🎼Back Ground
Music 》》》
♪〜フリーBGMより・小夜曲
〜【Paradiso】歴2000年6/29・夜方【J島】【Kagoya】町・正門前〜
シャーーーーーー!!キキーーー!!リンリーン♪
〜【Kagoya】〜
「…着いた!!ここが【Kagoya】(かごや)か〜!!…確かにベアさんやネラ参謀の言った通り、古風の建物が多い茶屋街がある。…正に日本文化の鏡ともいえる街だな〜!」(お〜!)
「そ…そうですね!…それになんか風流がありますね〜!私達が住んでいた現世の日本の和の心を感じます!!」(キラキラ!)
【Hux・row】と【Linea】は驚いた。そこは、自分達が生まれ育った現世の国《日本》の文化を選り好みした町の景色であった。【Hux・row】は【V.Prestina】を【P-Watch】に収納し、町の中を【Linea】と一緒に歩み、見物した。
コツン……コツン………
「…なんか、時代劇のような景色が続くな〜…京都の街を歩いてる気分だよ…」(ちらほら!)
「本当ですね〜♪!…まさか【Paradiso】に来て…こんな見慣れた景色が再び見れるなんて…嬉しい事ですね〜!!」(キラキラ!)
「そうだな〜!……ん?…この匂い…うどんか?」
ググーー!!
「…!!」
うどんの出汁の芳しい匂いを嗅いだからか、【Hux・row】の腹部からお腹の音が鳴り出した。
「あ〜、腹減ってたのか俺。……死んで【現世人】として魂の身体で生きてるってのに、生身の人間のように腹の虫は鳴るもんなんだな〜、ハハッ!」
「うふふっ!…もうハクローさんったら〜!!///」(クスクス!)
ググ〜!
「!!///…あ…!///」(カァーッ!!///)
「はは!…リーネ!…折角だし食べていくか?」
「…はい…///」(テレテレ!!///)
お腹を空いていた感覚に襲われた二人は、ある屋台のうどん屋へと足を運んだ。カウンター前の店員さんは気兼ねよく声をかけてくれた。
グツグツ……
「おっ、いらっしゃい!…旅のものかね?」
「はい」「そうです!」
「ほほ〜う!…これまた仲睦まじいカップルだね〜!」
「なっ!?」「!?ええっっ!?///」(…か、カップル!?///)(テレテレ!)
二人は店員に注文を頼み、頼まれたうどんを食べながら周辺の街の様子を拝見した。
スイスイ〜♪
チャプン!
「あっ!ハクローさん!あの小川に鯉が泳いでいますよ〜!!」(ズルズル!)
「おお、本当だ!……へぇ〜………あの世の世界でも生きてるんだな〜」(ズルズル!)(一体、どっから来たんだろうな〜…(・ー・))
「不思議なものですよね〜!…あ〜でもこのおうどん…本当に美味しいです〜♪!」(ズズ!)
「そうだなぁ〜!…うどんか〜!…また作ってみるかな〜!」(ズルズル!)
「…!!ハクローさん作れるんですか!?」
「ああ!よく母さんが手作りして一緒に作ったことがあるから作り方くらいなら知ってるよ!…またベアさんの家で作ってみるかな…」
「是非私もお手伝いします!…私、こう見えて料理は得意なので!!」(フンス!)
「それは助かる…!」
仲良く雑談をしながら、うどんを食べ終わった二人はうどん屋に鉢を返し、再び町の中を探索する。すると二人は、ある幻想的な光景を目撃する。
🎼Back Ground
Music 》》》
♪〜フリーBGMより・Sakuya2
〜【Paradiso】歴2000年・6/29・夜方【Kagoya】千夜ノ桜通り〜
キラキラ〜…ヒラヒラ〜……サラサラ〜…
「!!…こちゃあ、すげえや〜!…リーネ!!あそこ見てみろよ!!」(ビシッ!)
