GiorGiaNo

 
《Paradisoシリーズ〜導かれし七人の現世人の冒険譚》>

A.:GiorGia

〜第一章:白狼と誓いの儀礼刀〜


第16話:【Agente】(エージェント)【Kagoya】街の維新編Part1


【R・P社】のギルドチーム【Agente】(エージェント)の一員【Hux・row】と、【Beanne】【Rolan】の4人は【Bill】と【Linea】を救う為【Dail】(ダイル)邸への反撃を行う。縄の能力者【Jeil】と【Varisk】所属のAランク【Makiras】との死闘を乗り越え、【Dail】の討伐に成功する。その後、力尽きたかのように【Hux・row】は意識を失い、その数日後【R・P】社のベットにて横になっていた。ーー




《Capitolo・1》
物語を開始しますか?

🎼Back Ground Music 》》》



If you want to build a ship, don’t drum up the men to gather wood, divide the work and give orders. Instead, teach them to yearn for the vast and endless sea.
(船を造りたいのなら、男どもを森に集めたり、仕事を割り振って命令したりする必要はない。代わりに、彼らに広大で無限な海の存在を説けばいい。)

Love does not consist in gazing at each other, but in looking together in the same direction.
(愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである。)

Antoine de Saint-Exupéry
(サン=テグジュペリ)



♪〜天気の子より・花火大会

ここは【R・P】社ギルド。【Grazia】(グラージア)の病室。そこで俺は【Linea】こと、リーネが顔色を伺いに来ている事に気づいた。とりあえずルーシス室長の話は後回しにし、これまでの話で聞かされたことは…どうやら俺は、あの事件の後一週間も寝てしまっていたこと。【Dail】邸での事件は無事に解決し、市民街【Velkana】の街で取り仕切られていた《独裁政治》は無くなり、平和が戻ったこと。俺は怪我がひどいからか、そのまま寝込んでいたらしい。ベアさんからは、あの【Makiras】(マキラス)とやり合ったのなら仕方ないと、ネラ参謀にはちゃんと伝えておくと言ったそうだ。そして極め付けは、ビルはこの【Agente】で実績を積んだら、B島にある首都【Bestia】(ベスティア)にある【Survivor】(サバイバー)という武道派ギルドの参謀兼リーダーで、ネラ参謀の元相方の【Wilvia】(ウィルビア)という元【Agente】に所属していた、現世人からスカウト兼ヘッドハンティングされ、ビル自身は、自分は愛犬のクウのこともあるから、名残惜しいけど自分で選んだ道だからと言い、決意は固かったのでこちらからは何も言わない事に決め、もし何か困ったときは連絡して駆けつけると言っておき、次の進路が決まっているのなら喜ばしいとそのように伝える事にしよう。そしてここ最近の事であるが、俺がこの一週間になっても目を覚めないのを心配したリーネは俺の手を握り、居眠りをしていた時に【Fiducia】の【Sognare】での夢を見たらしい。…そのエピソードを、細かく説明してくれた。


・・・
・・


〜【Sognare】【Hux・row】の夢の中に存在する心の世界〜

サラサラ……キラキラ……

「?……っ!?……こ、ここは?…え?…確か私、ハクローさんが心配になって手を握ってしまったまま…そのまま寝てしまって……」

【Linea】はどうやら眠っていた【Hux・row】の手を握り、そのまま居眠りをしてしまい、偶然にも【Hux・row】の内に存在する夢の心の中の世界【Sognare】へと介入していた。

「!?………一体何処なんでしょうか?……地面に水が溜まって…空が反射して《水鏡》になっています!……まるで…ハクローさんが言うような《明鏡止水》にぴったりな空間ですね。…空と地面が一体になっていて…濁り気がなく…とても澄んだ幻想的で…綺麗な場所ですね」

ピトーンン………

その美しい水鏡に見せられた果てしなく広がる世界が繰り広げる神秘的な光景を見ていると、【Linea】を呼ぶ誰かの声が聞こえた。

ピチャン!…フワン………

「…ゆいちゃん!」「ゆい〜!」(フリフリ!)

「!?……え?………う…嘘…!?…あそこに…いるの…!?ま、まさか…!…おっ……お兄……ちゃん…!それに……お姉…ちゃん……!」(ハッ!)

【Linea】は、水鏡の世界に住む、住人の者達から、声をかけられたので振り返る。そこには、特別儀仗服の白の制服を身に纏った三橋と、アンティークホワイトのパーティードレスを着た聖母のような女性、ゆいの姉ありさの姿があり、そこに立っていた。気づいてくれたのか二人は安心し、笑顔で挨拶を交わす。

「やあ、およそ10年ぶりだな、ゆいちゃん!…見ないうちに、本当に大きくなって、立派なレディになったね!!」(フッ!)「ゆい!…久しぶり。…本当に元気そうね!もうその様子だと…病弱の身体ではなくなって…健康そのもののようね!…ふふっ!白狼くんの言う通り…安心したわ!!」(二コッ)

「!!…あ……!!…あぁ…!お兄ちゃん…!!お姉ちゃん…!!…うぅ…!…グスッ…!…うわぁああああん!!!!」(ポロポロ!)

ダキィッ!!

「うぉっ!!……やれやれ、君もか!…白狼と同じで…本当に世話をかけさせてくれるよ。……だけどこの温かみ…とても懐かしいな。…10年前に戻った気分だ!…なっ!ありささん?」(なでなで…)

「うふふ…本当ですね三橋さん!…昔はあんなに小さかったゆいが…今はもうこんなに立派になったんですものね〜!!」(ギュッ!)

「うわぁあああ〜〜ん!!本当に会いたかったです〜!!…うぅ…お兄ちゃん!!お姉ちゃん!!……うぅ!!……グスッ…!!…ハッ!?…で…でも!?…何でお兄ちゃん達がここにいるのですか!?」(ギュッ!)(ポタポタ!)

【Linea】はその疑問に対して三橋とありさは笑顔で向かい合って彼女に優しく説明する。

「ゆいちゃん。…ここはね。白狼の夢の中にある心の世界なんだ!…今いるゆいちゃんの【Paradiso】の世界で言うとね…【Sognare】っていう現象が起こっていて、僕達はあくまで白狼自身が認知している僕でしかないから…現世にいる本物の私である《三橋宗一郎》ではないんだ。……!…けどね。君とありささんとの過ごした現世での思い出は、ちゃんとこの胸の中にあるから覚えているよ…だから安心して!」

「ゆい、私も同じなの。…でもね、白狼くんの心の中の世界に住む私とはいえ…本当にあなたが元気そうな姿で、こうしてまた会えて本当に嬉しい!!……この世界に来て…あなたは色々酷い目に遭っていて…とても辛い事があっただろうと思うけれど。……それでも白狼くんは諦めず、約束通り、身を挺してあなたの事…守ってくれたのね!……あなたが無事で…本当によかったわ!」(ポロポロ!…ダキッ!)

「どっちでも構いません!!…私からすれば…ハクローさんのようにこんな広大で濁りのない…澄んだ鏡写しの綺麗な水鏡の心があり、広い価値観を持つあの人だからこそ、このように見せている世界であるならば…!!例えここにいる人が本物のお兄ちゃんとお姉ちゃんとは違ったとしても…!!私は二人が大好きである事に変わりはありません!!…ハクローさんは、私や仲間を助けるために【Dail】の部下と立ち向かい、剣を持って、臆せず…最後まで全力でぶつかり、私を守っていただきましたから、もう大丈夫です!!…でも…お姉ちゃんの言う通り、本当は…凄く怖かったです!!…私…この世界に来て、色々辱めを受けられたり、いやらしい目にだって遭いました!…それでも、あの人が救いの手を差し伸べて下さって助けてくれました!…私…あの人のこと…白狼さんが……!!ハクローさんの事が好き…大好きなんです!!///」(ポタポタ!!ギュッ!)

【Linea】は【Hux・row】への好意を大きく曝け出し二人に伝える。それを見た三橋とありさは少し意地悪そうな顔つきでこのように話した。

「はは…そうか!…そんなに白狼のことが好きなのか〜!!…千夜ちゃん!!…いるんだろ?…君のフィアンセがありささんの妹に取られそうだぞ!」

「ふふ!千夜ちゃ〜ん!恥ずかしがらずに出ておいで〜!」(フリフリ!)

「…え……!?」

ピチャン!…フワン………

「あ…あはは…バレていましたか!///…やっぱりアイツの心の中の三橋さんといえど…あなたには敵いませんね…」(ピチャピチャ…)

「…え?…!!ええ〜っ!?…あっ!…あなたは!?…は…ハクローさんの…!!…ふぃ…フィアンセさん!?///」(アワアワ!!)

【Linea】はとても驚いた。それは、【Makiras】との戦いの時に、【Hux・row】が左手に持っていた《蒼夜の十手》から添えるようにして、【Hux・row】に温かく語りかけ、励ましていた女性であり、【Hux・row】自身の心の中の世界にて、千夜の十手に宿った《絆》によって存在している千夜の姿があった。彼女は赤面しながらも微笑みを浮かべながら【Linea】に近づいてきた。

「…あなたとは面を向かって名前を言うのは初めてね!…こんにちは!…私は千夜!白狼とは同い年で居合道の仲間なの!……あと…アイツの現世での愛人だったの!///…よろしく!」(二コッ!)

「ち、千夜さん…というのですか!?…あ、あの…私は…ゆい…あ、いえ!…今この世界では【Linea】といい!…《リーネ》と呼ばれています…!!よ、よろしくお願いします!!は、ハクローさんには本当に助けられて…あの!…その!…あうぅ〜……!!///」(プシュ〜!!)

「あはは!!…もう緊張しすぎよ〜!!…その様子だと、アイツが放っておけなさそうなタイプの子ね〜!!…ふふ!」

ギュッ!!

「え!?ええっ!?///…あ、あの!?」

微笑みを浮かべた千夜は優しく、温かく【Linea】を抱擁する。そして涙を堪えながら語りかけた。

「ゆい…あなたの事は西野さんから聞いているわ!…小さい頃から病弱で…とても苦労したのね…!…私はね…今看護師をやっていてね…!…かつてのあなたが抱えていたように…病気を持っている患者さんのために、毎日頑張っているの。…だからあなたも…!…あいつが困った時は力になってあげなさい…!…約束できる…?」(ポロ!)

「…!!…はい…はいっ!!…ありがとうございます千夜さん!!…私…頑張ります!!…必ず…あの人の力になりますから…!…だから!…千夜さんも…!…どうか泣かないでください…!!」(ポタポタ!!)

「ばっ…バカ!…誰に言ってるのよ…!!…私が泣くわけないでしょうが!!……でもね…ゆい!…あなたには一度会ってみたかったの!…あいつがこの世界に来て、必死になって守りたいと思える人が…一体どんな子なのかってね。…もう…本当に無茶するんだから…あいつは…!」(ポロポロ!)

「…私の方こそ…!…本当にごめんなさい…!!…私もしっかりしないといけないのに…ハクローさんにいつも助けられてばかりでっ…!!…うっ!…うわぁあああん!!」(ポロポロ!)

ポタ!ポタ!ポタ!ピチャン!!

二人の流した涙がお互い鏡面となっている水溜りの地面に涙が流れ落ちていく。その様子を三橋とありさは微笑んで見守る。

「仲違いを起こすものかと少し心配したが…アテが外れたな…!」(フッ!)「ふふふ…!大丈夫ですよ三橋さん!……だって二人共…お互い白狼くんの事が好きなんですもの…!」(クスクス!)

・・・
・・


「…どう?落ち着いた?」

「は、はい…!…お見苦しいところをお見せしてしまって…本当にすみませんでした…!千夜さん!!」(ぺこり!)

二人はお互いに落ち着き、三橋が【Linea】に近づき、ある提案をした。

「…そろそろ白狼も目覚める時も近いか…ゆいちゃん…頼みがあるんだがいいかな?」

「えっ?…は、はい!?お兄ちゃん!…なんでしょう?」

すると、三橋が腰にぶら下げていた自慢の儀礼刀を出し、騎士のように剣を構える姿勢をしていた。そして【Linea】に対し、こう話した。

「…僕と…手合わせをしてくれるかな…?」

「…!!…えぇっ…!?そ、そんな!…私が…お兄ちゃんと…!?…む、無理ですよそんな!!…私…お兄ちゃんと戦うなんて…!!」(ブンブン!)

