GiorGiaNo

 
《Paradisoシリーズ〜導かれし七人の現世人の冒険譚》

A.:GiorGia


〜第一章:白狼と誓いの儀礼刀〜


第20話:【Agente】(エージェント)【Kagoya】街の維新編 Part5 〜Finale〜  

【R・P】社ギルド諜報機関ギルドチーム【Agente】の一員【Hux・row】は、縁あって【Kagoya】の町に存在する治安維持組織───────【御用見廻組】の中でも《武力組織》と言われる集団【狼志組】に臨時として入隊となった。そして【Varisk】や【Demister】(終焉ノ使徒)等の暗躍する者達により、いよいよ京の町【Kagoya】では大きな暗雲が刻一刻と立ち込めて来ており───────維新の時代の夜明けがそこに迫っていた───────




《Capitolo・1》
物語を開始しますか?

🎼Back Ground Music 》》》



A man's life is about creating beauty. I believe so.
(男の一生は、美しさをつくるためのものだ。俺はそう信じている。)

After a day, I try to forget that day. The past doesn't mean anything to me anymore.
(一日過ぎると、その一日を忘れるようにしている。過去はもう私にとって何の意味もない。)

Toshizo Hijikata
(土方歳三)



♪〜KHより・Friends in my Heart

・・・

〜【Paradiso】歴2000年:7/9・夜方・【J島】【Kagoya】大正通り【河原木亭】〜

【Kagoya】の街一番の高さがある五重塔で【Yaeka】と【Towa】と三人でラムネを飲み、夕陽を眺める時を過ごした【Hux・row】は、その後【河原木亭】へと帰宅し、夜の仕事に備え夕食を済ませて入浴をしていた。そして今後の動きについて、湯船に浸かりながら考えに耽っていた───────

カポ〜ン♪

「…はぁ〜っ……夜から町の見廻り任務…何もなければいいんだがな〜…」

「そだね〜♪…まっ!何事もなく帰宅したら〜♪私はハクローくんとじっくりあんな事やこんな事を〜♡///」

「…って!?…はぁ〜……ベアさん……来るよな…やっぱり///」

湯船には、何処から忍び込んだのか、何故か【Beanne】が共にいた様子であった。【Hux・row】は彼女の《神出鬼没》ぶりに色々言いたくなったが、黙って湯船に浸かっている。反応が薄いのか、【Beanne】は内心つまらなそうにし、思いっきり身体に抱きつき、しがみついてきた。

「んも〜う!ハクローくぅ〜ん♡もっと私を熱くしてよぉ〜♪こ・こ・と・か♡色んな身体触ったりしてさ〜♡!///」

チャプンバシャバシャ!!

「だぁ〜っ!!///やっ!!やめろってのぉ〜っベアさん!!///…〜!?///ってぇ〜!!///あ、アンタ!!一体ど、どこ触ってるんだよぉ〜ッッ!?///」

ニギニギ…ギンギン!!

「ふぅ〜ん♡……へぇ〜♪ハクローくぅ〜ん♡///…なんだかんだでぇ〜♡…私の身体を見て興奮してるんだねぇ〜♪///……ふふ〜ん♡…えいっ♪!え〜い♪!///」(ギュッギュッ!!)

「や…やめてくれ〜!!///これから仕事なんだってのぉぉ〜〜ッッ!!」

「あ〜らぁ〜!?」

バッ!!!! バシャア!!

「……んもぉ〜う!!ノリ悪いぞ〜!ハクローく〜ん!!」(ブーブ〜!)

【Hux・row】は【Beanne】の身体を無理矢理引き剥がし、少しばかりの距離を取る。そして暫くすると肝心な本題へと入る───────

「…なぁ〜ベアさん。…話変わるけどさ。……ロベルの事だけど…この町でアイツの事を知っている人を。……【狼志組】の中で見つけたよ」

「!?……へぇ〜♪…よかったね♪…そっか♪この町にも《ルーくん》を知っている人がいたんだねぇ〜!」

「ああ。…どうやら俺達が出会ったトワさんと、その姉のような人でな、ヤエカって名前の八番隊隊長がな。……今からもう一年半も前に交流があったらしいんだ」

「……そうなんだ〜!!…トワさん…ルーくんを知ってたんだね〜♪」

「俺も驚いたよ。……それにベアさん。……【V.Prestina】をロベルに渡したんだってな。……ありがとな!!……でも、いつからロベルと知り合ったんだ?」

【Hux・row】はロベルにあった経緯を【Beanne】から聞き出そうとする。その様子に、彼女は考え込むような姿勢をしてこう答える。

「う〜ん…ルーくんとはね〜。……今からおよそ一年……9ヶ月も前だったかな〜?…確か私が【L島】に訪れていた時に【Orzen】との合同任務があってね。…その時あの子に渡したと思うよ!」

「ほへぇ〜、そんな事がな〜!……でもロベルを《ルーくん》て呼んじまって……アイツ怒らなかったか?」

「あぁ〜!すっごく怒ってたね〜!…子供の姿をしてた時の私の実年齢を知ってしまったからかなぁ〜!…急に『バカにしないでくれ!』だとか言われて剣を振り回されてさぁ〜っ♪…まあヒョイヒョイとかわしたね〜♪…でも…悪い子じゃあなかったのは確かだよ〜♪…ハクローくん!……本当にルーくんの事が好きだったんだね……!」

「ああ、当たり前だろ。…アイツは俺の自慢の…」

《生涯の…無二の友なんだからよ!!》

・・・

入浴を終えた【Hux・row】は、【Bill】【Rolan】【Linea】に対し、特に変わった様子がないか聞き取り調査を開始する───────

「……んでビル、ロラン、リーネ…特に変わった事はなかったか?」

「そうだな教官!別になんてなかったな〜!…ケイトも特にないっていってた!」「こちらもビルと同じくだ…だがな…ハクロー…」「ハクローさん…私は一つありますよ…」

「!!本当か!?どうしたんだよ…リー…ね……?」

ポロ……ポロ……

「…うぅ……ッ!!…う、うわぁあああ〜〜〜ん!!!!ハクローさ〜ん!!…あなたが無事に帰ってきてくれて…私嬉しいです〜!!///」(ダキッ!!)(ポタポタ!)

チュッ♡ギリギリギリ…

「ちょ!!り、リーネ!!離れてくれ!!って!!い、いだだだぁ〜〜ッッ!!!い、痛いって〜!!」

「も〜う!!本当に心配したんですからぁ〜〜ッ!///あの時、昼間お会いした怪しげな二人の巫女さんに連れて行かれて神隠しに遭っては、あなたがあんなことやこんな事をしてはされたりして、私の事を見捨てて…うぅ〜!…もう…!!もう二度と帰ってこないと思っちゃったんですよ〜〜!!///」(ダキィイイ!!)

「…っ!!///」(ドキッ///)(す…鋭い!…は…半分正解だ…!!まあ仮想空間の中だけど…///)

「///!?……ハクローさん…今《ドキッ!》としませんでしたか〜?」(<●><●>ジトーーッ)

「!!…気のせいだよ…気のせい!!///」

「……あ。ハクローさん!……首元に…キスの跡…付いてますよ♪」

「!?///なっ!?ま、マジか!!まさかあの時……あ。……」

「ハクローさ〜ん〜♡?<●><●>」(ニコニコゴゴゴゴ…)

【Linea】は確定的な反応をした【Hux・row】を笑顔のままじっと睨みつける。それを見ては許しを乞うように謝罪した───────

「り…リーネ……!!ごめん!この通りだ!!許してくれぇ〜〜い!!」(ダラダラ…)

「〜!!///うぅ〜〜!!///……!!も〜う!!///女難は程々にと言ったばかりの筈ですよ〜!!///も〜う!ハクローさんのばかばかばか〜!!!!!///」(プンスカ!!)

ポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカ!!

【Linea】は両手に拳を作り【Hux・row】の身体の周囲をただひたすらに小突いている。

ポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカ!!

「だぁ〜!!い、痛い痛い痛いってぇ〜リーネ〜!頼む!許してくれ〜!」

「ダメです!!///……!!もうハクローさん!!…本当にあなたという人はぁ〜!今日という今日は…!!お仕置きです!!///」(プンプン///!)(ふふ♡…でもそれでも…そんなあなたが私…大好きなんです♡…ハクローさん♡)

「はは…教官…大変だな…」「そうだなビル!!…俺達は絶対ステラを泣かせないようにしないとな!!」

「お、お前ら!!見ていないで助けてくれ!って…だぁ〜くすぐったい!!ギャハハハハ!!!」

「ウフフ♡…今度はくすぐりの刑ですよ〜♪……フフ♡…!!あはは!!」(クスクス!)

【Linea】は小突きからくすぐりに変え、【Hux・row】の身体の周辺を弄り回し、楽しんでいた。するとその光景を仲睦まじそうに見守っていた【Senno】は、微笑みを浮かべながら姿を現した───────

「あらあら〜!仲の良いお二人方ですね〜♪フフ、……ハクローさんったら〜♪ベアさんやリーネさんという《愛妻》が二人もいて、…ポリガミー♪《一夫多妻》といえば宜しいのですかね〜♪」

「あっ、セノさん!!」

「ハクローさん!今日は夜の仕事なので、早目に仮眠を取ってくださいな。……布団はあちらにご用意しております!」

「そりゃあ助かります!……ありがとうございます、セノさん!…じゃあリーネ…少し休むわ…」

「あ。……はい…ゆっくり休んでくださいね。また起こしに行きますね!」

「…分かった。いつもありがとうな…リーネ!」

ダキッ!!

「ぁ…!!///…ふふ…♡あったかいです〜♡」(ハクローさん…大好きです♡!)

・・・

「…zzz…zzz」

シャー…………

「…よく寝てるね〜♪ハクローくん♡まっ!昼間にルーくんの事を聞けたからか、なんだか嬉しそうだね〜♪」

【Beanne】は【Hux・row】の寝顔を見つめており、内心嬉しそうにしていた。しかし【Beanne】自身は、少し複雑そうな表情もしていた───────

「………っ!!」(……でもね。……ハクローくん。…そのルーくんも、ある《大きな事件》に関わってしまったからか。……奴…【G・lrof】に目をつけられて……!!消されたの!…ルーくんにとって心から信頼出来るたった一人の親友である……ハクローくん…あなただけは…今度こそ……」

ダキッ♡ チュウッ♡

《私は…必ず守り通して見せる!……一緒に戦い、勝利しましょう!……【G・lrof】に!!…私達のルーくんの仇を討つために!!》

【Beanne】は【Hux・row】の身体を優しく抱き抱える。気配を察したのか、【Hux・row】が目を覚ましてしまったようだ───────

「…ベアさん…何してんですか?」

「あ、ごめ〜ん♡ハクローく〜ん♡起こしたね〜♪」

「……全く。…え〜と…もう20時…そろそろか…」

「ふっふ〜ん♡じゃあ景気付けとして出勤前に〜♡…熱くて濃厚な《スキンシップ》しようよ〜♪チュ〜♡」

ムチュッ♡チュチュ〜♡

「だぁぁ〜ッッ!!///だ・か・ら…やめろっての〜ベアさぁ〜〜ん!!///」(ジタバタ!)

「あぁ〜ん♡そう言って満更でもないからか赤くなってるぞ〜♡///ハクローくぅ〜ん♡///」(くねくね〜♡)

ガラガラピシャ!!

【Beanne】は【Hux・row】に対し、熱いスキンシップを交わす。するとそこに静止しようと襖を勢いよく開け、灯りが灯されるとそこには頬を膨らませた【Linea】が乱入し、静止に来た様子であった───────

「うぅ〜!!///も〜う、ベアさん!!///一体何《破廉恥》でいやらしい事をしているのですか〜〜ッ!?!?…とにかくッ!!今すぐハクローさんから離れてくださぁ〜い///!」(プンプン!)

「ムムッ!?…現れたねぇ〜!!《風紀委員》担当のリーネちゃん!…で〜もぉ〜♪…ウフフ…♡」(グヘヘ…♪)

「な!?…何ですか…!?///」(タジタジ…)

「ん〜?ああっ、リーネちゃん!!…頭の上に《ご飯粒》ついてるよ〜♪」

「ええっ!?ほ、本当ですか〜!?ど…どこ?」(アタフタ…)

「隙ありッッ!!それ〜♪」

バサァ〜!!

【Beanne】は隙をつき、【Hux・row】に見せつけるかのように【Linea】の純白なスカートをたくし上げる。

「!?…き、きゃあああああ///!!!」(ブワッ!///カァ〜!///)

突然の事だったので、【Linea】は涙目になり顔を赤くして悲鳴を上げる。

「!?」(ぴ…ピンク…!?)

そこには、可愛らしく淡い桃色の下着が姿を現した。

ヒラヒラ〜♪

「へぇ〜♪今日は千夜ノ桜に因んだ、ピンクカラー〜♪なかなか可愛らしい下着だね〜♪……ほらほらハクローくん!これで今日の【狼志組】の仕事、頑張れそうだね〜♪」(ヒラヒラ〜♪)

「は、ハクローさん!!///お、お願いですから〜!!///み、見ないでくださ〜い!!///……って、ベアさん!!///スカートめくりはやめてください!!///本当にはしたない事です!!///それに《破廉恥》ですよ!!///」(ブンブン!)

「ふっふっふ〜♪…良いではないか〜♪良いではないか〜♪それそれ〜♪」(ヒラヒラ〜♪)

クルクルクルゥゥ〜♪

「ああっ!!あぁ〜れぇ〜!!///もぉ〜う、いやぁあああああっれぇ〜〜〜〜っっすぅぅ〜〜///!!!!ベっ!!ベアさぁん!!///あなたは最低です!!///変態です!!///」(ブンブン!)

「あはは、リーネちゃ〜ん♪イヤぁ〜ん♡《変態》だなんて〜♡それは私にとってご褒美…褒め言葉だよ〜♡」(ケラケラ!)

《褒めておりません!!///》

「あ…ははは…」(ロベル…俺はこうしてみんなとバカやってるよ!……大丈夫だ。……絶対にお前の分まで必ず生き残ってやる!…この名刀【Louvel】の中で生きているラルと仲良く。……この世界の行く末を見守っていてくれ!…それに、この《十手》には、千夜の意志が宿っているんだ!…だから俺達はいつも一緒だ!!共に戦おう!!)

【Hux・row】は名刀【Louvel】と蒼夜の十手を持ち、強く戦う決意を固める───────

・・・

「…よし!着替えた!!」(フンス!)

バサバサ……

「へぇ〜!?…それが制服なんだね〜♪マントはどうやら【Wear.CR】で作られていて〜♪……うん、やっぱりハクローくんはそのネイビーカラーのデジタル迷彩柄が《アイデンティティー》だからか、しっくりくるね〜!」

「…ああ!」

【Hux・row】の服装は、昼間着用していた学ランのような【狼志組】の制服に、上にはネイビーカラーのデジタル迷彩柄のマントを着用している。そして、【Beanne】に出動前の挨拶をする───────

「……じゃあベアさん。…行ってくるよ!留守にしている間…みんなを頼む!」

「まっかせなさ〜い!なってたって、…この!!

「みんなのベア姉さんだからな〜!!…本当に頼りになるぜ〜!」

「も〜う♡!私の台詞取らないでよ〜♪…でも気をつけてねハクローくん!…今回の騒動は…【Varisk】だけじゃあないと思うの…」

「ああ。……【Demister】(終焉ノ使徒)…ロウディ…アウロ…恐らくはそいつら以外の《刺客》が、この町に潜伏しているのかもしれない…」

「…そうだね。……まあ私は何事もなく、ハクローくんが無事元気な姿で帰ってきてくれたらいいから!!…じゃあ〜気をつけて行ってらっしゃい!…へへ〜ん♪」(ニコッ!)(グッ!)

「ああ!…行ってくるぜ!…ベアさん♪…ハハッ!」(ニカッ!)(グッ!)

コーン!☆

【Hux・row】と【Beanne】はお互い拳を小突き合い、挨拶を交わす。その様子から、まるで相思相愛の夫婦のように、二人には強い信頼を共に受けている様子であった。

ドーーーーン!!!!!

「!?」「!?」

するとその平穏な空気を壊すかのように、屋外の町中から、大きな轟音が鳴り響いた───────

「……な…なんだ突然!?…この音…!?まさか!?」「とにかく外へ行くよ!!ハクローくん!!」

ダダダダダ!!

突然の轟音の音の真意を確かめるために、【Hux・row】と【Beanne】は外の様子を確認した。そこには平和な【Kagoya】から、脅威を感じさせる光景が広がっていた。


・・・
・・





B. いいえ


《Capitolo・2》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF7REMAKEより〜神羅のテーマ

カンカンカン!!カンカンカン!!【Kagoya】の下町で火災が発生しました。

うわぁああ!! 火事だーー!! 逃げろぉおお!!! キャぁあああーーー!!!

「…!!火事か…!?…あそこか!?」「どうやら下町通りのようだね…町中をぼや騒ぎとは…やってくれるわねぇ…!!!」(キリキリ…!)

「きょ、教官!?さっきの音はなんだ!?…!!なっ!?町が燃えている!?」「あそこは…ケイトのいる…下町の方角だ!!」「ひ…酷いです…!!なんてことを…!?」「あ!…ああ…」(町が…また…【Kagoya】の町が…燃えて…またあの悲劇を…)(ポロッ!)

【Hux・row】一同は、火事が起こっている方角を確認した。そこには、【Keito】や【Orbin】の住む下町の方角から、火災が発生していた。警報音が鳴り響く町中で、皆がその方角を見ていた。するとそこに【Keito】からの着信が【Hux・row】の【P-Watch】から通知が知らされる。

「!!ケイトからだ!!」「ケイトちゃん!?」「ケイト!?」「無事なのか!?アイツは…」「ケイトさん!!【Orbin】さん!!…お願いです!!無事でいてください!!」「ケイトさん…」

【Hux・row】(ケイト!!…無事か!?)

【Keito】(ああ!ハクローはん…ウチはゲホッ!…大丈夫や!…せやけど…親方がな…うぅ…!!)

【Hux・row】(!!【Orbin】さんが何かあったのか!?)

【Keito】(実は…突然家が燃えてなぁ…家の下敷きになってもうたんや…それに煙を吸い過ぎたからか…まともに息が吸えんくて…もうおそらく親方は助からん!!…そして…私に早く逃げろと言って逃がしてくれたんや…グスッ!!…うぅ…すんまへんなぁ…ほんまに…!!)

【Hux・row】(!!…【Orbin】…さん…!!…くそっ!!……分かった!!…ケイト!…今どこにいるんだ!?)

【Keito】(…今は下町からやっと出れたところや!…せやけどな…思った以上に真・ユートピア創造士隊の動きが活発でな…大正通りになかなかいけんくて困っとるんや…)

【Hux・row】(分かった!!…待ってろ!!すぐに迎えに行く!!…無事でいろよ!!)

【Keito】(頼んだで…!!ハクローはん…みんなも気いつけてな…)

プチッ!

【Hux・row】は通信を終え、手に持っていた名刀【Louvel】を握りしめていた。

「……ふざけやがって…!!…誰がこんな事を…!!!」(ギリギリ…)「ハクローくん…」「…教官…」「ハクロー…」「ハクローさん…!!くっ!!」「ハクローさん…」

【Hux・row】の怒りに震えた様子を【Beanne】【Bill】【Rolan】【Linea】【Senno】はじっと見つめていた。するとそこに一人の者が【河原木亭】を訪ねてきた。

ピィーーー!!…タッタッタ…

「ハクロー!!無事か!?」

「っ!!トワさん!?」「あ、トワさん!」「誰だ?」「この服装…まさか!?」「狼志組のトワさん!!」「あら!狼志組の!?」

そこには【狼志組】の【Towa】が【河原木亭】へ顔を出す。すると、【Hux・row】の手を引いては、このように言った。

「とにかく一緒に来てくれるか!?…今【狼志組】は…大変な事態が起こっているんだ!!」

「!!…くそ!!分かった!!やむを得ん!!…ビル!!リーネ!!…代わりにケイトを迎えに行ってくれるか!?」

「…おう!!任せろ教官!!」「わかりました!!私も全力を尽くします!!【Orubin】さんのことも気がかりですし、任せてください!!」

「ベアさん!!…ロラン!!…セノさんを頼んだぞ!!」

「任せて!!」「…了解した!!」「お気をつけて!!」

タッタッタタッタ…

「また…悲劇が起ころうとしているんですね…この町に…」「大丈夫!!絶対にあの子達がなんとかするから!!」「頼んだぞ!ハクロー…ビル…リーネ…!!」

・・・

〜【Kagoya】大正通り周辺・【Hux・row】・【Towa】〜

「!!な…なんだって…【Sogami】(ソガミ)一番隊隊長が…!!」

「…ああ。…先程下町通り周辺で…昇華して。………周辺には敵襲を仕掛けてきた者達の焼死体を残し……そのまま魂の塵になって……!!くっ!!」

【Towa】の表情は、明らかに危機に瀕している表情をしていた。古参の中でも最も実力のある一番隊隊長【Sogami】が殉職したという事実は【狼志隊】にとっても致命的であるという事は過言ではない様子だった。

バチバチバチ………

「くそっ!!…町中は大炎上中……か。…一体どうなっているんだ!!…ヤエカさんは無事なのか!?」

「今は別行動中だ!!…だけど、ヤエカ姐さんなら大丈夫だと。……そう祈るしかないさ!」

「ああ。ヤエカさんは俺達以上にすげえ強いからな〜!!…大丈夫だ。…あの人必ず、好きなアンタさんの所へ必ず笑って戻ってくるよ…きっと!」

「…そうだな。…ありがとう…ハクロー!!」

タッタッタ…

・・・



🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ゼルダの伝説:スカイウォードソードより〜ギラヒムのテーマ

〜その頃【Kagoya】千夜ノ桜通り【千夜ノ桜】〜

「かはっ!!…くっ!!何故!?…斬ったのに…治癒して…再生するなんて…!!あなた達…まさか…!?」

「ハー〜ッハッハッッ!…そうだよ!!…これはハクローくんの仲間のあの娘……リーネの治癒能力さ!!…そして…」

「あんたはんの妹代わりである【Towa】さん……その人の隠れ持った【Fiducia】を余す事もなく頂く事で…遂に完成するんどすよ〜♪…完全なる救済に必要な絶対的治療能力……自称《治癒再生能力》がどす♪…で・も♡……」

「ハクローくんと同じ探知系能力を持ち。我々の計画の邪魔立てをする君は。……特に用はないから。……ここで《用済み》さ…」

「…くっ!?」(な…なんて…強さなの!?…侮っていたわ!…コイツらが…局長や副長の言っていた……【Demister】(終焉ノ使徒)!!)

・・・
・・


〜時は戻り【Kagoya】千夜ノ桜通り【千夜ノ桜】〜

「…!?【Sogami】一番隊隊長が…!?」

「はい!どうやら先程息を引き取ったとの連絡が。……ですが、それだけではありません!」

「!!…まだ何か…!?」

【狼志隊】の【Yaeka】の部下が重々しくこう告げた。

「…どうやら…五番隊の【Akill】殿が裏切ったとの情報です!今九番隊隊長の【Kyusaku】殿が、粛清の為に向かわれたとの事です!」

「!!…そう分かったわ。…ありがとう。…気をつけて行きなさい!…【Towa】十番隊隊長の事を頼むわね!」

「ハッ!!」

タッタッタ!!!

〜♪

シュルル!!…ガシィッ!!

「…!!…うぉあ!?」

ギュギュ〜!!!!

「!!な、何!?…朝顔!?」

突如地面から朝顔の蔓が伸び、隊員の身体を拘束する。そして無慈悲に宙へと打ち上げられる。隊員はもがくも四肢を力強く締め上げられており、自力での脱出が不可能な状態であった。

「ぐっ!?くるし…!!」(ジタバタ!!)

「…っ!!待っていなさい!!すぐに助け…!!」

メキッ!!…グキリ!…ズシャアア!!!…サラサラサラ…!!

拘束された隊員は在らぬ方向に身体をねじ込められ、ガラスが割れるような亀裂の入る甲高い音を立てつつ魂の残渣物が飛散する。更にその周囲には鞭のナイフが身体中に突き刺さり、無慈悲かつ残忍な殺意で隊員の息の根を止めた。隊員は儚く魂の塵と成り果て、風に舞って消えてしまった───────

サラサラ………

「……なんて……事を…!!出てきなさい!!そこに居るんでしょ!?」(キッ!!チャキッ!!)

シュン!!

「ハーッハハハハッッ!!…やあ。…初めましてだね、ヤエカさん」 

「ウフフ♡…綺麗な方ドスえ〜♪…で・も♡…あまり強気な女は私…タイプじゃあないんどす♡」

「!!…あ、アンタ達!!…一体何者なの!?…よくも私達の隊員を…!!絶対に許さないわよ!!!」(ギロッ!!)

【Yaeka】の前に現れたのは【Demister】(終焉ノ使徒)の【Rowdy】と【Auro】であった。二人はまるで挑発するかのようにこう言い放つ。

「ん〜〜んっ。…僕は君みたいな野蛮な女の人に名乗る事はないね〜。……ただ…」「私達はあなたが大切にしてる妹代わりの【Towa】さんに用があるんどすなぁ〜♡」

「!!…ふざけないで!!…もし【Towa】に指一本でも触れたら……絶対に許さないわよ!!……よ〜く分かったわ。……アンタ達二人は…この【桜花月輪刀】で叩き斬られたいようね!!」(クワッ!!)

【Yaeka】は【Towa】を守る為、更に強い敵意を曝け出し【Rowdy】と【Auro】の二人を睨みつける。それを嘲笑うかのように【Rowdy】が立ち塞がった。

「はぁ…やれやれ仕方ない。…どうしても僕達の救済の邪魔をするようだね…じゃあ仕方ない…今回は女とはいえど…《実力》で排除させてもらおうとするかな。……【Auro】…ここは僕が彼女の相手をするから、君は【Towa】を追っていてくれるかな〜?」

「よろしいどす♪…ほな…また後程…♪」

シュルルル!!

「!!待ちなさい!!…!!」

キィイイン!!!

「くっ!!…刀…いやサーベル!?」

【Rowdy】はサーベルを巧みに使い、彼女の行手を阻みつつ、黒ずんだダークブルの瞳を彼女に対して見つめ、試すかのようにこう言い放つ───────

「君もどうやらハクローくんと……そして彼との関わりが深い。…今から二ヶ月前に引導を渡された僕達の脅威とも言える力を持つ。…あの名のある刀の持ち主だった《騎士団長》とも面識があるようだね〜!…どうかなぁ〜?……合理的にこうは考えてみないかな?…彼らが大切にしている《誰かを守り抜きたいという信念》…それを受け継ぎ。……あの悲劇に巻き込まれた《彼女》の供養の為にも。…君は…僕達の救済を手助けする仲間になってみないかな〜?…きっと。……天国に行けた気持ちになって。…その汚れた心が救われるはずだからね〜♪…フフ……フフフフフフ………」

【Rowdy】は救済者にでもなったかのような言葉を言い放つ。しかし彼女にとって、それはただ《現実逃避》をするだけで自らを下に見て愚弄しているのだと認知している【Yaeka】は、相手に対する怒りを押し殺し、普段の振る舞いをして闘志を引き出すも、隠しきれないドス黒い殺意をも見せつけていた。

「…そろそろいい加減にしなさ〜い♪…キザな救済者気取りの偽善者く〜ん♪……何も知らない癖して知ったかするようなその、反吐の出る減らず口……容赦も無く、躊躇もせず、根こそぎ叩き斬ってあげるわねぇ〜♪」(ニコニコゴゴゴゴ…)

ズズズズズ………

「…へぇ〜!」(予想通り……彼女からは計り知れない闇を感じるね〜!これなら。…ハ〜ッハッハ!!…いい研究材料だよ…本当に!!)

キィン!!

「っ!!」(!!…力負けした!?…私が…!?)

【Rowdy】は鍔迫り合いをしていたサーベルを力強く押し出し、易々と【Yaeka】を後ろへと追いやった。ひとまずサーベルを転移させ、彼の《十八番》なのか、《ナルシシスト》気取りに両手を水平にして宣言した───────

「さて…【狼志組】八番隊隊長【Yaeka】…君の実力がどれ程のものなのか…!!見せてもらおうかな〜…」

「…ええ。…上等よ。……!!来なさい!!…絶対に吐かせてやるわ。…アンタが一体……!!何を知っているのかをね!!」


【Demister】(終焉ノ使徒6幹部)

      【Rowdy】



🎼Back Ground Music 》》》



〜♪ゼルダの伝説:スカイウォードソードより〜ギラヒム戦・その2

「はぁッッ!!」(ブン!!)

「よっと!」

「っ!!ちょこまかと!!…!!そこっ!!」

ブンッ!!

キィッン!!

「…!?」(う、受け止めた!?真剣を素手で!?…嘘…!?)

「ふふふ。……その程度かな〜?…ハァッ!!!」(ブン!!)

「ああっ!!」

ドゴーーーーン!!!

【Yaeka】 ランクA
【♡♡♡♡♡♡♡】
ーーーー

【Rowdy】は【Yaeka】の放った一振りを容易く受け止め、持ち上げるとそのまま地面へ叩きつける。しかし、【Yaeka】は怯む事なく【Rowdy】に立ち向かう。

ガシャーーン!!!

「ハァッ!!」

ブン! ブォン!! キィーーン!!

ギリギリ……

「…今のは。……そうか!…君…ハクローくんと同じ《探知系統》の能力とはね〜!!」

「アンタこそ。…まるで【導き人】のオーラルさんみたいに、怪力バカ力のようね〜♪……【導き人】と対抗している種族がいるとは聞いているけど…まさか、あなた達が……」


【Yaeka】 ランクA
【♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー
探知能力が発動しています。


「そのまさかさ!…僕達がこの世界を傍観している忌まわしい【導き人】を排除し、この世に救済を齎(もたら)す一族…【Demister】(デミスター)(終焉ノ使徒)と。…そう呼べばわかるかな〜?」

「…言ってくれるわね。…この程度で、あの天下の【導き人】に勝てるとでも思っているのかしら〜?……自分に酔うのはそこまでにしておきなさい…!!ハァッ!!」

シュッ!!

「!!…へぇ〜…僕のように姿を消したか。…となると…フフッ!……これでどうかな〜?…ハァッ!!」

ジャララ……

【Rowdy】は徐に転移能力を発動し、武器を変えた。それは《ナイフの鞭》であった。

「ふふ〜んっ♪……!!ハァッッ!!!」

シュルル!!ガシッ!!…ザシュザシュザシュ!!

「あぐっ!!…うぅ…!!くっ!!」

それを使い、身を潜めた【Yaeka】の身体を容易く拘束し、ナイフを突き刺した。力強く鞭は締め上げられ【Yaeka】は解こうとするがびくともせず、無慈悲に傷口へと深く突き刺さっていく。

ギリギリギリ……!!

「あぐぅ!!…ッ!!…ナイフの鞭とは…やってくれたわね!!…どうやら女の扱いが下手なのね〜♪…ロウディボーイは…」(ギリギリギリギリ…)


【Yaeka】 ランクA
【♡♡♡♡♡】
ーーー
探知能力が発動しています。

「ハ〜ッハッハ!…【Auro】からも言われるね〜♪!…でも君、まだまま余裕そうだね〜♪……君や、《彼女》の供養の為にも………」

ゴゴゴゴゴゴ………

「!?」(空気が…!!変わった!?)

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ゼルダの伝説・スカイウォードソードより〜ギラヒム戦・最終戦

そろそろ君に《終焉》を迎え…終わらせてあげようかな〜?

シュッ!!

「!!消え…!?」

ザシュ!! ブシャッ!! グサッ!! ザシュ!!

「ああうっ!!」

「まだだよ。…ハァッッ!!」

ズシャアア!!!

「!!ぐっ!!…あああっ!!!」

【Yaeka】 ランクA
【♡】
ーーー
魂の残量が残り僅かです。補充してください!

【Rowdy】は転移能力を使い、拘束した【Yaeka】を四方八方に斬りつけていき、とどめに頭上から、肩に深くサーベルを突き刺した。そして魂の残量を確認し、初の危機感を感じていた。

ピコン♪ ピコン♪

「!!」(…くっ!!…まずい…!!)

「へぇ〜。……僕自身が編み出し…考えた処刑法を味わっても…まだ魂の残量が残るものなんだね〜!…実にいい研究結果が出そうだよ」

《【狂人宴】(きょうじんえん)》

サラサラサラ〜……

「うぅっ!!…かはっ!!……!!なろおおっ!!!」

ガシャーーン!!!!

「!?」(なぁっ!?)

リィーーン♪…【冥鐘】

…ズシャアア!!!

「ぐっ!!」

【Yaeka】は無理矢理にも【Rowdy】のナイフの鞭の拘束を力付くで解き放ち、大業物の《桜花月輪刀》で【冥鐘】を利用し、力の限りを尽くして【Rowdy】の身体を深く斬り裂く。魂の残渣物が流れる中で彼女は、最大限の覇気を込めて宣言した───────

「あまり見くびらないでちょうだい!!!…アンタなんかに…!!私は負けない!!!」(チャキッ!)

ツ〜………

「…へぇ〜!…でも残念だったね…ハァァァッッ!!」

キィイイーン…!!

「!!き…傷が…治って…!?ああっ!!」(ギリギリ!!)