「え?…!!…ま……!!まぁ〜まぁ〜!!…何てことでしょうか…!!大きな桜の木で…とても…桜が美しいですね〜♪!!」
【Hux・row】は指を刺して【Linea】に知らせた。目の前の先には約10メートルの高さがある桜の木があった。その通り道には大きな池と赤い渡り橋があり、道沿いにも桜の木が並び、水面は清流なのか、水質がとても良く澄んでいて水鏡となりて景色が反射していた。その非現実的であり、華やかな和の心を感じさせる光景を見た二人は、感動して息を飲んだ。
「…綺麗だな〜!」
「…本当ですね〜!…ふふ!…折角ですし、あの橋まで行って見てみましょう♪!」
「そうだなぁ!」
タッタッタ!
「!!…おお!こっからだと月がよく見えるな〜!!」
「そうですね!それに大きな満月で…本当に綺麗です〜♪…はい!」
カシャ!
【Linea】は【P-watch】のカメラ機能を使い、その美しい光景をカメラに収めた。そして満足したのか【Hux・row】の肩にもたれかかった。
「…ふふ!」(グデ!)
「おおっと!…はは!全くギルドの仕事で来てるってのに…これじゃあ旅行になってしまったな〜!」
「たまには良いと思いますよ!…まさかこんな華のあるとても素晴らしい光景が見れるとは…私…凄く驚きました!…それでは、あの桜の木まで行ってみましょうか!」
「そうだな!…行くか!」
タッタッタ!
ヒラヒラヒラ…
「ああ〜っ!…は、花びらがこんなにも美しく!!…凄く…本当に綺麗ですね!うふふ…あはは!!」(クルクル!)
「まるで《桜吹雪》って言葉が合うような光景だな〜!…ん?リーネ?桜の花びらが頭についてるぞ?」
「え?う、うそ!?ど、どこですかっ!?///」(アタフタ///)
「へへっ、かかったな〜!」(ベアさん直伝ではあるが……!!)
チュッ♡
「!!///」(は、ハクローさん!///)(ドキドキ!)
【Hux・row】は先程のドライブの時のお返しと言わんばかりに【Linea】のおでこに口付けを交わした。突然のことで【Linea】は思わず顔を紅潮させる。
「はっは〜っ!さっきのドライブのお返しだぜ〜!」(ケラケラ!)
【Hux・row】はそういうと【Linea】は妬ましい表情で頬を膨らませて顰めている。
「う〜っ!!///もおぉっ!びっくりしました!///…ハクローさんなんか知りません!」(プイ!!///)(プンプン!!///)
「あ〜わ、悪かったなリーネ!この通り…!?んんっ!?」
ギュッ♡…チューーッ♡
「……!!」「んっ!///」(でも…それでも私は…〜!!///そんなあなたが大好きなんですよ♡…ハクローさん♡!!///)(ギューッ!!///)
【Linea】は【Hux・row】を油断させ、口同士の熱い接吻を交わした。桜の花びらが舞い散る中、それは男女が触れ合い、幻想的な雰囲気があった。
ヒラヒラヒラ…
「…!!///」(頬ポリポリ)「…ふふ!…更にあなたへのお返しです♡!///…えへへ!///」(ニヘラ〜!///)
【Hux・row】は熱い接吻を交わされた後、桜の花びらに舞う様の【Linea】が何処か美しく見えたからか、頬を赤く染めた。そしてしばらくして周囲を見物すると、桜の木の名称が書かれた看板のようなものを見つけた。
「ん?何だこれ?…《千夜ノ桜》(せんやのさくら)っていうのか?」
「そう書かれていますね〜!あら…?下には詳細が…」
【千夜ノ桜】樹歴【Paradiso】歴1000年
([Senya no Sakura] Tree history [paradiso] 1000 years history)
千年の長きにわたる時の夜を超え、今もこの【千夜ノ桜】の桜の木は枯れ果てず、一年中桜が咲き誇ってはこの【Kagoya】の街の平和の象徴として、明るく暖かく見守り続けています。
(Beyond the night of a thousand years, the cherry blossom trees of this [Senya no Sakura] have not
withered, and the cherry blossoms are in full bloom all year round, as a symbol of peace in this
[kagoya] city, bright and warm. I'm continuing.)
縁起としては、【恋愛祈願】【無病息災】【礪山帯河】【大和の桜】という意味が込められております。
(The meaning of luck is [love prayer], [sickness-free breath], [Iwayama belt river], and [Yamato
cherry blossoms].)