三橋の突然の提案に、【Linea】は三橋を傷つけたくないのか、勝負から逃げるかのように真っ向から否定する。しかし、その様子に隣にいたありさは見かねて少し厳しめにこう語りかけた。

「…ゆい…あなたはそうやって自分は戦うことから逃げて…白狼くんに助けられてばかりで…本当にそれでいいの…?」

「…!!…でも…でも…!!」(フルフル!…)

「ゆい!!…いいかげん前を向きなさい!!」

「!!」

【Linea】の抱えていた迷いを打ち消すかのように千夜が強く主張し、元気つけるように言った。

「ゆい…!…あなたが三橋さんのことを大切な人だから戦いたくないという理由で勝負を避けたいのは分かるわ…!…でもね、それで逃げてばかりで…いざとなった時…アイツ…白狼にもしものことがあって…その時に誰があいつのことを守ってやれるの!?…あなたは…白狼の事…本当に守ってあげたい程…好きなの?…どうなの?」

「…!!…千夜さん…!……私は…!!…くっ…!!」

ピチャン!ピチャン!

【Linea】は意を決し、三橋の前に立ちはだかる。その表情からは迷いは消え、三橋を真剣な目で目線を合わす。

「…お兄ちゃん!…手合わせ…お願いできますか?…もう私は…迷いません!!」(キッ!)

「…わかった。よく決意したね!…ゆいちゃん…いい覚悟だ!!…ありささん…あれを持ってきて!」

「はい!…ゆい…これを持ちなさい!」(スッ!)

「えっ?…あっ!?…結構…重いのですね…!…でも…持てなくはないです…!!」(これ…薙刀にしては…変わった刃をしています。それに逆刃には三日月のような刃があります…西洋のものでしょうか…?)

ありさから渡された薙刀は、フォチャードと呼ばれる西洋やヨーロッパで中世の時代から使用され、グレイヴとも呼ばれる薙刀に似た武器であり、約2メートルの長さがある。刃の逆刃には、攻撃を防ぐための三日月状の刃が備えられており、そのことから攻守に向いた武器とも言える。その刃からは清らかな聖なる慈悲を感じられる温かい光が宿っていた。それを見て安心したのか、より闘争心を引き立てて前を向いて三橋と対面する。

「…覚悟はできているかな…ゆいちゃん?」

「……!」

【Linea】は三橋に対し、戦闘の意を示した。

「はい!…もう迷いません!」

「よし…じゃあ、戦闘用に…これを身につけたまえ!!…ハァッ!」

キィイイイイ!!

「!!…光が……え…?…あ…!?…これって…薙刀術の…道着…!!…お兄ちゃん…!?」

三橋はの前に手を翳し、決戦にふさわしい服装として、薙刀術をする際に着用する道着に姿が変わっていた。すかさず三橋に疑問を問いかける。

「決戦ともなれば…こちらも本気で手合わせをしたいものでね…準備はいいかい?…ゆいちゃん?」

「…はい!よろしくお願いします!…では…尋常に…!!」(チャキ!)

「…ああ!…尋常に…!!」(チャキ…)

「「勝負(です!)」」(キーーン!!)


二人の掛け声と同時にお互いの武器がぶつかり合い、戦いの火蓋を知らせるが如く、軽く刃同士が交えて交差し合い、静かな空間から刀と刀がぶつかり合う音が響き渡った。そして、お互いの持つ武器が構えられ、決戦が始まった。

🎼Back Ground Music 》》》




♪〜TOGFより・決戦!奮い立たせて!



《海上自衛隊幹部・三等海佐》
   《三橋宗一郎》


「…行きます!!…ハァッ!!…セイ!!」(ブン!シャ!)

キィン!!!

「…!!…ふむ!…なかなかいい筋をしているね、ゆいちゃん!……伊達に幼少の頃から、ありささんと薙刀を学んでいたわけでは…なさそうだ!!」(ヒョイ!)

「まだまだこれからですよ、お兄ちゃん!…私は…あなたを超えてみせます!!」

「その意気だ!!…せい!!」(ブン!)

「…!!…くっ!!」(キン!)

【Linea】と三橋は互いに刃を交える。【Linea】自身も、身体の健康状態は良好であり、風が吹いているかのような、華麗なフットワークで前へと三橋を攻めていく。その光景を見ていた千夜とありさは二人の戦いの末を見守っている。

「…いよいよ始まりましたね…一体どちらが勝つんでしょうね…前は白狼が三橋さんに勝って、今度はゆいとの戦い…か…」

「…ゆい…頑張って…!!」(ギュッ!)

「ハァッ!!…避けましたか…!」

三橋は軽い足取りで避けつつ、次の迎撃準備を整えていた。

「さて…そろそろ…君の知っている技を…見せようか、ゆいちゃん…!!ハァッ!」

カン!カン!キィーン!!

「……!!…うぅっ…!!…これはハクローさんの技…!?さすがはあの人の夢の中の世界…色々技を出してきますね!!…やっぱり強いですね!…流石お兄ちゃんです!!」(ニッ!)

「楽しそうだね、ゆいちゃん!…いいことだ…!…はぁ!!」(ブン!)

「ハァ〜…!!ヤァ!!」(ブン!)

キィーーン!!

「…ゆい…あの三橋さんとここまでやり合うなんて…」「…ゆい…あなたは…!?」

「やああ〜!!」(ブン!…シャッ!)

「…ッ!」

プス!

「!!…あ、当たった…!?」

【Linea】の薙刀の突きが、三橋の右肩を貫いた。貫いたところから出血が見られ、思わず一本当てた事に驚く。しかし、三橋自身はまだ余裕を持って軍刀を持ち、次の一手を仕掛けようとしていた。

「…やるね、ゆいちゃん…じゃあ次はどうかな?……ハァ!!」(シャッ!シュッ!シャッ!)

キン!カン!プス!!

「ああっ!?…くっ!!…」(ポタポタ!)

「!!…ああっ!当てられた…!」

「!?…ゆ…ゆい!!だ、大丈夫!?」

三橋は【Jeik】を連想させる高速の三連突きを放ち、ゆいの左肩を貫いた。しかし痛がるも決して諦めず、三橋に立ち向かう姿勢を持つ。

「大丈夫です…お姉ちゃん!…私は絶対に諦めません!…こんなの…あの時の苦しみに比べれば…なんてことはありません!!…やぁぁっ!!」(ブン!)

「…!!…そうか…その目……覚悟しているようだね…!!せい!!」(ヒョイ!…ブン!)

「甘いです…!!そこですっ!!」(ブン!)

「…はぁ!!」(クルクルブン!!)

「!!…くっ!!…」(ゴロゴロ!)

スカッ!!

三橋は、以前【Hux・row】が使った、技の型の一つ兜割りを行うも、【Linea】は三橋が上に飛んでいる事にすぐに気づき、その場から離れる。その様子を見て三橋は称賛の声をあげた。

「!!…よく躱したな!…ゆいちゃん!」

「ハクローさんの戦っている姿を、この目で見てきましたから…もうあの人に守られるだけの私じゃない!…私は…!!私は……!!はあぁっ!!」(ブン!ブン!ブン!)

シュン! シュン! シュン!

「!!…なっ!?…くっ!!」(ズシャ!)

「!!」

「あの光は…まさか…斬撃!?」

【Linea】は刃に魂を集気させ、破壊力の備わったエネルギーにしてかまいたちのように斬撃を放出させる。思わずその能力を身体で実感し、三橋は笑みを溢す。

「…フフ!…全くなんて子だ!…ありささん…本当に君の妹は…何かとてつもない力を持っているようだ!……!!面白い!!」(チャキッ!)

「…!!」(ゾクッ!!)

三橋は日本海軍の儀礼刀を台頭し、抜刀術の姿勢にて身構えていた。その様はまるで武士道でもあり、騎士のような出立ちをしており、守る者の為ならばこの命を落としてでもその意志を全うしようとする武力をも醸し出していた。それを見た【Linea】はそのプレッシャーに臆されたのか、少しばかり戦意を押し下げられる。

「…ゆいちゃん…覚悟はできてるかい?…今度は…躱せるかな?……!!ハッ!」

シュッ!

「…!!消えっ…!?…ああっ!!」

ザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュッー!!

ザザーーー!!

「……」(ブンブン…チャキン!!)

ブシャ〜!!

「!!……!?ああぁっ!!……ぐっ!!…う…うぅ…!!」(ポタポタ!)

「!!…くっ!」(ごめんね…ゆいちゃん…でもここは戦場なんだ!…いくら君でも…決して手は抜けないんだ…!…そして白狼…僕が君に名付けた流派《白狼夜宗流》…僕自身も考えて…このようにつけた…)

《【臨海宗一刀】(りんかいしゅういっとう)一ノ型【白月一迅】(びゃくげついちじん)》

「ゆい!…ああ…あの時のあいつと…同じ…!!」

「ゆい!!…ッ…しっかりして!!」

【Linea】は三橋の神速の攻撃に対応できず、七連撃の攻撃を直に受け、身体中に血が流れ出す。流石の千夜とありさも心配そうに【Linea】を見ている。しかし彼女は諦めず、立ち上がっては武器を持ち、三橋の方を見つめる。そして薙刀を構え、その場にて集中する姿勢を見せる。

「…大丈夫…です…まだ…やれます!!…ハァッ!!」(ググッ!)

キィイイン!!

「!!」

「ゆいの身体が…光ってる!?」

「…ゆい!…あなた…!」

「そうか。…治癒能力か!?」

【Linea】は集中して周囲の魂を集気させ、自分の生命力に置換する。そしてそのまま、まるで抜刀するかのように薙刀の刃を下にし、集中の姿勢に入る。

「……」(チャキン!)

「!!…その構え…抜刀術のつもりか…いいだろう、ゆいちゃん!…受けて…立つ!!」(シャー…)

キン!!

「!!…三橋さんも…また抜刀の構えを!?」

「…ゆい…お願い…無事に…!!」(ググッ!)

「……」(お兄ちゃん…ここで…終わりにします!!…安心してお姉ちゃん…絶対に私は負けません!!)

「……」(…ゆいちゃん…僕は君を侮っていたよ…まったく…本当に驚かせてくれる子だよ……そして白狼。…君も…)

両者はお互い集中している。ここで勝利を掴もうと一歩も譲らない。そして両者の集中が一気に高まった時、決着が着けるかのように目を開く。

「!!」(カッ!!)
 
「!!」(カッ!!)

ダッ!! ブン!!!

「…!!上か!?」

「はあぁあああああ!!」(ブン!!)

三橋の攻撃を【Linea】は天高く飛んでは躱し、そのまま薙刀を三橋に向かって天を貫くかのように身体を突き刺した。

グシュッ!!

「!!ぐぁっ…!!……はは…!…見事だ!…ゆい…ちゃん…」

バターーン!!

「お…お兄ちゃん!!」(お兄ちゃん…!!…でも…か…勝った…!!…お兄ちゃんに…ハクローさん…私勝ちました…!…ハクローさん…私は…)

《あなたに背中を預けても、決して恥じないような戦乙女として…これからもあなたを全力で守護します!》

三橋は満足そうに笑みをこぼし、その場から倒れ伏せた。その様子に【Linea】は心配そうに三橋に駆け寄る。心境では満足そうに【Hux・row】を守る意志を固めていたが、倒れ伏せた三橋を治す為に【Linea】は治癒能力を使う。

キィイイン!!

「……」


B. いいえ


《Capitolo・2》
続きを読みますか?


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜TOSより・ロイド:オカリナVer

「お、お願いです!!目を開けてください…お兄ちゃん!……お兄……ちゃん……?」

「………」

【Linea】は治癒能力を使っているが、三橋は一向に目を覚まさない。その様子を見て不安になってきたのか、遂に彼女の目からは悲しみの涙が溢れ出した。

「!?………う……嘘……!?……!!…そ、そんな……いや………!!いやぁ〜!!お兄ちゃん!お兄ちゃあ〜〜ん!!…!!どうか目をお開けください!!…あぁ!…うぅ…ごめんなさい…!…私…!!うわあぁああん!!」(ポタポタ!)(ダキッ!)

「三橋さん!!…あ……あぁ……!!そ、そんな…!!…………なんてね!…ふふ!そろそろ目を開けないとゆいがかわいそうですよ〜!三橋さん♪!!」(クスッ!)

「…え…?」(ピタッ!)

「そうですよ!」(クスクス!)

「…え?…え?」(ピタッ!)

「…フッ…そうだな…!…よっと!」(ポンポン!)

「…え!?……えええぇぇぇ!!!!お、お兄ちゃん…!?…ど、どうして!?…!?ふ、服も直ってる!!…でもどうして!?」

三橋はまるで【Linea】をからかうかのように目を覚まして事の事情を簡潔に説明した。

「大丈夫だよ、ゆいちゃん!…それにもう忘れたのかい?…ここは白狼の夢の中の世界だから、この【Paradiso】の世界に存在する【Fiducia】…その能力を使えば、このようなケガはすぐに治るさ。それに彼が僕達のことを忘れない限り…いつまでもここに留まっていることが出来るのだから大丈夫だよ!…でもゆいちゃん…まさか泣くほど私の事を心配してくれたとは思わなかったね…なっ!…ありささん!」(クスッ!)

