GiorGiaNo

 
《Paradisoシリーズ〜導かれし七人の現世人の冒険譚》
 

A.:GiorGia


〜第二章:ダブルフェイス〜黒豹と法と秩序の契り〜


第14話:掃除屋兼便利屋ギルド【Hopera】この世に生を受けた意味───────



【C島】でユートピア創造士隊の支部の制圧に成功した掃除屋兼便利屋ギルド【Hopera】に所属する【Nelson】を筆頭とした【Veno・Nix】・【Eimi】の三人は、次のターゲットとして【D島】のユートピア創造士隊の支部へ奇襲を仕掛けようと目論んでいた。──────だがその目論見を逆上した相手によって潰され、同胞の仲間である【Eimi】を失った───────別れ際、彼女の現世での記憶を知った【Veno・nix】は前を向き、目的地である【D島】のユートピア創造士隊支部基地を目指す───────










《Capitolo・1》
物語を開始しますか?

🎼Back Ground Music 》》》



The greatest thing you can do to others is not to share the wealth, but to show them their own abundance.
(あなたが他人にしてあげられる最も偉大なことは、冨を分け与えることではなく、その人独自の豊さを示してあげることである。)

The final decision is that I'm alone after all, but I can't live alone without the help of others.
(最終的に決断するのは、自分自身結局人は一人ぼっちけど、周りの助けなしに寄りかからなければ一人では生きてけないんだよね)

Takuro Yoshida
(吉田拓郎)




[Paradiso] once has such a history
(【Paradiso】にはかつてこのような歴史がある─────)

A mysterious disappearance of a Utopian who lived on each island of [Paradiso] was caused by the [Creatives] led by the Utopian Creators.
(ユートピア創造士隊率いる【創造派】によって、【Paradiso】の各島で暮らしていたユートピア人に謎の失踪事件が起こった────)

Very few of the islanders know that fact.
(その事実を知る者は、各島の者達の中でもごく僅かである─────)

Those who know the truth disappear mysteriously by a group of slaughter groups with excellent fighting ability among Utopians
(真実を知った者はユートピア人の中でも戦闘能力に優れている殺戮集団の集まりによって謎の失踪をする────)

At the same time, there was a bad situation in the world to know it.
(それと同時にーーー世間ではそれを知られてはまずい事情があった─────)

In the past, the [Creatives] dissected the Utopian organs, body, bone marrow, and cranial nerves as a show in order to take measures not to miss the Utopian people, and exhibited them as a hobby. I was taking care of
(かつて【創造派】は、ユートピア人を逃さない措置を取る為、見せしめとしてユートピア人の臓器や肉体・骨の髄・そして脳神経を解剖し、悪趣味にもそれらを展示する【標本見聞解体新書】を取り行っていた────)

The Utopians who saw the scene exposed their hatred and disgust at the sight that was too hairy, lost their resistance to them, and the Utopians who were submissive at will were placed in a quarantine facility within the branch. I was imprisoned and couldn't get out again.
(その光景を見たユートピア人は、あまりにも身の毛のよだつ光景に憎悪と嫌悪感を露にし、彼らに対し抗う抵抗力を失い、なすがままに服従されたユートピア人はその支部内の隔離施設に監禁され、二度と抜け出せなくなった────)

At that time, when I was prostrated by power, oppressed, and gave up thinking that there was no hope anymore, a person made a big announcement of the current situation.
(力にひれ伏せられ、抑圧されてしまい、もう希望はないのだと諦めていた時、ある者によってその現状が大きく公表された─────)

One of the members of the guild of an intelligence organization witnessed the [Specimen Observation and Dismantling New Book], and when asked what was justice and what was the purpose of human life, he was of the Utopia Creator Corps. I caught one person and exhibited the thing in the middle of the city where the people were in retaliation and made it recognized.
(ある諜報組織のギルドのメンバーの中に、【標本見聞解体新書】を目撃し、何が正義なのか、人の生命は何の為にあるのかという問いに対し、その者はユートピア創造士隊の一人を捕らえ、報復として民衆のいる街の真ん中で、そのブツを展示して認知させた─────)

The people who were astonished at the scene were reminded of the danger of the [creative group] --- the [specimen observation dismantling new book] was no longer available to the world --- at the same time, the person who published it also violated the rules of the guild. As a person who did, he was judged as a sinful person who committed the corresponding sins and contraindications.
(その光景に対して驚愕した民衆は【創造派】の危険性を改めて知らしめる事となり─────【標本見聞解体新書】は世に出回らなくなった。それと同時に、それを公表した者も、ギルドの掟に反した者として、それ相応の罪と禁忌を犯した罪深い者として審判を下された─────)

これは─────その事件が起こる前の前日談の報告である──────

・・・
・・








🎼Back Ground Music 》》》





♪〜FF7より〜オープニング・爆破ミッション

ガタンゴトン!! ガタンゴトン!!

キキ〜〜!!……プシューー………

『………』

ザッザッザ……スタン……

『……やあ…ルーシスくん。…すまないな…本日のベルナの出産を控えているのに、我々の任務に同行してくれるとは……』

『大丈夫だよフカベくん。…これは君と僕達の仲だ。今更水臭いよ。……そこにいるのが、応援で派遣された君の部下なんだね。…君、名前は?』

『はい。【R・P】社【Agente】リーダーのルーシスさん。…お初にお目にかかります。…私は【狼志組】所属…【Araga】(アラガ)と申す者です。現世人であり、【冥鐘】を使えます』

『…アラガくんか。…なるほど…それはとても心強いよ。……じゃあ行こう。みんな…今回の任務は【創造派】一派……ユートピア創造士隊の支部を爆破し、善良なユートピア人を解放する!準備はいいかい?』

『いつでもいいよ…ルーシスくん』

『はい。…私も最後まで全力を尽くします…』

『…では行こう。…そして無事に元気な姿でベルナの元へと帰るんだ!!』

タッタッタ!!

・・・

ブォーーーン!!!!

『!!敵襲だ〜!!』

『おのれ…よくも我々の計画を……!?一体誰が!?』

『おい!!誰か見張りの者はいないのか!?』

『そ…それが…リーダークラスの隊員皆の者が…全て戦闘不能状態になってしまい……』

『バカな!!一体どうなっているのだ!?』

・・・

『討伐を完了した。…………だが、幹部クラスが倒れたと聞いた途端……予想以上にまるで蜂の巣を突いたかのように連中は大騒ぎのようだ…』

『そのようですねフカベ副長…ルーシスさんの陽動で相手も困惑しているようですね…』

タッタッタ……

『ここが最深部か……』

ドクン…ドクン……ドクン…ドクン……

『これが【創造派】の最大権力と呼べる催し…なのか……今まで各島の善良なユートピア人達を拉致して……このような非人道的な事をして…一体何になるというんだ……!!』

カチッ!!

……ダァーーン!!

・・・
・・


《次のニュースです!!突如【創造派】の管理するユートピア人の保護施設が突然何者かによって爆破されたとの事です!…詳しい経緯は誰にも分かっておりません。政府関係者は何者かによるテロの可能性があるとみて捜査をーーー》

『……ミッションは完了したのね…』

『ああ。…でもベルナ…すまないな本当に…』

『もう!!///愛しの妻が出産で死ぬくらい痛い思いしたっていうのにあなたって人は!!///…もっと早く来て…私を安心させなさいよね〜……バカ!!///……ウフフ♡無事でよかったわ〜♡///』

・・・

〜【Paradiso】歴【D島】始まりの街・【ユートピア創造士隊 A支部・地下エリア・駐車場】6/17日・朝型〜

プシュ〜〜……

「とりあえず潜入できたじゃん…だが思った以上に広いじゃん…」

【Nelson】はいち早くユートピア創造士隊A支部へ辿り着く。場所は【創造派】の管理する運搬車両に身を隠し、潜入に成功する。思った以上に簡単に侵入できた為、彼自身には笑みの表情を浮かべていたーーー

「へへっ!!ちょろいもんじゃんよ〜♪……!!」

ダンダンダン!!!

「おっとじゃん!!……早速お客さんに対する歓迎じゃん♪」

「貴様!!動くな!!」「その顔に服装……そうか。…貴様が【C島】で…本日付けで革命を起こす我々真・ユートピア創造士隊の支部を……破壊し尽くした者だな…」

【Nelson】の前には【創造派】ユートピア創造士隊改め【真・ユートピア創造士隊】が立ち塞がる。その様子に【Nelson】は笑みを浮かべてこう言い放った。

「あぁ〜ん?革命〜?これがじゃん?……笑せんなじゃん♪んなもん精精3日坊主が関の山じゃん♪」

「!!貴様ぁ!!」「その言葉…我々を愚弄する言葉なり!!」「おのれ…万死に値する!!」

「来てみるじゃ〜ん蝿どもぉ〜!……蛆虫になって這いつくばらせてやるから覚悟するじゃんよ〜!!」

チャカッ!!…ダダダダダン!!!

「!!避けろ!!」「銃火器とは卑劣な事を!!」「お、おのれ〜!!」

【Nelson】は相手に対し、一歩も引かずに銃弾を乱射し、前へと進む。その目には覚悟もあれば、陽気な自分を保ちつつ、成すべき事を成そうとする信念まであった様子である。

「……」

ザッザッザ……!!タッタッタ!!

「…待っていろじゃんエイミチャン!!…必ず仇を取るじゃんよ!!」

「侵入者だ!!」「捕らえろ!!」「そこで止まれ!!」

「笑わせるなじゃん!!……その世迷言はここでおしまいにするじゃんよ〜!!」

カチッ!!

ダァーーーン!!!

「!?」「ば、爆発だと!?」「貴様……一体何をした!?」

突如、【真・ユートピア創造士隊】の下っ端の者達が爆風によって身体を飛ばされる。すると【Nelson】はこう言い放った。

「昔から……お前さん達によっていいように隔離されていたユートピア人を解放する為に…再びあの事件を起こす為に用意したまでじゃん!……実際あの噂は本当なんじゃんよ〜♪…ここにもまだ名残として残ってる筈じゃんよ〜♪…ユートピア人の臓器を媒介にして催し物にしてるっつう【標本見聞解体新書】っちゅう悪趣味なグローイ研究室がじゃん!!」

「……」「………」「………」

「?……何じゃん?」(急に黙っちまったじゃん)

【Nelson】の【標本見聞解体新書】というワードを聞いた【真・ユートピア創造士隊】は沈黙した。しかしそれはまるで戦意を喪失した様子ではなかった。それは決して言ってはいけない禁断のワードを言ったかのように静かなる怒りを見せており、武器を前に差し出す。

チャキッ!! チャキッ!! チャキッ!!

ヴィーーーン………

「……!?」

突然、相手の方から何かのモーター音のような音が響き渡った。すると相手の目の色が変わり、【Nelson】標的に絞り込んだかのように鋭い目つきとなった。

「………!!」「……!!」「……!!」

ガァキーーン!!!!

「っち!!」(なぁっ!?……なんつう力じゃん!?これは人力の力じゃあないじゃん!!…!?……まさかコイツらはじゃん!!……)

キィーーン!!

「………」「………」「………」

チャキチャキっ!!!!

「……そういうことかじゃん……コイツらは…【Metalcan】(メタルカン)の技術で人工的に作られた……」

「………!!」「……!!」「……!!」

ダダッ!!!

「人型ロボット…岩男みたいな…ヒューマノイドっちゅう事じゃん!!…夢の中の世界も摩訶不思議で予想外の事が多かったじゃんが……今度のは…全く違う意味での……厄介な闇の連中の奴らを敵に回したって事じゃん!!……だがこれで……」

「………」「……」「……」

「謎は全て解けたって事じゃん!!……へへ〜ん♪」

ヒィーーン!!

「……!?」「……!?」「……!?」

ダァーーン!!

突如【Nelson】の目の前で敵対していた敵が爆発物によって巻き込まれる。すると【Nelson】は秘密兵器だと言わんばかりに声高らかに笑う。

「な〜ははは!!!予想以上の威力じゃん!!ティウンティウンした………じゃ……ん…!?」

ドロドロドロ………

「………は…ひふ?」

「………」「……」「……」

ジャキーーン!!!!

「!?…げげんちょじゃん!あれ喰らってティティウンティウンしないってマジかじゃん!……コイツは……よく現世の洋画にある……人型のロボット…SF映画で有名なあれじゃん…」

「………」「……」「……」

スゥィーーン!!!!

相手は爆発に巻き込まれながらも身体を修復し、再び【Nelson】に敵対しようと集団は立ち尽くす。そして今度は腕を変形させ、鋭利な先端を高速回転させ、ドリルのようなものを形成し、身体に風穴を開け、貫通させるかのようにジワジワ歩み寄ってきた。

「………」「……」「……」

チャキッ!!

「っち!!とりあえず距離を取るじゃん!!」

タッタッタ!!!

「………」「……」「……」

ザっザザザザ!!!

「……!!結構動きが早いじゃん……!!そうじゃん♪…相手がもしあの洋画に出てきた奴ならじゃん♪」

ダダダダダ!!!

【Nelson】は長い廊下を右に曲がる。それに陽動されたのか、集団は後をついていく。するとそこには【Nelson】の姿はなかった。

「………」「……」「……」

グォー-ン……行くよ〜Nくん!!ああSくん!!

「!?」「!?」「!?」

ガァーーン!!!!

機械の身体である人型ロボットは、凄まじい磁力の力によって壁に押し付けられるように身動きが封じ込められた。するとそこに【Nelson】が現れて片手にマグネットらしきものを持って見せつけた。

「見事にひっかかってくれたじゃん♪…コイツは【Hopera】にいる仲間が作ってくれた超強力なマグネットじゃん!…そ・し・て☆」

シュー………ウィ……ンン……

「!?」「!?」「!?」

「海水スプレーじゃん!!…これでもう機械の身体のお前らは鉄屑になって動けないじゃんよ〜♪……じゃあ〜バイビィ〜♪!!」

タッタッタ!!

【Nelson】は歩みを止める事はなかった。ひたすら隔離施設を突き進む。そうしていくうちに階段が見えてきた様子である。

「?…お?コイツは階段じゃん♪……よ〜しいよいよ建物内部に侵入出来るじゃんよ〜!」

コツンコツン!!

「………」(いよいよ…今から数年前に…【R・P社】の【Agente】という諜報機関ギルドが引き起こしたって有名なユートピア創造士隊施設の爆破事件の悲劇……いんや、あれはもはや革命じゃん♪…コイツを再び起こして公にし……もうエイミチャンのような善良な娘を犠牲にしない世の中を作らないとじゃん♪……そうだろじゃん……リシア……【R・P社】の【Agente】に所属していた心優しいお前さんが狂ってしまった原因である…その…【標本見聞解体新書】って催しの名残が……いまだにこの支部にも秘密裏に残っていそうじゃんよ〜!…そいつも跡形も無く吹っ飛ばして世直ししてやるじゃんよ〜♪)

タッタッタ……

【Nelson】は階段を歩みを続ける。そしていよいよ内部に足を踏み入れた時、そこには想像を絶する光景が広がっていたーーー

・・・
・・









B. いいえ

《Capitalo・2》
(※この先、R-18+要素を含みます!18歳未満の方は閲覧を固くお断りしております!!)
以上を確認された上で、続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜Persona5より・Regret

「……!?」(な…何じゃん…これは…!?)

【Nelson】が1Fのフロアに辿り着いて驚愕した。そこにはガラス越しの檻の中で男女が行為に走っていた。様子を見ると男性は、ユートピア創造士隊の男と、メイド服を着ていた女性がまるで色欲に囚われて快楽堕ちをしてしまった状態であるからか、さらに欲求を求めようとしていた。

あぁはん♡…ごぉっ…ご主人様ぁ〜♡///…もっとわっ…私を辱めてぇ〜くださぁい♡///」(トロォ〜ん♡)

「よぉ〜し!!もっと…も〜っと泣き喚け〜♪…グフフ♡……やっぱ【Dail】産から出荷された家畜の極上メイドの抱き心地は最っ高だな〜♪犯し甲斐のある教育されたいい女だなぁ〜グフフ♪」

グリュっ♡…グリュ♡…パァンパン!!パァン!!………!!

ドロォ〜♡…

「…っ!!」(コイツは……すさまじく色欲に取り憑かれたレディーメイドに………マジで吐き気を催す男の光景じゃん!!…まさかコイツら…こうして男女のユートピア人を隔離させて好き勝手してるのかじゃん!!………!?)

「はっは〜っ♪…全く極上の現世人の女だなぁ〜♪クックック……男の現世人にはゲイのような特殊性癖を持った奴らにしか全く需要はないが……女の現世人ってのは別なんだなぁ〜っ♪!!」」

「!?」(現世人の…女だとじゃん!?……コイツら【創造派】の目的は、現世人の殲滅が目的だったのでは……ないんかいじゃ……ん……)

「ヒャぁハハハハハっ!!!……テメぇ〜いちいち余計な事喋りすぎなんだっつの!!自重しろ!!」

ペチペチ!!