【Yaeka】の身体から突然巨大な植物の蔦が伸び、身体を拘束する。その背後には【Auro】が待ち構えていた。

コツンコツン♪

「ウフフ♡流石…リーネさんの能力どすな〜♪あ〜素晴らしいわ〜♡…またお礼にこの植物の蔦で捕らえて…た〜っぷり♪快楽浸けにして可愛がってあげるどす〜♡……無論、あなたの妹代わりの娘・さ・んもドス♪」

「!?…アンタは…さっきの…!!」

「よそ見とは随分余裕なんだね〜♪」

バキィッ!!


・・・


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ゼルダの伝説:スカイウォードソードより〜ギラヒムのテーマ

〜時は戻り───────【Kagoya】千夜ノ桜通り【千夜ノ桜】〜

ジタバタ!!!

「ぐっ!!……アンタら…トワに指一本でも触れたら殺すわよ!!」

【Yaeka】は【Auro】が召喚した朝顔の蔓に拘束され、身動きが取れなくなっていた。その目を見て安心して落ち着かせるような気持ちで【Auro】は挑発的な発言をし、【Rowdy】に話しかけた。

「ウフフ♡…大丈夫…トワさんはちゃあ〜んと…責任を持って可愛がってあげるから心配しないで欲しいどす〜♡…では【Rowdy】♪…あれ…試してみますどすか?」

「…!?」

「む〜ん〜…そうだねぇ〜。……この女性が抱え込んでいる心に潜む《闇》。……垣間見れた事だし。…まあ素養はあるかな〜?……まあ大丈夫だよ、ヤエカさん。……君なら《彼女》の他に。……流産した妹さんの分まで強く…長く生きる事が出来る身体にしてあげるから。……この町の《救済者》になってもらう為に……この…【J.viras】(ジェルノ・バイラス)を埋め込まれ、その義務を果たしてもらうかな〜……フフフ…」(ニヤ!)

「…!!…なっ!?」(ゾクッ!!)

「ウフフ♡……《睡蓮》をこよなく愛しとった《彼女》の分まで。…今度は…あなたが美しい《桜》の花に生まれ変わり。……この町の象徴になると幸いどす〜♪…ではしばしのおやすみどす…」(サッ!)

「!!…くっ…」

ぐったり………

【Auro】は睡眠作用の強い花を【Yaeka】の鼻に近づけ眠らせる。その間に【Rowdy】は、【J.viras】と呼ばれる名のある薬品が入った注射器にて【Yaeka】の魂の身体へと射し、的確に注入していく───────

ドクン…ドクン……ドクン…ドクン……

「……!!!!!」

グリュゴジュ…ジャキーン!!!

【J.viras】を注入された【Yaeka】の魂の身体は次第に変化し、みるみる内に大きな桜の木と成り果て、仮面を付けた六本の刀を持つ怪物へと変貌する───────

「ん〜。……悪くないね。まあ名付けるのなら…【桜の巫女】(Sacerdotessa delle ciliegie)と言えばいいかな〜?」

「でも結局トワさんの情報は聞けなかったようどすな〜…【Rowdy】どうしますの?」

「大丈夫さ。……こうしておけば必ず会える。…あのハクローくんがいる限り、なんとかなるよ。…きっとね…フフ……フフフフ……」

・・・

〜その頃【Kagoya】下町通り周辺・【Bill】・【Linea】〜

タッタッタ!!!

「ハァ…ハァ……!!ケイトぉ〜!!何処にいるんだ〜!!」「ケイトさ〜ん!!……!?ああっ!!」 

【Bill】と【Linea】は水深の深い川の水門周辺を探していた。するとそこに、見覚えのある亜麻色がかったピンクに近い髪色の小柄な少女が姿を現した───────

タッタッタ!!!

「おおっ!お二人さぁ〜ん!!ようやく探したで〜!!」

「ケイト!やっと見つけた!!」「無事で良かったです!…でも【Orbin】さんは…」

「…今はそんな事を考えても埒があかん!!…とにかく今はこの騒ぎをどうにかせんと!!」

ブクブクブク…

「そうだ!…とにかくどうにかしないと!!……!?」「えっ!な、何!?」「……こりゃあ〜早速招かざるお客さんが来たようやで〜!!!」


🎼Back Ground Music 》》》



〜♪P5Sより〜Blooming Villian-Scramble-

ザバアアアン!!!!

「!!い、一体な、なんなんですかっ!?」「ありゃあ〜タコ!!…しかもメカかいな!?」「!!な、き、機械だ!!…となればアイツしかいないッ!!」

突然水深の深い川の中から、不気味に足が蠢(うごめ)く機械のボディーが姿を現す。そして【Bill】にとっては、聞き覚えのある男の声が声高らかに聞こえてきた───────

ウネウネ〜……

「ワーーーーッハハハハハッッ!!!久しぶりだな〜!!重犯罪者【Bill】よ!!…どうかな〜!?この【Meta・lucan】(メタ・ルカン)の技術で開発されたタコ型のメカは〜!?」

「やっぱりお前か!?ペルガ!!!」

「き、貴様ぁ〜!!…呼び捨てにするなと前にも言ったはずだ!!」

三人の前に立ち塞がってきたのは、今度はタコ型のメカを操縦するペルガであった。すると男は、何やらバーゲンセールで目欲しい物に注目する主婦のように【Linea】の姿を見て美貌に惹かれたのか、視線を合わせる。

「まあいい。……それにそこにいるのは……〜♡!!クックック!!これは実になんとも運がいいんだ〜ッッ!!【Dail】邸に勤めていた麗しきふくよかメイド【Linea】(リーネア)がそこにいるじゃあないのか!…グフフ…なかなか可愛いルックスの《Mademoiselle(マドモアゼル※フランス語で未婚女性に対する敬称。主に令嬢・お嬢という意味で用いられる。)》だ!……実に素晴らしい身体付きだ〜!!///…本当…お持ち帰りしたいくらいになぁ〜♪///」(ニタァ〜!)

彼は【Linea】の姿をマジマジと見つめ、どうやら彼女の美貌の虜になっていた様子であった───────

「〜!?///…だ、誰ですかっ!?…それに一体なんなんですかあなたは!?……道を通さないつもりなら容赦はしませんよ!!…ご覚悟をッッ!!」(チャキッ!)

「往生しいや!!ウチらは急いでんねん!!あとリーネはんをあんまり怒らすなや〜!!怒ると怖いんやで〜リーネはんは〜!」(チャキッ!)

【Linea】と【Keito】はペルガを睨みつける。すると、彼にとって憎むべきもう一人宿敵である者の名を口に出す。

「む?…そういえば【Hux・row】の馬鹿元より《バッカロー》は何処にいるんだ!?今日こそはコイツでリベンジと行こうと思ったのだが…」

「教官は今忙しいんだ!!お前みたいな《馬鹿》と付き合っていられないんだ!!…俺達が!!」

「相手をします!!…よくもハクローさんの悪口を……!!絶対に許しませんよっ!!!」(キッ!!)

「後悔するんやな〜!」(キッ!!)

三人はペルガを睨みつける。相手は戦況を余裕そうに見ており、自身ありげにこう答えた。

「…そうか逃げたか。…なら丁度いい!………ならばそこのか弱い娘。……《マドモアゼル・リーネ》を貰い受けるッッ!!…そりゃあ!!」

シュルル!! ガシッ!!

「キャッ!!///!?…い、いやっ!!///離しっ!!///…!!ああぁ〜〜っ!!///」(ジタバタ!)

ペルガはタコ型のメカの足を巧みに操作し、【Linea】の身体を容易く拘束した。振り解こうにも、メカの力に敵わず、宙を舞った。

「ぐふふふ!【Dail】邸の主が気にいるだけの事はあるようだ、な〜ハッハッハ〜♪…誠に上玉な体つきだ〜♪…これは高く売れるぞ!!…ほぉ〜♡ピンクの下着とはな〜なかなか大胆だ…///」(ポッ!!///)

「〜!!///はっ!!…離してくだ!!…い、いやっ///…!!だ…ダメェ!!そんな所…み、見ないでください〜!!///」(もう///…!!何で私はいつもこんな目に〜…///)

「ふふふ。…おまけに感じやすい娘とはな!こりゃあ丁度いい!…ここでたっぷり可愛がって…!!」

「はぁぁっ……!!ダァァッ!!」(ダダダッ!!)

バキィッ!!

「なぁっ!?…!!なぁにいい!!??」

【Bill】は早急にメカタコの足に捕獲されている【Linea】を救出する為、《肉体強化能力》を使用し、重い飛び膝蹴りで相手の足を狙って破壊する。無惨にも砕け散ったボディーの破片と同時に彼女の身体が降ってきた───────

ヒュ〜〜〜ン………

「きゃああああ!!……うっ!?」

「よっと!だ、大丈夫かリーネ!?」(ダキッ!)

「は…はい…///ビルさん。…お陰様で助かりました!…でも…〜!!///もう嫌なんですよ〜!!こんないやらしい目に遭うのは〜…///」(しくしく…)

【Linea】は無事に難を逃れる。それをよく思わなかったペルガは激昂した様子で【Bill】を睨みつける。

「重犯罪者【Bill】…貴様ぁ〜!!!よくも!!……女を渡せ〜〜!!…!!」

ドカーーーン!!!

「グハァっ!!……なぁっ!?爆弾型の矢…だと!?」

「一体どっちがお縄者なんや〜?…全くペルガやっけか〜自分?…ホンマいやらしいやっちゃな〜!…いい加減にしとかんと…………!!」

《足元掬われんでぇ〜!!…ウチがハクローはんの代わりに成敗したるさかいに覚悟しいや〜!!》

グルルルルrr…………!!グォーーーーッッ!!!!!

「!?」(く……熊……だと……)

「!?」(け…ケイト…さん…)「ケイト…!?」(なんか……熊が見えるッ!!………小さな《大巨人》みたいだ、ケイト!!)

【Keito】は有らん限りのオーラを相手にぶつける。彼女の背後には、生前両親と彼女自身が命を脅かされた現世《北海道》で生息していた哺乳類の中でも獰猛さが極めてトップクラスの巨大動物《羆(ひぐま)》を引き連れているかのような凄まじい剣幕と眼光で相手を睨みを威嚇する。そして一同に言い放つ───────

「ほな行くで〜自分ら!!」

「!!…おうッ!!」「は、はい!ケイトさん!!」

【Keito】の鼓舞によって団結した二人は、敵対するペルガを睨みつける。彼女自身、大切な仲間である【Linea】を傷つけられた怒りは相当なものであると思われる。その威勢に押されそうになるペルガは、気持ちを切り替え怯む事もなく悪人として立ち塞がる。

「くそぉ〜貴様らぁ〜!!…精々後悔するがいいっ!!何としてでもそのリーネを手中に納め、私は《地位奪還》を図るのだ〜!!」

「そんな夢!!この拳で終わらせてやる!!」「私も!…絶対にあなたを許しません!!《人身売買》なんてもの…もってのほかです!!」「覚悟しいや〜ペルガ〜!!リーネはんを虐めて苦しめた罪は重いで〜!!」(ギロッ!!)

「ふっふっふ!……ほざけ〜!!……はぁ!!」

ブン!!

「!!避けて!!」「くっ!!」「ちぃっ!!」

「ふっははは!!どうだ近づけまい!!…!?」

「り…リーネ!?」「リーネはん!!…うぉ〜っ!!空高く飛んでるな〜!!」(ほえ〜!)

「…なん…だと…」

「いやらしいことをしては人を蹴落とす最低な悪者は…!!この私が断じて許しません!!!…はぁ!!!」

《【天日輪槍術】一ノ槍【夜月槍】(やつきそう)》

ブォン!!!

バキィイイ!!

「なあ!!脳天を貫いただと!!」

【Linea】の放った必殺の一撃がペルガに襲いかかる。しかし彼女はそれでも休む事もなく、更に追撃を仕掛けていく。

バキャッ!!バキッ!!

「さあ次でトドメですっ!!そんな《卑猥》な機械!!今すぐに破壊します!!!」(キッ!!)

「くっ!!させるか!!その豊満なボディをまた捕らえてやる!!…はぁっ!!」

ウネウネ…シュルル!!…スパンスパン!!!

「!!なっ……斬り裂いた!?…まるでかまいたちのように…」

【Linea】は能力を使い、薙刀に魂を補填して強化を施し、真空波を飛ばしてメカタコの足を斬り捨てる。

「もうそんなものは通用しませんよ!!覚悟しなさい!!!…やあぁああ!!!」

そして確実にとどめを刺す為、豪快に薙刀を振りかぶった。

【Linea】 ランクE
【♡♡♡♡♡】
ーー
武器に魂を補填して強化しました。

ブン!!

パキョーーーン!!! ガタガタ!!

「ぐぐっ!!…おのれぇ〜〜!!!これでもか!!」

シュルル!!…ビリビリ!!

「なっ!?……!!いやぁああああっ!!」(ビリビリ!)

【Linea】 ランクE
【♡♡♡♡♡】
ーーー

「り…リーネ!?」「で、電撃責めやとぉ〜!!…アイツ〜!!女相手にも躊躇なく感電させるとは…やってくれるやないか!!」 

ペルガは、タコの足に備えていた放電装置を作動し、《スタンガン》のようにリーネの身体を感電させる。その後、複数の機械のタコの足に再び身体に巻きつかせ、彼女を捕らえ、拘束させられる。

シュルル!!ガシッ!!

「ぐふふ!!…よし捕まえたぞ!!貴様に複数絡み付いたメカのタコの足を万力のように更に締め上げて楽しませてくれるぞ〜!!」

ギリギリギリギリ…

「…!!い、いやっ……///!!……は、離しッ!!あ…あぐうっ♡!!///……痛ぃっ!!…く!…くる…しい……!!///……だ、だめええ〜〜っ!!///……!!やめっ!!…くっ!…あぅう!///…んっ!…んん〜〜ぅ!!///」(ポロポロ…)(ジタバタ!!ブンブン!!)(もう…もう!!…い、いやぁああああ!!///)

【Linea】 ランクE
【♡♡♡】
ーーー

【Linea】は再びペルガの魔の手に捕まり、機械のタコの足に力強く締め上げられる。苦悶の表情をする彼女は涙を流し、顔を紅潮させていた。すかさずペルガは捕らえた【Linea】をコックピット付近に近づけると、交渉するかのように話しかける。

「ぐっふふ!どうだ参ったか〜?う〜ん!…なかなかいい顔だ!!///…さぞ苦しいだろう?…私と一緒に来るのなら離してやっても構わんぞ!!」

「ふ!!…ふざけ…ないでくだ…さ!!///ああっ♡!!あうううぅ……///…あ…あなたの…よう…な…くっ!!///…こんなひどくて…いやらしいことをする最低な人…なんかとお断りし…ます!…絶対に…あな…たを…私は許しません!!!!」(ギリギリギリギリ…)(キッ!!)

「…ほう…ならもう少し追加して締め上げて苦しめさせてやるとするか…ククク!」

シュルル!…ギュウゥウ…!!!!!

「!!ああ〜っ♡!!///んっ!?ああ〜〜んっ♡!!///…くっ!!…いい加減にしてください!!……こんなものに…屈しませ!!…あぐっ!!ぐぅぅ……ッ!!///」(ギリギリギリギリ…)(キッ!!)

【Lunea】は締め上げられようとも反抗的な目でペルガを睨みつける。するとペルガは再び攻撃に移ろうとしていた。

「ふふふ…まだ抵抗するか〜♪…ならば仕方ないな…更に電撃を食らわせて解らせてや…!!ぬっ!!」

「うぉおおお!!!それ以上リーネをいじめるなあああっ!!!」「もう許さへんでぇ〜!!!こんの《ド変態ペルガ》あああ!!!…リーネはんに対してセクハラした事…後悔しいやぁ!!!!!」(ゴゴゴゴ…)

《リュウイチ我流空手拳術・一の心技【白虎剛気拳】》

【Bill】 ランクE
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
腕に肉体強化を施しました。

《ケイト流弓術・一本矢【ライフルアロー】!!》

【Keito】 ランク D
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
スナイパー能力を発動しました。

「ウォラあああああ!!!!!」「はあああああ!!!!」

バァーーーーーン…

ヒィーーン…………!!!

《チュドォォーーーーン!!!》

「な…何ぃいいい!!??……う、うぉわーーーーー!!!!」(ヒューーン!!)

「!!きゃああああああ!!!!!あ〜〜〜れ〜〜〜!!!」(ヒューーーン!!)

ヒューーーン!!!! キラーーン☆ キラーーン☆

「やったか!?…って…あああ〜〜!!!リーネも一緒に吹っ飛んでいったーーーー!!!」「あか〜ん!こらあかんで〜!!…ウチもついペルガのセクハラにリーネはんが苦しそうに耐えていたから、どうしてもあのアホを許せんかったからつい熱くなってもうたわ〜!!!とにかくビル!!リーネはんを追うで!!」

ダダダダダダダ…

【Bill】 ランクE
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
戦果ポイントが加算されました。次のランクアップまであと※※※※※です。


【Keito】 ランク D
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
戦果ポイントが加算されました。次のランクアップまであと※※※※※です。

・・・
・・




B. いいえ


《Capitolo・3》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜P5Sより・京都ジェイル

〜【Paradiso】歴2000年7/9・夜方・【J島】【Kagoya】京ノ通り・【Hux・row】・【Towa】サイド〜

ざわ……ざわ……

「よ〜し!!何とか住民を避難させたな〜!」「ご苦労だったなハクロー。…幸いここは火が燃え移っていないようだ。…とりあえずはここで住民を避難させておこう!」

【Hux・row】と【Towa】の二人は住民を避難させていた。すると一人の住民が怪我をしていた。

「ぐぁあああ!!!…くっ!!足が…!!」

「…!!」「大丈夫か!?…見せてくれないか…!!火傷の裂傷のようだな…治療する!」

キィイイン!!

「!!…な、治った!…あ、ありがとうございます【狼志組】のお方!!」

「へぇ〜!トワさんも傷を治せるのか!?なんかリーネみたいだな!!」「別に驚くことでもないさ、ハクロー。……僕の【Fiducia】は治療とかではなく、ただの《修復能力》なんだ!これくらいは出来て当たり前だ…///」

【Towa】 ランクA
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー

【Towa】は頬を赤く染め、満更でもない様子で返答する。すると一人の【Kagoya】の住人の者が声を掛けてきた。

タッタッタ!!

「…ああ〜トワちゃん!!…いたいた!…聞いておくれや!!」

「ん?…ああ、ばあさん!?どうしたんですか?」

「いや実はの、誰かがな…アンタんとこのヤエカちゃんをな。……《千夜ノ桜通り》でなんか誰かと戦っていたところを見かけたと言っておってな!!」

「!!…本当なのか!?」

「ヤエカさんが…相手の特徴とか分かるか?」

「いんや…遠目じゃったからの…よく分からなかったそうだよ…でも確かな事らしいのじゃ…」

「…どうする?…ハクロー?」

「……」

【Hux・row】は熟考した。そして自分にとって最善の答えを答えた。

「…俺が行ってみるよ!…トワさんは引き続き、ここに避難させている怪我人の人命救助を頼めるか?」

「!!…私も一緒に行くぞ!!」

「いや、だめだ!…アンタの能力は本物だ!…この火災だからまだここに誰かが運ばれてくるだろう!治療が出来る人がここにいると心強い!…それに…」

「?…それに?」(首かしげ?)

【Hux・row】は【Towa】の顔を見て、頬を赤らめてはこう話す。

「…アンタが…もし行って…何かあれば…俺は凄く心配だからだ。……!!///…だから俺が行くよ!…必ず…アンタの元にヤエカさんと一所に帰ってくるから…頼む!///」

「!?///……ははっ///…分かったよ…待ってる!…だけど……必ずヤエカ姐さんを迎えに行っておくれよ///」

「ああ!…約束する!!…じゃ!行ってくるわ…!!」(ビシっ!)

「……気をつけて行くのだぞ。……ハクロー///」」

「…ああ!!」

タッタッタ…

・・・
・・



〜【Kagoya】夜方・千夜ノ桜通り・千夜ノ桜広場〜

「着いたな。…ここで一体何が…でも不自然にも静かすぎる。…ヤエカさん…もう撤退したのか?」

【Hux・row】は周囲を探索したが、特に変わった用もなく、【Yaeka】はもう撤退したものだと感じていた。しかし、その沈黙を壊すかのように一人の男の笑い声が聞こえてきた───────


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ゼルダの伝説・スカイウォードソードより〜ギラヒムのテーマ

ハー〜ッハッハ!!

「!!…この声…まさか!!…………ロウディ!!コソコソ隠れていないで……!!出てきやがれぇぇ!!」

シュンッ!!

「ふぅ〜。…もう少し穏便に呼べないものかね〜。……君は本当に相変わらずのようだね〜…」

「!!…お前…まだこの町にいたのか!!…この【Kagoya】の町を焼き払ったのは…お前らかぁ!!!???」

【Hux・row】の呼ぶ声に反応したのか【Rowdy】はすかさず現れると手を水平にし、首を横に振った───────

「う〜ん…半分正解でそうではないかな…!!」

シュンッ!!

「!!くそっ!!どこ行きやがった!?………後ろだろ?」

チャキッ!

「ご名答!…全く人が喋っている時に振りかぶらないでほしいね〜…それに…君の持つその名刀【Louvel】…刀を折られては新しい刃を入れたと聞いているけど…多少は成長しているようだね〜♪…だけど…まだ光輝の力を持っているわけではなさそうだ…」

「!!…【Luster】の事を言っているのか!?…何故お前がそれを知っている!?」

【Hux・row】は【Rowdy】に光輝の力【Luster】の事を聞き出そうとする。しかしそれを時間切れの如く、その話題から逸らし、彼自身の本題を問いかける。

「フッフッフ…さて、世間話はこれくらいにして…君を呼んだのはそんな話をすることではないさ。…単刀直入に言うよ。…【Towa】という名の女性を探しているんだけど、君は知っているんだろう?」

「!!」

【Rowdy】が【Towa】の名を口にする。その瞬間───────

「……てめえ〜…仲間の【Auro】にリーネを襲わせておいて……!!今度はトワさんまでも狙うつもりなのかぁーーー!!!」

タタタッ!!

【Hux・row】は怒りを露わにし、斬りつけに行く。

「フフフ。………掛かると思ったよ!!」

ざわ…ざわ…

「!?」

サラサラ………

「な…何だ!?さっきまでと…空気が変わった!?」

【Hux・row】は周囲の様子が華やかな桜の咲き誇る空間から、何かを感じ取ったようであった。その様子を見た【Rowdy】は笑みを浮かべていた。

「ハ〜ッハッハッ!!……踏み込んだようだね〜♪…君なら。……来ると思ったよ…じゃあ…」

シュンッ!!

「くそ!!ロウディ!!待ちやがれ!!…!?なっ!?」

ニョキニョキ……ジャキン!!

「…な…何だよ…コイツは…!?仮面…桜……剣士…なのか!?」

突如【Hux・row】の前に地面から根を張り巡らせ、六本の刀を持つ髪が長い桜柄の着物を着た女性に見立てられた仮面を被りし怪物が姿を現す───────

「………」

チャキッ!

ブン!!

「!!くっ!?」

ガシャアン!!

相手はすかさず、【Hux・row】を斬りつけようと刀を振りかぶり、地面に深く刃が突き刺さる。

🎼Back Ground Music 》》》



〜♪ゼルダの伝説:スカイウォードソードより・ダイルオーマ戦

「………」

ジャキッ!!

「!!……ッ!!」(何だよ……コイツはぁ〜……)


     【桜の巫女】
【Sacerdotessa delle ciliegie】


「………」

チャキッ!!

「!!………くそ!!あの野郎…またラルみたいに何かを召喚したのか。……!!とにかく…やるしかないか!!」

「………」

ヒィーーン!!

「来る!!……まずは俺の《探知能力》で!!」

【Hux・row】 ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー
ソナー能力を発動しました。

「…………」

ブン!!

ガシャアン!!

「!!そこだぁ!!」

ザシュ!!ズバッ!!

「……!!」(チャキッ!!)

ズバッ!!ザシュ!!

「ぐっ!!…効かねえよ!!ウォラあああ!!!」

【Hux・row】 ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーー

ザシュ!! ズシャ!! ブシャ!!

「……!?」

「やはり胸が弱点か!?…なら…全力でいかせてもらう!!!」

《白狼夜宗流一式三の型【千夜・威信】》

「ウォラあああああ!!!!」

ザクッ!!!

「…!!」

「うぉおらああ!!!」

キィイイン!!!

【Hux・row】は深く【桜の巫女】に刃を突き出し、そのまま前へと力強く押し出す。しかし、敵は怯まず、すかさず斬りつけていく。

「!!………」

ザシュ!! ブシャ!!…ザクッ!!

「ぐっ…!!…うぉわあああ…」

ズザーーッ!!

【Hux・row】 ランクD
【♡♡♡♡♡♡】
ーー

【Hux・row】は運悪く、相手が突き刺してきた刀が深く身体に貫通し、そのまま地面へと叩きつけられ、地面を滑っていく。しかしそれを狙ったからか、【Hux・row】は再び特攻を開始する。

「…それを待っていたんだよ!!…いくぜ〜〜!!」(チャキッ)

リィーーン♪…【冥鐘】

「……!!」

《白狼夜宗流一式二の型【千夜・転狼】》

「はぁあああああ!!!…ウォラあああああ!!!」

ズシャアアア!!!!

「!!!!…」(チャキッ!!)

ブン!! キィーーーン!!!

「!!…ぐっ!!…うぉわあああ!!!」(キリキリ…!)

ザザーーーッ!!

【Hux・row】は相手の無数の斬撃を名刀【Louvel】で防ぎ、そのまま遠くへと吹き飛ばされ、距離を置く。

「…くっ!!…なかなかしぶてぇ奴だ!……ん?」

サラサラ…

「!!…何だ!?…奴の周りに…桜の花びらが…包まれていく!?」

【桜の巫女】は桜の花びらを包ませては身を隠す。【Hux・row】はその様子から、相手は何かを仕掛けてくると感じ、身構える。

「何か来るな…一体…!?」

サラサラサラ…ファサ…

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ゼルダの伝説・スカイウォードソードより〜ダイルオーマ戦・その2

「……」(チャキッ!!)

「足が…!!生えやがった!?…!!それに剣も六本から…八本に!!…くそ!!本格的な剣士に成長したってやつか!?」

「……」

【桜の巫女】は地面の根から開放され、足を生やし、八本の刀を持ち【Hux・row】を見つめる。その様子に【Hux・row】は驚愕の表情を見せていたが、すぐに立ち直り、相手を睨みつける。

「…上等だ。……!!相手にとって不足は…ない!!!」

シャッ!!

「………」

チャキッ…

シャッ!!

「………」(シャー…)

キーン!!

ザシュッ!!!

「!!ぐあっ!!…ぐっ!!…斬撃が…見えなかった!!…!!…っちぃっ!!」

【Hux・row】 ランクD
【♡♡♡♡】
ーー

キィーーーン!!

「!?」

「…十手だ…!!」

【Hux・row】 ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー
周囲の魂を集気させ、補填しました。

《白狼夜宗流・一の秘剣【千夜・伍閃宗刃(改・鷲空)】》

「はぁあああああ!!!!」

ザシュザシュザシュ!!ザクッ!!ズサッ!!

「!!!!」

「ウォラあああああ!!」

ズシャアア!!

「!!!」

「胸に突き刺して…鎮めてやらああーーー!!!桜の剣士!!」

「………」(シャーーッ)

キーーン!

「!!…抜刀術!?…上等だ!!来やがれ!!…ハァーー!!」(ダダダッ!)

「………」(ブン!!)

カキィイイン!!

「…!!!」

「ぐあっ!!いつつ…串刺しとはな…だが…胸を突き刺した…!!…なっ!?…何だ!?」

フワァーーー!!


🎼Back Ground Music 》》》



【Hux・row】の頭の中に、何か映像が流れ込んできた。そこは、ある病院の産婦人科であり、病室には一人の母親と中学生くらいの女子が立ち、何やら会話をしていた。

〜ある人の現世の記憶〜

『…お母さん…どうだったの?』

『ごめんね八重…赤ちゃんが…また流産しちゃったの…グスッ!!…うぅ……本当に…ごめんね!…折角あなたがお姉ちゃんになるはずだったのに…』

『そ…そんな!…私…楽しみにしていたのに…いや…私は…大丈夫!…次頑張ろうよ…お母さん!!』

『八重…』

・・・

『…はぁ…妹か〜…ん?』

『ねえ…お姉ちゃ〜ん!』

『な〜に〜?』

タッタッタ…

『!!…うぅ…グスッ!!…でも…やっぱり…私…寂しい…悔しいよぉ!!…うぅ!……妹…欲しかったなぁ…』

・・・

『【Yaeka】さん!…あそこです!迷子の子!』

『お、あれか!…ふ〜ん!なんか見慣れない子だね!…どうしたの〜お嬢ちゃん?』

『…あ!…えっとね…私…この【Paradiso】に来たばかりで、分からないことが多くて…』

『へぇ〜♪現世人なんだね〜!…あなた名前は?』

『…【Towa】…お姉さんの名前は何て言うの?』

『ふふ〜ん♪私の名前はね〜【Yaeka】!!素直に《ヤエカ姐さん》と呼んでもいいぞ〜♪』

『…分かった。…ヤエカ姐さん!!』

『!!』(ドキン♡///!!)

『?どうしたの〜?ヤエカ姐さん?』

『か…か…』(〜///!!)

『?』(首かしげ?)

『か〜わ〜い〜い〜♡きゃーーー!!♡♡♡』

『うぉわ!?///!!い!?…いだだだっ!!』

『ちょ!!【Yaeka】さん!!落ち着いて!!』

『よ〜し決めた!!トワ!!あなたは今日から私の妹ね♡!!もう決めたから拒否はなしだぞ〜♪きゃーーーー♡♡』

『えっ!?……えええええぇぇ〜〜!!??///』

・・・

「」シャラーーーンシャラシャラシャラ〜♪ 「」シャラーーーンシャラシャラシャラ〜♪

やっぱり二人は元巫女さんだからか、舞がいつも綺麗だね〜♪ ええ本当に!!…ふふ!トワちゃんが来てもう五年か〜!早いものですね〜!  

『…ふぅ〜終わり終わり!!さっ!!トワ!!そろそろ鍛錬の時間だし!屯所へ戻ろっか!?』

『そうだね!僕もヤエカ姐さんと手合わせしたかったし!』

『おっ!言ってくれるね〜!じゃ!行こ!』

『…うん///!』

タッタッタ…

『…ねえヤエカ姐さん!…桜…綺麗だね!』

『本当ね〜!私も【Paradiso】に来て。……もう八年…それでも…この桜は好きだね〜!』

『…僕もだよ。…まるでヤエカ姐さんのように…綺麗なんだ!!///』

『おおっ!!言ってくれるね〜♪…そ〜ら!ウリウリ〜♡!!ふふ♡』

『も…も〜うヤエカ姐さん!…くすぐったいってぇ〜///…フフ!』

『『アハハハハハハ!!』』

・・・
・・

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜KH3より・Vecter to the Heavens

〜【Kagoya】千夜ノ桜通り・千夜ノ桜広場・夜〜

「!!…さっきの……記憶!!…ま…まさか…!?」

「……」

「…う…嘘だ…ろ!?…なあ…ヤエカさん!!…本当に…アンタ…なのかよ!?」(ポロッ!)

「……!!!」(チャキッ!!)

ブン!!

「…!!くっ!!…なんで…!!なんでなんだよぉぉ!!!」(ポタポタ!!)

【Hux・row】は大粒の悲しみの涙を流し、【桜の巫女】相手に名刀【Louvel】を振るう。相手の正体を知ってしまい、【Hux・row】は酷く動揺して震えてしまっていた。そして仕向けた相手に心当たりがあったのか、その者の名前を叫びながら、【桜の巫女】に立ち向かっていく。

シャッ!!

「!!………くそ!!…ロウディ…!!あの外道がぁ〜〜!!…はぁあああああ!!!」(ポロポロ!)(ブン!!)

「!!!!」(ブン!!)

キィイイン!!!

「!!ぐっ!!…頼む!!目を覚ましてくれよ!!ヤエカさん!!!」(ポロポロ!!)

「……!!!!」

「…トワさん!!すげえ心配していたんだよ!!…だからよぉ〜……!!いつものアンタに戻ってくれ!!頼むから!!!…俺だって……!!いつもの明るい笑顔のアンタに…戻って欲しいんだよ!!!」(ポロポロ!!)

「!!!!………」(チャキッ!!)

【Hux・row】は【桜の巫女】に必死に訴えかける。相手はかなり動揺している様子ではあるが、それでも攻撃を止めることなく、八本の刀が振われる。

ブン!スパッ! ブン!!

「!!…ぐっ!!…くそっ!!…やっぱ倒すしか…ないのかよ…!!…え?」(ポタポタ…)


【Hux・row】 ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー


「………」(スッ…)

「!!」(刀を収納した。だが、一本だけ…残している…)

【桜の巫女】は八本の内、七本の刀を収納する。一振りの刀だけを残し、徐に鞘を出現させ、その刀を帯刀していく───────

「………」(シャー…)

キン!!