「ええ、本当にですね〜♪!…どんなに大きくなっても、いつまで経っても…やっぱりゆいはあの頃のゆいのままなのね〜ってね…!うふふ!…あはは!」(クスッ!)

二人は【Linea】の反応が面白かったのか笑っていた。それを見て赤面して【Linea】は拗ねるかのように怒っていた。

「うぅ〜!///…も〜う!!///お兄ちゃんとお姉ちゃんのバカぁ〜ッッです!!///意地悪です!!///…本当に心配したんですから〜!!///…もう二人のことなんか知りません!!///」(プンプン!!///)

スタッスタッ! ダキッ!

「えっ!?…何故に私?」

【Linea】は三橋とありさを後にし、千夜のところに歩み寄り、思いっきり身体に抱きついて顔を埋める。そして千夜に対して、まるで女性の模範的な憧れのように話しかけた。

「私…千夜さんのこと…憧れの女性のようで好きです!!///ちょっと男勝りなところがあって…大人っぽくて…とても頼りがいのある…そんなあなたが…女性として…好きです!!///…きっとハクローさんも、そんな頼り甲斐のあるあなたに惹かれて、あなたと晴れて恋人で…《フィアンセ》になれたのだと思います!」

「!!…ふふっ!…そっか!…ありがとね、ゆい!…でもね。……!!男勝りは余計だっての!!///」(デコピン!)

「あうっ!?///…いっ!痛いです〜!!///」(スリスリ!ぴえん!)

男勝りというワードが気に障ったのか、千夜にデコピンされた【Linea】は涙目になりながら、おでこを撫でる。それを見ていた三橋とありさは笑い、仲睦まじそうに見守っていた。

「ハハッ!!…あの二人…何か仲睦まじいな!」「ええ本当に…ゆいったら…もう千夜ちゃんとあんなに仲良くなっちゃって〜!…千夜ちゃん…すっかりあの子のお姉ちゃんですね!…私、少しばかり妬けてしまいますね〜!」 

「あはは!…何かゆいを見ていると後輩の千里の事を思い出すわね〜!…あ、そうだゆい!あなたって何か流派はあるのかしら?」

「え?…流派ですか?…おばあちゃんから薙刀術は学んでいましたが、自分の流派は…いえ、特にありませんね」

【Linea】は自分の流派は特にない事を話す。それを聞いて、千夜は笑みを浮かべ、思いついた名前の流派を教えた。

「そう。じゃあね!あなたに合いそうな流派の名前を思いついたの!…【天日輪槍術】(てんにちりんそうじゅつ)ってどうかしら?」

「?【天日輪槍術】?」

「天に高く登り…日輪のように明るくて温かく…槍の如く勇ましく薙刀を振るような術を持つあなたの姿からそう考えてみたの!?…どうかしら?」

「…!!…はい!とてもいい名前です!…わかりました!では先程お兄ちゃんに決めた技は…千夜さんの名前に因んで…一ノ槍【夜月槍】(やづきそう)という名前にします!…今度から千夜さんに教えられたその技の流派の名前…大切にします!…本当にありがとうございます!!」(キラキラ!)

「ふふ!よろしい!」(なでなで!)

千夜は機嫌よく、まるで現世での後輩《千里》と話しているかのように【Linea】と仲睦まじく会話をしている。そして千夜の名付けた流派の名前を聞いて三橋とありさは、考えに耽っていた。

「…僕が白狼に【白狼夜宗流】と名付けたけど…どうやら今回は」「白狼くんのフィアンセの千夜ちゃんがゆいに教えたのね〜♪…もうあの子ったら…あんなに目を輝かせちゃって!」(クスクス!)

・・・
・・


「じゃあそろそろ行きなさい!…アイツにも…白狼にもよろしく言っておきなさい!…頼んだわよ、ゆい!」

「はい!…千夜さん…本当にありがとうございます!…貴女は本当に私の憧れの女性です!…いつか、千夜さんのような素敵な女性になって……ハクローさんと一緒に【Paradiso】で幸せに暮らしていきます!///」

「もう!別に憧れなくてもいいの!!…あなたはあなたでいなさい!…ゆい…あなたには思った以上に、私なんかにはない大切なものがあるのだから、自信を持ちなさい!」

「は、はい!わかりました!…あ、そうだ!…お姉ちゃん…この薙刀…!」

【Linea】は薙刀をありさに返そうとする。しかしありさは手を押さえつけ、ニコリと微笑み、こう返答した。

「それはあなたが持っていなさい。それに、その薙刀の逆刃の三日月のような刃…ゆい…あなたにすごく似合っていますよ。……大切にしなさい!」

「!!…わかりました…大切にします!…後お兄ちゃん…その白の制服…西洋の騎士みたいで…とても素敵です!!…それにお姉ちゃんも…やっぱりそのアンティークホワイトのドレス…とても素敵で、綺麗です!!///」

「ふふ…ありがとう…ゆい!」(ニコニコ!)

「…ありがとうゆいちゃん!…あ、そうだありささん!…ゆいちゃんにもう一つ…あの時…私が白狼に送ったように、今度はゆいちゃんに渡してあげてくれるかい…?」

「……?」
 
「ああ!…そうですね!…ゆい!……受け取りなさい!」

フワァー!

「!?…また…身体が光って………!?…あっ!?…お、お姉ちゃん!?……こ…これって…!?」(アタフタ!)

ありさが天に手を翳すと【Linea】の身体が光りが宿り、道着から着ていた服装が変わり、確認すると上にはありさと同じようなドレスの配色の色のアンティークホワイトカラーの足の踵の上まであるロングカーディガンを見に纏い、中にはネイビーのハイネックの服に下は純白のミニスカートに黒のニーハイソックスを身に纏った姿をしていた。その姿を見て、ありさは微笑んでこう話した。

「…いつかあなたが元気になって退院したら…コーディネイトしてあげようと思ってずっと考えていたの!…どう?…気に入ってくれた?」

「!!…うん!…ありがとう…お姉ちゃん!!…この服…とても素敵!…気に入りました…!!…本当に…嬉しいです!…ありがとう!!」(ポロッ!)

ダキッ!!

「あらあら…!!もう!」「…ハハハ!」「ふふ!!」

三橋、ありさ。千夜の三人は仲良く【Linea】を抱き寄せ、別れを惜しみながらも出口まで案内して【Linea】を見送った。三橋は敬礼し、ありさは律儀に手を振り、そして千夜も同じくにこやかに笑い、手を振っていた。【Linea】は三橋とありさに対し、現世に住む二人に対してのメッセージも込め、このように温かい風が吹くようなイメージで別れの挨拶を伝えた。

《お兄ちゃん!お姉ちゃん!私はおかげさまで身体は健康です!いつも元気に過ごしていますよ!》

・・・
・・





〜時は戻り【Paradiso】歴2000年6/28・昼方【R・P社】【Grazia】ギルド・ベッドルーム〜

「…以上が…私がハクローさんの夢の心の中の世界【Sognare】で経験した出来事なんです!」

「……そっか。…リーネも【Sognare】の世界で千夜に会ったのか!……怒ってなかったか、あいつ?」

「いえ。……むしろ応援しておりましたよ。…ハクローさんの事をこれからもよろしくと、そう伝えておりましたよ!」(二コッ!)

「そうか。…わかった!…んで、その西野さんからコーディネイトしてくれた服は…【Wear.CR】で作ったってところか?」

「そうです!ベアさんが色々教えてくれて、色々作っていただきました!…ちょっと際どい服もありましたが…///」

「あ〜なるほどな…」(やれやれ!)

【Hux・row】はこの時、心の中で思った。おそらく【Linea】を着せ替え人形のように、色んな服を着せては楽しんでいた【Beanne】の姿が安易に目に浮かんできた。そして、【Linea】のファッションを見て、あるがままのことを伝えた。

「…でも、さすがは西野さん…良いセンスだよ!…リーネ!…その服…すごく似合うよ!」

「えぇっ!?///…あ…ありがとうございます…///嬉しいです!!///」(この服…褒めてくれた!…あ〜嬉しいようで恥ずかしいです〜〜!///)

コツンコツン……

「…ふふ、リーネ!顔が真っ赤ですよ〜!」(クスクス!)

「!!す、ステラさん!?///」

「ん?あ、ステラ!その様子だとリーネの言った通り、ここの【Grazia】で勤めているんだな〜!」

赤面した【Linea】を茶化すように、【Stera】が現れた。【Hux・row】が気がついたのを確認するとご機嫌伺いを始め、挨拶をした。

「はい、おかげさまで!…ですがまだこの子と同じく研修中の身分ではありますが…ハクローさん、もう調子はよろしいのですか?」

「ああおかげさんでもう身体は大丈夫だ!…じゃあちょっと、ルーシス室長のところへ挨拶に行ってもいいか?…さすがに一週間も休んではまずいだろ?…それに何かあるんだろ?」

「ああ…それは…あ、ルーシス室長が来ました!!」

「え?…あ!?…ルーシス室長!!………え?…!?」

バァーーン!!!

「やあ。……具合はもう良いのかい?…ハクローくん?」

「る、ルーシス室長!?…って…ええっ!?…どうしたんですか!?その手の包帯!?……!!まさか…俺が寝ている間に…何者かが襲撃に来たって事ですか!?」(ガタッ!)

【Hux・row】は【Lu-cis・H】の怪我を見て驚いた。それは骨折していたからか、腕にギブスをはめていた。思わず驚き、敵襲なのかと感じ、ベットから飛び起きた。だがそれを、【Linea】と【Stera】が素早く止める。

「ち、違うんです、ハクローさん!!落ち着いてください!」「そうなんです!ルーシス室長の怪我はですね…実は…」

《リーネの早とちりが原因だったんです!!》

「!!…え?…そうなんですか…ルーシス室長?」

「…ああ…私も驚いたよ…君も私の顔を見て驚いたのもそうだが…まさかリーネくんも…その一人だったとは…初対面であんなことになるとは…」(やれやれ…)

【Lu-cis・ H】はその出来事の経緯と詳細を教えてくれた。

・・・
・・



🎼Back Ground Music 》》》



♪〜蛍の光

〜【R・P社】ルーシス室長室前〜

「ここが…室長室ですか…!」

「少し…緊張しますね!」

「大丈夫だよ〜リラックスして!」

コンコンコン!

「お〜いルーシスおじさ〜ん!来たよ〜♪」

どうぞ〜!

「あららこの声!どうやらネラも一緒にいるようだね〜♪!…まず私が先に入るね!二人はちょっと待っててくれる〜?」

「は、はい!」

「わかりました!」

・・・

「お、遅いですね〜…」

「あれから10分は経っているようですが……」

蛍の光〜♪…窓の雪〜♪

「?…なんでしょうか?…《蛍の光》のコーラスの歌声が聞こえてきますね〜?」

「?…ホタルノ……ヒカリ?…現世の歌ですか、リーネ?」

「そうです!…でもどうしてでしょうか〜?」(首かしげ?)

ガチャ!

「はいはぁ〜い!入ってきて!」

「し、失礼します!」「失礼します!」

ガチャ!

「……」

【Linea】と【Stera】は室長室に入った。そこには先程入室した【Beanne】と、何故か【Campanella】【Bill】【Rolan】の3人が立ち尽くしており、赤いカーペットが床に敷かれ、目の前には緑のカーテンが靡き、周囲は白い空間で彩られた空間であった。そして窓を眺めていた男性が目の前にいる。そして、男性はそのまま、二人に声をかけた。

「君達が…我が【R・P】社(追憶と命題)のギルド加入希望者か?」

「はい!私は【Linea】と申します!【Fiducia】の能力は魂の集気系能力で治療が得意です。ランクは最近になってEになりました!」(ペコリ!)

「私は【Stera】と申します。ユートピア人の為、能力は持っておりません。…ランクEでございます」(ペコリ!)

「…フッ…そうか」(クルン!)

「…!?…お、お兄…ちゃん…!!」(ポロッ!)「え…?リーネ?」

すると、その男は振り返り、【Linea】と【Stera】の方を見る。その容姿は、西洋の紳士のような二つ分けの髪型をして長いロングコートを羽織っていた。その顔つきや姿を見て、【Linea】はとても驚いた。それは自分のよく知っている人である三橋と顔と姿、体型が瓜二つであり、声も似ていたからである。思わず声を出しては目を大きく見開いて驚き、涙が出てきてはその隣にいた【Stera】もその様子に少し驚いたようだ。その様を見て男性はこう語りかけた。

「ん?どうしたんだい?【Liene】君……!?…え?…」

「お兄ちゃぁぁぁあああああん!!!!」(ブワアァァ!!)(ダダダッ!!)

ダキィッ!! ドタン!グギッ!!