「い、いでで!!馬鹿野郎!!…プレイ中にどつく馬鹿がいるか〜!!」

「あぁ〜ん♡ご主人様〜♡私から目をそらさないでぇ〜♡///」(ギュ〜♡)

「………」(一体どういう事じゃん!?……実際は、性癖を持った特別な現世人のレディーはある方法で昇華させずに捕獲して……この隔離施設に閉じ込めて…こんな下衆な事をして孕らせていたって事かじゃん……子を宿して密かに自分達の仲間を増やして……一体何を企んでいるんじゃん……)

【Nelson】は物陰に潜みながら敵の話を傍聴していた。すると、その話の続きには思いもよらない衝撃的な発言が飛び込んできた。

「……何たって…【現世人】の女…まあ〜つまり《現世女》の魂の蜜には…俺達男のユートピア人の快楽を増長させる効果の他に………【現世人】の持ってる【Fiducia】…いやそれ以上の特殊能力を開花させる可能性があるんだからなぁ〜グヒヒ♪…そうすれば…ユートピア人の男と現世女を掛け合わせた超人類が生まれ………完璧なユートピア人が誕生し…そしていずれこの世界を【創造派】が支配する時代が来るんだなぁ〜!!!!」

「ああ〜!!…しかしよぉ〜?…ユートピア人の女はどんな事に需要があるんだっけか?」

「そいつは、まず地位のある権力者の欲求不満の為に、性教育を受けさせてカキタレ体質になってもらってよぉ〜!………そこから人身売買組織に引き取ってもらって出来る事なら男の子供のガキを産ませて母親として保護し……わざわざ自作自演で俺達に拐わせて売り捌いて…そいつらはこういう場所に隔離させて…二度と抜け出せなくしてよぉ〜……晴れて俺らの仲間入りって訳だ!!…便利な事に真・ユートピア創造士隊が身につける新しい防具は凄えぜ〜♪……歳関係なく無理矢理戦闘狂のような性格にしてよぉ〜!…布の中には堅くて軽い鎧を身につけて兵士として使わせて……んで用済みになったら……あれだよ」

「ああ、あれねぇ〜♪………」

《【標本見聞解体新書】!!》

「あれで遺伝子を組み替えて再び新しいユートピア人を生成してリサイクルッッ!!…そうすればする程……クックック…!!」

「ギャハハ!!……ああ!!配合に配合を重ねた結果……遂には特殊能力に目覚め、武力を持った身体能力に長けた最強の戦闘能力を持った……超人的なユートピア人が出来上がるって仕掛けだよぉ〜ん♪…そんでもってそいつらは戦闘集団【Varisk】に拾われて……遂に我々ユートピア創造士隊と提携を組んで晴れていよいよ長年の計画にあった通り…念願の【真・ユートピア創造士隊】となって君臨し……この【Paradiso】の世界に広く貢献して活動してくれるって事だよ〜ん♪ア〜〜ッヒャハハハハハ!!!!!」

「……!?」(!?…なん…だと……じゃん)

【Nelson】はその話を聞き、衝撃が走った。彼は【標本見聞解体新書】の本当の秘密について知った。それは人体の心臓や神経といった臓物を展示し、ユートピア人をこの場所から逃さない為に洗脳する類の吐き気を催す類の一種の対策なのだと認知していた。しかし実際は、それらを利用し、何度も人の生命をまるで道具や玩具のようにぞんざいに扱って犠牲にし、武力を持ったユートピア人達を誕生させて武力組織を築き上げ、いつの日か【創造派】が勝利する日を着実に狙おうと前々から立て、計画を実行しようとしていた。そして【Nelson】はその事実を知り、はっきりと自覚した。

「……」(俺っちは……【R・P社】のリシアによって公表されたコイツらの催し物の……【標本見聞解体新書】の本当の目的に気づけずに履き違えて………悪趣味な気味の悪いもんっていうただ単純に…偽の情報に踊らされていたってだけだったじゃん……これじゃあ…大罪に出てくる【虚飾】ってやつじゃん…俺っちは…この【Paradiso】の世界の常識に……見事騙されていたって訳じゃん……)

コツン…コツン…

「フッフッフ……やはりここに来ていたようだね……腰抜けのネルソンくん」

「!?……お前はじゃん!!」

【Nelson】の前に現れたのは、全てが白い服に身を包み、ゴールドの装飾に彩られたいかにもこの【Paradiso】の世界を支配しようと企む邪悪な支配欲に満ちた男の姿であった。



🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ペルソナ5・より〜自由と安心

「そうか…ここまで来ていたのだな…よくもまあ【C島】ではとんでもない事をしてくれたものだね…」

「……ロギアス(【Logias】)…じゃん!!お前さん……この支部にいたのかじゃん!!」

【Nelson】は【Logias】という男と面識がある様子である。すると相手は笑みを浮かべて挨拶をした。

「その田舎臭い喋りがまるで治っていないとは…つくづく呆れ果てた男のようだ……フックックック……私は…すでに…この支部の長を勤めているというのにね…」(クスクス…)

「……お前さん…こんなトチ狂ったもんを広めようとして一体何企んでるじゃん!?」

その問いに【Logias】は笑みを浮かべてこう言い放った。

「簡単に言えば…これから出来損ないの人間を選別していくのだよ!」

「……?」(何いってるんじゃん?いよいよ中二病に目覚めたんじゃん?)

「フッフッフ…中二病か…実に興味深い響きだ…現世での病気の一種なのかね?」

「!?……【導き人】のオロアお嬢ちゃんみたいに心を読むとは……お前さん…まさか…あの悪趣味なもんを……」

「ご推察通りだよ……フックックック……見るがいい……」

ウィーーン……

「!?フロア全体が動き出したじゃん!?……!?こ、コイツは……!?」

ドクン…ドクン…ドクン…ドクン……ドックン!!ドックン!!

【Nelson】は周囲の様子を見て驚愕した。そこには、人体の臓器がカプセルに薬品漬けにされており、その背後にはそれらの集合体が壁一面に広がっており、肉塊が生じていた。あまりに衝撃的なものを見たのか、【Nelson】は吐き気を催しつつ、目の前にある身の毛もよだつ光景に現世のオカルトでも持て囃されていたあの言葉を連想したーーー

「っ…コイツはSCPでいう……《610》……と呼べばいいのかじゃん……」(オェッ……)

「フッフッフ……この芸術的な生命がもたらす神秘の美しさを理解出来ないとは…つくづく残念に思うよ…」

「ほざけじゃん!!……こんな悪趣味なもんに、ユニークが取り柄な俺っちも流石に笑えそうにないじゃんよ!!……お前さん…!!…これはもう許されないじゃんよ……こんな悪趣味なもんで犠牲になった………リシアの為にも、そろそろお前さんに引導を渡して幕を下ろしてやるじゃんよ!!!」(ギリッ……)

「……ほぉ〜…実に懐かしい名前だ……」(…リシア…か…クックック!!……実にいい魂を持った女だったな……)

・・・
・・


『……はぁ…はぁ……』

ボトボト……ボトン……

『はぁ……はぁ……はぁ……!!わ…私が……やってしまったの……?……創造士隊の……人を……殺め……て……』

プスっ!!

『!?……っ……』

・・・

『……!?』

ギチギチ!!

『!!ヒッ!!…に、肉片!?…それにここは!?……!?あなたはぁっ!?』

『フックックック……いよいよ見つけたよ…そうか…今まで我々の【標本見聞解体新書】を公表していたネズミは貴様だったのか。……【R・P】社の名門治癒・救済ギルド……【Grazia】所属の【Lisia】(リシア)……戦闘能力は脆弱な《現世女》の者よ!!…クックック!!』

カランカラ〜ン!!

『!?…あなた……まさか…私が眠っている……間に……一体何をしたの!?』

『……ふふふ…魂の蜜を回収させて貰ったのだ……そして【Fiducia】では癒しの力を持つ貴様の身体の解析を今終了し…データを採取させて貰った……フッフッフ!!』

『な、なぁっ!?///…ふっ!ふざけないで!!///……よくも…!!よくも私の…能力を……それにあんな趣味の悪い…!!…人の命を愚弄して冒涜した真似を……!!…許さない…!!あなたを絶対に許さなぁい!!』

『フッフッフ…私にその口を聞いてもいいのか?……このユートピア創造士隊【最神官】の異名を持つこの私……ロギアス【Logias】に盾をつくことが……どれ程の罪を犯しているのかのね……』

『……!!…っ!!』

ギリギリ……!!

『フッフッフ……拘束されたその身体では身動きは取れまい……そこで………!?』

ダァーーン!!

『!!ぬうっ!?』

ポロッ!!

パァリーーン!!!!

『っ!?……私の魂が…!?……くっ!!』

『急ぐじゃん!!グズグズするなじゃんよ!!』

『ああネルソン!!…わかっている!!リシア!!逃げるぞ!!』

『……!!……ごめんなさい……ネルソン……』

タッタッタ!!

『……お…おの、れ……一体どこに…いったのだ…我が魂の……蜜は…』

ばたり……

・・・
・・


「そうかいじゃん……それで…」(治癒能力を持つリシアがある事件に巻き込まれて昇華したと聞いた時、変だと思ったじゃん!!……そうか。…コイツによって……能力を……)

「フックックック……長年の細胞の配合によって他人の能力を奪い取る技術を会得したものの……貴様らの出現によって、貴重な【Fiducia】の治癒能力は闇へと消えてしまった……」

「………」

「……その恨みを……ここで!!」

チャキッ!!!ビリビリビリ!!!

「!?」(で、電撃じゃん!?…い、一体…!?まさかじゃん!!)

【Logias】は人工で会得した能力を使用したのか、剣を抜いたレイピアには、高圧な電気を帯びた力を発揮する。そしてその剣身を【Nelson】目掛けて突き出した。

ビューーン!!ビリビリビリ!!!!

「……っ!?」(こりゃあサンダースピアって奴じゃん!!)(ヒョイっ!!)

【Nelson】は横に飛んで攻撃をかわす。すると相手は余裕の笑みを浮かべてこう言った。

「フックックック……さあ脆弱な元奴隷のネルソンくん……この雷で焼き焦げる覚悟は出来ているのかね?」

「……ぺっ!!……面白えじゃん……そっちが電気なら……こっちは……」

ギュイーーン………

「!?……これは……」(磁力の力……だと……)

【Nelson】は【Fiducia】の能力を発動した。彼の能力は磁力を操る能力であり、電気や機械や鉄、それらを自由に引っ張って寄せ付けたりする事が出来る。そしてこのように説明する。

「……あの時……鉄の拘束具を身に付けられていたリシアを容易く救出出来た理由が分かってきたはずじゃんよ!」

「ほぉ〜…これはこれは……ならば……出番だ」

パチーーン!!……ガシャーーン!!!

「!?……っ!!」

ザシュッ!!

【Logias】は合図を知らせるのように指を鳴らした。すると同時に【Nelson】は何者かによって傷つけられた。そこには、【Metalcan】(メタルカン)の技術で作られた人工人間が複数立ち塞がっていた。

ザザっ!!

ジャキン!!

「いつの間に………やってくれるじゃん……」

「フックックック……さあランクBのネルソンくん……夢に消えるがいい……」(ジャキン!!)

「生憎じゃんが……もう俺っちは夢の世界でアレやこれだと戦ってきたじゃんよ!!……磁力の力を……みくびって貰っちゃあぁ〜っ!!」

「行くがいい……」

ジャキン!!

「困るじゃんよ〜〜!!!!!」

ジャキン!!ダンッ!!

ズズゥーーン……!!!

「……!?」「……!?」「……!?」

「……ほぉ〜…磁力の力で動きを封じたか。……だが…」

ビリビリビリ!!!!

「!!グアァアア!!!!!」(ビリビリビリ!!!)

「……ふふ…フッフッフ…愚かで教養もない無知なるものだな、現世人ネルソンよ。……現世で【誘導電流】という言葉を聞いた事がないのか?…磁力を使うことで、電気の流れを確保するという事に気づかぬとは…弱い。……つくづく脆弱なる者よ……」

「……へへ。……見事引っかかったじゃ〜ん♪」

「……!?」

ベキベキベキ……!!!

シューーン!!!

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ドヴォルザーク〜交響曲第9番・「新世界より」

ザシュッ!!!

「!?ぬぅおっ!?……ネジの破片だと…!?…わ、我が最神官の……!!我の……血がぁぁぁっ!!??」

ポタポタ………

ネジの破片が奇襲をかけてきたのか、【Logias】の背後に深い釘のようなネジが深く突き刺さる。その背後からは多量の出血が見られており、相手自身も初めての深傷であった。

「へへっ!!俺っちの美貌に見惚れているのは結構じゃんよ〜♪……けどよそ見は戦いとして三流以下の証拠じゃん♪」

「……お、おの……れ……」

ダァン!!

「……!?」

【Nelson】は、まるで歴戦の戦士のような目をして、相手に対し、強く宣言した。

「こちとら長年、悲惨な戦争を経験してきたんじゃん!!例え屍を超えてチート能力持ってたとしても、頭や経験ではお前さんのような陰気なおっさんごときに……負けるはずがないんじゃんよ!!」(クワッ!!)

「貴様……くく……ククククク……」

「……!?」

「ならば…これはどうかな?」

ウィーーン……

「!?……またフロアが動き出したじゃん!?……コイツは!?」

「フックックック……さて、もう小細工はなしとしよう……我が力を最大限発揮できる部屋へと………貴様を確実に粛清し…死へと誘ってやろうではないか!!」

ビリビリビリ……ピィーーーーンン…………

「!?…おいおい嘘だろ……このフロア内に…電気が集まってきてる……じゃん!!……させないじゃん!!」

ダッ!!!タッタッタ!!

ドゴーーン!!!!

「グォはっ!?クソッタレじゃん!!こんな所に透明のバリケードをじゃん!!」

【Nelson】は相手に向かって走り出すが、目の前には透明の頑丈な壁が出現したのか前に進むことが出来ない。その間にも相手は剣をまるで儀礼をするかのように構え、そして不敵な笑みを浮かべてこう呟いたーーー

「……フックックック…………さあ【Paradiso】の世界に生きる自然の者達よ!…安心して眠り…喜ぶがいい……今こそ…!!」

バリバリバリバリ………

《エコロジーの時代が到来し……脆弱なる人間がいなくなる明るい未来が……今開かれたりィィ!!》

              〜【Logias】自然術・雷ノ冠〜
  〜Colère naturelle!!!(クレル・ナチュラーレ!!※フランス語で自然界の怒り)〜

……!!ガシャーーン!!!!!

建物内から雷鳴の如く大きな音と衝撃が響き渡る。それは予想出来ない大規模な雷がその場に降り落ちたかのように轟音が鳴り響いた。この大きな一撃が【真・ユートピア創造士隊】にとって大きな花火が打ち上げられ、【Paradiso】の各島では、その合図を待っていたのか、何やら不審な動きも頻繁に目立つようになったーーー


・・・
・・


〜【Paradiso】歴2000年6月18日【E島】【Velkana】【Dail】邸・夜方〜

「【Linea】!!少しいいか?」

「は、はい!【Dail】様!!…一体何でしょうか?」

ある別の島【E島】にある花の街【Velkana】の街では、【Dail】というこの街一番の権力者の家があった。肥満体型であり、金髪のモヒカンが特徴であるその大男には二つの顔を持っている。表では雇っている家政婦兼メイドにとてもよく慕われており、街中の清掃活動を欠かさず行っているという潔白のイメージの強い顔をしている。しかし裏の顔はーーー

「うむう。……実は、【Stella】(ステラ)が暫く体調を崩してしまってな……そこで頼みたい事があるのだ。…いいかね?」

「は、はい!!私で良ければ《なんでもします!!》」(ふんす!!)

「……ほぉ〜!《何でも!》……とな?」

「はい!!あの、一体なんでしょうか!?…家事でしょうか?掃除ならいつでもいけます!!」

「うむ。…ではついてきなさい…」

「はい!!」

ガチャ……

「ほら。あの椅子に腰を掛けなさい…【Linea】」

「は、はい!…では……」

テクテクテク……

ストン……

「?……あの〜【Dail】様。……これで宜しいのでしょうか?」

「ああ。…それでいい。…グフフ♡」

「え?」(首かしげ?)

シュルルr!!

バチーーン!!!!

「!?///…んんっ!?///」(えっ!?な、何ですか一体っ!?……な、縄ぁっ!?///)

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ストロベリーナイトより・メインテーマ〜〜

コツンコツン……

「ふふふ。……やあ〜こんばんは…リーネ♪…いけませんね〜♪…こんな夜にも関わらず夜更かしですか?……まさか…私が恋しくて甘い夜を過ごしたくて眠れなかったのですかぁ〜?」

「!?///…じ、ジェイルさん!?///ひゃあっ!!///…い、いやっ♡…む、胸を揉まないでぇください!!///【Dail】様!!///これは一体どういう事なのですか!?///」

「ぐっふっふ…ではジェイルよ……ここで見物人役を担ってやるのでしっかりと【Linea】を教育してやれ!……いいな?」

「仰せのままに…我が主人【Dail】様!……では…私達の主である【Dail】様がこうして目の前に座っているのですから……気持ちよくしないとダメですね〜♪私の愛しの【Linea】♪」(ぺこり!)

シュッルル!!

ギュギュ〜〜♡

「んんっ!?///…い、いやぁっ!!///恥ずかしいです!!///やめてください!!///一体どうしたんですか!?…【Dail】様もジェイルさんも!!普段の優しい貴方は一体どうしてしまったんですか!?///」(ジタバタ!!)(一体何なんですか!?…足を無理矢理開かされて…縄で縛り付けられるなんて…!!///)

【Linea】は無理矢理椅子に縛り付けられ、【Jeil】によってM字に足を開かされる。そこには純白なレーズ状のショーツが露わになっていた。それを見た【Dail】は色欲を持った不純な目つきで露出した彼女の下半身を見てはまるで目の保養だと言わんばかりに傍観していた。そう裏の顔の【Dail】の正体は、雇っているメイドに対し、色目の色欲を持ち合わせていた色欲の悪魔とも言える傍若無人かつ卑劣極まりない男なのであった。だが貞操の危機に瀕していると悟った【Linea】はその目を見て強く反発しようとした。

「あ、あの〜!?///こんなことをして一体二人共何を企んでいるのですか!?///……あなた達は…!!…最て……!?///」

シュルル!!!………ギュギュ〜♡!!グリグリグリ〜♡

「んんっ♡!?…いやぁ…!!やめぇ♡!!///」(ブンブン!!///ポロポロ!!)(股に縄を…!!///いやぁ!!///そんな所をグリグリしないで♡!!///)

「クフフフ♡……どうですか〜?愛しのリーネ?…私の麻縄…さぞ心地が宜しいのでしょ〜う?……あなたの髪色にとても似ていて…その苦悶に満ちて…顔を赤くする表情を見ているとですね…私…本当に見ていて飽きないんですよ〜♪」(クックック…あの夢の中で会った…本来の姿はまさに聖女と呼べる女性とも引けを取らない…何と世の中の男性を虜にする娘でしょう…ふっふっふ…ですが彼女は【Fiducia】の治癒能力をお持ちのようでありますので……すぐに人身売買組織に高値で取引されるのが惜しいですね〜♪…私の妻元よりコレクションとして迎えたかったのですが……その時は高値で買い取らせていただきますがね〜♪…クックック……)

ファサッ……

「〜〜♪」(ス〜〜ッ……)

はぁ〜〜♡

「〜!?///やぁ……い…いやぁあああ!!!///」(ブンブン!!///)

【Jeil】は【Linea】の亜麻色の髪をたくし上げ、匂いを堪能するかのように盛大に深呼吸した。その様子から、【Jeil】という名の男は【Linea】に対し好意を抱いているようにも感じられた。だがいかにも不純な動機であるから、彼女は真っ向から拒絶して否定する。

「……っ!!……一体何をするんですか!?///…二人共こんな…人として…最低な事をして…!!///まさか、ステラさんもこのような酷い目に遭わせ…!!」

ヒュン!!バチーーン!!!

