row】の心情は複雑でもあった。そしてこの謎の種族の者達との接触が、彼らの冒険の行手を阻む脅威にもなりつつあるーーー

・・・
・・


B. いいえ


《Capitolo・3》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



〜【Paradiso】歴:2000年6/30・夜方・【J島】【Kagoya】下町通り〜

♪〜大逆転裁判より・亜双義一真:夜想曲

【Hux・row】【Linea】は【Orbin】にお礼を言い、そして夜になりつつあったので、二人はそろそろ【Senno】の元へ帰ることにした。【Keito】からは先程からの敵の襲撃もあるので念の為送るという事で同行していた。【Hux・row】【Linea】の二人は【Keito】に対し、自分の所属するギルドの事を簡単に説明しつつ、納得して下町を歩いて行く。

「…もうすぐ夜になるな〜」「…そうですね…!夕方までには帰ると言っておりましたが…セノさん…心配していなければいいのですが…」「大丈夫!安心しいや!ウチがちゃんと事情を説明したるさかいに!!」

【Hux・row】【Linea】【Keito】の三人は雑談をしつつ話をしていた。そんな時、ある子供の泣き声が聞こえてきた。

ザッザッザ……

「わあああぁん!!とうちゃーん!!」

「!!」「な、何でしょうか!?」「…こりゃあただ事やあらへんで!!行くで自分ら!!」

タッタッタ!!

三人が辿り着いた時には【御用見廻組】という町の憲兵隊が調査に入っており、子供が血まみれになった状態で死体となっていた父親を抱いていた。その父親は息を引き取っていた状態であった。

「…こりゃあ酷いな…」「くっ!!なんて事を…!!あの人にあんな小さな子供がいるのに…こんな酷い仕打ちをするなんて…!!」「…どうやらまだこの街にも…何かと問題事があるようやな…!!おおっと!…あんまこの現場を長居していたら厄介やで!…行くで…!」

スタッ…スタッ…

「……っ!!」「は、ハクローさん…」「ハクローはん…」

【Hux・row】は名刀【Louvel】を握りしめ、強い意志を秘めていた。そして自分自身これから何をするべきなのかを話した。

「名刀【Louvel】は何とか復活させた!……次に自分がこの町で何をするべきなのか。…その意味を…!!今理解した!!…だが、今はセノさんのことが心配だ!!…宿に戻ってからゆっくり話す!!」

「…わかりました!」「…わかったで!…やけどハクローはん…無理はさんすなよ…!」

「…わかっているよ」

タッタッタ…

〜【Paradiso】歴:2000年6/30・夜方・【J島】【Kagoya】大正通り【河原木亭】前〜

「…着いた!!」「セノさんが心配ですね!!」「ほな…行きましょうか…」

ガララララ…

「ただいま〜!」「セノさん!いますか〜?」「ごめんくださいな〜!」

三人は【Senno】の安否を確認する。すると【Senno】は特に何もなく玄関から顔を出し【Hux・row】と【Linea】の二人を迎え入れる。そして【Keito】の顔を見て、顔見知りであったのか仲睦まじく挨拶をした。

「あらあら、二人共お帰りなさい!…あら!そちらはケイトさんじゃないですか〜!!」

「あ、どうもセノさん!ご無沙汰しております〜!」

「お?」「え?ケイトさん、セノさんとお知り合いなのですか?」

【Keito】は【Senno】の事について二人に説明した。

「まあな〜!ウチは猟師ギルドやさかいに、よく獲物や魚を獲ってきて、ここの【河原木亭】にも配ったりするからな〜!…おかげでセノさんからも顔も覚えられとるんやで!」

「そうなんですよ〜!…で、ケイトさん!今日はどういった御用で?」(ニコニコ!)

「ああ…実はな〜…!」

・・・

「まあ!この【Kagoya】の下町で斬り捨て事件が…!」

「せやねん!…やからこの二人も被害受けん為にウチが護衛したっちゅうことや!!」

「それはご苦労なことで!…お礼に夕食でも呼ばれてくださいな!」

「ええ!?…いやいやそれは悪いってセノさん!!…ウチも護衛も済んだからもう帰りますわ〜!」

「まあまあケイト。…折角だし、セノさんの御好意に甘んじてもいいと思うぞ!」「そうですよ!夕食くらいなら呼ばれてもバチは当たりませんよ!」 

「でもな〜ウチの親方の晩飯も作らな…」

「大丈夫ですよ!【Orbin】の分もお持ち帰り用にご用意します!いつもケイトさん率いる【Orbin】さんが昔所属していた【Melton】には本当にお世話になっているので、どうか遠慮なさらずに皆さんと夕食を召し上がってください!!」

「ああ〜…ほなら折角ですし、お呼ばれしますわ!」(ぺこり!)

「はい♪ではこちらです〜!」

スタッスタッ!

【Hux・row】【Linea】【Keito】は【Senno】に案内され、大広間に案内され、夕飯をすぐに提供した。

「今日は折角なので鴨そばにしました。どうぞごゆっくり召し上がってくださいね〜!」

「へぇ〜!!今日は鴨そばか〜!」「昨日はおうどんで、今日はおそば!…いいですね〜♪」「これは…!!ウチが獲ってきた鴨のようやな〜!食べ応えあるで〜!!…ほな!」

「「「いただきます!」」」

ズルズル……

「…!!美味いな〜!鴨出汁が効いてる!!」(ズルズル!)「…!!本当です!あぁ〜!鴨出汁が全身に染み渡って…!!ん〜♪幸せです〜!!」(ウットリ!)「なかなかいい油加減やな〜!!獲ってきた甲斐があるで〜!」

「うふふ!あ、そうだ!!ケイトさん!折角ですし、風呂も入っていっては如何でしょうか?」

「…!!ええ!?いやいやいや〜セノさん!さすがにそこまでは厚かましいでしょうに!!」

「…まあ、でもいいんじゃあないか。……リーネ!…風呂に入りながら、これまでの話をしてみるのもお互いの経験になると思うし…どうだ?」

「そうですね〜!ケイトさん!…一緒に入りましょう!…ここの露天風呂は混浴場ですが、幸いここにはハクローさんしか男性はいませんし、時間を待っていただければ、ゆっくりお話しできますでしょう!」

「そ、そうなんか!?」

「ああ!…俺のことはいいから、折角だしリーネと一緒に入って話でもしてやってくれないか?リーネは、どうやらアンタと話しをしたそうだし…」

「で、でもなぁ〜!…!?」

「!!」(ワクワク!!)

【Linea】は【Keito】を見つめており、とても興味深そうにしている。それに負けたのか、【Keito】は降参するかのように【Linea】に話しかけた。

「はぁ〜しゃあないなあ〜!…ま、ええやろ!こんな形(なり)でも実際精神的には18歳なもんやし、色々話も合うやろ!!…ええで〜!どんとこいやで!」(フンス!)

「!!ありがとうございます!…では食後に…また!」(パァーッ!)

【Linea】は満面の笑みで【Keito】と話がてら一緒に入浴する事を約束した。二人が入浴している間【Hux・row】は、本日起こった出来事について【Campanella】に【P-Watch】の音声通話で報告をする。

・・・

【Campanella】(そっか。…無事に名刀【Louvel】の刀は見つかって復活させたと!…でも今の【Kagoya】では、【Varisk】メンバーの襲撃が目立っているようなんだね…)

【Hux・row】  (はい。後もう一つわかったことは、【真・ユートピア創造士隊】とは違う新たな脅威…【Demister】(終焉ノ使徒)という存在です。今日の昼に【Auro】と名乗る女性が突然リーネに接触してきて、朝顔を操る能力みたいなのを使い、リーネを誘拐しようとした為、相手の思惑を阻止しました。……どうやら奴らは、何故かリーネの治癒能力に目的があるような口振りでしたね。)

【Campanella】(なるほどね。…それが分かった以上、ハクローくん!リーネちゃんの事は君が守ってあげないとね!!)

【Hux・row】 (合点承知ノ助!!…もしかしたらこの二週間の期間は、この町で起こっている問題を解決する為にも必要だったのかもしれませんね。)

【Campanella】(まあ、くれぐれも気をつけてね!無事に帰ってこないとさ〜、うちのベアがすっごく悲しむから…フィアンセとしても寂しくさせないようにしっかり頼むね♪)

【Hux・row】 (……わかってますよ。…フィアンセはともかく、ベアさんには元気だとネラ参謀からも言っておいてください。…ではこれにて報告終わります!また何かあれば連絡します。)

ピッ!

「…はぁぁ〜!…とりあえず報告は終わった。…リーネたちは仲良く話しをしてるんだろうかな〜…」

・・・

カコーン!

「…ふう〜それにしても…気持ちがええな〜!」

「そうですね〜!…でもケイトさん…そんな事情があったんですね…とても…悲しいですね…」

「な〜にもう昔の話や!今となってはもうそんな事は気にしてないねん!今こうしてウチは生きてる!…後は…おとんとオカンの分まで…ウチは生きるで!…なんとしてでも!!」

「…覚悟は決まっているんですね…ケイトさん…!…凄いですね!!」

「そこまで凄い事あらへんがな!でもリーネはんの話も聞くと…ホンマに辛い過去やったな〜!今と違って、病弱で大変な苦労したやろに〜!!十分ウチよりも苦痛やと思うで〜!!」

「……はい。…確かに寂しいこともありましたよ。…亡くなるまでの間…ずっと病院で過ごして、突然の病状の悪化で、あえなく命を落として…その後…この世界に来てすぐに【Dail】の屋敷でメイドとして雇われて……縄で縛られたり、鞭で叩かれたりと大変いやらしくて…一方的な辱めにあったりして、本当に酷い目にも遭いました。……ですが、そんな時にあの人…【R・P】社【Agente】に所属しているハクローさん達が助けていただいたおかげで、今こうして旅が出来ているのですから…私、今とても幸せを感じているんです!!///」

「ふぅ〜ん♪…!!ほなリーネはんはハクローはんの事を人として、異性として好きなんやね〜♪!!」(ニヤニヤ!)

「!?///えっ!?///…あ、あの…そ、その〜!!///」(アタフタ!///)

「あはは!もう側から見てもわかるで〜!!そっか〜!!確かにハクローはんは頼りがいある男っぽいからな〜!!……実はウチもな〜!…今日会ったばっかりやけど……〜!!///ハクローはんに一目惚れしてな〜♪!!…早速狙おうと思ってたんやで〜!!///」

「!?///…な…!!///…なぁっ!!///」(カァ〜!///)

【Keito】は【Linea】に対し、【Hux・row】に対する好意を寄せているように語った。しかしそれを聞いた【Linea】は聞き捨てならないが為に反論する意を見せる。

「だ、ダメです!!///そ、そう簡単にあの人をわ…渡しはしませんよ!!///は、ハクローさんは…わ、私のぉっ!!///…た、大切な…あ…愛人のような人なんですから〜!!///」(カァ〜!!)

「お〜!!///……ほうほう〜♪…まあ〜冗談やけどな〜!…でもでもリーネはん驚いたで〜!!ハクローはんを取られんようにと、意外に大胆なこと言うんやな〜♪!!」(ニヤニヤ!)

「〜!?///…あ。……〜!!///……ああっ!///…うぅ〜!!///…は、恥ずかしいですぅ〜!///」(フルフル!!///ブクブク!)

【Linea】は羞恥心を隠しきれず顔を露天風呂の湯船に沈ませる。

「ははは!…安心しいや〜!誰にも言わんから!!」(ははは!リーネはんいじるん面白いな〜♪)

【Keito】は【Linea】の大胆な発言に対し、茶化すように話す。そしてお互い色々な話題で盛り上がりつつ、二人きりの入浴の時間を楽しんだ___

・・・

「ほな!ウチはそろそろお暇するわな〜!」

「もし良かったら送っていこうか〜ケイト?」

「…え?」

【Hux・row】は【Keito】を一人で夜道を歩かせるのに心配を感じていた。その問いに【Keito】は首を横に振り、丁重に断る素振りを見せる。

「大丈夫や!…ウチはこう見えて猟師ギルド所属の身や!もしもの時は、自分の身は自分で守れるさかいに!!…まあありがとな!心配してくれて!」

「…そうか!…まあまた何かあれば【P-Watch】でアカウントを交換しているし、連絡も出来るだろう!…じゃあ気をつけてな!今日は…ありがとうな!!また【Orbin】さんにも宜しく言っておいてくれ!」(ビシッ!)

「あいよ〜!ほなまた!」(ビシッ!)

ガラララ…

【Keito】は【河原木亭】を後にする。それを確認すると【Hux・row】は準備運動をしてお節介にもこう話す。

「さ〜てと。…じゃあリーネ。俺は念入りにケイトが安全に帰宅できるようにこっそり尾行していくよ!」

「わかりました!…ハクローさん。…くれぐれもお気をつけて…無事に私の元へ帰ってきてくださいね!」

ダキッ!…ギュッ!

「…分かっているさ。…安心しろリーネ…俺は絶対お前さんの元に戻るからよ…」(ギュッ!)

