GiorGiaNo

 
《Paradisoシリーズ〜導かれし七人の現世人の冒険譚》


A.:GiorGia 

〜第一章:白狼と誓いの儀礼刀〜

第15話:【Agente】(エージェント)【Dail】(ダイル)邸編Part2

【R・P社】のギルドチーム【Agente】(エージェント)の一員【Hux・row】と、【Bill】【Beanne】【Rolan】【Roar】の5人は諜報活動として市民街【Velkana】にて【dail】(ダイル)邸への潜入捜査を行う。その街でありさの妹ゆいである【Linea】(リーネア)と再会するが、【dail】の手下である縄の能力者の【Jeil】(ジェイル)の襲撃により、【Bill】と【Linea】は拉致され、連れ去られてしまう。縄に拘束され、身動きが取れなかった【Hux・row】の前に意外な人物が現れるーーーー









《Capitolo・1》
物語を開始しますか?

🎼Back Ground Music 》》》



Bureaucratic administration rules the masses by knowledge. Increase your superiority by keeping your expertise, practice, and secrets.
(官僚制的行政は、知識によって大衆を支配する。専門知識と実務知識、そしてそれを秘密にすることで優越性を高める。)

The government of that country is a mirror of the people who live in that country.
(その国の政府は、その国に生きる人の鏡である。)

Max Weber
(マックス・ヴェーバー)




♪〜ゼルダの伝説スカイウォードソードより・ギラヒムのテーマ


「やぁ〜こんにちは【Hux・row】君…いやもうめんどくさいから《ハクロー君》と呼ばせてもらうよ。まさか君がこの街に来てるとはね〜でもその姿…まんまと派手にやられたようだね〜!」

「てめえは、ロウディー!!…何しに来やがった!?……ははーん!さては今こんな状態になっている俺の首でも取りに来たのか?…それとも…お前もリーネを狙いに来たのか!?」(ギシギシ!)

【Hux・row】は目の前にいる、決着をつけなければならない相手、ハヤトの顔をした銀髪で、白衣に身を包んだ謎の男【Rowdy】がいた。だが、彼の発言は予想外の返答であった。

「はっはっは!…まあ確かに、西野ありさの妹である【Linea】。…いや、今はリーネと言っておこうか?……確かに僕としても興味深いからね〜。……あの娘の持つ【Fiducia】の治癒能力は間違いなく逸材のようだ!…そして、ここでの一連のことは分かっているさ。でも…かわいそうに。…まさか縄で無理やり縛られては…あんな目に遭っているとはね〜」

「!?……テメェ見ていたのか!?…まさかあんな下劣なことをされて、嫌々泣いていたリーネの事を見て陰で嘲笑って楽しんでいたんじゃないだろうな!?」

【Rowdy】はやれやれと言ったように、【Hux・row】に対し、このように返答する。

「安心したまえ。僕は別にあんなサディストな趣味には興味はない。…ただ僕はね…あの娘リーネの持つ【Fiducia】の能力の成長。それだけが楽しみなだけなのさ」

「!!…どういうことだ!?…説明しやがれ!!」

【Hux・row】の問いに【Rowdy】はこの手に関する話題を打ち切ろうとする。

「今の僕から言える事はそれだけだよ。…それに、君にはあの娘の成長の為にも。…とことん勤労に励んでもらわないとこっちも困るからね。こんなところでいつまでも《蜘蛛》のような遊びをしていちゃあだめだよ。…じゃ、頼んだよ!…ハァ!!」(ブン!)

シュルル!!ザシュッ!

「!!…な!?うぉわ!!」

ヒューン!

「!!」(スタン!)

【Rowdy】は【Hux・row】の縛っていた縄を以前使用したナイフの鞭で切り裂いて拘束から解いた。そして彼は最後にこう告げる。

「…あと、これだけは言っておくよ。…いずれ僕達はまた戦う運命にあるようだ。その時までに…君が持っているその木刀の秘密…知っておかないと後々苦労するよ。……早く行きなよ。…君の大事な大事なリーネが手遅れになる前にね…」

シュッ!

「待て!!…ッチッ!!一体何だってんだ。……!!こうしている場合じゃあない!早くみんなのところへ!」

タッタッタ!!

・・・
・・


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ブラックジャックより・Your pain

「…という訳だ。……俺は任務に失敗した!…ビル、リーネを…【Jeil】(ジェイル)っていう【Dail】の部下に連れて行かれてしまった!…みんな!…すまない!…本当にすまない!!」

「…ハクロー…」「…ハクローくん…」「…ハクロー…さん…」「…ハクローさん…」

【Hux・row】はアジトにいる【Rolan】【Beanne】【Roar】【Stera】に事の事情を説明し、謝罪した。そして自分の無力さを感じたことも話した。

「…俺があの時、もっと奴の能力に警戒しておけば…こんなことには…!!西野さんの妹のあの子が…!!…リーネがあんな辱めな目にも遭わなかったのに!!俺は…俺は!!…ぐっ!」

【Hux・row】は先程の【Jeil】の能力によって麻縄で縛られ、なすがままにされて辱めを受けた【Linea】の悲愴で悲しみの涙を流していた事を思い返していた。

『!!【Jeil】…さん!やめ…!!…う!!痛ぃ!…ううぅ…!ああっ!くっ!……い、いや…!いやぁっ…!!は…ハクローさん!!…助けて!!…助けてください!!私!…もうあんな主のいる邸に…戻りたく!…ああっ!くっ!いや!胸を…触らないで…!!あぁん!///…うぅ…!///』

「…!!」

ダーーン!!

「「「「!!」」」」

【Hux・row】は渾身の力で床を殴りつけた。涙目になりながらも、自分の心の内に秘めていた叫びの感情を言葉にした。

「!!…ハァ…ハァ……っ!!あれだけあの子を救う救う言っておいて…俺は…!!何一つ救えないじゃあないか!!哀れじゃないか!!??…何で…あの時、俺はその現場にいたんだよ!?…何していたんだよ!?目の前にいてなんであの子を守ってあげられなかったんだよ!!??」(ポロポロ!)

「ちょ、ちょっとハクローく〜ん〜!落ち着いてってば!!」「そうだ!!何もお前が悪いと決まった訳じゃないんだ!」「お、落ち着いてくださいハクローさん!」「……」

「!?…何で責めないんだよ、みんな…!!俺はあいつらを危険に晒したんだ!!最悪あそこで殺されて死んでいたかもしれないんだ!!……それなのに…なんで……なんでなんだよ…?」

「……」「…」「…」「…」「…」

「!!…すまない。…俺…どうすればいいんだ?…俺は…今までやってきたことって…何だったんだよ…」

【Hux・row】は酷く自分に強い罪悪感を抱きつつ、無気力な自分がいた。任務を達成するどころか、自分の仲間と大切な人を危険に晒した。その結果しか彼には見えていないようだった。その様子に【Beanne】は【Hux・row】に対し、非情にも決断の意を促す。

「…で?これからどうするの?これは君が決めたことだよ、ハクローくん。…今回のターゲットの城、落とすんでしょ?」

「そうだ!…それにそんな状態では、どうやっても奴らには太刀打ちできないぞ。……いつまでも時間は待てない。長引くほど人質となったビルとリーネが、先程よりも大変な目に遭っているかもしれないのだ!」

「!!…わかっている!…だけど俺は…!…俺は!!…一体…どうすれば…」

「…………!!」

【Hux・row】はひどく落ち込み、戦意喪失をしていた。それを見ていられなくなったのかある者が力強く主張した。

《負けないで!!…ください!…ハクローさん!》

「…!?」

「ロア!」「ロア…!」「ロアちゃん…」

「……!!」(テクテク……)(お母さんなら…こんな時……きっと……こうすると思います……勿論……私も…!!…だから……)

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♪〜ブルリフより・もしも、私があなただったら

【Hux・row】は顔をあげた。そこには普段のオドオドとした様子がなく、何処か気高い意志を持ち、凛とした顔をする【Roar】が前にいた。被っていた帽子を外し、【Hux・row】の頬を持ち、おでこに額を当ててこのように伝えた。

……ピトッ!

「…!!…ロア…!」

「諦めないで…ください!ハクローさん!…私達は…チームです!!…一人で悩まないで無理に解決しようと…しないでください!あなたは一人では…ありません!…あなたには…みんながいるんですから!!」

「…!!」

「…ロア」「ロア…そうだな!」「…ロアちゃん!」

「お前ら……でも俺は…」

【Hux・row】は少し迷いがあった。その時【Beanne】が一言を添えてこう伝える。

「ハクローくん。……ほら、あれ!!…昼間に渡して君が名付けた《蒼夜の十手》!…その時に君が言った会話の中にきっと答えがあるよ!」

「…!!」

・・・

『…ああ!…ありがとうな!ベアさん…!…やる気が出てきた!…今夜、必ずみんなで【dail】に勝つぞ!奴のように卑劣かつ貪欲で下劣なことをする奴らを野放しにしてはいけない!ここでの悲劇を俺達で終わらせるんだ!あの時、涙を流して悲しんでいたステラのように、もう誰も傷ついたり、被害を受けさせやしない!…そのために俺達【Agente】がいるんだ!』

・・・

【Hux・row】は目を瞑り、昼間の会話を思い出す。自分は今一人ではなく、何の為に戦うのかについてもう一度振り返った。

「…そうだな。…どんなに敵にやられたとしても、まだ俺はこうして生きている。そして…まだ生きているんだったら…俺のやる事は…何一つ変わらないんだ」

「ハクローくん…!!」「ハクロー…」「ハクローさん…」「…ハクローさん」(グッ!)

【Hux・row】は自分の決意を胸にし、目を開いて宣言した。

「…行こう。ビルとリーネが【Dail】邸で待ってる!…みんな!この街を助けるために【Dail】を討伐し、今回の仕事を終わらせて…絶対にみんなで生き残って戻るぞ!俺達の拠点【CronoSt】へ!!…こんな俺だが…みんな…力を貸してくれるか!?」

「もっちろ〜ん♪!」「ああもちろんだ!!」「私もです!ハクローさん!」「…はい!」

「…ありがとう!…みんな…!」

【Hux・row】は【Beanne】【Rolan】【Stera】【Roar】と話し合い、作戦会議を実行する。そして遂に【Dail】邸襲撃作戦を発令し、いよいよ戦場へと繰り出す。

「ステラ!!…ロアを頼んだぞ!」(ビシッ!)「じゃあ行ってくるねステラ!ロア♪」「ロア…ステラよ…無事に俺達は帰還する!…必ずな!!」

「わかりました!ロアちゃんの事は任せてくださいね!…ハクローさん…リーネの事…よろしくお願いしますね!…あとロランさんも…お気をつけて…!///」「ハクローさん…皆さん…!御武運を!」(ビシッ!)

「よし…じゃあ皆の衆…行くぜ!!」

オオーーーッ!!

【Agente】の士気は十分であった。そして地下の扉から行き、いよいよ地上に出て、チームメンバーは標的【dail】邸へと向かう。

・・・
・・



B. いいえ


《Capitolo・2》
※《性的描写・暴力シーン》あり。苦手な方は閲覧を控えてください!!
続きを読みますか?

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♪〜ペルソナ5より・Blood of Villain

〜【Paradiso】歴6/21・夜方【E島】・市民街【Velkana】・【Dail】邸・地下・大広間〜

…ジャラジャラ!

「うぉら!!いい加減吐け!」

バキッ!! ドコッ!!

「ぐあっ!!かはっ!」(ジャラジャラ!)

「ビルさん!!…!!いやぁっ!!……くっ!…【Jeil】!!…あなたは…本当に最低です!!…ビルさんをすぐに解放しなさい!…さもないと!!…!!あぁっ!…ぐぅっ!!」(グラグラ!)

「そういう訳にはいきません。彼は何一つ情報を吐かないのですから…それに…【Linea】…あなたは偉そうに呼び捨てをして…!!一体誰に向かって言っているのですか…ええ!?」(サワサワ…グイーッ)

「〜!?///んんう!///あ!…あぁ!!…くぅ!///…いやっ♡!!や、やぁめっ!…うぅ!!///」(ギリギリ!)

【Bill】と【Linea】の二人は地下の大広間で監禁されていた。【Bill】は折に閉じ込められ、手錠で拘束されており、【Dail】の部下一人が暴行を加え、情報を吐かせようとしていた。そしてその外には下着姿となり、腕を棒と麻縄で固定され、十字架状になって立ち尽くされた状態に身体全身を麻縄で縛り上げられ、純白なショーツの下着の上に絡みついた股縄を弄られて辱めを受けている【Linea】とその快感を堪能させようとする【Jeil】がいた。そして、そろそろ頃合いが来たと言わんばかりにあるブツを手にして持ってきた。

「では…私を侮辱した大罪人には、重い罰を…背負っていただきましょうか…!!このように!!…ふん!!」(ブン!)