「かなり樹齢が長いんだな。…この桜の木」
「…そのようですね。…本当に明るくて暖かいですね〜!……ですが、一体誰が何を願い、このような場所で多くの桜を植えたのでしょうかね?」
「ん〜。……!!そうだ!!」(チャカッ!)
キラーーン!
【Hux・row】が徐に取り出したのは、《千夜の十手》であった。その様子に【Linea】は不思議そうに見ていた。
「えっ?……!!あっ!?十手ですね!…でも、その十手は【Makiras】との戦いで持っていた物とは違いますが……それは一体なんなのですか?」(首かしげ?)
「ああ、リーネは初めてだったか?…コイツは現世にいた時、千夜からもらった大切な十手だ!…もしもの時に守ってくれますようにってこの【千夜ノ桜】に願っているんだ!」
「あぁ〜なるほど!…確かに、この桜の名前は…【千夜ノ桜】(せんやのさくら)…千夜さんに因んでいますもんね!…大丈夫です!きっといつまでもハクローさんの事を守ってくださいますよ!…あの人なら!!」
「…ああ!」(なあ、千夜…見ているか?…お前の名前に因んだ桜…お前みたいにすげえ綺麗だよ!…これからも何かの縁で【Paradiso】から現世といった次元の世界を飛び越えて結びついた絆で結ばれた者同士……見守っていてくれると…俺は嬉しい!)
二人は桜見物をじっくり堪能し、桜の花びらの雨に打たれながらその場を後にし、本日泊まる宿を探した。
🎼Back Ground
Music 》》》
♪〜フリーBGMより・明治大正浪漫· 鹿鳴館
〜【Paradiso】歴2000年6/29・夜方【kagoya】大正通り〜
コツ…コツン…
「え〜と、確か【R・P】社と提携組んでる宿は…と。…!!ああここだ!…ん?ここが宿なのか?…なんか。…料亭みたいだよな?」
(・ー・)ぽん!
「…あら、玄関にはちょっとした狸の置き物まで!…何だか居酒屋のようにも見えますね〜…」
【Hux・row】と【Linea】は案内された宿を見た。そこには【河原木亭】(かはらぎてい)という名前の表札が書かれており、上には、朱色で彩られた灯籠が祀られており、建物は何処か料亭のような雰囲気がある場所であった。だが目的の場所は間違いなくここを示しているようなので、二人は建物の中へと入ろうと玄関前まで足を運ぶ。
「…さて、じゃあ入るか!…こんばんは〜!」「こ、こんばんは〜!」
二人は扉を開けた。玄関には広い居間が見えており、中央には大正時代のような螺旋階段があり、洋館の雰囲気があった。気づいたのか、すぐに宿で働く着物を着た女性が現れ、丁重に挨拶をする。
「あらいらっしゃいな。…ああ、その顔…【R・P】社の方々ですね!ネラさんから話は聞いていますよ!!遥々遠くからようこそおいでくださいましてご苦労様でございます〜!」
「はい!今日からこちら【Kagoya】の町で二週間の間、滞在予定の【R・P】社【Agente】所属の【Hux・row】あだ名はハクローと申します!」(ビシッ!)「同じく【R・P】社【Grazia】所属の【Linea】愛称はリーネと呼ばれております!よろしくお願いします!」(ぺこり!)
二人は自分達の身分を伝え、【河原木亭】の者に挨拶をする。それを聞いたのか微笑んで相手も挨拶を交わす。
「ご丁寧にどうも。私はこの【河原木亭】で、ここの管理を引き受けています【Senno】(せんの)と申すものです!セノとお呼びください!…あなた方と同じ現世人でランクはS2でおよそ今から約15年間と長期に渡りこの世界【Paradiso】に住んでおり、現世の年齢で。……そうですね〜、今年で35歳になります!…以後お見知り置きを〜!」
【河原木亭】管理者【Senno】(センノ)
女性の正体は、【河原木亭】の管理を任されている【Senno】(センノ)と呼ばれる女性であり、身長は160cm前半と【Linea】とほぼ同等であり、髪色は紫色で着物は淡い水色に渋い深緑の帯を入れた少しばかり個性的なカラーリングの着物を召していた様子であった。
「あ、これはどうも!」「管理者さんでしたか!本日はここ【河原木亭】でお世話にならせていただき、本当にありがとうございます!」
「ふふっ、は〜い♪!…では、お部屋にご案内しますね!」
スタッ!タッタッタ…
【Senno】という名の女性管理者に連れられた二人は一緒に歩いていく。すると一つの部屋へと案内される。
「こちらでございます!」
「ヘぇ〜窓の向こうは竹林か〜!」「石庭もありますよ〜!風情がありますね!」
「うふふ!…長旅の疲れもございますでしょうに…入浴されてはいかがでしょうか?うちでは自慢の露天風呂がございますよ〜!」
「そうだな〜!…確かに汗をかいたかもな…」「私もですね!…え〜と入浴場はどちらにあるのでしょうか?」
「ここから突き当たって左側ですよ…!どうぞお二人共、長旅の疲れを癒してくださいね…」(クスクス!)