「!!///…はい!///…約束ですよ…!!///」(ギュッ!)

ガラララ…

・・・

〜【Paradiso】歴2000年6/30・夜方【Kagoya】大正通り【河原木亭】前 〜

「…さ〜て行きますか…ケイト…あいつ無事に帰れたのか〜?」

………

ガバッ!!

「んっ!?」(…くっ!?敵か!?)

【河原木亭】の外から出て、しばらく道を歩いていた【Hux・row】は、突然背後から口を塞がれる。敵襲を受けたと判断し、仕込み刀から取り出した後の木刀を振り、相手からの拘束を解こうとする。

ブン!!

「よっと!!…ふぃ〜危ないで〜!!」

「っち!!……!!…って!?け、ケイト!?……お前、なんで…?」

【Hux・row】が振った木刀を躱し、奇襲を仕掛けてきた者の正体は、先程【河原木亭】でお別れした筈の【Keito】であった。そして彼女は呆れたようにこう話す。

「…ハァ〜!…ハクローはんの考えそうなことやで〜ホンマに!…ウチをこっそり尾行して安全に帰れるようにしようって《魂胆》は、どうやら当たっていたようやな〜!!」(やれやれ…)

「まあ、昼間のこともあったからな〜!…やっぱり心配なんだよ!」

「ほほ〜!……まあええわ!ほな!これからウチと一緒に夜のデートと洒落込もうやないか〜!!しっかりエスコートしてな〜自分♪」

「は……!!ハァ〜!?…で、デートぉ〜!?」

「何驚いてんねん!?もう忘れたんかいな〜自分!?ウチこんな姿してても、心は18歳やいうてるやんけ!…ほな行くで〜!」(プク〜!)

テッテッテ……

「……やれやれやで〜」(…ハァ〜…本当に俺の女難問題は…どこ行っても相変わらずやってくるんだな〜…)

【Hux・row】は自分の女難問題に悩みつつも【Keito】と一緒に夜道を歩いていく─────

B. いいえ


《Capitolo・4》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF7REMAKEより・陥没道路

〜【Paradiso】歴2000年6/30・夜方【J島】【Kagoya】大正通り・屋形船乗り場〜

「ハクローは〜ん!こっちやで〜!!」

「おいおい!【Orbin】さんの家からだいぶ遠ざかってるぞ〜!またいつ敵に襲われるか…」

「も〜う堅いこと言うやな!折角のデートやで〜!…今は敵のことは抜きで楽しまな〜人生損するで〜♪!」

「…ハァ〜全く。…ん?あれは《屋形船》か?」

ブオーーンン!!

【Hux・row】は【Keito】に誘われてやってきたのは、この町特有の向かい側の川を渡っていく渡船乗り場である。二人はそれに乗り、この夜の街並みを拝見しようという魂胆である。

ブオーーンン!!

「そやで〜♪…この船に乗ってこの町を見物する景色っちゅうのは格別でな〜♪折角やし一緒に乗ろうや!…あ〜心配せんでも親方の家の近くまで運んでくれるさかいに!」

「ふ〜ん。……そういうことならしょうがないな〜!分かった…付き合う!」(二カッ!)

「そうこなくっちゃやで〜!なんやなんや〜ハクローはん!アンタはんも意外にノリがええんやなぁ〜!」(ニカニカ!)

「まあな〜!…それにケイト。…アンタの過去も知っておきたいからな…」

「!!…ええで〜!…ウチの事…簡単に説明するとやな〜…」

ブォーーーン…!

・・・

俺はケイトの過去について聞かされた。ケイトはこの【Paradiso】の世界に来たのはおよそ今から5年程も前。現世では《池井富美恵(いけいとみえ)》と名乗っていた。出身は《北海道》で幼少期の幼馴染で遥々大阪から引っ越してきた大阪出身の舞香という少女と一緒に過ごしていくうちに口調が移ってしまい、今のような関西弁の喋り方が癖ついてしまったらしい。そして肝心な死因は___両親と山でハイキングをしていた時に、運悪く《羆(ヒグマ)》に襲われてしまい、母親は爪で八つ裂きにされ、父親は庇うかのようにケイトを突き飛ばして距離を遠ざけ、逃がそうとしたが父親は捕まり、顔面から捕食されてしまった場面をまともに目撃したらしい。ケイトはそれを見ては命欲しさに羆から逃亡を図ろうとしたが、嗅覚が鋭く、足の速い羆からは逃げることは出来ず、すぐに居場所を羆に特定されて迫られ、命が脅かされる絶望的な状況に遭っていたその時、崖の端が崩れ去り、羆と一緒に高い崖の上から転落死したらしい。そして気がついたら、導き人のオロアと出会い【Paradiso】のことを聞かされ、見事試練を突破してこの【J島】の【Kagoya】の町中に存在するFランク者がまず最初に集まる、始まりの町へ辿り着き、その時の伝手で【Orbin】さんと出会い、猟師ギルド【Melton】(メルトン)に所属して、猟師の知識と鍛冶屋のスキルを身につけた経緯があるらしい___

「……とまあ、大体はこんな感じやで!」

「…大変だったな〜!この事はリーネにも…」

「もちろん話したで〜!…それにリーネはんの現世での出来事の話、ようさん聞かせてもろたで〜!……あの人、現世では《病弱体質》でどえらい苦労したんやな〜!……ウチ、話を聞いてくうちに悲惨で…気の毒な気持ちになったわ〜…」

「そうなんだよ。…それにリーネには西野ありささんって姉がいてな。…その繋がりで、俺自身にも元上官の三橋三等海佐っていう海上所属の幹部自衛官の人がいて、その人ともリーネも西野さんは、昔から交流があって縁があるらしくてな。……俺もその人達に対する恩義がある。……だからこそ、二人の代わりに、これからもリーネの事を守っていくって心に誓ったんだ…」

「……そうか。…ほなら聞くけど。……ハクローはんは…リーネはんのこと…異性として愛してるんか?」

「!!」

【Keito】は【Hux・row】に【Linea】に対する好意を問いかける。その問いに対する【Hux・row】は、首を横に振った。

「……どっちかといえば、恋愛対象とかではなく、家族の一員として、大切な《妹》のような存在として見守っていきたいって気持ちの方が強くなるな…あの子は。…!!それに…今はあの子の好意には真剣には向き合えない!…この【Paradiso】の抱えている問題を終わらすまで…俺はいつまでも…あの子の好意にはちゃんと向き合ってやれないし、答えられないのかもしれないな……」

「…それは、リーネはんも…そのありさって姉さんも大変やな〜!…まあ〜そんな頑なに無理すんなや!恋愛くらいこの世界に来てやってもバチは当たらんで〜!……心配せずとも、アンタの事を心の中で愛してくれるどえらい別嬪さんが目の前に現れても不思議やあらへんから……その時はな、ハクローはん。…アンタは真剣に心から好きになったと、その人にしっかり責任持って答えたるんやで!……《昇華》して心残り残すんくらいなら尚更や!」

「!!」

【Hux・row】は【Keito】の放った言葉にどこか親近感が湧いた。それは《追憶の神託》とも呼べる事であるのか、以前【Sognare】で再会を果たした現世の心そのものの存在の《千夜》に去り際、現世での未練を断ち切らせる為に言われた言葉と近い何かを連想したのか、彼自身の肩の荷が下りた様子であった。その様子に【Keito】は背中を後押しするかのように優しく叩く。

「……頑張りぃな自分!」(ポンポン…!)

「……!!ははっ!…なんだか妙な気分だぜ〜!…三歳も離れた年下に励まされるってのはよ…」

「まあええんと違うかいなっ!…ははは!!」

【Hux・row】【Keito】は談笑しながら川の流れに乗る屋形船に乗船していた。すると、何かが飛び乗ってくる音が聞こえてきた。

ダン! ダン! ダーン!!

「!!」(チャキン!)「ハクローはん…気をつけや!!…もしかしたら…!!…来るで!!」

ピシャッ!!

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF7REMAKEより・High Five

「覚悟しろ!!」「貴様、【Hux・row】だな!!始末させてもらおうか!!」「【真・ユートピア創造士隊】の名にかけて!」

屋形船から何物かが奇襲を仕掛けてきた。その正体は【真・ユートピア創造士隊】であった。【Hux・row】達はすぐさま臨戦体勢を取る。

「っち!!」

チャキッ!!

「な、ハクローはん、木刀で挑むんかいな〜!?…名刀はどうしたんや?」

【Hux・row】は木刀で相手と戦おうとする。【Keito】は名刀【Louvel】で戦うように促すも、【Hux・row】はこう語る。

「こんな奴らには、名刀を振る価値はないよ!……それにここで真剣で戦って返り血の跡なんか付いてしまったら、それこそ、この屋形船を運転している人に迷惑だろうしなぁ〜!」

「…それもそうやな!…ほんなら…!!いまや!!」(グイッ!!)

「!?……うぉわッ!」

ピョーン!! スタン!!

【Keito】は【Hux・row】の手を引っ張り、屋形船から豪快に飛び降り、陸地の岸へと飛び移った。

「よっと!!…大丈夫かいな〜ハクローはん?」

「…ああ!何とかな!…たくっ!!…ベアさん並みに無茶するおてんばな性格の人だな〜アンタさんは!」

「あはは!よく言われるで〜!…ほな階段登っていこか!」

「そうだな…!!急ぐぞ!!」

タッタッタ!!

「待て〜!!」「 逃すな〜!!」「 ここで止める!!」

「邪魔だ〜!!」(ブン!)「往生しいや!!」(ブン!)

ドゴ!ベキ!ボコー!

「ぐぁっ!!」「げふっ!!」「お、おのれ〜!」

「っちっ!!おかげでお尋ね者だな〜!」「お互いにね〜!!いや〜人気者は困るで〜ホンマに!」

【Hux・row】と【Keito】は行く手を阻む創造士隊員と敵対して、活路を見出していた___


・・・
・・



〜【Paradiso】歴2000年6/30・夜方【J島】【Kagoya】下町通り・広場〜

ダダダダダダ!!!!

「よし!何とかここまで来たな〜!」

「せやけど…ここって…昼間の…」

お待ちなさい…そこのお二人様…

「!!」「!!…この声……!!昼間の…」

コツン…コツン……

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜龍が如く0より・怨魔の契り

ドドドドドドド………

ブン!!

「…っちっ!!」(サッ!)「くっ!!」(サッ!)

ジャキン!!

「…よく躱しましたね。…ですが、この【Varisk】所属Aランク……私【Zeal】(ジィール)に目をつけられて…生き延びた者はおりません。…ここであなた達を…確実に《惨殺》させていただきましょうか」

【Hux・row】と【Keito】は突然の斬撃を躱す。そして暗闇から足音が聞こえてきたのでその方向を見る。奥からは、昼方に戦闘した【Varisk】所属のAランク【Zeal】が姿を現す。【Hux・row】は相手の姿を目撃し、すかさず木刀を構え睨みつける。

「……やっぱお前が立ち塞がるのかよ。……だが好都合だ!!…もう逃さないぞ。……!!ここでお前の野望を終わらせてやる!!」(チャキッ!)

「…ハァ〜…いい加減学習してください。…あの時、昼間に行ったことをもうお忘れですか?…木刀では…!!私には勝つことなぞ不可能だと!!」(シャッ!)

シュン!!

「…なめるなよ。…!!ハァッ!!」(シャッ!)

パァーン!!

「!?なぁっ!!…ぐぐっ!!…当てた!?…ばかな!!………!!」

チャキッ!!

【Hux・row】の闘争本能は既に解放しつつあった。相手は辻斬り。無差別にも人斬りをする絶対悪と見做しているのか、その目には信念が込められ、木刀も力強く握られていた。

「もう手加減はしないぜ。……!!本気だ!!……テメェには木刀は剣よりも強いって事を性根から徹底的に教え込んでやるからよ!!」

「…!!黙りなさい!!」(ブン!)

「おっと…!!」(シュバッ!!)

「!!……」(キッ!!)

「………」(キッ!!)

ドドドドドドドド………

《【Varisk】所属Aランク》

   《【Zeal】》


チャキッ!!

「…先手を取りますか。…いいでしょう」

「……行くぜ!」

《白狼夜宗流対空迎撃一式・二の型!!》

「っ!!」

タッタッタ!!!

「特攻とは、まるで芸がありませんね。…では遠慮無く、首を跳ね飛ばさせていただきますよ」

ブン!!

【Zeal】は無慈悲な斬撃を放つ。しかしその一振りは空を切った───────

「!!…上ですか!?」

「おせぇ!!…ハァッ!!」

クルクル…ブン!! 

《千夜・飛燕》

パーーーーーン!!!

「…!!…な…何と…!…お、重い…一撃を!!…ぐぅっ…!!」(グラッ!!)

【Hux・row】は相手に斬られる寸前のタイミングを見計らい、跳躍して一回転ループして【Zeal】の脳天を勢いよく叩きつける。思った以上に急所に入ったのか、【Zeal】の身体が怯んだ───────

「まだだぜ!!」

《白狼夜宗流一式二の型》

クルクル………!!