「あぐっ!!!///」

【Dail】の腕には腰から取り出したストロベリー色の鞭が握られていた。その顔の表情はイチゴのように赤くなっており、プライドを傷つけられたのか、癇癪を起こして【Linea】に対し制裁するかのように重い罰を浴びせる。

「口の聞き方に気をつけるのだ!!……この【現世人】の小娘の分際で…!!……一体ワシを…!!」

何だと思っておるのだ!!!!!

ヒュン!!パンパンパァーーン!!!!

〜数分後〜

「…ハァ…♡…ハァ…♡…ハァ…♡…!!///くっ!!///…いや……!!いやぁああああっっ!!!!///」(ポロポロ!!ガシっ!!)

【Linea】の身体には鞭で叩かれた悲惨な跡が残っていた。【Dail】自身は鞭の扱いに手慣れており、それは家畜の名残りであるのか、【Linea】を人としてではなく、自分の富を築き上げ、鬱憤を晴らす性奴隷として扱う事しか眼中にない様子であった。しかし、感情に身を任せた【Dail】は相場に支障が出る事に気づいたのか、少しばかり落ち着きを取り戻した。

「ふうむ。…少しばかり商品価値を下げてしまったかも知れぬな。……よしジェイルよ。…【Linea】を寝室に連れてゆくがいい…明日もひたすら働いてもらわねばいかん…ステラの分までなぁ〜っ♪」(にちゃ〜〜……)

「……!?…」(やはり…ステラさんも…私と同じ目に遭わされた…!!)

がしっ!!!

「!?い、痛いです!!///は、離してください!!」(ググッ!!)

「ふふふ…【Linea】…では寝室へご案内しましょう…あなたがしっかりと休んで…良い夜を過ごしていただけるように、こちら側がベッドメイキングしておきましたからね〜♪……ふん!!」

シュルルr!!!バチン!!

「んんんっ〜〜〜♡……〜!!///」


・・・

ギュギュ〜〜!!ギシギシ……

「くうっ♡…やぁっ♡……やぁめてください!!///……早くこの縄を解いてくださいっ!!///【Jeil】さん!!」(ジタバタ!!)

【Linea】は【Jeil】によって下着姿のまま、全身を麻縄で緊縛して拘束される。しかしながら彼女からは恍惚な表情などもない為、【Jeil】は内心つまらなそうな顔をして【Linea】の顎を持ち上げてまるで彼女を愛でてあげるように甘い声を耳元で囁く。

「ふふふ…愛しの【Linea】…さぞ…この麻縄が気持ちいいのでしょう?…いい加減素直になったどうですか?…もっとこの麻縄の魅力を…知りたくはありませんか?」

「ふざけないでください!!///…まさかとは思いましたが…その縄でステラさんに乱暴を働いたのですね!?……///まだこの邸を訪れて時間も浅いですが……!!…普段真面目なステラさんが休むとは、おかしいとしか思えません!!……!?」

シュルル!!…!!ギュギュ〜〜♡……グチュ♡!!グチュ♡!!

「んっ!?いやぁ♡…あぁっ♡!!///んうっ♡……くうっ♡///…!!あっあっ!!///…やぁ…めっ♡…///…は…恥ずかしい…ですから……!!もうやぁめっ♡!!いやっ♡///」(ピクンピクン♡)

「ククフフ…♪……どうです?…あなたの純白なレース状のショーツの下着の中に…直に締め上げた麻縄の感触はいかがですか〜?…この秘部を圧迫している瘤…これをですね〜♪…ふん!…」(ガシっ!!)

ギュギュ〜〜♡……グチュ♡!!グチュ♡!!……ギュギュっ!!!グイッ!!グイッ!!

「んんっ♡///あぁん♡…あぁ……///…だ…だめ…///!!ダメェっ♡///…や、やめて…くださ……!!んん〜〜〜♡///ハァ…♡…ハァ…♡…ハァ…♡…っ!!///…グスっ!!///」(ポロポロ……)(いや…!!もう嫌です!!///……この【Paradiso】という世界に初めてきた私が……このような辱めを受けるなんて…///!!…んうっ♡!!あぁ〜〜ん♡///)

【Linea】は麻縄の快楽の洗礼を受ける。裸体には麻縄が絡み付き、卑劣にも下腹部の下という敏感な所に縄が強く縛り上げられ、身体はまるでエビのように跳ね上がり、彼女はすぐさま快楽から逃れようとする為に身体を左右に揺らしていた。しかし拘束は一向に解くことができず、もがけばもがく程、更に麻縄は彼女を手放したくないのか、美しい裸体を強く縛り上げる。その様を見ていた【Jeil】はまるで一つの芸術作品を見ているように、彼女がベッドで拘束され、縛り上げられている様を【P-Watch】のカメラ機能で収め、再び彼女に近づいた。

コツン……コツン………

「!!///」(いや…///もう…来ないでください!!///)

「ククフフ…〜♪」

ズキュ〜ウウウンン!!!!

「〜!?///んんっ♡…あぁ…♡!!…やぁ♡…ンンン♡///」(っ!?///……や……!!やぁ〜〜!!!!///)

「んん〜〜う……〜♪」(ククフフ…)

ガバッ!!!

「あぁっ!!♡……ハァ…!!ハァ…!!…ッ!!」

【Jeil】は拘束されている状態の【Linea】に対し、唇同志での無慈悲な接吻をする。しかしその行動には愛が感じられない。接吻しつつ、彼女の下着の上をいやらしく愛撫し、麻縄を召喚して彼女の秘部を刺激し、その感度の反応を楽しんでいた。その様は《色欲ソムリエ》ともいいたげなのか、彼女を自らの所有欲を満たす為の《性奴隷》としてぞんざいに弄び扱う、《外道》のような立ち振る舞いをも見せていた。そして欲を満たした男は、機嫌よく鼻歌混じりで接近してくる。

「ふふ〜ん♪頂きましたよ〜【Linea】〜♪…あなたの初心のファーストキスの味を……ね♪…どうですか〜?私のファーストキスの味は〜?…ん〜?…さぞ満足したでしょ〜う?…初めてのキスがこの私だったのですから〜ハハハハ!!!」

「ッ!!///…よくも…!!よくもこんな人の気持ちを踏み躙る非人道的で悪趣味な事を……あなたは!!…最低…!!気持ち悪いでッ!!///……あぁ♡!!///…やぁめ♡!!はぁああんんん♡///」

「……その顔…とても反抗的な目をしていますね〜【Linea】♪…こんなに私があなたに対して手解きを教えてさしあげているというのに。……フフフ…まあまあ、あなたの奥底の気持ちをお察ししています。…そう照れ隠しをしないでください♪…本当は嬉しいのでございましょ〜う…ククフフ♪……いいでしょう。…その悔しそうなお顔…とても宜しいですね〜、あなたのデリケートな秘所……ここを麻縄で締め上げている名前とその快楽を…現世では《緊縛師》として活躍したこの【Jeil】が…手取り足取りお教えいたしましょう………このようにねぇ〜!!♪…ふん!!」

ギュギュッ♡グイグイグイ!!ギュギュ〜〜〜〜♡

「〜〜!?///あぁ〜〜ん♡///やあぁっ♡…///!!いやぁっ!!///だぁ…だぁめです!!///お願いしますから!!///もう許してくださぁい…!!!///くっ!!///やぁん♡!!…!!あああ〜〜〜ん!!♡///……ハァ…♡…ハァ…♡…ハァ…♡」(ピクン♡ピクン♡)

「まだ…終わりませんよ〜【Linea】♪…まだまだ甘い夜は続きますから…ふっふふ…どうです?…緊縛の手法の一つ…《股縄》の快楽の味は?……そしてあなたのここは…!?おぉ〜♪…何ともいい引き方をしていますね〜♪…あなたの《魂の蜜》は…それに…味も…とても濃厚ですね〜!!」(ニコニコ!)

ペロペロ!!

「……う…うぅ……///」(い…いやぁ……もう…いやぁぁああっ!!///…本当に…!!最低な…人……です…!!///…白狼……さん…お願い…助けて…!!助けにきて……!!)

ガシっ!!

「あぁぐっ!!///…〜!?///やぁ…!!やぁん♡!!」

「ふふふ…その目…虚ろになってきておりますね〜ふふふ…愛しの【Linea】…まだ寝るのは早いですよ〜♪…【Dail】様にも言ったのでしょう?…《何でもする!》……と」

「!?///……卑怯者……!!あなた達は本当に卑怯も……!!」

パァーーン!!!

「あぁぐっ!!///……、また…む…鞭を!?///」(ビクビク…)

「ほぉ〜ら…どんどん…いきますよ〜【Linea】♪……服従メイドは服従メイドらしく……!!愛の鞭をその身に受けて私達を受け入れ、快楽の渦に沈み、そのまま絶頂へと達するのです!!」

スパァ〜ン!!!パンパンパン!!!パァ〜〜ン!!!!

あぁ〜〜〜〜んん♡!!!!///……もう嫌です!!///やぁめて…!!///…勘弁……してく……だ!!///やぁぁん♡!!!///…あぁぐっ!!///い、いや!!///…!!あぁ〜〜ん♡♡♡!!!!

・・・
・・


「以上…【C島】での活動についての報告を終わります…【Dail】様」

「うむ。ご苦労だったな。……む〜……【Makiras】(マキラス)よ」

「はっ!……何でありましょう?」

「…お前の活躍には十分に期待しておる。……我が身の潔白を証明するその武力……ワシはお前に敬意を表さなければならぬな!」

「お褒めいただき、誠にありがたい!……この仕事を終えたら…いよいよ私は……」

「そうだ!!ワシは【真・ユートピア創造士隊】の上神官としての地位を獲得!!…実質この世界を統べる王の一人となり!!…そして…いよいよお前は晴れて将軍の地位を獲得!!…この【Paradiso】一の剣士として君臨し…お前こそが本物の英雄となるのだ!!……グフフ…その剣が何よりの証拠なのだろう?」

「はっ!!……負傷した…【G・Lrof】様に代わり…我が腕を見込んで拾ってくれたあなた様に対する義理を忘れず!!…騎士として…あなた様をお守りする剣となりましょうぞ……この由緒正しい英雄の者が持つとされる……名刀…【Louvel】に誓い…邪魔立てする者…歯向かう者はこの血塗られし剣の錆となる運命を辿ってもらうまで!!……躊躇なく…惨殺する…皆殺しだ」

ジャキーーン!!!!

【Makiras】が握っていた剣は、かつて【Velkuy】騎士団長が使用していたとされる名刀【Louvel】だった。剣の刀身は血塗られており、その事から今まで何人ものユートピア人を斬り捨ててきたのか予想が出来ない状態であった。その様子に【Dail】は唾を飲み込み、顔には余裕の表情を浮かべていた。

「グフフ……その調子で頼む。…今日は疲れただろう…ゆっくり今日は巨乳が自慢の【現世人】メイド【Linea】と一緒の夜を過ごせるようにベットメイキングを済ませておる……そこでゆっくり休むが良い…」

「【Dail】様……お言葉は嬉しい限りでありますが……私はこれからもう一つ仕事を請け負っているので……では失礼!」

ギィーー……バタン!

「お、おいマキラス!…行ってしまったか…グフフ…まあいい…さぁ〜て…今日も楽しむとするかの〜♡ステラ♡…もうすぐ貴様は人身売買組織に売られて子供を授けてもらわんといかんのだからな〜♡……可哀想に…せめてワシの子供でも孕ってもらおうかの〜♪…グフフフフ。………!!」

グヒャハハハハハハッッ!!!!!

・・・

ザッザッザ……

ピッピッピ!…

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜爆ボンバーマン2より・B.H.B団本部中央司令室〜

【Makiras】(……こちら【Makiras】……【Capo】(キャーポ)に繋いでくれ…)

【???】(ハッ!!)

【Makiras】(……)

【Capo】(…私だ。…マキラス…どうしたのだ?…何かトラブルか?)

【Makiras】(いえ【Capo】。……別に状況は変わらず。……この【Velkana】にいた連中は…今どうしているのか気になりまして…)

【Capo】(……ああ。…【Jeal】(ジィール)は【Kagoya】の町へ既に向かっているそうだ。…その他のメンバーの所在を聞いておくか?)

【Makiras】(いえ。…それなら結構……ですが……どうやら【C島】で…猛威を振るい…大暴れした痕跡があったようだ……おそらくは…奴が…)

【Capo】(……ふふっ。……貴様もその情報を聞いていたのか。……奴が…先日爆発事故に巻き込まれて儚く散った上神官ロギアス(【Logias】)の目を盗み…【D島】の隔離施設から勝手に抜け出し……復活したことを!!……【豹嵐】(ヒョウラン)の異名を持つ……封印されしあの男がな…クックック……)

【Makiras】(…俺と匙を並べても実力は互角……いや…奴はまさしく血に飢えた冷徹者……暴走してしまえば……)

【Capo】(手をつけられなくなるのだよ……彼は。……昔から一度ターゲットを絞った者は容赦なく……必ず仕留める…まさしく【Eraser】(イレイザー)の異名を持つ男なのだからな……)

【Makiras】(【Capo】……俺もその一人である事をお忘れなく…あの武神の異名を持つ【G・Lrof】様から渡されたある騎士ギルドに所属し、英雄の名に相応しいこの血塗られた名刀【Louvel】で…俺は革命を必ず起こす!!…あの方…武神【G・Lrof】様直々に肩を並べられる強さまで上り詰め……全ての…貧弱な下賤かつ貧弱なユートピア人……【現世人】共を全て選別し!!始末する!!)

【Capo】(大きい声で宣言するな。…傍聴されるぞバカが…それに近所迷惑だ。…言動に慎めとあれ程言っただろうが……)

【Makiras】(……コホン。…では夜分遅く失礼しました。…次の報告があり次第連絡します。……我が親愛なる真なるマスターであり…ボス。……【Capo】)

ピッ!!コツン!コツン……

「………」

【Makiras】は元騎士ギルドに所属していた。しかしあまりにも野心が強かった為、弱者と見なした者は処分という形で陰で惨殺し、周りからの非難を浴びた結果、闇の世界で暗殺者の道を歩み、自らが【Varisk】の組織に身を投じた。そしてその腕を見込まれ、【Velkana】の街一番の権力者である【Dail】に引き取られたという経緯がある。彼は長い廊下をひたすら進み、考えに耽っていた。

「………」(まだだ。…まだ力が足りない…殺し足りん…Aランクまで上り詰めても……まだ実力が足りん!!………?)

「…ククフフフ♪…ククハハハ!!!…いやぁ〜我が愛しの【Linea】!!♪…あぁ〜……美しい…!!何て美しい姿なのでしょうか〜!?♪」

「……っ……」(……だ……ダメ……縄で締め上げられて……もう……い……意識が…だ……誰…か……お兄ちゃん……お姉ちゃ……ん……フネさ……ん……あかり…ちゃ………ん…ごめん…な……さい………っ………)

「…………」

コンコン!!

「ん?……はぁ〜…全く。…こんな夜に一体誰でしょうか?…せっかく気分が清々しい所でしたのに……」

ガチャン!!……!?

ドゴッ!!

「ぐあっ!!………っ……」

バタリ!!

「寝てろ……雑魚が……」(今のうちに休め。…命ある限りな。……今から朝まで寝ているだろう。……【Jeil】…見た目以上にタフな現世人の男だからな……【Varisk】に忠誠を誓ったというが……貴様のような雑魚を…俺がいつまでも生かしておくと思うか?…貴様の存在そのものが…武神【G・Lrof】様が基盤を立ててくださった【Varisk】に……そして我々【Varisk】総司令官【Capo】に対し泥を塗っているのだ。……この問題を解決したら真っ先に貴様を処分してやる……絶対に生かさん…覚悟しておけ!!)

ギィー………

【Makiras】は得意の暗殺術で【Jeil】を気絶させた。そして室内に入ると下着を麻縄で絡ませ、肌を露出した状態で宙吊りにされ、麻縄をまるで巨人の手のようなオブジェに見せ、現世でいうあやとりのように見立てられていた。その光景を見た【Makiras】は意外な行動に出た。

……チャキ……

ブン!!!

ブシュッ!!!……ジャー……キン!! パラパラ……

ヒュ〜ン……ダキッ!!

「………っ!!…う……ぅぅ……」(ビクビク……)

「………」

バタン!!

コツンコツン………

「…………」(何故だ…本能的に、この服従メイドを助けてしまった。……まだこの俺にも…微かに…騎士としての誇りと名残が残っているというのか……!!……いや違う……所詮この【現世人】の女は……売り物なのだ。………あの下賤な男によって価値を下げられては我々【Varisk】の組織が困るだけだ……悪趣味で奇怪な男であるのは分かりきっていたが……ここまでだとはな。……縄で締め上げられ……鞭を振られ浴び過ぎたのか…気絶しても身体が震えきっているようだ。……全く世話を焼かす服従メイドのようだ………)

コツンコツン………

【Makiras】は【Linea】を抱えながら、彼女の自室まで寝かしつける為に長い廊下を歩いて行く。月明かりに照らされていた【Linea】は、何処か幼げな容姿にも見えるが、女神のような風貌を持ち合わせおり、腰に巻いていた名刀【Louvel】は不思議と微かな光を照らしている。その光が一体何を意味するのか、それは元の持ち主であった【Velkuy】騎士団長にしか分からない。そして名刀【Louvel】を所持していた【Makiras】自身にはその数日後、因縁の戦いの火蓋が切って落とされる事をまだ彼自身知る由もなかったーーー 

・・・
・・










B. いいえ


《Capitolo・3》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》




〜【Paradiso】歴2000年6/17日・昼型【D島】始まりの街・【ユートピア創造士隊 A支部・エントランスホールエリア】〜

♪〜TODより・Surprise Attack!