「…!!くっ…!!ぐあっ…!いた!…いたた!痛いって!…ちょ!!【Linea】君!!…は、離したまえ!…て、手首を捻ったのだ…!!ぐぁっ!!」(ズキズキ!!)

「うわ〜〜〜〜〜ん!!お…!お兄ちゃーーーん!!…私…!!私【Dail】邸で…とても怖い思いをしましたーーー!!…でも…また!…また会えてよかったです!!うぅ…うわ〜ん!!お兄ちゃ〜ん!!」(ポロポロ!)

「ちょ!ちょっとリーネ!?お、落ち着きなさい!」

「リ、リーネちゃ〜ん!ルーシスおじさんを離してあげて!!どうやらさっき転倒して、手首捻って怪我したから!!……!?って!?…お、お兄ちゃん!?……まさか、リーネちゃん!…ハクローくんの恩師の《三橋さん》って人とルーシスおじさんを勘違いしてるぅ〜!?」

「…えっ!?それ、マジぃ〜!?」

「そういえば教官から!三橋って名前の恩師の人とルーシス室長が瓜二つのように似てるって言ってた!」

「」(お…おいたわしやだな…室長…)

どうやらこの話を聞く限り、リーネはどうやら三橋三等海佐と勘違いしたルーシス室長に勢いよく抱きついては転倒させ、その拍子に手首を怪我させてしまったようだ。幸い軽い捻挫であり、いきなり能力の治療では治りが悪いと判断し、自然治癒にて様子観察し、結果的に全治一週間であったそうだ。そして何より驚いたのは、こんなことがあってもルーシス室長は怒ることもなく、穏便にギルドへの加入を許すというあまりにも寛大を通り越しすぎて、慈悲神のような対応をとったことだ。あまりにも人が良すぎるように思う──────

・・・
・・




🎼Back Ground Music 》》》



♪〜大逆転裁判より・亜双義一真:使命のサムライ

「本っ当に申し訳ありませんでした、ルーシス室長!!!!…まさか俺が一週間も気を失っている間にそんなことになっていたとはぁ〜!!」

「ああ、別に構わないよ。…ふむ。…確かにこれは驚いた!!…この三橋という現世の世界で生きる軍人は…本当に私と生き写しをしているかのように…!!よく似ている!!……通りでリーネくんに抱きつかれては転倒させられて、手首を捻らせられるわけだ…」

【Lu-cis・H】は、深々と頭を下げた【Hux・row】から三橋の写った一枚の写真を渡され、驚愕の表情を見せていた。ここまで替え玉のように似ていれば、こんな災難が起こっても不思議ではないと【Lu-cis・H】自身は割り切った清々しい表情をしていた。それを見ていた【Linea】も申し訳なさそうに答える。

「あ、あの、ルーシス室長!!この度は本当にすみませんでした!私、その三橋という昔から顔馴染みのお兄ちゃんのお方がいて…その…初対面で…瓜二つのようにそっくりでして…思わずその人とルーシス室長を勘違いしてしまいましてあんなことに…」

「…だからもういいよ。…気にしないでくれたまえ。…!!だがリーネくん!…そのアグレッシブな所は評価する!…その思いっきり行動する所は君の強みだ!存分にその長所を我が【R・P】社のギルドで活かしてくれたまえ!」

「は、はい!」

「あと、ハクローくん!…君に朗報だ!」

「は、はい!…なんでしょうか!?」

【Lu-cis・H】は【Hux・row】に対し、このように伝える。

「君が押収した名刀【Louvel】であるが、この【R・P】社にて年に2回行われる《審議会》の場にて審議させてもらったのだ。……その結果、刀の刀身が折られて再起不能と判断され、結果的に名刀【Louvel】は実質処分という形となった。そこで我々【R・P】社が名刀【Louvel】の所有権を獲得し、その引き取り手を…ハクローくん!!…是非君に譲ることとする!…つまり、あの名刀は実質…君のものだ!」

「!!ほ、本当ですか!?…あ、でも…折れてしまったのでは…」

【Hux・row】は落胆していたが【Lu-cis・ H】はある提案をした。

「それについては安心したまえ。私達には鍛冶屋ギルドとの提携があるのを忘れたのかい?…ここからだと遠方ではあるが、【J島】の【Kagoya】(カゴヤ)という町に行けば、腕利きの鍛冶屋の者がいる!そこでその名刀【Louvel】に適合するふさわしい刀剣を入れてくれれば良い!…どうかな?」

「!!…わかりました!もう一週間も寝ていたので…いつでも準備はできています!」

「わかった!…じゃあ明日から引き受けてもらっても構わないかな?」

「大丈夫です!…任せてください!!」

「……!」(ハクローさん…!)

【Hux・row】は名刀【Louvel】を復活させる希望があると【Lu-cis・ H】にお礼を言い、その後、【Grazia】のベットから出て【Linea】【Stera】にお礼を言い、自分の所属する諜報機関ギルドチーム【Agente】の方へと早速顔を見せに行った。リーダー兼参謀の【Campanella】は、特に怒っていた様子もなく、無事に目を覚ましてくれてよかったと話す。そしてそのメンバーの【Bill】【Rolan】【Roar】からも【Hux・row】が目覚めて安心したからか、軽く握手とハグをした。ただ一人のメンバーを除いてーーー

ジョーーー!!!!

「うわぁ〜ん!!寂しかったよー!!ハクローく〜ん!!」(ジョー!!)

ダキッ♡ペロっ!♡チュッ♡!!///

「だぁぁっ!!///ベアさん!!///いい加減離れてくれってのぉ〜!!///」

「だめ〜♡!!///一週間も目を覚さなかったから私を寂しくした罰だぞ〜!☆」

「あはは!相変わらずお熱いね〜♪!!ハクローくんよかったね〜♪ここまで熱く心配してくれる人がいてくれて〜♪!」(ニヤニヤ!)

「…私も…ハクローさんが目を覚まして…嬉しいです!!///」

この一週間眠り続けていた【Hux・row】は心配した【Beanne】に抱きつかれて熱烈な接吻をされ困り果てていた。【Roar】はそれを温かく見守り【Campanella】は悪ノリするかのように笑みを浮かべている。

「ったく、ネラ参謀。…俺は別に///……あ、そうだベアさん!名刀【Louvel】のこと…もう聞いているのか?」

「うん!ルーシスおじさんから話は聞いているよ!…そっかハクローくん…今度はその名刀【Louvel】を直す旅に行くんだね〜!」

「おう…!今度は【J島】の【Kagoya】って街に行くことになった。出発は明日で…また留守にしちまうな…すまないな〜ベアさん!」

【Beanne】は首を横に振り【Hux・row】を元気付けるようにこのように答えた。

「いいよいいよ!…その名刀【Louvel】に適合する刀剣が見つかるといいね〜!」

「…そうだな」(【Jeik】から貰った剣もあの戦いで折れてしまったし、しばらくは木刀か…)

・・・
・・


〜【Paradiso】歴2000年6/28・夜方・【D島】【CronoSt】(クロノスト)居住区【Beanne】の家・夜〜

「…ふぅ〜!とりあえずここまでにするか…しかし、また任務とはいえ、今度は俺の武器となる刀の修復任務だとはな〜!」

【Hux・row】は明日の任務のための荷造りを終えた。【Beanne】はそれを見て【Hux・row】に次に行く街、【J島】の【Kagoya】について少しばかり説明する。

「いいじゃない!自分の武器の手入れは大事だよ〜!…それに【J島】の【Kagoya】はね〜♪…私達が生きてた現世の…えーと…京都とか金沢みたいな古い建造物の集まった茶屋街みたいなところが多くて、一年中桜が咲いているところもあったりとかね。まるで《日本文化》が栄えた和の町なの!こりゃあ旅行兼バカンスだね〜!」

「へぇ〜そうなのか!?…ちょっと楽しみかもな!刀を修理した後に観光するのもいいかもな!…滞在期間も二週間と定めているし…ま、つっても向こうでも何かしらの事件が起こって巻き込まれることも考え、警戒はしておくか…」

「…そうだね。…恐らくその街でも真・ユートピア創造士隊も裏でウロウロしているだろうから《警戒は厳となせ!!》…なんてね!また和菓子とかお土産とかあればよろしくね!」

「おう!何かあれば探しておくよ!…安心してくれ。…絶対に俺は戻ってくる!」

「…必ずだよ…ハクローくん!」(ウルウル……)

ギュウゥ〜ッ♡!

「……あの〜、ベアさん。…さりげなく抱きつかないでくれますか?……!?///…ってか離してくれ!!///」

「い〜やぁ〜〜ッッ♡…今まで目を覚さず散々私を一人にして心配かけたんだから〜♡!!…今日はこのまま…ベットへダイブの刑だよ〜♡♡!!」(キャー!!♡)

「え…うぉわ〜っ!!??」

【Beanne】は【Hux・row】を抱き抱えては自室のベットに誘導する。【Hux・row】はもがくが、【Beanne】の腕の力の方が強くびくともしない。なすがままベットで誘導されてしまい抱き枕にされて一緒に就寝の時を過ごす。しかし、赤面する【Hux・row】は流石にまずいと感じ、抵抗の意を見せる。

「だ〜か〜ら〜!///ベアさん!!いい加減離してくれって〜!///しかも当たっているから!///」

「うふふ〜♡気にしない気にしな〜い!!♡♡…ん〜〜♡…やっぱりハクローくんの身体は羽毛のように温かいな〜♪!!…今日はこのまま一緒に寝ようよ〜♡!じゃあおやすみ〜♪…zzz…zzz」(ムニッ!スリスリ〜!ギュッ!)

「!?///」(だ…誰か〜!!た、助けてくれ〜!!///)

【Beanne】の熱い強引なスキンシップにより【Hux・row】は共に熱い夜を過ごす事となり、いつの間にか朝を迎えた。

・・・

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜秋山裕和より・Dear Childhood Friend

〜【Paradiso】歴2000年6/29・朝方【CronoSt】(クロノスト)居住区【Beanne】の家〜

「…」(シャカシャカ…)

「ねえ〜ハクローく〜ん!…ど〜う?♡」(水色の下着姿でセクシーポーズ♡)

「ペッ!……」(…イラッ!…ツーン!)

【Hux・row】は歯磨きをしており、昨日の強引な夜のひと時に不満があったのか、朝から少し不機嫌な気持ちになっていた。【Beanne】はシャワーから上がったのか、水色の下着姿を露にしていたのでお詫びのサービスとして披露していたが、余計逆効果だったのかだんまりを決めていた。それを見かねて流石に無理かと思い、謝罪をかねて謝り、本題を話し出した。

「も〜う!昨日は私が悪かったって〜!…後はいこれ!整備しておいたから!」

「…ん?…!!おおっ!?…これって…【V.Prestina】(ヴェルノ.プレスティーナ)!!……あれ?前のやつと違って…かなり綺麗だ!…新品か?」

【Beanne】は【Hux・row】に【paradiso】製の自転車型の乗り物である【V.Prestina】をお披露目した。ボディーは白銀色で構成され、【Hux・row】のイメージカラーになっている。そしてそれについて、【Beanne】から丁寧に説明する。

「ふふ〜ん♪実はね〜今回【Agente】が【Makiras】を討伐し、【dail】も確保したから【dail】邸での事件の功績が認められてね〜!ルーシスおじさんからハクローくんとビルくん達にプレゼントしてくれってね!…【V.Prestina】は任務でもよく使うからよかったね〜♪」(お着替え〜♪)

「…そうか…!!ありがとなベアさん…そしてありがとうございますルーシス室長!!…ビルの奴もきっと喜んでいるんだろうな!!」

・・・

〜【CronoSt】(クロノスト)居住区【Rolan】の家・朝〜

「…!!ホントに良いのか…!?ロラン兄貴!?【V.Prestina】を貰っても!?」(キラキラ!!)

「ああ!ルーシス室長から俺達の功績を認めて、ビルに是非渡してやれとな!…よかったなビルよ!!」

「ああ…!やった〜♪ありがとうロラン兄貴!ルーシス室長!【V.Prestina】…大切にするよ!!よ〜し休みの日はドライブでもしてみるか〜!!」(ヒャッホー!!)

「うふふ…!ビルさんってば…!子供みたいに喜んでいますね!」(ニコ!)

「ん?お〜起きたかステラ!…すまんな!こんな男しかいない家で女の君を泊めてしまってな…【dail】のこともあるのに、本当に申し訳ない!」(ぺこり!)

【Rolan】の家には、【Bill】と新しい同居人【Stera】がいた。どうやら泊まるところがなくて困っていたところをしばらく次の家が見つかるまではと思い、【Rolan】の家に泊まっている。【dail】の一件で男性恐怖症があったが、【Rolan】の説得もあり、多少は落ち着き、【Bill】と【Rolan】のことをある程度信頼している様子であった。

「いえいえ…私ならあれからは…もう大丈夫です!…どうかお気になさらずに!…では朝食の用意しますね!」(スタスタ!)