《千夜・天狼!!!》

…パーーーーーン!!!!!!

「かはっ!!…ぐ……っ!!……おの……れ……ハクス……ロ……ウ……!!」

バタン!!

「…ハァ…ハァ……!!ったく!……意外に大したことないな〜!!」「やるな〜ハクローはん!…とりあえず拘束しておきますか〜…」(パチパチ!)

ピィーーー!!

「!!警笛!?…【御用見廻組】か!?」「マズイで!ここにも警備の足が来てるとはな〜……さっきの奴らの仕業やな〜!こりゃあいかん!はよ〜う逃げるで〜!!」

タッタッタ!

(…覚えて…いなさい。…この屈辱は…必ず報復…にして返しましょう…)(ガクッ!)

御用だ!御用だ!御用見廻組であ〜る♪ !!刀を持っているものがいるぞ!! 確保する!!

・・・

〜【Paradiso】歴2000年6/30・【J島】【Kagoya】下町通り・民家【Orbin】の家〜

「ありがとうなハクローはん。…わざわざ送ってくれてホンマ助かったで〜!」

「ああ!…この通りに行けばいいんだな?」

「気いつけてな!…とりあえずそのルート通り走って行ったら大丈夫やと思うさかいに!!」

「了解した!!…じゃあな!!」

ダッタタタタ…

「…ホンマにありがとうな〜わざわざ…ホンマにリーネはんのいうように…優しいんやな〜ハクローはん…///」(ギュッ!)

・・・

「…はぁ…はぁ…何とか抜けるな…」

「逃さんぞ!!」「覚悟しろ!!」

「!!…だ〜か〜ら〜!!…テメェらとは…!!」(チャキッ!!)

相手してる場合じゃあねえって言ってんだよ〜!!

ドガッ!! バカッ!! パン!!

「いぎゃああ!!」「お、俺のう、腕が〜〜!!」

「っちっ…!!」

タッタッタ…!!

【Hux・row】は【真・ユートピア創造士隊】の猛攻にひたすら木刀で返り討ちにし、道のりを走っていく。すると目の前には大正通りが見えてきた。

〜【Kagoya】大正通り前〜

「…やっと着いたなあ〜!…ったく…今日は良い風呂に…」

「そこまでだ!!」

「!!…テメェは…!!…なんかゴツイ装備をしてやがるじゃあ〜ねえ〜か!!」

【Hux・row】は突然創造士隊員の者から足止めを喰らった。そこには大剣を持った男が怒りを露わにして睨みつけ、立ちはだかる___


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ゼルダの伝説:風のタクトより・中ボス

「…貴様…!!…よくも…【Zeal】様を連行させてくれよったな〜!!…俺はあの人の直属の部下、【Varisk】所属のBランク…【Nack】(ナック)!!…覚悟するが……!!なっ!!」

バキイ!!

「こんな街中でそんなおっかないブツ振り回すんじゃあ〜ねえぜ!!近所迷惑だろうが!!」

チャキッ!!

「!!…貴様ぁ〜!!人が話している途中に不意打ちとは!!…もう許さんぞぉ〜〜!!」

ブン!! 

「当たるか!!…俺にはなぁ〜お前と構っている時間はないんだよー!!」

《白狼夜宗流対空迎撃一式・二の型!!》

クルクル…ブン!! パーーーーーン!!!

《千夜・飛燕》

「ぐああ!!…うぐっ…やりおる!!」

「くそ…倒れないか…なら…」(チャキッ!!)

「…抜刀術…か…!…後悔するぞ!!」

「…一瞬で決めてやるよ……!!そこだ…!!」

フッ! ドゴーーーン!!

「!!…え…?」

「…!!…なっ!?…何!?…何が…起こった…グフッ…!」

バターン!

【Hux・row】が抜刀する直前、誰かによって技を決められた【Nack】は負傷を負い、そのまま倒れた。その様子に【Hux・row】は唖然としていると、まるで夜空に浮かぶ満月にシルエットが浮かび上がるかのように空高く飛び、音を立てて着地した。その者は【Hux・row】を見ると改良された薙刀を納め心配している【Linea】がいた。しかしその表情は頬を膨らませてはご立腹な様子であり、怒った声で話し始めた。

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜KOTOKOより・碧羅の天へ誘えど〜

歪み始めた世界で〜───────

「もう!ハクローさん遅いです!!…今までケイトさんと一体…何をして遊んでいたんですか〜!?///」(プンプン!///)

「よ…横取りかよ〜…そりゃあないぜリーネ……はぁ…まあ良いか…」(ガックリ!)

《天日輪槍術(てんにちりんそうじゅつ)一ノ槍・夜月槍(やづきそう)!!》

アオニソマルマデ〜♪───────

その後…俺が戻ってくるのがいくら何でも遅いと心配になり、リーネからは何故かケイトへの浮気を疑われ、たっぷりと油を絞り込まれた。とりあえずは途中でケイトにバレてしまい、一緒に行動していた時に運悪く【真・ユートピア創造士隊】と交戦になり、その包囲網から逃れる為、わざわざ遠回りして時間がかかったと事実を踏まえて話を進めた。リーネは、帰りが遅い俺を心配しては否や【河原木亭】の前に薙刀を持ったまま立ちつくし待っていた所を【Nack】と戦闘中だった俺を見かけ、応戦したという訳だ………


B. いいえ


《Capitolo・5》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ゼルダの伝説:トワイライトプリンセスより・森の聖域

───俺達はあれから【Kagoya】に滞在してから、二日〜三日間は町で過ごす。特に町には何かが起こった様子は無かった為、この一週間の間はネラ参謀の指令で猟師ギルド【Melton】の合同演習兼修行の目的も兼ねて町付近にある【Mistia】(ミスティア)山へと足を運ぶ。任務として、俺とリーネはケイトに連れられ、猟師ギルドの仕事を手伝っていた。その旨をセノさんにも伝え、目的地は、山奥の中にある各島のギルドの者達が集結し、過ごしているとされる屋敷に一泊だけ泊まりも兼ねて目指す事になった。深い山の中を突き進む。ケイトの猟師ギルドで身につけたサバイバル技術も心得があるからか、夜が遅くなれば簡易テントを設置し、各自睡眠を取りつつ、山奥の最果ての森を進んでいくにつれ、そこでも何かとトラブルが多いものだ。特にリーネ関連の話題が───────

〜【Paradiso】歴:2000年7/4・昼方【J島】【Mistia】(ミスティア)山〜

シュルルル!!!

「…!!きゃああああ!!」(ブラーン!)

「あ〜っ!も〜う、リーネは〜ん!またウチが仕掛けとった獲物捕獲用の罠に捕まっとるやないの〜!!」(ケラケラ!)

「はぁぁ〜、リーネ〜!この山に来てもう何度目だよ。…本当にウンザリするくらい縄で酷い目に遭うことが多いよな〜…」(やれやれ…)

「う〜っ!!///もういやです〜!早くおろしてくださ〜い!!///」(ジタバタ!)

・・・

「…まあまあリーネはん!助かったんやしよかったやんか!」

「も〜う!!知りません!!」(プンプン!)

「…でも本当に鬱蒼とした森だな。……!!それに…なんか霧が立ち込めてきたな…!」

サラサラ……

【Hux・row】は辺りの森を見渡していた。そこには緑が広がり、真っ白く、霧のような木漏れ日が続いており、視界を遮られそうにもただひたすら山を登っていく。そうしていくにつれて、霧が立ち込めて来た。すると【Keito】は、少しばかり警戒の声を【Hux・row】に問いかける。

「…ハクローはん…何か動物いてるか?」

「どうだろうな?…ここまで視界が遮られているようだし。…待ってろ。…今、能力を使う…」

フォン…フォン…ピン…ピン…!

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
索敵能力を発動しました。北の方角に動物らしき影を感知しました。

「!!…草むらに…何かいるぞ!!」(ビシッ!…ゴニョゴニョ…)

「了解したで〜!!…ウチのスナイパー能力で…!!そこや!!」(コソコソ!)(シュバッ!)

【Keito】 ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
スナイパー能力を発動しました。敵の位置を特定して標的にしました。

グサッ!! グオオォォ!!

【Hux・row】は索敵兼ソナー能力を発動しては獲物の位置を探知させ、【Keito】は自分の特殊能力であるスナイパー能力を使い、弓を用いた息の合うコンビネーション技で獲物を見事に仕留め、動物の悲鳴が聞こえた。【Keito】はその声を聞くと、大物である事を確信し、喜びの雄叫びを上げた。

「…!!よ〜し!!仕留めたで!!あの鳴き声からして…これはごっつい大物やで〜!!」

「…ふ〜んどれどれ…おお!!猪!!」「おおきいですね〜!…でも…何だかかわいそうです……」

【Hux・row】は倒れた猪を見て個体が150cm程度もあり、それを仕留めたことに興奮していた。だがそれを見ていた【Linea】は猪の命を失った様を見て心配そうに猪を見つめていた。

「まあまあリーネはん…!そうも言ってられへん!こいつらがよく山の外から出てきては、畑を荒らしてウチらが食べる野菜とか掘って食うたりするから、農家のみんな困ってるんや!それにここまで肥えてきたら。人を襲うくらい凶暴になって、よう体当たりするわ、噛み付いたりして人に危害加えるようになってくるもんやし、ここいらで大きめのやつは一匹二匹は駆除しとかないかんのや!」

「…で…でも…!!…え?…ハクローさん…?」(ガシッ!)

「リーネ。…こればかりは仕方ない!…それに猪って鍋にすると旨いって聞いたぞ!!…今日は…俺達がこいつの命を奪った分まで、ちゃんと味わって食べて、成仏させてやんないとな…」(合掌…)

「!!…ハクローさん…」「せやなハクローはん!!…さて、【P-Watch】に収納してと…よし!この奥にギルドの者がいる家があるから、そこで捌いていこか〜!」

「よ〜し行くか!…リーネ…気を悪くさせてごめんな!…平気か?」(ギュッ!)

「……!!はいもう大丈夫です…!…行きましょう!」「…」(ハクローはん…優しいな〜♪)

【Hux・row】【Linea】【Keito】の三人は山の道を歩いていく。すると急な斜面から平坦な道が続くようになり、歩行が安定しては塀の高い道のりが続いてきた。

スタスタ…

「高い塀だな…!!お、見えてきた!!…あれか!!」「立派なお屋敷ですね…!!」「ああ!ここは各島の様々なギルド、もちろん【Melton】とも提携を組んどるギルドメンバーみんなの家…!!名付けて!」

《【Mist garden】(ミストガーデン)》

【Keito】は【Mist garden】(ミストガーデン)を指し示す。それは洋館とも言える程の大豪邸であった。外装はミストホワイトに、屋根はヴァイオレットの色合いを見せており。古くから貴族が暮らしていた伝統のある佇まいを連想させていた───────

「…結構でかいな〜!…【Melton】って、こんなでかいギルドなんだな…」「猟師ギルドというのも初めて聞きましたし…」

「まあウチの所属する【Melton】は各地に支所があってな、色々渡り歩いてこうやって動物の害獣駆除や山のフィールドの保安に勤めるのも目的にしてるし、よくサバイバルギルドとも提携を組んでいたりもしてるんや!!…ほな入ろか!!」

ガチャ!!

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ゲド戦記より・霧の大地

〜【Paradiso】歴:2000年7/4・昼方【J島】【Mistia】山・【Mist garden】〜

【Keito】は扉を開けた。すると玄関は木造で設計されており、快適な建て住まいの空間が広がっていた。すると目の前には、一人の男性が座っており、机にて執筆作業を行っていた様子である。男性は【Keito】の姿を確認し、現在進行している作業を中断して立ち上がり、歩み寄ってきた。

コツンコツン!

「…おお〜ケイト!!お疲れだな!…その二人は?」

「ああ【Tomson】!!(トムソン)!!紹介するな〜!このお二人さんは【D島】の【R・P社】所属のギルドのもんで、ハクロー(【Hux・row】)はんとリーネ(【Linea】)はんや!」

「どうも、【Hux・row】です!ハクローと呼んでください!」「初めまして【Linea】と申します!リーネとお呼びください!」(ぺこり!)

二人は【Tomson】に対し、律儀に自己紹介をする───────

「ほう!君達があの【R・P社】に勤めるギルドメンバーか〜!私は【Tomson】!トムソンと呼んでいただいても結構だ。ケイトと同じく【Melton】に所属する者だ!…【R・P】社……!!あ〜!そういえば、ここに知っている客人がいたな!…どれ紹介しよう!…ちょっと待っていてくれるか?」

「は…はい!」「…わ、わかりました…!」

スタッ! スタッ! コンコン!

「ウィルビアさ〜ん!!【R・P】社の方々が、遥々この地【Mist Garden】へ尋ねて来ましたよ〜!」

「…ウィルビア?…!!って確か、ビルが移籍することになってるっつうギルドメンバーのリーダーで…ネラ参謀の元相方の!?」「嘘…!?ルビアさんが!?」

ガチャ!!