「ウォラあああ!!!!」

「死にさらせ〜!!!」

「………」

ドカァッ!!べキッ!!

「グハァッ!!」「お、おのれ〜!!」「……だ…だが……」

クルクルクル……チャキッ!!

クイクイ!!

「!?」「!?」

「後ずさるな。…ここでお前達を…!!…殺された俺の仲間の分まで確実に判決を下し……全て刈り取る!!……容赦はしないゾォ〜ッ!!!!」

ゴゴゴゴゴゴ………

「!?…こ…コイツは…」(ゾクッ!!)

「噂に聞いていたが…コイツが…【Veno・nix】……【黒豹】の異名を持つ奴だ!!」

【Veno・nix】は建物の中に侵入し、【真・ユートピア創造士隊】の者達と敵対していた。その顔の表情には、仲間の一人である【Eimi】を昇華させた黒幕を探っていた様子である。

「…妙なあだ名を………!!」

付けてるんじゃないゾォッ!!!

べキィッ!! ドカァッ!!

「ガハッ!!」「ゲハァッ!!!」「クソガァ!!………」

バタリッ!!

「………」

タッタッタ……!!

・・・

〜1Fエリア〜

「…!?…こ、こいつは一体!?」

【Veno・nix】が見た光景は、フロア一面が大きな落雷があったのか、その大半が焼け焦げていた状態であった。すると、何処からか笑みを交えて笑い出す男の声が聞こえてきた様子である。

……フックックック……まだネズミがいたとはね…

「!?……誰だ?」

コツンコツン………

「……ほぉ〜…その顔……そうか、貴様が【Veno・nix】で間違いないようだ…」

「……その服装からすると……貴様は【真・ユートピア創造士隊】の……幹部クラスの一人だな?」

その男は笑みを浮かべ、身分を名乗った。

「クックック…ご名答だ。…私は【真・ユートピア創造士隊・最神官】…この支部長の【Logias】(ロギアス)……貴様の仲間の……愚かなる罪人…【Nelson】をこの場で殲滅し…自然に還ったのだよ…クックック……」

「!?……ネルソンを……殺した…だと…?」(本当…なの…か?)」

「ふっクックック……さぞ……悲痛の叫びを出してくれたよ……彼は……」

「!?……貴様ぁ!!」(ジャキッッ!!!)

ブン!!

「愚かなる者よ…無に還るがいい!!」

ビリビリビリ!!!

「!?……ぐうっ!?」(床に……高圧電流のトラップ……だと……!?)

べキッ!!…ぐりぐり……

「グッ!!……っ!!」

「ふふふ……つくづく哀れな者だ。…我に楯突かなければ……暫くこの【Paradiso】で過ごせたやもしれないのに……如何かな?…私の靴の味は?」

「……こんな糞みたいな事をされて……味わってる場合では……ない。……それに、節穴だったのは……貴様のようだったな……」

じゃん!!

「……!?」

バキャァーーン!!!!!!

「ぐぉはぁっ!!!!」

ズザァ〜〜!!!!

【Logias】は大きな鉄の塊によって透明な壁を破壊され、無様にも床を摩擦した。その塊から姿を現したのは、【Veno・nix】の長きにわたる戦友【Nelson】であった。胸元には自慢の赤のスカーフが棚引いており、笑顔が溢れていた。その様子に安心を覚えたのか、【Veno・nix】はフランクな声掛けをする。

「………やっぱ生きてたか…おっさん」

「おっさんは余計じゃん♪…エイミチャンのようにネルソンおじ様〜♡と呼んで欲しいじゃん♪」

「やめろ気色悪い」(真顔)

「(・ー・)」(ショボ〜ン!)(つれないじゃん…)

ガラガラ……ガシャーーン!!!!

「!?」

「!?」

「……ふっふっ……フクククク……クズ共が…どこまで私に盾をつけば気が済むのかな……?」(ツーッ!!)

「ケラケラ!!こりゃあ傑作じゃん♪…鼻血出してやんの〜!!」

「……当たりどころが悪かったのか?…それともその鼻っ柱は伊達なのか?」

「……そろそろ黙るといい。…今度こそお前達は無に還するのだ……」

ヒュ〜〜〜イイン………

「!?……またアレをしてくるじゃん!?まずいじゃん!!さっきは鉄屑があったからなんとか防げたじゃんが……」

「……電気が…周囲に集まって……!?」

「これでお前達は文字通り…La…fin(※フランス語で終わり)……もう二度と会うことはないだろう……ふふふ…ふふ」

ヒィーーン……

「……おいネルソン……何か方法はないのか!?」

「仕方ないじゃん…アレを使うしかないじゃん!!……使うのはいつ?…それは今じゃん!!」

ポチッとな!!!

ダーーン!!!

「…っ!?……ね、ネルソン!?」

【Nelson】はそういうと壁に仕掛けていた弾薬を使用する。しかし壁は開かず、そのままの状態であった。

「あら〜……無傷じゃん………」

「フククククク…愚かなり。…このフロアの壁はどんな事をしても壊れることは決してないのだよ…さらばだ……」

無に還え………!!

ザシュッ!!!!

「!?」

「!?………」

ブバァ〜〜〜!!!!

ボトボト……

バターーン……

「………」

チャキッ!!

「な…何だって……じゃん!?」

「……貴様は……!?」

「…………」

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜大逆転裁判より〜バロック・バージンクス

【Logias】は目の前にいる二人を感電死させようとありったけの電気を放出しようとした。しかしその目論見を誰かによって静止させられ、首を跳ね飛ばされる。その突然の光景に相手の二人は、今まで感じたことがない程の戦慄を覚えた。一体何が起こったのかと言わんばかりにその者は姿を現す。その男は髪の長い白髪で三つに分けられており、顔には赤い刺青が塗られ、現世でいう歌舞伎役者のような風貌を持ち合わせていた。その顔の特徴に二人は何処かの世界で覚えがあったのか、その名前を問いかける。

「……赤豹の…!!……【Blo】(ブロ)!?」

「なぜお前さんが……ここにいるじゃん!?……あの時……秋の悪夢裁判で確かにこの俺っちが…エディスおばさんを嵌めた罪を立証して…………俺っちと共に道連れになったはずじゃん!!」

「………」

ジャキン!!……ブン!!

「!?……ネルソン避けろ!!」

「ちっ!…じゃん!!」

ゴロゴロ……

バキャーーン!!!!

ギギギギ………ガシャーーン!!!

「!?……ぐっ!!」

「おいおい……夢の中の世界の時とは比べ物にならないくらいに……レベルアップしてる……じゃん……」(冷や汗…)

ザッザッザ……

ジャキン……

「!?」

「!!」

相手は、大剣を軽々と持ち上げ、二人に向ける。【Veno・nix】と【Nelson】の二人は目の前にいる男を睨みつける。

「…ブロ(【Blo】)……き、貴様……何故貴様がこの世界にいるんだ!?」

「訳を話すじゃん!!それに、そんな大掛かりな大剣を……一体どこで拾ってきたじゃん!!」

ジャキン……

「?……【Blo】…だと?…貴様ら…一体何の話をしている?」

「!?……この反応……こいつ…本当に知らないようだ……」

「……つまり、【Blo】のドッペルゲンガーって奴じゃんかよ!?……まさか、瓜二つのようにそっくりな奴が……!?」

ザジュッ!!!

「!?………グァアア!!!!あ……がぁ〜!!!」

「ネルソン!?……貴さっ!!」

ジャキン!!

「!?」(早い…予知が…働かない…だと…!?)

「次は…お前だ。……あの時…行く道を阻んで来たあの武道術を使った女の姿をした男のように……排除する」

「!?」

相手の発言を聞き、誰が【Eimi】を殺害したのかを知った。それは目の前にいる男であるという事を自覚した。その発言に怒りを覚えた【Veno・nix】は相手と敵対する姿勢を見せる。

「……そうか……!!…貴様がエイミをっ!!……許さんゾォ〜〜!!!」

「……!!」

ガシッ!!

べキィッ!!!

「がぁっ!!…!?……ネルソ……!!」

パシッ!!

「…持っていくじゃん♪」(ケラケラ!!)

【Nelson】が【Veno・nix】に渡したのは、自分の【P-Watch】であった。それが一体何を意味するのかをその目で理解した。

キラキラ……


【Nelson】ランクB
【】
ーーー
ソウルロスが起こりました。これより昇華が起こります………

キラキラキラキラ………

「!?……お、おいネル……ソン…お……お前…」

「俺に構うなじゃん!!……もう昇華は…アイツと戦っていた時から、その兆候が見えていたんじゃん!!…もう悔いはないじゃんよ……だがね〜そこの【Blo】の偽物さぁ〜ん!!甘いねぇ〜っ!甘い甘いっ!!」

「ネルソン!!」

【Veno・nix】は【Nelson】に問いかける。しかしその顔の表情には一点の曇りもなく笑顔であった。その表情の中には最後まで【Veno・nix】を必ず逃し、最後まで生きていてほしいという人情の気持ちが込められていた。そしてこう元気に述べた。


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜吉田拓郎より・気持ちだよ

「真面目に考えすぎず……一生懸命、ずっと笑顔で頑張るじゃんよ〜♪ヴェノちゃん!…確かに俺っちの気持ち……伝えたじゃん♪……どっせい!!」

ドン!!……バキィーーン!!

「っ!?」

【Veno・nix】は【Nelson】の強引なタックルで突き飛ばされる。【Nelson】はそれを見計らい、磁力の力を使ってフロアを移動させ、玄関フロアへと誘導させる。しかし別れの言葉を聞いたからか、【Veno・nix】は仲間の名前を呼んで叫ぶ。

「ネルソぉぉン!!」(ブワっ!!)

「達者でなぁ〜!!…ヴェノちゃん!!……分かったら………!!」(フリフリ〜!!)

《とっとと行くじゃん!!いつまでもきったねえ〜男のケツ追いかけてないで……早くお前さんの大切な…相棒のたった一人の家族の妹ちゃんのアリアちゃんとやらを、迎えに行くじゃんよぉ〜!!》

「!!……くっ!!」

ダダダダダ……

ヒィーーン!!

「!?……ネルソンの…記憶…か…!!」

【Veno・nix】に追憶の記憶が頭に流れ込んできた。そこには少年の姿があった。

・・・
・・


〜【Nelson】が現世で過ごしていた少年時代〜

グイ〜ッ………!!グググッ!!

『おおぉ〜っ!!こいつは大物じゃ〜〜ん!!』

ボチャボチャ……!!

グイグイィィィ〜〜〜!!

『!?うぉわぁ〜〜っ!!』

ヒュ〜〜ン……

バシャーーン!!!

・・・
・・


『ん〜?ここどこじゃん?』
 
『呼びました〜?』

『うぉおっ!!…全身真っ白おばけの女の子じゃん!!……こいつは…ゲームでいう棺桶じゃん!?…はは〜ん!…なぁなぁ!!もしかしてここって天国じゃん!?』

『………〜♪…はぁ〜い♪…私導き人のオロア〜♪…よろしく〜♪あなたのように人の話を全く聞かない馬鹿そうな少年を〜♪これから、ユートピアの世界に招待しに来ましたよぉ〜〜♪』

『……あぁ〜ん?』

・・・

『あんら〜可愛い子ね〜♡……チュ〜♡』

『おお〜っ!!すっげえ仕上がった逞しき身体じゃぁ〜ん!!…俺…このまま抱かれてもぉ〜いいじゃ……///』

『【Attività】(アッテェヴィーター)(※イタリア語で活動)〜〜っ!!…キィーークっ!!』

バキャッ!!

『あぁ〜〜んん♡!!///』(ビリビリ!!)

ガバッ!!

ヒュ〜〜ん…バタン!!

『あでで……じゃん…?』

『あぁ〜〜ん♡だめなのよ〜!!私達は女に引っ叩かれたり触られたりしたら拒絶反応がぁ〜っ!!』

『あ〜っ長様がぁ〜〜!!』

『私達の麗しき長様がぁ〜〜!!』

ガシッ!!

『おおっとじゃん!!…?…オロアみたいな色白女…じゃん?』

『そこの僕ぅ〜!?…大丈夫ぅ〜?…もう全くっ!!///男の子があんなおっさんに抱かれて発情してどうするのよ!?///ほら!!行くわよ!!』

ガシッ!!

『うわぁっと!!……アンタ…名前はじゃん?』

『んも〜う!!女の人にアンタって言い方はよしなさい!本当に親の教育がなってないのね〜!!…でも特別にお姉さんが教えてあ・げ・る☆…《天音》っていうのよ!…あなたは?』

『……天音か!!…俺っちは!!………ーーーーっ!!』

・・・
・・


〜【Paradiso】での【Nelson】〜

『よ〜し!!今日も戦果取りに行くじゃんよぉ〜!!』

『万年Cクラスのお前が戦果とはいつになることやら……』

『うっせぇ〜じぁ〜ん!!その内、必ずこの便利屋ギルド【Hopera】がてっぺんを取るじゃんよぉ〜!!』

『出来たら苦労はしないっつ〜の!…そういえば(エージェント)【Agente】って知ってるか?』

『?…いんや〜初めて聞くじゃん♪…一体何処のギルドじゃん?』

『【R・P】社で最近創設されたギルドらしいぞ。…なんか、【Lu-cis・H】と【Bellna】っていう10代と若いユートピア人と【現世人】の男女コンビが、最近【Kagoya】で起こった《水難事故》の復興を手伝ったとかで、一気に知名度を挙げたらしくてなぁ〜っ!……ん〜と?…!!…ああ〜これだ!』

ピラッ!

『どれどれ〜?…!?おおっ!!…整形してるけど…こいつは間違いなく、天音じゃん!!』

『?……ネルソン?…知ってるのか?』

『ああ!…同期の戦友じゃん♪…そうか〜♪…よぉ〜し!!』

・・・

『【Oya】(オヤ)!!…俺を整形してくんねえかじゃん!?』

『?…急にどうした?』

『いつまでも俺っちが、こんなガキの姿のままじゃあ貫禄ないじゃんよ!!…やっぱ男なら髭も生やして、身長もこの逸物もビッグになりたいって訳じゃん♪……どうよ!?』

『……ランクA外での整形手術は昇華する危険が高いんだ。……それでもいいのか?』

『そんなの迷信じゃんよ♪…いけるいけるじゃん!ランクなんか関係ないじゃん!!やるか、それともやるかじゃん♪ほらほ〜ら♪お前さんは有名漫画家の《黒男》みたいな《モグリ》の闇医者でも、自称《天才外科医》なんだろ〜!?…それともその腕は鈍ハンドじゃんか!?』

『…ブラックジャックだ。………全く…どうなっても知らんぞ…』

カチャカチャ…

・・・

〜ある戦争〜

ダーーン!!!

『!?…あ、あなたは!?』

『お久じゃぁ〜ん天音〜!…今はベルナでいいんじゃんけ?』

『え、…ええそうよ。…でも僕ぅ〜?知らない内にどうしてこんなに大きくなった訳〜?』

『カカカカ!!整形手術したんじゃん!!ほらほらこの通り〜!』

『アハハ!!…ふぅ〜ん♪…でも私だって整形して…あなたが私の虜になるくらい綺麗になったでしょう〜?♪』

『ほぉ〜う!じゃあ今度俺っちと美貌を駆けて勝負じゃんけぇ〜?』

『一緒にしないで!!それに嫌よ、気持ち悪いっ!!///』

『(・ー・)』(ガーン!!……しょぼ〜ん)

つれないじゃん!!

・・・

〜夢の中の世界〜

『…ネルソンや。…アンタに言っておく事があるさねや〜!』

『……?どうしたじゃん?…エディスおばさん?』

『あの子に言伝としてね。…もし現実に帰るんだったら……コイツをアイツに作って渡してやりなさね。…きっと力になってくれるさねや…』

ピラッ!!

『ん〜?………!?…へぇ〜!!…了解じゃん!!ケケケケッ!!こいつぁ〜ヴェノちゃんにピッタリな奴じゃんよ〜!!』

『…ああ。…だからさね。…アンタは、アイツのそばにいてやりな。…なんだかんだ、笑顔を曝け出せない不器用な奴さね。…ヴェノはさね……』

〜〜♪

『おお〜!!ヴァイオリンじゃ〜ん♪!!…俺っちも付き合うじゃんよ〜♪』

〜〜♪

『…ネルソン。…アンタも弾けるようになって来たさね〜』

『あったぼうじゃん!こう見えてクラシック聴いたりしてる立派な好青年じゃん♪』

『…そうかい。……あぁ〜確かにそうだったさねや〜!……〜〜♪』

『おいおいエディスおばさん!…聞いててそりゃあないじゃん!』

『やれやれ…全く。……演奏中は話しかけてほしくはないさね〜…本当に変わらないさね〜…〜♪』

『ナカッカッカカカ!!……でもさ。………エディスおばさん……あんがとじゃん♪』

『?……突然何さね?』

『俺っちさ〜…現世で11歳の時に魚釣りをしてる時に、池に溺れてそのまま死亡して、それ知った教育熱心おかんもおとんもすっげえ〜怒っててさ。……なんか俺っち、気持ち的にもさ…【Paradiso】に来て誰にも相手されなくて…辛くて夜も眠れなかった日もあったじゃん。…ずっと一人ぼっちで、傭兵として戦場に赴くようになって…そこがずっと俺っちの遊び場兼生きている意味の居場所だったじゃん…………でも、こうしてアンタに会えて色々体験した事とか、相談に乗ってくれて…励ましてくれてさ、何だか少しだけ心が支えられたっていうかさ……!!あぁ〜とにかく、アンタが俺の……!!』

『現世にいる母親代わりと。……そう言いたいのさねや?……馬鹿な事言うもんじゃあないさねよぉ〜全く。…私だってね…【女皇帝】として生きてきても……伊達に女を何年もやってる訳じゃあないのさね…』

『ケケケケ!!…当たり前の反応じゃん!!』

『全くアンタは相変わらずで空気読めないようさねぇ〜…………でも悪くないさねぇ〜……私に家族は、あの子くらいしかいなかったのにさね…』

『牛乳配達員のヘレンちゃんじゃん?』

『ああさね。…早く無事にあの子を解放してやらんとね……私の存在を賭けてでもさね…』

『おいおい!エディスおばさん冗談は……』

『これは冗談でも何でもないのさね。…私は……本気です。……そこを…吐き違いでくれませんか?…ネルソン?』

『!!…ひゅ〜っ♪…出た出た〜♪…アンタの本性!!…よっ♪…流石【女皇帝】じゃんよ!』

『………やれやれさね。……もう昔の話さね。……さあそろそろ寝るさね。……明日の法廷は…絶対に負けられないさね!』

『じゃん!!…エディスおばさんも夜更かしは避けるじゃんよ〜!…シワが増えるじゃんよ!』

『既にシワがあるからいくら増えても同じさね。…馬鹿言ってないで早く寝なさいな』

『おう!んじゃま、おやすみじゃん!』

ザッザッザ……

『……すまないさね。…ネルソン……ヘレン…明日の法廷は……誰かを犠牲にしないと……勝てる見込みはなさそうにないのさね……』

・・・
・・


〜現実世界〜

『………』

『一向に目が覚めませんね……ヴェノおじ様…』

『どうやらこの顔は……まだ《悪夢裁判》に終わりが見えていないようじゃん。…このモニターでも観測ができないとは予想外じゃん!……ローちゃん……!!ヴェノちゃんを頼んだじゃんよ!!』

ガシッ!!

