GiorGiaNo

 
《Paradisoシリーズ〜導かれし七人の現世人の冒険譚》

A.:GiorGia

〜ダブルフェイス〜黒豹と法と秩序の契り〜



第9話:花の街【Velkana】 



【Veno・nix】は【Paradiso】の世界に辿り着いて一週間が経過する。そこに【Veno・nix】に声をかけてきた【R・P社】の【Agente】所属の【Beanne】という少女の姿をした10年の時を過ごす現世人と出会い、 G島の【Olfes】の町にいる【Aria】の行方を追う為、二人は長きに渡る旅を歩もうとしてはE島の【Velkana】を訪れていたーーー




《Capitolo・1》
物語を開始しますか?

🎼Back Ground Music 》》》



Voluntary loneliness and separation from others are the most accessible defenses against the suffering that arises from relationships.
(自ら進んで求めた孤独や他者からの分離は、人間関係から生ずる苦悩に対してもっとも手近な防衛となるものである。)

Those who are specially liked and raised by their mother have the feelings of a conqueror for the rest of their lives, which often causes real success.
(母親から特別に気に入られ育った者は、一生征服者の感情を持ち、その感情がしばしば本当の成功を引き起こす原因になる。)

Sigmund Freud
(ジークムント・フロイト)



・・・
・・


〜E島【Velkana】〜

「…〜♪よ〜し!!着いた〜!!我が楽園〜♪」

【Veno・nix】と別れた後、【Beanne】は単独で年齢サロンを訪れては、この時を待っていたというばかりに、嬉しそうに鼻歌まじりで年齢サロンの店の前に立ち尽くしていた。

「…いよいよ私もここでサロンを受けて年相応の…本来の姿に!!…あ〜…何だか…姐さんの事を思いだすな〜……」

【Beanne】は年齢サロンの店を見物しては、その昔会った恩人の女性と初めて会ったことについて思い出していた。

・・・
・・


〜時は戻り1990年E島【Velkana】〜

『…ウフフ♪…お嬢ちゃん大丈夫〜?』

『…!!…お…お姉さん…一体…だ…誰!?…何者なの!?…でも助かった…けど…怖かったよぉ〜〜〜!!!!わぁ〜〜〜ん!!!!!』

ダキィーー!!!

『あらっ!?…ふふ♪…あなた歳いくつ?』

『…12歳。……現世人でね…オロア達の導き人の試練を受けて、【Fiducia】の森羅万象の能力を持ってはこの【Paradiso】の世界に来て…でもさっきのお兄さん達に私の能力を知っては身体を弄ばれて…まるで…現世で見ていたホラー映画のように…私を実験動物のようにしては…奴隷のように扱われて…私の身体を…あんなことやこんなことをして///……!!…わぁあああああんんん!!!!』

『あらあらそうなの…大変だったわね〜!…あなた名前は?』

『…現世では…瀧川・ベアリーヌって名前で…この【Paradiso】では【Beanne】って名乗ってるの…』

『べアンヌか…へぇ〜…いい名前じゃあないの〜!!…ふふ♪…でも12歳になってもそんなにべそべそしているって事は…親にもべったりなのかしらね〜♪…ウフフ♡…まだまだ甘えん坊でちんちくりんな子ね〜♪』

『…!!ち…ちんちくりん!?…ひ…ひどいよ〜お姉さ〜ん!!』

『あはは!…あ〜っ♪…何だか、あなたのこと気に入ったわ〜♪…そうだわ!…あなたが名乗ったのなら、折角だし私も名前を名乗らないとね〜!…私の名前はね〜…』

・・・

「…姐さん。…あれからもう10年だよ。…私は無事にAランクになって、これから年齢サロンを受けるんだ。……出来れば、私の本来の姿を…姐さんに見ていて欲しかったなぁ〜…でも…大丈夫だよ。…これが済んだら…また姐さんに…!!…おっと辛気臭いのはなしと〜♪明るくいかなきゃ〜♪」

【Beanne】は恩人の女性の事を思い出に耽っては空を見上げる。そしていよいよと言わんばかりに店内に足を踏み入れる。

「…よ〜し!ではでは行きますか〜♪」

スタッスタッ! ピピッ!…ピンポーン!

【Beanne】ランクA
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーーー
ランクAとして認識しました。年齢サロンの店内の出入りを許可します。

ウィーーーン!

「〜♪」(ニッコリ)

スタッ…タッタッタ…

・・・

〜その頃【Veno・nix】〜

「…確かここだったか…」

【Veno・nix】は中道通りを訪れていた。その場所は人気が少なく、あまり人が立ち入る様子もなかった。

「…妙だ。…先程の男は確かここで…もしかしてさっき見たのは…更に先の未来なのか?」

!!…貴様!!…手を挙げろ!!…!?ぐあぁぁぁ!!!

「!!…聞こえた。…向こうか!?」

タッタッタ!!

「…!!…アレか!………?」

カァーーーット!!!

「…ははは!なかなかいい演技だったぞ!!」「…ああ!これならいいシーンになりそうだ!」

演劇ギルド【Birard】(ビラード)現在撮影中。

【Veno・nix】が予知して見たのは、どうやら演劇ギルドによる芝居の撮影の場面であった。思わず頭を抱えてはため息を吐く。

「…そういうことか。…紛らわしい能力だ」(ハァ〜…)

「…ん?…!?…おおっ!?…いい男発見!!」

ざわざわ!

「…?…な…なんだ?」

「…ふむふむ…」(ジィーー!)

撮影監督の男は【Veno・nix】の顔を見て、このように言った。

「…!!よし!君に決めた!!」

「…?…何がだ?」

「俳優顔の君!…是非この作品の主人公と対峙し、その意思を受け継いでは、後に主人公となる男の役をやってくれないか!?…なかなか君のような俳優顔の配役の者がいなくて困っていたんだな〜!!…どうかなどうかな!?」

「…興味はない。…他を当たってくれ」

【Veno・nix】は断りの意思を監督にいう。しかしそれでも男は土下座をしてはそれを静止させる。

「いやいやそこを何とか!!…君くらいしかこの作品を盛り上げてくれそうな者がおらんのだよ〜!!…報酬は弾むから!ねっ!…一時間だけでいいからさ!!」

「…一時間か…」(ベアの事もあるな。…それくらいなら。…それに奉仕活動でも、ランクアップの報酬になるか…何もしないよりかはマシだな…)

【SS・映画撮影の配役担当】〜♪

【Veno・nix】は思い悩んだ。そして渋々このように答えた。

「…いいだろう」

「!!ほ…本当かね!?」

「…報酬はどれくらいだ?」

「それは働き次第だが、安心してくれ!それ相応の報酬を約束しよう!!」

「…了解した。…【Veno・nix】だ。…ヴェノでいい。…で、俺は何の役をすればいいんだ?」

【Veno・nix】は監督に自分の役を聞く。すると敵に撃たれた後に、自分の分まで恋人を代わりに守って欲しいと託されては絶命し、その者の意思を受け継いでは敵対組織と立ち向かう男を演じる場面であるという説明を受ける。

「…そういう事か。…わかった。」(…現世での槇原と優花元よりアリア(【Aria】)のような…あの時の俺のような気持ちで演じれば、何とかなるか…)

「…準備はいいかね?ヴェノくんよ?」

「…いつでもいい。…準備をしてくれ」

「よ〜し、ではシーン40!託されしメッセージのシーン!…よ〜い…アクション!!」

カン!!

「…くっ!…俺は…ここまでなのか…?」

「……おい大丈夫か?…誰かに撃たれたのか?」

「!?…アンタは!!…それに…その面構え…フッ!…そうか…」

「…?…何だ?…それよりも、早く手当てを…」

「…俺はもう間に合わない。…ここで終わりさ…だがここで会ったのも縁かもな…実はアンタに頼みがあるんだ…」

「…何だ?」

「…レミーナ。…銀髪の白人で…まるで現世で言うアルビノの女性だ…俺の代わりに、アンタが…助けては、守ってくれないか?」

「?…俺がか?…だが何でだ?」

「…アンタが、レミーナの兄にそっくりだからさ。…カハッ!!…アンタなら…レミーナを任せられる。…どうだ?…俺の最後の依頼だ…引き受けてくれるか?」

「…報酬は?」

「…レミーナの笑顔。…それでどうだ?」

「…引き受けよう。…必ずそのレミーナという彼女を…守る!」

「…フッ…任せた…ぜ…」

ガクッ!!

カァーーーーット!!!

パチパチパチパチ!!!

「…?」

「ブラボーブラボー!!」「兄さん!アンタなかなかいい演技するじゃあないの〜!?」「これは傑作ができそうだ!!!」

演劇ギルドの者達は【Veno・nix】の演技を気に入っては近寄ってくる。

「一体何処であの演技力を身につけたんだ!?」「俳優面だし、現世では有名な俳優だったのかね!?」「…まさかのスター!?」

「…違う。現世人ではあるが、ただの一般人だ。…もう終わりなのか?」

「いやいやいや!!まだまだ!!…次のシーンは戦闘シーンだ!!…お〜い【Remi】(レミ)!!出番だ!!」

「あ、は〜い!」

スタ…タッタッタ…

【Remi】と呼ばれる肌が白く、髪も銀髪である女性は、監督に言われるがまま【Veno・nix】の前に現れる。一礼して挨拶する彼女を【Veno・nix】は、アルビノの者を見るのは初めてであった為、少し驚いた表情で発言する。

「…肌と髪色が白い。…アルビノというものか??」

「…は、はいそうです。…初めまして…【Remi】です。レミとお呼びください!…ヴェノさんでいいですか?」(ぺこり!)