「…ん?…!!あら、まぁ〜ご機嫌よ〜う!…確かそちらは、リーネさんではなくて?およそ二週間ぶりでありますわね〜!…で、そちらの殿方は確か、初対面ですわよね?」

【Tomson】に声を掛けられ、扉が開かれる。そこには、以前会った明めの茶髪に黒のスーツにネイビーのタイトスカートを履いたビシネスウーマンの雰囲気を醸し出している女性【Wilvia】が姿を現した。そして初対面の【Hux・row】は【Wilvia】に対し、自己紹介する。

「初めまして!【R・P】社【Agente】所属の【Hux・row】と申します!ハクローと呼んでください!」

「ああ!あなた様がハクローさんなのですわね〜!ネラやベアからも、あなた様の事を耳に置いて伺っておりますわ。【Dail】邸での一件は、お疲れ様でしたわね。……初めまして、私は【Wilvia】です!ルビアとお呼びくださいな。【B島】の首都【Bestia】(ベスティア)にある【Survivor】(サバイバー)ギルドの参謀兼リーダーを勤めております。どうかご贔屓に、よろしくお願いしますわね!」

「こちらこそ!…この度はウチの【Agente】メンバーのビルがあなたの所属する【Survivor】のギルドでお世話になると聞き、自分も嬉しく思う限りであります!!…もしあいつがウチの部署で実績を積んだ後、そちらの方に配属された時は、よろしく頼んでおきます!!」

「うふふ!確かに承りましたよ!…でも本当にネラの言うように、真面目で…時に面白い人だと聞いておりますが…確かな情報のようですわね〜♪」

「…?」

「!!…き、気をつけてくださいハクローさん!!ルビアさんは【現世人】で、《読心能力者》なのです!!…私も一度、心を読まれて…その…///」

「へぇ〜人の心が読めるのか〜!…まるでオロアとかの【導き人】みたいな能力を持っている人なんだな〜!!」

「お褒めに預かりまして!…私もあの試練を乗り越え、【Fiducia】に目覚めて能力を授かり、こうして住民の人の為に使用し、日々活躍している次第でございますわよ!」

「へぇ〜!…んで、ルビアさんは何故、この【Mist garden】を訪ねに来たんですか?」

【Hux・row】は【Wilvia】に対し、この屋敷を訪れてきたのかの理由を聞く。すると【Wilvia】は真面目そうな表情を浮かべ、今回の目的を話した。

「…それはですね…この【J島】の【Kagoya】の町で次々と不可解な事件が起こっているという情報を聞き、急遽各島に在籍しているギルドリーダーを召集させ、この場所にて《緊急会合》を開いており、今終わりましたとこなのですよ。…皆さん、せっかくですし一度幹部の方々とお顔合わせしてはいかがでしょうか?」

「なっ!!」「ルビアさん!よろしいのですか…!?」「いいんですかいな!?」

三人の問いに対し、【Wilvia】は微笑みを浮かべてその意見を歓迎する言葉を告げる──────

「構いませんわよ!…それに【R・P】社ギルドに所属するハクローさんとリーネさん。…あなた方なら、皆さんも喜んで迎え入れてくれることでしょう。…少し説明してきますわね…」

ガチャン!バタン!…カクカクジカジカ…!

【Wilvia】は室内で説明をしている様子である。

…ガチャ!

暫くすると、扉から彼女の姿が見え、どうぞ入ってくださいと言わんばかりの表情をしていた。

「では、どうぞお入りになってくださいまし!…私は、この後用事があるのでお先に失礼させて頂きますわね。…それではご機嫌よう…」

タッタッタ…

「…行ってしまったな〜…じゃあ!失礼します!」「失礼します…」「ども。ほな入らせていただきますわ…」

ガチャ…ギィイ…!

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜聖剣伝説3より・Evening Star

三人は緊張しながらも快く入室した。そこには、各島を統括するギルドリーダーの幹部の雰囲気を醸し出す六人の者達が椅子に座っており、目の前にはこの屋敷の長であるのか、美しい紫色の髪色にミステリアスな目に星空のような輝きを放つ、淡いヴァイオレットのドレスを着た清らかかつ、清廉な美貌の雰囲気がある一人の女性が座っていた。そして先程の【Wilvia】との会話が聞こえていたのか、ギルドリーダー達は【Hux・row】と【Linea】を見て何やら会話を進めていた。

ざわ……ざわ……

「この二人が【R・P社】に所属する者達か!?」「その男の者が、あのルーシスが創設した【Agente】に所属する者…か」「…!!」(!!ケイト(【Keito】)!!…何故アンタが!?)「…へぇ〜…」「この男が…あの【Makiras】をか…」「そうか。思ったより若い者達が来たようだね…!」

「…!!」(ヤベェ〜!なんか緊張してきた)「…!!」(ど、どうしましょう!!み、見られていますね…)「」(と…頭領!?…何でアンタまでここにおるんや!?)

「…」(あらあら、ルビアさんが連れてくると言ったのは、三人のようですね…!!まぁケイトさんもおいでになっているようでございますね…)

【Hux・row】【Linea】【Keito】の姿を確認した長のような女性は立ち上がり、女神のように微笑んでは三人に丁寧に自己紹介をする───────

「…どうも、二人共初めまして。わたくしはこの【Mist garden】の領主をしております【Agartania】(アガルタニア)と申す者です。ランクはS4のユートピア人で、あなた方が所属しております【R・P】社にて、現在室長になられているルーシスさんとは昔からの知人です。どうか堅くならず…気軽に《アガルタ》とお呼びください。……遥々遠い中、この屋敷へと御足労いただき…ありがとうございます」

「!!…はい、アガルタさん!どうも初めまして【R・P】社の諜報活動ギルド【Agente】所属の【Hux・row】と言います。【現世人】であり、こちらこそ気軽にハクローなり、シローと呼んでください!」

「初めまして、アガルタさん!私は【R・P】社、治療・救済ギルド【Grazia】所属の【Linea】と申します!ハクローさんと同じように【現世人】です!リーネとお呼びください!」(ぺこり!)

「まあまあ、ハクローさんとリーネさんというのですね!…ふふふっ!…お二人の仲…特にリーネさんの方がハクローさんに対する恋愛面の感情は…とても良好なのですね〜!」(ニコニコ!)

「なぁっ…!?」「ええっ!?あ、あの…!///」(かぁ〜!)「リーネはん、顔赤いで…!」(ボソッ!)

【Agartania】は茶化すように【Hux・row】と【Linea】に対し、色恋話の話を持ちかけられ、【Linea】は顔を赤く染め上げていた。すると前列に座っていた白衣を着た科学者のような男は笑いながら自己紹介していく。

「ククク!…そうか!!リーネさんという嬢さんは恋愛に関する話題の熱反応の速度が速いようだな!!それでこそ笑いの絶えない【R・P】社ギルドに所属する者達だ!!…私は【A島】の【Flyd】(フライド)という街の【Copel】(コペル)という科学ギルドチームに所属するAランクユートピア人の【Elto】(エルト)という者だ!!よろしく!」

「…私は【C島】【Mikrio】(ミクリオ)の街。【Xiol】(シオル)という《法と秩序》を基礎とし、世界の治安維持を目的とするギルドに所属する【Ruves】(ルーヴェス)という者です。ランクはS2でユートピア人。…君達がよく知っているルーシスとは昔からの友人の者です。…どうぞよろしく」

「…はぁ〜全くウチのケイトが世話になったようだね〜!まあ紹介するよ!…あ〜アタシはこの【J島】の【Kagoya】を拠点とする【Melton】の猟師兼鍛冶屋ギルドのリーダーを張ってる【Nelva】(ネルヴァ)というもんさ!!ユートピア人のAランクだよ!…まあよろしく」

「お二人ともようこそ!…私は【G島】の【Olfes】(オルフェス)という救済の街で【Siel】(シエル)という神聖学兼救済ギルドのリーダー兼《救済長》を勤めております【Oriana】(オリアナ)と申す者です。ユートピア人のAランクです。…よろしくお願いしますね!」(…ふふっ!…どうやらリーネさんという方から感じる力…何やら計り知れぬ治癒能力をお持ちのようですね!……あの子は守護能力。……今後の救済活動に期待が出来そうですね!)

「…僕は、【L島】のF街で騎士ギルド【Verkuy】(ヴェルクーイ)の現《騎士団長》を務める【Yulis】(ユリス)。…ユートピア人のAランクだ!…よろしく!」(…なるほど…彼の腰には…確かに名刀【Louvel】がある…!!くっ!!……【Louverd】騎士団長!!)

「【Agnas】(アグナス)言います!【I島】の【Malkas】(マルカス)という国で主に他国への物資の運搬を担う商人ギルド【Ordin】(オルディン)のリーダーを務めていま〜す!ランクはS1。よろしくね〜!」

「…よ…よろしくお願いします!」

「よ、よろしくお願いします!」

「ど、どうも!……ってぇ〜!!ネルヴァ頭領!!いるんなら連絡して〜な!!」

「うっさいねぇ〜!!アタシも一言二言言いたいねんや!!…全く。……んでケイト!!…ちゃんと獲物撮れたんやろうな〜?」

「もちろん!1メートル以上もある猪が獲れたから今日はご馳走ですわ!!」

「ほほ〜う!!…んじゃあ、皆さんせっかく遠方から来たんですし、早速酒の一杯でも呼ばれていきましょうや〜ガハハ!!」

「ふふ!……そうですね。…せっかくですし、ご馳走になりましょうか…!それではふんだんに野菜もご用意いたしましょう。…是非皆さん、今日の夕食はしっかり食べていってくださいね…」

「……いえ、アガルタさん。……今そのように悠長に構えていては……」

「まあまあユリスさん。…命あるものをみんなで分け合って食事する事は大切なことですよ。…私は是非呼ばれていきます」

「私も大いに結構だ!!そろそろ飯時も近い!会合の終わりに猪料理を囲んで食事するのは悪くないことだ!!」

「アタシも!」

「…私も頂いておきましょうか。それにハクローさん。…君について、ユリス騎士団長殿が是非とも話しておきたいことがあるらしいというからね…」(チラッ!)

「…!?ルーヴェスさん…」

「…!!」(ユリス…騎士団長さんが…俺に?)

・・・
・・


その後、俺達は領主アガルタさんの計らいもあり、夕食の準備はリーネも協力した上で《猪鍋》ということで食事を運んだ。リーネの作ったご飯はベアさんからの話に聞いた通り、美味いということであった。リーネの料理する姿は一度見たことはあるが、病気になるまでの間は、昔から料理は西野さんや母親が付き添いで調理していた時も多く、次第に手際がよくなり、得意になっていったと語っていた。その為【Dail】邸のメイドで雇われていた時、料理担当を振られる事もあったらしい。味も申し分ないようでギルドのリーダー格の幹部メンバー達は大絶賛していた───────

グツグツ……

「まあ〜…これは…!?美味です♪……本当に…ふふっ!」

「うふふ♪…本当、とても美味しいですね♪…リーネさんの料理は。…何だか優しい味がします!」

「ほ、本当ですか!?アガルタさん、オリアナさん!……あ、ありがとうございます!」

「うむ!これだけ美味しければ、将来結婚する旦那さんもさぞ幸せだろう!!」

「だ、旦那…さん…!?///」(ボッ!)

「……」(だからリーネはん…!顔赤いて…)

「ガハハ!嬢ちゃん!ハクローって若者と、一体どこまで進んだんかね〜!?///」(パンパン!)

「!!///」(ボンボン!!///)

「ネルヴァさ〜ん程々にですよ〜!!…ではではハクローさん!それでさ!?リーネちゃんとはキスとかはもうしたんですか〜!?///」(ニヤニヤ!)

「…あ…あうぅ〜!!///」(フルフル!)

ギルド幹部、特に女性陣は色恋話が好きなのか【Linea】に対し、質問攻めをしていく。すると彼女は恥ずかしさのあまりに赤面する。その様子では、期待通りの答えが返ってくる事が見込めない為、今度は【Agnas】が【Hux・row】に対し、恋の進展具合を聞き出そうとする───────

「…ははは。…しょっちゅうって訳じゃあないですけど、リーネにはほっぺやら口にもされたりと…結構積極的な所はありますね!」

「「「「「「!!」」」」」」」(意外に大胆だった!!)

「…うふふ!」(そうですか…そんなに二人は仲がよろしいのですね〜♪………何だかあの頃の事を思い出します……ふふ♪)

「も、もぉ〜う!!///ハクローさん!!皆さんには黙っていてください!!///」(プンプン!)

「事実だろ。…ほら喋っていないで折角の飯だ!食べようぜ!」(ポンポン!)

「…!!う…うぅ〜!///」(プク〜!)