…リィーーン♪【冥鐘】

「!!め…【冥鐘】!?」(ポタポタ…)

「………」

「…分かったよ。…もう俺は迷わない。……ヤエカさん!!…アンタの覚悟…確かに受け取った!!…受けて…立ってやる!!」(シャー…)

キン!!…リィーーン♪【冥鐘】

「………」

「………」

(ヤエカさん…アンタがどんな闇を抱えてそんな姿になっちまったのかは……俺にはわからない…でも…それでも……俺はアンタが…好きだ!…トワさんといつも明るい笑顔で元気に過ごして…町の人にも愛されていて、俺の親友ロベルを…色々世話してくれて……教え学ばせてきたアンタが好きなんだ!!…もし道を踏み外したとしても、俺はアンタの手を引いて助けてやる!!…菊川先生の言う【真神】の心で…必ずアンタを!!…ラル…ロベル…もし、この名刀【Louvel】にいるのなら力を貸してくれ!!…俺はあの人を…ヤエカさんを…!!)

《救いたいんだ!!》

キィイイイン!!!

「!!…この光…!?まさか!?」

【Hux・row】の持つ名刀【Louvel】から眩い閃光の光が差し込んだ。

「!!!!」

シャッ!!

【桜の巫女】は特攻を開始する。【Hux・row】も悲しみの涙を流しつつ、相手との距離を詰めていく───────

「!!うぉおおおおああああっっ!!!!!」(ブワァあああ!!!)

ジャキィイイン!!!

リィーーン♪【冥鐘】

キラキラキラキラキラ!!…

「……」

「……」

ザシュ!!

【Hux・row】 ランクD
【♡♡♡♡♡】
ーーー

「!!…ぐあっ!!…だが…手応えは…あった!!」

ファサ〜…サラサラサラ…

バタン!!

「!!なぁっ!?………や…ヤエカさん!!!!」

【Hux・row】は光り輝く刀身を放つ名刀【Louvel】で【桜の巫女】の身体を斬り裂き、すれ違い様に軽い斬り傷を負った【Hux・row】は、変化が解けた【桜の巫女】の身体が桜の花びらに包まれており、その中から【Yaeka】が出てきた───────





B. いいえ


《Capitolo・4》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜KH358/2Daysより・Musique pour la tristesse de xion

タッタッタ!!

「や……ヤエカさん!!しっかりしてくれ!!」(ポタポタ!!)

ダキッ!!

「…ふふ!…ハクローくん…ありがとね。…目を覚まさせてくれて。……私…あの【Rowdy】ってやつのせいで…どうか…してたよう…ね…」


【Yaeka】 ランクA
【】
ーーー
魂がなくなりました。ソウルロスが起こり、形成が保てなくなりました。これから昇華が始まります…

サラサラサラ…

「!!…こ…これって…!!まさか!?」

「もう…限界みたいだね…私の…魂の…身体……っ!?」

ボアアアア!!!

「!!なっ!?…桜の木に火が!!??…くそっ!!一体誰が火をつけたんだよ!!誰が!?…くそッ!?」(ダッ!!)

ガシッ!!

「なっ!?………」

「いいの!!それより…ハクローくん!!…あなたに…言いたいことがあるの!!」

「!?」

【Yaeka】の強い訴えを聞いた【Hux・row】は彼女の言葉の意を傾聴する。

「…ルーくんの…名刀【Louvel】を…触らせてくれる?」

「!!…あ。…ああ!!お安い御用だよ。……だから…ヤエカ…さん!!頼む…充魂剤飲んでくれよ!!…うぅ…あああぁ…グスッ!!ぐそっ…涙が…止まらない…」(ポタポタ…)(チャキッ!)

ダキッ!

【Hux・row】は名刀【Louvel】を【Yaeka】に渡した。そして頑なに充魂剤を渡すが、首を縦に降らなかった。

「ふふ!これがルーくんの刀か〜♡…なんか心なしか…輝いているよね…♪…でもねハクローくん…もう。……だめなんだよ…昇華が始まったら…いくら充魂剤を飲んでも…ダメなの…。…今までの同志も…間に合わなくて…何人の部下の【現世人】を……そして、あなたは知らないだろうけど。……今からもう数年も前に…私の恩人とも言える大切な人だって救えなくて………そのまま死なせて…助けられなくて…見殺しにしてきたんだよ…。ふふ…私ってさ〜…結構罪深いのよ〜♪……きっとこれは…《天罰》なのよ…私への…」

「ふざけんな!!…そんな天罰があってたまるか!!…なんで!…俺は…!!トワさんになんて言えばいいんだよ!!あれ程、ヤエカさんを見つけて……必ず元気に連れて帰ってくるって!!…約束したのにっ!!…連れて帰るどころか……この手で…アンタをぉっ!!…俺はぁ!!…こんなのってよぉ…グスッ!!ううぁぁああ〜〜〜!!」(ポタポタ!!)

【Hux・row】は自分が【Yaeka】を連れ戻す筈が、彼女を殺める結果になった事を深く責める。

「…しょうがない子ね……」(…でも昔の私も…こんな時があったわよね………)

それを見ていた【Yaeka】は慈悲の気持ちを込め、【Hux・row】の頬を優しく撫でる。

なでなで……

「…!?…や…ヤエカ…さん…」

「…もう気にしないで…それに、男がそんなに涙を流すもんじゃないぞ♡…じゃあさハクローくん!…ヤエカ姐さんからの最後のお願いを聞いてくれるかな〜?」

「…!!何だ!?」

「……ふふっ♪……」(だからこそ、ハクローくん!…君にはここで……!!)

《闇に惑わされて…!!私のように立ち止まって欲しくないのよ!!》

【Yaeka】は、真剣な目で涙を流しながら【Hux・row】の輝く瞳を見つめ、こう伝える。

「…トワを頼んだわよ…!…私には…時間がもう…ないのっ!…こんな事を…ハクローくん…あなたにしか…頼めないの!!…どうか…あの子の事…お願いしておくわね…フフフ…!」(ポロポロ!)

キラキラ…………

「!!…ああ…!!ああ!!もう絶対にあの人に悲しい涙を流させない!!…トワさんを陥れる奴は…誰だろうと容赦しない!!指一本触れるようなら…俺が完膚なきに叩き潰してやる!!…【Demister】(終焉ノ使徒)の奴らを敵に回してでも…俺は…現世の愛人の…千夜みたいに…あんなに綺麗で美人な顔と容姿をしたトワさんを…俺は絶対に一人にはさせない!!…必ず守り抜いてやる!!…アンタが今持っている誓いの儀礼刀…名刀【Louvel】に誓ってなぁ!!」(ポタポタ…)(キッ!!)

【Hux・row】の目は涙を流しながらも決意に満ち溢れていた。そしてこれからも【Towa】を守るのだと、名刀【Louvel】と【Yaeka】に誓った。それを見た【Yaeka】は安堵の表情をし、【Hux・row】の方を見ると微笑みを浮かべ、優しく語りかけた。

「ふふ。……頼りがいのある人ね。…流石…ルーくんの…《マブダチ》だね…それを…忘れないようにしなさい…じゃあ…トワによろしく…言っておいてね…あと…これはハクローくんに…お礼だよ♡…///」(ポロポロ!)

チュッ♡…グッタリ…

フワ〜ッ…サラサラ…

「!!…!?」

ジャラジャラ…

「…桜の…アクセサリー…それに…ヤエカさんの…【P-Watch】!!…くっ…くそ…くそっ………!!」

《!!ーーーーっくしょぉーーーーーーー!!!》

【Yaeka】の魂の身体は結晶と桜の花びらが混じり、儚く風に舞っていった。【Hux・row】は燃え盛る千夜ノ桜の中で大粒の涙を流し、雄叫びをあげた。それはかつて現世に存在した《日本狼》を連想するかのように、とても気高く大きな遠吠えを唱え、【Yaeka】を供養するかのように見送った。

「…ぐっ…うぅ!……ヤエカさん…安心してくれ…アンタからの意志…確かに託された!!…もし名刀【Louvel】の中にいるのなら…もしそこにロベルがいるなら…一緒に見守っていてくれ…!!…俺は…アンタの分まで…!!」

《目の前で、誰かを泣かせては陥れる悪党がいるのなら…この名刀【Louvel】で…一人残らず…叩き斬ってやる!!!》


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ゼルダの伝説:トワイライトプリンセスより・ルテラのテーマ

ポタポタ…ザザーーーーッ!!

「!!…雨…か……」

ザザーーー!!!

ジュジュ〜……プスプス………

「!?……火が消えていく……!?」

『ウフフ!!…アハハ!!』

「!!…こ…この笑い声…まさか!?」(ポタポタ…)

千夜ノ桜に焼きついた火をまるで止めるかのような大粒の雨が降り注ぎ、聞き覚えのある少女の笑い声が何処からか聞こえてくる。思わず【Hux・row】は打たれた雨に涙が溢れてきた。そしてその少女の声は、優しく語りかけた。

『ハクローお兄さん!…ここの千夜ノ桜の火は私が必ず止めるから!!ヤエカお姉ちゃんの分まで…妹の…千夜お姉ちゃんにそっくりなトワお姉ちゃんを…ちゃんと守ってあげてね!…約束だよ!!…だから…もう泣かないで!!…私はもう一人じゃあないよ!…いつもみんなと一緒だから!…千夜お姉ちゃん、ありさお姉ちゃん、三橋さんもすっごく優しくて、私を温かく迎えてくれたから…それにここ…本当に《明鏡止水ノ境地》みたいに、とっても広い鏡写しの景色なんだね〜♪!…こんな私を快く温かく迎え入れてくれて…ハクローお兄さん…本当にありがとう!!…私はいつでもみんなとハクローお兄さんを見守っています!…頑張って!!』

ポタポタ…ザザーーーーッ!!

「!!……ラル…!!なっ!?魂が…補填されていく!?」

【Hux・row】 ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー

ラルの降らした恵みの村雨により【Hux・row】の魂が補填される。そしてラルの安否を知り、嬉しそうに涙を流しては呟くように言った。

「!!…ラル!!…ああ…!…ああ!!よかった!…本当によかった!!…お前が…無事に俺の【Sognare】の中にいて、千夜や西野さん…それに三橋三等海佐と会って…元気でいるんだな!!…くっ!!…ありがとなラル!!…ここは頼んだぞ!…また…【Sognare】で会おうな!!」(ポタポタ!)(ビシッ!)

【Hux・row】は感謝の意を込めて敬礼した。すると何処からか優しい女性の声が聞こえてきた。

『どうやら…その剣とあなたの心の中に…あの子…【Milal】が宿っておいでなのですね…』

「!!…だ、誰だ!?」

『ウフフ…こちらでございます!』

ポチャン…ポチャン!

「!!…あ、アンタは…!?…って!!…み、水の上を立っている!?」

【Hux・row】は非現実的な景色を見て驚愕した。そこには、【Milal】と同じく水玉の着物を着ては、大人びた女性が立っていた。そしてすかさず挨拶する。

『ふふふ。…申し遅れました。私はこの【Kagoya】の町に新しく【Milal】の代わりに守り神の命を承った【Selenal】(セレナール)と申すものです。その名刀【Louvel】を介してあなたの心の中【Sognare】で…あの子【Miral】を保護していただき、この度は誠に感謝の意を申し上げます』

『!!あの子…って…まさか!?…ラルの…母親なのか!?』

『申し上げた通りでございます。私は【Milal】の母であります。…そして今回は…あなたに光輝の力【Luster】の片鱗が見せ始めているようなので。…こうして訪ねてきた所存でございます。…名刀【Louvel】の刀身を…どうかお出ししてはもらえませんでしょうか?』

「…ああ!」(シャキン!!)

『では。……あなたに《水の加護》を分け与えます!お受け取りください!』

キィイイイン!!!

「…!!…さっきの…光!?」

名刀【Louvel】の刀身を【Selenal】に差し出すと、刀の周りが白く眩い光を放っていた。暫くしていくうちに、光が収まった。

ヒィーーン…………

「…これが…光輝の力…【Luster】でいいのか?」

『はい。以前はあの子【Milal】が【Louverd】に加護を分け与えました。そしてあなたとも接触し、その十手に、擬似的な【Luster】の光を宿しましたが、今度は…私があなたに名刀【Louvel】の頭身に《光輝の力》を託します。これであなたも光輝の力…【Luster】の素養に芽生えたかと思います。…ですから…どうかこの町をお救いください…【Louverd】…いえロベルの意志を継ぐあなたなら…この局面を乗り越える事ができるでしょう。…ではどうか…ご武運を…!!』

バシャア!!…ブクブク…

「!!……ありがとうございます!……セレナールさん!!」(ビシッ!)

【Hux・row】は【Selenal】に深々と頭を下げ、敬礼した。そして踵を裏にして千夜ノ桜通りから離れようと歩み出した。

タッタッタ…

「待っていてくれ…トワさん!!…今から俺も…アンタの姉さん…ヤエカさんの形見を持って…そっちに行く!!」

【Hux・row】は濡れた千夜ノ桜の花びらの雨に打たれながらも、京ノ通りへと戻っていく。

・・・

〜【Kagoya】【河原木亭】7/9夜〜

その頃【河原木亭】に待機していた【Senno】【Rolan】【Beanne】は雨を眺めていた。

「あら…雨ですね…」

「これで…火事が何とかなればいいのだが…」

「そうだね…何とかなればいいんだけどね…っ!!」

『ウフフ!…アハハ!ベアお姉ちゃん♪私は元気だよ〜♪』

「!!」(えっ!?この声…ラルちゃん!?…まさか…!?)

【Beanne】は頭の中で【Miral】の声が聞こえてきた。思わず涙が溢れそうになり、ただ事ではない事が起こっていると感じていた。その様子に【Rolan】は心配そうに声をかけた。

「ん?ベア、どうした!?」

「…!!やっぱり私、ハクローくん達が心配だわ!!…ロラン!!…私も行ってもいいかな!?」

「だめだ!!…待機と言ったはずだぞ!!」

「で、でも…」

ガラララララ…

「!!」「!!」「!!」

【Beanne】を【Rolan】が止めていた。するとそこに怪我をしていた一人の女性【Aria】をおんぶしていた一人の目隠しをしていた青年が訪ねてきた。その様子を見た【Senno】はすかさず声を掛ける。

「あら、こんばんは…あのどちら様でしょうか?」

「ああ、特に怪しい者ではないんだ。…実は、探している人がいて…!!べ、ベア!?」

「ん?!!ああっヴェノくん!!…って、ど、どうしたのその目隠し!?…ってそれよりも、久しぶりじゃあないの〜!!…それにアリアさんじゃあないの〜!!よかった〜!無事に合流出来たんだね〜!!」

「…まあな。…それよりもだ……ベア。…少し聞きたい事がある」

「?…何〜ヴェノくん?」

【Veno・nix】は【Beanne】に対し、何かを聞こうとする。しかし【Rolan】は聞き覚えのある名前と顔の特徴から、何かの警笛が鳴り出してしまったようである──────

「…ヴェノ?…その顔…!!間違いない!!…お前は…【Veno・nix】!!…何故お前がここにいるのだ!?」

「?………誰だ?…!!」

シュッ!!

「ちょ、ロラン!?」「ロランさん!?ど、どうされたのですか!?」

【Rolan】は突然、【Veno・nix】と名乗る男に殴りかかる。相手は目隠しをしているも、気配を察してそれをすかさず躱す。その様子に【Beanne】と【Senno】は詰め寄っていく。

「…!!っ!!後ろには怪我人がいる!!いきなり殴りかかるな!!」

「…ちょっとロラン!?…一体どうしたの!?」

「…そんな目眩しで俺を誤魔化せるとでも思ったのか!?…【Veno・nix】…!!こいつは約三週間前、【D島】のF街【真・ユートピア創造士隊】にある隔離施設爆破事件の実行関係者なのだ!!…そのような危険な奴がこの場に堂々と現れるとは…今回の火災の事件は…お前が引き起こしたのか!?…どうなんだ!?」

「……!!」(キッ!)

「ちょっとロラン!!落ち着きなって!!…ヴェノくんはそんなことは…!?おおっと…!!」

「すまない、ベア!…アリアを頼む!…俺はこの頑固なおっさんと。……話をつけなくなったようだゾォッ!!」

「!!…ヴェノくん…」

【Veno・nix】は【Rolan】を睨みつける。その目は真意を探求する目をしていた。そしてすかさず、探している男の名を言い放った。

「ロランだったか?…アンタから【Hux・row】って男は今何処にいるか…聞き出さないといけなくなったようだ。……絶対に吐かせてもらう!!」(キッ!)

「!!」「ハクローくんを!?」

「貴様のような危険な奴にハクローの事を教える訳にはいかない!!…表へ出ろ!…場所を変える!ベア!セノさんを頼んだぞ!…こいつの相手は俺が引き受ける!」

「…っ!!」

ガラララ…

突如現れた【Veno・nix】と名乗る男。その男を目の敵にしている【Rolan】京の町【Kagoya】の火蓋は様々な場所で燃え上がる───────



B. いいえ


《Capitolo・5》
※《性的描写》あり。苦手な方は閲覧を控えてください!!
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🎼Back Ground Music 》》》



♪〜TOGfより・狂乱舞踏

〜【Kagoya】ある町外れの森林地帯〜

ヒューーン!! バサッ!

「…あう!!…うぅ…酷い目に遭いました〜!!…もう!何で私ばかりこんないやらしい目に〜///!!」(しくしく…)

ペルガとの一戦で辱めを受け、メカ破壊による大爆発の爆風で、遠くに飛ばされた【Linea】は、山の中に吹き飛ばされていた。

「…でも、またもや森林の方に飛ばされるとは…ここにはいい思い出なんか一つもないというのにです…」

シュルル…ガシッ!!

「!!い、いやっ!!…つ…蔓に…蔦!?…ま、まさか…!!」

【Linea】の身体を周辺の植物の蔓や蔦が絡み取り、手足を拘束する。

オ〜ホホホホドス〜♡

「…!?」(ゾクっ!!)(この声……!!)

周囲から女性の笑い声が聞こえてくる───────

ザッザッザ…

「ウフフ♡…み〜つけたどす〜♡リーネさ・ん♡」

「あ…【Auro】!!……!?キャッ!!…〜///!!」

【Auro】は【Linea】の純白のスカートを捲り、下着をまじまじと見つめて見物する。そして笑みを浮かべながら物色するかのように身体の周辺を触れ、秘所のデリケートな部分を弄り始める。

サワサワ〜♪

「ウフフ♡今日はピンクなのどすね〜!…どれどれちょっと失礼するどす〜♡」(サワサワ…グィッ♡!!)

「キャァッ!!///は、離して!!///…っ!!……本当にあなたは最低です!!昨日の事は忘れもしませんよ!!あなたのような卑劣で…!!下品な女性は……っ!!大っ嫌いです!!私に触らないで!!…近寄らないでくだぁっ!!…ああぁんっ♡!!///い、いやぁあっ!!///やめっ!!///!!ああっ///!!や、やぁん♡だ、だぁめ///♡そんなとこ!!グリグリしないでくだぁっ!!…ああん♡///」

「ウフフ♡もう照れ・な・い・の・ド・ス♪…その悲鳴……〜♡!!///あなたさん本当に可愛いどすなぁ〜♡…ウフフ♡身体は正直で気持ちいいからか、ここ…もうこんなに湿ってきとるようどすよ〜♪…それに……!?まぁ〜♡…あなた!!…ウフフ…!!オ〜ホホホドス〜♡!!これはこれはおめでたいどすなぁ〜♪!!」(うっとり♡)

「!!…な、何を笑っているんですか!?何がおかしいのですか!?」(キッ!!)

【Auro】は恍惚(こうこつ)な表情を浮かべながら【Linea】の下着の中を弄り、秘所を刺激する。それでも【Linea】は相手を強く睨みつける。すると【Auro】は、彼女にとっては《運命の悪戯》なのか、深刻な残忍極まりない真実を口頭で告げられる───────

「リーネさんの心の中に…ウフフ♡…あなたと私の朝顔が昨日交わした濃厚な愛のひと時で妊娠したからか。……〜♡どうやら赤ちゃんが《妊った》ようどすなぁ♪…それもあなたと私の…この自慢の可愛い朝顔のあ・い・だ・の《赤ん坊》がどすなぁ〜♪…ウフフ♡はぁあ〜〜♡念願の孫が出来て…嬉しいどす〜♡」

「!!………え………」(ゾワッ!)

【Linea】はその事実を知り、驚愕のあまりに絶望し、青ざめていた。【Auro】は更に説明する。

「ウフフ♡おそらく近いうちに、あなたの夢の心の中の世界【Sognare】で【Lavite】(ラビテ)という名前の朝顔の大男が現れるどすよ〜♡と〜っても暴れん坊な子で♪……女の子を蔓で絡めとって捕縛し。…そのまま《陵辱》(りょうじょく)をせずにいられないお盛んな子なんドス〜♡…良かったどすなぁ〜仲良くできそうで〜♡折角の子供なんで大事に育てるどすよぉ♡…ウ・フ・フ♡」

「………う…うそ…!!…いっ!…いや…!!…そんなの…!!…いっ…いやぁあああああっ!!!!!」(ポタポタ!)

【Linea】はその真実を知らされ、涙を流し、ひどく拒絶しつつ落胆した。そして【Auro】は微笑み、更に追い討ちをかけるように、彼女を絶望の淵へと突き落とす言葉を投げかけた───────

「ウフフ♡…そ・れ・に♪…あなたの持つ《治癒能力》は昨日の行為で無事全て吸い取ったんどす〜♪……これで、この【Paradiso】の真の救済の実現が近くなったどす〜♪…本当にリーネさんには感謝するどすよ〜♪」

「!!うそ!!そんなことは……!!ハァ〜ッ!!」

【Linea】は治癒能力を使用する。しかし、何の変化も見られなかった───────

「…え…?…!!…ど、どうしてですか!?……武器は魂の補填ができるのに…どうして!?」

ザッザッザ………

ゴク……ゴク……

ガシッ!!

「!?…っ!!」

【Auro】は何かの液体を口に含む。少量であったからか、呂律が回っていた様子であった。そしてその液体を口に含みながら彼女の顔に近づき、顔を鷲掴みする───────

「ウフフ♡…だから…んんっ!…ウフフ♡…あ〜ん♡ん〜ん♡…ウフフ♡」(ゴクゴク…ムチュ♡)

「!!い…いや!!…んぅっ!?///…んっ!!///んんっ〜〜〜〜!!!!///」(ポタポタ!!)(き…キス///!?…いや!!…はな…離してっ///!!何かを…流し込まれて!…!!…いやぁあ〜〜〜!!!///)

【Linea】は【Auro】に突然口に含んだ液体を口移しするかのように熱い接吻をされてしまう。彼女は必死に抵抗するが、手足を蔓や蔦が拘束しており、びくともせず、あるがままに【Auro】の口付けを受け止める。

「んふふ♡…んちゅ♡…ぷはっ!!…ウフフ♡!安心するどす〜♪…口移しの充魂剤どす!その傷だと、どうやら酷い目にあったようどすな〜♪可哀想に…この【Auro】が癒して差し上げたどすよ〜♡感謝して欲しいどすな〜♪」

「ケホッ!!ゴホッ!!///……く…っ!!///…!!い…いい加減にしてくださいっ!!もう怒りましたよ!!散々人を陥れてくれましたね…【Auro】!!絶対に許しません!!覚悟を…!!ああっ!!///や、やぁん♡あっ!!ああん♡だ、だぁめっ♡…んんっ♡!!…んん〜♡」(グリグリ!)

【Linea】 ランクE
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー

「もう!怒った顔もいいどすけど〜♡…その苦悶に満ちた…その赤面の表情が本当に可愛いどす〜♡…ではそろそろ…昨日の続きを始めるどす♪」(サワサワ!)

シュルル!! ギュルルル…ガチガチ…!!

デーン!!

「!!ひぃっ!…朝顔…の束の…蔓!!…ま…まさか…また……!!い…いやぁ……っ!!///」(ポタポタ…)(ガクブル…フルフル!)(ギチギチ!)

「ウフフどす〜♪♡昨日は上だったどすけど〜♡…今日は地べたなこ・こ・で♡…〜♡また私の可愛い朝顔達の、ねっとりとしたエキスをお腹に充満させて。…リーネさんの魂の身体に秘めとる聖水の中を元気よく泳いで潤ってもらい…生まれてくる【Lavite】(ラビテ)をみっちり育てさせるためにも…【Linea】さん…あなたを教育して差し上げるどすよ〜♡」

サワサワ…グチュ…グチュ♡

「!!い…いやぁっ!!///…〜!!///…いやぁああああああ!!!!だ、誰かぁーーーーーーーーー!!!!」(ギチギチ!)(ポタポタ!ブンブン!)(そんなの!!…い…いやぁあ!!///お願いです…ハクローさん!!ベアさん!!…みんなぁ!!…た、助けてください!!)

朝顔の束の蔓は再び秘部を擦り付けながら【Linea】の身体の中へと侵入しようとする。【Linea】は首を激しく振り、強く拒絶して悲鳴を上げて抵抗する。

リィーーン♪【冥鐘】

スパンッ!! ザシュ!!

「!!…っ!!」

「!!…え?…!!」

すると、それを遮るように、彼女を拘束していた蔦や朝顔の束の蔓は斬り落とされ、【Auro】に鋭い斬撃が飛んできた。

ザッザッザ……

「…悪趣味な遊びはほどほどにしといた方がいいよ…長生きしたいのならね!」(ギロッ!)

「あ…あなたは…!!…え…?」

サラサラ〜…

「やぁ。…間に合ったようだね、リーネさん!」

「あなたは…え…!!…ち…千夜…さん!?…う…嘘!?…な…何で…この【Paradiso】にいるんですか!?」

【Linea】を助けたのは、千夜と容姿が瓜二つのようにそっくりな容姿をした【狼志組】【Towa】であった。急いでいたからか帽子が脱げており、彼女は素顔を晒していた状態であった。

「!?…あ〜。……ははっ!帽子が脱げたから素顔が見えてしまったようだな!…似ているかもしれないけど違うんだ!…僕は【狼志組】の十番隊隊長の【Towa】だ!!…そして」

チャキッ!!

【Towa】は【Auro】に対して刀の先を向け、自分の敵である事を素早く察し、強く威嚇する───────

「……その朝顔の蔓。…そうか。…その女の人が副長や…ハクロー。…ベアさんが言っていた【Demister】の【Auro】って奴か。……覚悟はいいかな?」

「…へぇ〜!や〜っと見つけたどす〜♡ウフフ♡【Rowdy】の手によって華々しく桜の花びらになったヤエカさんが気に入るようになかなか好みな子どすわ〜♪」

「!?」

「!?…ヤエカ姐さん…だと…?…!!まさか!?」

【Auro】はまるで挑発するかのように【Towa】に言い放った。

「あなたの姉のヤエカさんは…とっくに息を引き取りましたどす〜♡…ふふ♡今頃、立派な桜になっておるどすよ〜♪」

「!!…ふざけるなぁあああ!!!」

ダッダッダ!!

「ウフフ♡では…これを使わせてもらうどすよ!!」

《【幻影影華】》

「!!な!?」

「ふ、増えました!!…ぶ、分身!?」

「ウフフ♡」「ご名答どす♡」「さあ!存分に♡」「楽しむどすよ♡」

「!!…くっ!!上等じゃあないか!!ヤエカ姐さんを愚弄した事。…!!後悔させてやる!!…覚悟しろ!!」

「……!!」(トワさん。……この人にも…大切な姉の方が……!!…よくも!!)

ジャキン!!!

「なっ!?リーネさん!?」

【Towa】の隣には【Linea】が鋭い剣幕で薙刀を持ち【Auro】を睨みつけ、互いに協力して戦う姿勢を見せつける。

「…トワさん!私も協力します!!【Auro】!!覚悟してください!!私だけではなく……!!よくもトワさんのお姉さんにまで命を弄び…!!手を下すとは…もう許しませんよ!!」

「もうそれは…」「私ではないんどすけど〜…」「本当に…」「風評被害も腹立たしいどす〜♪」

シャッ!!

「来るぞ!!」

「はい!!…はぁ〜!!」(ブン!!)

「甘いどす!!」「それに足元がお留守どすよ♡」「リーネさん♡」

「!!…えっ!?」

シュルル!!

「い、いやぁっ!!///」

「!?」(リ、リーネさん!!)

ギュウウウウウッ

「ん!!んん〜!!///」(い…いやっ///!!身体全体が…朝顔の蔓に絡みつかれて……包みこまれッッ!!…い、いやぁああああ〜〜!!///)

バァーーーン!!!

【Linea】の足を蔓で拘束した後、身体に複数の朝顔の蔓が顔から足全体に絡みつき、次第に蛹のように包み込まれ、封印されるようにその場に留まった。それを見た【Towa】は早急に救出に向かう。

「リーネさん!!」

シュルル!!!

リィーーン…♪【冥鐘】

スパンッ!!!

「くっ!!……貴様らぁっ!!」(キッ!!)

「おっと!!そうはさせんどすよ〜♡」「ウフフ♡」「トワさん…じっくり〜♡」「楽しませてあげるどす♡」

「…邪魔を……!!するなぁあああ!!!!」(ジャキッ!!)

ザシュッ!!

【Demister】(終焉ノ使徒6幹部)

     【Auro】
・・・


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF7REMAKEより・反神羅の火

〜【Kagoya】時は戻り、【京ノ通り】【Hux・row】サイド〜

「なっ!?トワさんいないのか!?」

「ええ。先程、【狼志組】が下町通りに派遣されたということで、至急応援にと…」

「…分かった。とりあえずは連絡だな!」

prrrrrr!!

「…ん?…トワさんか?……!?いや!ケイトか!?」

【Hux・row】の【P-Watch】から着信音が鳴り出す。確認すると、【Keito】からであった為、すかさず着信を取る。

【Hux・row】(ケイト!)

【Keito】  (ハクローはん無事かいな!?)

【Hux・row】(ああ!こっちは大丈夫だ!ビルとリーネと合流できたのか!?…今どこにいるんだ!?)

【Keito】  (…それが、合流できたんやけど、突然ペルガっちゅういやらしい輩が現れてリーネはんを拐おうとしてな、ウチとビルで何とか倒したんやけど、ペルガの機械が爆発してリーネはんがその爆風に巻き込まれて、遠くへ飛ばされてしもうたんや!…んで、ついさっき【狼志組】のトワさんと出くわしてな〜!…飛んだ方角を教えたら、すぐ探しに行くいうて、下町近辺の森林の方に向かって行ったわ!)

【Hux・row】(!!…またリーネが!?…分かった!…俺もすぐに合流する!!…その様子だとかなり体力を消耗しているようだから。…ケイトはビルと一緒に【河原木亭】に戻ってベアさんと交代してくれないか?)

【Keito】 (…なんか遠回しにウチらの実力を《dis》ってるような言い方やな〜…まあええ、分かったわ!…親方の方は下町に【狼志組】の隊長達が救助を引き受けてくれとるらしいから、まあひとまずは安心や!!)

【Hux・row】(…了解した!!…無事に帰ってこい!!…お前達に何かがあったら…俺は悲しいからよ!!)

【Keito】 (そんなん承知の上やで!!ハクローはんも気いつけや〜!)

【Hux・row】(ああ…ありがとよ!…じゃ!また無事に笑って…必ず笑顔で会おう!!)

プツン!!

「…とりあえずは下町通りを経由して森林地帯に行かないとな…」

タッタッタッタッタ…

ワーッ!!ワーッ!!ワーッ!!

「…!!…っちっ!?」

「いたぞ〜!!」「【Hux・row】だ〜!!」「拘束する!!」「覚悟しろ〜!!」

【Hux・row】の目の前に真・ユートピア創造士隊が通せん坊として立ち塞がる───────

「くそっ!……邪魔だ、テメエら〜!!そこをどきやがッ……!!」

ザシュ!! シュバッ!!

「グァっ!!」「あ…あが…」「ぐぁああ!!!」

「!?……なぁっ!?」

ピィイイイイ!!!タッタタタ!!!

「!!…この笛の音…【狼志組】の増援か!!……!?」

ザザーーーッ!!…タッタッタ…スタッ!

「…大丈夫か?…ハクロー君?」

「!!ふ、副長!?」

【Hux・row】の前に【狼志組】の隊員が大勢駆けつけ、真・ユートピア創造士隊の下っ端を躊躇なく斬り捨てる。進むべき道を斬り開いたその先には、副長の【Fukabe】が颯爽と現れる。腰に巻いていた一振りの刀を抜刀し、敵の前に立ち塞がると【Hux・row】の背中を後押しするかのようにこう伝える。

「ヤエカの一件…ご苦労だったな。…誠にすまない。…配属されたばかりの君に、重荷を背負わせてしまったようだ…この場は我々が請け負う!…君は自分の成すべきことを成し遂げるのだ…行け!」

「!!…ハッ!!恩に着ます…副長!!」(ビシッ!!)

タッタッタ…

「……ッ!」(…いい目をするようになったな…ハクロー君。…ヤエカから学んだ事。……大切にしてくれると幸いだ…)

「き、貴様ぁ〜!!」「そこをどけぇぇぇ。………………!?」「なぁっ!?」「あ…あれって……ま……まさ…か!?」

ゴゴゴゴゴゴゴ…

「さあ…誰からだ…?自分の帰り血を浴びたい奴は。……?」(ギラッ!…ジャキッ!!)

!!!ヒェええええアアアアアアアア〜〜〜〜…

「」(うぉ〜!今日の副長は一段と…怖え〜!)「」(まるで現世の《新撰組》《土方歳三》みたいに…敵を躊躇なく惨殺している!…まさに鬼神だ…!!)「」(本当に容赦がないな…俺達の副長…)「」(無理もないか…副長…報告で右腕の一番隊隊長【Sogami】さんの《殉職》を聞いてから怒りが込み上がっていたからな…)

タッタッタ…

「!!…くっ!!…まだ長いな…!!」

「!!いたぞ!!」「逃すな!!」「ここまでだ!!【Hux・row】!!」

「くそっ!!」まだいやがったか!!だが容赦はしない!!」

ザクッ!!ブンッ!!!ポイ!!!