「…ああ。」

「…///」(実際に見ていると…お、思った以上に…まるで現世に出てくる有名俳優のような……それに何だか…クールな方…///)

「…おいレミ。…撮影前なのに顔が赤いぞ!…熱でもあるのか!?」

「…!!あっ!だ…大丈夫ですよ監督!…あの〜…つい…///」(ポッ///!)

「はは〜んレミったら〜♪…ヴェノくんに一目惚れして惚れたのね〜♪」

「!!///」(ドキン!)

「まじか!?…俺レミたん狙っていたのに〜!?」(ガガーン!!)

「レミたん言うな!!きもい!」

バキッ!

「ひでぶっ!!」

「……ここの団員は…いつもこうなのか…レミ?」

【Veno・nix】は他のメンバーの様子を見て、指を刺しつつ疑問を感じていた。すると【Remi】は照れた表情をし、ありのままに話しかける。

「…はい。…あの〜?…ご迷惑だったでしょうか?///」

「…別に気にはしない。…撮影を続ける。…監督。…いいか?」

「ああ勿論だ!!…期待しているぞ〜ヴェノくん!!」

「……」

【Veno・nix】は次の撮影の準備を進めていた。そして監督や【Remi】も準備は万端であった。

「では次の撮影シーン41は、敵にレミーナが襲われていた所を、ヴェノくんが颯爽と現れては彼女を助けるシーン!…張り切って行ってみよ〜う!!」

「…か…監督…ノリノリだな…」

「ヴェノくんという逸材を見つけては、いつもよりも機嫌がいいな〜…くそう俺はここに所属して4年だってのに木の役だとか、そんな下っ端の役しか抜擢されないってのに…」

「お遊戯会か!?」(ビシッ!)

「よ〜しでは…シーン41!守り抜けレミーナのシーン!…よ〜い…アクショ……!!」

ドドドドドド……

ワーッ!! ワーッ!!

「…!!むっカットカーット!!何だ貴様らは!?」(クワッ!!)

「…我々は人身売買ギルド【Hoil】(ホイル)…そこの色白女をこちらに渡してもらおうか!?」()

「ギャハっはは〜!!」「アルビノ女かよ〜!?…こりゃあ珍しい!高く売れるぜぇ〜!!」「顔もスタイルも申し分ない!!けけっ!!…売る前に…ぐへへへへ!!」

演劇ギルド【Birard】(ビラード)の前に現れたのは、人身売買を生業とするギルド【Hoil】の者達であった。それを見た【Remi】は【Veno・nix】の背後に隠れ、身を潜める。

「…ひっ!!」(ビクビク…)

「…!!くっ…ここまできて撮影は中止か…ん?」

「…監督。カメラを回しておけ。…どうやら今が…好機の時だ…レミ。…離れると危険だ。俺の近くにいてくれ…」(チャキッ!!)

「…は…はい///」(ドキドキ♡)

「!!むむっ!!これは…確かにいい機会だ!!…ヴェノくん!…君、戦闘経験は!?」

監督は【Veno・nix】にそう話すと、自身があり、確証を得てはこのように答える。

「…奴ら雑魚を捻り潰すくらいなら訳はない…」(チャキッ!!)

カチィーーーン!!!!!

「おいおい聞いたかよ!?」「俺達を雑魚呼ばわりしやがったぞ…コイツは…」「薬漬けにして標本の刑に確定だな!!」(ニチャァ!!)

「……」(チャキッ!!)

「……ヴェノさん…」(ビクビク…)

「…安心しろレミ。…アンタには手出しさせない…確実に奴らを…この手で…」

ザワァーーー!!

「…刈り取ってやるゾォッ!!…覚悟はいいか?…ハイエナ共…」(ギラァッ!!)

「!!」「!!」「!!」

【Veno・nix】は黒豹のように黒く、紫のような暗黒オーラで相手を萎縮させるかのように睨みつける。しかし相手は怖気付く事なく、【Veno・nix】を睨みつける。

「よ〜し!上等だぁ!!…テメェ死刑確定だ!!」「ぶっ殺してやらぁ!!」「こんな俳優面…【Varisk】の奴らが相手するまでもねぇ!!」

ワーッ!! ワーッ!! ワーッ!!

【Veno・nix】の戦いの幕は切って落とされた。そして、映画監督はまだかまだかと言わんばかりに、カメラを構えていた。

・・・
・・




B. いいえ


《Capitolo・2》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜TODより・Bare Its Fangs

「ヒャッハ〜!!叩き潰せ〜!!」

ワーッ!! ワーッ!! ワーッ!!

「…フン!!」(ブン!!)

バキィーー!!!

「あぎゃーっ!!」「ぐはっ!!」「げふっ!!」

「……ッ!!」(ブンブン…ブン!!)

ガキィーーン!!!!

ぎゃーーー!!!!

「…!!おお〜っ!!いいぞいいぞ〜!!」「なんてダイナミックな戦闘シーン!!…それにレミたんを守ろうと…背後を取らせないように…」「なんて演技派な人なんだ…ヴェノさんは…」

【Veno・nix】は巧みな棒術で、【Lemi】を守り、敵を翻弄する。人身売買ギルドの者達は【Veno・nix】の圧倒的な戦力差に、驚愕の姿勢を見せる。

ざわ……ざわ……

「…な…何だコイツは…!?」「…つ…つぇえ…」「な…なめてたぜ…【現世人】のくせして……こんな奴がいるとは…」

チャキリ……

「…どうした悪党共?…この子を拐おうとするんじゃあなかったのか…?…俺の大切な人…レミーナを奪えるものなら奪ってみるといい。…それとも…威張るだけの腰抜け共の集まりなのか…お前達は?」

「…!!///」(テレテレ///)(ヴェ…ヴェノさん…いくら台本通りの台詞とはいえ…そんなダンディーなお顔で言われたら…///)

「…ちっきしょ〜!!」「上等だぁ!!」「潰してやらぁ!!!」

ダダダダダダ……

「…ふん!!」

パァーーーーン!!!!!

・・・

「…本日の撮影終了!!…お疲れ様でした〜!!!」

お疲れ様でした〜!!!!!

「…終わったか。…一時期はどうなるかと思ったが何とか切り抜けたか…」

「…あのヴェノさん…本日はお疲れ様です!…こちら監督さんから、今日の成果表だそうです。【P-Watch】に接続してみてください!」

撮影終了後【Veno・nix】は【Remi】から、今回の任務の報酬となる書類を渡される。それを【P-Watch】にスキャンする。

ピロリン♪…いつまでも忘れないで〜♪

【Veno・nix】ランクF→E
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー
奉仕活動により、ポイントが加算されました。ランクFからEに昇格しました。

「!!…ランクが上がったか…」

「まあまあ!!…おめでとうございます!…ふふ。ヴェノさんって最近この世界を訪れた【現世人】の方なのですね」

「まあな。…こうしてランクを上げていくのか。…Aランクまでの道のりは長いな…」

「まぁ〜!Aランクまでを目標にしているのですか!?」

「…まぁな」

🎼Back Ground Music 》》》



【Veno・nix】は空を見上げている。自分はまだ【Paradiso】に来てはまだ間もない時期であるため、【Beanne】のようになる為には、まだまだ研鑽を続けていくしかないと思っているようであった。しかしその様子を【Remi】は微笑んではこう言った。

「…でも…ヴェノさん…あなたの演技…とても素敵でした…ですが失礼かもしれませんが、一言いいですか?」

「?…何だ?」

「…あなたは、もっと笑顔で過ごす方が宜しいと思いますよ!」(ニコニコ!)

「…!!…そうか…」

「はい!…ですよね…皆さん?」

「確かにな〜!」「ヴェノさんはこういうクールな役は向いているかもしれないけど…う〜んやっぱ人間…笑う方がいいよ!」「俺も賛成〜!!」

一同はそう言うと、【Veno・nix】は表情を崩さず、クールに振る舞う。

「…いつか…俺は心から笑える日が……来るのか…」

「すぐに来ますよ!…ヴェノさんが心から楽しいと思えるきっかけが出来たら…必ず!!」

「そ…そうだぜ〜ヴェノさん!!レミたんが言うんだから間違いない!!」

「だからきもいからレミたんと言うな!!」(ペチペチ!!)

「あで!!…ったくノリツッコミいてぇっての!!」

「……賑やかだな。…お前達…」(…フッ。)

「!!おおっ!?…今ヴェノさん笑った!!」「…へぇ〜!笑えるじゃん!」

「…その調子ですよ〜ヴェノさん!!…あなたの笑顔…とても素敵です///…今回助けていただき…本当にありがとうございました!!」

ありがとうございました!!

「…別に礼ならいい。…さて、俺はそろそろ行く…」

「!!あっ!!ちょっと待ってくださいヴェノさん!!」

「?…どうした?」

【Veno・nix】は、【Remi】から何かカードのようなものを渡された。それは演劇ギルド【Birard】の名刺であった。

「…名刺か?」

「はい!よければ連絡してください!…何か困ったことがあればいつでもあなたの力になります!」

「…考えておく」

「クールだね〜!!…でも…程々にしておいた方がいいよ〜!!」

「人間何事も明るくが一番だからね〜!」

一同はにこやかに【Veno・nix】に話しかける。すると【Remi】から、もう一つ何かを手渡される。

「あのっ…!!よければこちらも貰ってください!!…私達演劇ギルド【Birard】の公演チケットです。…あなたで良ければいつでも招待します!!」(ぺこり!)