「「「「「「……」」」」」」

【Agarutania】は【Hux・row】と【Linea】の仲睦まじい様子を見て、何やら昔の時期に体験した《追憶》の出来事を振り返り、微笑みを浮かべつつ食事を運ぶ。そしてギルドリーダー一同は【Hux・row】の態度や発言で理解した。こんなに【Linea】は好意をぶつけていても軽くあしらうように向き合うことをしない【Hux・row】の様子を見て理解した───────

《ハクローくん…リーネさん(ちゃん)を完全に妹のように思っているな…(ようですね…)》

・・・

「…ごほん。…ではハクロー君。…いいかな?」

「…!?…なんですか?ユリス騎士団長?」

【Hux・row】は【Yulis】に話しかけられ、名刀【Louvel】について聞かされる。

「…その名刀【Louvel】をあの【Varisk】所属のAランク【Makiras】から取り返してくれたんだね。…感謝するよ…ありがとう!」

「あ、どうも!…そういえばこの名刀【Louvel】は【Verkuy】を創設したユリス騎士団長の…《前の騎士団長》の人が所持していたんですよね?……すみません!!今回の事で刀が折れてしまい、本来は《再起不能》になってしまったのにも関わらず、自分のような者がこの刀に新しく刃を入れ、正式な所有権として選ばれる事になってしまいまして…!!」

「いや、別に構わないよ。……審議会の場で君達【R・P】社側がその刀の所有権を掴み取ったのだから。…今さら返せとは言えないよ。…でもね、これだけは聞いて欲しいんだ!…その刀はね。…本当に《英雄》とも呼べる人が持っていたんだよ!…僕もその人に命を救われ、剣技も教わり、今こうして僕は《騎士団長》として勤まっているのだから!!」

「……【Louverd】って初代【Verkuy】の騎士団長の人と、【Danx】さんっていう人の魂の結晶とも呼べる刀なんだよな。…これって」

「!?」

「……!?」

「…………」

【Hux・row】は【Orbin】から聞かされた名刀【Louvel】に対する事の事情について、【Yulis】が近くにいる場所で呟く。するとそのワードを口にした瞬間、一部の者は取り乱した。無論当事者の【Yulis】も例外ではなかった───────

「……なぜその二人の名前を…!?」

そして【Hux・row】は、この幹部のギルドメンバーに対し、決して言ってはいけない組織と人物の名を、その場で大きく宣言するかのように言い放った。

「…それだけじゃあないです!…この刀に関わりのある二人をこの世から抹消した……!!」

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🎼Back Ground Music 》》》



♪〜聖剣伝説3より・Political Pressure




《大罪人…【G・lrof】!!…そしてそれらを取り巻く【Auro】……そして【Rowdy】も所属しているだろう【導き人】と敵対している種族……!!【Demister】(終焉ノ使徒)の連中の企みについて…自分なりに探している最中なんです!!》

「「「「「「!!!!」」」」」」

「…っ!?」(…これは…驚きました…!!まさかハクローさん…この【Paradiso】に来て、まだ間もないというのに……!!もうその者達のことを…!!……ハクローさん。…あなたにはこれから過酷な運命が待ち受けているようにも感じられます。…それに…【Louverd】…あの子の名前まで知っているとは…!!)

「!!…あ、あのハクローさん!!…こんな大人数でその話はまずいですよ〜!!」(アタフタ!)

【G・lrof】と【Demister】の名をハッキリと聞いた幹部ギルドメンバーは、さすがにいてもたってもいられなくなり、【Hux・row】に話しかける。

「ハクローくん!…なぜ君がその【G・lrof】という名前を!?そして君は……!!【Demister】の連中の者と接触したというのか!?」

「…へぇ〜…」(…彼もまさか【Demister】の者達と接触していたとはね…)

「…これは驚いたねぇ〜!!…まさかこの世界に来て、まだ日も浅いもんが奴らのことを知っているなんてね〜。…ケイト…アンタよく無事だったねぇ〜!!」

「ネルヴァ頭領!!それどういう意味や!?」

「…そうなのですか。…よくご無事でしたね…」(………)

「こりゃあ〜驚いた〜!…まさかハクローくん!…こんな短期間で、もうそんなビックゲストと知り合ってるなんてぇ〜!」

一同は驚愕した。一部のギルドメンバーは【Demister】の存在について情報を知り得ていたのか、その存在と殺し屋の名前を聞いていてもたってもいられなかった者は、内に秘めた感情を顕にしていた───────

「……【G・lrof】…【Demister】!!……っ!!」(ギリギリ!!)

ガタン!! ガシッ!! 

「!!…なっ!?…ユリス…騎士団長??」

「「「「「「!!」」」」」」

突然【Yulis】が手を震え上がらせ、【Hux・row】の胸倉に強く掴みかかり、強い剣幕で睨みつけると同時に、強い口調で語り出す。

「…【G・lrof】!!…あまり僕の前でその名前を言わないでくれ!!……そして…【Demister】の事!!…この件には君のような日も浅く、ランクEの【現世人】は…!!一切関わってはいけない!!…くっ!!…考えが甘かった。…どうやら君は僕が思っていた以上に《危険人物》のようだ。…!!その名刀【Louvel】…やはりここで渡してもらおうか!?」(キッ!)

「!!」

「は、ハクローさん!!…あのユリス騎士団長さん!!お、落ち着いてください!!」(グイグイ!)

「君は黙っていてくれないか!?それに…まだ分からないのか!?…彼は思った以上の深い闇へと踏み込んでいるんだ!!……邪魔をしないでくれ!!」

「ひぃっ!!」(ビクッ!)

【Yulis】の顔の表情は険しかった。それだけに初代騎士団長の訃報の知らせは彼にとっての心の抱えを完全に壊したかのように理性を失くし、殺気を持っていた様子であった。そのあからさまに見られた態度は《疑惑が確証》に変わったと捉えた【Hux・row】はめげず、真相を問いただす───────

「そうかアンタ。…その口ぶりからして何か知っているようだな!!…教えてくれ!!…【G・lrof】の事を!!」

「…!!」(ブン!)

ドガシャーン!!!

「…!!…っちっ!!」(キッ!!)

「お、おいユリス!!いい加減にするのだ!!」

「そうだい!!まだそこまでハクローのガキが深い闇に突っ込んでいるとは限らないんだよ!!大人になって多めに見てやら……!!」

ジャキッ!!

「…黙っていてくれ。…次は……ない!!」(ギラッ!)

「「!!」」

「ユリスさん!おやめになってくだ…!!」

「やめておいたほうがいい。…もうあの《跳ね馬》状態のユリスを止められるのは、今はいない元騎士団長しかいなかったのですから…」

「はわわ〜!こりゃあ大変なことになってきたよ〜!!」

「……」(ユリスさん…ハクローさん。……真実を知ろうとするばかりに闇を踏み入れたばかりなのか、今ここで衝突することになろうとは。…本当に、昔も…今も残酷なものを誘き寄せようとするのですね…)

幹部のギルドリーダー一同は、【Yulis】の気迫に負けては後ずさる。そしてその剣は【Hux・row】へと先端を向けられる。

「…外へ出ようか…!!ハクロー!!…君とはどうやら剣で判らせないといけないようだ!!」(ジャキン!)

チャキッ!!

「…上等だ、ユリス!!…アンタから聞きたいことが出来た!!【G・lrof】の事や【Demister】の事…そしてこの名刀【Louvel】を持ってた【Louverd】が一体何者なのかをなぁ〜!!」(カチャ…)

「…は、ハクローさん…」(オドオド…!)

「安心しろリーネ!…大丈夫だ…ただあの頭でっかちな騎士団長さんと…話をするだけだからよ!!」(キッ!!)

「…!!」(ハクローさんの目…今までにないくらいに真剣です…!!)

「…ハクローはん…アンタ…!」

・・・

〜【Mist garden】・中庭

「…まさかこんなことになってしまうとは!」

「…ですが…あの【Makiras】を倒した実力を…是非この目で見ておきたいものですね」

「二人共…穏便に済めばよろしいのですが…」

「そうはいかないだろうね…ユリスの目は本気だよ!」

「さてさてどうなるか!!」

「…ハクローさん…」(ギュッ!)

「…大丈夫やリーネはん…ハクローはんを信じなさいな…!」

ギルド幹部のメンバーと【Linea】【Keito】が見守る中、【Agartania】が【Hux・row】と【Yulis】の試合の狼煙を上げる準備を整えていた。

「…両者準備はよろしいでしょうか?」

「はい!」「はい!」

「ではこれより、ハクローさんとユリスさんによる対抗試合を開始します。…両者…」

「開始してください!」
 
【Agartania】の合図と共に、両者の持つ刀剣は互いにぶつかり合おうと前へと進んでいく───────

B. いいえ


《Capitolo・6》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜TORより・The edge of an oath

「うぉらあああ〜〜っ!!」(シャキン!)

「ハァアアアあああ!!」(シャキン!)

ギィイイイイーーーン!!

「「「「「「「!!!!!」」」」」」」

両者の持つ互いの剣と剣がぶつかり合い、周辺には甲高い音が鳴り響く。そして剣の向かい側に立つもの同士は睨み合う───────

「…!!」(ギリギリ!)

「…くっ!」(ギリギリ!)

キォーーン!!

《【Velkuy】現騎士団長》

   《【Yulis】》

ズザーーッ!!!

ズザーーッ!!!

両者の刀剣が交差してすれ違い、火花を散らしつつ、地面を摩擦する。すぐ様口を開いたのは【Hux・row】であった。

「…なるほどな〜!…その気迫…!!伊達に《騎士団長》を名乗っている訳じゃあなさそうだな!!」(チャキッ!)

ヒィーーン…

「…それが君の持つ名刀【Louvel】の姿か。…なるほど…まるで刃からは白銀のような光を放っているようにも見える。…でも…!!【Louverd】騎士団長が持っていたものの比ではない!!」(ダッ)

シュッ! ブン!

「!!…避けた!!」

《白狼夜宗流…対空迎撃一式・二の型》

「…上だな!!…ハァ!!」(ブン!)

「ご名答!!」(ブン!)

《千夜・飛燕》

カーーーン!!

「…!!」(ちっ!腕が痺れる…!!)

「…っ!!」(なかなかやるな…本当にランクEなのか…それにハクロー…君の持つ剣の姿勢…そして…剣技の型!…なぜ……)

両者は一向に一歩も譲らない。その闘いを見物する幹部のギルドメンバーも驚きを隠せなかった。

「なかなかにやるな!ハクローとやらは!」

「そのようだ。…まさかあのユリスの攻撃についていくなんてね…」

「…ですがユリスさんも、まだ本気というわけではなさそうですね…」

「まったく…あんなに剣の腕が確かならウチのギルドにも欲しいくらいだよ!」

「ネルヴァさん!さすがにそれは…」

「…でも実質ハクローはんは…まだあのユリス騎士団長とやらの実力には程遠いものがあるようやで〜!」

「…ハクローさん!!」(ギュッ!)

キン!!ガキィン!!!

「でえありゃああ!!」

「甘い!!…そこだ!!」(シュシュシュ!)

カン! キン! ブシャ!

「…!!…っちっ!!へへ!…アンタもな!」(シュッ!!)


【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー

ザシュッ!!

「…!!ぐっ!!…やるね…」

「…そろそろ話してくれ!…この名刀の事…そして【G・lrof】の事を!!」

「断る!!」(ブン!)

「…ケチッ!!」(ブン!)

キーーーン!! カン! キーン! カン!

周辺から、金属と金属がぶつかり合う音が周囲に鳴り響き、火花を散らしていく。それを見ていた周囲の人間も思わず見入っているからか、次第に言葉数が減っていく───────

「……」(いよいよ両者共に一太刀を入れたな!)

「……」(…やれやれ…これぞ男と男のぶつかり合いというものですか…)

「……」(はぁ…まったく…久々に良い酒が飲めそうだよ!!)(グビグビ!)

「……」(すごいですね…あのユリス騎士団長と渡り合うなんて…)

「……」(アタシも商人ではありますが…!!こんな剣戟を見続けていると…!!なんだか白熱してきますね〜♪)

「ハァッ!セイ!ラァーッ!!」

カーーーン!!ギリギリ…! カーン!

「……っ!!」(キッ!)

「頭だけでなく、案外守りが固ぇ〜な〜!…流石だぜ、《騎士団長》!!」(ニヤッ!)

「…あまりべらべら喋っていると油断を誘うよ!…ハクロー…ここで終わらせようか…」(シャー…)

「…!!…上等だぜ…!!」(シャー…)

キィン!!

「!!」(抜刀術!!)

「!!」(ユリス…あなたは普段抜刀術を…!!成歩道(なるほみち)。…どうやらあなたはハクローさんの姿を見ては、あなたが尊敬していたかつての騎士団長を連想させる何かしらの因果が彼から何かを感じ取ったのでしょうね…)

「!!」(抜刀術を…!!…ユリスさん…)

「!!」(抜刀術か!!…どうやらここで決着をつけるようだね!)

「!!」(はわわ…果たしてどうなるか…!)

「……」

「……」

両者はお互いに目を閉じた。そして先程の戦いから、両者は何か疑惑に感じるような思いと対峙していた。

「……」(ユリス騎士団長…アンタの剣から何故か…ロベルと似た何かを感じる…一体…何故なんだ…?)

「……」(ハクロー…何故か君と剣戟をしていると…その目つき、剣に向ける姿勢…どれを取っても【Louverd】騎士団長の事を思い出す…!…くっ!!…いや今は雑念を捨てろ…!!…僕は…!!)