バチーン!!パーン! ペシン!

「ああっ♡!!///…いやっ♡!!///…あぅっ♡!!…あぁ…!!…くっ!!」(ガクッ!)

【Jeil】は鞭を【Linea】の背中に強く振りかぶり、打ち付けた。打ち所が悪かったのか、【Linea】は意識が遠のく感覚に襲われるが、負けまいとジッと扱きに耐えていた。

「ふふふ!どうでしょうか〜?…さぞ鞭の感触が心地よろしいのでしょう〜?…ここも…さぞ喜んでいる様ですね〜♪」(サワサワ!グイッ!)
 
「ああぅっ!!///…ぐっ!…ハァ///…ハァ///……!!ふ、ふざけないで…ください…!…そんなもので!…私は…あなたなんかに…!!絶対屈しません!!」(キッ!!…フラフラ!)(ハクローさん…私は大丈夫です…絶対に…諦めませんから!)

「や、やめろ〜!!リーネにそれ以上触れるな!!…!!かはっ!」

「よそ見してるんじゃねえぞ!!」

バキッ!!

「うぐっ!!っちぃ!!」(教官…頼む!早く)

・・・
・・



〜その頃・【E島】・市民街【Velkana】街中

ダダダダダダ!!!

「うぉらああ!!」

バキッ!!ドゴ!!

「ぐぁああ!!」

「そ〜れ!!Fire!!」

ドーン!!ドーン!!

【Hux・row】は【Beanne】【Rolan】と街中へ繰り出し、【Dail】の派遣した兵隊と交戦していた。そして、目の前にターゲットとなる【Dail】邸が見えてきた。

「よし見えてきたぞ!!」「じゃあ作戦通りに私が奴らを引きつけるから、ハクローくん、ロランと一緒に邸内に潜入しちゃって〜!!」

「わかった!任せろ!ロラン!ステルス能力を頼む!」「了解した!!」

タッタッタ!

「確かステラの話だと、捕まった場合は地下にある監獄の大広間で尋問を受けると聞いたな!」

「よし、すぐに向かうぞ!…着いた時にステルス能力を使い、奇襲をかける!」

【Hux・row】は【Rolan】と一緒に地下の大広間に向かう。

・・・
・・


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ストロベリーナイトより・メインテーマ




『どうだ!?吐いたのか!?』

「いえ、結局何も喋っておりませんね。…叩かれ過ぎたあまりに気を失ったようでございます」

【Jeil】はソファーに寝そべりながら見物をしていた【Dail】に対し【Bill】についての情報を報告するも、何も情報が掴めていない為に、さぞご立腹の様子であった。それを見た【Dail】は機嫌を直すために話題を変える。

『ちっ!!なかなかにしぶとい!……それで、【Linea】の方はどうだ〜?///んん〜?♪』

「ええ、ここに!今可愛がっておりますよ〜さあ【Linea】!【Dail】様ですよ〜♪!その純白な下着に絡みつき、余程あなたの事が好きなのか…決して離さんとするとても逞しく、束になっている麻縄…そして…股縄になって縛られている様をよくお見せなさい!!」(グイ…ギュー!)

「ああっ♡!!///…うぅっ!!///…いやっ!…んんっ♡!!///……うぅぅ!…み、見ないでください!…いやぁぁ!///」(フリフリ!ギュルル!)

『はっは〜♪!うむ…実に美しい…絶景、絶景だ〜♪!…先程お前が【Linea】の秘めた所から採取したとても濃厚な蜜を味わって堪能したが…なかなか深みのある甘い味だったぞ〜!!ついでに、先程送られてきたデータ…《麻縄の女神》…存在そのものがエロスを象徴としていて実に素晴らしい〜♡永久保存レベルの作品だ〜♪!…【Jeil】よ!貴様の仕事ぶりには誠に感服する!!』(ペロリ!)

「お褒めに預かりまして光栄です!…本当に…この子は逸材ですよ〜♪…おまけにこんな素晴らしいものまでありますからね〜!…ククフフ!」(モミモミ!サワサワ!)

「い、いやっ!!///…んんっ♡!!///…さ、触らないで!!///……!!くっ!!…あなた達は…!!本当に下劣かつ破廉恥で…!…最低です!!///」(キッ!)

『ほぉ〜!【Linea】よ…そんなことを言ってもいいのか〜んん〜?私はここの主なのだぞ!?…いずれ、この【Paradiso】の【E島】を支配し、牛耳る王なのだ!!…貴様ごとき【現世人】風情が偉そうにほざく事は許されぬのだ!!…まあいい。特別にこれを見せてやろう!!』

「【Linea】!!…よく見ておきなさい!これはあなたが行く将来の道なのです…よく目に焼き付けておきなさい!」

ザザーーー………!!

「!!…こ、これは…!!」

『はふぁ〜ん♡…ご主人様〜♡もっと私を辱めてくださぁ〜い♡!!///』

【Linea】はその映像を見た。それは色欲に満たされた服従メイド達のビデオであった。そこには今まで【Linea】が味わってきた縄や鞭、蝋燭などを使用された無理やりにもメイドを服従させ、快楽に溺れたあまりに主人の命令を何でも喜んで行うことを教育させられる《色欲の暴挙》とも呼べる内容であった。そのビデオを観た彼女自身は、自分もそんな服従メイドとして快楽を好む主人に身売りされることが濃厚とされてきたと感じ、黙り込んだ。

「……」

『はっはっは!どうだ!これがお前の将来なのだ!それにお前は歳を取らない現世人!いつまでも重宝されては活躍できる!よかったな!明るい未来が待っているぞ!』

「【Linea】…【Dail】様のご厚意に感謝しないといけませんよ…ほらもっと喜んで…」(サワサワ!)

「…!!」(カッ!)

【Linea】は目を見開き、二人に対し、強く主張した。

「……もう我慢できません!!…私…!!完全に怒りました!…ハッキリ言わせてもらいます!……あなた達は!…正に《下の下》にふさわしい最低の極み…!!人であらずです!!」(キッ!)

「!?」

『な…何!?…私はこの【Dail】邸の主【Dail】!!この街を支配する王なのだぞ…!それを貴様はぁ〜〜!!』

《あなたのような下劣な人!…主を名乗る資格はありません!!》

【Linea】は後悔もなく、【Dail】と【Jeil】に対し、強く主張した。その言葉に痺れを切らした【Dail】は【Jeil】に強く命令する。

「ふふふ…そうかわかった!…では【Jeil】よ!…彼女をとことん教育してやれ!遠慮はいらん!」

「承知しました…では……っ!!」

《ボンテェェンンジィィィンンッッ!!!!!》

「…っ!!」

ムチュ♡…レロレロ!!

「んっ!?んん〜っっ!!///」(!?…キ、キスを!?い、いや!やめて!!は、離し!…くっ!舌まで…入れて…!!)

「んっふんっ〜♪」

ガシッ!!……グイィッ!!!!…グググ……!!

「〜んんッッ!!///」(んっ!あぁっ♡!!///…また縄を押し上げられて…!///…!!…いやっ!気持ち悪くて…くっ!…苦しい…です!…んっ…くっ…!…い…いやぁああっ!!…)(ポタポタ!!)

【Linea】は、愛を全く感じられない【Jeil】とのディープキスをなすがまま受け続けられ、股縄を局部へと強く押し上げられる。接触されていくにつれ不快な気持ちから、涙目になりつつもひたすら耐える。しかしとうとう【Linea】は痺れを切らし、遂に反撃に出る。

「…!!」



《いやっ!!》

ガブッ!!

「ぐあっ!!」

「!!プハッ!…ハァッ…ハァッ…ゴホッ!!…ペッ!!」(うぅ…!あの人の涎が…気持ちが悪いです……それに…舌の感触も……!!とにかく不快極まりないです!!!///…最…低ですっ!!///)

【Linea】は【Jeil】の舌を噛み切り、深い接吻から解放された。そして【Jeil】は笑みを浮かべて歩み寄ってくる。

コツン…コツン…

「ふふふ…そうですか、わかりました。どうやら、その純白な下着に絡みついた股縄だけでは満足なりませんか?…実の所を言いますと。…私はあなたの事が《大好き》でして…その純白な下着に絡みつくように麻縄を使い股縄にして締め上げられたその様と…そして何より…股間を弄って刺激して苦悶な表情をしつつ赤面し、甘い吐息を吐き捨て。…その拍子に分泌されるあなたの濃厚な甘い《魂の蜜》の味がとても好きでした♪…では今度は…!!そのふくよかな胸部を歪に変えて楽しませて差し上げましょう!!先程の素晴らしい《麻縄の女神》のように!!……はぁぁっ!!」

シュルル!!ギュウウウーー!!

「!?あぁっ!!///い、いやっ!!い、痛ぃっ!!あぐぅっ!!///…くっ!!……うぅ…!!いい加減にしてっ!!…私は…!!あなたのように人の命を弄ぶ下劣で最低な人…!!…嫌い…!…《大嫌い》です!!」(キッ!ポタポタ!ギリギリ!)

【Linea】は【Jeil】の能力により、再び豊満な胸部を雁字搦めに締め上げられ、苦悶の表情を見せて涙を流すが、それでも恐れることなく【Jeil】を睨みつけ、強く反論する。

「ほう!素晴らしい…では愛情の裏返しという事で…私はその嫌いを素直に《好き》に変えて差しあげましょうか。…お互い…麻縄で強く縛られた絆で結ばれて結婚して…めでたく二人で仲良く幸せに暮らすとしましょうか!!」(ダッ!)

「!!…い!…いやぁぁっ!!」(ゾクッ!!…ブワッ!!)

【Linea】は【Jeil】の求婚を迫られ、青ざめて目を瞑り涙を流して悲鳴を上げる。しかしいつまで経っても【Jeil】が迫ってくることはなかった。【Linea】はゆっくり目を開けた。

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF6より・ロックのテーマ

「…え?……!?///」

バサバサ……

「…!!なぜ…あなたが……く…っ!」

バタン!

「……」(ジャー…!!)

キン!!!

そこには、銀髪のデジタル迷彩の長めのダッフルコートを着た【Hux・row】が剣を抜刀し、【Jeil】の身体を切り裂いていた。そして【Jeil】を罵倒するかのようにこう言い放った。

「ったく!…本当に悪趣味なマゾヒスト野郎だぜ〜!!…女が嫌々縛りあげられて抵抗もできなくて涙流してるってのに、本当にエスコートが下手くそな奴だ!!つくづくどうしようもねえ外道だよ…テメエは!!」(ギロッ!!)

【Hux・row】は【Jeil】を斬り捨てて罵声を浴びせながら、抵抗できないように縄で拘束した。その様子を見た【Linea】は安堵の表情を浮かべる。

「…あ……ぁぁ……!!///」(ハ…ハクロー…さん!!///…無事だったんですね!…ああ…良かった…!…あなたが無事で…本当によかったです!!///)(ポロポロ!)

『だ、誰だ貴様は〜!?どこから入ってきた!!ええい!かかれ!!』

「貴様ぁ!!【Dail】様の邸に不法で入り込んだ不審者め!!」

ドゴッ!!

「グアッ!!」

『なっ!?一体どこから攻撃したんだ!?』

「…これが鍵だな!…待っていろビル!!…ハクローよ!リーネを頼んだ!」

「おう!…待ってろ。すぐに縄を解いてやる!…ったく…《スウィフトのガリバー旅行記》の小人の国じゃあるまいし、酷えことしやがるぜ〜ったく…!!」

【Hux・row】は十字架に立たされて縛りつけられていた【Linea】の縄を切っていき、麻縄の呪縛から解き放たれ、倒れてきた彼女の身体を支える。

「…あっ…!」(フラッ!)

「おっと!!…大丈夫か!?…ってああっ!!悪りぃな!…服も着せずにそのまま抱き抱えちまったよ…///」(ダキッ!)

【Hux・row】に下着姿のまま抱き抱えられた【Linea】は首を横に振り、思いっきり【Hux・row】に抱きつき身体を密着させつつ、胸に蹲ってこう話した。

「…いえ…構いません!!///…今回は特別です!!///…でも私…すごく怖かったです!!…あんな下劣で最低な人に麻の縄で身体中や…いやらしいところを無理やり縛られて触られて……キスを強要され…挙げ句の果てには一方的な求婚まで要求されて…もうどうしようかと思いました…それでも…あなたがこうして私を助けに来てくれました///…!!私…本当に嬉しいです!…ありがとうございます!ハクローさん♡!!///」(ポタポタ!ギュッ!)