「…わかった。…貰っておこう」

「だ〜か〜ら〜表情固いっての!!」「もっと笑いなよ〜!!折角の俳優面が台無しだよ〜!!」「なんかこうも笑わないとイライラしてくるな〜!!この根暗!!」

「…根暗や表情が固くて暗いとは現世でもよく言われた。…俺は特に気にしていない。言われ慣れているから認めている」(キリッ!)

「「「んなこと認めるなやぁ!!…そして気にしろ!!」」」(ビシッ!!)

一同は【Veno・nix】に指を刺しては心から笑えるように必死に仕向ける。その様子に【Remi】からは笑い声を出しては笑顔になった。

「…ふふ♪…あははは!!」

「!!」「レミたんが…」「笑った…」

「…?どうした?…レミ」

「いえ、あはは!!…ヴェノさんって面白い方ですね♪」

「…そうか?」

「はい♪…フフ♡」

ダキッ♡…ムニッ♡!

【Remi】は【Veno・nix】に抱きついた。しかし、先を急ぎたいので離すように促している。

「……離してくれ…レミ…」

「…もう少しだけですよ〜ヴェノさん♪…ふふ♪」(ニコニコ!)

「!!…うわぁあああ!!!!俺のレミたんが奪われ〜…あぁ………」

バタっ!!

「!!おいしっかりしろ〜」

「あらら…あまりのショックで気絶してるな…ヴェノさん!…こりゃあアンタ責任取らないといけないな。」

「…知らん。」

「ウフフ♡…どうですかヴェノさん?…嬉しいですか?」

「…別に。…そろそろ離してく…!?」

チュッ♡

【Remi】は大胆に【Veno・nix】の頬にキスをする。その光景に一同は、驚いた。

「…き…キス…だ…と…///」「普段人見知りなレミーナが大胆にも…」「恋をした女は化けるというが…まさか今になって…」

「…何のつもりだ?…レミ?」

「ウフフ♡…今日のお礼ですよ…ヴェノさん♡…では離しますね…」(デレデレ…)

バサッ!

「……ではそろそろ行く。…お前達も気をつけろ。先程の奴らがいるという事は、この街は…思った以上に平和的ではない街だ…」

「…鋭いね。…ヴェノさんの言う通り…」「この街は今だに闇があるよ…だけどそれでも俺達は人々に笑顔を届けるために…」「…演劇を続けていくんだ!!…【Paradiso】の人達を笑顔にするために…」「私達…演劇ギルド…【Birard】(ビラード)は日々、活動しています!!」

一同は自身ありげにそのように話す。その様子を見ては、【Veno・nix】は安堵の表情を浮かべては、今後の検討を祈るかのように言った。

「…そうか。…まあ頑張れよ。…お前達」(…フッ)

「おおっ!!また笑った!」「へぇ〜!意外と笑えるようになってきたじゃあ〜ん!!」「その調子ですよヴェノさん!…笑顔でこれからも頑張ってください!!」

「…ああ。…では俺はそろそろ行く。…またどこかでな…」

スタ…タッタッタ…

「…ヴェノさんか。…あんまり笑わないけど…」「それでも、悪い人ではないね!」「あの目には、誰かを守りたいという意思が伝わるね…何だか…胸の中が…」「熱くなってきましたね…あまり笑わないですけど、あの人の心の中には、何か熱いものがあるようですね…」

演劇ギルド【Birard】の者達は、温かい目で後ろ姿の【Veno・nix】を見送った。

・・・

〜その頃年齢サロンを受けている【Beanne】〜

ウィーーーン!

ありがとうございました〜!!

「……ふふ…ふふふふふ…!!」

ん? あら〜あの人もお受けになられたのですね〜年齢サロン♪ 現世人なのかしら〜?何だか嬉しそうに目を輝かせていますね〜♪ 羨ましいわね〜♪私達ユートピア人の身分ではあのような整形はできない体ですし、でもなったところとて…最近では… 人身売買ギルドの動きも活発化していますし… もしかしたら…彼女は…

「…あ〜っハハハハハ!!!!!…遂に…遂にやったわ〜!!念願の年相応の体になれた〜!!…イェーーーイ!!!」(胸もFカップだし〜♪…姐さんくらいあるかな〜♪…超嬉しい〜♪)

【Beanne】は整形を終わらせては有頂天であった。服装は先程着ていたジャケットに赤黒チェックのミニスカートに黒のスパッツを着用していた。そして身長が170cm代まで伸びては思わず街の様子を確認していた。

「ん〜…背丈も伸びて…実際の本来の私って、これくらい見渡せれたのね〜♪…170センチくらいはあるかな〜♪…姐さんと同じくらいか〜…」(キラキラ!)

スタッ…タッタッタ…

「おや〜?…そこのお嬢ちゃん〜?」

「ん〜?何〜おじさん?」

【Beanne】の前に現れたのは中年男性であった。すかさず用件を話す。

「…ちょっとそこの路地裏に荷物があるんじゃがの〜…持てなくてね〜…すまんが手伝ってくれんかの〜?」

「…へぇ〜♪…いいよ〜♪」(ルンルン〜♪)

「…どうも…」

スタッ…タッタッタ…

・・・

「…?あれ〜?どこにもないな〜…ん?なんか甘い香りがするな〜…おんや〜?…何だか眠たく…ふみゅ〜…」

バタン…

【Beanne】は突然路地裏にあったお香の香りを吸ってはそのまま眠りについた。すると先程案内した男が姿を現しては笑みを浮かべていた。

「…クックック…単純な小娘だ。…だが、なかなかのナイスバディーな体だ。…演劇ギルド【Birard】のレミーナの誘拐は失敗に終わったが…まあいい…」

「……zzz…zzz…」

・・・

🎼Back Ground Music 》》》





〜ある路地裏にある地下の建物〜

「zzz…?…あらっ!?」(ギチギチ!)

「フッフッフ…捕まえたぞ〜♪」「こりゃあいいや!!…上物の」「パツキン姉ちゃんとはなぁ〜!!こりゃあ楽しめそうだぜ〜ギャハハハ!!!」

【Beanne】は碌でもない男達に捕まっては拘束具によって四肢を拘束され、スカートを捲られては、水色の下着が露わになっていた。その思惑に【Beanne】は余裕の表情を見せていた。

「…な〜るほどね〜♪これって…罠ってやつなのね〜?」

「ギャハハハ!!!!」「今更気づいても遅いぜ〜♪」「じっくり楽しませてくれるぜ〜…まずは…オラよ!!」(シュルル!!)

バチィーン!!

男は【Beanne】の体に鞭を叩きつけた。思わず色っぽい悲鳴をあげては男達を興奮させる。

「!!あぁ〜〜ん♡…いい…いいわ〜♡…お兄さぁ〜ん♡もっとしばいては私を縛ってセクシーに楽しませて〜♡///」(くねくね♡うっとり〜♡)

「!?///」「そうだろぉ〜そうだろぉ〜!?」「せいぜい楽しませてくれよぉ〜!!オレンジ金髪ビッチの姉ちゃんよぉ〜!?///」

「…!!///いやぁっ〜ん♡た・の・し・み♡」

・・・

〜一時間後〜

「…ハァ♡…ハァ♡…あぁ〜ん♡か・い・か・ん♡///」(ピクンピクン♡)

「そうだろそうだろ!?///」「ヒャハハハ!!!なかなかの女だったぜテメエは〜!!///…やっぱり!…ビッチの女は最高だぜ!!」「…ふぅ///」

男達は満足げに【Beanne】に言い放つ。しかしその表情から一変してはニタニタと男達を見下した表情をした。

「…とでも言うと本気で思ったのかしらぁ〜?」(ニヤニヤ!)

「「「…え?」」」

【Beanne】はそういうとさらに求愛を強請るかのように男達に激しいプレイを要求するかのように言い放った。

「こんなの物足りな〜い!!つまんないよ〜♪折角私を誘拐して監禁したシチュエーションなんだから〜…もっと私をあんなことやこんなことしては興奮させて快楽責めにしてもっと気持ちよくさせて楽しませてよぉ〜?…ハッキリ言うとお兄さん達のプレイはなんか〜…初心者以下の【GIOGIOの口】だよ〜…あ〜あ〜…これじゃあ盛り上がらないよ〜!…も〜うお兄さん達…本当に何人も【Paradiso】の女の人を虜にして〜辱めてきたの〜?…どうなの〜?」(くれくね♡)

ざわ…ざわ…

「!?///」「なぁっ!_…こ…この女…普段俺達のテクニックで…嫌がる女を快楽漬けにして落としてきたプレイを…底辺以下だと…欲求不満のあまりに自分からここまで求愛を求めてくるとは!?///」「…この快楽プレイを…慣れてやがるのか!?///」

「むぅ〜!!…どうなのさぁ〜?お兄さん達〜!?もう終わりなの〜!?」(プンプン!)

【Beanne】は生半可に女を拉致して監禁して辱められるも、思っていたものと期待外れであったのかご立腹のようであり、強欲にも期待以上の快楽を味わいたかったようである。その思惑を叶えてあげようとするかのように、男が一つの薬を持ってきたようである。

「…クックック。…じゃあこれならどうかな〜?」(チャキッ!)