「よ〜し浴びるか!え〜と着替え着替えと…」「あっこちらにありましたね!」
・・・
カコーン!!
「ふう…!さっぱりするな〜!」
【Hux・row】は露天風呂に入り、今日の汗を流していた。そしてこれからのことを考えていた。
(明日からは名刀【Louvel】の刀剣探しか…まあ悩んでいても仕方ないか…この二週間で必ず探してみせる!)
ガララララ…
「ん?…誰か入ってきた…?…!?」
「……え……えぇっ!!??は、ハクロー……さん!?…ど、どうして!?///」
【Hux・row】は驚いた。そこには身体をタオルを巻き、髪を纏めた【Linea】の姿があった。そしてお互い弁明を述べる
「り、リーネ!?…いや俺は男湯って暖簾の所から入ったぞ!!」「私も女湯から…えっ…!?…ってことはもしかして…ここ…」
「「混浴場だ(です)!!!!!」」
【Hux・row】はすぐさま【Linea】の姿を見ないように遠くへと距離を取る。そしてこのように【Hux・row】は話す。
「わ、わりぃリーネ!!湯気で何も見えていないから!!断じて見ていないから!!すぐに上がるから!!…なっ!」
「…ふふ!///」
【Hux・row】は半信半疑焦っていた。しかし【Linea】は微笑んで風呂に入っては、距離を詰めては背中合わせにして【Hux・row】の背中にもたれかかった。
「!!なっ!?…り、リーネ!?」
「大丈夫です…!///…ちょっとびっくりしましたけど…私…別に怒っていませんよ…ふふ!何だか私達…温泉旅行に来たみたいですね…!///」(二コッ!///)
「…あ…あはは…」(普段ベアさんの過剰なスキンシップを経験しているおかげか…リーネと一緒に入浴しているのに、理性が保てているのはなんか複雑だ…)
【Hux・row】に特に抵抗も見せず【Linea】は露天風呂の湯加減を確かめていた。
「…ふぅ〜いいお湯加減ですね〜!」「…あぁ…そうだな〜!…あれ?紅葉?さっきは桜があって…四季の葉がこの【kagoya】にあるんだな…凄く不思議だ…」
【Hux・row】は四季の季節の木が四季の季節の概念的なものがなく、この【kagoya】に存在していることに違和感を覚えた。だがその疑問を【Linea】がこのように話した。
「おそらく、【paradiso】の世界そのものが死後の世界だから、四季の概念もなく…桜が咲いていて、紅葉が咲いているようなそんな非現実的なことが起こってもおかしくないのではないかと私は思いますね…!」
「…確かにそんな感じの言葉がしっくりくるな…雲の世界とかもあったしな…」
二人はこの世界【paradiso】に対する疑問を持ちかけながらも、二人はお互いに入浴の時間を過ごした。
・・・
「…ふぅさて、そろそろ寝るとするか!…俺は隣の部屋で寝るからゆっくり休んでくれ!」
「…そうですね!…ハクローさん今日は長い時間運転して疲れていますからね!…ゆっくり休んでください!」
「…おう!じゃあお休み!…リーネ…」
「…お休みなさい…ハクローさん…」
二人は電気を消し、心なしか楽しい旅であったのかお互い笑みを浮かべていた。夜は一度も起きることもなく朝まで熟睡した。そして朝が迎えた。
・・・
・・
・