「…そうか。……そんなことがあってよく我慢したな…!!俺の方こそごめんな、本当に遅くなって。…あの人達にも守るって約束を決めていたのに、守ってやれなくて…あ、そうだ!…ビル!!無事か!?」

「ああ教官!俺は大丈夫だ!!《肉体強化》の能力使って!…とりあえず凌いでた!それにロラン兄貴の充魂剤飲んで、もう準備は万端だよ!!ロラン兄貴!ありがとな!!」

「ああ!ビルよ!!お前が無事で本当に良かったぞ!!よく生き残ってくれたな!!」(ガシッ!)

『お…おのれ〜貴様ら〜!!生きては返さんぞ!!!』

【Dail】は怒りに満ちていた。だがその態度に【Hux・row】【Linea】【Bill】【Rolan】は怯むことはなかった。そして【Hux・row】は【Dail】の姿を見ると、何故かケラケラと笑い、愚弄し侮辱する言葉を投げかけた。

「【Dail】!!…てめえ……ぇ…!?ぷっ!!はっはっは!!…よく見るとお前…!!ダルマみてえだな〜!!えぇ〜!!??それも起き上がろうとしても起き上がれない情けない不良品のダルマって奴だ〜!ハッハッハ!!」(指差しゲラゲラ!!)

『!!…なっ!?き、貴様〜!!///誰に向かって〜!!///』(カァ〜!!///)

【Dail】様!!お気を確かに!!(プッダルマって…w…あの小僧w…クックック!)

「…は、ハクローさん!?こんな時に何を!…でも…確かに…!…ふふ!…あははっ!」(クスクス!)

「あ、なるほど!確かにあんなに肥えていたらな〜!プッ!ハハハ!教官!確かにこいつは笑わえるな〜!!」(ゲラゲラ!)

「なるほど…ほとんど部下に任せきりであんな体型に…クッ!…ハッハハ!これはいい!!これぞ滑稽ってやつか!!」(クックック!)

ハッハッハ!! あ〜腹いて〜!!

「グググ!!…貴様ら〜!!///」(カァ〜ッ!!///)

【Hux・row】【Linea】【Bill】【Rolan】はまるで今まで味わった屈辱を貶して笑い飛ばして返し、しばらくして落ち着いては真面目かつ鋭い目つきで【dail】を睨みつけて、こう宣言する。

「はっはっは…さ〜てお笑いはこの辺にして…おいダルマ!!起き上がれないんだったらそのまま寝そべって待っとけ!…今から上の階に上がってお前の首を叩き切りに報復を行ったのちに、戦乱と動乱の世らしく首を持ち帰り、戦果を取りに行くからよ〜っ!…精々首を洗って覚悟しやがれ!!」

パリーーン!!

【Hux・row】はまるで、ある将軍が敵国の者に対し、宣戦布告とも取れる例えの脅し文句を言い放ち、剣で室内の監視カメラを叩き壊した。その様子に小癪な気分になった【dail】は部下に対し、こう宣言した。

「おい!貴様ら何をしている!?あのゴミ屑共を始末しろ!!絶対に逃すな!!」

「はっ!!」

タッタッタ!!!

【Dail】自身、とてもご立腹の様子であった。しかし、彼の表情には、何か切り札があったのか、不適な笑みを浮かべて迎え撃ってくる敵対組織と一線交える準備を整えていた様子であった。

・・・

「…さてと…とりあえずリーネ!これ着ていろ!」(ポイ!)

【Hux・row】は【Linea】に【Beanne】が【Wear.CR】(ウェア・クリエイティブ)で製作したスペアのネイビー色のデジタル迷彩のコートを一着手渡した。

ファサッ!

「え?…あ!?…これハクローさんのコート…いいのですか?」(ポスッ!)

「…さすがにそんな格好してたら、またあいつのような碌でもない変態マゾヒスト野郎に襲われるかもしれないからな!…それに…女なんだからちゃんと服は着ることだ!!///」

「あっ…///…それもそうですよね。……わかりました!ではまた…洗ってお返ししますね…///」(…優しいですね…ハクローさん!///)

「…ふむ」(二人で同じ服装…ペアルックというものか…仲睦まじいな!)

「よ〜し!行くぞ!!教官!!リーネ!ロラン兄貴!」

「おお!…よーし上に戻るぞ!」

オオーッ!!

・・・
・・



B. いいえ


《Capitolo・3》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF7REMAKEより・戦う者達ー強行突破

〜【E島】・市民街【Velkana】・【dail】邸・地下通路・夜〜

…タッタッタ!

「結構長い廊下だな〜!」

「そうですね〜……っ!!///」(う〜!先程の辱めの後ですから……何だかちょっと走ると…スースーします……///)

「そろそろ上の階だ!!」

「ああビルよ!…だが油断するな!そろそろ何かが…!?…来るぞ!」

ブォーーン!!

「!!っちっ!危ない!」(ダキッ!)

「キャッ!!」(グイ!)

「きょ、教官!?」

「大丈夫か!?」

「ああ!…だがどうやら通せん坊のお出ましのようだ!!」

「…貴様が…【Hux・row】か…我ら【真・ユートピア創造士隊】に仇なす者というのは?…我は【Varisk】所属Bランク…【wais】(ワイス)!…覚悟するのだな…!」(ジャキッ!)

【Hux・row】の前に、緑のコートに身を包んだ【Varisk】所属Bランクの男【wais】(ワイス)が、武器である薙刀をまるで現世で言う《武蔵坊弁慶》のような雰囲気を醸し出して目の前に立ち塞がった。その周りには他の隊員も引き連れていた。

「……早速お出ましか!…ビル!ロラン!!先に行け!」

「わかった、教官!!」「無事でいろよ!」

タッタッタ!

「さ〜て【wais】さんよ!いざ勝負と行こうか!…リーネ下がってろ!」(シャキン!)

「は、はい!」

タッタッタ……

「……お前達はここで待て。……この男は…!!我が引き受ける!」

「「「「「ハッ!!【wais】様!!」」」」」

【Wais】が引き連れていた兵隊は、彼の指示通り、戦いを見届けることとした。すると【Wais】は再び、【Hux・row】へ視線を戻し、罪人を裁く執行人の覇気を放ち、迫ってくる。

「覚悟しろ…罪人よ!!」(ブン!)

ドゴーン!!

「っち!…そこだ!」(ブン!)

カン!!

「動きが甘いぞ…ふん!」

ザシュッ!!

「ぐぁっ!!」

「ハクローさん!だ、大丈夫ですか!?」

「問題ない!かすり傷だ!…だが固いな…こうなったら!」(サーチ能力発動!)

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
相手、右足に負傷あり。

「!!…そうかい。なら…より素早く切り抜けて……!!そこだ!!」

ザシュッ!

「…!?…我を抜いたか…だがいい気になるなよ…!!罪人が〜!!」(ブン!!)

「当たらねぇよ!!うぉら!!」(ブン!)

「ふん!!」(カン!!)

ギリギリ!!

「…!!」(す、すごいです…ハクローさん!…私は初めてあなたが戦う姿を身近で見ていますが…剣を持って戦うお姿…凄く堂々としていますね…!)

「…よし、こうなったら…」(あの時の三橋三等海佐の技…ここで使うか!)

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡♡♡】


カン! ザシュ!! ズバッ!!

「!!…な!?…この高速の三連撃…ぐぐ!!…貴様!!」

【Hux・row】は、夢の中の心の世界【Sognare】に介入した時、三橋との戦いで味わった探知能力を使用した攻撃術を、踏み込みのしやすい位置を特定して素早く剣を振り、高速の三連撃を行い、【Wais】を翻弄する。だが相手の目は諦めておらず、ここからだと言わんばかりに目の色を変えている。

「…我が刃の前で平伏すが良い!!」

「上等!…ここで…決着だ!」(シャァー)

キーーン!!

(…!!…あれは抜刀術の構え!…そうですかハクローさん…居合を習っていたのですね…!通りで剣を持つ姿が様になっていたのですか…)

《白狼夜宗流一式一の型【千夜・桜華】》

シュッ!!

「…ふん!!…!!な、何!?」(鞘だと!)

「うぉらああ!!」(ブン!)

「…!!ぐあぁ!!」

ザシュ! プス!!ズシャ!!

「……」(キン!)

「…!!うぐ…まだだ〜!!」(ブォン!!)

「ちぃ!!タフだな…やはり…Bクラスは伊達ではないってか!……そうこなくっちゃあ〜なぁ〜っ!!」

カン!! キーン!! キーーン!!

(…!!ハクローさん!…頑張ってください!…あなたなら…!)(ギュッ!)

「うぉらぁ!!」(ブン!)

ズシャッ!

「…グッ…ハァッ!!」

ザシュウッ!!

「っちっ…まだだ…」(シャー)

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜劇場版KINGDOMより・KINGDOMー信

キーーン!!

(…!!…また抜刀術の構え!…今度はどんな技を…!)

「…貴様!…!?」(な…何だ!?…この男……この雰囲気を…何処かで交えた事がある……覇気が伝わる……)

(……そろそろ新しい技を考えていたんだ…!あの時のロベルとの戦いの時の…あの技を…!!思い出せ!)

《白狼夜宗流対空迎撃一式・二の型…》

「!!」

ダッ!!!

「ならば尚更だ!!……さらばだ…罪深き我らに対し、反逆を企てた愚かな【Hux・row】よ!!…ふん!!」(ブン!!)

バーーン!!

「!!…なっ!!奴はどこだ!?」

(ハクローさん!!どこに…?…あっ!!…上に身体を捻らせて優雅に飛んでいます!…まるで天高く空を舞い、燕のようにしなやかに…!!)

「うぉらああ!!取ったー!!」

「!!」

ブォン!!!

ザシュッウウウ!!!

クルクル!……タン!!

「グアッ!!……ハァ…ハァ…ウグッ……」

バタン!!

「……なかなかしぶてえ〜相手だったな。……!!だか勝てた…そして…技も決まった!!」(チャン!)

《【千夜・飛燕】(せんや・ひえん)》

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー
戦果ポイントが加算されましたランクアップまで残り※※※です。



「…ハクローさんの勝利です!」

「【Wais】様!!」「貴様よくも…許さん!!」「皆のものやるぞ!!」

ワーッ!!ワーッ!!ワーッ!!

「リーネ!ほらこれ!構えとけ!」

「あっ!うわっ!…結構重たいんですね…本物の薙刀とは…!!でも、できないことはないですね!」

【Hux・row】は【Wais】が所持していた薙刀を、薙刀術の経験がある【Linea】に託した。【Linea】本人も薙刀を持つと、強い芯のある目で相手を睨みつける。

「準備はできてるか…リーネ?」「はい!…私はいつでも行けますよ…ハクローさん!」

《テ〜レレレッテ レ〜テレレッテ・テッテレ〜♪》

【Linea】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー
【Linea】が戦闘メンバーリストに加入しました。

【Hux・row】と【Linea】は互いに背中合わせになり、敵への攻撃に備えている。

「突撃だ〜かかれ〜!!」

ワーッ!!ワーッ!!ワーッ!!

「来るぞ!」「はい!!」

二人は臨戦態勢に入る。すると何か窓のガラスを割る音が聞こえ、更に爆発音と衝撃音が走った。

ガシャアアン!!

「!!」「!!」

「やっほ〜い!!景気付けに…過激にFire〜♪!!」(ダーン!ダーン!!)

ドーーーン!ドーーーン!

「ヒィーーー!」「ぐぁああ!!」「ウワァーー!!」

ガシャーーン!!!

「ひゃあああっ!!い、一体なんなんですか〜!?」「安心しろ…!!うちんところの頼れる姉さんが来たようだ!」

窓から【V.Prestina】(ヴェルノ.プレスティーナ)に乗って突入してきた【Beanne】が乱入し、ランチャーを使って敵を一網打尽にした。そして、【V.Prestina】を収納しては二人に気づいたのか、近くに歩み寄ってきた。

「ふっふ〜ん!!二人共無事かしら〜?」

「ははっ…ったく過激にも限度がありますよ〜ベアさん!…とりあえずビルとロランは先に上の階に上がってもらった。」「」(ベアさん…重火器を平然と相手に発砲するなんて…それにハクローさんの話様からすると…なんか日常的に慣れているのですね…)

「そっか、じゃあとりあえずビル君とロランを追いかけましょ!じゃあ行きましょうか!」

「ああ。」「は、はい!」

タッタッタ!