「…!!…ステラ…!…いやステラ姉さん!…俺も手伝うよ!」(バッ!)

「え…!?いえいえビルさん…!…いいんですよ別に…私一人でも大丈夫ですから…!」(アタフタ!)

「…仕方ない!俺も手伝おう!…ビル!皿を取ってくれるか?」(ガタッ!)

「わかった!任せてくれ!」

「ロランさんまで…!…もう…うふふ!お二人様…ありがとうございますね!」(ニコニコ!)

【Bill】と【Rolan】は【Stera】のことを優しく気遣って朝食の用意を始める。その姿はまるで親子のように思える仲睦まじい空間であった。【Stera】の表情からは二人の優しさに笑顔が溢れていた。

「…そうか教官…今日からしばらくはJ島の【Kaguya】って街で仕事か〜!」(モグモグ!)

「ああ。だが帰ってきた時には一緒に何か美味い飯でも食べるとするか…と言いたいが、ステラの飯が…凄く旨くて…その必要はなさそうだな!」

「えぇ?…ほ…本当ですか…!?///」

「ああ!!…ステラ姉さんの飯!本当に美味しいよ!!…それに…凄く優しい味がする…」(グスッ!)

「…!?…あらあら…もうそんなにですか〜!」(二コッ)

「そうかそうか!涙が出るほど美味しいか!ハッハ!どんどん食べろ!」(パンパン!)

【Bill】【Rolan】【Stera】は仲良く朝の食事をする。そして【Rolan】は気になることがあり、【Stera】に伝えた。

「そういえばステラ?リーネの泊まる場所は…決まっているのか?」

「ええ…実は最近お二人の仲間のベアさんの所に寝泊りをしているそうです。昨日は【R・P社】で寝泊りをしたらしいので…そろそろベアさんの自宅に戻られるのでは…」

「えっ!!」「…!?…となると…この朝の時間…まさか!?」

・・・

〜【CronoSt】(クロノスト)居住区【Beanne】の家・朝〜

ピンポーン〜♪

「おはようございま〜す!」

「おっ!お客さんだね〜はいは〜い!!」(着替え途中)

「!!…ベアさん!!その格好は流石にまずいって!!///俺が代わりに出る!」(ガシッ!)

「おっと…!!…やぁ〜ん♡!もうハクローくんったら大胆なんだから〜♪///」(テレテレ!)

「ちょっ!?誤解を招く言い方をしないでくれっ!!///」(アセアセ…)

ガチャン!

「…あの〜っ…ベアさんいるんです…か………!?……」(ひょこっ!)

「ん?…あら!おはよう!!リーネちゃん♪」(フリフリ!)「!!…ゲッ!!…り、リーネ!?」(フイッ)

【Linea】がドアの前で目撃した光景は【Beanne】が下半身はチェックの赤のミニスカートにスパッツを履いていた。それは良かったのだが問題は上半身のボタンを留めておらず、肌は露出してブラジャーが見えていた。そしてその両肩を押さえ込む【Hux・row】の姿がいた。もう言い逃れができない状況で【Hux・row】は冷や汗をかいていた。【Linea】は玄関から上がってきては顔を赤くしては手を握り、震えていた。

「………〜!!///」(プルプル!!)

「…な、なあリーネ…これは…事故だ!!…話せばわかる!!」

「いやーーーッ!!///」(ブン!)

パーーーーン!!

「ぐはっ!!」(バタン!)

「お〜クリーンヒット〜!!」(パチパチ!)

「ハァ…!///…ハァ…!///……!!ハッ!!…ごっ!ごめんなさいハクローさん!しっかりしてください!!…って!…もぉ〜うベアさんっ!!///…みっともないのでいい加減早くちゃんと服を着てください!!///」(ビシッ!)

「はいはい!…もうお堅いんだからリーネちゃんは〜♪」(ゴソゴソ!)

・・・

「ん〜…ハッ!!…あ〜!いつつ!」(ヒリヒリ!)

「あっ!ハクローさん大丈夫ですか!?…すみません本当に突然だったので…私びっくりしまして…つい!///」

「ああ…大丈夫だよ…もうこんなオチには慣れてる……どうやら俺はベアさんのスキンシップからは逃れられない運命らしいな…」(ガビーン!)

「もうそんなに落ち込まないの〜♡ハクローくん!!さっ!朝食出来たよ〜!」

「全くベアさん!アンタもアンタで過剰なスキンシップも程々にしてくれ!!…って…ん…?おっ!…この匂い…フレンチトースト!!…久しぶりだ…!!いい匂いがする!」

「本当です!!…あぁ〜!とてもいい匂いがしますね〜!」(ワクワク!)

「そうでしょう〜♪カナダ特産のメイプルシロップを使って作ってみたんだ〜!食べてみてよ!」

「…じゃあいただきます!」「…いただきます!」

パリィッ!

「…どう?」

「…!!ああこれは…美味い!!」「んん〜っ!本当に…!!…このフレンチトースト!とっても美味しいです!!」

「ふふ〜ん♪そうだろそうだろ〜!…なんてったって…」

「ママ直伝の味だからとか言って俺に抱きついてくる魂胆だろ!…もうわかってるっての!…けど…美味いな〜!」「そうですね〜!ふふ!…こんな楽しいと思える朝食は…本当に久しぶりです!」

「も〜う!言わないでよ〜!つれないなぁーハクローく〜ん!…でもリーネちゃんもなんだか嬉しそうだね〜♪…あはは…!」

あははははは!!

【Hux・row】【Linea】【Beanne】は仲良く朝食を囲む。仲睦まじい朝食を囲むにつれ、【Linea】は【dail】の一件からは、まるで夢のような朝の日常が過ごせて幸せそうに食事を運んでいた。【Hux・row】【Linea】【Beanne】の三人の食事風景からは、場が明るく家庭的な温かみのある朝食の時間を味わっていた。そして朝食を終えると、【Linea】は新人教育措置として、この【Beanne】の家にて寝泊りをしている事を聞く。流石に【Hux・row】はそれを聞いて今度は女性一人が新しく同居するのは凄く気まづい気持ちになったが、【Linea】からは満更ではない様子で、【Hux・row】がいればもしもの時、自分の身が守れない時に守ってくれるからと、ボディーガード及びSP役として特に抵抗もなく平然として追い返されることもなくすんなり受け入れられた。

「そうか。…まあ【Wear.CR】の下りの話から予想はしていたが…まさかリーネもベアさんのこの家の世話になっているとはな〜…」

「…はい…でもベアさんと一緒の生活も…凄く大変でして…その…〜!!///」(テレテレ!)

「…ああ大体は予想できるよ。…ベアさん。…リーネに何か妙な事やっていませんよね……?」(ジーーッ!)

「ん〜う?…いや〜特には!…まあうっかり風呂を開けては覗いたことと〜♡…リーネちゃんが…白色の結構大胆な下着を〜♪…着y!」

「あ〜〜っ!!///いっ!言わないでくださ〜い!///」(ブンブン!!///)

「……ハァ〜……そんなことだとは思ったよ。…俺がいなくても、ベアさんはベアさんだな…」(やれやれ!)

【Hux・row】は【Linea】と【Beanne】の共同生活のことを聞いては頭を抱え、時間が過ぎていき、そろそろと言わんばかりに三人は外に出て、鍵を閉めては【R・P社】へと向かう。

・・・
・・

B. いいえ


《Capitolo・3》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜TOXより・異文明都市

〜【Paradiso】歴2000年6/29・朝方【CronoSt】(クロノスト)【R・P社】通勤路

ブロロロロロ…

「…それにしても本当に大きな街ですよね〜!…この【CronoSt】という街は!…私自身も神戸の街出身で建物が多くある地区も知ってはおりましたけど…ここはそれ以上の広さですね!」

「ああ。俺も一時東京に住んでいたけど。……ここはいつみても大都会と言っても過言ではないスケールのデカさだよな〜!…右も左もでかいビルばかりで…もはやオフィス街だ!…あちこちみてもスーツを着た重役みたいな威厳のあるビジネスパーソンばかりがウロウロしている…ベアさんが昔、現世の時に住んでいた時もあったカナダのトロントの街並みも…確かこんな感じなんだっけ?」

「うん♪夏は乾燥してるからか、ジメジメとした感じじゃなくて、結構快適だったよ!…ただ冬は凄く寒いよ〜♪気温なんか-10°は軽く超えるし、なんか厚着してても隙間から冷気が入るくらいにね!」

「…そうか。…なんかそれを聞いたらまだ夏なのに…寒くなってきたな〜……」

「わ、私もです!…ベアさんの現世で過ごしていた昔の話も一通り聞いてはいますが……とても辛い過去があったんですよね…」

「まあね〜!…でもいつまでもそんなこと気にしても仕方ないから……!!こうして前を向くしかなくってねぇ〜♪」

「……ベアさんのそういう所…本当に感心するぜ」

「私もです!!」

「おお〜っ♡///ハクローくん、惚れ直したね〜♪なんなら私達、付き合う〜?」

「おっ【R・P】社が見えてきた!」

「そのようですね〜!」

「(・ー・)」(つれないな〜)

・・・

「じゃあ俺達はこれで!…リーネ、ギルドの仕事頑張れよ!」(ビシッ!)

「はい!ハクローさんも道中お気をつけて!!」(フリフリ!)

コンコンコン!コンコンコンコ〜ン♪!!

【Hux・row】は【Agente】本部前のドアをリズミカルにノックする。

「は〜い♪どうぞ〜!」

それを聞いた【Campanella】は、元気よく開ける許可を伝える。

ガチャ!

「おはようございます!ネラ参謀!…って、このドアノックいるのか〜?」

「え〜っ?私なりに気に入っているんだけどね〜☆!…で、ハクローくん!君、今日から【J島】の【Kagoya】に行くんだよね〜?」

「ああ。こいつの新しい刀剣を見つけないとと思って…何かおすすめの店とかありますか?」(チャキッ!)

「う〜ん、色々癖がある職人が多い町だからね〜!…まあ名刀【Louvel】を見せつつ、手当たり次第に聞いてみたら〜?」

【Campanella】は曖昧な受け答えをする。どうやら遠回しで、こういうのは人に頼らず、自分で探せと強く主張するかのようなものと受け取り、【Hux・row】は渋々了承する。

「…わかった!」

「そ・れ・と☆!…は〜い!これ紹介状と、大体の事書いておいた予定表兼しおりだよ〜♪!」

「ああ!…ってしおりって…旅行じゃないですか!?……お土産は何がいいんでしょうか?」

「ん〜?…やっぱ和菓子に限るよね〜♪!希望は、懐かしの京都土産の八つ橋とかかな〜♪!!まあ私…実は富山県出身なんだけどね〜♪!」

「あ〜そういえば、俺達と同じ現世人なんだよな〜、ネラ参謀!…わかりました!なんか試食してみて、美味いやつあったら買ってきますよ!」(八つ橋は。…まあ〜京都か!…確か千夜も京都府出身で、そのまま和歌山に引っ越してきたんだよな…)

「ふっふっふ〜ん♪…じゃあさ、早速屋上に行こっか!軍用輸送機を待たせているから♪」

「えっ?……!!ちょっと待て!?こ、今度は空からかよ!?」

【Hux・row】は少しばかり驚いた。今回は挨拶を終えた後、列車にて向かうものかと思っていたがアテが外れ、驚いた表情を見せる。そして【Campanella】が待ってましたと言わんばかりの態度を見せる。

「うん♪!…そ・し・て☆…空といえば〜♪……!!スカイフォー…!!ゲフン!!オッホ〜〜ン!!///……ハクローくんの18番〜♪!!…ではでは〜♪張り切っていきましょう!!よっ!!《コードネーム8960》〜♪!」

「!!…ハァ〜……わかりました。…《ジェームズ・ボンド》ですよね…」

コロコロコロ…

「…ロア…」

「…!!」(ワクワク!キラキラ!)

物陰に隠れていたのか、ひょっこり現れた【Roar】は空の空銃を転がして期待を胸に膨らませているからか、【Hux・row】の顔を見て無邪気に目を輝かせている。その様子に諦めたのか、空銃を手に持って一度ポーズを取り、何故かプロ意識に決めたかったのか、こう伝えた。

「…折角だし。…スーツに着替えてくる!!」

「〜♪ヘぇ〜!やる気十分じゃ〜ん〜♪」

「ハクローさん…!!///」(二コッ!)(ジェームズ・ボンド…!!///現世の言葉なので…よくは分かり…ません。……でも…私の……!!憧れ…です!!///)

・・・

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜007より・ジェームズ・ボンドのテーマ

〜テーレッテ!テーレッテテレッレーレ♪

● ●
    ● ●
        ● ●
            ● ●
                ● ●

〜ンデ〜ンデ〜ンデ〜ンデ〜ン〜

   (スタッ!)(スタッ!)(スタッ!)         
       ●     ●     ●


〜ベンベラ〜ベンベンベンベンベン〜           


    パーーーン!!(決めポーズ!!)