「グアッ!!」「ひでぶ!!」「ぐああああ!!!」

「!!ああっ!?」

「ハクロー…無事か?」

「な、ナガワさん!?」

真・ユートピア創造士隊の前を【狼志組】四番隊隊長【Nagawa】が立ち塞がり、刀で断ち斬り、投げ飛ばす。そして【Hux・row】に詰め寄ってきた。

「急ぎのようだな。……どこへ行くのだ?」

「…下町通りです!ですがこの包囲網です!逃走は困難かと…」

「…分かった。ここから上の屋根に登れ!そうすれば下町へはすぐに行ける。…俺に掴まれ!上へ投げ飛ばそう!!」

「…分かりました!!お願いします!!」

「…よし!行くぞ。………ふん!!」

ポイッ!!

「!!よし…あそこなら…ハァ!!」

シュルル!…カン!!グィーーーー!!

【Hux・row】は巧みなワイヤーアクションを行い、屋根へと登り、下町通りの方角へと目指す───────

「…うむ、ワイヤーアクションか。……伊達に諜報機関ギルドに在籍しているだけの事はある、いい身のこなしだ。…気をつけていけ…トワを頼んだぞ…ハクロー!!」

「はぁ…はぁ…!!」

・・・

〜【Kagoya】下町通り・広場〜

「…やっと着いたな。…ここに…【Zeal】は…もう来ないだろうな?」



残念ながら、どうやらその読みはアテが外れたようですよ。…【Hux・row】…

「!!この声!?……くそっ!!…今度も【狼志組】の追跡から……逃れたようだな…【Zeal】!!…また…脱走して来やがったのか!!……出てきやがれ!!!」

キーーーン!!シャーーーー!!!

「!!」



「行きますよ!!」

「!!【V.Prestina】で特攻かよ!?…くっ!!」

ゴロゴロ!!…カキン!!!

「!!ぐっ!!…はぁっ!!」

ガシャアーーーン!!!

【V.Prestina】に乗りながら仕込み刀を持ち、《騎馬隊》のように特攻する【Zeal】を【Hux・row】は攻撃を躱しつつ、本体に重い一撃を当てた。バランスが崩れてしまった【V.Prestina】は無惨にも壁に激突して解体される。

ザッザッザ……

チャキッ!!

「…っち!…外したか。…だがよぉ。……【Zeal】…」

何度も倒され、再び【Hux・row】の前に現れる彼の執念深くもあり、何処か《信念》とも言える何かしらの意志を察したのか、彼自身には何故か関心をも持ち合わせる言葉を告げる。

「テメェ…なかなかタフな奴だな。…腕を斬られ…もう刀を振ることはできないと聞いてたが…それでも俺の前に現れるとはな…」

「フッフッフ。……この腕を見なさい!」

カチャア…ウィーーン!

「!!…機械の…腕…!?そんなものまであるのかよ!?」

【Zeal】の両腕には機械の腕が取り付けられていた。そして更に後足しして言い放った。

「それだけではありません。……私は【Rowdy】様…【Auro】様に…あなたの仲間の小娘【Linea】から抽出した《治癒能力》…その《源》を含む自称《女神の聖水》の加護を受けた私は。…身体もこの通り。…完全復活であります…フッフッフ…本当に神の使いのようですね…彼らは…」

「!!…テメェ…アイツら【Demister】(終焉ノ使徒)とも関わりがあるのか!?…アイツらが…リーネの治癒能力を奪い取ったという言葉にも聞こえるぞ!!……!?ま…まさか…トワさんを狙う理由は…!?」

「さて……世間話はここまでですよ【Hux・row】。……僭越(せんえつ)ながらも。…ここであなたを斬り落とさせていただきますよ…罪深き…女難の【Hux・row】!…今回ばかりは…私も斬り殺される事を前提の《覚悟》で…死ぬ気で行かせていただきますよ!!」(チャキッ!)

【Zeal】は剣を構える。その目つきは、自分は何度斬られようとも、必ず前に立ちはだかるという執念深い覇気をも放ち、気高き覚悟をも持ち合わせた表情をしている。【Hux・row】はそれをしかと受け取ったかのように名刀【Louvel】を帯刀し、抜刀術の構えをして《臨戦態勢》を取る。

「…上等だ。……!!どっかの《SF映画》みてえな腕にして再び俺の前に化けて出てきやがって!!……俺はもう容赦しない!…躊躇もしない!…もう一度テメェの腕を叩き斬って…!!二度と人が斬れないようにしてやるぜぇ!!…今まで人を斬ってきた分…悔いて後悔しやがれ!!」(シャーー…)

キン!…リィーーン♪【冥鐘】

「…相変わらず耳障りな音ですね…いいでしょう。…ここであなたの物語を終わらせましょう…文字通り、あなたの現世でいう…”完”という文字がふさわしい最後にして差し上げましょうか…そしてあなたの首を取った後…我々のボス…【Capo】に報告するとしましょうか…」

「…そんな奴がいるのかよ。…なら根こそぎ刈り取ってやるだけだ!!…この…誓いの儀礼刀…名刀【Louvel】に誓って!!お前を…倒す!!…ウォラああ!!」

ブン!!

「フッ!……ハァッ!!」

キィーーーン!!

《【Varisk】所属 Aランク》

   《【Zeal】》


ウィーーン……ギリギリ…

「!?な…なんて…!!力だ…!!」

「フッフッフ。……この【Paradiso】の世界の中でも…最新鋭の腕ですからね〜!…ハァッ!!」

ザシュッ!!

「ぐあっ!!…舐めるなああ!!」


【Hux・row】 ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー


ブン!!

キィーーーーン!!…

ギリギリ…

「!!…ぐっ!!お…重い!!だがこの剣は…【冥鐘】に頼ってなどいない!!…馬鹿な!?あなた…何処でそんな力をつけたというのですか!?…それに、その覚悟を決めたかのような《瞳》!!…昨日とは別人のように思いますが…」

【Zeal】は驚愕の表情を見せる。そして【Hux・row】は先程の【Yaeka】との戦闘で、流した涙から学んだ不屈の闘志を交え【Zeal】を睨みつける。

「俺はなあ。……!!お前のようにぞんざいに人を斬り捨てて蹴落とすように笑いながら剣を学んで強くなってきたんじゃあねえんだ!…まあ【Paradiso】に来て、まだ《三週間》と期間は短くて説得力がないかもしれないがなぁ〜!!……剣に込められた本質にはなぁ…そいつの心の中にある刀の魂ってのがあるんだよ!!…その重みを理解してない奴がなあ!!…剣なんか持つ資格はないんだよ!!!…うぉらあああ!!!」

ガキィーーーーン…!!

「…ぐっ…黙りなさいっ!!…剣は所詮人殺しの道具なのです!どんなに綺麗事を言おうともその事実は変わりません!!…フフ!…それに…現にあなたもそうでしょう?…結局殺してしまったのではないのですか?…【狼志組】の…《八番隊隊長》を!!」

「!!」

【Zeal】の致命的な言葉に【Hux・row】は怯んだ。そして【Zeal】は更に煽るように言葉を話した。

「フッフッフ。…動揺しているようですね…そうです。それにあなたは結局、大切な仲間だと言っている小娘【Linea】の貞操も守れなかったではありませんか??…そんな人間がいくら綺麗事を並べても…その事実は変わらないのですよ。…所詮仲間と言っても、群れていなければ何も出来ない者達の集まりではありませんか?……それならばあなたが言っている者達は。…《仲間》とは呼べませんね。ただの傷の舐め合い集団……大罪な《虚飾》者の集まりなのですよ!!…あなたは…誰一人も守れない…守る守る詐欺と。…そういえば宜しいのでしょうかね…」

「……」

【Hux・row】はそのまま俯いては意気消沈したかのように黙り込んだ。そしてそれを狙うかのように、【Zeal】は剣を抜刀し、歩み寄ってきた。

「戦意喪失ですか?…無理もないですね。…では…ここで引導を渡し。…終わりにして差し上げましょう。……せめてものの情けです。…これで…あなたもめでたく女難から解放される事でしょう。……さらばです!!」

シャッ!!

「…!!!」

ブン!!キィーーーーン!!!

「!!…なっ!?」

「…言いたいことは…それだけか…?…ハァッ!!」

バキィイイン!!!

「!!なっ!?私の…機械の腕を!?それに…刀を!?…その刃の光は!?」

ヒィーーン!!

「……」(ロベル…ヤエカさん…ラル…セレナールさん…ありがとうな…!!…おかげで…俺もこの名刀【Louvel】に…光輝の力…【Luster】を宿すことができたようだ!…アイツの剣は叩き折っては持てないようにした!!…後は…フッ!…ビルを見習うか!)

「…」(チャキン!!)

シュッ!!…シュッシュ!!

「!!…なんの真似ですか!?」

すると、【Hux・row】はシャドウボクシングの姿勢で、【Zeal】を挑発するかのように宣言する。

「もうテメェは剣を使えない!!…だったら…頼れるのは。…人間が持つこの自分の拳と足だけだろうが!!…殴り殺される覚悟はできてるんだろうなあ〜!?…腐れ人斬り侍!!??」

「!!…ほ〜う男らしく体術で勝負…というわけですか。…面白いですね。…【Hux・row】…いいでしょう…あなた相手にはこの両足だけで十分です。…受けて立ちましょう!!…蹴り殺しにして差し上げましょう!!」

〜肉弾戦開始〜

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜龍が如く0より・閻魔の誓い

シュッドゴッ!!

「!!グッ!!うぉらああ!!!」


【Hux・row】 ランクD
【♡♡♡♡♡♡】
ーーー

メリィイイ!!!

「…ぐっ!!…なかなかいい蹴りですね!!ですが…剣のみならず肉弾戦もお強いとは!!…はあ!!」

べキッ!!

「っち!…効かねえよ!!うぉらあ!!」(ガード!!…シュッ!!)

バキィッ!!

「はあああああ!!!!」

「ウォラあああああ!!!!」

バキッ!!…ドコッ!!…べキッ!!…ガン!!バシッ!!

「…くっ!!…ハァ…ハァ…へへッ!」

「ハァ…ハァ……!!フッ…!!」

【Hux・row】と【Zeal】はお互い体術での殴り合いで決着をつけようとする。お互いが汗をかき、血の滲む環境下で笑みをこぼしながら、睨み合っていた。すると先に【Hux・row】が口を開く。

「…アンタ。…やっぱタフだよな〜!…何度俺に敗北しても、必ず執念深く、何度でもしつこく俺に食らいついてくるよな〜!……俺の事…好きなのか?」

「ご冗談を。……ただ…ここまで真剣にぶつかった相手は、もう何年振りなのかはありますね…ですが驚きました。……まさかあなたに…あのような力が隠されていたとは…」

その言葉に、【Hux・row】は首を横に振った。そして潔白な正答のような言葉を伝える。

「あの力は俺だけの力じゃあないんだよ!!…あれは…この世界…【Paradiso】で生きる人達に、本当の目指すべき道を示すため…誰かを守りたい!大切な人と笑顔で笑う時間を守っていきたいという人々の願いが込められた力なんだ!!…だから…俺はもう負けたくない!!死ぬわけにはいかない!!もう大切な誰かを死なせたくないんだ!!…あの人のように大事な人がいて必死になって足掻いて、つまづいては時に自分を見失って道を外れる時があっても、俺は…手を差し伸べてでも助けてやる!!…例えこの世界の奴らを敵に回してでもなああっ!!!」

バキッ!!

「…!!ぐっ!!…いちいち口が臭いのですよ!!…あなたは!!」

ドゴッ!!

「!!…ぐっ…上等だよ!!…何度でも言ってやらあ!!…俺は…誰かの笑顔守るためなら……例え綺麗事を言ってる割に口が臭いと貶されようがな〜…俺は…!!」

ブォンッッ!!!

「…その口を…黙らせてあげますよ!!!」

ブォンッッ!!

バキィーーーッ!!!!!

「…!!!うぐっ!!…ハァ…ハァ……フッ!……ッ…」

ガクッ!!

「…ハァ…ハァ……!!俺は…別れ際に…託されてきた人々の意志を…受け継ぎ…この世界で生きていくだけだ!!……そうだろ…ロベル…ラル…ヤエカさん…」

【Hux・row】は充魂剤を飲み、体力を回復する。そして【Zeal】の後ろを通り過ぎる。


【Hux・row】 ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー

「…待ちなさい」

「………」

【Zeal】は言葉を使い、【Hux・row】を静止させる───────

「…トドメは刺さないのですか?…絶好の機会でしょう…」

「アンタとの決着はついた。それに俺の目的は。……お前を殺すことじゃあない!…【狼志組】のトワさん、そして俺の仲間で…現世での大切な恩人の人達から守るように任されているかけがえのない人…リーネを護衛する任務についているんだ!!」

「それは…誰かに言われたからですか?…それとも…自分の意志…ですか?」

「…後者だよ…俺自身…お前の言うようにヤエカさんを…!!…もう戻れないところまで来ているのかもしれない…それでも…俺は行く!!…アイツらを助けるためだったら…俺は躊躇なく刀を奮ってやる!!俺達の現世でいう《極道》だとか…そんな物騒事を言われてでもな!!」

「!!…【Hux・row】…」

そして【Hux・row】は振り返り、【Zeal】の方を見ては感謝の意を込めて言った。

「…それに【Zeal】…俺はアンタから一つ教わったよ…!」

「!!」

「…アンタからは。…どんなに自分が何度やられても…諦めずに立ち上がっては、俺に真剣で立ち向かってきた!…それは、人斬りの性分とかじゃあないんだろ?…お前自身、覚悟を持ってお互いに本気でぶつかり合える相手と出会うことが出来たからなんだろう?」

「…!!…フフッ…そうかも知れませんね。…一度人斬りに堕ちると。…もう戻れなくなるのですよ。……その度に、覚悟を試されていた時期があります…ですが何度も人を斬り過ぎてしまい、その感覚が麻痺してしまったのか、もう何も感じなくなっていました。…ですがあなたとの殴り合いで…少しだけ剣の道を目指していたあの頃の…《初心の心》に…戻れたように…思います…」

「…【Zeal】」

「【Hux・row】…敵ながら失礼かも知れませんが…あなたに…これだけは言っておきます…」

「!!」

《…人は…いついかなる時に限界が来た時、孤独に耐えることが出来ず…必ず壊れます。…誰しも、乗り越えられない壁にぶち当たり、もう後戻りできない時があります…そんな時、自分はどうするべきなのかという疑問に対する余裕も保てなくなり…いずれ孤独となり…嫌でも迫ってくるのですよ…こればかりは…世間から蔑ろにされてきた者達の宿命なのです…》

「…そうか。…ま、肝に銘じておくよ!…それに…俺はもう覚悟ができているんだ!!…もう俺は孤独な一匹狼でもないし、一人じゃあない!!…大切な仲間が…帰るべき居場所があるからな…!!」

「…フッ…その言葉が…真であるか、その後ろに書かれている”狼”という文字が…現世でいう狼少年ではないことを……願うばかりですね。……ッ……」

バタンッ!!

「しっかりと、学ばせてもらったよ…【Zeal】…お前から。……次会う時は、人斬りの心を捨てては真っ当な考えになっておけよ!!…俺は…これが邪悪の道になろうが、後戻りせずに突っ走ってやる!!」

タッタッタ!!

「……」(…もしかしたらあなたなら…化けては伝説になるかもしれませんね。…いつかはこの【Paradiso】の世界に【Hux・row】という名の伝説を…後世に残す程の存在に…)

【Hux・row】は【Towa】と【Linea】の救出の為に目的の場所へ向かう。そこでは、狂乱の嵐が巻き起こる予兆が刻一刻と迫っていた───────



【Hux・row】 ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー
戦果ポイントが加算されました。次のランクアップまであと※※※※※です。


・・・
・・



B. いいえ


《Capitolo・6》
※<R-18>《性的描写》あり。
苦手な方、《18歳未満》の方は閲覧を控えるようにしてください!!
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜艦これより・鶴落ちる海に

〜【Kagoya】ある町外れの森林地帯〜

リィーーン…♪【冥鐘】

ザシュっ…!!!

シュルル……

「ウフフ♡…無・駄♡ドスえぇ〜♪」(クスクス!)

「…!!くっ!!キリがないな!!」

その頃【Towa】は、【Auro】が使用した【幻影影華】の能力によって錯乱されていたのか、【Auro】自身を何度斬っても分身が再び出現し、本格的に消耗戦になっていた。朝顔の蔓の束によって拘束され、捕縛状態にある【Linea】を救出しようにも、分身が行く手を阻み、思った以上に接近が出来ない状況であった。

「ウフフ♡」「もう終わりどすか〜?」「張り合いがないどすな〜♪」「フフ♡」

「…なんてね♪……あははっ!…まんまと掛かったようだね!」

「「「「!!」」」」

【Towa】は何か策があったのか、【Auro】の分身を前にしてこう告げる。

「僕の能力は、ただ傷を治すだけじゃあないのさ。…こんな事もあろうかと君達の朝顔の《蔓》の一部を掠めとっていたんだ。……それをね。……!!ハァッ!!」

キィイイン!!!

シュルル……!!

ギュギュ〜……!!!

「!!」「リーネさんの絡め取った蔓へ!?」「接合した!?…!!」「ま、まずいどす!!」「あの状態の朝顔の蔓は…一心同体!!…このままでは…!」

チャキっ!!

「…今更気づいても、もう遅いよ。……ハァッ!!」

リィーーン…【冥鐘】

ブチッ!!

シュルル…!!

バサッ!

「!!……あうっ!!…くっ…!!…ハァ…ハァ…た、助かり…ました…でも…もう嫌です〜///えぐ…グスッ!」(しくしく…)

【Towa】は【Auro】が召喚した朝顔の《蔓》を接合させ、躊躇する事なく斬り飛ばす。朝顔自身は拘束していた【Linea】自身から栄養を搾取していたのか、供給する術を無くし、一輪に咲き誇る巨大な朝顔の一部は、無惨にも《魂の塵》と化し、散らされしまった様子である。

カレカレ……

サラサラサラ〜……

「…!!くっ!!」

コツン…コツン…

その光景に怒りを覚えた【Auro】は、次の一手へと出る。

「よくも丹精込めて育て上げた……!!私の可愛い朝顔をドス…!!」「ホンマ。……馬鹿な事する女のようドスな〜♪…ならば。…報いを受けていただくドス!!」「皆さん!!力を合わせましょう!!…!!ハァッ!!」

シュルル…ッ!!シュルル!!…バサ〜!!

「!!…なぁっ!?…」「!!…な…一体何が起こるというのですか!?!!」

ニュルニュル…シュルル……!!ギュギュ〜〜……

「ウフフ♡」「これぞ…蔦…それに先程、命綱として《子孫》を残して下さった朝顔の蔓を使って、獲物を確実に捕獲する絶対的なエコロジーで自然的な捕獲装置…名付けて…」「【草幻結界】(ソウゲンケッカイ)ドス♡!!」

《【草幻結界】》

【Auro】は分身の力を利用して、蔦や朝顔の蔓を召喚し、周囲を囲いドーム状の結界のように張り巡らせ、二人を逃げられないように包囲した。しかし二人はこれを好機と捉え、【Auro】を睨みつける。

シュルル!!…ウネウネ…

「…!!だから何さ!?…むしろ好都合だ!!…これでお前達を…絶対に逃さない!!」「【Auro】!!…ここで終わりにします!!覚悟してください!!」

チャキッ!!

「ウフフ♡」「ほな♡」「来てみてどす♡」「いつでも来てくださいな〜♪」

「!!ハァッ!!」「やああ〜!!」

ザシュッ!!…!!

シュルル!!

「!!なっ!?ぐあっ!!」「ええっ!?キャぁッ!!///」

ギュルルルルゥゥッッ〜!!!!!

【Towa】と【Linea】は【Auro】の身体を切り裂く。しかし、切り裂いた先には数多の朝顔の蔓が忍び込んでおり、それが一気に二人の顔へ覆い被さり、目隠しをされる。

シュルル……!!ギュギュ〜〜♡

「くぅっ!!…は…離せ!!…!!ぐ…ぐあぁっ!!」(ギリギリ!!)

「い…いやぁあ!!…///!!く…くる…しい!!///…もう…い…いやぁああっ///!!」(ギリギリ!!)

蔦は二人の全身を絡め取り、拘束した。二人は抵抗して振り解こうにも、その間に蔦が絡み付いた身体の上から、押し寄せてきた朝顔の蔓の魔の手が一気に襲い掛かる。彼女達の身体をワイヤーのように固く強固な朝顔の蔓が、抵抗出来ないよう、無慈悲にそのまま万力のようにして締め上げていく。

ギュギュ……!!

「ウフフ♡」「捕まえたドス〜♡」「さぁ〜てどす♡……遠慮なく♪」「貰いましょうかどすえ〜♪…では、トワさん…早速脱がすどすな〜♡…あら…胸にサラシ…ウフフ♡…邪魔なので解いとくどすな〜…ウフフ♡……あらまあ〜♪…リーネさんよりも、少し小ぶりどすけど…なかなかいい形しとるどす〜♡…それに。……フフッ♡…大胆にも紫なんどすね〜♪」(ツンツン…モミモミ!サワサワ…)

スルスル…

【Auro】は【Towa】の胸元を覆っていたサラシを解き、豊満な胸元に直に触れると、いやらしい手つきで揉みしだきつつ、もう一人の分身は、彼女の着用している制服のズボンを脱がし、薄い紫の下着周辺を弄る。なすがままにされた【Towa】は羞恥心を感じ、顔を紅潮させる。

「〜!!///やっ…やめろ…///!!…よ、よせ、は…離せ…///!!ぐあっ!///」(カァ〜ッ!///)

「!!と、トワさん!!…っ!!【Auro】!!!!!今すぐにトワさんを解放しなさいっ!!…トワさんを昨日の私のような辱めに遭わすのであれば!!…私も!!…特にあの人が!!…ハクローさんが本当にあなた達を許し…!?ああっ///!!い、いやぁ///!!だ…ダメェ!!…///!!」

グリグリ〜♪…グチョ♡…ニュチュ♡

【Linea】は必死に【Auro】へ呼びかけるが、それを諸共もせず、クスクスと笑いながら彼女の《秘所》に朝顔の蔓の束を擦り付ける。朝顔の方は準備は完了しているのか、エキスをふんだんに分泌しており、歯止めが聞かない様子であった。

「ウフフ♡リーネさん♪……ただ少ししか触れてないのに、ま〜たこんなにも濡らしてドスぅ〜♡…ホンマにせっかちな娘どすな〜♡…そんなに欲しいんどすか〜?この朝顔の束が…♡」「では、遠慮なく…♡」「二人共…挿入させていただくどす♡」

ズズ〜……!!!!

ズチュ♡…グチュ♡…ゴジュ…♡ネチュ♡

「〜///!!んっ///!?ん〜ッッ♡!!!///……!!い、いやぁぁぁ〜!!///…くううっ♡…おっ!お願いです///!!これぇ…!!抜いてくだ!!///あん♡…ぁあん♡!!…い…いやぁああ♡///!!」(ポタポタ!ブンブン!)

「リーネさん!!…///!!ぐああぁっ!!!…い、痛ぁッ!!……っくうっ!///……あぐぅっ!!///…くっ!!…やめろぉ…貴様らぁっ!!///…!!うぐっ!!///…くうぅっ!!///」(ポロッ)

「まぁ〜ウフフ♡」「なかなかいい声しとるどす〜♪」「でもこれで…♡」「トワさんも…め・で・た・く…《破瓜》♡どすね〜♪…さあ二人共、どんどん激しくいくどすよ〜♪」

シュッ!シュッ!ジュル!…ゴジュッ♡グチョッ♡ネチョ♡

「!!だ…だめ…///!!ダメぇぇ〜♡!!!!///…あぐっ♡!い、いやぁ♡!!///そ、そんなに…激しく、うごかさ…ないでぇくだぁ…♡!!!///…い…いやあぁ〜〜っ!!!!///」(ポタポタ!ギチギチ!!)

「くあっ…///!!あぐっ!!///や…ヤエ…カ姐さ…ん…ごめ!?///あぁぐぅっ♡!!///!…や…やめっ!///…んああぁ〜っ♡!!///…くぅっ♡!!///」(ポタポタ!ギチギチ!!)

【Auro】の卑劣な策略に嵌り、数多の蔦や蔓を身体中締め上げられてしまった二人は、次第に《ファラオ》のような状態となり、蔓や蔦が身体全体を覆い尽くし、包み込んだ状態で拘束される。なす術もなく、二人は朝顔の蔓の束が分泌するねっとりとした粘液を体内から分泌される《魂の蜜》が絡みつき合う事で粘度の高い糸が引かれながら、ただひたすらに体の中で打ちつき、叩き込まれ、次第に快楽へと溺れていく。

ゴシュ♡…グチュ♡…パン!!パン!!パーン♡!!

「うぅっ…!!///んうっ♡!!///あぁっ!!///」(ピクン♡)

「くぅっ!!///…あがぁっ♡!!///…うぁあっ♡///」(ピクン♡)

「ウフフ♡…これこそ女性を美しく魅せ、対価として快楽をもたらす緊縛・拘束手段の一・つ♡」「お〜ほほほドス〜♡」「《マミフィケーション》♪……欧米にて色欲を持つ者が知る♡…全身を朝顔の蔓で拘束され、ご満悦なあなた達………お礼にと私達に敬意を払う。…その為にあるものなんどすよ〜♪」「…ウフフ♡」

そしてそろそろと言わんばかりに、朝顔の蔓の愛の育みを受け容れてしまった二人を満足そうに見物する【Auro】達はニヤつき、準備を始めた。

「ではそろそろ…」「貰い受けるとしましょうどす…♪」「トワさんの大切な…」「修復能力を…ふふ♡ねっとりとしたエキスを♡…また可愛いリーネさんにもあ・げ・るど・す♡ウフフ♡」

グチュ♡…ドピュルルル…ドクドク…グチュ♡グチョッ♡ネチョ♡グチュグチュ♡…パンパンパン!!

「!!ま…また!?///…〜!!///いっ!!…いやぁあ♡!!///…だぁ…だめぇぇ♡!!///…だ……出さないでぇ♡…や…やめぇ!!やめてくだっ!!///あうっ!!///…うっ!!だ///…だめぇ!激しッ!!…///いやっ♡///やぁっ///…やめてぇ♡///あ…ぁ…!!あああ〜んん♡!!!」(ポタポタ!)

「ぐぁっ!!///…お…お腹が…///!!何か溜まっ…!!うぐっ!!///…やあぁめぇ♡!!///〜///…ぐっ…うぅ///…ハクッ…ロー///…助け…♡///…!!…あぁぐっ♡!!///…やめっ///てっ///!!…ぐっ///」(ポタポタ!)

【Linea】と【Towa】の二人は【Auro】の辱めをひたすら耐える。【Towa】の口からは、好意を寄せている男性の名前が出てきた。それを聞いた【Auro】は茶化すようにいった。

「あらあら〜♡」「トワさんも、ハクローくんの事が好きなんどすね〜♡」(なでなで♡)「でも…二人のこの現場を…ハクローくんが見たらきっと…」「失望して、愛想を尽かされるどすね〜♡」

「!?///」

「!?///」

「でも安心をどす…そうなっても〜♡」「私達が友達になってあげるどす〜♡」「だ・か・ら♡」「二人共…快楽の頂点へと…溺れて…イキなさ〜い♡」

グチュ♡グチョ♡…ドピュルルル…ドクドク…グチュ♡グチョッ♡ゴジュッ♡…グチャ…♡ネチョ♡グチュグチュ♡…パンパンパンパン…パーン!!

「あぐっ///!!あああっ///…だ…だぁめぇ♡///…も…もう…♡///!///い、いや///!!や…めてぇぇっ♡///…あっ!ああ♡…あぁん♡///!!…いやっ…!!…いやぁああーーーー♡♡♡///」(ピクピク♡)(ポタポタ!)

「うぐっ!!///や…め…///!!うぐっ!!///…あぐっ♡!!///!!あうっ♡!!///!!ハァ…♡…ハァ♡…!!ぐっ…!!///…!!…くぅっ!!…何かが…身体の中から…出てきて…///!!…やめっ///…!!んんぅっ♡…ンン〜〜〜〜〜〜♡♡♡///」(ピクピク♡)(ポタポタ!)

ドクン!ドクン!…ドビュルル…ギュルルル〜〜〜〜ッ…ポタ……ポタ…

「ウフフ♡終わったどす♡」「トワさんの持つ《修復能力》を無事この朝顔に吸い取り終えたどす〜♪…これで遂に…♪」「完成どす♪…完全なる…【絶対治癒修復能力】!!」「ようやく、これで【Paradiso】の救済が実現するんどすなぁ〜♡…ウフフ♡感謝するどすよ〜二人共♡リーネさん…トワさん…さぞ気持ち良さそうだったどすな〜♡」(うっとり♡)(なでなで)

【Linea】と【Towa】はなす術もなく【Auro】の卑劣な策略により、【Towa】の修復能力を朝顔に搾り取られ【Dea Acqua Santa】(デア・アックア・サンタ:女神の聖水)として抽出されてしまった。【Towa】は辱めを受けた悔しさのあまりに涙を流し、【Linea】も再び、辱めを受けられ、堪えきれず涙を流す。それでも二人は【Auro】を睨みつけ、敵対の姿勢を見せる。

「!!…くっ!!【Auro】!!…一度ならず…二度までもこんな下劣な辱めを!!…絶対に許しません!!!…覚えておいてくださぁ!!…あぁんんっ♡!!///!!だ…だぁめ…♡///!!そんなとこ…///!!いやっ!!…触ら…ないでぇくだぁ…!!やぁんんっ♡!!///」

「くっ!!…おのれ…///…!!よくも…!!///!!許さない……!!許さないぞ!!…【Auro】…絶対に報いを受け!!〜///うぐぅっ♡!!///…ああっ!!///…!!…あぐうぅ〜♡///…や…やぁめっ…///!!…くっ///……グスッ…!!///……うぁあっ!!///…ああああ〜〜〜ん〜♡!!!!!」

しかしそれを満面の笑みで【Auro】は二人の頭を優しく撫でながら、敏感な部位を触り、抵抗を静止させる。

「もう二人共〜♡…怒らないの〜♡ウフフ♡」「じゃあ…お礼に次の子を…」「入れてあげるどす♪」「今度は…さっきよりも大きくてねっとりとして…」「あなた達に…極上の快楽を…味わらせてあ・げ・る・…どすから〜ウフフ♡」

シュルル!!…グチュ♡グチョ♡

「!!いっ!?…いやぁああ♡///!!だ…だめぇ///!!やぁめ!!…うぅっ!!///…大きっ♡///!!はぐうっ♡!!///…い…痛!!あぐっ///…いっ!…いやぁあああ〜〜〜!!!!///」(ポタポタ!ブンブン!)

「ぐっ!!…やめっ!!///……!!あぐっ♡!!///…はぁううっ♡!!///…やぁ…///…ハク…ロー…早く…来てっ…///…!!〜///!!…うぐぁぁっ///!!…!!ああああ〜〜んっ♡///!!」(ポタポタ!ブンブン!)

「ウフフ〜♡もうこの快楽からは逃げられないどすよ〜♪」「この結界はこの世界に存在する最も硬い鉱物と同等の強度を誇っているので外からこの結界を突き破ることは不可能…誰にも邪魔されず…あなた達はここで…快楽にどっぷり溺れるどすのよホホホ♡」「あら〜♡最初は強気なトワさんもこんなに乙女な顔になっちゃって…ウフフ♡」(なでなで)「破瓜にして女として成長したどすね〜♪…もう一人称は僕っこを卒業して…私と使ってくれたらいいどす♡…さっ!今度はと〜ってもハードに動くどす♡…二人仲良く…」

《快楽の絶頂の階段を登って…行きなさ〜い♡!!》

グチュ…ゴチュ♡ネチュゴチュグチャゴジュ♡ジュクジュクジュク♡ジュクジュクジュク♡

「いっ!!///…!?…いやああっ!!あっ!?…あああぁあん♡///!!さっき…より///…も…は、激しっ///!?だめぇ♡///…やぁめてくだっさっ♡///!!…!!んぐっ///!!んっ///!!んん〜〜〜〜〜♡♡♡///!!!」(ポタポタ!)(ピクン♡ピクン♡ピクン♡)

「!!はぁううっ♡!!///…やぁ!///…んぐっ!///…!!くうっ!!///………やぁ…///…!!…やぁあめっ♡///!!〜///…くっ…///てぇ〜///!!…あぐっ♡!!///…ああぁぁ〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!///♡♡♡」(ポタポタ!)(ピクン♡ピクン♡ピクン♡)

二人は体内に挿入された太々しい朝顔の蔓の束の激しい動きで絶頂を迎えようとしていた時、分身の内の一人の【Auro】は意地悪そうな微笑みを浮かべ、【Towa】に詰め寄り、覆い被さるように抱きついてきた。

ダキィ♡…ムギュッ!!

「はあぁうっ♡!!///……!!…くぅっ!!……【Auro】!!…き…貴様ぁっ!!///」(キッ!!…ビクン♡ビクン♡)

「ウフフ♡…意外と感じた可愛いらしい声を出すんどすなぁ〜トワさん♡うふふ…なかなかいい悲鳴どす〜♪…で・も♡…そう簡単にあなたを楽にイカさないどす。…言ったはずどすよ〜♪…この私の可愛い朝顔を、その刀で斬り飛ばして摘み取り……尊い命を奪ったその報いを受けていただく事…もうお忘れになったんどすか〜?…ウフフ…♪」(ニタニタ♡)

ギュルル!!…がっしり!!