三人は上へと登っていく。すると1Fの大広間に辿り着く。だがその光景には衝撃の光景が広がっていた。

・・・
・・



B. いいえ


《Capitolo・4》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》





♪〜JOJOの奇妙な冒険黄金の風より・Unaltra Persona

【Dail】邸1Fホール

「…!!な、なんだよこりゃあ!?」「ひ…酷い…!!なんて事を…!」「これは…思った以上に酷いわね…!」

1Fに上がり、その光景を目の当たりにしたのは、この【Velkana】の街にいる兵隊や保安官等のユートピア人が何人も血を流して倒れていた殺風景な光景が一面に広がっており、その者達は既に息を引き取っていた状態であった。そしてその者の中に負傷した【Bill】と【Rolan】の姿があった。

「ビル!!ロラン!!しっかりしろ!!一体何があった!?」「ビルさん!ロランさん!…すぐに治します!!」「ロラン!はい充魂剤だよ!」

「きょ、教官【C島】のF街であった騒動の殺戮を企てた【真・ユートピア創造士隊】所属の首謀者の奴が、この邸内にいた!…俺の家を壊して…愛犬クウをさらった奴が…!!俺は戦ったけど全く歯が立たなくて、ロラン兄貴が俺の身代わりになって庇ってくれた!…だがあいつ、凄くイカれてる!!…あいつが来る前に…俺達は【Dail】を匿ってた保安官や兵隊を倒したんだけど……不要だと言い捨てて、無差別にサーベルみたいな刀で、あの時のように何もかも切り捨てたんだ!!」

「なっ!?」「そ、そんな…!」「……」

三人は【Bill】の話を聞く。そして【Rolan】が口を開き、その者の身分を告げた。

「ベア…気をつけろ!…奴が現れた。……【Varisk】Aランクの…!!【Makiras】(マキラス)だ!!」

「!!…何ですって!?…くっ!…【Makiras】…!!」

「…ベアさん…【Makiras】って?」

【Hux・row】は【Beanne】に【Makiras】のことについて聞く。【Beanne】はその質問に対し、素直に返答した。

「かつてある騎士ギルドに所属していたAランクの元騎士なの。…だけどかなり野心があったからか実力がなく不要と判断した兵士は任務で戦死したかの様に見せかけて本当は次々と自分で手を下して処分する行き過ぎた独裁的な性格の持ち主でね。…指導方針も酷く、ギルドからも批判の声があったの。そしてついには仲間内でも争いを起こして反逆と汚職をしたとして追放されたの。…その後、【真・ユートピア創造士隊】の【Varisk】に身を置いて、主に闇稼業専門の殺し屋の道を引き受けて現在も各地で数々の《殺戮》に手を企てているの…!!…まさか奴がここにいるとはね…」

「!?な…何だよそれ!!」「ひ、酷すぎます…!!そんなの!!」

はっはっは!そういうことだ…ゴミ屑共よ!!!

「!!」「【Dail】!!」「!!…ま…【Makiras】…!!」「…!!」「!!」

五人は上を見上げた。そこには、【Dail】と黒のコートを着た黒髪で肌黒の強面男の闇騎士【Makiras】が立ち尽くしていた。そして【Dail】は【Linea】に対してこう問いかけた。

「ふっふっふ!【Linea】よ!よくぞここまで来たの〜!どうだ?大人しく私にお前の身を捧げれば、このゴミ屑共の命だけは助けてやらんことはないがな〜♪…どうかな?」

「ふざけないでください!!…もう私は迷いません!!…【Dail】!!…私は貴方の様な外道…絶対に許しません!!…ご覚悟を!!」(チャキッ!)

「…俺もだよ!!【Dail】…いや!…ダルマ!!…テメェ!…リーネやステラを含めたメイドに対して数々の酷い仕打ちしたうえに…そんな危険な野郎を雇っていたとは…!!予想以上にイカれた野郎だよお前はぁ〜!!…もう容赦しないぞ!!…あと【Makiras】!!…テメェ〜…よくもビルと…ロラン、そして味方だった兵士や保安官までも好きたい放題やりやがって…!!覚悟し…!!……ベアさん…何を?」

コツン…コツン……!!タァン!!

【Hux・row】と【Linea】は【Dail】と【Makiras】に敵対意識を持ち、臨戦態勢を取ろうとしていた。その時に【Beanne】が横切り、愛用武器の銃剣【Arbitro】(アルビトーロ)を持つと【Hux・row】の視界の前に立ち塞がった。

「……覚悟したほうがいいよ…【Makiras】!!…ハクローくん…リーネちゃん…下がっててくれるかな?…ビルくんとロランの二人を頼むわね。…あいつは…私が倒すから。……いい?…二度は言わないよ?」(ゴゴゴゴゴゴ…!!)

「…!!…ベア…さん?」(ゾクッ!)「…!!」(ゾクッ!)「ベア…姉さん…!」(ゾクッ!)「…!!ベア…お前…」

4人は【Beanne】の放つ計り知れない怒りに満ちた殺気と闘気を感じ取っていた。その重く重圧のある圧倒的プレッシャーは初めて経験し、思わずメンバーは後ずさる。

「ふっふっふ!たかが小娘のようだな〜♪…だが、なかなか良い体つきだ…【Makiras】!相手をしてやれ!」

「…承知しました…【Dail】様」

バッ!!スタンッ!!

【Makiras】は下から降りてくる。【Beanne】は銃剣【Arbitro】の剣先を相手に向ける。

「…【Makiras】!!…よくも私の可愛い部下に…手を出してくれたわね…そして…あなたがこれまでの各地の島のギルドのメンバーの虐殺をしてきた数々の報い……ここで受けてもらうから!!」

「…部下?…そいつらのことか…?ああ…あまりにも貧弱なので、何も気にしていなかった…」

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF13より・閃光

「…!!」(シャッ!!)

キーーン!!

【Makiras】の言葉で【Beanne】は怒りを顕にして素早く突進する。お互いの剣がぶつかり合った際に【Hux・row】は【Makiras】の所持している剣を見ると目を見開く。

「!!」(…なっ!?あいつの持っている剣…なんで…あれが!)「は、早いです!!」「あれだ…初めて会った時、あの剣で殺されかけて…そして今も…」「……」(あの剣は…何処かで…)

「…やっぱり…あの噂は本当なのね。…その名刀【Louvel】(ロウヴェル)は返してもらう!」

「…ほざけ。……ふん!!」(ブン!!)

「…そこ!!」(ブン!)

シュッ!シュッ!

「…っ!!」(ブン!)

「効かない!!…はぁ!!」(ブン!)

「…ぬん!!」(ブン!)

キーーーン!!

「…ベアさん…あの目は本気だ!…あの時俺と戦った時以上に…!」「…え?」「あれがベア姉さんの本気か…!」(頼むベア…あまり能力を使うな!)

「じゃあ…そろそろ、速度上げていくか…」

ダーン!!

「…ぬ!?」

「…ハァアアア!!」(ブン!!)

ザシュッ!!

「…!…ぐ!」

「とりあえず…一太刀…え…?」

ザシュッ!

「…!?…くっ!」


【Beanne】 ランクA
【♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
「!!ベアさんが…斬られた!」「ウソ!!ベアさん!」「ベア姉さん!」「ベア!!」

「…そんな小細工。……俺には通用しない…【R・P】社ギルド…【Agente】所属の【Beanne】よ…お前の墓場はここだ!断言する!」

「…その言葉…そのまま…アンタに返してあげるわ…はぁ!!」(ダーン!)

シュッ!! シャッ!! シュッ!! シュッ!! シャッ!! シュッ!!

「…ぬっ!?…くっ!小賢しい真似を…」

【Beanne】は風の能力を使い、四方八方に瞬間移動の如く移動し、【Makiras】を錯乱させる。そして銃剣【Arbitro】を構え、殲滅するかの如く素早く切り裂いた。

「…!!」

ザシュ!! ズバッ!! ブシャッ! ジャキン!!

「…グッ!…貴様…!!」(ブシャー!!)

「…まだよ…まだ終わらせない…アンタに聞きたい事が山ほどあるからね。……何でアンタが騎士団ギルド…【Verkuy】(ヴェルクーイ)の騎士団長が持っていた名刀【Louvel】(ロウヴェル)を持っているのか。……そして、その刀を持っているのなら分かるわよね?…アンタの親玉で…私の憎き宿敵の内の一人でもある大罪人…!!【G・lrof】(ゲー・ルロフ)が一体どこにいるのかをね!!」(クワッ!…ダッ!!)

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜SAOより・Sacred Swords

シュッ!! シャッ!! シュッ!! シュッ!! シャッ!! シュッ!!

「…!!さっきよりも…早い!!いや、それだけではない!今度は壁にまで移動を…!?」「凄い…これが…ベアさんの本気なのですか…!?」「…でもベア姉さん…なんかいつも違って…すげぇ怒りを感じる…」(…!!ベア!!やめろ!!今のランクのお前では…身体への負荷が大きい!!止めるんだ!)

「…ムン!」(ブン!)

スカッ!!

「!!」

【Makiras】は【Beanne】に対して重い一撃を振り上げる。しかしその攻撃を外す。

「…覚悟しなさい…!…【Makiras】!!!」

《【Beanne Formula Sacred Sword】(べアンヌ式神聖剣!Ⅱの奥義)…!!)》

ジャキン!

ザシュ!! ズバッ!! ブシャッ! ザシュ!! ズバッ!! ジャキン!!

「…!!ぬうっ!?」

「はあああああ!!」

シャキーーーーーン!!

《【Santa benedizione】(サンタ・ベネジオーネ)!!》

キィーーーーン!!

【Beanne】は渾身の聖なる一撃を【Makiras】目がげて振り上げた。だがその一刀を易々と名刀【Louvel】で防がれる。

🎼Back Ground Music 》》》



「…!!…なっ!?」

「…それがどうした?…貴様の剣撃とは…その程度か?…弱い…つくづく弱いな…今度は…こちらからいくぞ!!ふん!!」(シャッ!)

ブシャアア!!

「!?…なっ!?…かはっ!!…うっ…!!…っちっ!!…は、離しなさ!…あぐ…っ…!」(グググ!…ブラ〜ン!!)

【Beanne】 ランクA
【♡♡♡♡♡】

「なっ!?…ベアさん!!」「ベアさん!!あぁ…い…いやぁーー!!」「ベア姉さん!!」「ベア!!!」

「はっはっは!いいぞ【Makiras】よ!!良い!…実に良い余興だ〜!!…さあ血祭りにあげ、そいつらを《処刑》にするのだ!!」

「はっ!【Dail】様!…直ちに」

【Makiras】は剣を【Beanne】の身体に突き立て、貫通させ、そのまま宙へと浮かせる。【Beanne】は抗おうと刀の刀身を持ち、【Makiras】を睨みつけ、抵抗する素振りを見せる。それを見かねたのか、【Makiras】は【Beanne】を挑発するかの様にこう語りかけた。

チャキリ……

「…この名刀【Louvel】こそ…俺が持つにふさわしい。…名は知らぬが…この持ち主だった【Verkuy】騎士団長の者は…愚かにも大罪人【G・lrof】(ゲー・ルロフ)様にたてつき、無残にも殺されて死んだのだ!…本当に愚かでしかない。…この渡された名刀【Louvel】そのものは…ある儀礼刀をモチーフにしていると聞いたが…とても扱いやすくて躊躇なく人を斬り殺すのには持ってこいなのだ…こんなふうにな…!…ふん!!」(ブン!)

「…!!…あぁっ!!」

「はぁ!!」(シャシャシャ!!)

《【Makiras】流惨殺剣奥義!…冥死(めいし)!!》

ブシャ!!…グサッ!!ザシュウ!

「…!!…ああっ!!…くうッ!!…うぅ!!……」

サラサラサラ〜………

「…所詮はこの程度か。……今から5年も前。…貴様の身内が起こした大事件。……その罪深き業を。……これより、貴様自身の身体で…身をもってして償って貰おうか…?」

チャキリッ!!

「!!黙りなさい!…アンタ…それ以上…!!…彼の事も。…!!あの子の悪口を言うのなら。………容赦は…しないわよ!!…ぐっ…!…身体が…!?」(キッ!フラフラ…ボロボロ!!)

【Beanne】 ランクA
【♡♡】

【Beanne】は能力の副作用で身体に力が入らなくなるも諦めず、魂の欠片が宙に舞う中【Makiras】を睨みつける。その様子を見て虫の息だと判断した【Makiras】は名刀【Louvel】を振りかざし、トドメを刺さんばかりに刀を上に翳す。

「では…さらばだ…【Beanne】よ。…予告通り…ここがお前の墓場だ…!…喜んで…死ね!!」(ブン!!)

「…っち!!」

カーーーン!!

「…ぬっ…?」(ギリギリ…!)

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜とある魔術の禁書目録より・幻想殺し

「…………ッ!」

ギリギリギリ……

「…!?…え…?…!!なっ!?…は…ハクローくん…!?」

ギリギリギリギリ……

「…テメェ。…!!いい加減にしやがれ!!…この騎士の名折れの…!!恥さらし野郎がぁ〜っ!!…ベアさん。…俺はもうこれ以上…アンタが傷ついているのを見ていらねえし我慢も出来ねえ!!……リーネ!ベアさんを頼んだぞ!!」(ギラッ!!)

「…!!…はい!!ベアさん!しっかりしてください!!」(ガバッ!)