      ◎
       ◎
        ●      
     
〜ベンベラ〜ベンベンベンベンベン〜  
     ●

〜テーレッレレーッテッテー!テーレーレレレレーー…♪

・・・
・・

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ゼルダの伝説:大地の汽笛より・汽車フィールドその2

〜【Paradiso】歴2000年6/29・夕方【J島】・道中〜

ブロロロロロ…

「…それにしても結構長い旅路だな〜!…流石に10番目の島なだけあって、思ったより時間がかかったな〜!」

「そうですよね〜!……でも、まさか私も突然ハクローさんに渡された名刀【Louvel】を復活させる旅に同行する事になるなんて…思いもしませんでした…!!///」(でも…嬉しいです///…ハクローさんと…二人きり…///)

「俺もだよ!…てっきり俺の一人旅だと思ったけど、屋上に来た時、まさかリーネがいて、今回同行する事になったとか突然言われて、思ってもみなかった事だぜ〜」

【Hux・row】は隣に【Linea】を同行させ【J島】に向かっていた。どうやら今回の任務では何故か彼女の持つ【Fiducia】の治療能力がどうしても必須であるとの事であり、急ではあるが旅に同行する事が決まった。【Campanella】は道中、無茶な事を注文な上で、デート兼ハネムーンを楽しんできてほしいと茶化され、少し気まずい雰囲気になった。そして無茶な注文とは一体なんだろう?そう二人は思っていた。そんなたわいの無い会話をしていると、操縦士の者から声をかけられた。

「【Hux・row】さん!!よろしいですか?」

「?…あ、はい!…なんですか?」

すると、操縦士は待ってましたと言わんばかりの返答をする。

「実はですね!…この先からは…!!あなた達二人の力で進んで行ってほしいのでありま〜す!!」

「………え?……!?なぁっ!?」「え?……!!えぇ〜〜っ!?ど、どうしてですかぁ〜〜っ!?」

「我々はあくまで隣の島までの輸送に従事しておりますので、【Hux・row】さんもといハクローさん!…あなたが【V.Prestina】を所持しているのは、ネラさんから聞いておりますので!…ではご武運を〜〜ッッ!!」

ウィイイ〜〜ン!………

「」「」

…無茶な注文って…そういうことだったのかーー!!(んですかーー!!)

操縦士の指示で輸送機の扉が開き、現在低空飛行で飛行し、いよいよここから【V.Prestina】を投入させ、着陸させる準備を整える。

「さあ、【V.Prestina】に乗って空中から飛び…!!洋画のスタントマンの如く、カッコよく着陸してください!!…では、道中お気をつけて!!」

ビシッ!!

「ネラ参謀め…!!よ〜し、こうなったら仕方ない、リーネ!!…しっかりつかまってろよ〜!!……俺のソナー能力で…着陸地点を探り…覚悟の上で空路を切り拓いてやらぁ〜〜!!」(ソナー能力発動!!)

「え、えぇ〜〜っ!?む、無理ですぅ〜!!危ないですよ〜ハクローさぁ〜〜ん!!///」(ギューー!!ブワァ〜!!///)

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
ソナー能力を発動しました。

「!!見えた!行くぞぉ〜〜!」

キィィィィ!!

シャーーーッ!!………シュバッ!!

ヒューーン!!!!

【v・Prestina】は輸送機から盛大に空を駆けていく。それと同時にとてつもない空気抵抗と気流の流れを肌で感じていた。それは現世でのジェットコースターに匹敵するくらいに身体が煽られる感覚を二人は味わっていた。

ヒューーン!!!!

「うっ!!…!!うぉおおお〜〜〜!!」(ビューー!!)

「きゃああああ〜〜っ!!こ、恐いです〜〜〜!!」(ギュー!!)(ブワッ!)(ビューー!!)

ヒューーン!!……!!ズシーーン!!!!

「グオッ!」「きゃあっ!!」

二人は無事に【V・Prestina】での着陸に成功した様子である。

「…ハァ…ハァ…!!よ〜し、命がけのスカイダイビング及びドッキング成功だ〜!」(グラグラ!)

「……た、助かりました…!!でも…こ、恐かったです〜!!」(ギュッ!)(ポタポタ!)

お互い生きた心地はしていなかった。しかし、無事に第一関門を突破したと意気込み、夕日をバックに目的地に向かうーーー

シャーーーーーー!!

【Hux・row】は【Kagoya】までの長い道のりを後部座席に【Linea】を乗せて【V.Prestina】を巧みに運転して進んでいく。その運転が心地良かったのか、【Linea】が口を開けた。

「でも、この自転車のようなバイクのような乗り物……!!なんだか風を切る感覚がとても心地良くて、乗っていてなんか気持ちがいいです〜♪」

「はは、そうか!…!!でもどうやら楽しくドライブしている暇はできないようだな〜リーネ。…見てみろ!」「えっ?…!?ああっ!!」

チャキッ!!

「…あいつらは…!!…おい!あの白い髪の男…まさか…!?」「ああ!あの【Varisk】Aランクメンバーの一人である【Makiras】将軍を倒した男だ!!」「生かして還すな〜!!」

ワーッ!ワーッ!ワーッ!

突如、背後から【V.Prestina】に乗った真・ユートピア創造士隊の部隊が、【Hux・row】の存在に気づき、大軍で攻めてくる。【Hux・row】は腰に巻いていた木刀を取り出して、【Linea】に身体を更に捕まえておくように言い、敵の包囲網から突破しようとする。

「くそ!お出ましのようだ!…だが絶対に突破してやる!リーネ!しっかりつかまっていろ!」(チャキッ!)

「は、はい!」(ギュッ!!)

シャーーーッ!!……!!

「そこだ!!」(ブン!)

「何の!?」(キン!)

「なっ!おい、木刀だぞ!?何故切れずに弾かれるんだぁ〜!?」

「……知らねぇよ!!…うぉらあ〜っ!!」(ブン!)

べキィッ!

「ぐあっ!!……!?うぉわぁ〜〜!!」

ゴロゴロゴロゴロ!

【真・ユートピア創造士隊】の者はそのまま地面を摩擦して倒れ伏せる。その様子を【Linea】は心配する。

「は、ハクローさん!あの人大丈夫なのでしょうか!?」

「…ああ!…案外あれでも、あいつら【真・ユートピア創造士隊】の装備は凄えぇらしくてなぁ〜!生きてるんだよ…」

【Hux・row】は後ろを振り向くように【Linea】に促す。すると、先程攻撃して【V.Prestina】から落ちた隊員の一人が、すくっと起き上がり、【Hux・row】の方を睨みつける。

「…いてて!…くそ〜逃したか…」

「ひぃっ!!…う…うそ!…あんなに転がっても…まだ生きてるのですか〜!?」

「俺も最初来た時も、奴らの生命力には驚いたっての!…ベアさんなんかランチャーぶっ放しても平気な様子だったし。……まるでゾンビ映画でも見てた気分だぜ〜!」


シャーーーーーー!!


・・・
・・

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♪〜Day After Tommorrowより・Starry Heavens

【Paradiso】歴2000年6/29・夜方【J島】・道中

【真・ユートピア創造士隊】からの追跡を逃れ、気がつけば日が落ち、辺りは夜になっていた。

シャーーーーーー!!

「…もう追ってこないようだな〜…」

「そのようですね。……もう夜になりましたし〜……!!あっ……!!ハクローさん見てください!!…あんなに星空が!!…ふふっ!とても綺麗です!!」

キラキラ……☆〜★〜☆〜☆〜★〜☆〜

「…ん?…!!お〜本当だな〜!!」

【Hux・row】【Linea】の二人は、夜空に散らばる無数の星々を見上げる。それは現世で観測出来るものと比べると、とても幻想的であり、言葉に現すのならば《深蒼》───────【Beanne】が【Hux・row】に防具として製作した《蒼夜の十手》のように深々とした紺色の指し示す夜空には、まるで《オアシス》が盛んな砂漠に散らばる宝石のような輝きを放つ砂が宙へ舞い、煌めいて夜空をオーロラのように美しく、打ち上げ花火の如く華やかに見せていたのだ。

キラキラ……☆〜★〜☆〜☆〜★〜☆〜

「…流れ星とかでも降ってきそうだな〜!」

「ふふふっ♪!…そうですね〜!…何だか《サンテクジュぺリの星の王子様》を思い出しますね〜!!」

「へぇ〜!リーネは本とか読むのか?」

「はい!私、よく本は読んでいたので!…ハクローさんは?」

「俺も千夜に勧められて少しはな。……まあ〜難しくてあんまりよくわからないけど、《デカルトの方法序説》とか読んだことはあったが…《我思う、故に我あり》!!…。ってのが何となく聞いてて深くてな〜!」

「まぁ〜!…なるほど!…確かに奥が深い言葉ですよね〜!…もしかしたらその影響もあってハクローさんの夢の心の中の世界【Sognare】はあのような鏡写しで、ハクローさんのフィアンセの千夜さんやお兄ちゃん、それに私のお姉ちゃん……いえ、あなたが心から繋がりや絆を大切に思っている方達が、奇跡を呼び起こして住んでいるような…途方もなくて果てしない広大な世界だったのかもしれませんね〜♪!!」

「はっは!案外そうかもしれないよな〜!………なぁ、リーネ。…心なしか楽しそうだな〜!!」

「!!…はい…!!はいっ!!…当たり前ですよ!!…だって私は…今!!……あなたと♡!!///」(ギュッ!)

《この満天の煌びやかな星空の下で…!!貴方とこうして一緒に…共にいることが嬉しくて…私は今、すごく幸せなんです♪!!》

【Linea】は今【Paradiso】に来て、一番の幸福を心から感じていた。一週間前にはこのような景色を見ることなど出来なかった運命だと思うと、今がとても幸せを感じているのだと【Linea】は心の中にある言葉を【Hux・row】に伝える。その言葉に気を良くしたのか、【Hux・row】は笑みを浮かべ、機嫌よくこう言い放った。

「…そうか。…まあ俺も一人旅はちょっと寂しいから…リーネ。…お前さんが後ろにいてくれて…なんか安心するかもな!」

「…え?………〜!?///…えぇぇっ!!///…は、ハクローさん!!///…そ、それって…!!??///」(プシュ〜!!///)

「はっは!!…さ〜て、もっと飛ばすとするか〜!!まだ道は長いぞ〜!!しっかりつかまっていろよぉ〜!!」

シャーーーーーー!!

「え!…き、キャーーー!!」(ギュッ!!)

シャーーーーーー!!

【Hux・row】と【Linea】の二人の甘酸っぱいひと時は、満天の星空の下で【V.Prestina】に乗り、おおよそ1時間程度と長い時間を過ごしていた。

シャーーーーーー!!

「よ〜し、そろそろ見えてくる頃かな〜!」

「私は…もう少しこうしていたいです!!…折角のハクローさんとのドライブデートみたいなものなのですから……!!///」(ギュッ!///)

「はっはっは!…そうか…!!そうだよな!!…今思えば、俺があの時…ダルマ(【dail】の事)とか、あの変態マゾヒスト縄愛好野郎の【Jeil】からリーネを守って…助けてなかったら…今頃こんな珍しい景色…本当に見れなかったんだよな〜…」

「そうですよ!…だから……私は…!!///…ハクローさん!…あの時私を助けに来てくれたからこそ…あなたに対し、更に恩が出来て…本当に感謝しています!!///……感謝と同時に…私…ハクローさんが…好き!…大好きです♡!!///」(ズイッ!)

チュッ!♡

「!!」

「…えへへ!♡///」(ニヘラ〜♡!///)

【Linea】は運転中の【Hux・row】の頬にキスをする。【Linea】の意外な行動に【Hux・row】は普段【Beanne】からのスキンシップに慣れているからか、いたって冷静であり、茶化すように言った。

「リーネ。……まさかベアさんとの共同生活を経験してる間に……あの人の影響受けたんじゃあないか〜?」

「!?///…ち、違います!!///断じて!!///」(ブンブン!)

「わかんねぇ〜ぞ〜!…ベアさんを見習うのは別に構わない。……だがなっ…!!///下着姿でリビングを絶対うろうろするなよ〜!?///あの人は平気で俺に対してスキンシップだとか、『サービスだよ〜♡!!///』とか言ってな〜!!///……」(カクジカ!)