「〜!?///…んああああっっ♡!!!///……い…嫌ぁっ!!///…くっ!……は…離せ!///……っ!!///……一体…何をするつもりだ!?///」(ギロッ!!…カァ〜ッ///)

能力を使い、【Auro】は植物の蔓や蔦を複数召喚し、【Towa】と共に可憐な一輪の花になるかのように絡み付き、強く抱きしめる。それでも【Towa】は強い視線で【Auro】を睨みつける。その様子に相手はまるで動じることもなく、無駄な抵抗と言わんばかりに微笑みを浮かべ、ニタニタと笑いながら耳元で【Towa】に対し、絶望の淵に突き落とすことを囁き、宣告する。

「ウフフ〜♪…【絶対治癒修復能力】が完成した景気付けに…トワさん♡…これからあなたの魂の体を…♪…私や、この可愛い植物達の養分として全ての魂を吸収して味わい尽くし……ウフフ♡……綺麗な一輪の花になって生まれ変わっていただくのどす〜♪」(ニコニコ♪)

「!!………な…っ……」(ゾクッ!!)

その発言を聞き、【Towa】は青ざめ、その表情には絶望を感じていた。その様子に【Auro】は笑みを浮かべ、更に追い討ちをかけるように更に呟く。

「ウフフ♡嬉しいどすなぁ〜♪…トワさんのような美人な娘の栄養なら…さぞ、この子達も余すことなくじっくりと味わい尽くし…美しくなって大喜びするどす〜♪…そ・し・て♪…すぐにあなたの愛しの姉のようなお人の…ヤエカさんの所へエコロジーかつ、楽に行かせてあげるどすから何も心配はいらないどす〜♪…ウフフ♡…こ・れ・で…一石二鳥どす〜♪」

シュルル!!…バチン!!

「!!…んんうっ!?……んん〜〜〜!!!///」(く…口を塞がれ!?…や…やめっ!!…い…嫌……っ!!…そんなの…くぅっ!!……い…嫌ぁ〜〜〜ッッ!!///…くっ!!///)(ポロポロ!!…ブンブン!!)

蔓や蔦が【Towa】の口へと絡み付き、口封じをされた為、彼女の言葉や意思疎通の自由を奪われる。【Auro】の発言を聞き、正気ではいられなくなったのか絶望のあまりに大粒の涙を流し、激しく拒絶する。しかし【Auro】は一切止める気配がなく、まるで暑く広大に広がる砂漠に一つの水が豊富な《オアシス》でも見つけた旅人のように、渇きと飢えが満たされるような満面の笑みを浮かべ、着実に最終段階への準備に入っていた。抵抗する【Towa】の言い分を全て拒否し、非道にもこう返答する。

「ウフフ♡………まさか、嫌と言ってるんどすか〜?♪…なら《オウム返し》するどす〜ウフフ♡……い・や♪…そして…だ・あ・め♡…オ〜ッホホホ♪、嬉しいどすなぁ〜♡…美人で可愛らしいトワさんの魂の身体を余す事なく味わい尽くして取り込むことで、更に私も…この朝顔や植物も艶やかに、美しい美貌を手に入れることが出来るのどすから〜♪…ウフフ♡…ではトワさん…私の可愛い朝顔の蔓達の快楽の海に堕ち、沈んでいく準備は出来たどすか〜♪…精精…自分のしでかした命あるものを奪い取り、摘み取った罪を認め…私の♡…この朝顔に美味しく堪能して味わい尽くされて……無事に美しい一輪の花に………生まれ変わるんどすよ〜♪ホホホホホホ♪!!」(ダキッ♡…ムニッ♡!トントン!)

シュルル…ギュルルルル!!!…ギューーーーーッ!!!! ドクン♡ドクン♡!!ドクン♡ドクン♡!!

「〜!!///…んっ!?…んん〜〜〜♡!!///」(はぁううぅぅ♡!!…うっ!!…うぁぁっっ♡!!…くっ!…ま…まずいっ!……【Auro】に抱きつかれて……っ!!…周りを囲んで絡みついている蔦や蔓が…先程よりも次第に…くうっ♡!!///…締め上げてきて…///…く…苦しくな……っ!!!)

「ハァ…♡…ハァ…♡…くっ!!…!?…と、トワさん!!」

【Linea】は【Towa】の身を案じていた。しかし、それを分身した【Auro】に遮られ、まるで安心させるかのように更に辱めていく。

「ウフフ♡リーネさん!そう心配しなさんなどす〜♪…こっちはこっちでお楽しみどすよ〜♪」(ニコニコ!)

ゴシュ♡…グチュ♡…パン!!パン!!パーン♡!!

「あっ♡!!///い…いやぁ〜〜〜〜〜ッッ♡!!!!!」(ピクン♡ピクン♡ピクン♡)

「……!!…ん!!んんうっ!!」(ジタバタ!)(リーネさん!!…くっ!!離せ!!…!!あぐッ♡)

「あらあらトワさ〜ん♪…そんなに動くと…更に植物達の蔓が刺激を感じて強く締め上げ。……養分を吸い上げるのが早くなるんどすのよ〜♪オホホホホ♡!…そ・れ・に♡トワさんの抱き心地…日向のような温もりに満ちて温かくて、いい匂いがするどす〜♡……はぁ〜…でも少し残念どす〜トワさん。…一輪の花のように可愛いらしくて綺麗な女性どすけど…私の可愛い大切な朝顔を斬り落とされ、命を奪ってくれた《怨み》……私は決して晴れることはないのどす〜♪…どうか…魂を絞り上げられ……安らか〜に眠るどす〜♪」

シュルル!!…バチン!!ギュルルルルルウゥゥ!!!!!!ドクン♡ドクン♡!!ドクン♡ドクン♡!!

「!!んっ♡…んん〜〜〜〜〜っ♡!!!!/////」(ポタポタ…ブンブン!)(…い…嫌あぁぁっ!!///……うぐぅっ♡!!…やっ…やぁめ♡!!……くっ!!…うぅっ!…すっ…すまない……ルー……さん……ヤエカ…姐さん……僕も…もうすぐ姐さん達の所へと行くようだ……姐さんの…敵を取れなくてすまなかった……そして…ハクローも…すまない…リーネさんを守れなかった。………僕は…いや…最後くらいは素直になろう…私は、短い時間ではあったがハクロー……ルーさんの現世での親友である《白狼》の………君という男に出会えた事。……細やかな幸せで、私にとっても…人生初の…最初の《恋》だった……図々しいかもしれないが……最期に…君に言いたい。…私は…君の事が…す───────)

【Towa】は自分の死期を感じとったのか、【Hux・row】に対する素直な好意を向けた最期の言葉を交わし、目を閉ざす───────

───────しかしその時、その運命を覆す展開が起こる───────

ガシャアアン!!!!

「!!」「なぁっ!?」「バカな!?…何故結界がどす!?…硬度はこの世界で最も硬い鉱物に匹敵するというのにどす!?」「一体…誰がどす!?」「!!あれは…!?」

突然【草幻結界】の壁を何者かによって破壊された。

「…ハァ…♡…ハァ…♡……だ…れ…?」

「…!?…っ!!」

「…!!」

リィーーン♪【冥鐘】ザシュッ!! スパン!! ブシャア!!!

「!!あぐっ!!」「うっ!!」「あぁ!!」「あうっ!!」

スパッ!!…パラパラ…

「……ッ!!」(シャーーキン!)

「!!…ハクロー…さん///」(ポタポタ!!)(よかった…来てくれたんですね…ハクローさん…///…でも…恥ずかしいです…///)

「!!…ハク…ロ…ー///…うぅ!!…!!…うぉっ!?///」(ポタポタ!!)



🎼Back Ground Music 》》》



バサァッ!!ダキィッ!!!

【Hux・row】は素早く踏み込んでは【冥鐘】を使い、【Luster】を宿した名刀【Louvel】で【Auro】の分身の身体を素早く斬り裂く。そして二人に絡みついていた蔦や蔓を瞬時に斬り裂き、【Towa】はマントで下半身を隠され【Hux・row】によって優しく抱き抱えられた。その背中には、心なしか日本海軍の誇りを象徴する旭日旗が靡くような大和魂溢れる強い意志のある覇気を放ちつつ、涙を流しながら【Towa】に謝罪した。

「……トワさん……!!…本当にすまない!!…遅くなった!!!!…だけど……もう手遅れ…か…すまないヤエカさん!!…アンタとの約束…守れなかった…トワさんを…守りきれなかった!!…くそっ!!…!!…くそぉぉおおおおっ!!!」(ポタポタ!!)

「!!…ハクロー…じゃあ…奴が言ったように……本当に……ヤエカ…姐さん…は……!!あ……ぁぁ…!!グスッ…!!…あぁあああああぁぁぁっ!!」

「…!!…ハクロー…さん…うぅ!!…わああああああん!!」

ダキッ!!

「本当に…すまない!!…トワさん!!…リーネもごめんな!!…また、守ってやれなくて……」

「…大丈夫です。…また【Auro】に……私、色々辱めを受けましたが…それでもあなたがこうして私達を助けに来てくれて……嬉しいです!!///……!!愛しています…ハクローさん…///」

チュッ♡!

「…僕もだ…ハクロー!…君が来てくれなかったら…【Auro】に命を奪われる所だった。…おかげで命拾いをした………感謝するぞ…///」

チュッ♡!

「〜!!///…ってぇっ!!??今それどころじゃあないだろ!?///アウロを倒すぞ!!」

「…!!そ、そうでした!!///…あ、あれ?【Auro】は!?」

「///…!!…逃したか!!…くっ!!」

・・・

ヒィーーン………

「…ハァ…ハァ………っ!!…傷が思うように治らない……どす!?……あの剣に宿っていた光…まさかハクローくん…あなたに【Luster】の素養が……通りであの強固な結界を容易く。……まあいいどす。……ウフフ♡目的の物は手に入れたようどすし…ここは撤退どす♪…【Izaya】さん…町を燃やし尽くしておらんどすかな〜…」

シュンッ!!

・・・
・・




B. いいえ


《Capitolo・7》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF13より・ライトニングのテーマ

〜【Paradiso】歴2000年:7/9・夜方【J島】【Kagoya】【河原木亭】〜

「ただいま!!セノさん無事か!?」「セノさん!!無事でっか!?」

タッタッタ…

「…あっ!お二人共、お帰りなさいませ!…ですがロランさんが…」

「!!」「ロランはんがなんかあったんか?」

【Senno】はそういうと、玄関からスリッパを取り出しては、状態を見ればわかるという空気で準備をした。

「とにかく中へお入り下さい。来てみれば…わかります」

「!!…ロラン兄貴!!」「ロランはん!!」

タッタッタ…

「…!!あっ!?ビルくん!?ケイトちゃん!?無事だったんだね!」

二人は寝室に向かう。そこには【Beanne】とベッドで横たわっている【Rolan】が目についた。

「ベア姉さん!今戻った!!…!?ろ、ロラン兄貴!!」「ロランはん!!…しっかりしいや!!」

「…あ…ああ…お前達か。…無事で良かったぞ。……俺は…大丈夫だ!…だが今回は…完敗のようだ…」

「!!だ、誰にやられたんだ!?ロラン兄貴をこんな目に合わせたのは一体…!?」「この魂の消耗からして、只者やないようやな…」

「ヴェ…ノ……」

「!!…えっ!?…ああっ!?」「…ああっ!?【Siel】所属のアリアはん!!…い、一体どないしたんや!?…何でアンタがこの【河原木亭】におるんや!?」

【Bill】【Keito】は昨日の騒ぎで顔見知りになった【Siel】所属の【Aria】が布団で寝込み、負傷していた事に驚く。それに対し【Beanne】が横切り、事の事情を説明する───────

「…それは私から説明するわ。…今回ロランを襲ったのは、私の知り合いでね…【Veno・nix】(ヴェノ・ニクス)…通称ヴェノくんていうの。…その人がね、彼女を運んできたんだよ」

「!!えっ!?」「ほ、ホンマなんか!?」

「ええ。でも本当はただハクローくんの居場所を聞き出すために殴り合っただけなの。…!!でもね。…やり合っている最中に【Varisk】の襲撃に遭って、負傷したロランをヴェノくんがここまで連れてきてくれてね…」

「!!…クソッ!!…許せない!!よくも…ロラン兄貴を…!!そいつの顔面…ぶん殴ってやる!!」「ウチもや!!ロランはんをこんな目にした奴を…絶対に許さへんで〜!!」

「だめ!…あなた達は待機しておきなさい!!」

「!!」「で…でもベア…!!…は…ん…!?」

ゴゴゴゴゴゴゴ…

【Bill】【Keito】の二人は【Beanne】の方を見る。そこには、殺気じみたオーラを放ち、威圧感を感じさせるも、瞳に映るのは《高潔な気高き覚悟》を持ち、まるで意志を貫く閃光のような眩く煌めく聖なる目を持つ女性【Beanne】が立ち上がっていた。そしてすかさず、二人に投げかける。

「…ハクローくんからもさっき連絡が来てね。…あなた達が戻ってきたら私と交代して二人にセノさんを…ここにいるみんなを頼むように言ってくれと。……ハッキリ言ってくれたわ。…ここは私が行くからあなた達は【河原木亭】で留守番しておきなさい。……もし私の邪魔だてをするのなら…容赦はしないわ。…いいかしら?」(ギラッ!!)

「!!」(ゾクッ!!)(ベア姉さん…あの時の…【Makiras】との戦いの時と…同じ目だ!!)「!!」(ゾクッ!!)(あれが…ベアはんの本性ってやつなんか!?…この身震いする感じ…只事やあれへん……まるで別人やないけ!!…なんや…清々しくて神々しい《女聖騎士》のようにも見えるで!!)

二人は【Beanne】が普段おちゃらかに見せている一面とは違う、彼女自身の本性をここで見た為に汗が止まらない表情をする。その様子に彼女はそろそろと言わんばかりに───────

「…フフッ!…じゃ、二人共行ってくるね〜♪!!よ〜し張り切っていこかな〜♪」(ルンルン〜♪)

「!!」(ズコーーーッ!!)「!!」(ズコーーーッ!!)

《ベア姉さん…ギャップ凄いんだよな〜……》《ウチも思わず不意打ち食らったわ〜!ホンマにギャップの激しい人やで〜ベアはんは〜…》

・・・

「じゃあセノさん、行ってきま〜す!二人の事、お願いしておきますよ〜!」

「はい。…ベアさんもどうかお気をつけて…行ってらっしゃいませ…」

「了解〜♪…ふふ♪…ではでは…行ってきま〜す!!」(ビシッ!!)

ガララララ…ピシャア…

「…ベアさん…無事ハクローさん方を連れて、無事に帰って来てくださいね。…もう私は今は亡き…此処の主…【Kawara】(カワラ)様の悲劇を…!!繰り返して欲しくないんです!!…だから。…どうか…ご無事で…!!」(ポタポタ!)

【Senno】は【Beanne】を見送った。そして【河原木亭】の先代の主【Kawara】(カワラ)という人物の過去の事を思い出したからか、彼女は涙を零す。そして【Kagoya】の町はいよいよ日付が変わる頃、大きな火蓋が斬って落とされる。


・・・


〜【Paradiso】歴:2000年・7/10・深夜方【J島】【Kagoya】下町通り〜

タッタッタ!!!

「あっ!ハクローさん!下町通りが見えてきました!!」

「やっと着いたな〜……トワさん、大丈夫か?」

「…ああ。……平気だ。…ハクロー…そろそろ降ろしてはくれないか?」

「!!…ああ…分かったよ…」

【Hux・row】はそういうと【Towa】を降ろす。すると彼女は微笑み、頬を赤らめては【Hux・row】の顔を見つめる。

「…すまなかったな、ハクロー………ふふっ♡///」(ドキドキ!///)

ダキッ!!…チュッ♡

「なぁっ!?…と、トワさん!?///」(ドキドキ!///)

「!!///っ!?と、トワさん!!///こっ、ここ…〜///!!…こんな時に一体何してるんですかぁ〜!?///」(カァ〜ッ!!///)

【Towa】は【Hux・row】に対し、温かく抱擁して頬に接吻を交わす。それはここまで運んでくれたと同時に何かしらの感謝の意を示すようにも見せていた。そして彼女は遂に心に秘めた感情を爆発させる──────

「こんな時だからこそだっ!!今くらい気持ちを素直にさせておくれ!!……もし僕がッ!!…いや。………私もヤエカ姐さんのように…奴らによって、命を奪われてしまったらと……そう考えると……うぅ!!…えぐ!!…グスッ…!!」(ポタポタ!!)

「!?」

「!!……トワさん…!!」

グィッ!!…ダキッ!!

「!?///」(は…ハクロー!?///)

「は…ハクローさんまで!?///い、いったい何を!?///…え………」

「………!!」(ポタポタ…ポタポタ!)

バッ!!

「…っ!?///……は…ハクロー…?///」(ドキ…ドキ!!///)

【Hux・row】は【Towa】を優しく抱擁して抱きしめる。それはまるで千夜と交わした時のように、哀しみに暮れていた彼女を温かく包み込んでいた。しばらくすると彼女を離して距離を置き、涙を流して【Yaeka】の事を深く謝罪した。

「すまなかった…トワさん。…ロウディの策略で…ヤエカさんを怪物に姿を変えられたとはいえ……!!それでも俺がヤエカさんを…この名刀【Louvel】で斬って…《殺めた》といった事実は、何一つ変わらないんだ!!…俺は目を覚まして魂が失くなって…昇華が起こっていた状態のヤエカさんから。……トワさんを頼んだと言われたけど…それでも…!!俺は……あの人を救えなかった!!…人として許されないことをした!!…もう俺はヤエカさんを殺めて…《人斬り》に踏み込んでしまったんだ!!……それに俺は、アウロによって…女であるアンタの初めてを……大切なモノまで奪われて…何一つアンタを守る事すらできなかった!!…本当に…すまなかった!!!」(ポタポタ…)

「〜!!///…この馬鹿者ぉっ!!///…君は…いや、ハクロー!!…お前は……!!本当に大馬鹿者だぁッ!!///…私の事はいい!!……気にするな!!」

「…!?」

「と、トワさん…」

【Towa】は【Auro】から受けた辱めの事もあるからか顔を赤らめている。それでもすぐに冷静さを取り戻し、【Hux・row】と向き合って話を進める。

「…それに、きっとヤエカ姐さんもわかってくれている!!…お前はヤエカ姐さんを助けようとしたんだ!!…ヤエカ姐さんを殺す為にルーさんの刀を振るおうとしたのではないのだろ!?」

「!?…トワさん……」

【Hux・row】は【Towa】からの返答に驚く。彼自身、誰かを守るという義務感で動いていたばかりに文句の一つや二つを彼女自身からの《責任追求》を受けると言わんばかりに思っていたのだった。しかし彼女は違った。現世でのフィアンセと外見がよく似るも、まるで慈悲深くもあり《清廉》に満ち溢れた美しく清き心を持つ一人の女性が、目の前に立っていた───────

「…それにあの時、私達が【Auro】の卑劣な策略に嵌り、不覚にも辱めを受け…挙句の果てに、奴の朝顔の蔓によって全身を締め上げられたまま、自由を奪われ……植物達の養分として私の命を吸い上げて取り込まれる所であった時だ。…奴の張った強固な結界を、お前の持つ名刀【Louvel】にルーさんの光を宿して斬り裂き、突き破って。…颯爽に現れたお前は。…私達を助けようと武力を振るって【Auro】を退け……守ってくれたではないか!!…ハクロー…あの時、お前が助けに来てくれて、私は…本当に嬉しかったのだぞ!!///………ありがとう!!///」

ムギュッ♡!!

「!!…くっ!!ああ……ああああぁああっっ///!!!!!」(…くっ!!反則だよ…トワさん///……!!ただでさえ千夜と似たような姿のアンタが……千夜みたいにそんな笑み浮かべてよぉ〜…そんな言い方しやがって…///…くそっ!!…涙が…!!)(ポタポタ)

「〜!?///も〜う!!///トワさん!!///…ハクローさんからいい加減離れてくださ〜い!!///」(グイグイ!)

「嫌だっ!!///…まだ私は、こうしていたいんだッ!!///…ハクロー…お前もそうなのだろ…?///」(ドキドキ…///)

「あ、ああ。……なんか俺も同じ気持ちだぜ……トワさんを抱いているとさ。……あの時の千夜を抱き締めてるようで…すごく落ち着くんだ…///」(ドキドキ…///)

「!?///…ふふっ!///……嬉しいよ…///……ハクロー…もう一つ…いいだろうか?」

「?…な、なんだ、トワさん?///」(首かしげ?)

【Towa】の問いに対し【Hux・row】は不思議そうに首を傾げる。すると彼女は耳元で甘い吐息を吐き、心に秘めていた伝えたい言葉を発した──────

「ハクロー………私は…お前の事が……好き…///……〜♡!!///」

《大好きだっ♡!!///》

チュッ♡

「…!?///…!!はは…そういや〜千夜に告白された時も、そんなふうに言われたなぁ〜!!///…最近の事だけどさ……なんだか懐かしく思うよ。……トワさん…アンタは本当にアイツの…千夜の生き写しみたいで……すげえ〜綺麗だ…///」

「あはは!///…そうか…///…じゃあ…私と千夜さん…どっちが好きなんだい?///」(ドキドキ…)

「!!///」

【Towa】の発言に【Hux・row】は迷う事なく真正面から言い放つ───────

「……同じくらいだよ…///…俺…これからもアンタを…心から好きでいたい。……守りたいんだ!!///」

「あはは!!///千夜さんやベアさん、それにリーネさんがいるというのに浮気者なのだな〜!!///…流石はルーさんの親友なだけあって、同じくらいに《プレイボーイ》なのだな、ハクローは!///」(ニコッ!♡…ギュッ♡)

「…あ……あはは…///…俺としてはもう《女難》と…花男共にはうんざりしてるんだけどな〜…!?…うぉっと!?」

「うわぁっ!?…り…リーネさん!?」

【Hux・row】と【Towa】の幸せなひと時の時間を、誰かによって無理矢理引き剥がされた。そこには頬を膨らませ、嫉妬深く恨めしそうな目で立ち尽くしていた【Linea】が、二人の前で声を荒げる。

「も〜うっ!!!///…ハクローさん!!///いい加減にしてくださぁいっ!!///例えトワさんが千夜さんのように瓜二つのようにそっくりさんでも千夜さんとは別人さんなんですから〜!!///…う〜っ!!///…グスッ!!…浮気と淫らでふしだらな事はこの私と千夜さんが絶対に許しませんよぉ〜!!///…〜っ!!///……も〜う!!ハクローさんのバカバカバカ〜!!///…う…うわぁあああ〜〜〜〜〜〜ん!!!!!!」(ジョーー!!!)

ポカポカポカポカポカポカポカポカ!!!!

「だぁ〜!!ま、またリーネの《癇癪(かんしゃく)》だぁ〜っ!!…い、いたたたたた!!ゆ…許してくれ〜リーネーーー!!」

「うわああああああんんっ!!…いやです〜!!…ダ〜メ〜で〜す〜よ〜!!///ハクローさん!!///…も〜う!!///今度ばかりは…本当に〜…!!〜///」

ダキッ!!…チューーーーッ♡///!!!!!

「!!んんぅっ!?///」(り…リーネ///!?)

「!?///」(り、リーネさん!?///)(ドキ…ドキ…)

「〜///…んっ♡///んふ♡///〜♡」(…ふふ♡…それでもあなたが…大好き♡…そして…あなたを…ずっと…ずっと!!///……!!愛しています♡…ハクローさん♡///)

「…は…はは…///」(私も言えたものではないが…人の前で見せつけて…大胆な人なのだな〜…///リーネさんは…///)

【Linea】は深い愛の気持ちを込めた口と口との接吻を【Hux・row】に捧げた。お互い顔を紅潮させて、長い口付けを交わす。

「〜!!///…ぷはっ!!…今回はこれで勘弁してあげます!!///…ふふ♡…えへへ〜♡///」(ニヘラ〜♡)

「…ハァ〜…いつの間にかリーネもベアさんに影響されちまったんだな〜///…でもリーネ。お前さんの気持ちは伝わったよ!!」(頭ポンポン!なでなで)

「ひゃっ!!///……〜!?///…もぉ〜う!!///私はこう見えて《19歳》なんですよぉ〜!!///子供扱いしないでくださいぃ〜!!///」(プク〜ッ!!…プンプン!!)(でも…悪くありませんね///…ハクローさんの手…暖かくて好きですから…///)

「あはは、ごめんな!!…でもおかげさんで元気が出たよ……ありがとうな…リーネ!!」

ダキッ!!チュッ♡

「〜!!///」(プシュー!!///)

「!?///」(お、おでこにキスか!!///…私も…されてみたい…かな…///)

【Hux・row】は【Linea】のおでこに接吻を交わす。そしてしばらく静かになってから、【Towa】の方を見つめ、何やら本題に入るかのように真剣な目で見つめた。

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜KH358より・Musique pour la tristesse de Xion

「さてとだ。……トワさん。…これをアンタに受け取って欲しいんだ!」

ジャラ……

「?…これは桜のアクセサリーか?……それに…!?こ、これはヤエカ姐さんの【P-Watch】!!…持ってきてくれたのか!?」

「ああ!これはヤエカさんの妹であるトワさん…アンタが見て貰った方がいいんだ!!……確かに託したぞ!!」

【Hux・row】は桜のアクセサリーと【Yaeka】の【P-Watch】を手渡す。【Towa】は受け取り名残惜しそうに見つめていた───────

「!!…これは…」

シャラン…チャカンチャカン!!…ヒラヒラ…

【Towa】は【Yaeka】の【P-Watch】の荷物の中身を確認して転送した。すると地面からは神楽鈴、【Yaeka】の現世から送り出された愛刀【桜花月輪刀】、そして一枚の紙が【Hux・row】の方に飛んできたので思わず拾いあげて内容を確認する。するとその手紙の内容から何かを察したのか、涙を浮かべながら【Towa】に渡した。

「ん?…これは…手紙か?…!!…はは…あの人らしいよ…本当に!……トワさん。…読んでみてくれ!…くっ…!」(ポタポタ…)

「え?…!!…や…ヤエカ…姐さん…!!グスッ!!…えぐぅ……!!ああああぁぁぁっ!!」(ポロポロ)

《もし私に何かあったら、【P-Watch】に預けているものを、我が世界一可愛い自慢の妹のトワに託す!!…大事にしなさいよね〜♪…あなたの愛しの愛しのヤエカ姐さんより♡と見せかけて追記〜♡…私は先にルーくんと一緒に…本来行くべき場所でラムネを飲みながら仲良くあなたをいつでも見守っているから心配しないで!私の形見になった現世の世界の自慢の愛刀…桜花月輪刀…あなたに似合うように桜のアクセサリーを探しておいたから、ちゃんと身につけて使ってね♡…そうしておけば、私達はいつも一緒だよ♡…じゃあいつまでも元気に幸せにね〜トワ♡…ヤエカ姐さんは、この【Paradiso】でいなくなろうとも、巫女の舞をするときに鳴らす神楽鈴、その音を象徴とする刀剣の本質でもあり、真髄の【冥鐘】の音があなたが鳴らしてくれる限り、あなたの側にヤエカ姐さんはちゃんといるから、あなたは一人じゃあないわよ♪…ヤエカ姐さんは絶対にあなたを忘れない…ずっと…永遠(トワ)に愛しているわ〜♡》

「!!…や…ヤエカ姐さんんんんんんっ!!!!!…グスッ!!…!!…うああああああっっ!!!!!」(ポタポタ!!)

「!!…くっ…ヤエカ…さん!…!!……すまない!!…本当に…すまなかったっ!!…俺は!…!!…俺はぁ…アンタだけじゃあなく…アンタの大切な妹…トワさんを……!!…くそ…くそ!……!!…くそぉおおお…!!!!!」(ポタポタ!!)

「…!!ハクロー…さん…トワさん…!!わぁああああああんんんん!!!!!」(ポタポタ!)

【Hux・row】は【Demister】(終焉ノ使徒)の【Rowdy】と【Auro】の卑劣な策略によって姉妹の絆を引き裂かれ、守りきれなかった悔しさから男泣きをし、【Towa】は【Yaeka】からの妹思いの愛が込められた手紙の内容を読み終えると、雨が降り注ぐかのように悲しみの涙が溢れ出す。その光景を見ていた【Linea】は思わず貰い泣きをし、三人はその場で泣く。【Yaeka】の手紙内容を聞き、ひたすら泣いた。そして三人は新たな夜明けの維新のような決意を顕にする──────

「…俺は…もう迷わない!!…トワさん!!…俺は…アンタを必ず守る!!…この名刀【Louvel】に誓うという事の他に…!!俺自身の心に従い…今度こそ必ず…アンタを守り抜いてやる!!」

「私もハクローさんと同じ気持ちです!!…もう断じて許しはしません!!ヤエカさんとトワさんの仲を陥れた【Demister】(終焉ノ使徒)…あの人達だけは…絶対に許しません!!」(キッ!)

「…ありがとう…ハクロー…リーネさん…もう大丈夫だから、そんなに心配しないでおくれよ!……だがな。私も必ずヤエカ姐さんの仇を取ると誓う!!…この手で…必ず!!」

二人は【Towa】を励ます。

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜実写版るろうに剣心より・運命〜迷界の鼓動〜

ドォーーーン!!…ドォーーーーン!!

するとどこからか轟音が鳴り響く───────

「!!…え…!?今度は一体なんでしょうか!?」

「また火事か…!?この音の方角からすると…!?まさか!?」

「幕末通り!!…それに…京ノ通りまで…一体どうなって!?」

三人はすぐに火元の方角を確認する。すると【Kagoya】の町の周辺が再び各区間で火事によって燃え広がり、業火のような大火が起こり始めていた。すると、それを賞賛するかのように、何者かの握手が鳴り響く─────

パチパチパチパチ!!

「「「!?」」」

「いや〜【Izaya】さんの放火能力ってのは素晴らしいな〜!ギャハハ!どんどん町がええ火力で燃え広がってる〜♪…これで、この【Kagoya】の町の維新ってのが、本格的に始まるようだな!…まさしく《維新事変》!!…はぁ〜…それにしても…たかが貧弱な女のアマの女隊長一人が死んだだけで涙を流して傷の舐め合いか…こんなに俺の足を引っ張っておいてよくもまあそんなズケズケと…でも…もう負の遺産の【狼志組】は今回の大火でもうすぐ消える。いっそのこと…手を下された愛しのヤエカ姐さんのいる世界に行けるように…ついでにお前も消しておこうか…トワちゃんよぉ〜…」

「!!…あなたは…!?」

「お前はっ!!…五番隊隊長の【Akill】(アキル)…何故…!?…一体何のつもりだ!?」

「…さっきの発言…どういう事だ!?…アンタは…一体…!?」

「…カカカノカ〜♪…!!」

突如不気味な笑みを浮かべて姿を現したのは【狼志組】五番隊隊長【Akill】であった。そしてすかさず、三人に詰め寄っては、真実を話した。

「トワ…お前さっきの話の内容からまだ分かんないのかよ〜♪…お前が好きだった《負の遺産》のヤエカ姐さんを【Demister】(終焉ノ使徒)に仕向けたのは…この俺様なんだよ〜!!カッカカカ!!……ギャッハハハハハハ!!!!」

「!?」

「!?…アキル…!!貴様が…ヤエカ姐さんを…手にかけたのかぁ〜!?」

「…ッ!!」(チャキッ!!)

リィーーン♪【冥鐘】ブン!!

キィーーーン!!!!!

「!!ハクロー!!」「ハクローさん!!」

「……ッ!!」(ギロッ!!)

真実を知った【Hux・row】は【Yaeka】殺しに加担した【狼志組】五番隊隊長【Akill】に対し、睨みを効かせる。その表情を嘲笑い、挑発するように返答する。

「お〜【冥鐘】!!……確かお前…新入りのハクローくんだっけか〜?…お前がヤエカを殺したんだよなぁ〜?…やっちゃあいけない隊長殺しを罪深い人殺しをしたんだよな〜!?…そして今度は俺を襲うとは筋違いってもんじゃねえの〜!?…そんなに隊長の座を狙っては斬り殺ししたいのかぁ!!??…ギャハハハハハ!!!」(ギリギリ!!)

「黙りやがれぇぇっ!!テメエみてぇなモノホンの外道が…!!ヤエカさんの名を口にするんじゃあねえぜ〜!!!!…決めた!!アキル!!…俺は…テメエのような悪党を絶対に許さない!!…ぶっ潰してやる!!…ヤエカさんや…トワさんを陥れた分まで、完膚なきまでに叩き斬ってやる!!覚悟しやがれぇ…!!」(ギラァッ!!)(ギリギリ!!)

「…ほうほう。…そうかい…おらよぉ!!」(ガキン!)

「…ぐっ!!クソガァ!!…ハァッ!」

キィーーン!!