「!!…う…ぅ…」(…ぐぅ…!…ハクロー…くん…!…やめなさい…あなたじゃ…そいつには…私を置いて…早くみんなを連れて逃げなさ……ぃ………)(グタッ!)

「きょ、教官!」「…やめろ…ビル…言ってもあいつは…聞かないだろう…もう誰にも止められん!」

【Hux・row】は【Makiras】に剣を向け、意地でも抵抗し、敵対する姿勢を見せていた。そしてこう宣言した。

チャキリッ…

「…もうお前のような人の心を持たない悪党…俺は遠慮もせず…この剣で斬り飛ばして裁いてやる!…覚悟はできているんだろうな〜?……!!堕落の騎士…【Makiras】!!」(ジャキッ!)

「…それはこちらの台詞だ…せっかくあの女を楽にしてやるところだったのに。…貴様…いかにも…弱い犬程…よく吠える様な顔をしている…この俺に刃を向け、そして…この俺への名前に対する無礼を…あの世で悔いるのだな!」

「黙れ!…!?…なっ!」(ブン!)

「…遅い…そして…弱い!」(ブン!)

ズシャッ!!

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡】
ーーー

「…!!グッ!!」(ブン!)

「…」(キン!)

【Hux・row】は怖気付くことなく【Makiras】を強く睨みつけては全力で剣を振るう。そしてその様子に【Makiras】は余裕そうに名刀【Louvel】を振り、話を続ける。

「貴様…さっきからこの刀に視線を合わせているが…この刀のことを知っているのか…?…まあいい…俺達【Varisk 】の真・ユートピア創造士隊の救済活動を邪魔するようなら…容赦はしないぞ…」(ギリギリ!)

「黙れ!!……その現世にあった日本海軍の儀礼刀みてえな、名のある刀の意味を分からず、人を守るどころか、数々の善良な人々を散々斬りつけてきたテメェ〜に…!!その名刀を持つ資格はないッッ!!…それに…何が《救済》だ!?…テメェら【真・ユートピア創造士隊】のそのふざけた世迷言は聞き飽きてんだよ…!!絶対にここでお前の腐り切った野望を終わらせて…引導を渡してやる!!」(ギリギリ!)

「ほう。……俺達の救済活動を止めると?……なら貴様。…《死罪》確定の様だな…潔く…死ね!!」(ブン!)

キーーーーン!

「っち…!…テメェ!!」(ダッ!)

カン! カン! キーン!

「…!!」(ギュッ!!)(ハクローさん!!…勝って!…無事に勝ってください!!…そんな極悪非道な人に…絶対に負けないでください!)

【Linea】は【Beanne】を回復させつつ、強い光を込めた希望の眼差しで【Hux・row】と【Makiras】の戦いを見守る。【Hux・row】の勝利を信じるかのように─────


・・・
・・



B. いいえ


《Capitolo・5》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ゼルダの伝説:スカイウォードソードより・ダイルオーマ・1

「フン!!」(ブン!)

「…っち!!」(ヒョイ!)

「…貴様…避けてばかりだな…それで貴様は俺のような騎士を愚弄するのか?」

「黙れぇ〜!!…この外道騎士野郎がぁ〜ッッ!!」(ブン!)

「…隙を見せたな…フン!!」(ブン!)

キーーン!!

「…そう来ると思ったぜ…!!」

「!!…弾いたか…」

【Makiras】の斬撃を【Hux・row】はソナー能力で予測し、斬撃を剣で防ぎ、距離を取った。そして次の手へと撃って出る。


【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡】
ーー


「……じゃあ…そろそろ…」(シャー…)

キン!

「……抜刀術…貴様、余程死にたいようだな。……わざわざ俺の前で隙を見せる真似をするとは……」

「……」

【Hux・row】は《明鏡止水の境地》に入った。そして心の中では次の技が閃いているような片鱗を見せていた。

(新しい技……!!ここで試してみるか!!)

《白狼夜宗流 一式二の型》

「…終わりだ…ハァッ!」(ブン!)

「!!」

グルン!!ズシャア!!!

「ぬぐぅ…!!…な…に!?」

「……っ!!」(カン!)

《一式二の型【千夜・転狼】(せんや・てんろう)》

「!!身体を…捻って…斬撃を避けた!?」(……)「…一回転してアイツを斬りつけた…!…教官」「…ハクロー…まさか…ここまで…」

【Hux・row】は【Makiras】の攻撃の瞬間を見計らって繰り出してきた斬撃を回避し、縦へ高速回転し、一刀両断をするかの如く【Makiras】を斬りつけ、深傷を負わせた。

「…!!貴様ぁあ!!」(ブン!!)

「ハァ!!」(ブン!)

キーーーン!!ギリギリ!

「…俺の動きを見て反撃するとは…!!やってくれたな!」

「お前の動きのキレ…どうやら最初に比べると確実に落ちてきている!…余程ベアさんのダメージが深かったんだろうなぁ〜っ!!」(キン!)

「…思い上がるな……小僧。…では…少し俺も本気を出すか…」(シュン!)

「…!!」

ジャキーーン!!!!

「……」(シャー…)

キン!

グシャッ! ブシャッ! ザシュッ!!

「…!!…かはっ!!…なっ!?…足が…!?……くっ…!」

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡】
ーー

バターーン!

「は…!!ハクローさぁ〜ん!!…そ…そんな…!…い…いやぁっ!!」「……」「きょ、教官!!」「ハクロー!!」

【Makiras】の音速のような踏み込みから繰り出された斬撃が【Hux・row】に襲い掛かった。足を斬りつけられ、深傷を負ったのかバランスを崩しては地面に倒れ伏せた。【Makiras】は【Hux・row】が倒れたのを確認すると、次の標的を【Linea】に決め、歩み寄ってくる。

「…さっきから五月蝿い。……耳障りな女だ。…次は…お前だ!……喜ぶがいい…服従のメイドよ。…これで、あの【Varisk】の面汚しである下衆な縄使い【現世人】からの辱めを受ける事もなく、…あの世へと楽に行けるのだからな…行くぞ!」(シャッ)

「い、いやぁっ!!!」(ブワッ!)「リーネ!危ないッ!!」(ダキッ!)「!!」

ブォン!!

カーーーーン!!

「!!…ぬうっ!?」

【Makiras】は自分の斬撃を何者かに防がれた。そこには魂の残渣物が流れながらも立ち尽くした状態の【Hux・row】の姿があった。左手には【Beanne】から貰った《蒼夜の十手》を装備し、【Linea】の身を守り、【Makiras】を睨みつける。

「……ま…まだだぜ!…勝手に終わらせるな!!」

キラキラ……

フワァ〜…!…ピトッ!

「……!?……え…」(スッ!)

二コッ!

「…!!」(は、ハクローさん!…た、助かりました!…あれ…?…ハクローさんの隣に…誰かが…!?…あの女性の方は…確か…ハクローさんの葬式にいた…)

左手に装備した蒼夜の十手には心なしか、誰かが添えていた感触があった。確認すると隣には【Hux・row】のよく知っている女性がそこに立っているように見えた。その女性は微笑み、【Hux・row】と【Linea】に対し、このように語りかけた。

『…まったく!…本当に無茶するんだから!…その亜麻色の髪色の子が…西野さんの妹さんの…ゆいなのね!……その子の事、ちゃんと守ってあげないと承知しないわよ!!………アンタとはもう住む世界は違うけど…それでも私は…アンタの愛人であると同時に、私達居合道のみんなと絆で繋がってるんだから!…それを決して忘れないで!…その子の為だけじゃなくて、他に守るものがあるから剣を持って戦うあなたを…私はいつまでも応援してる!…必ず勝ちなさい!…そして…負けないで!…白狼!!』

フワァ…!

そこには幻想のように現れた千夜だった。メッセージを送った後、とても温かみの溢れる微笑みを浮かべて光となりて【Hux・row】の周りを温かく包みこむ。【Hux・row】は涙を堪え、力強く剣を持ち、【Makiras】に立ち向かい、ソナー能力を使用して負傷を負っていた右足を神速の如く斬りつけた。

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ゼルダの伝説:スカイウォードソードより・ダイルオーマ・2

「…っ!!」

うぉらああ!!

ブンッ!

ズシャアアア!!

「…!!…うぐぉっ!!…な、何故だ……確かに手応えがあった筈だ…!!それなのに、何故貴様は立つ事が出来るのだ…!?それに…その十手は…一体…!?」

「…ハァ…ハァ……!!へへっ!!」(ありがとな…千夜!!…本当にお前は…俺の愛した女だよ!!…おかげで心なしか元気が出た!…この十手にはどうやら…リーネと同じように、周辺の魂を集気させる効果があるようだ!…それを集気させて…!!俺の力に変えてくれたんだ!)(チャッ!!)

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡】
ーー
周辺の魂を集気させて魂を補給しました。

「ハクローさん…」(…そうでしたか。…あの人が現世でのハクローさんの…大切な《愛人さん》の方なのですね…!…夢のようではありますが…ハクローさん…応援してくれてよかったですね!…何だか勇気つけられたのか、とても嬉しそうです!)「行けー!教官!」「行けるぞハクロー!!」

ポタ…ポタ……

「…死に損ないが。………俺は…問答無用で貴様を葬ると決めた…覚悟はいいか…」(チャキッ!)

「…それはこっちのセリフだ!!…もうお前の足をベアさんと俺が切り刻んだ!…これでお前の得意な辻切りはもう封じた!…そろそろ決着も近いだろうなぁ!!」(チャキッ!)

「…ほざけ!」(シュッシュシュ!)

「おせぇよ!」(ブン!)

「…フン!!」(キン!!ブン!)

「…!!」(キン!!)

両者は共に譲らない攻防が長い時間続いていた。【Hux・row】と【Makiras】は互いの剣を振りかざし、ぶつかり合う。

「………ん…んう…!?…ハッ!…ハクローくん!?」

「あっ!?ベアさん!?…気がつかれましたか!?」「ベア姉さん!」「ベア!!大丈夫か!?」

そうしている内に、暫く気を失っていた【Beanne】が目を覚ました。【Hux・row】と【Makiras】がお互いにぶつかり合っているのを見て彼女は驚く。

「…!!」(!!…嘘…ハクローくん!?…あの【Makiras】相手にあそこまで食らいつくなんて…それに…あの十手!…そっか。…ちゃんと使ってくれていたんだね…)

「うぉらああ!!」(ブン!)

「…つけあがるなよ、小僧!!…俺の自慢は…辻斬りだけではない!!…ハァッ!!」(チャキン!!)

ザシュ!! ブシャア!! ザクッ!! サクッ!!

「…!?…グアァァ!!…くそ…【Jeik】と同じ神速の突き技を放ってくるとはな…!!」(フラフラ!)

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡】
ーー

「ハクローさん!」「ああっ!ハクローくん!!」「教官!!」「ハクロー!!」

チャキッ!!

【Hux・row】は【Makiras】の神速の突きの攻撃を直に受けてしまい、身体へのダメージが大きいのか体がふらついていた。すると【Makiras】は【Jeik】という名前を聞き、何かを思い出したかのように告げる。

「【Jeik】…だと?……あの虫けらと一緒にするな」

「!?…虫けらってか!…本当に大いにムカつく態度だな!…てめえの部下なんだろうが!!…元気にしてるのかよ、あいつは?」

その言葉に【Makiras】は衝撃的な言葉を【Hux・row】に伝えた。

「奴は俺が始末し、処分した。……この刀でな…」(ジャキン!)

「なっ!?…テメェが…あいつを!!」「!!」(!!【Jeik】…彼も【Makiras】に消されたのね…)(あいつが…こいつにやられたのか…!?)

そう伝えた【Makiras】は【Jeik】を愚弄するかのように【Hux・row】に対し、更に話題を持ち込むように話しかけた。

「【Jeik】…奴は貧弱過ぎたのだ。…《Cランク》の立ち位置に関わらず…たかがランクEに敗北し、我が【真・ユートピア創造士隊】直属の殺戮戦闘集団…【Varisk】の名前に傷をつけたのだ…!…だが…俺に殺される前には…最後にはこんな事を言っていた……」

・・・
・・


【Varisk】本部・処刑執行場

「…【Jeik】…【Varisk】の掟だ…敗者のお前を処刑する…!…後悔や最後に言い残す事はないか…?」

「はっは〜後悔といえばそうですね〜…自分が〜好きな侍のような武士道を持った銀髪ボーイともう一度リベンジを望んでおりました〜のデスがね〜!」

「…それだけか…?」(ジャキッ!)