【Hux・row】は四六時中、自分の指導教官でもある教育係の【Beanne】との共同生活に対する愚痴をこぼす。それに対し、こんなロマンチストな雰囲気の中、他の女性の異性の話を持ちかけられ、嫉妬深く口頭で注意する。

「うぅ〜!!///……!!もぉ〜う!!///ハクローさぁぁんっっ!!///デート中に他の女の人の話をするのは禁句なんですよぉ〜!!///」(プンプン!!///)

「あ。…それもそうか!…あはは!」

「も〜う!///…うふ…!…あはは!!」

あはははははは!!

二人は満天の星空の下で笑いながら過ごしていくうちに町の明かりが見えてきた。

シャーーーーーー!!

「おっ!……見えてきた!…何だ?なんか五重の塔みたいな建物が影になって見えてるな。…それに、でかい月だな〜!」

「本当ですよね〜!【Paradiso】の世界を構成している《天体構造》……一体どうなっているんでしょうね〜?」

「……以前ベアさんにも教えられた事があるけど、確かに《謎》なんだよな〜!…まあでも、こんな珍しいものが見れるなら…この世界に来て本当によかったとも思えるな!!」

「うふふ!…それもそうですね!!…この景色…とても綺麗ですね!…写真でも撮りたくなります!」

「また【Kagoya】の町に着いたら、見物がてら【P-Watch】のカメラ機能で色々撮るのも面白いかもな!」

「ああっ!!…それいいですね〜♪!撮りましょう撮りましょう!」

二人は楽しそうに会話をしている。すると【Kagoya】の町の門の前まで辿り着いた。

・・・
・・


B. いいえ


《Capitolo・4》
続きを読みますか?

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♪〜フリーBGMより・小夜曲

〜【Paradiso】歴2000年6/29・夜方【J島】【Kagoya】町・正門前〜

シャーーーーーー!!キキーーー!!リンリーン♪

〜【Kagoya】〜

「…着いた!!ここが【Kagoya】(かごや)か〜!!…確かにベアさんやネラ参謀の言った通り、古風の建物が多い茶屋街がある。…正に日本文化の鏡ともいえる街だな〜!」(お〜!)

「そ…そうですね!…それになんか風流がありますね〜!私達が住んでいた現世の日本の和の心を感じます!!」(キラキラ!)

【Hux・row】と【Linea】は驚いた。そこは、自分達が生まれ育った現世の国《日本》の文化を選り好みした町の景色であった。【Hux・row】は【V.Prestina】を【P-Watch】に収納し、町の中を【Linea】と一緒に歩み、見物した。

コツン……コツン………

「…なんか、時代劇のような景色が続くな〜…京都の街を歩いてる気分だよ…」(ちらほら!)

「本当ですね〜♪!…まさか【Paradiso】に来て…こんな見慣れた景色が再び見れるなんて…嬉しい事ですね〜!!」(キラキラ!)

「そうだな〜!……ん?…この匂い…うどんか?」

ググーー!!

「…!!」

うどんの出汁の芳しい匂いを嗅いだからか、【Hux・row】の腹部からお腹の音が鳴り出した。

「あ〜、腹減ってたのか俺。……死んで【現世人】として魂の身体で生きてるってのに、生身の人間のように腹の虫は鳴るもんなんだな〜、ハハッ!」

「うふふっ!…もうハクローさんったら〜!!///」(クスクス!)

ググ〜!

「!!///…あ…!///」(カァーッ!!///)

「はは!…リーネ!…折角だし食べていくか?」

「…はい…///」(テレテレ!!///)

お腹を空いていた感覚に襲われた二人は、ある屋台のうどん屋へと足を運んだ。カウンター前の店員さんは気兼ねよく声をかけてくれた。

グツグツ……

「おっ、いらっしゃい!…旅のものかね?」

「はい」「そうです!」

「ほほ〜う!…これまた仲睦まじいカップルだね〜!」

「なっ!?」「!?ええっっ!?///」(…か、カップル!?///)(テレテレ!)

二人は店員に注文を頼み、頼まれたうどんを食べながら周辺の街の様子を拝見した。

スイスイ〜♪

チャプン!

「あっ!ハクローさん!あの小川に鯉が泳いでいますよ〜!!」(ズルズル!)

「おお、本当だ!……へぇ〜………あの世の世界でも生きてるんだな〜」(ズルズル!)(一体、どっから来たんだろうな〜…(・ー・))

「不思議なものですよね〜!…あ〜でもこのおうどん…本当に美味しいです〜♪!」(ズズ!)

「そうだなぁ〜!…うどんか〜!…また作ってみるかな〜!」(ズルズル!)

「…!!ハクローさん作れるんですか!?」

「ああ!よく母さんが手作りして一緒に作ったことがあるから作り方くらいなら知ってるよ!…またベアさんの家で作ってみるかな…」

「是非私もお手伝いします!…私、こう見えて料理は得意なので!!」(フンス!)

「それは助かる…!」

仲良く雑談をしながら、うどんを食べ終わった二人はうどん屋に鉢を返し、再び町の中を探索する。すると二人は、ある幻想的な光景を目撃する。

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♪〜フリーBGMより・Sakuya2

〜【Paradiso】歴2000年・6/29・夜方【Kagoya】千夜ノ桜通り〜

キラキラ〜…ヒラヒラ〜……サラサラ〜…

「!!…こちゃあ、すげえや〜!…リーネ!!あそこ見てみろよ!!」(ビシッ!)

「え?…!!…ま……!!まぁ〜まぁ〜!!…何てことでしょうか…!!大きな桜の木で…とても…桜が美しいですね〜♪!!」

【Hux・row】は指を刺して【Linea】に知らせた。目の前の先には約10メートルの高さがある桜の木があった。その通り道には大きな池と赤い渡り橋があり、道沿いにも桜の木が並び、水面は清流なのか、水質がとても良く澄んでいて水鏡となりて景色が反射していた。その非現実的であり、華やかな和の心を感じさせる光景を見た二人は、感動して息を飲んだ。

「…綺麗だな〜!」

「…本当ですね〜!…ふふ!…折角ですし、あの橋まで行って見てみましょう♪!」

「そうだなぁ!」

タッタッタ!

「!!…おお!こっからだと月がよく見えるな〜!!」

「そうですね!それに大きな満月で…本当に綺麗です〜♪…はい!」

カシャ!

【Linea】は【P-watch】のカメラ機能を使い、その美しい光景をカメラに収めた。そして満足したのか【Hux・row】の肩にもたれかかった。

「…ふふ!」(グデ!)

「おおっと!…はは!全くギルドの仕事で来てるってのに…これじゃあ旅行になってしまったな〜!」

「たまには良いと思いますよ!…まさかこんな華のあるとても素晴らしい光景が見れるとは…私…凄く驚きました!…それでは、あの桜の木まで行ってみましょうか!」

「そうだな!…行くか!」

タッタッタ!

ヒラヒラヒラ…

「ああ〜っ!…は、花びらがこんなにも美しく!!…凄く…本当に綺麗ですね!うふふ…あはは!!」(クルクル!)

「まるで《桜吹雪》って言葉が合うような光景だな〜!…ん?リーネ?桜の花びらが頭についてるぞ?」

「え?う、うそ!?ど、どこですかっ!?///」(アタフタ///)

「へへっ、かかったな〜!」(ベアさん直伝ではあるが……!!)

チュッ♡

「!!///」(は、ハクローさん!///)(ドキドキ!)

【Hux・row】は先程のドライブの時のお返しと言わんばかりに【Linea】のおでこに口付けを交わした。突然のことで【Linea】は思わず顔を紅潮させる。

「はっは〜っ!さっきのドライブのお返しだぜ〜!」(ケラケラ!)

【Hux・row】はそういうと【Linea】は妬ましい表情で頬を膨らませて顰めている。

「う〜っ!!///もおぉっ!びっくりしました!///…ハクローさんなんか知りません!」(プイ!!///)(プンプン!!///)

「あ〜わ、悪かったなリーネ!この通り…!?んんっ!?」

ギュッ♡…チューーッ♡

「……!!」「んっ!///」(でも…それでも私は…〜!!///そんなあなたが大好きなんですよ♡…ハクローさん♡!!///)(ギューッ!!///)

【Linea】は【Hux・row】を油断させ、口同士の熱い接吻を交わした。桜の花びらが舞い散る中、それは男女が触れ合い、幻想的な雰囲気があった。

ヒラヒラヒラ…

「…!!///」(頬ポリポリ)「…ふふ!…更にあなたへのお返しです♡!///…えへへ!///」(ニヘラ〜!///)

【Hux・row】は熱い接吻を交わされた後、桜の花びらに舞う様の【Linea】が何処か美しく見えたからか、頬を赤く染めた。そしてしばらくして周囲を見物すると、桜の木の名称が書かれた看板のようなものを見つけた。

「ん?何だこれ?…《千夜ノ桜》(せんやのさくら)っていうのか?」

「そう書かれていますね〜!あら…?下には詳細が…」

【千夜ノ桜】樹歴【Paradiso】歴1000年
([Senya no Sakura] Tree history [paradiso] 1000 years history)
千年の長きにわたる時の夜を超え、今もこの【千夜ノ桜】の桜の木は枯れ果てず、一年中桜が咲き誇ってはこの【Kagoya】の街の平和の象徴として、明るく暖かく見守り続けています。
(Beyond the night of a thousand years, the cherry blossom trees of this [Senya no Sakura] have not withered, and the cherry blossoms are in full bloom all year round, as a symbol of peace in this [kagoya] city, bright and warm. I'm continuing.)

縁起としては、【恋愛祈願】【無病息災】【礪山帯河】【大和の桜】という意味が込められております。
(The meaning of luck is [love prayer], [sickness-free breath], [Iwayama belt river], and [Yamato cherry blossoms].)


「かなり樹齢が長いんだな。…この桜の木」

「…そのようですね。…本当に明るくて暖かいですね〜!……ですが、一体誰が何を願い、このような場所で多くの桜を植えたのでしょうかね?」

「ん〜。……!!そうだ!!」(チャカッ!)

キラーーン!

【Hux・row】が徐に取り出したのは、《千夜の十手》であった。その様子に【Linea】は不思議そうに見ていた。


「えっ?……!!あっ!?十手ですね!…でも、その十手は【Makiras】との戦いで持っていた物とは違いますが……それは一体なんなのですか?」(首かしげ?)

「ああ、リーネは初めてだったか?…コイツは現世にいた時、千夜からもらった大切な十手だ!…もしもの時に守ってくれますようにってこの【千夜ノ桜】に願っているんだ!」

「あぁ〜なるほど!…確かに、この桜の名前は…【千夜ノ桜】(せんやのさくら)…千夜さんに因んでいますもんね!…大丈夫です!きっといつまでもハクローさんの事を守ってくださいますよ!…あの人なら!!」

「…ああ!」(なあ、千夜…見ているか?…お前の名前に因んだ桜…お前みたいにすげえ綺麗だよ!…これからも何かの縁で【Paradiso】から現世といった次元の世界を飛び越えて結びついた絆で結ばれた者同士……見守っていてくれると…俺は嬉しい!)

二人は桜見物をじっくり堪能し、桜の花びらの雨に打たれながらその場を後にし、本日泊まる宿を探した。

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♪〜フリーBGMより・明治大正浪漫· 鹿鳴館

〜【Paradiso】歴2000年6/29・夜方【kagoya】大正通り〜

コツ…コツン…

「え〜と、確か【R・P】社と提携組んでる宿は…と。…!!ああここだ!…ん?ここが宿なのか?…なんか。…料亭みたいだよな?」

(・ー・)ぽん!

「…あら、玄関にはちょっとした狸の置き物まで!…何だか居酒屋のようにも見えますね〜…」

【Hux・row】と【Linea】は案内された宿を見た。そこには【河原木亭】(かはらぎてい)という名前の表札が書かれており、上には、朱色で彩られた灯籠が祀られており、建物は何処か料亭のような雰囲気がある場所であった。だが目的の場所は間違いなくここを示しているようなので、二人は建物の中へと入ろうと玄関前まで足を運ぶ。

「…さて、じゃあ入るか!…こんばんは〜!」「こ、こんばんは〜!」

二人は扉を開けた。玄関には広い居間が見えており、中央には大正時代のような螺旋階段があり、洋館の雰囲気があった。気づいたのか、すぐに宿で働く着物を着た女性が現れ、丁重に挨拶をする。

「あらいらっしゃいな。…ああ、その顔…【R・P】社の方々ですね!ネラさんから話は聞いていますよ!!遥々遠くからようこそおいでくださいましてご苦労様でございます〜!」

「はい!今日からこちら【Kagoya】の町で二週間の間、滞在予定の【R・P】社【Agente】所属の【Hux・row】あだ名はハクローと申します!」(ビシッ!)「同じく【R・P】社【Grazia】所属の【Linea】愛称はリーネと呼ばれております!よろしくお願いします!」(ぺこり!)