【Akill】は感情に身を任せている【Hux・row】の太刀筋が見えているのか、刀を容易く受け止め、鍔迫り合いをする。しかし、その眼(まなこ)に映る欲深い目線は【Hux・row】を見ておらず、別の方に目線を合わせていた───────

「…そうか〜…じゃあその言葉が…本気ならよぉ〜…望み通り俺様に憎しみを込めた気持ちで本気で斬らせてやるよ…じゃあ等価交換で…【Rowdy】さんや【Auro】さんの言っていた…お前が何よりもトワと同じくらい大切にして守りたいと思っている。……そこの亜麻色髪の薙刀を持っている姉ちゃん…豊満ボディが自慢の《リーネちゃん》を貰っていくとするかな〜♪」

シュッ!! ダキィ!! パシッ!!

「!!キャッ!!な…薙刀が…!?…い…いやっ!!///…は…離してくだ!!ああぁっ!!///…!!いやぁっ!!///胸をさ…触らないでくだッ!!///いやっ!そこはっ!?///…だ…だめぇっ〜!!///」

「…へぇ〜♪【Auro】さんからも聞いてるけどよ〜♪…かなり感じやすい娘だなぁ〜!!…こりゃあこの町の遊郭にでも売り飛ばしたら高い値で売れそうだな〜!!…だが売り飛ばす前に俺がこの触り心地が最高な太ももの上の…白いスカートの中にある下着の中に潜んでいるリーネちゃんの大事なここを…先に美味しく貰っちゃおうかな〜♪ギャハハ!!」(モミモミ…サワサワ)

…グリグリ!!グチュグチョ♡

「!!い…いや!!///さ…触らないで///!!離してくだ!!…あっ!下着の中を!!…あん♡///…い…いやぁああっ!!///…だっ!!…だめぇ〜♡!!///…は…ハクローさん!トワさん!!…助け!!あぐっ♡!!…い…いやぁああ!!!!///」(ピクン♡)(ポタポタ!)

【Akill】は【Linea】を捕らえ、薙刀をすぐに払い除けると手首を裏にして手錠で拘束し、デリケートなふくよかな胸部と太もも、そして下着の中を物色し、いやらしく濃厚なボディタッチをして二人を挑発する。堪忍袋の尾が切れた【Hux・row】と【Towa】は強い眼光で睨みつけ、抜刀して【Akill】に襲いかかった───────

「貴様ぁ〜!!今すぐリーネを離せ!!」(ジャキッ!!)

「アキル!!…この外道がぁ〜!!リーネさんを今すぐ解放しろ!!」(ブン!!)

「ケケッ!!」

ヒョイ!!

「!?チッ、躱されたか!!」

「リーネ!!」

二人の攻撃を【Akill】は華麗に躱し、【Linea】を生捕にして高台へと避難する。

「へへ〜ん!…よっと!!…じゃあ…待ち合わせの場所は〜♪トワの愛しい愛しい姉ちゃんの。……ま、俺にとっては目障りで女の癖して強気な態度が昔から気に食わなかった腐れ女ヤエカの墓場…千夜ノ桜で決着つけようや!!…それまでに無事これたらだがなぁ〜ギャハハハ!!…ほらよ…」

カランカラン……

「!?…テメエ…」

「何のつもりだ、アキル!!」

「見てわかんねえのか〜?リーネちゃんの薙刀だ!!ソイツで我慢しとけや、ギャハハ!…安心しろや!!…この可愛いリーネちゃんをお前らが迎えに来るまでの間…ちゃあんと…可愛がってやるからさ〜…なぁ〜リーネちゃあん♡…んん〜♡」

「!!///んっ!?んん〜〜〜///」(ポタポタ!!)(は…離して!!…も…もう…いやぁあああっ///こんなに辱めに遭うのは…私…もう…いい加減うんざりなんです!!!///)(ブンブン!!///)

「アキル!!貴様ぁ〜!!降りてきやがれぇ!!」

「卑怯だぞアキル!!」

「ハッハッハ…卑怯で結構!!…勝てば結構!!…終わりよければすべて良し!!…じゃあお前ら二人はそこの泥人形共と泥遊びして遊んどけや!!あばよ〜!!…ギャハハハハハハハハ!!!…あぁ〜…腹いてえぜ〜……」

シュッ!!

【Akill】はそういうと【Linea】を拐い、【Hux・row】と【Towa】の視界から姿を消す。

ドロドロ……ドロドロ……

すると地面から人型の怪物が地面から這い出てきた。その者達は手にナイフや剣に見立てた物を形成している。

「!!…コイツらは!?」

「ハクロー、気をつけろ!!…アキル…アイツは土や泥を使い…物を形成する能力を持っているんだ!!…恐らくかなりの数だ!!」

ざわ…ざわ… ヌチャッ!!

「クソがぁ〜っ!!そこをどきやがれ!!」

ザシュッ!!…

…ジュワシュワ…

「!!…復活した!?」

「バカな!?…奴の能力は一度斬られたら形成は不可能の筈だ!!…一体…!?まさか!?」

「……」(チャキン!)

「!!トワさん!!危ねぇ!!」(ドン!)

「あうっ!…!!ぐっ!!…ハクロー!!」

キンッ!!…ギリギリ!!

「うぐっ!!…そうか…ロウディ…アウロ…!!アイツらアキルにも…リーネとトワさんの能力を…施しやがったようだなぁ!!!……【絶対治癒修復能力】って奴を!!」

「!?……そういうことか……!!下衆な事を…!!」

ブン!!

キィン!!

「と、トワさん!!」

「!!……大丈夫だ…!!くっ!!…だがなんて事を。……これでは…倒せない!!」

「クソがぁッ!名刀【Louvel】には【Luster】が宿っている筈なのに…奴らの回復の方が早いってやつか!!

ざわ…ざわ… ヌチャッ!!…!! …!!

「…な…なんだ!?」

「泥人形達の様子がおかしい。……一体何が…?」

🎼Back Ground Music 》》》



ポタポタ…!!

ザザーーーーッ!!

「!!…あ、雨だ!!」

「またか!…!?」

【Hux・row】と【Towa】が泥人形と戦闘していた時、またもや叢雨が降り注いだ。そして二人が聞こえるように水気を帯びた少女の声が聞こえてきた。

『ウフフ!!…アハハ!!…助けに来たよハクローお兄さん!!千夜お姉ちゃんにとってもよく似ている【狼志組】のトワお姉ちゃん!!大丈夫、今なら行けるよ!!』

「!?だ…誰だ!?…!!…っ!…ハァッ!!」

「!!…ラル…!!ハァッ!!」(ニッ!)

ザシュッ!! ズバッ!! ………

「!!…た、倒せた!?…よし!行けるぞハクロー!!」(ハクローの知り合いなのか?…一体誰なのだ?…だが大いに感謝するぞ!!)

「ああ!…ラル…ありがとな!…助かったよ!!…ったく!…本当にお前は…!!」(ニカッ!)

《この【Kagoya】の町の…立派な水の精霊で…本当に大した守り神だよ!!》

水の精霊ラルは【Luster】を宿した洗礼の叢雨を起こし、泥人形に施された【絶対治癒修復能力】を完全に無効化し、優しく【Hux・row】と【Towa】に語りかけて戦闘を援護する。【Hux・row】はラルにお礼を言いながら、ラルの力で補填され強化された【Luster】の力を宿し、光を放つ名刀【Louvel】で斬撃を放ち、敵を殲滅していく。

「せい…!!ハァッ!!このまま突っ切るぞトワさん!!」

「ああ!…早くしないとリーネさんが危ない!!…進むぞ!!」

「合点承知だ!…うぉおおおお!!」

タッタッタ!!

・・・

「ひ…ひぃいい!!た…助けてくれぇ!!」

「くそ!!…コイツら…何故斬っても…」「この泥人形を作る能力…まさか【Akill】五番隊隊長が裏切るとは…!!」「…【Sogami】さんのみならず、まさか【Yaeka】さんまでも殉職するとは…!!そして…【Kyusaku】さんまで負傷を…!!いったいどうなっているんだ!?」

チャキン!!…ブン!!

ザシュッ!!

「ぐぁあああ!!!」「お、おいしっかりしろ!!……!!き、貴様あぁっ!!」

ドロドロ……!!

「!!…お、おい!!…あれは!?」

ザシュッ!!

「はぁああ!!!」「やぁぁああっ!!!」

リィーーン♪【冥鐘】…ザシュ!!…ブシャッ!!

ザシュッ!! バシュッ!! ………

「た…倒した!!」「!!あれは…新入りの…ハクロー…!!」「それに…!!十番隊トワ隊長殿!!」

「皆さん無事ですか!?」「大丈夫か!?…お前達!?」

【狼志組】の部下の者が危機的状況にあった時、【Hux・row】と【Towa】がすぐに駆けつけたおかげで隊員達は命拾いする。

「は…はい!!ありがとうございます!!…しかし、これは一体何が起こっているというのですか!?」

「話は後だ!!…この辺りもおそらく火の海になる!!早く住民を避難させて、お前達も早急に避難をしろ!!…いいな?」

「は…はっ!!」「ですがハクローは!?」

【狼志組】の隊員達は、新入りの【Hux・row】に対し、視線を合わせる。それを【Towa】が遮ると頑なに話を進める。

「ハクローは今回の任務にどうしても協力が必要なんだ!!それに…その…///…!!私の命の恩人で大切な人なんだ!!///…だから私と一緒に行動だ!!///」(ダキッ!!)

「ちょっ!?と…トワさん!?///」(ドキッ///!!)

「!!」「!!」「!!」

ドキン!///

「「「///」」」(な、何だろうこの気持ち…あんな乙女な顔をしたトワ隊長を初めてみる!…今はヤエカ隊長がいないから堂々といえるけど…トワ隊長って…か…可愛いい!!///)

「とにかく!…ここは危険なのだ!!お前達は即刻早めに避難を開始しろ!!…では私達は先を急ぐ!!…行くぞ、ハクロー!!」

「ああ、トワさん!!皆さん!!道中お気をつけて!!」(ビシッ!!)

タッタッタ…

「…トワ隊長…変わってしまったな!」「ああ。ヤエカ隊長からの命で女だと悟られない様男として一人称が僕と貫いていたが、《私》になってしまわれた…」「ヤエカ隊長が去ってしまわれて…女になってしまったのだな…実に…感慨深い!」」

【狼志組】の隊員達は、【Hux・row】と【Towa】の後ろ姿を見ては温かみのある笑みで見送っている。そして、二人は大火のため大炎上している京の町【Kagoya】を【Linea】救出のために、千夜ノ桜通りまで駆け出していく──────







B. いいえ


《Capitolo・8》
※《性的描写》あり。苦手な方は閲覧を控えてください!!
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF7REMAKEより・反神羅の火

・・・

〜【Paradiso】歴2000年・7/10深夜方・【J島】【Kagoya】千夜ノ桜通り・千夜ノ桜広場〜

ギリギリギリ………

「くっ!!い…いやっ!!///はっ!離してくださいッ!!///」(ブラ〜ン!)

【Linea】は手首を縄で拘束され、そのまま桜の木の枝に吊し上げられており、その様子をマジマジと見つめつつスカートを捲り、中の下着を確認した。

「おうおうリーネちゃあん♡…そうはいかんなぁ〜ギャハッハハハ!!新入りのハクローは俺達【狼志組】のヤエカを斬り殺してしまった以上《負の遺産》とはいえ、その報いを恋人を名乗る君…リーネちゃあん♡にも償ってもらわないとなぁ〜!!ギャハハハハハ!!!どれどれ…ほぉ〜下着の色はピンクなのな〜!なかなかええやんか〜!はは若いやないの〜!!」

「キャッ!!///……!!…くっ!!ふざけないで!!…ハクローさんは何も悪くありません!!……アキル!!あなたがヤエカさんを陥れたのですよ!?姑息にも【Demister】(終焉ノ使徒)の人達を利用してトワさんとヤエカさんの関係を引き裂き…!!あんなに苦しめては傷つけて!!…私は怒りました!!!…あなたは本当に残忍で最低です!!…あなたのように他人に罪を被せて平然と笑っていられるような卑怯で救いようのない低俗で悪党のあなたを…ヤエカさんの代わりに!!ハクローさんが直々に必ず成敗してくれます!!覚悟しておいてください!!…いえ。…私も絶対にあなたを許しませんよ!!」(キッ!!)

「おうおう、【Auro】さんからも【Dail】事件の事を一通り聞いてるけど〜♪…やっぱ最低やら、低俗…それにやけに真面目だからか許さないって言葉よく使うのな〜!…よっぽど好きなようやな〜…そうか。…そんなにそんな言葉が使うんだったら望み通りやらしいことやってやろうやないか〜♪ほれほれ〜!!」

グチュグチュ♡ジョバジョバ♡!!

「!!なっ!?み…水の…塊!?…!!ああっ!!///っつ…冷たいです!!ああっ///!!やぁあっ///!!まっ!…纏わりつかないでぇ〜!!///」(ブンブン///)

「ヘッヘッヘ!所謂現世でのローションってやつだぜ〜!…ほーれ…リーネちゃあん♡の…ここの中にもたっぷり入れてやる!!さっき味わった【Auro】さんの快楽のように、た〜っぷり楽しめるだろぉ〜♪気持ちいいだろうぜ〜!!ギャハハハハ!!」(グイッ!!)

【Akill】は徐に【Linea】の下着を引っ張り、広げて泥を含んだ水の塊を【Linea】のデリケートな下腹部へ、そして秘部へと侵入させていく───────

ギュルルル…♡グチュグチュ♡ジョバジョバ♡!!

「!!いやぁああ♡それだけは…だ…だめっ♡!!///やぁめてくだぁッッ♡…あぁんんッ♡…入って…来ないでぇ〜…♡…!!…い…いやぁああ♡!!…///!!んん!!んん〜〜〜〜♡♡!!!!///」(ビクンビクン♡)

「ケッケッケ!どうだ〜!?…ほう【Auro】さんの教育のおかげでここ、どえらい喜んでるんじゃねえの〜!?ギャハハ!!…どれど〜れ♪もっと楽し……誰だ?」(ニヤニヤ!)

【Akill】は拘束した【Linea】を更に辱めようとしていた所を援軍が駆けつけたのか、その思惑を静止させる者が現れる。そこには体格の大きい【狼志組】四番隊隊長【Nagawa】が立ちつくしていた。

「そこまでだ。…隊脱走及び、八番隊隊長殺しの禁忌を犯した裏切り者…アキル!!」(キッ!!)

「ん〜?…あ〜何だ【Nagawa】(ナガワ)か〜。……今いいとこなのに邪魔するなよ〜!!…あ〜♪もしかしてお前も混ざりたいのか〜!!…このリーネって娘、かなりの上玉でおすすめだぜ〜ギャハハハハ!!…ほらこのようにな〜!!」(サワサワ♪)

「うぅっ♡!!…ああん♡!!///…だ…ダメェッ///♡やめてぇくだ♡///!!い…いやぁああ///!!!やめ…やめっ♡!!…やめてぇええええぇーーーー♡♡!!」(ポロポロ!ブンブン!)

「…命が欲しかったら…彼女リーネくんを離せ!!…その子はハクローの大切なパートナーなのだ!!…貴様のような下衆が触っていい娘ではない!!引き下がらないというのなら…救いようのない悪とみなし貴様をここで…粛清して…斬る!!…ソガミ一番隊隊長とヤエカを殺し。…トワをも傷つけた罪を…ここで償ってもらおうか!?」

【Nagawa】は【Akill】に対し睨みを効かせる。すると、放たれた言動が癪に触ったのか、不機嫌そうにこう発言する。

「ふ〜ん…あっそ!…じゃあ…今の発言はすんげえ〜腹が立ったから、おいナガワお前、俺様に逆らった愚か者の罪で死罪にすると決めた。今決めたわ〜♪…いやぁ〜良かったなぁ〜!…仲が良かったヤエカと一緒に…このチラチラ鬱陶しい桜の花びらが積もる土で一緒に骨を埋めて沈む事ができるんだからよ〜♪…まっ!…そのヤエカを手を下し、殺したのは俺じゃあなくて新入りのハクローなんだがよぉ〜!!…ギャハハハハハハ!!!!!アーーッハハハハハハ!!!!!」

「言いたいことは…それだけか?…それが遺言としかと受け取った!!…確実に…粛清して斬り捨てる!!」(ギロッ!!)(ジャキン!)

リィーーン♪【冥鐘】

「あ〜はいはい【冥鐘】【冥鐘】♪…なら俺は…これでどうかな?…ほれ!!」

ぐちゅぐちゃ…ねちょ…

「…泥人形か。……それ如きで…!?…貴様ぁ!!…やってくれたな…よくもぉ!!??」(ギロッ!!)

「おいおいどうしたよ〜!!ヒャハハハハハ!!ほらほら〜とっととその泥人形を斬らないとおっ死ぬぞ!!…まあ無理もないよなぁ…そいつらがそんな姿してりゃあ…お前にとっても斬るもんも斬れないよなああぁぁ〜♪ヒャハハハハハ!!!!」

【Akill】が召喚したのは泥人形でも、只の泥人形ではなかった。それは【Yaeka】の形に見立てた泥人形であり、複数体召喚されていた。それを見た【Nagawa】は【Yaeka】の亡き場所で土人形を作られた為に彼女の死を冒涜されたと感じ、驚愕と戦慄を覚えたと同時に相手に対する怒りをも感じていた。そしてその光景を見た【Linea】も怒りを露にしていた。

「!!あの泥人形の形…あれは…昼間にハクローさんと一緒にいた…巫女さん!?…まさかあの人が…トワさんの姉の…ヤエカさん!!…くっ!!…アキル!!本当にあなたは最低です!!人の死を愚弄するとは悪趣味です!!ヤエカさんの死を愚弄するとはあなたには必ず天罰が!!〜///ん!?んん〜〜〜〜♡///…あぐっ!!…ハァ…ハァ♡…!!い…いやぁっ♡ん!?あぁ〜〜ん♡!!!!」

【Linea】は必死で【Akill】に強く非難の声と叛逆の意を見せた。しかし、それをニタニタと笑みを浮かべ【Linea】の敏感な身体の部位を刺激して発言を静止させる。そして弄びながら、【Linea】を挑発するかのようにこう話した。

「天罰ね〜!!まあ仕方ないと思うぜ〜!!あの女が今までの任務で大切な貴重な現世人の部下を何人も見殺しにしてきたし、オマケにある《闇》との関わりがあったりするから〜♪……死んだ後もその罪が重く…それに相応しいくらいの業を背負わされて当然だ・か・ら、あの《バカ女》はこんな目に遭うんだろうなぁ〜!!…それだけ…アイツが今まで死なせてきた部下の分まで…あのアマが苦しんでもらわないとなぁ!!…アーヒャッハハハハッハ!!!…!?…うぉ〜!!…あ〜腹いてぇ〜!」

「!!……最低…!!今すぐに撤回しなさぁ!!…〜!?///あぁぐ!!///…やぁめなさッ♡!!///やぁんん♡!!」(ブンブン!!///)

「ケケケ!!リーネちゃあん♡何だかんだ君元気だね〜!!じゃあ…そろそろ、これが欲しかっただろ〜う?…【Dail】邸以来だろうがよく味わえよ!!…オラッ!!オラッ!!オラーーーーッ!!」

パーーン!!ペシーーン!! パンパンパン…パーーーン!!!

「!!いやああーーーッ!!…い、いやっ///!!…あっ!!…あうっ///!!…くっ///!!鞭を!!…よくもやってくれましたね…!!もう…容赦しませっ!!あぐっ!!///…あんっ!!♡…!!…くっ!!…あーーーーん♡!!!」(キッ!!…ポロポロ!!)

【Akill】は【Linea】の服を捲り上げ、背中に鞭を思いっきり振りかぶり【Linea】を攻撃した。そして徐に、鞭を前に回し込むと【Linea】のふくよかな部位に強く当て、蛇が塒(とぐろ)を巻くかのように締め上げ、胸部を歪な形に変えていく。

ギュギュ〜……

「うぅ!!///…い、痛いッ!!///…や、やめぇ♡!!」

「へっへへ!どうだぁ〜?気持ちいいだろ〜う!?リーネちゃあん♡ん〜?!ヒャハハハ!!おうおう!このふくよかな自慢のブツ♡…丁度頃合いのようだな〜!…キツく絞り込んでやろうかん〜!?こうやってなぁぁーーー!!!行くぜ〜!!!」(グイ……)

ギューーーッ!!

「!!///いやっ///!!…だ…だぁめ♡!!…ん!?んんん〜♡///!!!…い…いやぁああぁっ///や、やめてくださぁい///!!い…いやぁ///!!……〜///……うぅ!…グスッ!…ハク…ロー…さん…助け!!あぐっ♡!!…だ…ダメェーーッ♡…あ…あぁーーーん♡♡!!」(ポタポタ!!)(ハクローさん!!…助けてください!!…私…このままでは…うぅ!!…グスッ!!…こんな【Dail】や【Jeil】以上に醜い…嘔気を催すような…非情かつ邪悪で最低な人に…なすがままにされてしまいます!!…どうか…助けに来てください!!)

「ダメーーーッ♡あぁーーーん♡♡!!か〜ヒャッハハハ!!こりゃあ傑作だなぁ〜オイ!!【Dail】は捕まった後、どうやら遺産にこんなルックス、スタイルもよくて、感度も優秀で傑作な処理担当のメイドを仕立てちまったようじゃあねえか!!あの縄使い【Jeil】って野郎。…この分野でもつくづく優秀のようだなぁ〜ギャハハハハ!!!…こりゃあいいや!!売るのは勿体ないな〜!!…折角だしリーネちゃあん♡はこの維新事変の大火を終えた後、俺がもらって行くとするかな〜!!…幸い…俺達は現世人…魂を無くさない限り一生生きれるからな〜!!もし負傷を負っても、あの【Demister】(終焉ノ使徒)の【Auro】さんに《完全治癒修復能力》貰っちまったし…あの時媚を売っといて正解だったぜ〜ヒャーーッハハハ!!まっ!…ぜいぜい俺の世話をしてくれよ〜♪…ご主人様呼ばわりして一生こきつかってやるからヨォ〜!!ヒャッハハハハハハハ!!!!じゃあ手始めに…ほらご主人様からの熱いキスだぞ〜♪とくと味わいな〜〜!!…ん…んん〜〜〜!!」(グィッ!!)

「!!んぐ!?んっ!?…ん〜〜〜〜〜///!!!!!」(キッ!!)(!!いや!!…そんなのいやです!!…い、いやぁ〜〜〜〜!!……!!くっ!!冗談ではありません!!…あなたみたいな…あの忌々しい下劣な【Jeil】と同等に人の命の価値を知ろうとせず、なんとも思わない性根から腐敗し切っている下の下の卑劣で【Dail】以上に最低な極みのような外道!!…こっちから願い下げてお断りです!!…アキル!!!…私は人の死を冒涜して嘲笑い、悪びれずに同じ同志で仲間の方々…【狼志組】のトワさん…ヤエカさんの仲を引き裂き…!!!嘲笑い卑劣じみた悪魔のような顔で絶望の淵に突き落としたあなたを…私は許さない!!……絶対に許さない!!………!!断じて許しません!!!!!…必ずあなたに…報いを受けていただきます!!!!!……ヤエカさん!!どうか見ていてください!!!!!…敵は必ず取ります!!!!!)

【Linea】は意志の強い眼差しで相手を威嚇する。【Nagawa】はその彼女の決意に応えようと接戦を繰り広げる。

「…!!リーネくん!!…!!くっ!!」(すまないハクロー…だが俺の命を変えても、必ずリーネくんを救出する!!…ヤエカ!!いるのなら…力を貸してくれ!!)

ドロドロ…ブン!! キーーン!!

「!!ぐっ!!……斬っても更に増殖するか!…!!やむを得ん。…この千夜ノ桜広場を吹き飛ばすかもしれないが仕方ない…!!背に腹はかえられぬ!!……!!トワ!ヤエカ!…うぉおおおおあああ!!!!」

キィイイイイ!!!!

「!!なっ!?アイツまさか…!?オイオイオイオイ!!マジかよ!?」(ガタッ!!)

「!!な…何ですか!?い、一体!?」

【Nagawa】は刀に重力変化の能力を一手に集気させ、地面に力強く叩きつけようと身構える。【Akill】はそれを察したのか土人形を操り静止させるように指示を出す。

「お、おいお前らあ〜!!あのデカブツを止めろ!!…止めろっっての!!」

「!!…!!」

「!!はぁあああああ!!!!!」

ダーーーーーーーーン!!!!

・・・

〜【Kagoya】大正通り【河原木邸】7/10〜

「zzz〜…」

prrrrrrrr!!

「!!いかん寝てしもうてたわ!!…誰や!?…!?ハクローはん!?」

深夜のため、眠気に負け寝てしまっていた【Keito】は【Hux・row】からの着信を聞き、慌てて着信を取る。

【Hux・row】(ケイト!)

【Keito】  (ああハクローはん!!…ホンマすんまへんな!!寝てしもうてたわ!!…こっちは無事に河原木邸に着いて早速ベアはんと交代してな〜!今ビルと一緒にロランはんの手当てをしてるとこなんや!!)

【Hux・row】(!!ロランが!?…何かあったのか!?)

【Keito】  (実はな、ベアはんから【Veno・nix】って人が突然、昨日会ったアリアさん連れて【河原木亭】に来てな〜!…なんか因縁あったんか知らんがな…ロランはんと戦ったんやけど…その時に突然【Varisk】の奴らの襲撃にあってな、その【Veno・nix】って人がロランはんを【河原木亭】まで運んできてくれたらしいんや!…それを見たら凄い剣幕でベアはんがえらい怒って…ウチらと交代した後、そのまま飛び出してしもうたんや!)

【Hux・row】(…その内容だと…おそらくベアさんは、ロランを負傷させた【Varisk】の連中を追っているということか!?)

【Keito】  (おそらくは。…あとその【Veno・nix】って人な…なんかハクローはんを追ってるらしいんやけど…心当たりはないか自分?)

【Hux・row】(?ヴェノ…ニクス?…いや…その人の名前は初めて聞くよ!…いったい誰なんだ?……まあいい分かった!…とりあえずお前らが無事に帰っているのならそれでいい!!…あとこの近辺で火災が発生しているんだ!!…今俺はトワさんと一緒に行動しては【狼志組】の部下に連絡を密に取り合って尽力で警備に回っている!!…もし何かあれば…その時はみんなを頼んだぞ!!ケイト!…ビル!)

【Keito】  (承知の上やで〜!あ〜そやそや!!リーネはんは見つかったんかいな!?)

【Hux・row】(ああ!何とか…だがな…!?クソっ敵か!!わりぃ!!切るぞ!!)

【Keito】  (ああ!ちょ!ハクローはん!!)

プッ!!ツーッ…ツーッ…

「…ハクローはん…!!…よし!!ウチも負けてられへんな〜!!よ〜し仮眠終了やで!!おいビル!!いつまで寝てんねん!!??」

ペチペチ!!

「zzz…!!…ケイト!!て…敵か!?」

「ちゃうちゃう看病や!!…今ハクローはんとトワさん…今敵との抗争で忙しいらしいから!!」

「そっか…!!くっ…教官!!頼む…無事に帰ってきてくれよ!!…俺は…アンタを目標にしたい人物だと…そう決めているんだ!!…大丈夫だよな…無事に帰ってきてくれるよな!!」(ググッ!)

「…ビル…」

【Bill】の眼差しは真剣であった。【Keito】は見守っている。そして満面の笑みを浮かべ、こう話した。

「ようし!分かったわ!ちょっと軽くつまむもん持ってくるさけにしばしロランはんとアリアさんを頼んだでビル!!」

「分かった!任せろ!!…ロラン兄貴…大丈夫だ!!…みんな戻ってくるから…必ず!!」(ググッ!)

・・・

〜【Kagoya】幕末通り〜

「…そうか。ベアさんが…」

「ああ!…しかも凄い剣幕で出て行ったってケイトが言っていたから…おそらくはここには来れない。…やむを得ない!…俺達で…あのアキルの野郎を…!!」

「倒すしかないようだ!!…それに…アキル…アイツは昔からヤエカ姐さんに嫉妬していたんだ…」

「!?…どういうことだ?」

【Hux・row】は【Towa】に【Akill】の事を聞こうとする。その返答に対し、彼女は素直に応じる。

「アキルは昔、向上心のある奴だった。…だけど一度ヤエカ姐さんと手合わせして……どうしても姐さんに勝てなくて、それでもプライドだけは人一倍強くて…ヤエカ姐さんの実力を認めようとせず、一方的に妬みや怨みの感情を持っていたんだ。ヤエカ姐さんは町の模範とする華のような人気者で部下からの信頼も厚かった。…それに比べるとアキルは強気だけがウリで乱暴で粗暴なところが部下にも言いようには見られなくて……人望に恵まれず、自分の隊長としての立場も不利な状況が続いて冷遇されていた時期があったんだ。そこで、まるで辛い現実から逃げようと、欲に溺れてしまってね…ここの娯楽や…低俗な遊びに手をつけては…」

「…堕落していき…欲に忠実で蹴落としては自分自身が絶頂に立ちマウントを取りつつ優位に立とうとした…か。…確かに組織に属していたら…うだつとか…立場を気にしないといけないよな…本当に…」

「?…ハクロー…どうした、一体何の話だ?」

「ああ悪い!こっちの話だ!…さぁ〜て、そろそろ目的の千夜ノ桜通りだ!!…トワさん…準備はいいか?」

「ああ!今回の戦い…絶対に勝つぞ!!…私達で…ヤエカ姐さんの無念を晴らし…!!」

「そして…リーネを必ず助け出す!!…名刀【Louvel】…もしロベル…ヤエカさんの意志がその刃に宿っているのなら…俺達に立ち向かう力を貸してくれ!!…頼む!!……よし行くぞ!!…絶対ここで決着をつけてやる!!…抜錨だ〜!!!!!」

ジャキーーーン!!リィーーン♪【冥鐘】

【Hux・row】は名刀【Louvel】に願いを込め、戦闘への士気を上げる。そして名刀【Louvel】を帯刀し【冥鐘】を鳴らす。その神聖な巫女が降ったかのような神聖な鈴の音は、【Towa】も落ち着きを保ち、赤面しては【Hux・row】に語りかけた。

「…いい音だ。……ハクロー…お前は本当にヤエカ姐さんも…私が惚れ…初めて好きになった頼り甲斐のある真っ直ぐな男だよ…///」

「!!///ちょっ!?と、トワさん!!こんな時にそれを言うのかよ!?///」

「あはは!!…こんな時だからこそだ!…私は…お前が大好きだ!!///お前を…心から愛している!!…だから!…私は必ず勝つ!!…お前と一緒に戦い!最後まで付き合う!…お前の現世の愛人、《千夜さん》の分まで!!……支えてやる!!///」

「!!///……トワさん………よし!!行こうぜ!!」

《テ〜レレレッテ レ〜テレレッテ・テッテレ〜♪》

【Hux・row】ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーーー
【Towa】が戦闘メンバーリストに加入しました。          

ダーーーーーーーーン!!!!

「!!この轟音!?まさか…!?」

「!!…急ぐぞ!!この音は…只事じゃあねえぞ!!」

【Hux・row】と【Towa】はすぐさま【Akill】と【Linea】のいる千夜ノ桜広場へと向かう。そこには、予想もしない光景が広がっていた。


・・・
・・




🎼Back Ground Music 》》》



♪〜Bzより・Roots

〜【Paradiso】歴:2000年7/10・深夜方【J島】【Kagoya】千夜ノ桜通り・千夜ノ桜広場〜

「!!なんだよ…これ…!!」

「…じ…地面が…!!な…ナガワ!!」

【Hux・row】と【Towa】が見たのはいつもの華やかな千夜ノ桜の面影は無く、そこには爆弾が落とされたのかのように地面にはクレーターが生じ、千夜ノ桜の花びらは燃え尽き、殺風景な景色が広がっていた。その向こう側には、身体に数多の土で出来た刀が身体中に刺さっており、魂の残渣物が流れ、今にも昇華が始まろうとしていた【Nagawa】の姿があった。そこには自分の最期を感じ取ったのか、悔いを残さないように自分の所持していた音楽プレーヤーに現世の時代に好きであったある音楽アーティストの音楽を聴いていた。

キラキラ!!…サラサラ…

「!!そんな…昇華現象が……ナガ…ワ…!!ナガワあああぁぁぁッ!!!!!」(ブワッ!!)

「…ナガワ…さん…!!…嘘だろ…アンタ…も…」(ポロッ!)

「…ああ…ハクロー…すまな…い、私もどうやら…これまでのようだ……大切なパートナーの…リーネくんは…すまぬ…守ることは…出来なかった…本当にすまない…」

【Nagawa】 ランクA
【】
ーーー
魂が喪失しました。ソウルロスが起こり、形成が保てなくなりました。これから昇華が始まりますーーー

キラキラ!!…サラサラ…

【Nagawa】の身体は結晶化していき、魂の残渣物が飛散していく。すると二人に事の事情を話す。

「アキル…奴は…何度斬られても回復する。恐らくは…」

「ああ!そんなことは分かっている!!…だが…お前が…お前が消えたら…私は…私は!!…ヤエカ姐さんに申し訳が立たないじゃあないか!!」(ポタポタ!)