「!!あ…兄貴!?…それって!?…まさか!?媚薬の…」

「とっておきの…【Piacere celeste】(天の快楽)だァ!!…クックック…」(ニチャァ〜♪)

男はポケットから快楽効能のある媚薬の一つ【Piacere celeste】(天の快楽)を取り出した。注入されると、触れた部位の感度が上がり、敏感になる。普段それを聞いた清純派女性は激しく拒絶するが、【Beanne】はそれを聞いては興味津々に目を輝かせては、欲しがるかのように男達に話しかける。

「!!わぁ〜!!それってかなり効く媚薬なんだよね〜!?ベアお姉さ〜んすっごく楽しみ〜!!」(キラキラ★♡)

「ヘッヘッヘ…じゃあ姉ちゃんのこの恥ずかしい所に挿れては楽しませてやるよぉ〜!!ついでにこのふくよかな胸の先端にも塗って楽しませてやんよぉ〜!!」(ニヤニヤ!)

(ヌリヌリ…サワサワ…)

「!!///…ああ〜〜〜ん♡…ハァ♡…ハァ♡…きんもちい〜♡はぁ〜〜ん♡///」(ピクンピクン♡クネクネ〜♡)

男達は拘束した【Beanne】の身体中に【Piacere celeste】(天の快楽)を塗りたくっては、体の感度をあげては性欲を増進させる。その反応が良かったのか、男達は色っぽい悲鳴を上げる【Beanne】を見ては興奮している様子であった。

「ヒャハハ!!これなら楽しめそうだなぁ〜姉ちゃんよぉ〜!!あ〜ヤベェ〜興奮してきた♡…おいお前ら続きやるぉ〜!!///」「やるお〜!!///」「やるお〜!!///」

「お願い〜♡///私を…美味しく…食・べ・て♡…楽し…ま・せ・て」(キャピン♡)

・・・

更に数時間後…

ズーーン…

「…ハァ♡…ん〜…もうおしまい〜?…な〜んだつまんないよ〜私全然絶頂にすらイケてないよぉ〜!!…あ〜あ〜ベアお姉さんは《フラストレーション》溜まり気味でお兄さん達に本当にがっかりだよ〜!!…この媚薬もそれほど大したことないなぁ〜…何だか期待外れ〜…」(プンスカ!!)

「」(な…何でだ〜!!??…このビッチ女…ここまで犯しきったのに…なんで絶頂にすら達しないんだよぉ〜!!??)「……しくしく…」(もう勘弁してくれ。…犯しても犯しても…全然本能的にイッタような感じた声を出してくれない…まるで現世の安っぽいAVの芝居のような声を出すだけだ…なんだろう俺…流石に心が折れそうだ…)「(・ー・)」(この女の性欲はまるでブラックホールのように果てしなく広くて深い…無限大だ…もはや快楽の鬼だ…もう俺、この道で飯食うのをやめたくなるレベルの…)

怪物級の快楽変態マゾ女だったとは…!!

【Beanne】は期待外れの酷評のコメントを男達に言うと、そろそろと言わんばかりの行動に出る。

「…ま、いっか!無償で快楽経験できたし〜♪…じゃあお兄さん達お疲れ〜♪…ほいっと♪」(ルンルン♪)

バキィッン!!

「「「!?」」」

男達はその光景を見ては驚愕した。【Beanne】を拘束していた拘束具を無理やり腕と足の力で破壊しては、乱れていた服を整えては男達に別れの挨拶をした。

「ふっふ〜ん♡…お兄さん達。…まだまだ修行が足りないよ〜?…お兄さん以上にアブノーマルが得意なレベルの高い人なんか〜この【Paradiso】にはゴロゴロいるんだから負けちゃあダ・メ・だ。ぞ☆…んじゃまったね〜♪」(ニコニコフリフリ〜♪)

ピューーー♪

「「「」」」

なんじゃあそりゃあーーーーー!!??

【Beanne】は男達の今後の健闘を祈るかのように笑顔で手を振ってはその場を立ち去った。

・・・

〜その頃【Veno・nix】〜

「…ベアの奴…遅いな。…一体何処で道草を食っているんだ?」(ズズーッ…)

【Veno・nix】は【Beanne】と合流するために【Velkana】内の無人販売所にてコーヒーを飲んでいたようである。その味が気に入ったのか賞賛の声をあげる。

「…なかなか美味いものだな。…まさかあの世でもコーヒーが飲めるとは思わなかったな…」

ワイワイ…ガヤガヤ…

「…ん?…何だ?」

【Veno・nix】は突然町中が騒がしくなった為、周囲を見渡す。そこには、金髪のモヒカン頭で肥満体質の者が部下とメイドを連れては民衆の前に立ち、大きく宣言した。

「フッハハハハハ!!…諸君!元気にしておるかな?」

「【Dail】様のお通りだ〜!」「今日もメイドによる奉仕活動の時間だ〜!!」「道を開けろ〜!!!」

ワーッ!! ワーッ!! ワーッ!!

「…あれがこの町のメイドの雇い主という訳か…だがあのメイド…妙だ…いかにも挙動不審な様子だ…」

「……!?///」(うぅ!!…くっ!!…ヤァ…♡)

【Veno・nix】は【Dail】の引き連れているメイドを見ては不信感を感じていた。すると、【Dail】は民衆の期待が寄せられているかのような身の潔白の証明がされているかのように言い放った。

「皆の民よ!…私を信頼してくれて感謝しよう!…では今日も元気に奉仕するのだぞ…私のメイド達よ!!」

「…はい…【Dail】様…♡」「はい♡」

「……」(…あれはまるで色欲に支配されたかのような態度…どうやら服従メイドといったところか。…そういえばべアも言っていたか。…アイツがスカートめくりをするということは…何かあるのか…?)

・・・

サッサッサ…

ギュルルr!!グイッ!!

「!?///…い…いやぁっ♡…ああっ!!…うぅ…///」(また…【Jeil】様の…縄が強く締め上げられて…もう…もう…!!…いやぁっ!!…うぅ…グスッ!!)

人気のない町中を掃除していた茶髪の髪色のメイドは、下着の中に食い込ませていた縄がきつく締め上げられており、思わず甘い吐息を吐いていた。

「…はぁ♡…はぁ♡…もう…!!いやぁっ!!…こんなの…」

シュッ!!…がしっ!!

「!?…ん!!…んん〜〜っ!!」(ブンブン!)

「げひゃ!!」「ふっふっふ…お前が【Dail】様の言っていた【Eimi】(エイミ)という奴か〜?ヒャハハ!!…こりゃあ上玉だぜ〜♪」「とことん闇市に売りさばいて大儲けしやるぜぇ〜!!」

「!?…んっ!!ん〜!!!!」(いやっ!!…そんなの…いやぁっ!!!)

タッタッタ…ザザッ…

「…そこのチンピラ共…そのメイドを…今すぐに離せ」

「あ〜ん?…何だよおっさん!!」「これからお楽しみなんだよ〜!!邪魔すんな〜!!」「んお〜!?見ろよこの女!!…股に縄が絡まってるじゃあねえか〜♪…セクシーだなぁ〜!!…もっと引っ張っては楽しませてやるか…オラァ!!」

グィーーー!!!

「いっ!?いやぁーー!!!///」(ブンブン!…ポタポタ)

メイドの【Eimi】は男達の辱めを受け、涙を流して苦悶の表情を浮かべ、顔を紅潮させている。その表情を見た男は興奮したのか、更に辱めようとする。

「いい声だ〜♪…よ〜しそろそろ、このふくよかな下着の中を…!?」

バキャァー!!!

「…グホァああ!!」

ダキィッ!…ファサッ

「…え?…!?///あ、あの…一体何を!?…///」

「…じっとしておけ。…その奇妙かつ得体が知れん、まるで生きているかのように動いている悪趣味な縄をすぐに斬り落とし…アンタを解放させてやる…不憫だな。…さぞ辛かったろう…」

スパッ…

「……!?」(…こ…これは…)

【Veno・nix】はメイド服のスカートを捲り、持っていたナイフで【Eimi】に絡みついていた麻縄を斬り飛ばし、乱れていたメイド服を正す。

「…あ///…あぁ…ありがとう…!!…ありがとうございます!!…おじ様♡」

「……まだおじ様と言われる歳ではない。…それに、これだけで帰してはくれなさそうだ……」

「…え…!?」

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜TODより・Bare Its Fangs

ゴゴゴゴゴゴゴ…

「この野郎…よくも俺の仲間を…」「【Dail】様に変わって…絶対に殺してやる…!!」「この野郎…折角の商品の価値を下げることを…もう容赦しねえ。…絶対にだ!!」

人身売買を生業とする者達は、【Veno・nix】に強く睨みつける。しかしその様子に全く怖気付くことはなく、相手を睨みつけては武器である鉄の棒を構える。

「…それはこちらのセリフだ。…俺も、そんな下劣なことをして喜んで生計を立てようとする下衆なお前達。…一人残らず、黒豹の如く…確実に刈り取るまでだ。…命を狩られる覚悟をするのは、お前達の方だゾオッ!!」(キッ!!)

ザワァーーーー!!!!!

「!!」「なぁっ!?」「こ…コイツ…なんて闘気だよ…!?」

「!!///」(な…なんというお方でしょうか…///…こんな現世でいう…俳優のようなお方が、そんな発言をして…あぁ〜♡…本当に、何故私は…あの人であらずの主【Dail】や卑劣な【Jeil】さんに人生を縛られていたのでしょうか…なんかこの人の信念のある行動を見て…なんかどうでも良くなってきました…)

【Veno・nix】は相手に敵対する姿勢を見せている。その様子に相手は敵意を向けては、確実に消そうと武器を構えた。

「上等だ!!」「テメエを始末してやる!!」「確実になぁ!!…覚悟しやがれぇ!!」

「……下がっていろ。…お若いメイド…」

「!!///…は…はい。…おじ様♡」

「………っ!!」(またおじ様呼びか…)

ブンブンブン

【Veno・nix】は構えていた武器の鉄の棒を豪快に振り回し、相手に鉄槌の如く叩きつける。

バキィーー!!!!