ダッ! ダッ!

キィイイン!!

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜TOGFより・抜刀!研ぎ澄ませ!

「!!…っちっ!!…へへ…!!」(ニッ!)

「…くっ!!…ッ!」(ニッ!)

ブン!!

カァァーーーン!!

お互い傷は付かず、剣と剣同士がぶつかり合い、鍔迫り合いとなる。両者は笑みを浮かべ、剣戟を楽しそうにしていた。勝負はいよいよ佳境へと差し掛かろうとしていた。

ギリギリ………!!

「!!……くっ!!…ユリス!…アンタ何だ〜…楽しそうだな。…!!なんか面白い事でも思い出しているのか?」(ギリギリ…)

「…さあどうだろうかな?…!!だが…君の戦う姿を見ていると…何故だろうか…こう胸の中が…どんどん熱くなってきてね…!!」(カーン!)

「なるほど…!!でもその顔だと…俺の剣が…先代の騎士団長に似ているとも言いたげのようだな〜!!」(ブン!)

「どうかな!…だが君とあの人とでは…実力が違うのは確かだろうね!!」(ヒョイ!)

「すぐに追いついてやるさ…!…そして奴らの野望も…!!この名刀で終わらせてやる!!…俺にはな。……!!守ると約束し、心に誓った人達がいるからよ!!」(ブン!!)

「…空振りだね…ハァッ!!」(カン!)

キィーーーン!!

「!!…なっ!?…それは!?」

【Yulis】は【Hux・row】が左手に所持していた武器によって斬撃を防がれた。

「…《蒼夜ノ十手》ってやつさ!」

手に握られていたのは、まるで蒼い夜のイメージが付く、星々の輝きを一面に放つ《蒼夜ノ十手》である。握られたと同時に、【Hux・row】の周辺に散らばる魂が集気させられて活力が湧き、生命力へと置換する───────




【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー
周辺の魂を集気させました。


「!?」

「…そして…!!こいつで終わらせてやらぁ〜!!」

《白狼夜宗流一の秘剣 千夜・伍閃宗刃》

「ハァーーー!!」

ザジュ! グシャ! ザジュ! グシャ! グサッ!!

「…!!ウグッ!!」

「ハァアアア!!」(タン!!)

ズシャアア!!

「くっ!!…!!」

「…!!うぉらああああ!!……なっ!?」(クルクル…ブン!)

クルクルクルクル…

【Hux・row】は神速の突きを五連撃を繰り出し、下から切り上げると同時に天高く飛んで跳躍し、次の技へと移行しようとする。だがそれを待ち構えていた【Yulis】は剣を持ち、身体を《白鳥の湖》の如く高速回転し、【Hux・row】を迎え撃たんとする。その相手の技を見て、心当たりがある【Hux・row】は驚愕を隠せなかった───────

クルクルクルクル……!!

「……!?」(な…何でアンタが…ロベルの技を…!?…ま、まさか!?)

「…【Louverd】騎士団長が…!!僕に唯一教えてくれた技だ!!とくと味わうといい!!」(ブン!)

《【Louverd】流騎士剣戟術 一閃:【Schwanensegen】(白鳥の洗礼)!!》

「…そういうことかよ…!!うぉらあああああああ!!!!!」

「おぉぉぉぉぉおお!!」

キィーーーーン!!

「「「「「「「「!!??」」」」」」」」

「……」スタン…!!

「……」ザザッ!!

🎼Back Ground Music 》》》




♪〜聖剣伝説3より・Evening Star

両者がぶつかり合った剣は交差し、互いの剣は、健在そのものの状態であった。そして両者は立ち上がり、向かい合わせとなる。【Hux・row】は重々しく口を開き【Yulis】に語りかける。

「…そうか。……!!こりゃあ〜驚いた。…【Louverd】騎士団長って…《ロベル》のことだったんだな…!!なあ、ユリス。…もしかしてその騎士団長…今から、およそ《二年くらい前》に、この【Paradiso】を訪れた茶髪のウルフの髪型に黒いフォーマルスーツを身に纏っていて、銀のスカーフをした……現世では《居合道》を学び、両親は日本人とドイツ人の間から生まれたハーフの【現世人】って…そう言ってなかったか?」

「!!………その通りだ!!……じゃあ。……まさか【Louverd】騎士団長がまだご健在だった時に、現世で託された模擬刀の儀礼刀を何処か懐かしそうに持っていて、『…再び会えるなら、今現世の世界で海軍として活躍していて、いつかの決着をつけるために剣を交えると再会を《誓い》合い。……そう約束を交わした、白い狼の名前を冠した無二の友がいる』と。……僕は聞いた!……ハクロー…君が!!」

「俺が、その《白狼》だ!!…今となってはここの世界のルール上【Hux・row】(ハクス・ロウ)としてこの【Paradiso】で生きている!…そして。…やっと倒すべき黒幕の正体がハッキリしたよユリス!……俺は…!!」(シャー…)

キン!!

【Hux・row】は、信念を込めて負の感情のような憎しみの感情は、今一度撃ち殺し、澄んだ心を持ちつつ、自分自身一体何をなすべきなのかを見据えて名刀【Louvel】を帯刀していく。そして目を開いて【Yulis】に対してこのように言い放った。

《…俺はいつか【G・lrof】をこの手で必ず打倒する!!…人生の中で…二度も世界との別れを味わったロベルの分まで…俺は最後まで奴らと抗う!!…そしてアイツが…ロベルが残してくれた切り札…この名刀【Louvel】に誓う!!》

「!!」(…そうだったのか!…君が【Louverd】騎士団長の唯一の現世での親友の…《白狼》!…通りであのお方と剣の持つ姿勢と型も似ていたわけだ!)

「……!!」(これは…驚きました…!!では【Louverd】…あの子が言っていた現世の無二の親友の《白狼》というのは…ハクローさん…あなた様の事だったのですね…!!)

「!!…ハクローさん…う…うぅ…!」(ギュッ!)(ポロポロ…)(そうだったんですねハクローさん…あなたには居合道の仲間で千夜さんと同じく、掛け替えのない存在で…無二の親友と呼べる方が、この【Paradiso】の世界に!……でもその人は…もうここにはいないのですね…)

「…そうなんか…ハクローはん…アンタ…」

「あのハクローという若いの…そんな苦労をしてたんだね〜…」

「…何だか…すごく切ないですね…」(ギュッ!)

「…ええ。…【Louverd】騎士団長の訃報は、我々の方でも聞いておりましたが、まさか身内とは驚きました。…現世で最初の別れを経験し、そしてお互い二人は…この【Paradiso】へ訪れたものの…一方的にこのような形で今再び親友と別れた事実を彼はこの場で知った…」

「無念だな…!!」

「うぅ〜…なんか聞いていて…涙が出てくるよぉ…!…う…うぅ…あぁんまりぃだぁああ!!」(ポロポロ…)

幹部のギルドメンバーは【Hux・row】と【Louverd】との関係を知り、哀愁感漂う雰囲気に涙を流す者もいれば、同情する者もいる。その中でも【Yulis】は前に歩んできては、服の中から何かを探していた。

「……!!」(サッ)

スッ!

「!!…なっ!?…ユリス…?…これは?」

【Yulis】は服から何かを取り出し、【Hux・row】に手渡した。それは手紙のようであった。【Yulis】は【Hux・row】を見つめながらこう語りかける。

「ハクロー!…読んでみてくれ。…僕には、この【現世人】特有の言葉の意味がまるっきり理解が出来なかった。だからこそ現世から、そして【Louverd】騎士団長と親交のあった君だからこそ、この内容を知る権利があるはずだ!」

「!?…一体なんだ?…手紙か?……!!…これは!?…ロベルの…写真!?…あの時の渡航の別れの時に来ていた服と…全く同じだ!!…そうか。…やっぱりアイツ…二年前、心筋梗塞で亡くなって…この【Paradiso】の世界に来ていたんだな。……っ!!」(ポロッ!)

「その写真は当時【Louverd】騎士団長が【Verkuy】を創設した時に撮られた写真だ」

「この人が…親友のロベルさん!…ベアさんと同じように…ハーフの方だったんですね…!!ハクローさん……っ!!」(ポロッ!)(ギュッ!)

【Hux・row】は【Louverd】もとよりロベルの写真を見た。そこには名刀【Louvel】を背中に背負い、銀のスカーフにフォーマルスーツを着用し、ジャケットはパイピング仕様で、下は黒のスキニー仕様のカーゴパンツのような服装を身に纏った凛々しい表情をしたロベルの姿が写っていた。【Hux・row】は思わず涙を流し、【Yulis】は心配そうに声をかけ、【Linea】も近づき、写真を見て辛そうな表情をしていた【Hux・row】の服の袖を掴み、慰めようと涙を流し、寄り添ってくる。だが【Hux・row】は涙を吹き、肝心な手紙の内容を確認した。

「…問題ない!…手紙の中身は…!?日本語!?…そういうことか」

【Hux・row】は日本語で書かれた手紙を読む。それはまるで伝言書のようで遺書のようでもあった。その内容には、こう記されていた───────

・・・
・・


『親愛なる友…白狼へ…』

『白狼…こんな話を信じられないかもしれないが、僕は今ここ【Paradiso】という、とても不可解な世界に来ていて、【導き人】の(アイネ)と名乗る千里にそっくりのパーカーを着た少女と出会ってね。その子から【Paradiso】の事を聞いた僕は、無事に試練を乗り越え、名前を変えるのにはすごく抵抗があった。だけどなんとか妥協して【Louverd】(ルーヴァード)と名前を決めたよ。そこで僕は【Fiducia】の能力で、何か特別な《光》を身体の中に宿す、類稀なる能力を身につけたんだ。僕が最初に辿り着いたのは【L島】という全土に渡って雪が降る島のF街だった。そこには人身売買を生業とする闇市のギルドと敵対して、街のみんなを救ったことから勇者扱いやら英雄扱いをされてしまってね。その時に剣の腕を見込まれて騎士ギルド【Orzen】(オルゼン)に入隊し、そこで様々な特殊な任務を請け負い、戦いの中で大切な仲間達が命を失い、別れもあって悲しくて辛い日々もあった。だけど僕は実力を積んでいき、二年の歳月をかけて【Verkuy】というF街初の騎士ギルドを創設し、僕は晴れて騎士団長になった。』

『白狼…君は元気でいるのかい?』

『現世での世界の君は、海上自衛隊に所属してはこの二年でどれ程の男になったんだ?僕達の強い絆でもある居合道の仲間…千夜や僕を愛していた千里、カタカナが苦手でよく僕の名前を間違えていた恩師の菊川先生は相変わらず元気かい?』


【追記】


『白狼…もし君がこの【Paradiso】の世界に来てこの手紙を読んでいるのであれば頼みがある。』

『僕がこれから持つ名刀【Louvel】を、もし僕が亡き後、君に譲り受けてほしいんだ。』

『この世界に君が来た時、僕が所持していた刀であると明確にわかるように、鍛冶屋ギルドに所属していたドワーフの異名を持つ【Danx】(ダンクス)と一緒になってデザインを考えた。』

そして追求を重ねて、僕の母国でもあるドイツに存在する西洋のサーベルと、僕が憧れていた自衛隊の儀礼刀、そして君から貰った日本海軍の模擬刀をベースにモチーフにしてデザインした名刀【Louvel】が誕生した。』

『君とあの時、現世で別れ際に交わし、この【Paradiso】の世界に一本しか存在しない…かけがえのない《誓いの儀礼刀》を…是非君に大切に持っていてほしい。』

『…そして、君から貰ったかつて《日本海軍》が使用していた伝統ある模擬刀の儀礼刀は…【L島】の隠れ里に住んでいる【Mihael】(ミハエル)というユートピア人の女性に渡した。』

『彼女は…この【Paradiso】を訪れた頃からの僕のことをよく知っている。何か知りたいことがあれば彼女に聞くといい。』

『…最後に言っておくけど…君ならこの《誓いの儀礼刀》…名刀【Louvel】を正しい方向に使ってくれることを期待している。』

『頑張れ白狼!…僕は現世で亡くなり、この【Paradiso】でも別れる運命にあったとしても…この名刀【Louvel】に、僕は意志を宿す形で、君が守るべき人のためにこの刀を振りたい!…いや…』

《誓いの儀礼刀を誓い合ったもの同士…僕達は守るべきもののために…この【Paradiso】の世界で共に戦うことをここに誓う───────》

・・・

ポタ…ポタ… ガクン!

「!!…ハクロー!!」

「ハクローさん…!!」(ギュッ!)