『!!……ネルソンさん……!!』

ガチャン!!

『!!エイミチャン!?……どうしたんじゃん!?』

『お花を拾ってきます!!幸せの黄色い花を……ヴェノおじ様と…ネルソンさん…笑っているように見せかけて……本当は辛い気持ちを我慢してるあなたに届ける為に……夕方には戻りますので……では、行ってきます!!』

バタン!!

『……優しい子じゃん♪……ヴェノちゃん。…エイミチャンの事……大切にしてやるじゃん♪』

『………っ……』


・・・
・・



〜ある鍛冶屋〜

『?…作って欲しいものがある?』

『そうじゃん!ドワーフ【Danx】(ダンクス)!!…何とかならないじゃん!?』

『うぅ〜んむ〜……しかし、今は先に特注をかけている片手剣…まあサーベルに魅せた武器があってだな……』

『これじゃん!!…武器職人のアンタなら分かるじゃんよっ!!この両双剣に託した情熱とロマンって奴を!』

『だから……?……っ!…ほほぉ〜!……興味深い……』

ペラペラ……

『………どうじゃん?』

『……分かった、引き受けよう。…まず先にコイツから仕立ててやろう…』

『!!…いいのかじゃん!?』

『ああ、久しぶりに腕のなる一品になりそうだ!!……少しこのサーベルの事で迷走してしまっていてな〜!…息抜きがてら仕立ててやろう!…まあ一週間もすれば出来るはずだ…』

『ありがたじゃん!!…じゃあ一週間後にまた来るじゃん!!……さらばじゃん♪』

ピュ〜〜ン♪

『…全く騒がしい奴だ…しかし、両双剣か…また変わった武器を選んだものだ。…まあ今となってはワシの最高傑作品……【Pietra stella santa】(聖星石)を使用して作った………現世のイタリア語?という名で《審判》を意味する銃剣【Arbitro】を作って欲しいと言ったあの娘に比べれば、これくらいは容易いだろう。…名前は…【Fend】……孤独から自立へ向けた言葉という意味か?……そしてもう一つの名が……【Grill】?……焼き物か?…いや…その先にある意味的に厳しく尋問し、真実を追及する意味と捉えた方がよそさそうだな………分かった。…こう名付けてやろう…』

《両双剣【Fen・Grill】(フェン・グリル)!!》

・・・
・・


〜時は戻る〜

ドォーーン!!!!! ドォーーン!!!!!

「………っ!!」(ポロポロ!!)

「くっ!!爆発が止まない!!…それに火も思った以上に強いようだ…!!……むっ!?」(誰だ、あの男は?…あの【真・ユートピア創造士隊】の管理する隔離施設に…一体何が起こって…!?……!!)

ワーッ!! ワーッ!! ワーッ!!

ある諜報ギルドに所属する男が、爆破された【創造派】の管理する施設での大惨事に巻き込まれ、避難の為に建物内から外に出てきた。一同のユートピア人はパニックになっており、男に対し、助けを求めた。

タッタッタ!!

「お、お願いします!!」「助けてください!!」「私達はみんな…!!【真・ユートピア創造士隊】によって楽園だとそそのかれて…ずっと操られていたんです!!」「どうか助けてください!!」

「!?…うむっ!分かった!!俺は【R・P】社【Agente】所属【Rolan】という者だ!!…君達の安全を保証しよう!!」(め…メイド///…ロマンだ…///)

・・・

〜その数分後〜

バチバチバチバチっ!!

「街の…あのデカイ建物が焼けてる…!…一体何が…起こったんだ?」

「…どうなってるんだよ…まさかあいつらが!?」

「…わからない!この街に一体何が…!とにかく悩んでも仕方ない…行こう!」

タッタッタ!!

「ベア!!…無事だったか!?」

「!!ロラン!一体この街で何があったの!」

「…真・ユートピア創造士隊ではない奴らが急に現れてこの街にあるユートピア人を収容している施設を襲撃して焼き払った。外から出てきたこの町の住人は安全に他のF街に連れて行けるように派遣したヘリを使って避難させた。この事件の首謀者は他のギルドのやつも行方を追っている所だ。ん?その二人は?」

「C島で会ったの!二人はどうやら私達と同じ特殊能力者でね。力になると思って連れてきたの。紹介するわ!【Hux・row】くんと【Bill】くん!」

「ど…どうも」(ぺこり)「は、初めまして」(ぺこり)

・・・
・・


シャーー………!!

「……ベア。…後は頼んだゾォッ!!……俺は……!!……俺はぁっ!!………っ!!…………エディス!…エイミ!……ネルソン!……お前達三人から託された…温かい気持ちを…決して無駄にしない。…俺が眠っていた間に…お前達が俺にしてきた事を……そして、これからの道を広げてくれていた事を…その努力を繋げて……………最後まで俺は…生き残ってやる!!」

シャーー………!!

【Veno・nix】はひたすらトンネル内の道を進んでいく。【Nelson】の【P-Watch】の中には【Eimi】が花畑で拾った黄色の花、そして何故か二人の写真と、そして【Edith】が【Veno・nix】に託すように言われた特殊な鉱石である【黒豹石】(Pierre de panthère noire)から作られた武器───────両双剣【Fen・Grill】(フェン・グリル)が中に入っていた。それらは、今まで出会った者達が、【Veno・nix】が壮絶な孤独に対し、支えないといけないという優しさの気持ちを伝えるメッセージでもあるように感じていた。彼の背中には、別れ際に去っていった者達の背中を振り向かず、ただひたすらにもう一つ入っていた【Paradiso】独特の自転車型の乗り物【V・Prestina】に乗り、道を疾走していく。そしてここから、【Paradiso】の世界の命運を賭けた運命の歯車が刻一刻と刻もうとしていた───────

・・・
・・




B. いいえ


《Capitolo・4》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜PSYCHO-PASSより・命の在り方

【Paradiso】歴:2000年6/18・昼方【B島】【Bestia】(ベスティア)サバイバルギルド【Survivor】駐屯地司令所内・グラウンド・朝方

ピッピッピピ〜ッ♪!!

「アリアさぁ〜ん!!遅れてますわよ〜!」

「アリア!…もう一周行ってきなさいな!!」

「は、はぁ〜いルビア司令〜!!…ルクナ副リーダー!!…はぁ…はぁ…」(ゼェ…ゼェ……)

タッタッタ……

「……はぁ…はぁ…」(ここに来てずっと走ってばっかりなんだけど……全くこれじゃあ……霧矢さんを探しにもいけないじゃあないのよぉ〜〜っ!!……でも、この【Bestia】の…歴史…何だか興味深いわね……でも何でだろうな〜?)

【B島】に着いた【Aria】は、そのまま【Surviver】ギルドの演習に参加していた。そしてこの島に来て分かった事がある。この島では、各島にいる貧困で困っているユートピア人と現世人を保護し、こうして武力を身に付け、自分一人で生き残る術を叩き込んでいく事に打ってつけの訓練場でもあるということに。そして、この【Bestia】にある誰もが模範とし、憧れとする銅像には、カエルのヘッドギアを装着した屈強な肉体をした男と、それに対し、対となった位置には、野生児の名残があるからか、八重歯が特徴のコートを羽織った男の銅像が拳を突き上げているものまで展示されている。【Wilvia】と【Lucna・B】は、【Survivor】のリーダと副リーダーといった立場にあり、特に【Wilvia】は周りからの信頼も厚く、司令と呼ばれている【現世人】であり、現世では福井県出身の女性であり、22歳の時に高速道路で運転中に、トラックの横転事故に巻き込まれて死亡した。キャリアは今から約11年も前である1989年に、この【Paradiso】の世界へ入界した事を彼女【Aria】に伝えるーーー

「……ですが、なかなか見所のあるお方ですわね」

「そうだねぇ〜!なんだかんだここでの訓練についていけてるようだしね〜!……でもルビアもここにスカウトで来て……もう何年目だっけ?」

「ええ、もう今から5年前になりますわね!……その時には確か一ヶ月だけですわ。新人に、ロランとリシアという方々を教育した時期がありましたわね〜♪」

「へぇ〜!…その頃から【Agente】で見どころがあったのね〜アンタは!」

「よしてくださいな。…でもそれでもね…あの子…ネラとベアには……どうしても勝てなかったですわね〜…」

「?…どうしてさ?…キャリアはアンタの方が上なんでしょ〜?」

【Lucna・B】は【Wilvia】にそう伝える。しかし、その問いに首を横に振り続けた。

「あの子達には何だか……私と比べられても重みが違うのでしてよ。……命の……重みが……」

「…!?…そっか。…思えばアンタがここに来た時期って…結構苦労した時期に尋ねたんだっけ?」

「………っ!!」

【Wilvia】が過ごしていた1989年頃は、翌年に起こる戦争直前でもあったからか、力をつけていたユートピア創造士隊の追跡から逃がれながら、飯も満足にありつけない貧しい生活を彼女は強いられていた。それでも彼女はなんとか諦めず、一人で生きようとした。そんな時に偶然【D島】にある【R・P社】ギルドの【Lu-cis・H】に声をかけられ、スカウトとして諜報ギルド【Agente】に加入する。その時に彼の妻であり、パートナーの【Bellna】と、その間に出来た一人娘の【Roar】と顔見知りになる。しかしその翌年の1990年雪の降る日に、【E島】の【Velkana】(ベルカナ)の街外れの古びた教会の地にて【Bellna】昇華スーーーと電報による訃報を知らされる。その後【Agente】に保護され、訪ねてきた【Campanella】と【Beanne】といった同い年の二人と知り合う。二人の内【Campanella】から、【Bellna】とは実の妹である真実を、【Beanne】からは、人身売買組織に拉致され、暴行の類を受けてもう希望はなかったと諦めていた時に彼女に手を差し伸べられ、たったの二週間の期間の中、面倒と保護をしてもらった事を聞かされる。その時から、彼女達の抱えていた心労も多く、お互いに励ます日々があった。しかし、【Campanella】は姉譲りだったのか、とても前向きで意志が強かった。得意の【Fiducia】のナビ能力で、周りをサポートし、着実に成果を出していき、Aランクに到達する頃に【Campanella】は整形手術を受け、【Wilvia】と同年代の22歳の姿に整形する。【Beanne】自身は、引っ込み思案があり、どうしても前に進めず落ちこぼれのような存在として、そして【Bellna】がいなくなった事を良く思わない者達もいた為、因縁をつけられたりもされた。そんな彼女を、【Wilvia】と【Campanella】そして室長に任命されていた【Lu-cis・H】と一人娘の【Roar】は彼女を庇った。時に受け入れることが出来ず、衝突をしてしまい、【R・P】社のギルドを出てしまった者もいた。しかしそれでも【Agente】一同は、彼女を温かく迎えた。

「……でも【Agente】……か。……一体ルーシスさんは何を思って創設したのかしらね〜?……ま、そのおかげで、私はこうして元気にギルドで活躍できてるんだけど〜♪……あぁ〜♡…久しぶりに顔を会わせて甘えて貰いたいわぁ〜っ♡///」(ぽっ///)

「………ルーシスリーダー……」(空見上げる〜…)

・・・
・・




🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF15より〜NOCTIS

【Paradiso】歴:2000年6/18・昼方【D島】【Crono・St】【R・P社】室長室

pipipi pipipi……

「…?…っ!………そろそろ起きるか」

「……」

ムクっ!……コツンコツン………

「…ふっ!……ベルナ。…今日ね。…新しい新人が入ったんだよ。【Hux・row】(ハクス・ロー)くんに【Bill】(ビル)くんという、君と同じ【現世人】。…君は会った事はないんだろうけれど、オーラルさんを筆頭とした三姉妹によって案内された《申し子》なんだ。…今思えば…僕がこうしてギルド室長を務められているのは、君のおかげだと。…本当に…君がいなくなった事が…未だに信じられなくて………っ!!」

ポタポタ!!

【Lu-cis・H】は自室にあった、今は亡き愛妻【Bellna】の写真立てを見て近況を報告していた。そして更に深刻な事も話した。

「あと、ベルナ。…この、窮屈なフレームの中で。…その…一部始終を見ていたとも思うんだけど。………君の妹、ネラは本当に君に似ていてお盛んなようだ。髪色は違うけど、本当の実の妹には違いないようだ!…まさか《ソロレート婚約》という交渉を前提に、内緒で付き合ってほしいと……本当にとんでもない事をしてくれたよ……お陰様でね……///」(ガックリ)

【Lu-cis・H】は肩を落とし、少しばかり落胆した様子だ。しかしながらも寂しさを特に感じず、何処か清々しさある表情をしていた。

「………っ」(ベルナ。………僕自身……君に会うまでは……カンパネラやロア達と、こんな温かい生活ができるとは思いもしなかったと思うよ。…でも、それが出来たきっかけは…!!…うん。…【導き人】オーラルに導かれて出会った…ロー兄…エレ姐…そしてその人達と僕を含めた【零六壱八時警団】のメンバー達。…彼等と共に時を駆けて出会った、かけがえの無い人達との出会いがなかったら…恐らく……過去に対峙した《イレイザー》。……彼のような人生とその末路を…間違いなく辿っていたよ……いや。……恐らくは……でも……僕は諦めないよ。…最後まで生を全うする。…暗殺者に…イレイザーによって父と母を失い…《【H.】ハーレクライン家》の血を引く貴族は、僕自身しかいないから。……《最古の貴族》は僕だけじゃあない。癒しを重んじる【F.】フレイシア家のアガルタや、武を重んじる…昔僕が助けて、今はルビアとバディーを組んでいる【B.】ベレンダ家のルクナ……昔からの旧友の中で、最近電報が届いたルーフェスが護衛している法を重んじる【D.】ディオール家……ふっ!…あと、僕達の親友である…フカベくんが所属する…コルボが創設した【狼志組】…局長を務めるセリル…彼女は【現世人】と力を重んじる【R.】ラテリア家のユートピア人の間から生まれ、その血筋を引いていて……無限の可能性を秘めている。……でも、彼女は大事故によってこの【Paradiso】の世界では再起不能の状態によって存在が出来ない……だけどオーラルが仮想空間【水門波紋境界】(すいもんはもんきょうかい)に誘導してくれたお陰で、今もこうして延命が出来て……この【Parasiso】の世界で情報交換が出来ているんだ。…本当に、色々あった。…僕の人生はーーー)

【Lu-cis・H】は空を見上げて昔の記憶に考えに耽っていたーーー

・・・
・・


〜【Lu-cis・H】(ルーシス・ハーレクライン)・過去の記憶〜

〜10歳の記憶〜

『お〜い!ルーシス〜!』『ルーシス〜♪そろそろティータイムにしますわよ〜♪』

『はい!!…父上!母上!』

タッタッタ!!

ゴクゴク……

『どうですか?…ルーシス?』

『!!うんっ!…美味しいっ!…母上!…茶葉を変えたんだね?』

『ええ♪…今日は現世のお茶の葉で…え〜と、ダージリン?という品種の高級品らしいの〜!…ふふっ♪…あなたもどうですか?』

『うむ。…実にいい香りと味だ。…だが、紅茶もいいが…私としては……』

『…!?……ふふっ!!///…もう、本当にあなたは、私達家族の温かみが好きなのですね♪』

『ああ。…こうして家族と共に過ごし、温かい暮らしが出来るのは、周りの支えもあり、命ある者が限られた時間の中で人と人が手を繋ぎ、先代の者達が後世まで時間を繋ぎ止めてくれたからこそ……現に我々貴族の暮らしがあるのだと。……今改めて気付かされたよ。……ルーシス…そして、我が愛する妻……お前達と共に過ごせる時間はとても有意義である……ルーシス』

『?…父上?』

『……これだけは覚えておいてほしい。……私達は貴族という身分だからなのか……貧民として育ち、我々と比べると地位や権力もなく生きる者達は、我々を敵視する者が多いのは事実だ。…それは我々貴族として宿命でもあるのだ。……だが、決してその者達を咎めるような事、見下すような事を決してしてはならない!……その者達には、どんな立場においても、我々と同じ人間……ユートピア人であり、人なのだと。その者達が命ある時間を大切にし、我々に対して残し、築き上げて来たモノ…それらを大切にしないといけないのだ。……そして最近になり【導き人】が現世?という世界から招いた…ある者からすれば屍人とも言われる使いの者……【現世人】の者達にも、親切に接してあげなさい。…貴族という身分を抜きにして、権力や力でねじ伏せる事なく……温かく迎えてあげる人に将来なりなさい……』

『!!……はい!…父上!』

『ふふっ♪…もうあなたったら、普段よりも熱いですわね〜♪……じゃあ私も便乗して……ルーシス。…私からも伝えておきますわね〜♪…あなたは、将来誰よりも寛大で、慈悲深い優しさを持った…人格者になりなさい。…誇大するような様を見せず、批判する事もなく、本能的に誰かが助けを求めていたのなら、自分がそうしたかったのだと、あるがままに温かくその人に手を差し伸べられる、素敵なジェントルマンになってくださいね♪…母との約束ですよ♪』

『はい、母上!!…!?あぁっ!話が長いから紅茶…冷めちゃったね!』

『あ。…』

『あらあら、ウフフ♡…新しい物を入れてきますわね♪』

タッタッタ……

『……行ったか。…では、ルーシスよ。……お前にもう一つ言っておきたかった事があったのだよ』

『?…父上?』

『ルーシスよ……お前は男だ。時期が来れば、いつかパートナーとなり、人生を共に過ごすレディーと出会い……将来お前の子供が生まれ、私達のような家族が出来……家庭を築き上げていくだろう。…だがらこそだ。……!!浮気や不貞な事だけは絶対にするな!…これは父であると同時に男同士の約束だ!!…いいな!?…くれぐれも不純な事は絶対に避けるのだ!!特に《孕り結婚》だけは避けなくてはならん!!///』

『〜!?///え、ええ〜っ!!??///』(ち、父上!?///と、突然何をっ!?)