「すまないなトワ……ヤエカの事…何一つ守ってやれなくて…すまなかった!…ハクロー…」

「!!…はい!…ナガワさん!!」(ポロポロ…)

「…配属されたばかりのお前に…副長も言っていたのだが……俺自身も…お前には重い重荷を背負わせてしまったみたいだ…だがヤエカは…お前の事をすこぶる気に入っていたよ…」

「!!」

「…俺は…もう三十路に近い年齢だが…ヤエカは…私と同期だからか…まるで兄のように慕ってくれてな…」

・・・

『ねえねえ!!ナガワ聞いてよ〜!』

『む?…どうしたのだヤエカ?』

『ふっふ〜ん♪実はさ!…私と一年半も前にパートナーを組んでいた【Louverd】元より現世ではロベルっていう名前……通称ルーくんの無二の親友、ハクローくんと今日初めて会って話をしてね〜♪…ルーくんの話もしたんだ〜♪も〜う♡本当に嬉しくてさ〜♪!!』

『!!…そうか。…そういえばアガルタさんの情報によれば、ハクローは彼と現世では親友の関係だったのだったな…ふむ…俺も彼と一度会って手合わせしたことはあるが、彼は本当に礼儀正しく、清々しくて、とても真面目な者だったな…そうか!…久しぶりに彼との話をしたのか…ヤエカよ。…なんだかすっきりとした顔をしているな…本当に心から嬉しそうだ!』

『ええっ!?///わかる〜?♪…流石ナガワ♪!…私と付き合いが長いだけのことはあるわねぇ〜♡……それでね…私、今日の鍛錬でね…ハクローくんと剣を交えて分かったの!……ハクローくんを…ルーくんや、トワと同じくらいに大切にして…見守っていかないといけないって!…ルーくんの名刀【Louvel】を持つということは…ハクローくんはこれから、ルーくんを亡き者にした大きな厄災にも立ち向かわないといけない運命に遭遇すると思うから…だから私にもしも何かあれば…出来ることなら、ルーくんの名刀【Louvel】の中に…ルーくんと同じように意志を宿して生きることにするわ!…ハクローくんはね。…私達と同じ【冥鐘】の他に、ルーくんと同じように…何か特別な潜在能力が隠されていると思うの!…そんなハクローくんになら…私は希望を託せると思うの!!…きっと将来、私よりも強く、大きくなって…気高き意志を持って、狂った欲望にも溺れず、真理を見出して……心に正直に従い、困った人には必ず手を差し伸べて助けに行くわね!…それは忖度とかの立場だとか、権力だとか、そんなものに振り回されず世界を敵に回そうとも、ハクローくんは自分の心に正直になって前へ……更に前進んでいくわ!…私はね…そんなハクローくんの力になりたいのっ!!///…あの子の心の持つ刀の立ち姿と抜刀術の構えの姿はね…まるで…ここの明鏡止水の境地のように澄んでいてね…後…何となくだけどね…現世の日本神話の狼の神…【真神】のように正しい者には救いを、悪しきものには厳しき裁きの鉄槌を…そんな片鱗をハクローくんは持っているの!!…フフ♡…そんな彼なら、私の意志を継いで…トワも…もし彼が引き受けてくれるのなら…八番隊隊長を安心して任せれると思うのよ!』

『…!?…なっ!?縁起でもないことを…俺は絶対に死なさん!!…お前も…トワもだ!!…我々はこれからも【狼志組】の同志…!!…仲間として、この【Kagoya】の町を…【Paradiso】の世界の治安を維持し、住民の安全や笑顔を守っていくために…俺達は剣に生きるだけだ!!』

『あはは!も〜う!だ・か・ら♡もしもの話だってばさぁ〜♪…でも…私はね…ハクローくんに負けても悔いはないわ!…あの子…ルーくんの無二の親友だからかしらね。……本当にルーくんと同じ志で…よく似ていてね!…優しくて…と〜ってもいい子なんだから♡///!…今日会ったばかりなんだけど私、本当に…ハクローくんの事が…』

『…好きなの♡!!///』

・・・

「…!!…くっ…ヤエカさん…!!…くそっ!!」(ポタポタ!)

「…ハクロー…!!…くっ!!」(肩ポン!…ポタポタ!)

「…ハクロー…トワ…今はまだ泣くな!…まだ戦いの最中なのだ…ハクロー…トワ…最期にいいか?」

「!!…はい!」(ポロポロ!)

「!!…あぁ…ああ…!!」(ポタポタ!)

【Nagawa】は微笑みを浮かべ、【Hux・row】と【Towa】に最後の希望を託すかのように語りかけた。

「…お前達になら、例え【狼志組】がなくなろうとも、強い志で生きていける。…ヤエカが目指していたように、人々の笑顔や華の溢れる京の町【Kagoya】を実現し…守ることができるだろう!…お前達はこの【狼志組】の本質を誰よりも見抜いては見出すことが出来ていると俺は思っている!…後は頼んだぞ!…我が狼のように誇り高き意志を持つ組みに属する者達よ!!…ここからは…お前達の道だ!!…いつか…必ずまた会おう!!」

「!!…ハッ!!…任せてください!!…俺はもう…迷いません!…最後まであなた達の意志を継いで…決して後退せず、トワさんと切磋琢磨して…生きていきます!!」(ビシッ!!…ポロポロ!)

「!!…ナガワ…!!…後は任せろ!!…ヤエカ姐さんの分まで…私は生きる!!…ハクローと一緒に…!!必ず生き残る!!…だから…どうか安心してくれ!」(ニコッ!!…ポロポロ!)

【Hux・row】と【Towa】は【Nagawa】の最期を温かく見守った。それに安堵したのか安らかな表情をし、【Hux・row】の顔を見て最期の注文をする。

「ハクロー…最期に…お前と…親友ロベルの誓いの儀礼刀…名刀【Louvel】を触らせてくれないか…ヤエカの時にも別れ際にも触らせてやったのだろう?…どうかな?」

「!!…はい!!…どうぞ触ってください!…きっとヤエカさんも…それを望んでおります!」(チャキッ!…)

ピトッ!

「…!!…ふふ…温かいな…彼が所持していたその名刀【Louvel】は…まるでアイツの…ヤエカのように華々しく輝いているようだ。…さらばだ…二人と……!!…避けろぉおお!!」

ヒューーーン!!

「!!…ッ!!トワさん!?」(ダキッ!!)

「!!あぐっ!!…な…ナガワぁああああああっーーーー!!!!!」(ポタポタ!)

ダーーーーーーン!!!!!

「な…ナガワーーーー!!!!!」(ポタポタ!!)

「ナガワさん!!…!!…この文字は…野郎…やってくれたなぁ…よくも!!…アキル…あの腐れ外道がああぁっ!!!!!」(ポロポロ…ギラァッ!!!)

突如、昇華が起こり、消えかけていた【Nagawa】の頭上に長方形の土の塊が降り注いだ。そこには、誇張するかのように『アキル様に楯突いた愚かなる【狼志組】四番隊隊長…八番隊隊長…ここに眠る』と悪趣味じみた文字が刻まれていた。それを見た【Hux・row】は人の死を冒涜されたと感じ、【Akill】に対し怒りを顕にする。そうしているといよいよ宿敵と、かけがえのない大切な人から守るように命じられた女神のような女性が姿を現すーーーー


・・・


B. いいえ


《Capitolo・9》
※《性的描写》あり。苦手な方は閲覧を控えてください!!
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜劇場版:KINGDOMより・KINGDOM・信

「バチコ〜〜ンかぁ〜!!ギャハハハハ!!こりゃあ〜いいや!!見事に不要な奴はスクラップによぉ!!アーッヒャヒャヒャ!!…うっ!?…あ〜腹いてぇ〜!!」

「…そ…そんな…なんて…ことを……!!ひ…酷いです!!なんて、こんな非道な…非常識な事を……!!もう許されませんよ、あなたはっ!!……!!は、ハクローさん!!トワさん!!」(ブワッ!!)

「!!リーネ!!…!?その叩かれたような傷は……そうかテメェ〜…ヤエカさんやナガワさんのみならず…よくもリーネまでも陥れようと…弄んでくれたようだなぁ〜…」(ゴゴゴゴゴゴ…)

「アキル貴様ぁ〜!!!!!…必ず斬り捨てる!!…よくもヤエカ姐さんのみならず……ナガワまでも!!…覚悟は出来ているのか!?」(キッ!!)

【Hux・row】と【Towa】は【Akill】のしでかした邪悪な行いに対し、激しい憎悪の感情と嫌悪感を感じ、強く反発する。しかしそれを悪びれず、帰ってきた返答は虫唾が走るものであった。

「フハッハッハ〜♪…笑わせてくれるなぁ〜!…このリーネちゃあんにはいい思いさせてもらったわぁ〜本当で!!…こんな極上な快楽を期待させてくれた【Dail】と【Auro】さんにはマジで感謝しないとなぁ〜♪ヒャッハッハ…さーて…お前らにも見せつけてやるか…その前に…ほらよ!!」

ドロドロ…グチャ!! ズボボー…

「!!うぐっ!!!や…野郎!!……これは…!!」

「!!ぬ、ぬかるみだ…まるで底なし沼のように…くっ身体が…沈んでいく!!…っ!!…身動きが取れないっ!!」(アタフタ!)

【Hux・row】と【Towa】は【Akill】の能力により、地面に身体が沈んでいく。その光景を見た【Linea】は【Akill】に対し、強く抵抗する。

「ハクローさん!!トワさん!!…くっ!!アキルッッ!!!!よくもこんな酷い行いを!!……今すぐ二人を解放しなさい!!さもないとっ!!」

「あぁ〜?…へへへ!…そうか〜♪」

ドン!!

「あぁうっ!!…!?な…何を…!?」

【Akill】は【Linea】を押し倒し、手足を地面に埋めて拘束し、【Linea】の下着を捲る。

サワサワ…グチュ…グチュ♡

「ああっ♡!!///…だ…ダメェッ!!///…さ…触らないでぇ〜!!」

「〜♪」

ダキッ!!

「キャッ!!///…くっ!!離しな……さ……い……!!」

二人はお互いに密着する。【Linea】は抵抗するが相手の力が強い為、拘束が解けない様子であった。そして彼女は相手の行動の真意を察してしまった─────

「!?///…ま…まさか!?…〜///…い…いやっ!!は、離してぇッッ!!///…そ、それだけは…///〜!!それだけはぁ!!///…い…いやぁああああ〜〜〜〜///!!!」(ゾクッ!!…ブワァ!!…ブンブン!)

そう。それは彼女自身が決して望まない《禁忌》を犯される行為であった。【Linea】は抵抗するがあまりに首を振り、激しく拒絶する。それを【Akill】はやれやれ無駄な抵抗と言わないばかりにこう言い放った。

「よく言うぜ〜!!【Auro】さんによぉ〜!!…この中に朝顔の蔓をぶち込まれて色々教育してもらってよ〜♪…今頃【Sognare】の世界には【Auro】さんの朝顔と…君、リーネちゃあん♡との間に赤ん坊が出来ちまったんだからよぉ〜♪!!…それにさっきから俺の【Fiducia】の《土の能力》でも、あんな顔して気持ち良いようにしてたじゃねぇか〜ゲヘヘ〜♪…せいぜい…いい声で泣いてくれよぉ〜ヒャハハハハハ!!」

スリスリ〜♡

「!!き、貴様ぁあああ!!!!」(くっ!!西野さん!!…三橋三等海佐!!…頼む!!リーネを助けたい!!…どうか…俺に力を貸してくれ!!!)

「やめろおおおおぉぉぉ!!!」(ヤエカ姐さん!!…ナガワ!!…頼む!!…リーネさんが危ないのだ!!…どうか私に…この外道のアキルと立ち向かう力を…!!)

「さ〜てと、絶望に浸った観客は無視して〜♪…んじゃま…行くぜぇ!!くぅ〜♪一体どんな感じに泣くのか…楽しみだなぁ〜♪」(ニタァ〜ッ///!!)

カチャカチャ……スルスル……スゥーーッ………

「だ…ダメェえええええっ〜〜〜〜!!!!///…い、いやぁああああああぁぁ〜〜〜〜!!///」(ブンブン…ポタポタ!!)(あ……あぁ……私は……こんな低俗な…下の下の最低な人に…身体を…いよいよ汚されるのですね……これが運命だとしたなら…うぅ!!…ハクローさん…千夜さん…トワさん…ベアさん…お兄ちゃん…お姉ちゃん…あかりちゃん…フネさん…そして皆さん…本当にごめんなさ………!!)

リィーーン…♪【冥鐘】

ブォーーーン!!!

ズザァアァッ!!!

「!?///……え?」

「!!ぐぁああ!!!…あがっ!!いでっ!!…いでぇえよ〜!!…だ…誰だぁ〜クソガァ〜!?」

【Akill】は突然背後から誰かに斬りつけられ、深傷を負わされる。

「………」

ガシッ!!

「…!!…ぐあっ!!…うぉおおあああああっ!!!!」

ダァァーーーン!!

その者は墓標に見立てられた土の塊に、勢いをつけて【Akill】を投げつけ、深いクレーターを生じさせた。

「………」(チラッ!!)

……スタ…スタ……ダキッ!!

「キャッ!!///……!?」(…え…?…だ…誰でしょうか…?…何だか…凄く顔が怖い人のようですが…)

その者は男であり、チェスターコートを靡(なび)かせながら【Linea】に近づき、優しく抱き寄せる。そして【Hux・row】と【Towa】の元に近づき、まずは【Linea】を降ろして土の沼から二人の身体を引き揚げ、二人の安否を確認するかのように語りかける。

「…ハクロー君…トワ…無事か?」

「ふ…副長!?…はい!…助かりました!…アキルからリーネを救っていただき…誠に感謝の意を申し上げます!」(ビシッ!)

「副長!!…すみません!私ともあろうものが…アキルの手の内にハマり、失態を犯してしまい…!」(ペコリ!)

【Linea】を助けたのは、【狼志組】副長【Fukabe】であった─────

「え。……〜!?ええ〜っ!?…こ、こ、この顔の怖い方がハクローさんやトワさんの所属する【狼志組】の…ふ…副長さんなのですかぁ〜っ!?」(…本当に何だか…現世での【新撰組】の…《土方歳三》さんのように、強面で…怖そうな方ですね…)

「……」(ジーッ!)

「ひ…ヒィッ!!ご、ごめんなさい、ごめんなさいいぃ〜〜ッッ!!せ、折角危ない所を助けて頂いたのに顔が怖いとか失礼なことを言ってしまいましてぇ〜!!お、お願いしますっ!!い、命だけはぁ〜!!!!」(ペコペコ!ぴえん!)

【Linea】は深々と【Fukabe】に謝罪する。

「……はぁ〜……やはり怖いのだな、私の顔は。…このようなおっとりとしたレディーにもハッキリ言われるとは。……誠にショックだな…」((・ー・|||)ガーン!!…ショボーン…)

「…!?」(ふ…副長!?…何だか…意外な一面があるんだな〜…)

「……」(…やっぱり、結構気にしていたんだな……強面のこと。……副長は普段怖そうに見えて、意外とナイーブなとこがあるってヤエカ姐さんも言ってたんだよね…)

【狼志組】副長【Fukabe】その顔の怖さは、子供が見れば泣き止むどころか、更に泣き出すくらいの強面であり、【Linea】もそれを見て恐怖心を感じ、強面の事を謝罪する。【Fukabe】自身、彼女に顔が怖いと言われ、残念そうにショックを感じていた。【Hux・row】は、その意外なお茶目な一面を見て驚きを感じていた。【Towa】自身は、【Yaeka】から事情を聞いてた事もあり、少女の面影が残る思いを含めて少々気まづそうにしていた─────

ガラガラガラ…ガシャアアアン!!!!!

「!?」

「っ!!」

「…あぁっ!…アキル!!」

三人が話している間に、クレーターに埋もれていた状態の【Akill】が脱出して姿を現し、【Fukabe】の方を向く。

「………」

「…いつつ…!!…っちっ!…誰かと思えば顔のおっかねぇ〜副長かよ〜?…これから俺様は折角リーネちゃあん♡とお楽しみだったのによぉ〜!!…っちっ…よくも邪魔してくれたなぁ〜!!」

「…………」

ジャキィーーン!!

…リィーーン♪【冥鐘】

ゴァァァアアアア!!!!!

「!?う、うぉわぁっ!?」(ゾクッ!!)

「!?」

「くっ!!」

「きゃあっ!!」(な…なに…!?)

「…黙れ。…次喋ると…跡形もなく《粛清》して…斬り捨てる!!…小物かつ下等な《叛逆者》風情が…高潔な志を持つ志士達を散々陥れておいて……!!」

《偉そうにほざくなぁ!!》

カチリッ!

!!!ゴゴゴゴゴゴ……

ゾワァあああああ!!!!

「!!」(ゾクッ!!)(この感じ…!!…コルボの時と…似ている!!…いや…そのまんまだ!!…副長…アンタ一体……何者なんだ!?)

「!!」(ゾワッ!!)(ふ…副長!?…普段とは違い…とてつもない威圧感だ!!…こんなのは…初めてだ!!)

「!!」(ゾワッ!!)(な!?…なんて威圧感のある方なのでしょうか!?…昔おばあちゃんとの見極めの戦いの時の事を思い出します…!!)

【Fukabe】からは、救いようのない絶対悪を断じて許さないという圧倒的なオーラを放っている。その様子から【Hux・row】からは【Y・ Corvo】を連想させるような凄まじい《威圧感》を肌で感じ取る。【Towa】【Linea】も【Fukabe】の発する威圧感に圧倒されていた。すると【Fukabe】は【Hux・row】と【Towa】の前に立ち塞がり、二人の肩を持ち、優しく語りかけた。

「…あの悪党に解釈してやれ…ハクロー君。…トワ。…【狼志組】を脱退し、志士を陥れた者の末路が…一体どんな目に遭うのか…君達のように勤勉で【冥鐘】の真髄を勤勉に追求し【狼志組】の本質を理解して剣を振るい、誰かを守りたいと願う二人の気高く強く引き継がれた志士達の意志を…ここで見せる時だ。…証明してやれ。…君達二人にはその素養がある。ヤエカとナガワの事を誰よりも敬愛し、尊敬して、決別の涙を流すも彼等の意志を受け継ごうと決意し……敬意を表する君達に…私は是非この使命を託したい…どうかな?」

「…!!…わかりました副長!!…その使命…確かに承りました!…トワさん!」(キッ!)

「ああ!!…副長!…私もヤエカ姐さんとナガワに…意志を託されたのだ!!…ここで…奴との決着をつけ。……!!終止符を…打つ!!…もう誰も失いたくない!!…必ずアキルに《天誅》を…!!下す!!!」(キッ!)

「…そうか。…リーネさんの事は私が見ておく。…必ず守る。…約束しよう。…二人共…思う存分暴れてくるがいい!!」

「ハッ!!副長!!…お願いしておきます!!…リーネ、副長とそこで見ててくれや!!…俺は…負けねえ!…あの腐れ外道アキルに…絶対勝つ!!」

「…わかりました。…ハクローさん!…トワさん!…どうか…お気をつけて!!」

「さて…切り捨てられる覚悟は出来たか?…アキル!!…覚悟しやがれ!!ヤエカさんやナガワさんのみならず……リーネをここまで甚振(いたぶ)ってくれた事を…必ず後悔させてやる!!」(チャキッ!!)

「私も。……貴様がつけたそのリーネさんの痛々しい傷を見て、女として負けられなくなったようだ!!…アキル!!……覚悟はいいか!?ハクローと私が…!!リーネさんを痛めつけた分まで…《悪党》である貴様を確実に粛清して成敗する!!」(チャキッ!!)

リィーーン【冥鐘】♪…リィーーン【冥鐘】♪

【Hux・row】と【Towa】は刀を持ちて【冥鐘】を鳴らし、【Akill】に刃を向けて強く睨みつけ威嚇する。その様子に【Akill】は、二人を嘲笑うように笑い放って高々に宣言した。

「ヒャァ〜〜ハハハハハ!!こりゃあおもしれぇわ!!マジで傑作だぜぇぇ〜!!!…わざわざ副長の口車に乗って死ににくるバカ二人がいるとはよぉ〜!!!ゲハハハ〜♪!!!!…んじゃま〜……望み通り…この俺様に楯突いたあのカス隊長共が行っちまったあの世へ一緒に送り届けてやるよ〜!!…さぁ〜!!血祭りの時間だぜ〜!!ヒャハハハハハ!!!アーッハハハハハハハハ!!!!!」

【Akill】は【Hux・row】と【Towa】を全力で排除する意向を固めた。二人はそれに怯むことはなく、【Yaeka】【Nagawa】の分まで、最後まで戦う意志を固めた。そして遂に開戦する─────

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜ブレイブルーより〜Endless Despair

【狼志組】叛逆者

  【Akill】

「ヒャ〜〜ハハハッッ!!!オラオラ〜土人形共ォぉ〜集まれ〜!!!!」

ドロドロ…チャキン!!

「!!…こいつは!?…テメェ!!…ヤエカさんを泥人形に見立てるとは……!!…何処までも狂ってやがるなぁ!!」

「アキル貴様ぁ〜!!ヤエカ姐さんのみだけでなく…!!ナガワまでも!!……何処まで人の死を愚弄すれば気が済むのだ!?」

「!!……」(…悪趣味なことをしてくれる…アキルよ!!)

「…!!…ひ、酷い…!!ヤエカさんのみならず…ナガワさんまでも作り出すなんて!!……!!アキル!!!!!…あなたは一体何処まで人の死を冒涜すれば気が済むのですか!?」

【Akill】はその発言を聞くとニヤリと笑い、その目的を《誇張》するように言った。

「ハァ〜全く…折角の感動の再会だろうがよぉ〜!!もっと喜べよお前ら〜♪…そ・れ・は♪…お前達が絶望し。…落胆して立ち直れない程の苦痛の表情を見・る・ま・で・だ♪!!……そして俺は常に高みの頂点に君臨し、お前らを見下し…絶望のドン底に突き落とし生き地獄にして苦しめてやるからよぉぉぉ〜〜〜!!ヒャ〜〜ッハハハハハ!!!!!」

「ご大層な理屈だぜ!!…じゃあ…そのまま言葉返しては…奈落の淵まで一気に…テメェを…!!」(キッ!)

「引き摺り落とし、突き落として《地獄》へと誘うまでだ!!…行くぞ!!」(キッ!)

タッタッタ!!

【Hux・row】と【Towa】は特攻を開始する。それを狙った表情をして【Akill】は次の一手を仕掛ける。

「ヒャ〜ハハハハハハ!!!バァ〜カ!!…かかったなぁ〜!!おいテメェら取り囲め!!!」

ドロドロ…グチョ!!…ネチョ!!

「!!ぐッ!!くそっ!!身体が…重いっ!!…野郎!!」(グググ!)

「くそっ!!…っくうぅ…!!は…離せ!!」(グググ!)

「……」「……」

ザシュ!! グサッ!! ザシュ!!

「ぐあぁあああ!!!」

【Hux・row】ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー

「うぐっ!!!…ああぁっ!!!」

【Towa】ランク A
【♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーーー

【Hux・row】と【Towa】は【Akill】の召喚した【Yaeka】と【Nagawa】に見立てた土人形に、土で出来たナイフを身体に刺しこまれる。

「ハクローさん!!トワさん!!…ハッ!!…い…いやぁあ!!!」(サッ!)

その光景を見た【Linea】は悲鳴を上げる。すると、その付近に出現した土人形が【Linea】を攻撃する姿勢に入っていた。

「………」

チャキッ!!…ブン!…キーン!…ザシュッ!!

「!!…え!?」

「好きにはさせんぞ…外道が!…怪我はないか、リーネさん?…安心したまえ…ハクロー君の約束もあり、あなたをこの刀で必ず守り抜きます」(チャキッ!)

「!?……あ…ありがとうございます、副長さん!!///」(ホッ!…ペコリ!)(凄く怖い人ですけど…とても頼り甲斐のある…優しい方なのですね。…ハクローさんが臨時で所属している【狼志組】の副長さんは…///)

【Fukabe】が【Linea】を庇い立て、刀を振るった為難を逃れる。それを【Akill】は面白味のない表情で見物する。

「ちっ!!副長には流石に通用しねぇ〜か〜っ!…たくよぉ…ケケッ!まあいいかぁ〜ヒャハハハハハ!!!!おいおい!!お前ら俺に頭を下げろ!!膝まづけ!!」

ササッ!! ササッ!! ササッ!!

【Akill】は召喚した土人形を、ある時代劇の《上様》のように従え、敬うように命令をする。

「ちぃっ!!…とことん悪知恵に頭を使う野郎だぜ!!…なっ!?…ぐあっ!!…あがっ!!…グッ!!」(グリグリ!!)

「貴様ぁ〜!!何処までもヤエカ姐さんや…ナガワを愚弄すれば!!……!?あぐっ!!…ぐっ!…うぅっ!!」(グリグリ!!)

そして徐に【Hux・row】と【Towa】の頭を足で踏みつけ、そのまま地面に押し付けるようにして見下し、満面の笑みを浮かべていた。

「ヒャッハハハッハハ!!!…オラオラ!!お前らも俺を敬えほ〜ら!!…つかテメェら二人…さっきから俺の事を散々呼び捨てにしてくれたな〜!一体何様だ〜!?…アキル様だろうがよぉ〜!!!オラオラオラオラァ〜〜〜ッ!!!!!」

ゲシ!!ゲシ!!ゲシ!!…ゲスッ!!ゲシ!!ゲシ!!ゲシ!!…ゲスッ!!

「…!!ぐぁっ!…おうっ!!ゲフッ!!」

【Hux・row】ランクD
【♡♡♡♡♡】
ーーー

「あぐっ!!ああっ!!あうっ!」

【Towa】ランク A
【♡♡♡♡♡】
ーーーー

【Akill】は二人を蔑むかのように足で頭を踏みつけ、そのまま地面へと押しつける。

「ケケッ!!」

ガシッ!!

「ああうっ♡!!…くぅっ!!」

ポタ…ポタ…

「!?…」(水…滴…?)

【Towa】は突然【Akill】に水滴を含んだ髪を引っ張られ、そのまま舌を出し、人を見下しおちょくる表情をしてこう彼女を罵倒する。

「ようよう、そういえばトワ〜♪…てんめえも確かアウロさんにその股間に秘めてるとこを朝顔に味わい尽くされたそうだよな〜?…こんな風によぉ〜♪?」

ムニッ♡!!

「〜!?///…くぅっ♡!!///…!!あぁうっ♡///」(カァ〜ッ!!///)

「ギャハハハハ!!…へえ〜♪結構柔けえんじゃねえかよ〜♪」

「〜!?///…くっ!!///…外道が…!!///はぁうっ♡///」(カァ〜ッ!!///)

「!!てんめえぇぇ!!…!!げはっ!!」(野郎!!……トワさん!!……?)

「!!…ハクロー!!……っ!!」(…大丈夫だ、ハクロー。…私を信じろ。)

【Towa】は相手に豊満な胸を鷲掴みされ、そのままいやらしく揉みしだかれ赤面するも【Akill】の言葉は聞き流していた様子であった。それは演技派の《大女優》のように、ただ演技していたのであった。

「いいねえいいねえ〜♪その苦痛に満ちた顔がよぉ〜♪……見事テメエは、あの人の朝顔に《陵辱》されちまって、《遊郭》にいる女みてえ〜に《汚れちまった女》…言わば醜い《阿婆擦れ(アバズレ)》、《カキタレ》決定だよな〜?…そのてめえの泥水まみれになった下水みてえにきったねえ〜顔……心なしかすげぇ〜綺麗に似合ってるぜ〜ギャハハ!!!!」

「……そうだな。…この反吐の出る泥顔を…《雨》でも降って洗い流してもらえないだろうか。………ふふっ♡」

「…?…!!……へへっ!」(雨?…!!あ。…そうか、そういうことか!?…流石トワさん、俺よりも頭が良いぜ〜♪)

【Hux・row】と【Towa】は【Akill】に頭を踏まれ、地面に擦り付けられながらも打開策があるのか、微笑みを浮かべていた。

「!!…な…て、テメェら!?何笑ってんだぁ〜!?…何がおかしいんだよぉ〜!?…!!…そ!?…そうかそうか!!アハハハハ!!…頭蹴られすぎて頭でも狂ったか〜!?それとも俺みてえな頂点の人間の蹴りがご褒美だからか嬉しいのかぁ〜!?ヒャハハッハハハッハ!!…あ?」

【Akill】は余裕を持っていたからか自身ありげに声高く笑っていたその時─────

ポタポタ…ザザーーーーッ!!

突然の気象変動が起こった──────

「!?…なぁっ!?あ、雨だとぉ〜!?」

「うぉらあああ〜!!!!」(ガシッ!!…チャキン!!)

「はあああああ〜!!!!」(ガシッ!!…チャキン!!)

「!?」(な、なんだと!?コイツら俺の能力を解きやがっただと〜!?)

【Luster】が含まれた恵みの村雨によって、【Akill】の能力は解除され、召喚された土人形が消滅する。【Hux・row】と【Towa】はお互いの刀を抜刀し、【冥鐘】を鳴らして手を繋ぎ、技を仕掛ける。

リィーーン…♪【冥鐘】

《白狼夜宗流・一式三の型【千夜・威信】(せんや・いしん)!!》

《八重華流抜刀術・特式【桜閃光】(さくらせんこう)!!》

ザシューーッ!!

「な…なんだとぉ!?…ぐぉ〜〜っ!!!…なんてなぁ〜!!んなもん、硬化でなんとかなるから効かねえんだよ〜ん!バァーーカ!!」

「ああそうかい。…んじゃあ大人しく…テメェ自身で作った自分の墓標まで……!!吹っ飛びやがれぇえええええ!!!!」(ジャキン!!)

「覚悟してもらおうか!?…アキルゥゥッ!!!!!」(ジャキッ!!)

リィーーン…♪【冥鐘】パキパキパキ!!…パキィ!!!…パキン!

【AKill】は、刀で突き刺された部位に、土の能力を使用してコーティングする。それでも【Luster】を含んだ恵みの村雨と名刀【Louvel】を持った【Hux・row】と【Towa】は手を繋ぐ事で、互いの持つ刃が伝導し、強力な【Luster】の刃となりて一気に【Akill】を押し上げていく。

「うらあああああああ!!!」

「はああああああああ!!!」

パキパキ……パキャアアアン!!!!!

そうしていく内に硬化が解除され、遂に二人の刃は《狼》の牙の如く【Akill】に噛みつき、そのまま勢いよく襲い掛かる──────

ズシャアアアア!!!!

「な、なにぃい〜〜〜っ!?ば、馬鹿なぁ〜!?【絶対治癒修復能力】で強化された俺様の土の能力の硬化が…解けただとおぉっ!?…!!…う…うぉおおおおああああぁぁ!!」

キィーーン!!!

…ダァァーーーン!!!

ガラガラガラガラガラ…

【Akill】は自ら作り出した【Yaeka】と【Nagawa】の名前が刻まれた高さ五メートルはある長方形の墓標へと強く叩き込まれ、崩壊して瓦礫に埋もれた。

「や…やりました!!…ですが、さっきから私達を襲ってきた土人形もこの雨で溶けたかのようにいなくなりましたけど……この突然の雨は一体…?」          

【Linea】は歓喜の声を出し、降り注ぐ雨に対する疑問を感じていた様子であった。

「…うむ」(…そうかハクロー君。…どうやら君が助けた水の精霊ラルとやらも、君達のピンチに味方してくれているようだ。…本当に君は現世で親友であった【Velkuy】騎士団長の《彼》と同じように、特別な何かを持っているようだな。通りでヤエカもナガワも配属されたばかりの君を心から信頼していたのだな…)

【Fukabe】は【Hux・row】の数奇なる運命を辿る様子から、一定期間の間協働任務で【狼志組】との関わりを持っていたロベルの面影を感じ取っていた。

チャキっ!!

「…ペッ!…現世の漫画でもあった台詞だけどよ〜。……悪党に墓標なんか必要ねえな〜!………ったく、あの野郎蹴りすぎだっての!!……ヤエカさんや、俺にとっても大切な人……!!ゲホン…///…トワさんも踏みつけて髪を引っ張るわ胸触るわ、ひでぇ仕打ちしやがってっ!!…本当に女のエスコートが下手くそな下衆隊長だぜ!!……通りでヤエカさんもテメェをすげえ〜毛嫌いするわけだよ!!…なっ!?トワさん♪!」(ニッ!…グッ!)

【Hux・row】ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー

「あはは!!…本当にそうだな!…ハクロー!!…ふふっ♡!!」(ニコッ♡!グッ!)

【Towa】ランク A
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーーー

コン☆…パーーン!!

【Hux・row】と【Towa】は、心からスッキリしたのか、清々しく満面の笑みで拳を作り、軽く当てて仲良くハイタッチを交わす。それを見ていた【Linea】は頬を膨らませ、嫉妬深く見つめていた。

「〜!!///……むぅ〜っ!!///もぉ〜う、お二人共〜〜っ!!///今は戦闘中なのに、いちいちイチャイチャしないでくださいよぉぉ〜〜〜!!///」(プンプン!)

「……」(…あのトワがヤエカ以外にもあのような表情をな。……それにいつの間にか一人称が僕から私と話すようになっている。……どうやらハクロー君。…君のおかげでトワの隠れ持っていた女性としての感情の枷が外れたようだ。…ヤエカの分まで…君に礼を言おう…)

ガラガラ……

「さ〜てと。……!!おらあぁぁっ!!…出てこいやぁ〜アキルゥゥ!!…お前の名前に因んでかくれんぼも飽き飽きしてんだよォォ!!」

「降参は聞かぬぞ!…全力で貴様を粛清する!!」


🎼Back Ground Music 》》》




♪〜ペルソナ5より〜覚醒

フッフッフ…ヒヒヒヒヒヒ!!!アーーッヒャヒャヒャヒャヒャーーーーー!!!!!!…………!!!! 