【Hux・row】はロベルからの手紙を読み終わり、膝を追っては座り込み、涙を流していた。その手には名刀【Louvel】が強く握られており、【Hux・row】の涙が雨のように流れ落ち、湿っていく。そして強い決意を今、再びここに示した。

「はは。…全くお前らしいな…あの時から何にも変わらないな〜お前は。……!!わかったよ、ロベル!もしこの名刀【Louvel】にお前の意志が宿っているんだとしたら…!!俺達はいつも一緒だ!……アイツ…俺と千夜との関係を引き裂いたハヤトの姿をした【Rowdy】が所属している種族…【Demister】(終焉ノ使徒)の野望は必ず阻止し、そしてお前の仇の男…【G・lrof】!!…いつか…必ず奴らとの決着をつけるために…!!俺は…必ず勝つ!…見ていてくれ…ロベル!」(キッ!)

「そうか…!!ハクロー!…よく言ってくれた!!それでこそ僕達【Verkuy】の【Louverd】騎士団長の現世での親友で…騎士団長の意志を継ぐ者の言葉だ!!」

【Yulis】はその言葉を待っていたと言わんばかりに、歓声を上げる。それをおめでたいと見たのか、【Hux・row】は呆れたようにこう話す───────

「……なんだよユリス。…さっきはいきなりご立腹になった途端、急に胸倉掴んで俺の事を凄い剣幕で睨みつけて突き飛ばしたりしたってのに、今度は掌返しかよ!?」

「…!!あっ!!あれは突然あの場所で恐れ多い事を喋った君も悪かったんだ!!それに…まさか君が現世での【Louverd】騎士団長の親友だとは知らなかったんだ!!でも…今は違う!!///…その…突然君にあんなことをして……!!すまなかった!///」

「!?」(お、男の…ツンデレ!?…初めて見たわ〜!…でも千夜以来だな…ツンデレの人を見たのは…)

ぷっ!ハハハハハ!!

「なんとこれは傑作だ!!」

「…成歩道。ユリス騎士団長は男のツンデレ体質と…」(メモメモ…)

「ふふふ!…意外とお茶目なところがあるんですね〜♪ユリスさん」

「ガハハ!まさか男でツンデレとはね〜!」

「ほほほ!これは写真撮って週刊誌に売れば大儲けできそうですな〜♪」

「こ、こら!君達も悪ノリをするな!!///」

【Yulis】は先程の【Hux・row】に対する非礼をお詫びした。【Yulis】の赤面している姿が珍しいのか、幹部のギルドメンバーからは笑い声が溢れた。

ザッザッ……

「ハクローさん…」

「ん?…あ、アガルタさん?」

そうしていると【Agarutania】が微笑みながら【Hux・row】に歩み寄ってきた。

「ハクローさん。…あなた様にとって、今回とてもお辛いことがありましたね。それでもご友人の残した意志をしかと受け取ったようでございますね!…ハクローさん…あなた様はこれからどうなさるおつもりで…?」

「…明日には、この山を下山し、問題解決の為に【Kagoya】の町へ戻ります。アガルタさん!…今日は遅いですし、折角なので泊まりになります。…本当にお世話になります!」(ぺこり!)

「うふふ!構いませんよ!…?…あら、ハクローさん?……髪の毛に埃が…!ちょっとしゃがんでくださいましてもよろしいでしょうか?」

「…え?…は、はい」(ふせ…)

「…ふふ…!!」(スッ!)

ガバッ…!!チュッ♡!

「!?…え。……!?///」(ええっ!?…あ、アガルタさん!?…だ、大胆にも一体何を…!?///…あれ?…でも……この人に抱かれていると…なんだか心が落ち着く。……まるで西野さんのように…聖母のオーラを放っていて…すごく…安心感がある…とても…温かい…)

【Agartania】は突然蹲み込んだ姿勢の【Hux・row】の身体を優しく抱擁し、額にキスを交わした。彼女の抱擁は、まるでありさを連想させるようにとても温かみのある天使の衣に包まれるかのような《聖母の慈愛》に満ちた温かみのある心の汚れを洗い流し洗礼する雨が降るかのように穏やかであった。しかしその光景を見ていた【Linea】はいてもたってもいられなかった様子である───────

「は、ハクローさん!?///…あ、あのアガルタさん!!///ハクローさんから離れてくださ〜い!!…えっ!?…ち、ちょっと!!ケイトさん!!離してくださ〜い!!///」(ジタバタ!)

「まあまあリーネはん!嫉妬せんと見ときや!…大丈夫やて!アガルタさん、ハクローはんに対して悪い事はせぇへんと思うさかいに!」

「…あ、あのアガルタさん!///みんな見ていますし…そろそろ!///……!?……え?」(ポツン…ポツン…)

【Hux・row】の頬には温かい雨が降ったかのような清らかな涙が伝っていた。思わず見上げると【Agartania】が嬉しげな表情で涙を流していた。そして泣きながらも嬉しそうに話を続けた。

「…グスッ…うっ!…うぅ!…そうですか…!!あの子…【Louverd】は…!!本当は現世ではロベルと呼ばれていて…その親友が…ハクローさん…あなた様だったのですね…!!…う……ぅぅ……!!」(ギュッ!)

「…えっ!?…アガルタさん!!…ロベルのことを知っているんですか!?」

「…はい。…あの子は昔、この【Mist garden】に【真・ユートピア創造士隊】が襲撃事件を起こし、侵攻していた際に私は創造士隊から大きな負傷を負い、命を狙われて…もうダメかと思いました。そんなときにあの子…ロベルが突然この【Mist garden】に現れ…私を護衛して助けて頂いたのです。…彼は持っていた剣を振るい、創造士隊を追い払い、争いを治めた後、私の負傷を気遣って泊まり込みをしてまで…手厚く看病までして下さいまして…私にとっても…彼は本当に特別な存在で…まるで《息子》のように思えたのです!…ですが…その後…あの子ロベルは……!!」

「…【G・lrof】によって…アイツは…殺された…!!」

「…はい…その事件を知り、急遽調べてその出来事が起こったのは…およそ今から二ヶ月も前の話です…私はそれを知り、彼の愛刀であると聞いた名刀【Louvel】も奪われたと聞き。……私は…ひどく落胆しました……でも風の噂であなた様が命を賭けてまで【Varisk】に所属する【Makiras】と戦い、あの子の愛刀である名刀【Louvel】を取り戻してくれました。ハクローさん本当にあなた様には感謝しております。手紙にも記されているように、あの子の意志は…ここに宿っているのですね。…《ロベル!》…もしそこにいるのでしたらお願いします!…どうか彼を…!!ハクローさんの力になってあげてください!…お願いしておきますよ…」(ポタポタ!)(サスサス!)

「!?」

【Agartania】は【Hux・row】の所持している名刀【Louvel】に手を触れ、ロベルの意志に問いかけようとしている。それは《まじない》のようでもあり、【Hux・row】がこの先、厄災の魔の手から身を護ってもらおうとせんばかりの無事を祈ろうとしていた───────

「……アガルタさん。…きっとロベルはわかっていますよ!物分かりがいい奴でしたから!…ただ、アイツは名前を間違えたら、すごく怒る奴ではありましたがね〜…俺達の現世の恩師に《菊川先生》っていう剣の師匠がいて、よくロベルの名前を間違えては怒らせていたんですよ!…な!?ロベル!!」(ケラケラ!)(サスサス!)

「…!!…うふふ♪…そうですか。…でもハクローさん…私は今日…あの子の親友であり、嬉しそうに話していたあなた様自身にも、こうして巡り会えた事を…!!私、本当に嬉しく思います!…それに、礼儀正しくいい子で…流石はルーシスさんの部下のお方ですね♪」(ギュッ!)

「…ルーシス室長をお褒めいただき、誠に光栄です。…!!でもアガルタさんも…俺なんかの為に涙を流して…ロベルのことで辛い思いをしたのに本当にすみませんでした!…でも今は…何かとても温かくて《聖母》のようにとても清らかな人で…美しい女神のような顔つきになってくれて俺は安心しました。…元気が出たのなら嬉しい限りです!」(ギュッ!)

「〜!?///…まぁ〜……!!うふふ!///…ロベルと似ていて…あなた様も、なかなか《プレイボーイ》で…女性を口説くのが上手なお方なのですね!…私、ロベルと同じようにあなた様を…!!とても気に入りました♪…ハクローさん♡///」(ギュッ!!)

〜ヒューヒュー♪

「…成歩道。…ハクローはプレイボーイ気質と…!」(メモメモ)

「ガハハ!…ハクローは年上の人でも行けるのかねぇ〜♪…アタシにもワンチャンあるかね〜♡///!?」(グビグビ!)

「……」(突っ込んだら…ネルヴァ頭領の鉄拳制裁来そうやな〜…黙っとこ…!!つか酒どんだけ飲んでんねや!酒臭いっちゅうねん!!)

「あらあら…!…なんだか微笑ましいですね〜!」(ニコニコ…)

「うむ!まるで親子のようにも思えるな!!喜ばしいことだ!!愛があれば歳などは関係はないのだ!!」

「ハクロー…君は【Louverd】騎士団長と同じく…剣以外にも女の人の扱いにも慣れているなんて…一体どこまで計り知れない奴なんだ!…僕も…いつかそんな時が来るのかな…」

「ユリスさんはもう少し女性のことを知らないと無理そうだね〜♪」

幹部のギルドの者達はその様子を見物していた。それを見ては【Hux・row】は年上もいけるやら、まるで息子を抱いている母親だというように【Hux・row】と【Agarutania】の温かく、明るい聖母の抱擁のような空間には、心なしか霧が立ち込めては、木漏れ日のような幻想的な雰囲気があった。

「〜///!!」(ジタバタ!)

ガバッ!!

「あっ!!リーネはん!!」

それを見ていた【Linea】は我慢の限界が来たのか、顔を紅潮させては【Keito】の拘束を無理やり解き【Hux・row】に近づいては服を引っ張っては無理やり引き剥がすかのように対応する。

「も〜う!!ハクローさ〜ん!!いい加減アガルタさんから離れてくださ〜い!!///」(グイグイ!)

ガバッ!!

「あっ!……うふふ///」(もう…リーネさんったら…意外とアグレッシブなのですね〜♪)

「ん?あ、すまないな〜リーネ!!…つい!」(テヘヘ…!)

「つい!!…ではありません!!…も〜う!ハクローさん!!私の前で他の女の人と破廉恥でふしだらなことをするのは許し!!……!?」(プンプン!)(ファサ…)

「ふふふ…!…まあまあリーネさん…ハクローさんもこうして謝っているのですから…叱るのはそこまでにしておいてください。……でもリーネさん…貴女は本当にハクローさんの事がお好きなのですね〜♪」(ギュッ!)

「…!!あ、あの!アガルタさんも!…〜!とにかく離してくだ…!…!?…あ……っ!……うっ!……うぅ…!!うわぁああああん!!」(なんでしょうか…アガルタさん…まるでお姉ちゃんに抱かれているかのような…とても温かくて…優しくて…なんだか…凄く落ち着いて…すごく安心します…それに…今まで辛くて…苦しかった事が…思い出されて…涙になって…洗い流されているようで…何だか温かい涙が…出てきます…!!…ふふ…悪くないです!…ハクローさんも…アガルタさんに抱かれては…さぞ安心したのでしょうね…)(ポタポタ…)

「あらら…どうやらリーネはんもアガルタさんの虜のようやな〜!…ハクローはん!」

「仕方ないさ…あの人の抱擁は…リーネの姉さんのように…本当に聖母のように輝いていて…温かいんだ…」(ニッ!)

ガシッ!!

「ん?……!!…なぁっ!?」

【Hux・row】は誰かに抱き抱えられたので背後を向く。そこには【Keito】の所属する【Melton】の【Nelva】が満面の笑みを浮かべていた。そして、酒を飲んでいたからか、頬を赧めながら【Hux・row】に話しかける。

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ペルソナ5より・My Homie

「ガッハハ〜♡!!じゃあハクロー!!アタシも行けそうだね〜♡!!そら〜ウリウリ〜♡///!!」(グリグリグリ!!)(ヒック!)

「!!…うっ!!ネルヴァ頭領…酒臭っ!!…!?…ぐ、ぐぁあああ!!い、いでででで!!ギ、ギブギブ!!」(グリゴキ!!)(カンカンカ〜ン!)

「…あっちゃ〜おいたわしやーやで〜!!まあまあハクローはん!…さっきからべっぴんなアガルタさんに抱かれていい思いしていたんやから、そのツケが回ってきたっちゅうことで!!ほなウチはこれで!!」(ピュー!)

「お、おいケイト!!…み、皆さんも!!…えっ…!?」

スタコラサッサ〜♪

【Hux・row】は幹部のギルドメンバーの【Elto】【Ruves】【Xiol】【Oriana】【Yulis】に助けを求めるもそこには姿はなく、誰もいなかった。そして最後の希望である【Linea】と【Agarutania】に託してみる。

「…いない…!!お、おいリーネ!!アガルタさん!!…助け…!?」

「どうですか…リーネさん…?」(うふふ…!)

「…はい…とても落ち着きます…あれ〜?…ふふふ…なんだかハクローさん達も何だか〜仲睦まじくて〜凄く楽しそうですね〜♪」(ニコニコ〜♪)

「ふふ…そうですね〜♪猟師ギルドのネルヴァさんともうあんなに仲睦まじくなって…ハクローさんは本当にいろんな方と仲良くなれるのですね〜♪…ではそろそろ屋敷に戻りましょうか〜♪今日は仲良く私のお部屋でオリアナさんも呼んでいますので三人で仲良く…ゆっくり休みましょうか…リーネさん…!」(クスクス…!)