「あんぎゃー!!」「ゴハッ!」「…な…何だと!?…こ…コイツ…!?」

ゴゴゴゴゴゴ…

「…どうした?威勢だけが取り柄で肉弾戦は大の苦手なのか?」

「貴様あ!!」「もう許さねえ!!」「容赦しねえぇ!!!」

パーン!! ザシュッ!!

「…!?…銃弾か…」

【Veno・nix】ランクE
【♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー

男の放った銃弾が、【Veno・nix】の肩を狙撃して貫く。その様子に【Eimi】は心配そうに声を掛ける。

「お、おじ様!!」

「…掠っただけだ。心配はいらない。…はぁっ!!」

ブンブン!! バキャァーー!!! バキィ!!

「グハァッ!!」「…う…嘘だろ!?…俺達が…こんなおっさんに…!?」「くっ!!おい!!増援をよこせ!!確実に始末してやる!!」

ワーッ!! ワーッ!! ワーッ!!

「…増援か。やむを得ん。…メイド…逃げるぞ」

ダキィッ!

「…!?///ええっ!?あ…あの!!///」(アセアセ!)

【Veno・nix】は男達からの逃亡を図る為、メイドの【Eimi】をお姫様抱っこし、男達から逃亡を図る。

「…しっかり捕まっていろ。…ルートを確保する…」

【Veno・nix】ランクE
【♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー
予知能力が発動しました。これから10秒先の未来を2秒間だけ予知します。

タッタッタタ!!

「…どこもかしこも、厳重体制といったところか…だが、隙を見つけた」

「?…あの〜?…どういうことでしょうか?」

「…俺の【Fiducia】の能力のことだ。気にしないでくれ。独り言だと思ってくれればいい」

「!!…ふふっ!…独り言ですか…?///」

「…ああ」

「あっ!!申し訳ありません!自己紹介まだでしたね。…私は【Eimi】。…エイミとお呼びください。…あなたの名前は…?」

「…俺は…」

【Veno・nix】だ。…ヴェノでいい。 !!///…はい。…ヴェノおじ様〜♡ 俺はまだ25歳だ。…おじさんではない。 えぇ〜!?…そんな俳優のような顔をして…そ…そうには見えないですよ〜!!

「……ふふ♪…なぁ〜んだ♪…ヴェノくん…ちゃっかりメイドさん口説いてるじゃ〜ん♪…でもあの雇われているメイドさんの様子だと…この街に住み着く【Dail】って奴…何だか怪しい気がするわね。…〜♪…まっ!今は休暇中だし〜♪…また今度潜入して探りを入れてみますかな〜♪」

【Veno・nix】を影でこっそり見守る【Beanne】は、今回の騒動から何かしらの闇がこの花の街【Velkana】に訪れているということに感づく。そしてその予想は、半年後の事件によって大きく動き出そうとしていく運命にあるーーー

・・・
・・



 

B. いいえ


《Capitolo・3》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF13より〜ライトニングのテーマ・バイオリン

〜E島【Velkana】市民通り〜

「…はぁ…はぁ…」(タッタッタ…)

「だ…大丈夫ですか!?ヴェノおじ様!?」

「…問題ない。…少し疲れただけだ。…聞かせてくれ。…お前達の雇い主である【Dail】とは一体何者なのだ?」

「……それは…」

【Veno・nix】は【Eimi】に質問する。その様子からは、とても辛く悲しい仕打ちを受けた追憶に支配され、気分が沈みつつも【Veno・nix】に対し、ありのままに真実を訴えかける。

「…あの主が一体何が目的でこのような事をしているのかは詳しくは知りません……ですがっ!!…私…あの【Dail】という主に…あの男が率いている仲間達に、私は様々な辱めを受けられて…今日…人身売買を生業とするギルドに売られるところだったんです!!」

「………」

「……もう私どうしたらいいのか…!!…うぅ…おかげで…私の初めてを…あの下劣な主…【Dail】に…奪われそうになって…!!」

「…そうだったのか。…その【Dail】という奴が、ここの町の人身売買の組織に女を売りつけたりする…黒幕という事か…」

【Veno・nix】は理解した。実際に、演劇ギルド【Birard】(ビラード)に所属している【Remi】を誘拐しようとした者達もいる為、説得力があるようにも感じた。

「……」

「…逃げるぞ。【Eimi】」

「!!…えっ?」

「…ここから逃げないと、また奴に捕まり、再び様々な仕打ちを受ける。…そうなる前に…」

「…で…でも、無理ですよ…この街は【Dail】によって支配されています。…私がいくら逃げようとも…」

「…それは…やってみなくては…」

分かんないと思うけどなぁ〜♪(だろ!?)…!?

「だ…誰ですか!?」

「…その声は…!?」

【Veno・nix】は声をかけてきた者を見て驚いた。そこには、約175cmと女性の平均身長の中でも高めであり、オレンジがかった金髪に、エメラルドグリーンの目の色の瞳に、黒のジャケットに赤のチェックのミニスカートに黒のスパッツを着用していた女性がいた。すると鼻息まじりで機嫌よく【Veno・nix】に挨拶した。

「ふっふ〜ん♪…ヴェノくんみいつけた〜♪…なぁ〜んだ!!あんなふうに言っといて〜♪…結局メイドさん口説いてるじゃ〜ん♪」(ルンルン♪)

「……その話口調に、そのオレンジ色の髪に…緑の瞳!?……お前、まさかベアか!?…驚いたな。…本来のお前はそんな姿をしていたのか……」

「まぁ〜ね〜♪どうどう!?惚れ直した〜?♡」(くねくね〜♡)

「…いや全然」(キッパリ。)

「(・ー・)」(つれないな〜…)

「…??」(い…一体…だ…誰でしょうか…?…ヴェノおじ様のお知り合いの方でしょうか…なんか…オレンジ色かがった金髪の髪色が…とても美しい女性の方ですね…)

「ん〜?…!?おおっドッキンちょ〜♡!!///…ぐへへ♪…初めまして〜メイドさん!私の名前は【Beanne】!!ベアって呼んでよ〜♪…あなたの名前は何〜?」(ジーッ♪)

「!?…あ…あの…私は【Eimi】(エイミ)と言います!エイミと呼んでくださいっ!」(オドオド…)

【Beanne】はメイドの【Eimi】の姿を見ては、何か悪だくらみするような笑みを見せていた。すると、【Beanne】は【Eimi】の隙を狙い、大胆な行動に出た。

「そっか〜♪エイミちゃんね〜♪…宜しく〜♪……!?…あ〜!!エイミちゃん!…あれ!」

「…え?」(クルン!)

「スキあり〜!!それ〜♪」(グィ!!)

バサァ〜ヒラヒラ〜!!

【Beanne】は徐に【Eimi】のスカートをたくし上げ、豪快に捲り出す。衝撃の行動に【Eimi】は素早くスカートを押さえ込む。

「!?///き…キャァ〜!!!」(フセ!)

「へぇ〜♪薄いグリーン…なかなかだね〜♪…!?…おっ〜と♪」(ヒョイ♪)

【Veno・nix】は悪戯をする【Beanne】に軽く手刀チョップをお見舞いしようとするも、軽々とかわされる。

「…ベア。…少しは自重しろ。導き人のオロアじゃああるまいにおいたはするものではないゾォッ!…エイミ…彼女はどうやら、大変な目に遭っているようなんだ…」

「…ん〜?…一体何かあったの〜?」

「あううぅぅ…///…じ、…実は…私…」

・・・

「…そっか。…人身売買組織と…その【Dail】っていうこの街…【Velkana】の【Dail】邸の主が率いている仲間に、毎日のように辱めをね〜…」(ふむふむ…)

「…はい。それで私…!!…私っ!!…もうあんな主のいる邸になんか戻りたく!!…うぅ…グス!!……あああぁああああはああああああぁ!!!!」

【Eimi】は酷い仕打ちを受けていたからか、心の奥底にあった感情を曝け出し、悲しみの涙を流していた。

「…エイミ……」

「…そっか。じゃあエイミちゃん!!」

「…?…ベア…さん?」

【Beanne】は徐に立ち上がり、前を向こうとせんばかりに二人に話しかける。

「…ついてきて。…この街の外れにはなるけど…私のとっておきの場所に案内してあげる♪」

スタ…タッタッタ…

「?…ベア…」「??」

「……」

・・・

🎼Back Ground Music 》》》




♪〜ドクロは信念の象徴

〜E島【Velkana】・街外れのある教会〜

「…ここは…教会か?…だが…この荒れようは…どうやら、何かの戦いがあったようだ。…それにかなり古いな…」「…天井や窓から…なんだか綺麗な光が差し込んでいますね。…私、ここに来たのはこの街に来て初めての事です。…でも…ベアさん…ここは一体?」

【Veno・nix】と【Eimi】が案内された場所は、古い教会であった。周りにはステンドグラスがあり、神聖な光が差し込んでいた。そして【Beanne】は周りを見て、何処か懐かしそうでもあったが、何かもの悲しそうな表情をし、目の前にある十字架の慰霊碑の前に立ち尽くして、この教会を訪れた目的についての真意を告げた。

「…ここはね。…もう10年も前に…私の命の恩人の姐さん…名前はベルナ(【Bellna】)っていうアルビノの現世人の女性の人がね…私を守る為に、ここである殺し屋と戦って…命を奪われて昇華してね…眠りについた場所なんだ…」

「!?じゃあ…この建物そのものが…ベア。…お前の恩人の女性の…墓という事なのか!?」「…そ…そんな!…ベアさん…あなたは…一体……!?」

「………」(スチャッ!!)