『いいか!?これは忠告だからな!!……これは自分の口から言う事ではないのは承知の上。……だがお前は、私に似て将来必ずやハンサムな顔立ちとなる!!…だから、それ=レディーが寄ってきては、現世でいう《貴族出身な私が、私だけのハーレム関係を築き上げたった〜♪》という戯けた不貞な貴族の名として【H.】(ハーレクライン家)が後世にまで、残るやも知れないのだ!!///それだけはッッ!!…父さんそれだけは《マジ》で許さんからなぁ〜〜〜!!///』

『っ…///!?…ちょっ!?ちょっと父さん、落ち着いて!!口調が変わってるよ〜!!……あ。…』(僕、自然と父上でなく父さんと言っちゃった…)

『〜!!…で、あるからしてだな!!ルーシスや!!……あ。…』

コツン…コツン♪……

『〜〜♪……ふふっ♪こんな浮気性のうわ〜きしょ〜い!!……ゴホン///……女難体質の父の言葉だけをあてにせず、時に父を見下して《反面教師》として育つ事も大事なのだと…そう周りくどく熱弁して伝えたいんですわよね〜〜!?あ・な・た!?』

ニコニコゴゴゴゴゴ………

『お、お前。…もう帰ってきてたのか?』

『ウフ…ウフフフフ♡………あぁ〜♡懐かしいですね〜♡…あの時、私を生涯愛するだとか言ったその一時間後に、ゲリラの銃撃に巻き込まれただとか言って…早速別の異性の人と知り合って、公衆の面前で抱きしめて倒れ込んでは……そのレディーの豊満でデリケートなバストやヒップを大胆かついやらしく堪能して触りましたものねぇ〜♪本当にレディーの扱いに手慣れた方ですわよね〜あ・な・た!?///(<●><●>##)』(グキ……ゴキ……)

『(・ー・|||)』(ダラダラ……)

『と、父さん……』

『い、いやいや!!ルーシス!!母さんの言葉を、そのまま鵜呑みにするんじゃあないッッ!!…紳士とは、紳士の為による紳士という肩書きでしかないのだ!!立派なジェントルマンになるには、時に女性とのスキンシップも大切であるからしてだな!!///決して疾しい事でも!!///』

『その♡……過剰なスキンシップをした以上、あなたを紳士から《変態紳士》へとレッテルを貼らせていただきます!!///…では、ルーシス!!そろそろお勉強の時間です!!しっかり教養を身につけておかないと、こんなふしだらで女好きかつ不純で下品な父のようになりますわよっ!!///』(ビシッ!!///)

『なぁっ!?なぁにをお〜〜!?言いたい放題言わせておけば〜!!!///お前だって以前『あ、どうしましょう体重が増えましてよ〜!!///』とヒステリーで叫びだすわ、ベッドにいる時なんぞ、あまりの寝相の悪さに服脱いでは下着姿のまま私に抱きついて寝てた時もあっただろう!!///貴様の方こそ少しは自重しろ!!///〜!?あぁ〜……おえぇ〜〜………思い出したら気分が……』

『〜〜!?///ま、まぁ〜〜!!///なんて失礼で破廉恥なぁ〜〜っ!?///…それに!まだ私は30代なんですわよ!!///ピチピチしていて全然若者向けの下着やら水着だって現役でいけますの!!///…それにあなただってその弛んだお腹はなんですか!?///…さては、また夜中に酒を飲んだりコソコソと何かを摘んでいたのでしょ〜!!??///』

ムニッ!ムニッ!

グリグリ〜!!

『ウォッ!!///…あぁ…そこダメぇ〜♡…///』

『むっ!…〜♡…あ〜らぁ〜♡…相変わらずここは弱いのですね〜♪…ルーシス!!これもよく覚えておきなさいッ!!……《母は父よりも子よりも強し!》という言葉をッッ!!…です!!』

ムニムニッ♪

『あっ♡……///』

『………///』(父さん……母さん……花園でゆっくり過ごしている時に。…子供の僕が見ている前で…そんなお盛んな事していて大丈夫な訳なのかな?……///)

・・・

ポタポタ………

ザザ〜!!………


『……』『……』

『…う……嘘。……!!父さん!!母さん!!!』

ユサユサ!!!

『……』『……』

『そ…そん……な………!!』

あああああぁぁああぁぁっ!!!!!!!』

・・・

ガシャーーン!!!

ゲシッ!!!!

『あぐっ!!……!!』

『ったく、落ちぶれたどっかの貴族のガキだと聞いてたけど、全く使えねえなあ〜!!…親の躾がなってなかったんじゃあねえか〜?…ウォラっ!!』

バキャッ!!

『ぐあっ!!………貴族とか……そんなの関係……ない!……暴力に頼り……脅して、人を動かす……あなたなんか……に……父さんや母さんの悪口を言うな!!!』

『!!このガキャッ!!!』

べキィーーッ!!!!

・・・

ポタポタ………

ザザ〜!!………パラパラ………

バシャッ!!

『…ごほっ!…ゲホっ!…………ぐすん……うぅ……』(く……苦しい………風邪なの…かな……父…さん……母…さん……!!ごめん……僕……は………惨めにも………ここ……で……)

ザザー………………

ポタ……ポタ………

コツン……コツン………

コツン……コツン………

サッ!

『………?』

『…フフ!…こんにちは!…ほ〜ら。いつまでもメソメソしてないで男の子なら立ちなさい♪……ルーシス・ハーレクラインお坊ちゃま♪』

『………』(ぺこり!)

『……!?』(だ……誰……?)

・・・

『!?……新しい……服!?……本当に……いいんですか?……オーラルさん?』

『ええ!…うん♪…その緑の服!…あなたにとっても似合ってるわ〜♪…ではローレンス!……指令です!…この子と一緒にご飯を呼ばれて、話を聞いてあげなさい!』

『……分かった。……オーラル』(コクリ!)

〜食事〜

『………ということがあって…僕の……家族は……殺し屋に……僕以外……命を奪われてぇ……叔父の家に引き取られた僕は……っ……毎日…暴力を振るわれて………っ…!!』

ポタポタ……

『……辛かったんだね………じゃあ。………僕からも………秘密を教えるよ……』

『……?』

『……僕はね、……君達ユートピア人の祖先のようなもので……ホムンクルスとして生まれてね……材料は馬の馬糞と、色んな細胞を掛け合わせて作られたんだ』

『……!?』

「……僕以外にも何十万人と作られてね。…優劣の決まった者によって選別され、劣等種だった僕自身は。……まるで奴隷のような生活で自由なんて何一つもないちっぽけな世界だった。……そんな時にね。時を超えてきたエレノアが僕の前に現れてね。……『一緒に行こっ!なんだか君の事を気に入っちゃった♪』……って、手を差し伸べてくれて……こうして旅をしてるんだ……』

『!!…』(キラーン♢)

・・・

『え、ええ〜〜っ!?…い、一緒に旅に出たいですってぇ〜!?』

『!!』(コクコク!)

『そういう事です。エレノアさん。……あなた自身、この子にどうアプローチしますか?』

『オーラルさん!?……あぁ〜ん!も〜う!どうしよぉ〜〜う!!』

『………』

・・・

『ウォラぁッ!!キビキビ働け!!』

バシッ!!

『……っ!!……』(キッ!)

『あぁ!?…なんだその目は!?……《劣等種》の分際で……!この俺に文句でもあるのかよぉ〜!?』

バキャッ!!ゲシッゲシッ!!

『……っ!!』

『ホムンクルスの中でも《劣等種》として生まれた、何一つ使えない奴隷のお前は、大人しく俺達の言う事を聞いとけばいいんだよ〜!!』

バキャッ!!

・・・

『………!!』

タッタッタ………

トントン!

『!?……ローレンス…さん?』

『一緒に行こう……ルーシス!…一緒に僕達と旅をして強くなって……叔父さんを見返してやろう!』

『!?……えっ!?』

『ちょっ!?ちょっと!?ローレンス!?…アンタ、一体何言ってんの!?…この子はまだこんなに小さい子供なのよ!?…私達の旅について来るなんて、絶対に危ないわよ!!///』

『だからこそ……!!僕達が守る!……それに……この歳で僕達とついて行きたいって自分から言ったんだ。……それは僕達と同じように、変えられない絶望的な未来を、自分から変えたいっていう意思表示でもあるんじゃあないの…かな?』

『!?』

『どうしますか?エレノアさん?…危険な旅である事を承知の上で、自らの意志でこの子はあなた達と一緒に行きたいと存じ上げております。その覚悟を見放す事ができますか?……もし、この子が将来過ちを犯すようであれば、あなた自身はそれに対する責任と償いをその時、取る事ができますのでしょうか?』

『!?…………はぁ……分かった。……うん♪…じゃあ一緒に行こっ、ルーシス♪……後、私の事は《エレノアお姐さん》!…ローレンスの事は《ローお兄さん》と呼びなさい!!…いいわね!?』

『?…どうしてですか?』

『もぉ〜う///……あなたは貴族の出だから大人ぶってるかも知れないけど!!まだまだ小さい子供なのっ!!///…いちいち大人ぶらないで子供らしくしなさい!!///エレノアお姐さんの言葉! (Do you understand!?)したかしら〜?♪』

『?…ドューユゥ〜……?』(首かしげ?)

『……理解したのかい?って意味だよルーシス。…どう?出来そう?』

『!!……うんっ!……僕、父さんと母さんしかいなかったから、兄さんも姉さんもいなかったから。…何だか嬉しいよ!!…分かったよ!《ロー兄》!!《エレ姐》!!……これからよろしく!!』

『!!…エレ姐…か。……ふふっ!…はぁ〜い♪』

『うん!…改めて、よろしく。…ルーシス!』

ガシッ!!

・・・
・・


「……今思えば、色々あったよ。…本当に…」

……pipipi

「……?……ルーヴェス……暫くぶりのようだね……」


・・・

〜【Paradiso】歴:2000年6月18【E島】【Velkana】昼方・貧困街【Hopera】・支部〜

「……zzz…」

「……なるほど。……ヴェノ。……ネルソンさんからこんなデータを……そうか今まで連れ去られていたユートピア人女性は…【真・ユートピア創造士隊】の支部で、色欲の限りを尽くして戦闘能力に長けた者達を生み出そうとしていた……か……」

「そして奴らの武器と防具は……!?人間の……骨を何度も配合し直して作っている…だと……そして肉体の方は…自らの身体能力を増力させる為に肉塊を生じさせて人工的にユートピア人を作っていたり、薬品として抽出して、【現世人】の【Fiducia】みたいに人工的な能力開発を目的として使用していた……だって……」

「ふむ。……とりあえずはご苦労だったな。…そしてこのメイドの写真……やはりこの街を牛耳っている【Dail】の家政婦を人身売買組織に引き渡しているって事か……だが、情報では…」

「…【Varisk】とも関わりがあるからな。…奴を守っているのは、恐らくランクの高い奴だろうな。…そしてここに向かう途中、ヴェノも…その一人によって毒を負わされて深傷を負っちまったと。……さて、これからどう出るか?」

時は【E島】【Velkana】の街にある貧困街───────そこには夜まで【V・Prestina】で疾走し、【Varisk】のある者の奇襲によって深傷を負っていた【Veno・nix】の姿と【Hopera】のメンバー達が自分達のアジトにて、【D島】で起こった出来事をまとめた情報を解析していた様子である。そしてあるメンバーが重大な情報を目の当たりにした。

「?……おい。このリスト……」

「?……!?……な〜るほど。…どうやらこの【Velkana】の近辺だけじゃあなくて各島…特に【B島】でもシマを荒らしてたみてぇ〜だな〜!…ここを仕切っている【Dail】って悪党はよぉ〜!!……こりゃあ……」

「ああ。……恐らく【C島】の【Mikrio】の【Xiol】は情報を聞きつけ。……感づいて動き出している頃だろうな。……そして……」

「…【R・P】社のギルドの面々もそろそろと言わんばかりに潰しにかかる為、着実にスタンバイしているだろうよぉ〜全く……これじゃあ…」

「…俺達の仕事。…また奪われたなぁ〜!…流石、名門ギルドの室長してるだけあって顔が広いし、対応が早いのよな。…【R・P】社のルーシス室長さんって奴は………」

一同は面と向かって【L-cis・H】の名を語る。それだけ彼自身には、多くの功績を残し、世界各地で起こった醜い争いや災害の時にはいち早く駆けつけ、街に住む人々の平穏を保つ為に武力行使をしていると言っても過言では無いとされる。だが、彼ら自身、まだ諦めていないようであった。

「とりあえずは、ミッションコンプリートといったところか。…じゃあせめて、功労者には報酬として何か手助けだけでもすりゃあいいんじゃあねえか〜?」

「?……どんな?」

「ふふ〜んっ……〜♪」

「……zzz……」


・・・
・・


〜後日〜

「……あ〜そこのアンタ?」

「む?…俺に言ったのか?…一体何者だ?…まさか【Dail】の手先か!?」

「いや〜違う違う!……その身体付きからしてギルドに所属してる人だろ?…俺はある情報屋ギルドの者でアンタらが【Dail】邸の主を問い詰める事はもう調べがついているんだ。……そんなアンタ達にこれをとね!」

ピラッ!

「…む?…メイド業者引き取りリスト日程表?」

「それがあれば、奴らが雇っているメイドさんをいつ人身売買ギルドの連中に明け渡しているのかがわかるぜっと。……健闘を祈るぜ。……【R・P】社【Agente】所属の【Rolan】(ロラン)さん…」

シャッ!!

「む、待つのだ!……奴め。…何故俺の名を……」

・・・

その後、【R・P】社【Agente】の者達は【Dail】が仕立てていた服従メイドの救出に成功する──────とても奇妙な事であるが、便利屋ギルド【Hepera】の者は特に見返りを求める事がなく、情報屋ギルドとして化けて彼らに助け舟を寄越したのだ。それがきっかけで【Dail】事件に終止符を打つキッカケとなったのは、言うまでもないだろう───────




B. いいえ


《Capitolo・5》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜TOAより・Mirrors

「………?……!?」

ガタンゴトン!!ガタンゴトン!!

「……こ…ここは……?列車の中…なのか?」

「……起きたようだね。……ヴェノ」

「!?……ロー……レンス…」

【Veno・nix】は目を覚ました。そこは列車の中であった。その隣には彼の顔見知りの一人である【Lawrence】が座っていた。すると少しばかり寂しげな表情で見つめ、こう語りかける。

「……残念だったようだね。…………ネルソンの事は知っているよ」

「……そうか。……やはり見ていたのか。…俺の心の中でか?」

「……ごめんね。……私があの場にいたら……少しは」

「よせ。…どんなに悔やんでもアイツは……それに……」

「……そうだね。…彼女も…【Eimi】が戻ってくることがないよね……」

「…………」

【Veno・nix】は喪失経験を重く受け止めて悔やんでいた様子である。しかし何故か涙を流せなかった。何か悟りを開いたかのように、その表情は無表情にも近い無気力状態にあった。その様子を見て言いられなくなった【Lawrence】はこう語りかける。

「……君はとうとう…命の意味を見出す《土壇場》の立場にいるようだ……」

「!?……どういうことだ?」

「言葉のままだよ。……もうすぐ君は大きな戦いに巻き込まれる。……恐らく、エイミやネルソンと関わり……彼女……エディスを……嵌めて命を堕とされた……あの……」

「!?……【Blo】(ブロ)……いや……似ているが違うんだったな……」

「うん。………私も驚いたよ。まさか【Paradiso】に彼と同じ姿と…顔に赤い刺青を入れた人がいるなんてね。……あれを、現世でいう《ドッペルゲンガー》っていうんだね…」

【Lawrence】はその事実に驚愕を覚えていた様子である。【Veno・nix】と【Nelson】の二人の目の前に現れた者が、かつて夢の中の世界で争っていた宿敵の姿と酷似ているという事を、まるで奇妙な現象のようにも捉えていた様子であった。

「……奴の戦闘能力…実力は間違いなく本物だった。……そして……ここに来る途中に襲撃してきた……【Bran】(ブラン)という名の【Varisk】の一人……そいつがこう言っていた……近いうちに…何処かの島で……デカい革命として……《維新事変》を起こすと……今度こそ、あの島国を占領させてもらうと……何か心当たりはないのか?」

「……特にはないかな。………じゃあそろそろ……かな」

スクッ!!

「……!?……おい、ローレンス…!?」

ポーッ!ポーッ!

ガタンゴトン!!ガタンゴトン!!………ガタン……ゴトン……

「!?………どうしたんだ?…列車が止まった…?」

突如、列車が汽笛を鳴らし、急停車した。それを見計らったのか【Lawrence】は立ち上がり、こう言った。

「……ついてきなよヴェノ。……そろそろ上映が始まるようだ…」

「……何の?」

【Veno・nix】は首を傾げた。すると【Lawrence】はこう呟いた。

「……私の……いや、たまには昔に戻るか。…僕の過去を少しだけ教えてあげる。……そうすれば見えてくるはずだよ。…君がこの【Paradiso】で生きてきて…築いてきた証についてね……」

…スタッ!…スタッ!…スタッ!