二人は自分達の身分を伝え、【河原木亭】の者に挨拶をする。それを聞いたのか微笑んで相手も挨拶を交わす。

「ご丁寧にどうも。私はこの【河原木亭】で、ここの管理を引き受けています【Senno】(せんの)と申すものです!セノとお呼びください!…あなた方と同じ現世人でランクはS2でおよそ今から約15年間と長期に渡りこの世界【Paradiso】に住んでおり、現世の年齢で。……そうですね〜、今年で35歳になります!…以後お見知り置きを〜!」

【河原木亭】管理者【Senno】(センノ)

女性の正体は、【河原木亭】の管理を任されている【Senno】(センノ)と呼ばれる女性であり、身長は160cm前半と【Linea】とほぼ同等であり、髪色は紫色で着物は淡い水色に渋い深緑の帯を入れた少しばかり個性的なカラーリングの着物を召していた様子であった。

「あ、これはどうも!」「管理者さんでしたか!本日はここ【河原木亭】でお世話にならせていただき、本当にありがとうございます!」

「ふふっ、は〜い♪!…では、お部屋にご案内しますね!」

スタッ!タッタッタ…

【Senno】という名の女性管理者に連れられた二人は一緒に歩いていく。すると一つの部屋へと案内される。

「こちらでございます!」

「ヘぇ〜窓の向こうは竹林か〜!」「石庭もありますよ〜!風情がありますね!」

「うふふ!…長旅の疲れもございますでしょうに…入浴されてはいかがでしょうか?うちでは自慢の露天風呂がございますよ〜!」

「そうだな〜!…確かに汗をかいたかもな…」「私もですね!…え〜と入浴場はどちらにあるのでしょうか?」

「ここから突き当たって左側ですよ…!どうぞお二人共、長旅の疲れを癒してくださいね…」(クスクス!)

「よ〜し浴びるか!え〜と着替え着替えと…」「あっこちらにありましたね!」

・・・

カコーン!!

「ふう…!さっぱりするな〜!」

【Hux・row】は露天風呂に入り、今日の汗を流していた。そしてこれからのことを考えていた。

(明日からは名刀【Louvel】の刀剣探しか…まあ悩んでいても仕方ないか…この二週間で必ず探してみせる!)

ガララララ…

「ん?…誰か入ってきた…?…!?」

「……え……えぇっ!!??は、ハクロー……さん!?…ど、どうして!?///」

【Hux・row】は驚いた。そこには身体をタオルを巻き、髪を纏めた【Linea】の姿があった。そしてお互い弁明を述べる

「り、リーネ!?…いや俺は男湯って暖簾の所から入ったぞ!!」「私も女湯から…えっ…!?…ってことはもしかして…ここ…」

「「混浴場だ(です)!!!!!」」

【Hux・row】はすぐさま【Linea】の姿を見ないように遠くへと距離を取る。そしてこのように【Hux・row】は話す。

「わ、わりぃリーネ!!湯気で何も見えていないから!!断じて見ていないから!!すぐに上がるから!!…なっ!」

「…ふふ!///」

【Hux・row】は半信半疑焦っていた。しかし【Linea】は微笑んで風呂に入っては、距離を詰めては背中合わせにして【Hux・row】の背中にもたれかかった。

「!!なっ!?…り、リーネ!?」

「大丈夫です…!///…ちょっとびっくりしましたけど…私…別に怒っていませんよ…ふふ!何だか私達…温泉旅行に来たみたいですね…!///」(二コッ!///)

「…あ…あはは…」(普段ベアさんの過剰なスキンシップを経験しているおかげか…リーネと一緒に入浴しているのに、理性が保てているのはなんか複雑だ…)

【Hux・row】に特に抵抗も見せず【Linea】は露天風呂の湯加減を確かめていた。

「…ふぅ〜いいお湯加減ですね〜!」「…あぁ…そうだな〜!…あれ?紅葉?さっきは桜があって…四季の葉がこの【kagoya】にあるんだな…凄く不思議だ…」

【Hux・row】は四季の季節の木が四季の季節の概念的なものがなく、この【kagoya】に存在していることに違和感を覚えた。だがその疑問を【Linea】がこのように話した。

「おそらく、【paradiso】の世界そのものが死後の世界だから、四季の概念もなく…桜が咲いていて、紅葉が咲いているようなそんな非現実的なことが起こってもおかしくないのではないかと私は思いますね…!」

「…確かにそんな感じの言葉がしっくりくるな…雲の世界とかもあったしな…」

二人はこの世界【paradiso】に対する疑問を持ちかけながらも、二人はお互いに入浴の時間を過ごした。

・・・

「…ふぅさて、そろそろ寝るとするか!…俺は隣の部屋で寝るからゆっくり休んでくれ!」

「…そうですね!…ハクローさん今日は長い時間運転して疲れていますからね!…ゆっくり休んでください!」

「…おう!じゃあお休み!…リーネ…」

「…お休みなさい…ハクローさん…」

二人は電気を消し、心なしか楽しい旅であったのかお互い笑みを浮かべていた。夜は一度も起きることもなく朝まで熟睡した。そして朝が迎えた。

・・・
・・


B. いいえ


《Capitolo・5》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜四つ目神より・古都に咲く花

〜【Paradiso】歴2000年6/30・早朝・【J島】【Kagoya】【河原木亭】〜

コケッコッコ〜!!

「…ん?……ん〜っ!起きた起きた!!」

ガララ!

「…あ!ハクローさんおはようございます!」

【Hux・row】は目を覚まして室内の襖を開けた。そこには身支度を終えた【Linea】がいた。そして昨夜の洗濯物について説明される。

「どうやら昨日の着替えなのですが…もしよろしければセノさんが洗濯してくださるそうです!」

「!!えっ!?洗濯してくれるのか!?」

「はい。あなた方が任務についている間、そのような身の回りの事をこの私セノが承っておりますので♪!」

【Hux・row】と【Linea】が任務についている間、【Senno】が洗濯物を預かり、【paradiso】に存在する洗濯機で朝早く洗濯し、乾燥させてくれるようだ。

「そうなのか!?…ありがとうございます、セノさん!…本当にお世話になります!」

「いえいえ♪…では朝食をお持ちしますので少々ここにてお待ちくださいね…」

シャー……バタン

「…なんか…凄く親切だよな、セノさん」

「そうですね。…【R・P】社の事を何だか敬愛していたご様子でもありましたし、何か恩義があるのでしょうかね…かなり長い時期からこの【河原木亭】の管理を任されているようですし…」

・・・

「お待たせしました。朝食をお持ちしました、こちらです♪」

コトっ!

「おお〜!」(キラキラ!)「すごいですね…料亭のメニューと同じですね…」(キラキラ!)

食卓には、白米に、魚の煮付け、茶碗蒸し、椎茸のお吸い物等、それが色彩良く盛り付けられており、食欲がそそられる。

「二人様、どうぞ召し上がってください♪!」

「では、いただきます!」「…いただきます!」

パクッ! モグモグ…!!!!

「どうでしょうか?」

「!!…凄く…美味いです!!」(二カッ!)「本当…美味しいです〜♪!!」(二コッ!)

「それはよかったです!…まだたくさんあるのでゆっくり召し上がってください!」

「はい!」「こんな美味しい朝食…本当にありがとうございます!」

【Hux・row】と【Linea】は感謝しながら朝食を運んでいく。【Sennno】は【Linea】の食べる姿を見て、こう話した。

「あらリーネさん。…あなたもしかして、現世では良家の育ちでしたか?」

「えっ!?…わ、わかるんですか?」

「はい!…食事のされ方がとても品が感じられて…まるで貴族のような……!!あ、どうかお気になさらずに…!!」(アセアセ!)

「…?」(首かしげ?)

「……」(確かリーネも西野さんと同じ令嬢の出の家として育ったから、その名残なんだろうな。…確かに見ていると、あの時牛丼屋で一緒に食事した西野さんに似て食べ方も上品だ…!)

朝食を終え、少しゆっくりしてから、外出する前に【Senno】に一言挨拶し、また夕方頃に帰宅する旨を伝え、【河原木亭】を出て【Kagoya】の町中に、鍛冶屋が多く隣接する下町通りへと繰り出す。

・・・

〜【Kagoya】古都・下町通り〜

「…それにしても鍛冶屋…なかなか見つからないな〜!」「そうですね…」

【Hux・row】と【Linea】は名刀【Louvel】の刀剣探しをしている。すると、屋台の男性から声を掛けられた。

「ん?おい兄ちゃん!」

「え?はい?なんでしょう?」

「御手洗(みたらし)団子如何かな〜?」

「へぇ〜みたらし団子か〜!」「あ〜おいしそうですね〜!」

「安くしておくよ〜!」

「ふ〜ん!…じゃあ2本下さい!」

「毎度!!」

二人は御手洗団子を食べながら下町の様子を見物する。その町並みは古民家が多く、狭い路地が長く続いていた。

「結構、この団子甘いな〜!」「そうですね〜!宇治抹茶とか餡蜜といった甘味処もこの街にありそうですね〜!」

「鍛冶屋を無事見つけた暁には寄ってみるか!!」「本当ですか!?…嬉しいです!私甘味好きなんです♪」

二人は仲睦まじく会話をしつつ、町を探索していく。すると鍛冶屋らしい場所を発見した。

「おっ!どうやら1軒目を発見!」「見つかりましたね〜!!」

【Hux・row】と【Linea】は鍛冶屋を発見し、早速中に入ってみた。そこは、屈強な男達が鉄を鉄槌で叩き、武器を製造していた。そしてある一人の髭を生やした男性が尋ねに来た。

「よう!!うちに何か用か!?」

「ああ!刀が折れてしまったから新しい刀剣を探していてな!見に来た!」「……」(…なんか蛮行そうな方ですね!)

「ふ〜ん。…どれ、見せてみろ?」

「ああ〜これだ!名刀【Louvel】って言うんだ!」(チャキッ!)

「!!…なっ!?それがか!?」

「ああ。正真正銘の名刀だ!…それが何か?」「…」(なんか顔が険しそうですね…)

すると、鍛冶屋の男性は両手を前に出しては首を横に振り、拒否するかのように言い放った。

「そんな名刀はウチでは手に負えない!他所へ当たってくれ!!」

「…そうかわかった。…邪魔をしたな!…リーネ!行くぞ!」「は…はい!」

その後、数ある【Kagoya】の鍛冶屋に回るも、名刀【Louvel】の名前を聞くと厄介払いされ、修復してくれるところが見当たらず、途方に暮れてもう昼下がりになっていた。

シャリ……シャリ!

「!!…ん〜♪!!この餡蜜!…甘くて美味しいです〜♪」(キラキラ!!)

「…はは。…そうか…」(ズーン…)

散々鍛冶屋を連れ回したので申し訳なくなり、甘味処を見つけたので【Linea】を連れ、宇治抹茶と餡蜜をご馳走していた【Hux・row】は気分が沈んでいた。予想以上に名刀【Louvel】を修復するのは《難攻不落》であると感じていた。

「…それにしてもこの名刀…そんなに厄介なものなのか…?…ま、あの【Makiras】が使っていたからか、悪い噂が回っていたんだろうかね〜」

「…そうですよね…【Makiras】…あんな酷いことをしていたから…いわくつきのイメージが出たのかも知れませんね…」

【Hux・row】と【Linea】は【Makiras】が所持していた事もあり、それが原因で修復を拒むものかと考えていた。しかし【Hux・row】はそれだけではないと睨んでいた。

「…もしかしたら、この名刀【Louvel】に適合する刀剣が存在しないという理由で避けられているのかもな…」

「!?そ、そんな…!!…で…では、今回の任務は!?」

【Linea】は今回の遠征は失敗かに思えた。しかし【Hux・row】の目は諦めていなかった。

「…いや、まだ決まったわけじゃあない!…俺は最後まで諦めない!!何としてでもこの名刀【Louvel】は修復させる!まだこの【Kagoya】にも元鍛冶屋の人もいるだろう!…その人の事も聞いてみる!」

「な…なるほど…!!その手がありましたか!!…でもアテは…」

〜♪…ガタッ!!

ふ〜ん!アンタさんら、名刀【Louvel】を復活させたいんかいな?

「!!」「…!!だ、誰ですか!?」

【Hux・row】と【Linea】は誰かに声をかけられたので、その方向を向く。そこには千里と同じくらいの150センチ単位と小柄で【Linea】のような亜麻色よりではあるも、ややピンクに近い髪色のボブヘアーが特徴的な髪型の少女がいた。

「何ならそれ直せる凄腕の鍛冶屋を、ウチ知ってますねん!」

「!?…ほ、本当か!?」「あ、あの〜?…あなたは…一体?」

「あ〜!…よくぞ聞いてくれました!!…ウチの名前はな〜…」














《To Be Continued…→》
 
 
 
 
 
 
 


第16話:【Agente】(エージェント)【Kagoya】街の維新編Part1
完読クリア!!



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