「そうですね〜ではハクローさ〜ん…折角の機会ですし…ネルヴァさんと仲良くお話でもしてくださいね〜…ではおやすみなさ〜い〜♪」(フリフリ…!)

タッタッタ…!

【Agartania】の天使の羽のような温かみのある聖母の抱擁で極楽気分になった【Linea】は【Hux・row】にそう言って【Agartania】と一緒に仲睦まじく屋敷に戻っていった。そして【Hux・row】は最後の希望の舟は渡航したことを知り、顔を青ざめ、冷や汗をかいている。

「…て事は…!?」(ダラダラ…)

「ガッハハ〜♪!!じゃあアタシの今日泊まる部屋へ戻ろうか!!…今日は寝・か・さ・な・い・ぞ・ハクローく〜ん♡」(ニチャアアーー!!♡)

「…う、うわぁああああああ!!!!!!」(ヒェーーー!!!!!最悪な夜だーーーー!!)

俺は、あの花男共と同等の肉体はあるようなプロレスラー体系のネルヴァ頭領に無理やり部屋に連行されては、抱き枕にされて酒臭い空間の中、一夜を共に明かした。流石に俺は《女難の相》でもあるのかと疑った。異性ではあるけど、まさか今度はこんな形でこのような目に遭うとは思いもしなかった。…はぁ…ロベル〜助けてくれーー!!!


 

B. いいえ


《Capitolo・7》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜加古隆より・パリは燃えているか?:オルガン



「……ん?…!?…夜の教会…!?…心の中の世界…【Sognare】!!…って事は!?」

「…目が覚めたようだな…久しいな。…シロー…」

【Hux・row】は目を覚ますと、以前も体験したことではあるが、そこにはあるどこかの国の教会のベンチにて横になっていた。建物には青白い光が照らされており、十字架が白く神秘的な光を指していた。そして、何かもの悲しい哀愁感漂うパイプオルガンの音楽が流れている。そして司祭者の立つ位置には黒い衣を着た八咫烏の異名を持つ人物【Y・Corvo】(ヤタ・コルボ)が立ち尽くしており、【Hux・row】が気がついたのを理解し、振り向いては【Hux・row】に声をかけた。

「…確かコルボだよな…まあ久しぶりだな…で?またこの場所に呼び出して…一体何のようだ?」

【Hux・row】は【Y・ Corvo】を特に悪者であると思っておらず、こうして喋っていると何故か心が落ち着く存在であるかのように気軽に話していた。そして【Y・Corvo】は、ロベルこと【Louverd】と名刀【Louvel】【Agarutania】のことを語り出した。

「…君は…名刀【Louvel】のことを聞いたのだな?」

「ああ!…あとあんたに言われた通り、名刀【Louvel】には、俺の現世の居合道の菊川先生って人からの贈り物である木刀の中に仕込まれていた仕込み刀を使わせてもらった。白銀のような輝きを放っていて白狼刀と名が刻まれていて、大業物だからか…思った以上に切れ味があるのか、振りやすくて使いやすかった。だが…それでもアンタにはまだ敵いそうにはない…」

「…そうか。…あと【Mist garden】の領主【Agarutania・F】(アガルタニア・フレイシア)に会ったのだな…」

「!!…何故あんたがそれを…え?…フレイシア…?」

【Hux・row】は【Y・ Corvo】に【Agarutania】のことについて聞く。すると【Y・ Corvo】は、彼女の秘密について話した。

「【Agartania・F】…君が知っているアガルタという女性には、もう一つ隠された名前があるのだ。それがこの【Paradiso】の世界でも遥古来の歴史において由緒ある貴族《【F】(フレイシア)家》だ。彼女の本名は《アガルタニア・フレイシア》……彼女は、その家の令嬢であったのだ!…彼らは昔から癒しを司る者の末裔であり、光輝の力【Luster】(ルスター)を呼び起こすのにも関係する者達でもあるのだ」

「そうだったのか。…?……んで?…ルスター?…って何だ?」

「【Luster】とは、【現世人】の持つ【Fiducia】の中でも、極めて類稀なる特異体質から発現する能力であるとされ、悪しきものを断ち切り、正しき道を示すものとして特定の者のみが身に着けることが出来る《特殊能力》の事だ。君がよく知る親友ロベルこと【Louverd】もその素養があったのか【Agartania・F】やその他の古来より伝わる者達と密接に関わることで《絆》を深めていき、それに介して光輝の力【Luster】の能力を強化させ、名刀【Louvel】の刀身に光輝の力を宿し、悪心を持っていた【G・lrof】と渡り合い…深傷を負わせることができたのだ!」

「…だが、それでも奴には勝てなかった…とんでもなく強いんだな…その【G・lrof】って奴は。……!!なぁコルボ!教えてくれ!…奴は一体何者なんだ!?…俺は…ロベルのためにもそいつを倒したいんだ…だから!!」

【Hux・row】は【Y・ Corvo】に【G・lrof】のことを聞こうとする。すると【Y・ Corvo】は腰に巻いていた清刀【八咫光】を持ち、またもや試すかのようにこう答えた。

「…それを聞くからには…覚悟は出来ているのか…?」(チャキッ!)

「…そうか…やっぱこうなるのかよコルボ…まあいい…上等だ!!」(チャキッ!)

【Hux・row】は夢の中で、三橋からもらった軍刀を呼び寄せては【Y・ Corvo】をじっと睨みつける。

「…では…行くぞ!!」

シャッ!シュッ!

「…相変わらず早いな!……!!ハァッ!」(シュッ!)

「…ここだ…」(ゲシッ!)

「ぐあっ!!…っつ〜蹴りかよ!」(ブン!)

「…」(キン!)

シャ!シュッ!シャ!シャ!シュッ!シャ!

「よっと…何の!…じゃあ…これなら……どうだ!?」(ヒョイヒョイ!)(シャーーキン!!)

《白狼夜宗流一式二の型【千夜・転狼】》

ダッ!!

「……!」(ブン)

キーーーン!! カランカラン…

「……!!」

「…まだ及ばないようだな…続けるか?」

今回も【Y・ Corvo】に力が及ばず【Hux・row】の軍刀は宙を舞った。その様子に【Hux・row】は敵わないと思い、手を挙げて降参の姿勢を見せた。

「…降参だ。…また今回も俺の負けだよ…やっぱ強いな〜コルボ!!…まるで何百年何千年間も生きているみてえだな〜アンタは!…そんだけ強かったら…いややっぱ良いわ…」

「…?何故止めたのだ…?」

「【G・lrof】は俺が倒す!!…他のやつに倒してもらおうとかは考えない…!!…それが俺なりの考えだ!」

【Hux・row】の意識は固く、その様子に【Y・ Corvo】は少し笑うように返答した。

「…フッ!…そうか。…賢明だな…!」(シャ…キン!)

「…おお笑った…意外とそんな一面があるんだな…」

「…少しだけ…【G・lrof】の事を教えよう…」

・・・

俺はコルボから【G・lrof】の事を教えてもらった。【G・lrof】は、ある古来から存在する闇の商人ギルドに所属していたらしく、ユートピア人でランクはS4。【G】(ゲー)とは、昔から伝説的な殺し屋の一族の俗称の意味であり、その性格も字に書いたように冷酷であり残虐性、野心や悪心はこの世界をも支配しかねない程の持ち主であるとされ、世界を終焉へと誘う厄災の一人とも呼ばれていた。特に【G・lrof】は、【Paradiso】の武器や防具の知識全てを兼ね備えており、どんな武器をも自由自在に使いこなすことから、《武神》と言われ、古くから恐れられてきた。常に強者と戦い、武器を徴収する刀狩りのような事をしていたことで有名だったらしく、【G・lrof】は、その腕を見込まれ、殺戮集団【Varisk】に身を投じ、そこで【Varisk】の基礎を一から作ったと言っても過言ではないくらいの《カリスマ性》を持ち合わせていた。そしてロベルが持っていたその【Luster】という力を宿した斬撃による負傷が続いていることから、現在はまるで封印されているかのように表舞台から姿を消しているが、いつか復活の時を狙い、この【Paradiso】に混乱を招く人物である事をコルボは話した。

「…そういうことか。…だがなぁ…ずっと疑問だったんだよ…何故【Makiras】との戦いでベアさんが【G・lrof】の事を…?…!!…まさか!?」

「察しがいいな。…その通りだ!…ベアンヌという少女のことも調べさせてもらった。……昔、彼女を庇った恩人の女性も【G・lrof】によって殺害されている。…その女性は【現世人】であり、君の知るネラ参謀の…実の姉だったのだ!」

「!!…そうだったのか…じゃあロアは…その人からルーシス室長と繋がりがあって生まれた…ユートピア人と現世人の…ハーフって事なのか!?…出来るものなのか!?」

「…それがこの【Paradiso】では可能なのだ。……そしてこの事がきっかけで…熾烈な争いが刻一刻と起ころうとしているのも事実であるのは確かなようだ…」

「…!!どういうことだ!?」

【Hux・row】は【Y・ Corvo】にその事について詳しく聞こうとする。しかし、【Y・ Corvo】は先に【Demister】(終焉ノ使徒)の危険性についての話をした。

「…だが先に優先するべきは、君の知っているハヤトという男の姿をした【Rowdy】という者の正体のことだ。何か分かったのだろう?」

「…!!…【Demister】(終焉ノ使徒)だろ!…【Auro】というのもいやがった!」

「…その者達は現在《6幹部》と呼ばれているのは知っているだろう?……そして…何が目的なのか…未だに不明なままだ…いくら私でもその者達への干渉はできない…」

「…なあ…コルボ!…【Kagoya】はこのまま平和に行くと思うか?…いくら何でも…この一週間何もないのはおかしい!…そろそろ何か起こってもおかしくないはずだ…!!」

「…その時は……その名刀【Louvel】が黙っていないのだろう…?…何故なら…」

「!!…俺とロベルの誓いの儀礼刀だから!!…そう言いたいんだろ?…コルボ…」

「…フッ!……ッ!…そろそろ…時間だ…」(ススー……)

【Y・ Corvo】の身体は透けていき、周囲の青白い光はなくなり、明るいナチュラルカラーの明るい光が差し込んできた。それを見て【Hux・row】は【Y・ Corvo】に別れの挨拶を済ませ【Y・Corvo】は去り際に【Hux・row】にこのように伝える。

「こ…コルボ!!…またな!」(フリフリ…)

「…ああ…!…シロー……【Kagoya】…は…火…を…灯……さ……れ……千…夜を!……桜………守……れ…!!」

「…!!なっ…コルボ!!……!!くっ!!」

キィイイン!!

・・・
・・


チュンチュン〜♪

「ん〜!…寝ていたか…あれ?………!?」

【Hux・row】は目を覚めては周囲を見渡す。すると近くには猟師ギルドのリーダーの【Nelva】が立っており【Hux・row】が起き上がったのを確認しては機嫌よく挨拶した。

🎼Back Ground Music 》》》





「ガハハ!おはようさんハクロー!!いやー昨日は済まなかったね〜!!つい酒癖が悪いとこうして男だろうと女だろうと部屋に連れ込んでしまうのさ〜!」(ゲラゲラ!)

「…あ…そうですか…とりあえず、まあおはようございます…ネルヴァさん…!」(チーン…)

「ガッハハ!!おいおい若いのに元気がないね〜!!もっとしっかりせんといかんよ〜!!…さ〜て朝飯食べに行くか!!」(パンパン!!)

ガチャ…バタン!!

「……ハァ〜!!」(頭抱え…)(時々…ベアさんが恋しくなるな…)

スタッ!スタッ!

「…う〜!!…頭いて〜!…どうやらネルヴァさんの…酒の匂いにやられたのか…」

「あ!ハクローさんおはようございます〜!ってうぇぇぇ!!…ど、どうしたんですかハクローさん!?…その顔!?」

「…別に…なんでもないよリーネ…おはようさん…」(げっそり…)

【Hux・row】は顔の表情はまるで魂が抜けたかのように萎れていた。それを見かねた【Linea】は【Hux・row】の腕を支えては密着させて歩いていく。

「もう大丈夫ですか〜?…ってハクローさん!?…なんかすごくお酒の匂いがします!!もう!ダメですよ〜ハクローさん!!仲が良くなったからと言ってネルヴァさんと飲み過ぎては〜!!二日酔いってやつですか〜!?」(メッ!)

「…ははは…酒は飲んでも…呑まれるな…だな…」(ハァー…)

【Hux・row】は酒は飲まないが今回の【Nelva】の一件があり、絶対に酒には手をつけないと心に誓ったーーー













《To Be Continued…→》

 
 
 
 
 
 
 


第17話:【Agente】(エージェント)【Kagoya】街の維新編Part2 完読クリア!
完読クリア!!



次の話へ進みますか?

A. はい 
B. いいえ