「……ローレンス……」(一体、何が……?)

・・・

カチカチカチカチッ!!!

「……ここだよ。…見てご覧よ」

「!?…映写機か…かなり古いな……」

【Lawrence】に連れられた【Veno・nix】がその目で目撃したのは、古い映写機であった。その場面は見た事もない街並みであり、場所は天高い建造物が多くあった場所である。それに対し、【Veno・nix】が口を開く。

「……ここは一体?」

「……君があの時いた【D島】内にある大都会。……今からおよそ《1000年》も前の【Crono・St】(クロノスト)という街さ」

「!?……そんな遙か昔に今でも存在する街があったのか……一体……」

「……別に大した事ではないさ。…さて…いよいよ上映開始のようだね……」

・・・
・・


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜TOAより〜 Meaning of Birth

〜【Paradiso】暦1000年【Crono・St】・街の外れ〜

『……嫌だよ……僕は……っ!!』

『…分かってくれ…ルーシス。……君だけは元の時代に帰さないと……ここにいると…最悪君の存在まで……』

『……!!』

ジャキン!!

『!?……ルーシス……』

『僕は僕自身の意志で、みんなとここにいたい!…最後までみんなと一緒に戦いたい!…こればかりは、例えロー兄の命令といえど、譲れない!』

『……そうか…分かった。……なら……』

ジャキン!!

『……!!…ロー兄……』

『来なよ。…ルーシス。…その覚悟が生半可じゃあないかどうか……その大剣で…僕と……全力でぶつかってきなよ。……いいかい?…これは遊びじゃあないから……手加減は出来ない。…殺す気で向かって来ないと………後悔するよ。……弟だからといって……一切手を抜かない!』

『!!……行くよ……ロー兄!!!』

ブン!!

・・・

ガキィン!!

キィン!!

キィーーン!!

『……っ!!……ハァ…ハァ……っ!!』

《由緒ある貴族の家庭で生まれ…殺し屋に両親を殺され。……その後引き取られた叔父に毎日…ひどい暴行を受けて……無力だから誰にも頼れず…ただ孤独に…僕は、精一杯一人で生きていくしかなかった……》

ガキン!!

キィン!!

キン!!

『………っ!………』

《ホムンクルスの技術で生まれた私は……太古のユートピア人としてではなく…出来損ないの欠陥品としてただぞんざいに奴隷の如く扱われ…限りある命の時間を削り……ただ耐えに耐え続ける日々を過ごして生きてきた…》

ガキィン!!

キィン!!

ガァキィーーン!!!

《……そんな僕に手を差し伸べてくれたのは、人の行く道を見守り…導いて、手助けをする女神のような存在の人と……兄と姉のような人達の支えで…!!……今こうして……僕は……》

キィン!! キン!! キン!!

《……そんな僕を救ってくれたのは……絶望的な境地を貫き……明るい道を照らす。…未来から来た巫女のような…陽だまりのような、明るい女の子と……その子に救われた時空を超えて出会った…掛け替えのない、大地の下で育まれ豊穣の恩恵を得た仲間達の存在がいるからこそ…僕は…いや……私は……!!》

《今、ここにいて、生きているんだ!!!》

キン!!ガキィン!!!

キィオォーーン!!!!

『!!……ハァ…ハァ……ロー兄……』

『……っ!!………やるようになったね。…ルーシス。…流石は僕……いや…私の自慢の…弟だ!』

『ロー兄こそ!……相変わらず…本当に強いね。……初めて会った頃から…僕が目標にする人で……エレ姐の相棒だけあって……本当に凄いよ……』

ジャキッ!!

『……ルーシス。……でも、これで最後だ……今度は手を抜かないでよ。………全力を振り絞ってぶつかって来なよ。…私と!!』

『うん!……ロー兄……僕は今日この剣で…!!……ロー兄を超える!!』

シャッ!!

シャッ!!

・・・
・・



🎼Back Ground Music 》》》



♪〜川田まみより・僕の証

『……じゃあロー兄……明日ね…』

タッタッタ………

『………』

どんより……

『……空は…黄昏て…少し曇っているようだね……』

タッタッタ………

『……ローレンス…』

『…!?……オーラル…』

『……あの時の質問の続きです。……あなたは、見出し…辿り着きましたか?……あなた自身の答えについて……』

『…………』

『これまでのあなたの旅路の中で仲間と過ごし…生まれた答えとその意味を見出しましたか?』

『……ふっ。……』

クルっ………スタッ!

……キラキラ………

《私は人の手で精錬され、創造されたホムンクルスだ。…それでも私はあの時、エレノアに手を差し伸べられ…ルーシス…それにみんなと一緒に時の旅を経験し、人が何故この世に生まれ、そして存在する意味を…そして命には限りがあるという儚さを知り…ようやく私は…この【Paradiso】の世界のユートピア人の一人として…皆で笑いあったり、楽しんだり、時に辛い事もみんなで乗り越えたりもして…今こうして過ごしている時間は…間違いなく本物の人生が始まったんだと…そう実感したよ。…オーラル》

……キラキラキラキラ………

『…空が晴れ晴れと光が差し込んできましたね。……このような表現から、あなた自身の心が晴れたと、そう捉えても宜しいのでしょうか?』

『……うん。……もう私自身迷いはないよ。…それはみんな同じだからね。…ルーシスも…さっき私に実力を認められて…晴々としていたからね』

『そうですか。……ではもう一つ質問です。…今後、あなたは一体どうするおつもりですか?』

『私は、私自身の人生を始めていくよ。…これからも…ずっと。…もう…欠陥品のホムンクルスとして生まれた自分ではなく、ユートピア人…ローレンスとして…そして時ノト【零六一八時警団】のメンバーの一人の存在として…私はみんなと最後まで【時喰】と戦う。最後まで希望は捨てないよ』

ニカッ!

『……フフッ!……そうですか♪』

クルンッ♪…スタッ!スタッ!

『オーラル?』

クスクスッ!

『あなたなら…その真理となる道筋に辿り着けるかもしれませんね。…【導き人】として、あなたを、この壮大な時の旅に導いた者として…これからもあなた自身の旅路の記憶を、後世に語り継いでは教訓とし…この目で見届けさせていただきます。…どうか…お気をつけて』

『……珍しいね。……君が僕の事を褒めるなんて…』

『…折角なので…一度……初心と原点に戻りたくなったものですので……』

『……!!』(……そういう事か。…オーラル…今の君は……)

『ローレンス。……私は……あなたの生き様を認めましょう。…ですが一つ忠告させて頂きます。………〜!!///……まだ【導き人】修行中の私だからこそ!!この労いの言葉を言わせていただきますので悪しからずッッ!!///』

『……はは……ハハ!……っ!!』

アハハハハッ!!!

・・・
・・




〜【Paradiso】歴2000年6月18日・【Veno・nix】の夢と心の中の世界・列車内〜

「……そんな事があったのか。……ローレンス…お前はあの【R・P】社のルーシスだけではなく。………オーラルとも知り合いだったのか?」

「うん。…彼女は当時……【導き人】修行中の時代だった自分の分身を飛ばして僕達の仲間をサポートしてくれていたんだ…理由はさっき話していた会話の通りだね…」

「初心と…原点……か…」

【Veno・nix】は少しばかり、肩の荷が下りた顔をしていた。【Lawrence】自身が体験した映像をその目で見たからか、彼自身の人生観を学ぶきっかけになったようだ。そして【Lawrence】は更にこう述べる。

「ヴェノ。…君自身は生きないといけないよ……最後まで」

「……分かっている……」

「返答の言葉だけなら誰でも簡単に言える。……それを実行に移す事が難しいんだ。…それをやってのけたのが………エディスだったんだから。…彼女のあの覚悟ある行動に……君は敬意を払えるのかい?」

「……ああ忘れない。……アイツは……最後まで輝いて見えた。……ヘレンや…俺…ネルソンを守る為に……アイツは自分の存在を犠牲にしてでも……禁忌を犯し…真犯人を暴いて……俺とお前に…真実を見させてくれて…あの【夢喰】を牛耳っていた【Drive-ra】(ドリベーラ)を夢の中の世界から追放したんだからな……本当に敬意を払う」

「……それならいい。…もう君は迷ってる場合じゃあないよ。……もう行きなよ…守らないといけない人がいるんでしょ?…大事な相棒の…妹さんが……」

「……ああ。…優花……【現世人】アリア(【Aria】)をな。…だけどな。…ルーシス…」

スクッ……バッ!

「?…ヴェノ?」

【Veno・nix】は立ち上がり、【Lawrence】の目を見て手を差し伸べ、感謝の意を込めてこう語る。

「…恩に着る。…ありがとう!」(フッ!)

キラキラキララ………

電車内に光が差し伸べられた。それは陽だまりに包まれた温かな希望の光が差し込み、【Veno・nix】を温かく包み込んでいた。その様子に【Lawrence】は少しばかり懐かしそうな表情をして優しく話しかける。

「………っ!」

ガシッ!!

【Lawrence】は快くその手を掴んで握手を交わした。そして笑みを浮かべ、笑いながら言った。

「……っ!…ハハハっ!……《朴念仁》の君からそんな言葉が出て来るなんて…意外だったよ……こうして握手を交わすようにもなったなんて…本当に成長したね!」

「いつまでも落ち込んでいられないからな。…これからは俺自身の……」

「…その言葉を言うのはまだ早いよ。…まだ君の決着がついていないんだから……」

「そうだな。…その時に……改めて……」

ヒィーーン………

「……時間だな…」

【Veno・nix】の身体は光に照らされ、透けている。いよいよこれからなのだとばかりに表情を戻す。しかしそんな不器用な彼を【Lawrence】は微笑んだ表情をして温かく見送る。

「ご武運を祈ってるよ……また会おう…ヴェノ」

「……ああ。…ローレンス……」

シュン!!

「………」

《ローレンス……あの二人の事……よろしく頼んださね。……特に…ヴェノの方は、まだまだ見ておかないといけない年頃なんださねな〜……どうか頼んだよ〜……》

「……っ!」

クルっ……

【Lawrence】の背後から聞き覚えのある声が聞こえる。そこには誰もいなかった───────

「………」(空を見上げる〜……)

ヒィーーン……キラキラキラキラ………

「……大丈夫だよ。エディス。……ヴェノはもう自立の道を歩いているから……それに…僕も……」

コツンコツン……

ツンツン♪

「?………あ!」

「やっほ〜♪ローレンス♪……人生相談終わったんだね〜♪」

「…エレノア!」

【Lawrence】の背後に現れたのは、桜の色をしたピンクの髪色が特徴的であり、サイドテールは左に結み、白い衣に身を包んだ女性【Ereanor】(エレノア)が話しかける。するとにこやかな笑顔で話を続けた。

「なんか、ごめんね。……私が眠りについている間に、【Blu・viria】の世界で色々あったっていうのに…」

「…もう大丈夫だよ。…それに君が無事で…本当によかった……」

ダキッ!

「〜!?///もおぉ〜う!!///バカぁ〜〜ッ!!///私がそんな簡単にやられるわけないでしょ〜〜っ!?///それにっ!!私があんな事やこんな事をされたっていう《ガセネタ》信じておいてぇ〜!!///よくもまあこんな事が出来るわよね!?///」(プンプン!///)

「あはは!ごめんってエレノア!……でも…彼…昔の僕にそっくりだったよ……やっぱり…」(ボーッ!)

「話を逸らさないでぇ〜!!///君ったら!……本当にボーッ!とするのが好きなんだから〜!!///」

「あはは!まあね♪」

「全くもうっ!!///……ふふっ♪!…まっ!それが君なんだもんね♪……ルーシス……元気で上手くやってるかな…」

「大丈夫だよ。…さっきヴェノが会ってきたらしくてね。…本当に立派になったよ。…流石、僕達の自慢の弟でいい子だよ!」

「!!……そっか〜!…安心した!…あと……」

「?……あと…?」

【Ereanor】は他にも気がかりな一人の人間を思っていた様子であるが、首を横に振った。

「……うんうん!…何でもない!……きっとあの人の事は……私の一番弟子……【白き羽衣】がなんとかしてくれたと思うから!」

「……そっか。…その懐中時計…【Cronotelia】(クロノテリア)の力で初めて会った……君の恩人の事だよね?」

「……うん。……だから…もう大丈夫!…あの人…私にとって…ただ一人の姐さんのような人で……この先、大切なモノを守る為なら……このイタリア語で《仲裁人》を意味する銃剣【Arbitrater】(アルビトレーター)。……その姉のように《審判》を意味してる白い銃剣に光を宿して……暗闇に包まれた未来を閃光のように貫いて、明るく照らしてくれるだろうから……だから……会えなくても……寂しくないの……決して……」

……ポタポタ…

「……エレノア。…でも、その人だけじゃあないんでしょ?……もう一人……」

「……ええ。…私に現世での《巫女の舞》を教えてくれた…私のもう一人の《お母さん》のような…とっても暖かい…和の心を持った人に……これからあの人は会うと思うの……しっかり歴史通りに行くことが出来たらだけど……」

「きっと大丈夫だよ。……ヴェノは頼りになる子だよ。…それに、その時代なら……二人の支えになる…もう一人が来るんでしょ?……正史の未来では…その巫女の舞を教えてくれた…恩人さんの旦那さんにあたるのだったかな?」

「うん!……きっとあの人なら……この辛い現状を打開してくれると願っているから………お願いしますね。…トワさんと…ベア姐にとっても…《精神的支柱》の存在で……あの子がいつか超えたいと願い…目標としていた父親の……!!」

《……ハクローさん!!》

・・・
・・





B. いいえ


《Capitolo・6》
後日談を見ますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜キングダム三期より〜Kingdom・信

〜【Paradiso】歴:2000年・6/18・昼方【E島】【Velkana】・【Hepera】アジト支部〜

「!?……だ、【Dail】邸を…本格的に叩き陥とす……だと!?……それ本気なのか!?」

「ああ。…これだけネタは揃っているんだ…奴の悪行全ての情報を……全部の島に情報を垂れ流せば、全て動くだろう……【B島】の者や【C島】の奴らも…」

「だが【Dail】邸の警備は厳重だ…一体…どうすれば……」

チッチッチ!

「そんな時に使うのが……この盗聴君だろ♪……おそらく【D島】の【Agente】メンバーがこの島に来るだろうよ。……その時を見計らい……♪」

「……なぁ〜るほどな〜♪……確信的なデータを盗み聞き…【B島】のサバイバーの連中と【D島】の【R・P】社のギルドメンバーで一網打尽にか…!!面白ええっ!!」

「ま、そのきっかけをくれたのが…ここで眠っているヴェノだとはな。……んで【Oya】……いつくらいで目が覚めそうだ?」

「…およそ今から三週間…7月の…10日前後くらいだろう。…それまでに……!!」

【Dail】の野郎の腑を……このゴッドハンドで掻っ捌いてやるらぁぁ〜〜っ!!

ジャキン!!ジャキン!!

「!!」「!!」「!?……お、おい【Oya】!?」

【Oya】は突然狂気に駆られたのか発狂した。普段クールで冷静な彼が仲間一人を犠牲にした事に対する怒りからなのか、グレーの目を血張らせていた様子であった。そして彼らに対し、闘志を鼓舞させるかのようにこう言い放った───────

「…まさか……ここに来て自分達の手を汚すのが怖くなっただとか怖気付いたとか言うんじゃあねえだろうなぁ〜!?……ここに……【Hopera】のメンバーの中に……《チキン君》が一人でもいるのかぁ〜!?……!!」

《いねえよなぁ〜〜!!??》

ダァン!!!

「!?」

【Oya】はまるで何処かの不良漫画に出てくるマル暴のリーダーの如く、強く主張した。その豹変ぷりに、仲間の一人が落ち着かせるように言葉を交わす。

「お、おいオヤ…珍しくキレてんのか!?」

「あぁ?……!?当たり前だろうがよぉ〜〜!!??……この【Paradiso】の世界初で……!!俺の患者第一号の【Nelson】を、《Aランク》以外での整形手術に成功したって言うのに……!!そいつの将来の顔に泥を塗り…昇華させられ……!!オマケに…テメエ自身が……今度は【真・ユートピア創造士隊】の神官の端くれに成り代わってユートピア人を家畜のように!!奴隷のように!!ぞんざいに扱うだとか……!!虫唾が走って反吐が出そうだぜぇ〜〜〜っ!!!!」

「!?」

「オヤ……お前……」

「……おいお前らぁ〜〜!!………ヴェノの事……よろしく頼んだぜぇ〜〜!!!」

ガチャッ!!……!!

バタァーーン!!!!!

「!?……」

「……アイツ……一体何処へ……」

・・・
・・


ざわ……ざわ……

「………待ってろやぁ〜〜!!……【Dail】!!……必ずテメエの化けの皮をこの手で捌き切ってやらぁ!?……!?」

バキャッ!!!

「……っ!!……な……にぃ……」

バタン!!

「………」

「……ルーフェスさん。…コイツは…」

「ええ。最近戦場でその名を騒がせていた【Hopera】のメンバーの一人のようです。…この顔は。…闇医者【Oya】さん。……そして…彼の言い分から……成歩道(なるほみち)。この街に彼の支部があるようですね。……あまりこの街中で目立っていては危険です。間に合ってよかった………では行きましょう。……それに…なるほど。…【Oya】さんは普段冷静であるが…怒りを覚えると暴走すると…」(メモメモ…)

タッタッタ………

・・・
・・


〜【Hopera】支部〜

「………」

コンコン……

「……!?【Oya】!!」

ガチャッ!!……バタン!!…ジャキッ!!

「動くな!!」

チャカッ!!