【Makiras】は鎖で拘束された【Jeik】に対し、容赦無く剣先を前に向ける。しかし【Jeik】は笑みを浮かべ、自信を持って【Makiras】に言い聞かせた。

「私を殺した後…きっと…【Makiras】!!…武士道を持たぬあなた〜は、きっと彼に出会った時、おそらくは敗れ去るでしょ〜うね…彼には、白い狼のように気高い思想があ〜り、それだけの剣の強さだけで〜なく心も強い〜です。彼との抜刀での一騎討ちで私…感じまし〜た。彼には無限大の果てしなく広〜い世界を心に持っていまし〜たから。…いずれ…私を倒した後に…必ず〜やその青年と会った時…あなたの最期〜となるでしょう…」

「そうか…わかった…」(ブン!!)

「フフ…後悔しますよ…」

《銀髪ボーイ…あなたなら〜必ず私より〜も大きな男になれま〜す。いつか…このヨゴレな存在の【Makiras】を倒し、乗り超えることを〜心よ〜り期待していま〜す…》

ズシャアアアア!!

・・・
・・


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜劇場版:KINGDOMより・KINGDOM・信

「…そうかよ、テメェ!…【Jeik】にも…あいつにも手をかけたのか!?」

「去り際…銀髪の男と再戦を望んでいたらしいが…そんな無駄な時間を過ごさせてはたまらん…それに…奴が【Varisk】に入ったのにも関わらず…無用な虐殺を嫌い、自らよりも強い人間のみを相手にし、倒していたのだ…俺からすれば…奴など所詮雑魚かつ目障りに等しい…そして…」(チャキッ!)

【Makiras】は最後に自分を過大評価するかのように【Hux・row】の前に剣を向けた.

「…そして…最後に…奴が言ったその銀髪の男…どうやら貴様だったようだな…【Hux・row】!!…所詮無駄な時間と儚い夢…とんだ期待外れな男だ…!…どうだ?…最後に俺のように歴戦を乗り越え…強くなった最強の騎士に殺される気分はどうだ?…光栄に思え……!?」

キィイイン!!

【Makiras】は刀で【Hux・row】の斬撃を防ぐ。【Hux・row】の目から怒りに満ちていたが、命を賭けてでも必ず相手に勝つという闘気を放っていた。まるで侍のような信念を持った意志を持ち、【Makiras】に屈する事なく剣を力強く叩きつけた。

キリキリキリ!!

「…何のつもりだ?…【Jeik】は貴様を殺そうとした敵だった筈。……何故に怒りを顕にしているのだ…?」

「【Jeik】…!!あいつは…テメエのように腐っていなかった!!…奴が【Varisk】に所属する者だとしてもな。……お前とは違い…剣士としての意地と信念を持つ…!!武士のような《誇り》があったんだよ!!…それにあの時、俺とこの剣で本気の斬り合いをして…!!剣とは何かを情熱をかけて教えてくれた一人でもあったから…!!そのおかげで俺は、これまで真剣を持って敵に全力で立ち向かってきたんだ!!…お前のような下衆がな!……!!あいつの悪口を言う資格はないんだよ!!…うぉらああ!!」

カーーーーン!!

「…!!…ぬぐぅ…!?」(この俺が力負けをした……だと……!?)

「ハァ…ハァ……スゥーー!!」(シャーーッ…)

キーン!

「!!」(…再び抜刀術を!?……ハクローさん!…あなたなら…きっと…!!)「ハクローくん…!」「教官!!いけー!!」「ハクローよ…全力の一刀を…お前に託したぞ!!」

「…そうか。……そこまで貴様は…俺に殺されて死にたいのか?…ならここで引導を渡してやろう。……あの世で【Jeik】に会うようなら伝えておけ。……この【Makiras】こそが…!!この【Paradiso】一の最強の剣士だとな…!!」(チャキッ!)

シャアッ!!

「……」

(…【Makiras】への一刀…これで白黒つけてやる…!…【Jeik】…アンタとは敵とはいえど…俺はアンタから剣に対する熱意を教わったことを…!!絶対に無駄にはしない!ここでアイツに…勝つ!!)

【Hux・row】は目を瞑り、《明鏡止水の境地》に入り、心には澄んだ気持ちで【Jeik】との戦いを思い出しながら剣を握り締める。そして集中が一気に頂点に達した【Hux・row】は、特攻を開始するかの如く、目を開き疾走した。

「」(カッ!!)

ダーーーーッ!

「…踏み込みが甘いようだ!!…その首…貰い受ける!!」(ブン!!)

ズシャア!!

「…ッ!」

「ハクローさん!!」「ハクローくん!!」「教官!!」「ハクロー!!」

「…!!…なぁっ!?」

ギリギリ…

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡】
ーー

「…俺の左手に持っている十手の存在を忘れて…最強の剣士とは…片腹痛いよな!…そして…これでお前に遠慮なく…技を打ち込める!!」

《白狼夜宗流…白狼秘剣戟…一の秘剣!!》

「ウォアアア!!!」

ザク!!ザク!!ザク!!ザク!!グサッ!!

「…!!…ぐっ!!」

【Hux・row】は左手に十手を持ち、右手の剣で【Jeik】以上の神速の突きを五連撃し、【Makiras】にお見舞いする。

「…まだ終わらせない!!」(タン!!)

ズシャアア!!

「…!!ぬぐぅ…!」

【Hux・row】は留まることなく、更に斬撃の追撃を行い、剣を下から天翔るかの如く斬り上げて飛翔して天高く飛び上がり、白狼夜宗流【千夜・飛燕】の型の姿勢に入る。しかし、【Makiras】はそれを追撃するかの如く、刀を構える。

「…いい気になるな!!…貴様は…俺に敗れるしか…道はないのだ!!」(ブン!!)

「…そんなテメェが決めた腐り切った道は…!!俺の剣で断ち斬ってやる!!…自分の進む…新しい道を…この剣で切り拓き、みんなで作って歩いていくだけだーーーーッッ!!!!」(クルクル…ブン!!)

「ほざけ…!!この…青二才の反逆者風情がぁーーっっ!!」(ブン)

キィイイイイーーン!!……!!

パキィーーーン!!

「……!?…なっ!?…俺の…剣が…」(スタンッ!)

「……」(チャキン!)

【Hux・row】と【Makiras】の両方の剣が強い衝撃を受け、【Hux・row】の持っていた剣の頭身は折れてしまった。それを見かねた【Makiras】は勝ち誇ったように立ちつくし【Hux・row】に対し、血塗られた刃の先を向けた。

「…貴様の剣。…どうやら呆気なく折れたようだな。…思い知ったか!…所詮お前に…この俺を…乗り越えられな…か…っ…!?…………」

バターン!!

「……その肩の負傷…!!ははっ……剣は折れちまったが…どうやら決まったな。…漫画のようで…《中二病》感はあるけど…俺なりに考え抜いた奥義だ!!」

《千夜・伍閃宗刃(せんや・ごせんしゅうじん)!!》

【Hux・row】の刀身は折れていた。しかしその折れた剣の刀身は、【Makiras】の肩に深々と突き刺さっており、相手は力尽きたのかその場に倒れ伏せた。戦いを見物していた【Dail】は【Makiras】の安否を問いかける。

「…!!まっ!!【Makiras】!!お…おい!!しっかりするのだ!!」

「や…やった…は…ハクローさん!!」(ブワッ!)「う…嘘……ハクローくん。……あの…【Makiras】を…倒した…!!」「…す…すげぇ…!!やっぱり強い…!!すげぇぞ〜教官!!」「よくやったハクロー!!」

「…ハァ…ハァ……!!ああ!!」

「…ぐ、クソッ!!」(ダッ!!)

ダダダダダダ!!

「!?ああっ!【Dail】が逃げます!」「…逃さない!…追いかけましょう!」「野郎!!…逃すか!!」「ハクロー…お前はこれを飲んでおけ!…後から追ってこい!」(ポイッ!)

「…サンキュ!…先に行っててくれ!…俺はこいつを拘束したら後から追う…!!絶対にダルマの野郎を逃すなよ!!」(ゴクゴク!)

【Hux・row】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡】
ーーー
戦果ポイントが加算されました。次のランクまであと※※※です。

「…わかっているさ」

タッタッタ!!

「さ〜て…後始末をしないとな…【Jeik】…アンタから貰った剣…こんなになってしまったけど…アンタの敵…確かに取ったぞ!…俺は……【Makiras】に…勝った!!」

【Hux・row】は【Makiras】に勝利する。その顔からは何か達成感を感じ取った表情をしていた。そして夜は次第に更けていくーーー

・・・
・・



B. いいえ


《Capitolo・6》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜JOJO5部より・Lotta Feroce

「…さあて。…そろそろ始めないとな…」

【Hux・row】は任務として、【Dail】の部下を騎士ギルドに身柄を明け渡す段取りに入ろうとしていたその時だった。

シュルル!! バチン!!

「!?ぐぁぁっ!!…この縄ぁッ!!…まさか…またテメエか〜!!…変態マゾヒスト野郎〜!!」(グググ…)

フラフラ…

「…【Jeil】ですよ!…よくもこの私と愛しの【Linea】との愛の育む互いの時間を邪魔してくれましたね〜!!……ふん!」

ギュウウウウッ!!!…ギリギリ…!!

「ぐあぁ〜ッッ!!…き、貴様ぁ〜…!!」(ギリギリ!…)

【Jeil】はあの後、味方に救助されたのか、拘束された縄を解かれ、負傷を負いながらも能力を使い麻縄を召喚して【Hux・row】の首を絞めて圧迫し、息の根を止めようと攻撃を仕掛ける。そして【Hux・row】を安心させるかのようにこう呟いた。

「しかしご安心を。…貴方をこの麻縄で絞め殺した後…!!私の可愛い愛しの【Linea】をしっかり可愛がり。…そして娶(めと)る事で、《人間》として私達はめでたく結婚して彼女を幸せにして差しあげましょう♪…私の、この麻縄で【Linea】を熱く絡め取り…私達の愛が永遠に離れないように縛りつけ…今度は…幸福の絶頂へと昇らせてあげましょうか〜!…それでは貴方には《死罪》として、この…私と馬の骨が全く合わない不愉快極まりない汚れの黒騎士の人をプレゼントしましょう。…首を締められて苦しい思いをしながら、どうぞ斬り上げられて…無残かつ滑稽な死に方をしてください!」

チャキッ!!

「…!?…なぁっ!?」

「……」(グググ!)

【Hux・row】の背後には【Jeil】が能力を使って麻縄を使い、操り人形の如く操っていた【Makiras】がいた。腕には名刀【Louvel】が持たれており、今にも【Hux・row】の身体を醜く斬殺しようと、刀を振り落とす姿勢で構えていた。そして【Jeil】は邪悪かつ怨めしい表情の笑みを浮かべ、【Hux・row】に言い放った。

「…では【Dail】様に逆らった不届き者な大罪人を…!!正義のお縄の下に執行させていただきましょうか…!!さようなら……はぁ!!」

「……」(ブン!!)

「くっ…!!…クソがぁ〜!!」(グググ!)

【Hux・row】は【Jeil】の縄の拘束に逃れる事ができず、無慈悲な一刀が振り下ろされる。




するとそこに予想も出来ない出来事が起こった─────

………シュンッ!

チャキッ!

キィーーーン!!ザシュッ! グサッ! ズバッ!

「……っ!?……」

「……!!なぁっ!?」

「……」(…シャー…)

キィン!!

パラパラパラ……

「!!…ぐぅっ…!?ゲホッ…ゲホッ!…な、なんだ…誰だ?……?……カラスの仮面をした…黒い…男…?…」(グデッ!!)

「……あ…なた…一体…何も…の…で…す…か……っ…」「………」(フラフラ…)

バタン! バターン!

「………」(スタスタ)

チャキッ!

【Hux・row】の身体を拘束していた麻縄は、突如黒衣を身に纏い、鴉のような仮面を身につけた者が現れ、持っていた一本の刀で縄を素早く切り裂き、振り上げられた【Makiras】の腕に握られていた名刀【Louvel】の刀身を間一髪のところで叩き折り、目にも止まらぬ速さで【Jeil】と【Makiras】を斬り捨て、刀を帯刀する。その男は【Makiras】が所持していた、血塗られた刀身は無惨にも折られた状態の名刀【Louvel】と鞘を回収し【Hux・row】の前に現れ、まるで【Hux・row】の顔色を伺うかのようにしゃがみ込む。

「………」(スタ…)

(な…なん…だ…?…一体…誰…なんだ…?………)

【Hux・row】は力尽きたのか、目の前の鴉の男の視界が少しずつ狭まり、気を失ったかのようにゆっくり目を閉ざした──────

・・・
・・



🎼Back Ground Music 》》》



♪〜座頭市より・Festivo

「ハァ…ハァ…ゼェ…ゼェ…!!ぐぅ〜ぬぬッ!…まさか【Makiras】め…!!奴が倒されるとは…」

そこまでだよ〜♪みぃ〜つけた!!

「!?…な、き、貴様は…!?…ハッ!!」

ジャキッ!!