チャキーーーン!!!

【Beanne】は二人にそう告げると、墓の前に歩み寄り、銃剣【Arbitro】を取り出し地面に突き刺す。まるで恩人の女性に対し優しく微笑み、供養の言葉を交わす。

「…久しぶりだね…ベルナ姐さん。…もうあれから10年経ったよ…私はね…【R・P社】の【Agente】の一員として…姐さんの夫のルーシスおじさんも、実の妹のネラ…そしてあなたの一人娘であるロアもね。…いつも明るく元気に過ごしているよ。…もちろん私も今日までベルナ姐さん…あなたの事を忘れた日もないわ。……今日ね…私は遂にAランクになって…早速年齢サロンを受けて…22歳の姿で、再び姐さんに会いにきたんだ。…ふふ♪…あの時の言葉は…今でも忘れないよ…本当に…」(ポロッ!)

ポタポタ…

「!!…ベア…」「…ベアさん…」

【Beanne】は徐に【Bellna】という女性の最期を思い出したのか涙を流していた。しかし、その気持ちを抑え、再び語り続け、過去の思い出の記憶に耽っていた。

「…姐さんと初めて会って、たった二週間っていう短い期間だったけど…それでも…私が【Paradiso】に来ていろんな人身売買のお兄さん達に捕まって、あんなことやこんなことをされて…汚れては、犯され尽くされては…まるで奴隷のような日々を過ごしていた…整形する前のさっきの12歳の子供の姿をした私を…あなたは拒絶することなく、手を差し伸べてくれて、まるで実の妹のように可愛がってくれたよね。……本当に…ありがとうね…」(ポタポタ…)

・・・

〜過去に戻り【Paradiso】歴1990年【Beanne】12歳〜

『…ねえ……ベルナ姐さん…』

『?…どうしたの〜ベア?』

『…姐さんって…生まれた時からそんな体質なの…?』

『そうよ〜!…ふふ♡…どぉ〜?まるで天国から来た天使みたいでしょ〜?』

『…確かに…何だか不思議な体質だね。……私もトロントにいたけど、流石にそんな色白な外国の人は見たことないかな。……もしかして姐さんも私と同じ…ハーフなの?』

『ふふ。…それが違うのよね〜♪…こう見えてお姉さんはね〜♪…毎年冬には大雪が降っては積もる富山県で生まれた、父さんも母さんも日本人の純潔な日本人なのよね〜♪…ウフフ♪…こ・れ・は♪…アルビノって言ってね。極稀に生まれてくる体質らしくてね〜♪…現世にいた時は、よく雪女だとかそんなことを周りに言われて茶化されたかしらね〜♪…ねぇ〜ベア?…あなたは確か、母親がカナダ人で、父親が日本人の間から生まれたハーフの子供なのよね?』

『…うん。…私は…和歌山県で生まれて……昔からカナダとの交流のある小さな港町で生まれたの。…でも私…昔も…そして今も引っ込み思案でね。…ハーフだからと言われて……色々いじめに遭ったりして…差別にもあったし…それで一時期、逃げるようにカナダのトロントに引っ越したけど…それでもね。……とっても寂しい日が続いて…怖くて…いつもパパとママに…べったりしていて…でも…私が12歳になって帰国子女で日本に戻るために飛行機に乗ったけど…その時に…ハイジャックの…事件に巻き込まれて…それで私も…パパも…ママも…!!…わぁあああああああんんん!!!!』

ダキッ!!ぎゅ〜〜!!!

『あらあらまたべそなの〜!?……ふふ♪…仕方ないわね〜♪』

ダキッ♡!!なでなで…

『…ね…姐…さん…///!?』

『んもう!!…ベア!!…そんな事はもう過ぎたことなんだからあまり泣かないの!!…大体私なんかはね〜…そうだなぁ〜…確か中学2年生で…当時14歳だったかしらね〜♪…私ね。…【ALS】(筋萎縮性側索硬化症)っていう厄介な難病の病気を発症していてね♪…もう朝から夜の24時間もベットの上で寝転がって……死ぬ前の一週間くらい前にはね〜…人工心肺を付けててもね、もう四六時中、満足に呼吸すらできない状態に追い込まれるくらいの呼吸困難に襲われてね〜…もう本当に酷い死に方したんだから〜♪…でも、本当に辛かったのはね…私には鈴美って妹がいてね。…ちょうど今ならあなたと同じ12歳くらいの歳になっているだろうけど、当時6歳くらいでね…私が満足に呼吸ができなくなって苦しそうにしていたのを、手を握りしめてはね…《アマ姉しっかりして!!私を一人にしないでよぉ〜!!》って…もう心の中から寂しそうに痛々しくて悲しそうに涙を流していた時のあの子の顔を見てはね〜……あれは私にとっても本当に辛かったわね〜!…おそらく父さんも母さんも同じ気持ちだったでしょうね〜…』

『…!!…そうなんだ…姐さん…』

『でもね!結局は過ぎたこと!!…それにここに来ても本っ当に散々だったわよ〜♪…この体の体質が珍しいからか、人身売買の奴らとか〜【Varisk】の連中に散々命狙われたし〜♪……ベアが体験した快楽経験とか…色々辛いこともあったわね〜!…でも私は、この【Paradiso】の世界に来て本当に良かったと思えるくらい幸せなのよ〜♪』

『…え?…でも姐さん。…私以上に辛いことがいっぱいあったんでしょ?…それなのに…何で?』

『フフ♡…そ・れ・は・ね☆…そんな私にもちゃんとした仲間がいて…その人達と一緒に冒険して戦ったりして共に笑い合ったりして…本当に毎日が充実した日々を過ごしたからかしらね〜♪…そして私が20歳に晴れて結婚して子供が生まれて、家族を持つ事が出来て……現世では出来なかったことが、ここ【Paradiso】で実現できたからよ〜♪…ほらっ!この【Paradiso】の世界ってなんでもありだから〜♪ウフフ♡…私にはね!…ルーシスってユートピア人の二つ歳下の旦那がいてね〜♪…昔は私が姉さんだからとか言って旦那をルーシス坊やって言って茶化してたんだけど、それでも長い目で見てると、本当に頼り甲斐のある人でね〜!命の意味とか、その大切さとかをよく知っていて、戦いの時とかは街の住民の人命を優先して、迅速な対応と行動力で皆を導き、指揮してくれたり…どれを取ってもね〜!…何だか、私以上に長い歴史を渡り歩いて来たというくらいの実力があって…人格者の器のあるくらいの頼り甲斐のある人なのよ〜♪…だから彼に思わずアタックして過ごしていくうちにね…私の魂の体の中に、今でいう一人娘のロアが生まれて…晴れてめでたく出来ちゃった結婚しちゃってね〜♡///…んっもう〜!!…言わせないでよ〜!!…きゃーーー♡///!!!』

『///…そ…そうなんだ。…なんかそれを聞いたら姐さんの、この【Paradiso】での人生…すごく充実してるんだね…』

『もう本当に…し・あ・わ・せ♡…それにベア。あなたに出会えたことも…私の幸せなのよ!』

『…え?』

『え?…じゃあないわよ〜♪ウフフ♡…あなたも、いつかはAランクになって年齢サロンで…そうねぇ〜!…今から10年後の22歳くらいの姿にでも整形して、立派なレディーになりなさい!…きっと私くらい背が高くなってて、すっごく美人でクールビューティーの素敵な女性になっているわよ〜♪……そうすればあなたの人生の価値観も…きっと変わるわよ〜♪…あと出来るならその引っ込み思案も直すようにしなさい!!…そんなんだと、いつまでも男なんか寄ってこないぞ☆!!』

『…出来るのかな?…私…変われるのかな?』

『ウフフ♡きっと出来るわよ〜♪このベルナお姉さんにまっかせなさ〜い♪』

『!!……うん///…分かった。…私、頑張るよ!…姐さんを見習って…』

・・・

〜その二週間後〜

『…はぁ…はぁ…!?…ね…姐さん!!』

『…あら…ベア。…ウフフ…見つかっちゃったわね〜♪』

『喋っちゃダメだよ〜!!…それより早く充魂剤飲んで!!!!!…そうしないと…姐さんが…!!…ベルナ姐さん消えちゃうんだよぉ〜〜〜!!…そんなの私嫌だよ!!…うわぁ〜〜〜〜〜ん!!!!!!』

『…ウフフ…それがダメらしくてね…飲んでも…この昇華現象は止まらないの…残念だけど…ベア…ここであなたとお別れね…』

『いやだ!!…そんなのやだよぉ〜〜〜!!!!姐さんが消えたら!!私…これからどうすればいいのぉ〜〜〜!!!???…わぁ〜〜〜〜ん!!!!!』

『も〜う!!いつまでもべそべそ泣かないの!!…いえ。…まあ折角だし…これだけはあなたに言っておくわね…』

『…な…何?…ベルナ姐さん…?』

『…ウフフ♡…耳をかっぽじってはよく聞いておきなさい!…コホン!…』

《泣いても構わないわ。でも女の子なら前を向いて笑っていなさい。あなたは強いんだから!》

『…うぅ……えぐっ!…ぐすっ!』

『ふふ。…後、これはあなたへのお礼のお守りよ。…私だと思って大切にしなさい』

ジャラジャラ…キィーーン!!○♢

『!!…わぁーーーーーーんん!!!!!』

『…もう…泣かないの!…あなたは強い子なんだからクヨクヨしてちゃあダメなんだから〜!』

『だって…!!…だってさぁ〜〜〜!!!』

『ウフフ♡…全く…12歳なのに、まだまだ子供で本当に泣き虫のちんちくりんでしょうがない娘ね〜…でもね私は、そんなあなたを……!?…え……』

『…うそ!?…アマ……姉……ここに来てたの!?』

『!?…その呼び方…まさかあなた…鈴美なのっ!?…ああ…あなたはここに来ずに…現世で長生きして欲しかったな〜…でもその姿…ふふ♪…この子と同じ12歳になって…本当に大きくなったわね〜♪…私の分まで元気に長生きしなさいね。…あと、どうかこの子の事…恨まないで仲良くしてあげてね…頼んだわよ…』

サラサラ…

『!!…アマねぇ〜〜!!!…そ…そんな…!私、折角導き人の試練を乗り越えて【Fiducia】のナビ能力にも目覚めて…この【Velkana】って街に来て街の人から色白の現世人の女性がいるって話を聞いて…まさかと思ってナビ能力を使って探して……こうして奇跡的に…アマ姉に…会えたのにぃっ!!…こんなのって…ぐっ!…う…うぅ!!』

『……』

ダキッ!