「!?…だ、誰だアンタ達は!?」

「……【C島】【Mikrio】にある…法と秩序を重んじるギルド…【Xiol】に所属する者…ルーヴェス(【Ruves】)という者です。…それに、驚いた。……そこにいるのは、公表はされてはおりませんが【D島】の爆破事件に重要な関わりがある人物【Veno・nix】くんがいたとはね。……なら話が早いよ…」

「……ほほ〜う。……んで、その【Xiol】の者が一体、何の用あって来たんだ?…まさか、俺達を確保しに来たとでも言いたいのか!?」(キッ!)

相手の返答に対し、【Ruves】は首を横に振った───────

「……我々も一緒に【Dail】邸の摘発に協力させてもらいたくてね。…彼は安易と摘発してしまっては困ります。…裏を洗いざらい調べ上げ……彼には【色欲】の大罪に向き合ってもらわないといけませんからね…」

「!?………【色欲】?」

「現世で持て囃されている言葉です。…強いて言うのであれば……性的な要素が強い《重罪》だと。…そう思ってくれればいい。……それに……【Dail】邸にもう一人、《大罪人》が在籍しておりましてね。…我々の持つモノクルを悪用する【現世人】を名乗るイレギュラーて的な存在の者です」

…もしかしてそいつは…縄使いだったりするのか?

ムクっ!

「お、オヤさん!?」

「おや?……起きましたか。…オヤ【Oya】さん」

ヒュ〜ン……

「さ、寒いですよ。……ルーヴェスさん…」

【Ruves】は【Oya】の名前で思わず、親父ギャグ的な発言をした為、少しばかり場の空気が凍りついた。しかし【Oya】は平然としており、気にはせず話を交わす───────

「……おかげさんでな。…そいつは恐らく【Jeil】(ジェイル)と名乗っているキツネ目が特徴の男だ。…現世では【緊縛師】をしてたって噂だよ。…何でも女の裸体に縄で縛り上げられている様を芸術だとか言って数々のメイドを色欲の沼に叩き落としたっていう情報だ。…そんなサディストが……まさかアンタとも繋がってたとはな」

「…あのモノクルには。…本来真実の姿を現すものであり。……かつて昔は私と同じ【Xiol】に在籍していた…名のある《検屍官》の者が事件捜査としてモノクルを使われていたのですよ。…それをあの【現世人】を名乗る者が悪用し…ユートピア人のみならず、数々の【現世人】女性を整形させ、服従メイドに仕立て上げてこれまでの地位を築いてきたようですね。…時に私の名前を使い成りすましてはある事ない事を言い尽くし……卑劣にもまだ熟してすらいない女性にまで暴行を働いたという……」

「ああ。…まあその情報は、この街に閉鎖されていた情報網をハッキング。曝け出して数々の島に送られて。……そこでヒットしたのが……!!この人ってことさ!…おおっ!…キタキタ!」

ピコン♪……

「……【Fila】(フィラ)……!?……へぇ〜♪……こらまた…」

「奴め。……知らずに大物を手出ししてしまったようだね〜♪…まさか【J島】の【御用見廻組】関係者も被害届を出されて危害を加えられてるとは……こらまた……」

「……昇華よりも……最悪、酷い最期を迎えるかもしれないな……」

「………ふむ」(フカベ君。…君の隊士である彼女も被害を加えられたようだ。…見す見す見逃していられないだろうね。……でも大丈夫。……君の親友で…私とも昔からの旧友だった彼なら、すぐさま動き出してくれるよ。……親友である君の部下を傷つけられたその怒りを…彼自身が……そして彼のフィアンセ…妻である彼女も…)

《見過ごさないだろうからね………無論私もだ…それ相応の処罰を覚悟してもらおうか》

・・・
・・


〜【B島】【Bestia】〜

【Wilvia】(……承りましてよ。……リーダールーシス)

【Lu-cis・H】(ルビア…リーダーはもうよしてくれ。…私はギルドの室長だ。…またネラにもよろしく言って……!?うわっ!!)

【Campanella】(やっほ〜♪……ルビア〜♪ひっさしぶり〜♪…元気ぃ〜?)

【Wilvia】(ええ、ご機嫌ようネラ!……そちらも元気そうで何よりですわ!……ベアの方は元気でありますの?)

【Campanella】(うん♪…それがどうやらねぇ〜♪…最近いい彼氏を見つけたらしいの♪…新しく新人でウチの【Agente】に配属された二人の【現世人】の子がいてさ〜【Hux・rou】元よりハクローくんって言う子がね〜♪…あとさ、ルビアが聞いたら驚く子が来てさ〜♪…【Bill】くんって肉体強化能力を持っている子がさ〜♪……)

【Wilvia】(!?)

〜【Mist・Garden】〜

「!?……あ…あぁ……ぅぅ……そうですか…あの子…ロベルの持っていた名刀【Louvel】を…この人が取り戻してくれたのですね。……う…うぅ……ルーシスさん……ありがとう…本当に……あなたを信じておりました……すみません…!!本当にすみませんっ!!……昔から無力な私が至らないばかりに……未だにベルナさんをっ!!…それにあの子…ロベルの事をっ!!……う…ぅぅ………」(ポタポタ……)

ギュッ!!///

「ハッ!!…いけません!いけません!!///…それでも私の母ミステリカ【Misterika】から癒しの力を強く引き継いだ令嬢の娘のはずです!!///…いつまでも泣いていては何も始まらないと…あの時、彼女ベルナさんの前で決意を固めたではないですか!……では……名は…【Hux・row】…ハクローという愛称で言われておいでなのですね。……ふふっ……ロベル!……あなたが現世で過ごしていた時に無二の親友として接していた……その白い狼の名前の方を…《白狼》……(ハクロウ)と呼ぶのではなく(シロウ)と呼んでいたと言っておりましたね。……ですが……もし、このハクローさんがロベル。…あなたの無二の親友の白狼さんであるとしたならば……それは……!!」

サラサラ………

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜大逆転裁判2より・大いなる帰還〜


《大いなる帰還…と。……そう呼ばせていただいても……恥ずべきことではありませんよね……本当にっ!!》

・・・
・・







〜その数日後【J島】【Kagoya】・【御用見廻組】幹部会議〜

「……!?…【Varisk】所属の主力クラス…あの【Makiras】が討伐されただとぉ〜!?」

「…そ、それに……今まで各島で騒がれていた…女性失踪事件の黒幕が…縄使いの…【Jeil】(ジェイル)か。……それも昏睡状態で拷問を受けているかのような苦い顔つきで確保される。……そして【Dail】邸の主…【Dail】氏が身柄を拘束され………」

「…【C島】の【Mikrio】の街の裁判所で…法廷にて有罪判決で…裁かれ…!!死刑宣告ゥゥッ!?」

ざわ…ざわ……

「……皆の衆。…静かに。…今回の一件。動員した我々【狼志組】でも異例の事態に驚いている。……また我々の他に、それをやってのけた《組織》…我々とも親密な関係を築いている【R・P】社【Agente】を主にしたギルドメンバー並びに【B島】の【Bestia】のサバイバーメンバー。……そしてもう一つ、無名の組織が情報を拡散し、援護を要請してくれたようだ………」

「………っ!」(無名?……!!それって…ま、まさか……)

「…?…どうした、トワ?…何か心当たりがあるのか?」

「!!…何でもないですよ。……副長。……報告を続けてください……」

「………であるからしてだ。…今回は───────」

・・・
・・


〜【Kagoya】・千夜ノ桜〜

「……無名。……恐らくは………便利屋ギルド【Hopera】……!!そっか。……エディスさんがいた、あの夢の中の世界から。……無事に戻ってきたんだね……ヴェノさん。……ありがとう…本当に…!!」

ヒラヒラ〜!

「…………それに名刀【Louvel】は、無事【Makiras】から取り戻してくれたんだね。……ルーさん…良かったですね。……でも…」

ピラッ!

「【R・P】社【Agente】所属……【現世人】女性【Beanne】…その教育係の新人……【Hux・row】Eランク。……彼が所有権を獲得し、ルーさんの名刀【Louvel】を引き継いだ。……か。……ルーさん。…あなたが言うその《白狼》という人には…届かな……………?……え……」

ヒラ〜…ポロッ……

「!?…な……何で…?何で、僕は…この【Hux・row】って男の顔を見て。………!!ど、どうして…胸の中が締め付けられて……それに涙なんか……流れてくるんだろう?…………一体……どうしたんだろうか……///」

ポタポタ………

ヒラヒラ………

・・・

〜【R・P】社内・審議会〜

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

《【R・P社】室長…【Lu-cis・H】(ルーシス・ハーレクライン)!!……前へ!!》

「……ハッ!!」

タッタッタ………

・・・

「…であるからして…以上の事を持ちましてあなたに…今回【E島】【Velkana】で起こった【Dail】邸での一連の騒動において……ギルドの者達を率いて当初の活躍により見事事件を穏便に解決に至らせた事に敬意を賞する!……そこで…あなたは何を望みますか?」

キラーーン……

「…………」

《あの刀身の折れた名刀【Louvel】の所有権を…我々【R・P】社の者が代表して譲り受けたい!》

「……!?」

「……!?」

「……!?」

「……!?」

「……んなぁ!?……各島のギルドの者達を闇に葬ってきた…【Varisk】の闇騎士【Makiras】が所持していた…曰く付きのあの折れた名刀【Louvel】を引き取るだと!?」

「正気なのか!?」

ざわ…ざわ……

「……ほお。…その理由を問いたい?…その真意は?」

「………っ!」

タッタッタ……スタンッ!!

《…今回の事件解決に最も貢献し…ミッションを達成する条件として…【Agente】のメンバーの活躍なくしては不可能であった!…また【Varisk】の【Makiras】を討伐したのは、その諜報ギルドに配属されて間もない…この【Paradiso】初の…現世でも有名な洋画であり!…偉大なるスパイマスターの意味が込められた…《007・ジェームズ・ボンド》の異名を持つ新人…【Hux・row】(ハクス・ロー)くんの活躍失くしては成し遂げる事は出来なかったと…私はそう判断させていただきました!……よって彼に、それ相応の報酬として…現世の刀……《儀礼刀》に見立てたあの武器……【L島】にてたったの2年の歳月で《Aランク》に上り詰め…自らの力で騎士ギルド【Velkuy】を創設した偉大なる騎士団長【Louverd】(ロウヴァード)が所持していたとされる英雄の剣を……是非彼に託したい!!……いかがでしょうか!?》

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……いいでしょう。…しかし刀身はこの通り折られている。……修復は時間がかかるのですぞ。それをどうお考えで…?」

「どんな手を使ってでも復活させましょう。……武神を名乗り……私の愛する妻を手にかけたあの終焉を呼ぶ男を……いつかその名刀【Louvel】が倒すきっかけになるでしょう……」

「……!?」

「……!?」

「……!?」

「……!?」

「き、貴様ぁっ!!」

「その発言が一体何をするのか知っているのか!?……奴の名も、それを連想させる事柄も禁止なのは知っておろう!?」

「………っ!!」

ゲシっ!!……ダァンッ!!!

「!?」

「【R・P】社の室長ともあろうものが…椅子を蹴り飛ばすとは〜!?」

「……ふ〜む……」

「……もう事態は、あなた達が知らない所でより深い闇に進もうとしているッッ!!もう、しのごのと……そんな事で言い争っている場合じゃあないんだ!!時間は決して…!!」

《終焉というのは決して待ってくれやしないんだっ!!》

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……っ!!」(おそらく君ならそういうだろうね。…ベルナ。…僕だって同じ志さ。……いや……君だけじゃあないよね。……ロー兄……エレ姐……そして……みんなだって………そうでもしないと…僕達自身が歩んできた時間が…ただ全て無意味になるだけだ!!)

「………わかりました。……あなたの覚悟……しかと受け取らせて頂きました…【Olvex】…最終結論をどうぞ」

「…私からも特に否定はせん。…それが貴公の進む道であるのならば、進むがいい」

キィーーン!!

「………では、これにて審議会を終了する。…解散……」

カァン!!

・・・
・・


「では、持ってゆくがいい……【R・P】社代表…【Lu-cis・H】」

スッ!!

「……ありがたき幸せ。……大切にします……審議長【Olvex】(オルヴェクス)」

チャキリッ!!

「………【Lu-cis・H】よ。……貴公の妻も深い闇に通づる者…あの時発言した者の被害者だったな。…すまない。…貴公の覚悟に水を差す事を招いてしまったようだ」

「その名刀【Louvel】の名を口にしたら…大抵の鍛冶屋は泣いて逃げるものですぞ。…それに、それを打った腕の立つドワーフの異名を持つあの者【Danx】(ダンクス)も…あの者によって消されてもういないです。…それを前向きに修繕してくれる人に……何か心当たりがありますかね?」

「…ええいますよ。……では……」

スタッ!タッタッタ……

「……?」(一体誰の事ですかな?)

「………」(……ルーシス)

・・・

〜【J島】【Kagoya】〜

キャピンキャピン〜♪

「!?///んほ〜うドッキンちょ〜♡……こら〜また眼福じゃわい♡」

「………っ!!///」

バキャーーン!!!

「お〜いつつ!!……くぅ〜う!またしてもケイトか!?くぅ〜!!邪魔してくれよってこの《ちんちくりん》なじゃじゃ馬娘め!?…一体何すんじゃい!?」

「こんのエロ親父ぇぇ〜!!///いつまでも女のケツ見とらんで、はようセノさんとこ行くで〜!!///…ホンマに碌な趣味しとらんな〜!!このドアホ!!」

「なんじゃとぉ〜!?……ケイトぉっ!!…貴様〜〜!!」

ギャーギャー!!

「…………」

ブン!!

「!?なぁっ……避けろぉ〜ケイト!!」(ドン!!)

ズシャァっ!!

「……!?…えっ!?…お、親……方……」

コツンコツン………

「!!……親方ぁぁ───────!!!!!!!」




🎼Back Ground Music 》》》



♪〜龍が如く0より・怨魔の契り〜

コツンコツン……

「…終わりましたか?」

「……」(コクコク!)

「……ご苦労様です。…流石、私の弟子のようですね。……なかなか良い辻斬りの腕前です。……【Varisk】の主力の実力として申し分ない事でしょう……」

「………」(ヒソヒソ……)

「………ふむふむ。…そうですか。…では、あなたの主君であるお代官…【Kunizu】(クニズ)氏の護衛を引き続き頼みましたよ…」

「………」(コクコク…)

ササッ!!

「……やれやれ……どうしたものでしょうか……彼の辻斬りには毒がありますから……化膿して腫れ上がり…ジワジワと毒が全身に回って……待ち受けるものがある事でしょうに……呆気ないものです……元【Melton】の腕利きの猟師で鍛冶のスペシャリスト……厄災の男に消された、あの名のある打ち手…【Danx】にも近かった男…さらばです……」

・・・

「……はぁ…はぁ……」

「うぅ…まさか身体が動かん程の重い毒……とは……すまん…のう……ケイトや……ワシとしたことが…………」

「もう喋んなや!!……とにかく薬や!……全く…こんな事する奴に覚えがあるで!恐らくあの悪徳辻斬り…【御用見廻組】も指名手配しとる……悪名高い…女人斬り……!!」

《【Cize】(シーゼ)!!》

・・・

コツンコツン………

「ったく……やっと着いたぜ〜……」

「……【Bran】…(ブラン)意外と遅かったようですね。……何処で道草を?」

「あぁ〜【D島】から【E島】に行こうとしてたらよ〜…何か両双剣持った奴がいたから、俺の毒拳でちと眠らせてやった!」

「……やれやれ。……もう毒はしばらく使って欲しくないのですがね。…その戦い方では強さとは言わず仮初の強さ……【虚飾】の大罪の名前に相応しい…邪道の戦い方であるというのに…」

「ゴチャゴチャウルセェ!……お前は古すぎなんだよ!!…毒を使わずに《正々堂々》と相手を殺すなんざぁ〜!今時流行らな……」

ジャキッ!!

ギィーーンン!!!!

「……!?」

「……次減らず口を言うようであれば……遠慮なく首を跳ね飛ばせていただきますよ。……私は決して毒に頼らず、確実に相手を始末する剣を持っている事をお忘れですか?」

「……ヒュ〜……怖いねえ〜♪……流石、【Makiras】の元部下なだけあるようだぜ〜♪」

「……【Makiras】様を愚弄する事は万死に値しますよ……発言には謹んでいただきますように……」

「へいへい!」

スタッ!タッタッタ……

「……?どちらへ?」

「……ちょっと呼ばれてんだよ。……なんか〜…救済者を名乗るちょっと俺とも張り合える極悪人ヅラのメンツの奴らとな……」

コツンコツン………

「……救済者……ですか……ふむ。…伝承にある【救済派】……まさか、そんな都合の良い事が……」

あるんどすな〜♪ 

シュルル!!

「……!!」

ザシュッ!!

キン!!

「!?……固いっ!…?……朝顔?………一体何者ですか?…姿を現したらどうなんのですか?」

コツンコツン……

「ウフフドス〜♡…あなたさんが…【Varisk】に所属する人斬りさんの【Zeal】(ジィール)さんどすか〜?」

「……そういうあなたは……一体何者ですか?」(ギロッ!!)

「ウフフ♡そんな怖い顔しないでくださいなドス〜♡……初めまして…私…あなたさんが呟いた【救済派】に属する……【Demister】6幹部の一人【Auro】(アウロ)と申す者どす〜♪……これからあなた達のこの街の乗っ取りに協力する為に、力を貸してあ・げ・るど・す♪」(キャピン♡)

「…………」(この血の色が引いたかのように白い女が……あの【救済派】に属する……かつて《終焉ノ使徒》と呼ばれた一族の…者……)

突如、【Zeal】の前に現れた者は、色白で正気が感じられない女性の容姿をしており、腕には鉄のように強固な朝顔の蔓を伸ばし、黒のドレスと銀髪のロングヘアの前髪ぱっつん、頭には黒のヘアバンドにトレードマークなのか、黒の朝顔を装飾していた者が現れた。その者は【Demister】という昔から【終焉ノ使徒】と呼ばれており、その者の出現から、【Paradiso】の物語は一気に隠されていた真実の門の扉が、今開かれつつあった───────












《To Be Continued…→》











第14話:掃除屋兼便利屋ギルド【Hopera】この世に生を受けた意味───────
《完読クリア!!》



次の話へ進みますか?

A. はい 
B. いいえ