「…とうとう追い詰めました!!…【Dail】!!…ご覚悟を!!」(ジャキ!)「いよいよお前の顔面を!!ぶん殴れる!!大人しく観念しろ!!」(シュッシュッ!)「ステラの分まで…痛みつけられる準備はできているのか?」(グキゴキ!)

【Dail】は逃走していたが、【Beanne】に発見され、その後に駆けつけてきた【Linea】【Bill】【Rolan】に発見され、いよいよ追い詰められる。観念したのか、四人に命乞いをするかのように頭を下げ、取引をするかのように交渉を開始した。

「ひ、ヒィッ!!…す、すまん!この通りだ!つい出来心だったのだ!…もうこんな事はしないから…どうか許してくれ!!な、何だ?何が望みなのだ!?…ポイントか!?ランクの地位なのか…!?…なら話は早いぞ!私の部下になれ!…そうすればすぐに大きい地位をもらえる!何でも手に入るのだ…どうだ!?」

【Dail】はそのように四人に許しを請うかのように交渉する。するとその問いに対し、【Beanne】は意地悪するかのように悪どい笑みを浮かべて三人に意見を聞く。

「と、言ってるけど〜?みんな〜…どうする〜?」(ニヤニヤ♪)「絶対許しませんっ!!私のみならず、ステラさんやその他のメイドに対するこれまでの罪…償っていただきます!!」(キッ!)「誰がお前の部下になるか!!べ〜!」「言いたいことは…それだけか…?」(グキゴキ!)

ゴゴゴゴゴゴ…!

「…ま、待ってくれ!!」

ザザザザザザザザッ!!

「!!な!?一体なんですか!?」「な、何だ!?…この獣の毛皮のようなものを着込んだ奴ら!?」「!!…こ、この人達は!?…B島の【Survivor】(サバイバー)ギルドの部隊!?」「だが、何故【B島】のギルドの者達が【E島】を訪れたのだ!?」

四人の前に現れた軍勢は【B島】内に存在している【Survivor】(サバイバー)というギルドであり、各地の貧困民の難民を集めては、行政や国政を個人で仕切っており、主に災害や難民を救助する際に派遣される特殊部隊である。今回派遣されたのはその部隊の中でも肉弾戦向けの血の気の多いゲリラ集団の者達であり、その中で指揮官らしき者が命令を伝える。

ザッザッザ……

「皆の者よ!…これから邸内を捜索し、捕虜になっている仲間や奴隷人を救助する!反抗するものは速やかに静止させ、捕虜となっている者を自由の身にさせておやり〜っ!!」

オオーーーー!! アラホラセッセ〜!!!

「…き、貴様ら!?…何を勝手なことを…!?……なっ!?…」

「………」(ギラッ!)「………」(ギラッ!)「………」(ギラッ!)

「ヒィッ!!」(ビクッ!!)

【Dail】は軍勢を静止させようとするが、一人一人が一丸となって、とてつもない威圧感で睨みつけて黙らせ、一人一人のギルドの者が【Dail】を囲み、穏便ではない話しをしていた。それを見ていた四人はやれやれと言わんばかりに見物をしていた。

「なんか凄く逞しい人達ですね…あの人達も…ギルドの方々なのですか?」(花男の方達を思い出します…)「ええ。特にあのギルドチーム【Survivor】(サバイバー)は武道派でね〜♪肉弾戦では文句なしにトップクラスのギルドチームなの!」「そ、そんなチームがあるのか!!なんか強くなれそう!」「一応合同での研修があったりするのだ!!ビル!…よければ紹介してやろう!!」

四人は雑談のように話をしていると、ボロボロになった姿の【Dail】がこちら側に走ってきて助けを求めるかのように【Linea】に思いっきり抱きついてきた。

「うぉおおお【Linea】よ!た、助けてくれ〜!!私の怪我を治しておくれ〜!!」(ジョ〜!!ガバッ!!スリスリ…モミモミ…サワサワ〕

「きゃああっ!!///い!…いや!!///離してください!!いやぁ///!!…ってぇ!?……んんっ〜!!///…いい加減にしなさぁ〜い!!…あなたも主を名乗るなら…!!自分の罪を素直に認めなさい!!……はぁっ!!」(グイ〜!!)(スッ…ブン!)

パーーン!!

「ぐほっ!!」

「よく言ったぞ、リーネ!…【Dail】よ…これは…お前が今までステラにしてきた苦痛の分だ…よく味わえ!!…ハァッ!!」(シュッ!!)

ベキッ!!

「ゲフッ!!…ゆ、許してくれえ……!?」

キィーーーン!!!!

「…お前!!…さっきはよくも俺を取り調べして好きたい放題!!部下に殴らせて!!おまけに【Jeil】に命令してリーネにたくさん酷いことしていじめたな!!もうお前許さない!!…うぉらあああ!!」(ブン!)

【Bill】 ランクE 
【♡♡♡♡♡♡】
ーー
下半身に強化を施しました。

ドゴッ!!

「ぐあぁあ〜!!…ゴハァッ!!…な…なんて重い蹴りだ…!!…た、助けて…くれ…」

「!!」(む!!…あの男…なかなかいい蹴りをしている!!…それにあの力は…!?…これは…もしや…!!)「!!」(…!?…これは逸材のようだ!!リーダーに報告せねば…)

「ふっふ〜ん♪…じゃあ…私も…ハァッ!!」(ブン!)

バキイッ!!

四人によって滅多打ちにされ、更にボロボロになっていく【Dail】は、もう主としての威厳もなく、見る影もなくなっていた。そして【Dail】は隊員に再び連れていかれ、尋問に戻されてはこれまでの悪事を全て曝け出した。捜索隊は次々と捕虜を保護し、全員の救助が完了したことを報告し、指揮官が次の指示を下した。

「監禁されていた者を全て救助しました!」

「よし、リーダーを呼んでくれ!!」

「はっ!」

タッタッタ!

「…どうやら他の捕虜は、彼らが救助したようですね…」「おそらく今回の一件で、流した情報が他の島にも流出したようね!」「これでもう安心だな!」「これで【Dail】の素性も、公になるだろう…一件落着だな…」

ザッザッザ…!

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜テイルズオブグレイセスより・要塞の息吹
「…あらご機嫌よう!【R・P】社【Agente】の御一行方…ロランお久しぶりですわね〜!…それに、そのお姿だと、どうやらAランクになり、早速年齢サロンに行ったのですわね…ベア!!」

「え?……!?ああ〜!!ルビアじゃない!!元気そうだね〜!!…へぇ〜!それに見ない間に髪型変えたんだね〜♪」「!!ルビア!!何故お前がここに!?」「?」(誰でしょうか?)「?」(…誰だ…?)

そこには、明めの茶髪に黒のスーツにネイビーのタイトスカートを履いたビシネスウーマンのような雰囲気の【Wilvia】(ウィルビア)という女性が【Beanne】に挨拶をし、次に【Bill】【Linea】の二人に自己紹介する。

「…あら、そこの方達は初対面でありましたわね。…初めましてお二人方。…私は元【Agente】で、今そちらでは参謀兼リーダーを引き受けているネラの相方をしていた【Wilvia】(ウィルビア)って言いますの!ランクはS1です。ネラとベアと同じく現世人ですわ!名前は好きにルビアと呼んでいただければよろしくてよ!どうぞよろしく!」

《ーー【Wilvia】(ウィルビア)ーー》

「あ、ご丁寧にどうも!【Linea】と言います!同じ現世人です!…こちらの【Dail】邸のメイドとして働いておりましたが今回の騒動で、えーと【Agente】?というギルドのベアさんやこちらにいるビルさんと、ロランさん…そして今、別行動中ではありますが…ハクローさんという方に助けていただきました!」

「ふむふむ。…あら、そうでしたの!……それで、あなた様はそのハクローという方にとても好意を抱いておいでなのですわね〜♪」

「…!!ええ!?///…あ、あの、ちょ、ちょっと!!///」

「ああ〜ダメだよ♪リーネちゃん、誤魔化しても無駄だよ〜♪ルビアには隠し事なんか一切できないんだ〜!だってこの人は読心能力者なんだから〜♪」

「あ…あうぅ…!///」(あ〜ハクローさんのことを他の人に知られるのはなんだか恥ずかしいですね…!///)(テレテレ///)

「す、すげぇ〜!オロアみたいだな〜!!…俺は【Bill】!!ビルと呼んでくれればいい!!…同じ【現世人】で能力は肉体強化!」

「…ふむ」(確かにあの三姉妹の導き人達も読心能力を持っているな…)

「あら、あなた様がネラがおっしゃってたビルさんですのね!?…その肉体能力の話は、ネラからも話は聞いていますわよ!…では話を戻しますが…現在私は、B島の首都【Bestia】(ベスティア)でこの【Survivor】(サバイバー)の参謀兼リーダーをやっていますの!」

「へぇ〜!ネラとはまた分野が違うんだね〜!?…まあ確かにルビアは昔から格闘能力に優れていたよね〜!…その読心能力もあってか、心技体のスペシャリストとしてあるサバイバルギルドからスカウト兼ベッドハンティングを受けたんだもんね〜!でも、まさかそれが【B島】の【Bestia】で【Survivor】に所属して…まさか参謀をしているとはね〜!」

「す、スカウト!?…そ、そうなのか!?ロラン兄貴!?」「うむ。そうなのだ。…それでルビアよ!今回はどんな仕事で来たのだ?」

【Wilvia】はそろそろ本題かと思い、【Bill】に向かって、こう持ちかけた。

「ええ。実はネラから頼まれまして…この【Dail】邸の捕虜の保護任務を引き受けましたついでに…ビルさんの肉体能力系統の【Fiducia】の力を見ておこうと思いまして…飛んできた次第でありますのよ!…我々のところでも肉体強化の能力者はとても貴重な存在ですのよ!…もしよろしければ私達の【Survivor】で学べば、更にあなたの肉体能力を磨いて強くなれることをお約束します!…いかがでしょうか?」

「!!…ええ!?ってことはこれって!?」「うむ!これはスカウトだ!!」「よかったじゃない!ビルくん!!…配属されたばかりでこれは大手柄な話だよ〜!!」「おめでとうございます!ビルさん!!」

一同は【Bill】のことで喜ぶ。だがそれには条件がある事を伝えた。

「ただ…まだビルさんは【R・P】社ギルドに配属されて間もないため、しばらくは【Agente】で任務に従事して期間を設けて最低限度の実績を残し、実力をつけてから私達のところで働いてもらえる様にネラに伝えておきます。…いかがしましょうか?」

「……」(どうするか…ロラン兄貴…ベア姉さん…)「ビル…こればかりは俺達は何も言えない。お前が決めるのだ!」「ビル君!…これは君が決めることだよ…」「ビルさん…どうしますか?」

【Bill】自身は迷った。これから【Agente】として【Rolan】【Beanne】そして【Hux・row】と仕事ができると思っていたがいつかは自分が【Agente】を離れて【Survivor】での仕事に就くことに抵抗を感じた。だが、【Bill】は強くなれるなら背に腹は変えられない。そして離れ離れになった愛犬クウのこともあると感じ、意を決して【Wilvia】に決意を述べた。

「……教官とロラン兄貴、ベア姉さんと別れる日が来ると思うと…俺は辛い!…!!けど!それでも俺は強くなりたい!…それに、【Survivor】に入って各地を回れば、俺の初めての友達で…愛犬のクウが見つかるかもしれない!!…わかった!その話引き受ける!!…いつの日か、俺を迎えに来てくれ!!」

「おお〜ビルくん♪」「よく言った!ビル!!」「ビルさん!!」

「…確かにあなたの意志…承りました。またその旨をネラに報告しておきますね。…では私はこれにて失礼します…」

【Wilvia】はそう告げると踵を裏にし、部隊を引き連れて帰還していく。その後しばらくして、大勢の足音が聞こえ、警笛を鳴らすかのように次の来訪者がやって来た。

ダダダダダダ

ピィーーー!!

「騎士ギルド!!【Soldate】(ソルダーテ)到着しました!秩序を守る為、罪人を確保しろ!!」

ジャキッ!!

「【Dail】!!貴様をメイドに対する不純な婦女暴行・猥褻行為並びに不法売買取引及び、【真・ユートピア創造士隊】に所属する殺戮集団【Varisk】との密接な関わりを持ち、市民に対する殺戮行為にも手を染めた容疑で貴様の身柄を拘束する!!」「…最後に言い残すことはないか…?」(ジャキン!!)