『!!』

『……』

『………ねえ…あなたの名前は何ていうの?』

『…私は…べアンヌ(【Beanne】)……現世人の12歳でね……ベルナ姐さんに…助けられたの…』

『…うん。…それで、一体姉さんに…何があったの?』

『姐さんが…私を守るために…悪い奴と戦って……私は一緒に逃げようと言ったけど、悪い奴をこのまま野放しにしておけないと言って、あなたはここにいなさい!!って言って…姐さんが…悪い奴に向かっていって…私…!!…私!!』

『!!…そう…』

ギュッ!!

『…!!…え…』

「…そうなんだね。…あ、あはは!……相変わらずだな〜アマ姉は〜!…現世の時もね。…アルビノで体も生まれつき弱かったのに、いつも私を守ろうとして傷だらけになって…それでも姉さんは…いつも温かくて…私に明るく見せていた。…本当にあの人は、何処の世界にいても無茶をするんだね〜♪」

「?…あなたは…ベルナ姐さんの知り合いなの?」

「あはは!…うん。…私は現世では鈴美って言ってね…今は鈴をイタリア語の意味を兼ねて…カンパネラ(【Campanella】)って名乗っているの。……あなたが言う、そのベルナ姐さんはね…現世では《天音》っていう名前で……私の実の姉なの」

「…!!」

・・・
・・


〜時は戻り【Paradiso】歴1999年:12/23 〜

「…姐さん。…あの後…私とネラは…【R・P社】の人達に無事に引き取られてね…ルーシスおじさんに事情を言って、姐さんの在籍していたギルド…【Agente】に加入して今も活動してるの。…最初は本当に上手くいかない日もあったよ。…人身売買組織に目をつけられるわ、同期の人には姐さんの死を引き摺って理不尽な因縁まで付けられて、私にキツく当たってくるギルドの人達もいた。…それでも、ちゃんと私を見てくれているギルドのみんなや同期の人達が私を支えてくれてね。…この10年間…姐さんの言いつけを守って、引っ込み思案を無事に克服してね…私の功績が認められて姐さんが使っていた銃剣に憧れてね…この銃剣【Arbitro】をある鍛冶屋にオーダーメイドして作ってもらって……折角だから姐さんが去り際に遺してくれた…この形見のアクセサリーを付けてるんだ。…これからもずっとあなたの意志を継いで…大事に使っていくから安心してよ…ベルナ姐さん…」(チャキッ!)

ジャラジャラ…キラーーン!○♢

【Beanne】の持つ銃剣【Arbitro】に装着しているアクセサリーからは、神々しい光が照らされているようにも感じられる。その様子を二人は、もの悲しそうに見つめ見守っていた。

「…ベア…」(普段おちゃらけているように見せていたが…本当はそんな事情があって…お前は無理して明るく見せようとしているのか…)

「……グスン!」(…そうですか。…本当に可哀想なお話ですね…ベアさん…あなたは…さぞ苦労したんですね……)

「……」(じゃあ、そろそろ行くね…ベルナ姐さん…また【R・P社】の【Agente】のギルドのみんなに、よろしく言っておくから……どうせなら…この私の成長した姿を…姐さんに一目見て欲しかったかな〜…)

チャキッ!…ジャキーーン!!!

【Beanne】は地面に突き刺した銃剣【Arbitro】を抜き、天に掲げては神々しい光を照らし、風を靡かせ、まるでここから本当の冒険の旅の始まりだと言わんばかりに、【Beanne】はハイテンションな気分で宣言した。

🎼Back Ground Music 》》》




♪〜ドラクエ3・冒険の旅

「…さてと……よぉ〜〜し!!!しんみりな話はここまで〜♪!!…ここから私…べアお姉さんの本格的な森羅万象伝説のォォ〜!!…《冒険ノ旅》が始まるよ〜♪…じゃあ皆さ〜ん!!まるで現世の世界の《Dragon》の名が付く《RPGゲーム》のように〜♪…張り切っていくよ〜♪」

「………」

「…え…?」(ボーゼン…)

【Veno・nix】と【Eimi】の二人は突然の【Beanne】の発言に戸惑っていた様子であった。その反応に対しこう答える。

「んも〜う二人共〜!!ノリ悪いぞ〜!!…特にヴェノくん!!」

「…なんだ?」

「それっ!!…その朴念仁みたいな性格〜!!…せっかく冒険の旅が今始まったっていうのに〜♪…そんな鉄仮面取っ払って笑顔で笑いなよ〜♪…そ〜れ!!」(ダキッ♡!!)

ぱふぱふ…ぱふぱふ♪

「……やめろ。…離せ」

「ふっふ〜ん♪だ・あ・め♡」(キャピン☆!!)

「…あ…あはは。…でもベアンヌさん。…ありがとうございます!!…あなたのおかげで、私…なんだか元気が出ました!」(ぺこり!)

【Eimi】は【Beanne】にお礼を言う。その態度に【Beanne】はすかさず笑みを浮かべジリジリと迫ってきた。

「ふっふ〜ん、ありがとうエイミちゃん♪じゃあ景気づけに〜♪それ〜♪」

バサァ〜♡!!

「!?///キャァ〜〜〜!!そっ!!///それはダメですよ〜ベアさぁ〜ん!!///」(ブワァアア!!)

「ふっふ〜ん♪…よいではないか〜よいではないか〜♪それそれ〜♪ブンブン回すよ〜♪」(キャッ♪キャッ♪)

【Beanne】はそういうとご機嫌よく【Eimi】を高速回転させ、まるでバレリーナのようにスピンさせる。その拍子に、短めのメイドのスカートが捲れ、下着が露になる。

クルクルクルクル!!チラチラ!

「あ〜れぇぇ〜!!///」(クルクル〜♪)

「………ッ…」(フッ…)

「ん〜?…ヴェノくん?…もしかして笑った?」

「…なんでもない。…いつまでも遊んでいないで先を急ぐぞ」

「はぁ〜う〜///……ゔ…ヴェノおじ様…あの〜?…一体どこへ?」(首かしげ?)

「…【G島】の【Olfes】という救済の街だ。…エイミ。…アンタも一緒に行けば救済の手があるやも知れない。…ここにいるよりずっとマシだろう…」

「!!…【Olfes】へ…ですか!?…でも…よろしいのでしょうか?…私も共に同行しても?」

「構わない。…一人でいるより、連れと一緒に冒険をする方が安心するだろう…そうだろ?…ベア」

「そうだよ〜エイミちゃん♪…一緒に行こ!?」

「!!…は…はい!!…では、よろしくお願いしますね!…ヴェノさん!…べアンヌさん!」

【Veno・nix】ランクE
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー
【Eimi】がメンバーに加わりました。

【Beanne】ランクA
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー
【Eimi】がメンバーに加わりました。

「…だがどうすればいい?…再び【Velkana】の街中に戻れば、【Eimi】を探している連中もいるだろう…」

「…ふっふ〜ん♪…大丈夫♪…ここから西の方角のある山を抜ければ、【Velkana】とは隣町で、電車が経由する【Relvio】(レルビオ)って町に着くから…そこなら奴らの監視から免れると思うんだ〜♪…でもその前にエイミちゃん!!」

「は…はい!」

「そのメイド服だと【Dail】邸の奴らに特定される危険があるから〜……ん〜?…!!おおっ!…いいのあるじゃん♪…はいこれ〜♪」

バサッ!

「キャッ!!…こ…これって…修道服…ですか?」

【Beanne】は教会のタンスの中にあった修道服を見つけ、【Eimi】に着るように促す。

「それを着ておけば、多少身分は隠せると思うよ〜♪」

「…多少ですか…」

「…まぁ…やらないよりかはマシかも知れないな…エイミ。…着替えておけ」

「は…はい。…あの…覗かないでくださいね///」

「…ああ。ベアの方は俺がしっかり見ておく。…安心して着替えてこい」

「〜///」(コクッ!)

タッタッタ…

「…む〜…【Eimi】ちゃんのスリーサイズを特定できると思ったのに〜!」(ブーブー!)

「ベア。…お前はもう少しデリカシーを学べ。…失礼だぞ」

「ヴェノくんはユーモアを徹底的に学んだほうがいいと思うけどな〜!…【G島】の【Olfes】に着いたら、ユーモア好きな人に出会えるといいね〜♪」

「…興味ない」

「んも〜う!あいっ変わらず可愛げがないな〜ヴェノくんは〜!」(ぶ〜ぶ〜!)

【Veno・nix】と【Beanne】はまるで痴話喧嘩するかのように話し込んでいた。そうしていると着替え終わった【Eimi】が現れる。

「…あの〜?…着替え終わりましたけど…これ、修道服にしては…その///…スカートが短すぎませんか…?///」(カァ〜///)

【Eimi】は修道服に、キャリアウーマンが着用しているような短めのスカートを着ている。その様子に【Beanne】はウキウキとした表情をして褒め称える。

「おお〜!!エイミちゃん!」…なかなか似合うじゃあないの〜♪よっ!ミニスカシスター!…ねっ!ヴェノくん?」

「…あ…あの〜ヴェノおじ様…どうですか?///」

「…悪くはない」

「そ…そうですか…///」

「…ふっふ〜ん♪…ではでは行くよー!」

バーーーン!!!

「…」「…」「…」

3人は教会の外に出て並んで立ち尽くし、目的地である【Relvio】(レルビオ)を目指すために経由する山を見つめていた。そしてここから、【Veno・nix】と【Beanne】【Eimi】の本格的な冒険の旅が幕を開けようとしていたーーー

・・・
・・



B. いいえ


《Capitolo・4》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



〜その頃G島・【Olfes】〜

♪〜ほこら

「…はぁ!!…おりゃあ!!」

ブン!ブン!…パキョーーーン!!!!

カランカラン……

ワーッ!! パチパチパチパチ!!

「お姉ちゃんすご〜い!!」「すげえ!!ハンマーで切り株が粉々になって薪になった〜♪」「これでしばらくはウチでの調理にも使えそうだ〜!!」

「アハハ!!まだまだ〜♪ほらほら危ないから下がっていなさ〜い!!…次はもっと豪快な一発をお見舞いするからね〜!!」

【Aria】は救済ギルド【Siel】(シエル)の本部である教会で、伝統行事並びに日課である天命と題して鉄槌を使い、薪割りを行っていた。その豪快に薪を叩き割る姿に地元の子供達は【Aria】に対する注目を浴びせられていた。

「アリアさん!…頑張っていますね〜♪」

「そうですね!…そろそろ現世ではクリスマスも近いからか、気合が入っているようにも感じられますね〜!」

【Aria】の鉄槌を振りかざして鍛錬に励む様子を【Oriana】と【Mireisia】の二人は暖かく見守っていた。

「でも、オリアナ様。…私は思うのですよ…なんだかアリアさん。…無理をしているようなところがあるようにも感じられるのです…」

「…?…ミレイ?…それは一体…」

「…実は…アリアさんのこと…本人から少し聞いたのですが…現世ではどうやら…」

カクカクジカジカ…

【Mireisia】は【Oriana】に【Aria】のこれまでの現世での過ごしてきたこと、そして、何故【Paradiso】に訪れたのかの経緯を説明する。

「…なるほど…現世で過ごしていたアリアさんには、そんな辛いことがあったのですね…」

「はい。…それも兄の方はとっくに30は過ぎており、この【Paradiso】には残念ながら介入が出来ませんし…それに…今、この【Paradiso】を訪れている…その霧矢という名字の恩人さんにもまだお会いできてはおりませんし…行方も未だ分かってはおりません。…もしかしたら、アリアさんは…その恩人に会おうと…」

「…強くなっては、この【Paradiso】の世界を回ろうとして意地でも探そうとする為に…1日でも早く自立して世界の救済を目的にと…ふふ!…その話を聞くと…何だか懐かしくも思いますね!」

【Oriana】は【Mireisia】の話を聞き、何かを思い出したのか懐かしそうにしていた。

「…オリアナ様。…もしかして昔の、当時【R・P社】【Agente】のリーダーのルーシス室長さん(【Lu-cis・H】)のことを思い出しているのですか?」(クスクス!)

「はい!…ふふ。…もう10年以上も昔ではありますが…当時まだ幼かった私は…ルーシスさんには本当に救済されたかのように助けていただきました。…あの方の側には、まるで初代救済長の…オルガナ様がおいでになられているかのような安心感もございましたし…あの毅然としては、誰かを守り通す強さを持ち、【Paradiso】の各島を渡り歩き…最古の貴族の者達と交流して世界各地で起こっていた数多の紛争を鎮め…救済の手を差し伸べて…まるでルーシスさんにも…その最古の貴族の一員のようなものを私は感じ取りましたね…」

「最古の貴族の伝承…確かそのような名前の書物を見たことがありますね。…確か…神の力に匹敵する癒しを重んじる【F・フレイシア家】…おそらく現在の…【Mist Garden】の領主を務めているアガルタさんのことですね。…次に法と秩序を重んじる貴族【D・ディオール家】は【Belsas・D】(ベルサス・ディオール)さん…後、太古の武を重んじる貴族の血筋の者【B・ベレンダ家】…おそらく元【R・P社】【Agente】の【Wilvia】さんの所属しているB島の武装集団ギルド【Surviver】にもその血を引く者が一人いると聞いていますね…」

「確かに。……ルーシスさんにも、ハーレクラインという名前がありますから…何故かその名は…何処か貴族の名前の名残のようにも感じられますね…」

「本当に不思議なお方ですよね。……そして何よりも…人と人との繋がりをとても大切にするお方だと聞いておりますね…」

「……今から10年以上も前に起こった大戦や、それを治めようとする動乱の旅を…現世の世界から来た、肌や髪の白い…まるで天国から来たかのような女性と出会い、時に別行動して別れ、共に行動しては様々な困難を……主に4人で行動し乗り越え…また【J島】の【Kagoya】の【狼志組】の副長【Fukabe】さんとも交流があり、二人はまるで親友でもあって共に共闘して戦ったとも聞いておりますし、本当に色んな方々と交流してきたお方らしいですね。…ルーシスさんというお方は…」

「まるで英雄のような…勇者とも呼べるお方ですね。…そんな人が諜報機関ギルドである【Agente】を設立し、今もその意志を受け継ぐギルドに所属する者や部下の方々は…今もどこかで…【Paradiso】の世界を巡り…ユートピア創造士隊が率いる【創造派】と敵対し…世界の治安を守っていただいているのですね…」

【Mireisia】は【Lu-cis・H】の功績に対して敬意を称賛し、【Oriana】を見つめている。その様子に【Oriana】も、教会の前にある初代救済長【Organa】の銅像を暖かく見守っていた。

「…ふふ。…救済長オルガナ。…あなたの救済が、後にルーシスさんや様々な人達が一丸となり、この世界を救済して守ろうとしてくださっております。どうか、彼らに神の御加護を…」

「お願いします。…どうかこの【Paradiso】に……救済の導きを…」

二人は【Organa】の銅像に祈りを捧げる。その様子には、まるで神のご加護があらんことをというように祈りを捧げている様子であった。そして天命を終えた【Aria】も目の前の【Organa】の銅像の前に祈りを捧げている。

「…オルガナさん。…ただいま本日の日課…終わりました。どうか、私達の救済の行く末を見守っていてください…」

「あ、アリアさん。…もう終えたのですか?」

「はいオリアナ救済長!…ただいま終えました!…ミレイさんもお祈りご苦労様!」(ビシッ!)

「…ふふ!…アリアさん…流石に敬礼は宜しいですよ…!」(やれやれ…)

【Mireisia】は律儀に敬礼する【Aria】の様子を見て微笑む。それは【Oriana】も同じく笑顔で【Aria】に対し、温かく接していた。

「ふふふ!…アリアさん。…今日も一日ご苦労様でした。…どうですか?もう慣れてきました?」(ニッコリ!)

「はい、おかげさまで!…でも私はこれからも頑張っていきますよ〜!」

「そうですか…ですがアリアさん。…あまり無茶はしないでくださいね。我々は救済を目的をするものです。その者がご無理をして倒れてしまいますと、帰って心配されることでしょうから…」

「大丈夫ですって〜!心配しないでくださいよ〜!…私はこれでも元気がとり…え…」

バタン!

「!?」「アリアさん!!」

突然二人の目の前で【Aria】は倒れてしまった。その様子を見た【Oriana】はすぐさま彼女の元へ駆け寄る。すぐさま体を触ると、熱感を帯びていた為、過労であることがわかった。

「これはいけません!ミレイさん!…すぐに医務室に連れていきましょう!急いで!」

「はい!…ああ…アリアさん。…おそらく…昨日夜遅くまで神聖術の本を読まれては…」

「………」

タッタッタ…

・・・
・・


〜夢の中の世界〜

「…ん?…あれ?…ここって…一体?…周りは草原かしら?…でも…何だか不思議な風景ね…」

【Aria】は倒れた後夢を見ていた。その風景は、周囲を見渡すと草原であり、満点の青空が広がっていた。すると何処からか、【Aria】に対して優しく声をかけてきた。

コツン…コツン…

「…あら?…目が覚めたのでございますか?」(ニコッ!)

「…え?…う…嘘!?…あ…あなたは……」

【Aria】は声をかけてきた女性の姿を見て驚く。目の前に立っていた女性は、ゴールドブロンドのロングヘアーにトレードマークの菱形のヘアバンドを付け、紀元前時代の装いを身に纏った僧侶のような、神聖な救済の女神の雰囲気を持つ女性であった。その女性は、優しく微笑み【Aria】を見つめる。その様はまるで、迷える子羊に手を差し伸べる神のような導きにも感じられる。そしてこの女性との出会いが、【Aria】を【Paradiso】の救済へと導く旅の始まりがこれから告げようとしていた─────













《To Be Continued…→》













第9話:花の街【Velkana】 
《完読クリア!!》



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A. はい 
B. いいえ