「うっ…!……無念だ……」

「!!あの方達は?」「あらら来たようだね〜♪ウチんところの騎士ギルド【Soldate】も!」「おお〜!剣士が勢揃いだ!!」「我々の騎士ギルドがお出ましか。…これでチェックメイトだ!」

メンバーが喋っていると、金髪の髪色をした若い女性の騎士が【Beanne】達に歩み寄ってきた。

「【Agente】の皆さん!今回の一件ご苦労様です。ベア、あなたもよく無事だったわね!」

「ああ!デカール!うん!こっちは何ともないよ〜!どうやらそっちに流した情報、役に立ってくれたようだね〜♪」

「…ブロッキングされていたからか、送られてきた情報に少しばかり暗号化されていて情報開示に時間がかかりましたが、何者かがハッキングを企てて…おかげさまでここでの悪事が明らかとなりました。…ああ、自己紹介遅れました。【Agente】の皆さん!…私は【Soldate】に所属する騎士【Decal】(デカール)と言い、ベアとは同期だった者です!今回の件はご苦労様でした。迎えの者を手配しておりますので、準備ができ次第そちらに声をかけて【CronoSt】(クロノスト)へと帰還してください」

「は、はい!わかりました……!!あっ!?でもハクローさんがまだ…!!」「あ、そっかハクローくん…そういえばやけに遅いね…」「教官…」「ハクロー…何かあったのか?」

メンバー一同は【Hux・row】が暫くしても一向に姿を現さないことを心配していた。すると騎士隊員の一人が、声を上げて担架に何者かを乗せて来たようだ。

「おい怪我人だ!…1Fの大広間の近くで銀髪の迷彩柄のスーツを着た者が倒れていた!」「なんだ!?何かサーベルのような刀を大切に握っている!?」

「!!…ハクローさん!!」「ハクローくん!?ご、ごめんデカール!!また後で!」「教官!!」「ハクロー!!」

メンバーはすぐさま【Hux・row】に歩み寄る。そこには満足げに笑い、名刀【Louvel】を大事そうに持っては離さない状態で運ばれていた。

「ご安心ください!命には別状はありません!すぐに治療ギルド【Grazia】(グラージア)のものを手配して、彼の手当てを担当します!」

「…そうですか!…あぁ…ハクローさん…!!よかった…本当に無事でよかったです…!」(ポタポタ…ピトッ!)「…ごめんね…!私が奴と決着をつけるべきだったんだけど…でも…よくやったねハクローくん!その名刀【Louvel】は…あなたが大事に持っておきなさい…」(ギュッ!)「教官…お疲れさんだな!」「ハクロー!…本当にお前は大したものだ!」

【Dail】邸の騒ぎはいつの間にか深夜を通り越して、旭日が迎える。皆に激励を贈られる中で、【Hux・row】はその旭日を目を閉ざし、手には儀礼刀によく似た名刀【Louvel】を握り、朝を迎えることとなった。そして【E島】の【Dail】邸事件はこれにて閉幕となり、【R・P】社ギルドの活躍により、【Dail】が牛耳っていた市民街【Velkana】の独裁政治は崩壊し、街には安息のある平和が訪れたーー




B. いいえ


《Capitolo・7》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜パリは燃えているか・オルガン

「……ん?…!?…なんだ…?ここは…?…【Dail】邸ではなさそうだな。……夜の教会か?…また俺の心の中の世界…【Sognare】か?」

【Hux・row】は目を覚ますと、そこにはあるどこかの国の教会のベンチにて横になっていた。建物には青白い光が照らされており、十字架が白く神秘的な光を指していた。そして、何かもの悲しい哀愁感漂うパイプオルガンの音楽が流れている。そして司祭者の立つ位置には黒い衣を着た人物が立ち尽くしており、【Hux・row】が気がついたのを理解し、振り向くとそのまま声をかけてきた。

「…目が覚めたようだな」

「あ!?…アンタは…確かあの時、俺が【Jeil】にやられそうになった所を助けてくれた…鴉の仮面の男!…アンタ…一体何者なんだ!?…何故…俺を助けた?」(?…声がなんか変だ…変声機か?)

【Hux・row】は目の前にいた男を見て驚く。そこには【Jeil】によって命を脅かされそうになった所を助けられた鴉の仮面を被りし男であった。そしてゆっくり【Hux・row】に歩み寄り、自己紹介をする。

「…私は【Y・Corvo】(ヤタ・コルボ)…君の現世の世界で伝えられる《日本神話》にも登場する鳥…《八咫烏》の名の異名を持つ【現世人】の者だ。……気軽にコルボと言ってくれても構わない。私は…この世界の秩序を乱していた罪人…【Makiras】を止めようとしていた。そんな時…たまたま君が殺されそうになったのを黙って見てはおれず、【Makiras】の名刀の刀身を叩き折り、そしてもう一人の男の能力で縛られていた縄を切り裂いて助けただけ。……特に理由はない…」

「…!!…そうか…まあ礼だけは言っておくよ…ありがとな。…俺は【Hux・row】…ハクローなりシローなり好きに呼んでくれ!…コルボ…アンタの持っているその刀…ただの刀じゃあなさそうだ。まさかあの二人を…その刀でやったのか!?」

【Hux・row】の問いに【Y・ Corvo】は首を横に振り、続けてこう話した。

「安心するといい。あの二人は殺しはしていない。ただ…昏睡状態のような状態にし、今…夢を見させている。彼らに自分の犯した過ちと罪を…向き合ってもらう為に…」

「…!!…どういうことだ…?」

【Y・Corvo】は自分の腰にぶら下げている刀を抜刀し、その刀を見せた。その刀は黒いが、青白い光を放っていた。そして丁寧に説明する。

「この刀の名は清刀【八咫光】(ヤタビカリ)。【Pietra stellanera】(黒星石)という希少な鉱物を使って作られた。そして二人にかけた【八咫烏ノ秘剣】(やたのがらすひけん)秘剣其ノ一…《悔夢(カイム)》…これにより、あの罪深き禁忌を犯した二人は深い昏睡状態となり、夢の中で今まで犠牲になった者達の報復として自分自身がその惨劇の被害者となり…それが終わることもなく…幾度となく何度も繰り返され、決して安息の無い地獄以上の苦痛を永遠に浴びせ続けられていることだろう…」

「…なっ!?」

「…出来れば私も…このような技を使いたくはなかった。…だが彼らにはどんなに罪を認めさせようと説得をしようにも…納得はしないと判断し、救いようのない者と見做し、これ以上の犠牲を払わせないようにと覚悟を決めて、躊躇なく彼らを裁いたまで…!!これ以上…世界の秩序を見出す不届きな者の手で誰かが涙を流し、悲しみの溢れる犠牲になるのであれば…私は…この清刀【八咫光】を持ち、救いようのない悪を断罪し…絶対的な悪の根をこの世から断ち切るまでだとな!!」

ザワァーーッッ!!!!

「…!!……」(ゾクッ!!)

【Y・Corvo】からは、絶対的な悪を決して許さないという秩序を遵守する思考の持ち主であるからか、躊躇なく悪を即時に断ち切るかのような圧倒的な威圧感を放っていた。それを言い放った後、【Hux・row】に対し、ある交渉を始める。

「…そして君に…頼みたい事があるのだ…聞いてくれるか?」

「…まさか…その悪を根絶やす救済を…俺にもやれと言いたいのか?」

「それは君の自由だ。私も無理に勧める気はない。…ただ…あの名刀【Louvel】を君に託した。…折れた刃は再起不能の状態だ。腕のいい鍛冶屋のギルドの者に頼み。…新しく良い刃を仕込んでもらうといいだろう」

「…あの刀は一体何なんだよ?…何で俺の現世に存在した、かつて《日本海軍》が使用していた《儀礼刀》の軍刀にそっくりなんだよ?…なぁ〜コルボ?…何か知っているなら教えてくれないか?」

【Y・ Corvo】は【Hux・row】の問いに、少し躊躇したところもあったが快く答え、清刀【八咫光】を抜刀して【Hux・row】に剣先を向けた。

「…よかろう。…だがそれを聞くからには…それなりの覚悟があるのか…試させてもらうが構わないだろうか?」(ゴゴゴ…!)

「…!!…ああ。そういうことか。いいぜ!!…是非アンタと手合わせをしてみたかったんだ!…ハッ!」(チャキッ!)

【Hux・row】は手を翳しては以前三橋との戦いで授かった日本海軍の軍刀を出現させて装備し、【Y・ Corvo】と対面し、青白い光の広い空間の中で刀を構える。

チャキリッ!!

「…覚悟はできているようだな。……!!ゆくぞ…!」(シュッ!)

カン! カキン! カキ! カン! キーン!

「っ!!」(…!!は、早い…!!…それに一刀一刀が…重い…なんて斬撃だ!!…くっ!)

カン! カキン! カキ! カン! キーン!

「…!!…だが俺だってやられっぱなしじゃあ…そこだ!!」(ブン!)

「遅い」(ブン!)

キィーーン! カランカラン!

「…!!…なっ!?……!?…」

「……」(チャキッ!)

【Hux・row】の持つ軍刀はいとも簡単に手放され、宙に舞い地面に転がる。そして圧倒的な戦力を見せつけた【Y・ Corvo】は清刀【八咫光】の刃を目の前に向ける。

「…その程度なのか?…まだ…やるのか?」

「…っちっ!…まだまだ!…と言いたいが、今の俺の実力じゃあ何度やってもアンタには勝てないようだ。素直に負けを認めるよ…完敗だ…」(フリフリ…)

【Hux・row】は目の前にいる絶対的強者の【Y・Corvo】を前にして、降参の姿勢を見せていた。その様子に素直に完敗したという気持ちが伝わったのか刀を戻して、話を少しだけするかのように【Hux・row】に少しだけ名刀【Louvel】について説明した。

「…素直に負けを認めて結構だ……おまけとして…少しだけ名刀のことについて教えよう。…その名刀の姿形を考案した理由は知らないが…とある島の国に存在する騎士ギルド【Verkuy】の騎士団長が持っていたとされ、一部の人間からは英雄とも言われていた者が愛用していたとされる由緒正しき名刀だ。…そして大罪人の一人【G・lrof】(ゲー・ルロフ)に致命傷の深傷を負わせた刀でもある…」

「…確かベアさんも【Makiras】との戦闘中にも言ってたな。…その…大罪人の【G・lrof】って一体誰なんだよ?…!?…なっ…!?」

【Hux・row】は【Y・ Corvo】の身体が透けているのに気づく。周囲を見渡すと青白い光ではなくなり、明るいナチュラルカラーの明るい光が差し込んできた。そして、【Y・Corvo】は去り際に【Hux・row】にこのように伝える。

「…シローよ。…君なら…名刀【Louvel】を元の持ち主である…かつて人からは英雄とも呼ばれた偉大な騎士団長の意志を継ぎ、大切な者の為に振るってくれるだろう。……そしていずれ来るべき日の厄災の如く現れる…大罪人【G・lrof】の野望を…名刀【Louvel】と…現世の恩人から授かった木刀が…奴を阻止する鍵となる…確かに伝えた…私は…しばらく休むが…君は…そろそろ起きなくては…ならない……世界を…頼んだ…!…し…と…も…よ…ま…た………会……」

「…!?…こ、コルボ…!!…まっ…待ってくれ!!…まだ話は…!…うぅっ!!」

ピカーーン!!

・・・
・・


🎼Back Ground Music 》》》



〜【Paradiso】歴・6/28・昼方【R・P】社【Grazia】ギルド・ベッドルーム〜

「……ん?……ここは?…?あれ?俺…いつの間にか服が着替えられている。……いつものコートか?…それにここは…?」

「…あ…気がつかれましたか!?ハクローさん!!…ああ良かったです!なかなか起きなかったので…私…凄く心配しました!」

【Hux・row】は【Sognare】から目を覚ました。周囲を見渡すとそこは病室であり、周囲を見渡すと数々のベットが配備されていた。そうしていると誰かに声をかけられて上を見上げる。そこには亜麻色の長髪で、黒のタートルネックのセーターに胸には【R・P社】の赤い十字架のワッペンを身に付けた【Linea】が見下ろしていた。

「…ん?…あ…リーネ…!…あれ?…つか俺…いったい何日間寝ていたんだ?」

「…あれから今日まで約1週間は休んでいましたよ」

「!!…そんなにか!?…んで?…そのワッペンは?…まさかギルドか…!?」

「はい!…この一週間の期間の中で、私とステラさんは、ここ【R・P社】の治療ギルド【Grazia】(グラージア)に配属となりました!…私の治療能力はとても重宝されるとかで…後…ステラさんもこの【R・P】社の能力開発のテストを受け、治癒能力を身につけて晴れて許可をいただきました!…でも…」

「…でも…?」

「その…ルーシス室長が…ご、ごめんなさい!…わ、私ったら///」

「…?」(ルーシス室長に何かあったのか…)

【Linea】の口から【Lu-cis・ H】室長に何があったのかを、知らされる─────









《To Be Continued…→》
 
 
 

 
 
 


第15話:【Agente】【Dail】(ダイル)邸編Part2
完読クリア!!



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