ゴロゴロゴロゴロ…

「!!…土が動いている!……野郎…何か仕掛けて来やがるな。…トワさん!」

「くっ!!…全く不気味で反吐が出そうな笑い声だ!!…だが容赦はしない!!」

二人は蠢く地面に散らばった土の残骸の動きを見て警戒する。

ハァアアアアーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!

ガラガラガラガラガラガラ……!!!

ガシャアアアン!!!!!

「!!…なぁっ!?」

「!!…っ!?…こ…これは!?」

「…………」(ジャキン!!)

「!!…う…嘘!?…な、何なんですか…あれ!?」

「…!!」(アレは!!…ヤエカの事は隠密による報告で、この千夜ノ桜広場に桜の木の姿をした怪物が現れたと報告が出ていたが…ヤエカはそんな馬鹿げた事をする者ではないのは十分承知の上だ。……奴は【Demister】(終焉ノ使徒)に肩入れし、手始めに連中にヤエカを襲撃し。……弱ったところを何かの術で怪物の姿へと強制的に変化させ、そこに訪れたハクロー君がヤエカを手にかけたように陥れ…その間に奴らがその術をアキルに教えたという訳か。………それに。…理性が全く見られない暴走状態だ。…奴は本格的に、この【Kagoya】の町を完全に破壊するつもりのようだ!!)

【Akill】は自ら【J.viras】(ジェルノ・バイラス)を抽出し、体長が約10メートル程の阿修羅像へと変貌を遂げ、側面には【狼志組】のメンバーが揃い、阿修羅像の顔には自らが《頂点》である事の証明なのか、皮肉にも【Akill】自身の顔が浮かび上がっていた。

「……」(ジャキッ!!)

「…コイツ!…マジでイカれてやがる!!…まさかロウディがヤエカさんに何かを仕向けたようなことを。…自分から進んでするとはなぁ!!……石のゴーレムのような阿修羅像になっちまった挙句に、手のように見えて側面にへばりついている十本の剣を持ってやがるあの連中は…」

「私を含めた【狼志組】の十維新《十傑》メンバーのようだ!……くっ!悪趣味にも、自分は顔の正面を向いているのか!?…とことん十維新のメンバーを愚弄する真似を働くとは……!!アキル…貴様にはとことん反吐が出る!!」(キッ!!)

「………」(チャキッ!!)

ブォーーン!!ダーーーーーーーン!!!

「!!くっ!!」

「あぐっ!!」

ズザアアーーーー!!

土の阿修羅像と化した【Akill】は複数の隊士が密着した腕を振り上げ、地面に強く叩きつけた。その拍子に二人は衝撃に耐えられず吹き飛ばされる。

「!!は、ハクローさん!!トワさん!!」

「……!!」(まさかここまでとは。…【Demister】(終焉ノ使徒)…思った以上に我々や…この【Paradiso】の世界にとっても…昔も。…そして今の時代にも姿を現し。…脅威となる存在のようだ!!)

ガラガラ…

「…大丈夫だ、リーネ!!…だが…コイツは思った以上に…!!」(キッ!)

「かなりの強敵のようだぞ!!…まさか…こんな非現実的な敵と遭遇したのは…私もこの世界に来て初めての事だ!!…油断すると一気にやられる!!…ハクロー。……手を貸してくれるだろうか?」(キッ!)

「………」(ジャキッ!)

「ああ勿論だよ!!…ヤエカさんとの約束もあるが、俺の意志でもあるんだ!…絶対にアンタを傷つけない!もう一人にはさせない!俺達はいつも一緒だ!!…共に戦おう、トワさん!!…それに…そうしないとヤエカさんの他にも、千夜やロベルからも絶対に怒られるだろうからなっ!」

「!!…ハクロー…」

「トワさん。……俺は…アイツのように美人な顔立ちをしたアンタの事を好きでいたい。…千夜と同じように心からアンタの事をな。…今度は死ぬ気で守り抜いてやる!!…安心してくれ!!」(チャキッ!)

「っ!?///…ふふっ♡…ありがとう…///…ハクロー///……私も……お前が…大好きだ!///…心から愛している!///…一緒に…最後まで、どこまでも付き合うぞ!!///…私の愛する男よ…///」

「!!///…ありがとよ…トワさん!///…じゃあ…行くぞ!!戦闘開始!…抜錨だ!!」(シャー…)

「ああ!!」(シャー…)

「…………」(グラグラ…)

キン!!リィーーン…♪【冥鐘】キン!!リィーーン…♪【冥鐘】

【Hux・row】と【Towa】は互いに愛の感情を共有し合って【冥鐘】を鳴らし、目の前の【十維新・阿修羅】(じゅういしん・あしゅら)を睨みつける。そして、遂に戦いの火蓋が切って落とされる─────


《十維新・阿修羅》

  《Akill》

・・・
・・




B. いいえ


《Capitolo・10》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF7REMAKEより・Jenova

「ウォラあああああ!!!」

ブン!!

ガキン!!!

【Hux・row】は【十維新・阿修羅】に対し、名刀【Louvel】による一刀を振り下ろすも相手の体が強固であるからか刃が通らなかった。

ギリギリ……

「ちっ!…か…かてぇ〜!!…光輝の力【Luster】を含んでいたとしても刃が通らなっ…!!」

ジャキン!!!!

ザザザザザザザシュ!!!

シュッ!!

ズザーーっ!!

「ぐぁあああ〜!!……ゲホッ!!…野郎…!!」(キッ!!)

「…………」

ジャキッ!!

【Hux・row】ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー

動きを静止させられていた【Hux・row】は、他の十維新メンバーに見立てられた土人形が行手を阻み、串刺しにするとそのまま遠くへ投げ飛ばす。

「ハクロー!!」

「ハクローさん!!」

「………」(あの音。…どうやらかなりの強度を誇っているな…)

その光景を見た【Linea】と【Towa】は心配そうに見つめていた。しかし、【Hux・row】は立ち上がり、諦めない姿勢を見せる。

「くそっ!!…問題ない!!…だがかなりの強度だ!!…弱点の胸部を刺そうにも奴らが通せんぼして来やがる!…何か…手は……」

「っ!…」

チャキ!!

リィーーン♪【冥鐘】

「!!…と、トワさん!?」

「私が隙を作る!…ハクローはその名刀【Louvel】に宿っている神々しい光を一点に力を込め、奴の胸部を狙ってくれ!!」(ジャキン!)

「…分かった!!…頼んだぞ、トワさん!!」

「…フッ!…見ていてくれ!…はぁぁぁああ!!」

チャキン!!

《【八重華流抜刀術】・桜月夜》

リィーーン♪【冥鐘】…キン!キン!キン!…キィーーン!!

「………!!」

ザシュザッシュ!!グサッ!!

「あぐっ!!…っち!!…だが、今だハクロー!!」

【Towa】ランクA
【♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー

「ああ!!」(ジャキン!!)

《対空迎撃一式・一の型【千夜・鷲空】(せんや・わしぞら)》

「ウォラあああああ!!!」

ザシュッ!!!…パリィイン!!!!

「……!!!」

「よし!!貫い……!!!!」

ザシュブシュグサッ!!!!………

ブラーーーン……

「!!!ぐあぁ〜っ!!!!!…あ…あがぁっ!!!ゲホっ!!」

「!!…は…ハクロォォーーーーッ!!!」(ポロッ!!)

「…!!…は…ハクローさん!!!!…いや……!!いやぁっーーーーーッ!!!!」(ブワッ!!)

「!!」(…ハクロー君!)

【十維新・阿修羅】は複数の刃を【Hux・row】の身体に突き刺す。必死にもがくが刃は所々深く突き刺さり、びくともしない。

「!!…ぐっ…離…せ…!!うぉわあああ!!!」

ダーーーーーーーン!!!!!…ガラガラガラ…

【Hux・row】は無慈悲にも鉄槌の如く、そのまま地面へと強く叩きつけられた。

「は…ハクローさぁ〜〜〜ん!!!!」(ポタポタ!)

「ハクロぉ〜!!!!……!?なぁっ!?…十手!?」

【Hux・row】ランクD
【♡♡♡♡♡♡】
ーーー
周囲の魂を集気し、補填しました。

ジャキッ!

「…ハァ…ハァ……!!大丈夫だ!!…千夜のおかげでなぁ!!…野郎…やってくれやがったな〜!!」

「……っ!!」(キッ!)

ジャキッ!!

「!?…と…トワさん!!…その刀は!?ヤエカさんの…【桜花月輪刀】!?」

【Towa】は傷ついた【Hux・row】の味を案じ、仇討ちをするかのように涙を流しながら【Yaeka】の形見【桜花月輪刀】を抜刀する。そして相手に対し、粛清の意志を強く宣言する。

「…もう許さない!!…覚悟しろ!!…よくもハクローを!!…報いを受けさせてやる!!」(ポタポタ…)(チャキッ!)

リィーーン♪【冥鐘】

「トワさん、無茶だ!!…一人で…は……!?」

《…ニコッ!》

スッ!…ピトっ!

「え。……!!……や…ヤエカ…姐さん!?」(ポロポロ!)

「なっ!?…や…ヤエカ…さん!?」(ブワッ!)

「!!??」(ジャキッ!)

「…!?」(ヤエカ。……そうか。…お前は死してもなお、残留思念になってまでお前の愛しい妹のようなトワの行く末を見守っていたいのだな。…二人を頼んだぞ!)

「…あの人が…トワさんの姉のヤエカさん!…綺麗な女性の方ですね…それに何だか明るくて温かみのある…《華》のような人です!」

【Towa】の右には【Yaeka】の幻影が立ち尽くし、【桜花月輪刀】を手に持ち、握りしめていた。その《奇想天外》な様子に【Linea】と【Fukabe】だけでなく、敵の【十維新・阿修羅】はとても動揺していた。【Yaeka】は口パクのように発していたが、【Hux・row】と【Towa】は彼女が伝えようとしている真意をすぐに見抜いた。

「…アキル…覚悟しろ!!…もう私は…いや…どんなにヤエカ姐さんとの決別の時が迎えようとも…私達は…【冥鐘】の音を頼りに剣と共に生き!……人の…」

《人の笑顔と…平穏な暮らしの時間を守っていくだけだ!!(よ!!)お前(アンタ)みたいな外道には、私達は絶対負けない!!(んだから〜♪)》

「…!!!!」(ガラガラガラ……)

ジャキン!!

「!!…ヤエカ…さん…!!…くっ!!…俺だってなぁ!」

タッタッタ!!…ガシッ!!

「!?…は…ハクロー!!大丈夫なのか!?」

【Hux・row】は一旦左手に持つ蒼夜の十手を納め、【Towa】の左側に立ち、【桜花月輪刀】を一緒に持つ。そして微笑みを浮かべて話した。

「ああ、寝ている場合じゃあないからな!…折角ヤエカさんが俺達を励ましにわざわざ残ってくれているんだ!!…それにトワさん!…さっきから言っているだろ!?…俺達は…いつも一緒だ!!…これでいいんだろう…ヤエカさん?」

《ニコッ!!》

「…よし…第二ラウンドの幕開け…!!

「…なっ!?」

ポタポタ…ザザーーーーッ!!

二人は【Yaeka】に励まされ、再度立ち上がる。すると再び突然の恵みの村雨が降り注ぐ。そして水の精霊ラルの声がどこからか聞こえてきた。

『ウフフ!あはは!ハクローお兄さん!トワお姉ちゃ〜ん!頑張って〜!…あなた達の持つ光輝の力【Luster】で【Kagoya】の町をどうか救って!!…みんなと一緒に応援してるよ〜♪』

ヒィーーン…

ヒィーーン…

「!!俺の持つ名刀【Louvel】だけじゃあなく…【桜花月輪刀】の刀身にも【Luster】の光が!?」

【Hux・row】ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー
魂が補填されました。

「ああ!…ハクロー!!…これは一体……!?…まさか…ヤエカ姐さん!?」


【Towa】ランクA
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーーー
魂が補填されました。

『ニコッ!!』

「ハクローさんだけでなく、トワさんの持っている刀にも光が!!…あれが…ロベルさんが持っていた…光の力!…なんて…清らかな…神々しい光なのでしょうか……」

「…ほう…」(彼がL島に帰る前。…ヤエカとの真剣での実戦勝負の時に、彼の持つ隠れた【Fiducia】の潜在能力…【Luster】が、このような形でヤエカからトワに受け継がれるとは…!ハクロー君…ロベル君…君達がこの【狼志組】に訪れたことは…決して間違いではなかったようだ…心から礼を言うぞ!)

幻影の【Yaeka】は優しく微笑んでいる。それを見た【Hux・row】と【Towa】は光輝の力【Luster】の加護を受けた事に対し、感謝の意を込め、決意を新たにし、目の前の【十維新・阿修羅】に敵対する。


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜TOAより・At the Time of Farewell

「…そうか…ロベル。…お前が宿していた光輝の力【Luster】の意志がヤエカさんを通じて…持っていた【桜花月輪刀】に受け継がれ…トワさんへと継承されたって事か。……はは!…ありがとうな、ロベル!!…俺はお前に託されたこの【Luster】を宿したお前の形見…名刀【Louvel】に誓って……絶対に負けない!!」(チャキッ!)

「…ルーさん!…ヤエカ姐さん…そしてナガワ!!…見ていてくれ!…必ずこの任務…無事に終わらせてみせる!!…決別の時だ。…アキル!!…ここで…お前への因縁を…ヤエカ姐さんから託された【桜花月輪刀】に宿りし【Luster】という名の光輝の力で…跡形もなく貴様の野望を葬り…消し去ってやる!!」(チャキッ!)

リィーーン…♪【冥鐘】…リィーーン…♪【冥鐘】

「……!!」(チャキン!!)

「よし…行くぞトワさん!!」

「ああ!ハクロー!!」

タタタタタ!!

「………」(ブン!!)

ダーーーーン!!

「そこだあ!!」(ブン!!)

パキィン!!

「!!!!」

「斬れた!!…はぁあああ!!!」

パキョン!!!

「!!!!………」

ドロドロ…ジャキン!!

「…っちっ!!…しぶてぇ!!…だが…!!」

「奴の強固な土の身体も、この【Luster】の力の前では無効化できる!!」

【Luster】の光で強化された二人の武器はいとも容易く【十維新・阿修羅】の体を斬りつけ、胴体を切断する。直ぐ様復活させようとする仕草から、相手は二人の持つ力の前に恐れていた様子であったが、ならばと言わんばかりに次の手に出る。

「……!!」

シャアアア!!!

…ガシッ!!!

「…!!あうっ!!…!?…う、うわぁああ!!」

「!!と…トワさん!!」

「トワさん!!」

【十維新・阿修羅】は切断された胴体を巨大な腕に形成し、そのまま【Towa】の体に掴みかかった。その拍子で【桜花月輪刀】は地面に落とされ、そのまま宙に高く持ち上げられ、万力のように締め上げられる。身体中からは砕けていく音が聞こえ、彼女は悲痛の叫び声を上げる。

「………」

ググググググ…グリゴキグキ…!!パキッ!!

「かはっ!!あぐっ!!は……離せ!!や…やめろぉっ!…うぅ…!!…くっ!!…うぐっ!!んっ!…んんっ♡!!///…っ!!…あぐっ!…い…嫌ぁっ!!///…ハクロー…助け…!!…うぅ!!…ぁ…あぁぁ…っ!!///」(ポロポロ!ジタバタ…)(うっ!!…これしきの締め付けなんか…ヤエカ姐さんに比べれば…なんてことは……!!…うぅっ!!…でも…く、苦しい…!!……ハクロー…助けて…)


【Towa】ランクA
【♡♡♡♡♡♡♡】
ーーーー

チャキッ!

「……はぁ〜っ…ったくアキル。…テメェ〜性懲りも無くまたトワさんを苦しめては…泣かせやがったなぁ〜…よくもやってくれたなぁ。……そろそろいい加減にしとけや…」(シャーー…)(ゴゴゴゴゴゴ…)

キン!…リィーーン♪【冥鐘】

…ユラ〜……!!ヒィーーーン…

「!!…は、ハクローさんの…身体に…光が!?……!!…あれは……うそ!!…な…なんで…!?」

「!!」(身体に光が…まさか光輝の力を宿したというのか…!?…いや…違う!!…あれは…)

「……!!!!」

「うぐっ!!くっ!…ハク…ロー……!?…な…あれは…!?」

ピトッ!! トントン!

「!?…え?…!?なぁっ!?」

怒りの感情を露わにしていた【Hux・row】は誰かに背中を叩かれる。思わず背後を確認すると、そこには信じられない光景があった。

『ウフフ!あはは!ハクローお兄さん!…また…会えたね♪私…すっごく嬉しいよ!』

『しょうがないわね〜本当にアンタは!…ふぅ〜ん!あの人がトワさんなのね〜!…本当噂通り私と瓜二つのようにそっくりな美人さんね〜!…アンタが必死になってあの人を守ってあげたい気持ちが分かるわ!…私だと思って…全力で守ってあげなさい!』

『白狼くん!!…私の代わりに、ゆいをいつも見守ってくれていて……本当にありがとう!……どうか、自分に負けないで!』

『白狼!…今の君ならあの強大な悪にも立ち向かえるはずだ!!…私のように《大和魂》を持つ君なら必ず勝利を刻むことが出来る!…もうすぐ夜明けだ!…共に勝利し、我々の象徴の旭日を拝もう!』

【Hux・row】の背後には、彼自身の【Sognare】に存在している【Milal】、千夜、ありさ、三橋達が【Luster】の力を元に具現化し【Hux・row】を元気付けようと激励に駆けつけてくれた。その温かみあふれる人々の言葉に【Akill】への怒りを忘れ、笑みを浮かべたまま温かい涙が溢れ、活力が湧いた。

「!!…くっ!!…そうだなみんな。…わざわざ本当に…ありがとなラル!…千夜!…ありがとうございます!…西野さん!…そして…三橋三等海佐!!」(ポタポタ!)

「あ…あぁ……!!お姉ちゃん!…お兄ちゃん!…千夜さん!…それに座敷童子ちゃんも!…ハクローさんを励まして頂き、ありがとうございます!」

…リィーーン…♪【冥鐘】

「…?…え?…!!あ、あの方達は!?」

「!?……」(これは驚いた…ルーシス君とよく似ている恩人の情報も聞いていたが…本当のようだ。……そして、あの背中の狼の刺繍は…そうか。…お前達も光輝の力【Luster】の身体で本格的に具現化し、まるで英霊のように現れ、ハクロー君とトワを助けに来てくれたのだな…)

ザッザッザ!!…チャキッ!!

「!!!!」

「…!!…な、ナガワ!…それに…ヤエカ姐さんまで!!」(パァーーッ!)

「!?…えぇっ!?」(ポタポタ…)

【Hux・row】は両サイドを確認する。そこには敬愛していた【狼志組】の志士であり、落ちていた【桜花月輪刀を拾い上げ、まるで英霊の如く【Luster】の光を身体中に宿していた【Yaeka】と、その隣には【Nagawa】が立っており、【Hux・row】の肩に手を置くと、激励の言葉も含め、窮地に駆けつけてきたのであった。

『ハクローくん!!…ありがとね!!…トワの為に、真剣になって守ろうと戦ってくれて!!ヤエカ姐さんも…愛しの妹トワを助けるためだったら全力で君に協力しちゃうぞ〜♪!!』

『ハクロー。…気持ちは分かるが怒りを鎮めろ。…本当に剣と向き合うなら、静かに剣を振るうのだ。…この命尽きても…我々は【狼志組】の同じ志を持つ同志なのだ!!…それを忘れるな。……共に戦うぞ!!…準備はいいか?』

「!!…はい!!…二人が力を貸していただけるのなら心強いですし、自分も本望です!!トワさんだけでなく…この【Kagoya】の町を守る為。…共に戦いましょう!!…ヤエカさん!…ナガワさん!!」

『承知の上だ!…遅れるなよ!ハクロー!』

『行くわよ〜♪…さ〜て、外道のアキル。……そんな悪趣味で反吐が出る姿になってまで、よくも私の世界一可愛くて愛しの妹トワを、とことん甚振って可愛がってくれたようね〜?……お礼にヤエカ姐さんの技…!!とくと味わいなさい!!』

シュッ…!!

ザシュザシュザッシュ!!

《【八重華流抜刀術】【桜月夜】(ろうげつや)!!》

スパァアアン!!

「!!!!」

ヒューーーーン!!

「あぁっ!!…う…うおぁああぁっ!!」

『〜♪』

ガシッ♡!!

「…あぐっ!!…!?…や、ヤエカ姐さん…!」

『ウフフ♡大丈夫かしらぁ〜?トワ〜♡?』

「…あ、ああ!!助かったよ、ヤエカ姐さん!!…【Luster】の力で具現化した姿だとはいえ。……また…こうして会えて嬉しいんだ!!」(ニッ!ギュッ!)

【Towa】は笑顔で【Yaeka】にお礼を言う。そして【Nagawa】と【Hux・row】は連携して【十維新・阿修羅】に必死で立ち向かう。

タタタタタタ…

『…ハクロー回り込め!!これより奇襲を仕掛ける!!』

「はいナガワさん!!…うぉらああああああ!!!!」

ザシュッ!!!

「!!!!」

『決めさせてもらうぞ…ハァッ!!!!』

パキョーーーーン!!! バキバキバキ…

「!!!!」

【Nagawa】と【Yaeka】【Hux・row】による連携攻撃により、【十維新・阿修羅】は崩壊を始めていく。そしていよいよと言わんばかりに【Yaeka】はこう言い放った。

『ふっふ〜ん♪さ〜てと!そろそろ終わらせるわよ〜!さぁ〜みんな〜♪!これから《交響楽団》の如き剣劇をおっ始めるけど〜♪…準備はいいかしらぁ〜?』

「ああ!!ヤエカ姐さん!!」(ニッ!)

「いつでもいけますよ!ヤエカさん!!」(ニカッ!)

『こちらも準備は出来ているぞ、ヤエカ!…いつでも出撃可能だ!!』

「……!!」(ジャキーーーン!!)

【十維新・阿修羅】は最後の抵抗と考え、数百メートルはある土の剣を召喚し、大きく振りかぶる姿勢を見せる。

「なっ!?何なんですかあれは!?とても大きな…剣!!」

『ゆい!…気をつけて!!』

『ゆいちゃん!!ありささん!!みんな!!…大丈夫だ!!…もしもの時、大切な誰かを守る為に僕達は武力を行使して平穏と善良な市民を守る!!……あなたも同じですよね?【狼志組】の副長さん?』

「ああ。…勿論私も同じ志だ。…共に一緒になって守ろう。…【R・P】社のルーシス室長によく似た海上自衛隊所属…三等海佐の三橋くん!…ハクロー君やリーネさんの大切な方々であるなら…尚更だ…!」(チャキッ!)

『…あ、あはは。…三橋さん…いつの間に白狼の所属する【狼志組】の副長さんと仲が良くなったんですか……?』

『…ハクローお兄さん…【狼志組】の【Luster】の英霊の方々…どうかこの【Kagoya】の町を救ってください!!』

「…そうかよ!!ったくあのでかい刀を叩きつけてこの【Kagoya】の町を……跡形もなく全てスクラップってか!?」

「くっ!!アキル!どこまでも卑劣な!!…だが今は!!」

『私達がいるじゃあないの〜ト・ワ♡…ハクローくんも♡!!…さ〜て!…剣を使った神聖な演奏を…始めるわよ〜♪!!』

『奴の好きにはさせん…塵も残さず…跡形もなく粛清する!!…行くぞ!!』

キィン!!《リィーーン…♪【冥鐘】》

「!!!!」

ブォーーン!! 

フォーン…フォーン…ピン!ピン!

「狙いを定めた!…そこだぁぁぁッ!!」

【Hux・row】ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー
ソナー能力が発動しました。

シャキィーーン!!

「うぉらあああああ!!」

「はぁああああああ!!」

『ハァああああああ!!!!』

『うぉおおおおおおお!!!』

《〜【Luster】伝道鎮魂冥鐘誓交響曲〜(でんどうちんこんめいしょうせいこうきょうきょく)…第I楽章…【Melodia Requiem】(メロディーア・レクイエム)!!》

『さぁ〜演奏開始よ〜♪トワ!!』

「ああ!巫女で舞うように優雅に…華やかに奏でてあげよう!…ヤエカ姐さん!!…ハァ〜!!!!」

フォンフォンフォーーン!!!ザシュザシュ!!ズババシュ!!…ザシュ!!

「!!!!!」

【Melodia Requiem】(鎮魂曲の旋律)と技を名付けた【Yaeka】と【Towa】は協力し、まるでオーケストラの曲を連想させるかのように、二人は優雅に息を合わせて刀を振るい、美しく華麗に【十維新・阿修羅】を斬りつけていく。そしてみるみるうちにコーティングされていた胸部が露出してきており、それを確認した【Nagawa】が【Hux・row】を持ち上げ、特攻の準備を始める。

『そこだ!!決めてこいハクロー!!』

「任せてくださいナガワさん!!…特攻というのならこの技で行くしかない!!…そうだろ……空川少尉!!…はぁあああああっ!!」(チャキッ!)

ブーーーン!!

《白狼夜宗流・対空迎撃一式・一の型【千夜・鷲空】》

「決着をつけろ!!…ハクロー!!」

『いっけ〜!ハクローくん!!あなたならきっと何処までも高く飛び…いつかルーくん以上の大きな男になるはずだわ!!…決めてきなさい!!』

「ハクローさん!!お願いします!!」

『ハクローお兄さん…!!』

『白狼くん…どうか!!』

『白狼!!この局面を君自身とその誓いを交わした無二の親友ロベルとの誓いの儀礼刀…名刀【Louvel】に誓い…今こそ決着をつけるのだ!!』

「…頼んだぞ。ハクロー君…ヤエカやナガワという私の自慢できる隊長の志士達も…君を信用し、同志として英霊となって味方しているのだ…!今こそ!君なりの維新の姿を…ここで見せてもらおう!」

『白狼…!!決めてしまいなさい!!折角ここまでアンタを励ましに来たのだから…あなたとそのロベルの意志が宿ってるその一振りの名刀【Louvel】で…決着をつけなさい!!』

「うおおおおぉぉぉぉお…らああああ!!!!!」(ジャキィイン…)

《リィーーーン♪【冥鐘】》

ザシュッ!!パキィイイイイン!!!!!

「!!………………」

ガララララララ………!!

ガシャアアアン!!

「う…うぉわああああ!!!!」

ヒューーーン………!!

ガシッ!!

「……え?」

【Hux・row】の繰り出した技の流派が決まり、【十維新・阿修羅】は崩壊を始める。そのまま落下し、瓦礫に埋もれてしまいそうになった【Hux・row】を、跳躍した【Towa】によって手を掴まれ、難を逃れる。空には大きな満月が浮かび上がっており、幻想的なシルエットが浮かぶ風景が広がっていた。


【Hux・row】ランクD
【♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡】
ーーー
戦果ポイントが加算されました。次のランクアップまであと※※※※※です。

・・・
・・

B. いいえ


《Capitolo・11》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜パワプロより・戦国時代ED

「やったな、ハクロー!!……流石は私が好きになった自慢の男だ!!///」

「…トワさん。…はは!ありがとうな!…おおっ!いたいた!…あそこにいるのが千夜!現世で過ごしていた時の俺の愛人だ!…どうだ?トワさんにそっくりだろ?」

「!!…ふふっ!…ああ!本当にまるで目の前に私が立っているようだ!」

「へへっ!……?…トワさん?」

ポロポロ……

「…そうか。…あの人がハクローの現世の恋人なんだね…///…おそらくハクローを取られたと思われて。…すごく傷つくんだろうな…」(ポロポロ…シュン…)

【Towa】の頬には涙が流れ、申し訳なさそうに落ち込んでいた。そこには先程の《清廉》な雰囲気のある女性ではなく、まだ12歳くらいの年齢の少女として過ごしていた、男として《僕っ子》を演じていたあの頃の姿をもう一度だけ曝け出してしまった。その様子に【Hux・row】は────

「…大丈夫だよ。…アイツなら。…千夜はわかってくれているだろうよ。…まあ〜俺は、アイツの自慢の手刀チョップを喰らうのが目に見えているんだがな〜…」

「!!///…あはは、そうか!!…ハクローはそれくらいとっても仲が良かったのだなぁ〜千夜さんと!…なら、私も負けていられないな…ふふ♡」

チュッ♡

・・・

【Hux・row】は【十維新・阿修羅】との戦いに勝利する。しかし、最後の最後で更なる一波乱が待ち受けていた─────

ポカポカポカポカポカポカ!!

「い、いだだだだ!!!や、やめろってリーネ!!」

「だ・め・で・す!!///うぅ〜っ!!///戦闘中にトワさんとイチャイチャして先程もキスをするとは何事ですか!?///…本当にハクローさんは女難と言いますか、私や千夜さんの他にもトワさんやベアさん…それにアガルタさんやら色んな女の人と平気でキスをしたりされたり、淫らではしたない事をしては平然と浮気をするのですから〜///!!」

【Hux・row】は【Linea】からの制裁を受けていた。彼女は頬を膨らませており、先程の戦闘中から【Hux・row】と【Towa】の二人のイチャイチャやらスキンシップやら接吻がどうしても気に触り、許せない様子であった。

「も〜う///!!千夜さん!!いい機会です!!今日という今日はハクローさんにキツいお仕置きをお願いします!!///」(プンスカ!)(ビシッ!!)

『そうね〜♪…じゃあゆいのお望み通りに〜♪…白狼♡…覚悟はできているのかしら〜♪?』(ニコニコゴゴゴゴ…!!)

「げげッ!!ま、待て千夜!!早まるなってぇ〜!!」

…ウフフ♪

ス〜ッ!

「?……え?…あれ?ヤエカさん?…それにトワさん?」(アセアセ!)

【Hux・row】の前には、【Towa】を抱き抱えた【Luster】の力の加護を受け、具現化した英霊の【Yaeka】が千夜の前に立ち、ご機嫌よく挨拶をした。

『ふっふ〜ん♪まあまあ待ちなさい!…初めましてだね〜♪…トワとそっくりさんの現世でのハクローくんのフィアンセ!…千夜ちゃんでいいんだよね!?』

『え?は、はいそうです!……とはいっても現世に住んでる私自身じゃなくて、大まかにいえば白狼と現世の私から渡された十手から、絆を通して存在しているだけの私ですけど…あなたは白狼のいる【狼志組】のヤエカさんですよね?』

『そうだよ!…へぇ〜♪あくまでハクローくんの心の中にある水鏡の鏡写しの世界に存在してる方の千夜ちゃんであって、現世で住んでる方の千夜ちゃん本人じゃあないんだね〜♪…ふ〜ん♪ハクローくんからも話は聞いているけど…確かに喋り方とかは全然違うけどさ。……見た目は本当にどっからどう見てもトワにそっくりよね〜♪♡!!…んも〜う!!トワが二人もいて…まるで双子のようでヤエカ姐さん今すっごく幸せだぞ〜♡♪そ〜らウリウリ〜♡♪」

ダキッ!!

『ふえっ!?///』

『…〜!?///き、キャ〜♡それに似てるだけじゃあなくて肌とかの感触も全く一緒じゃあ〜な〜い♪♡♡♡!!』

ギュ〜ッ!!スリスリ〜♡!!スリスリ〜♡!!

『え。…〜!?///…!!///…えぇっ!?///ちょっ!?ちょっとヤエカさん!?///…あ、あの〜!?///』

「〜!?///…も〜う!!///ヤエカ姐さぁ〜ん!!///恥ずかしいから離しておくれってばさ〜!!///」(ジタバタ!!///)

『嫌よ〜♡!!///…こうして【Luster】の英霊としてまたトワと、初めてハクローくんの現世の愛人、千夜ちゃんに逢えたんだからもっとぉ〜♡…はぁぁ〜〜ん♡ヤエカ姐さん幸せ〜♡!!///』

「あ…あはは…でも確かにヤエカさんの言うように千夜とトワさんがこうして二人並ぶと、本当の双子のように似てるよな〜!…まあこれで千夜の手刀チョップからは免れたか…ホッ!」

「むぅ〜…///私は少し残念ですっ!!///」(プク〜!!///)

【Hux・row】は【Yaeka】が千夜と【Towa】が戯れあっている姿を【Linea】と一緒に見守っていた。すると、二人の顔見知りの者達が姿を現した。

タッタッタ…

『白狼!!…任務完了だな!!』

『白狼くん!!ゆい!!……ふふっ!…学ランのような服を着ていますけど、それでも白狼くんは何を着ても本当によく似合いますね〜!』

「!!み、三橋三等海佐!…それに西野さん!!…またお会い出来ましたね!!…【Sognare】では俺の事もですが、ゆいちゃ……!!…いえ、リーネの事…色々ありがとうございました!」(ビシッ!)

「お兄ちゃん!お姉ちゃん!あの時は本当にありがとう!!…でも私は。……あれから戻って……!!また色々ひどい目に遭いましたぁ〜〜!!///う…うわぁ〜〜ん!!」(ジョーー!!)

ダキッ!!

『おっと!!…そうだな、ゆいちゃん。…可哀想に人生の初めてをあんな形で奪われて…すごく大変だったようだな。……仕方ない。……これは白狼!!…日本男児として君に責任を取ってもらうしかないようだな!!』

「…え?……!?ええ〜っ!?///ち、ちょっ!!三橋三等海佐!?///」

『ふむふむ。…そうですよね。……こうなれば白狼くんにゆいを慰めてもらうしかないようですね〜///……白狼くんは《浮気性》ですから、女性の方々とも色んな経験も豊富でしょうし…///……ですから妹のゆいをどうか責任を取って…優しく抱きしめてあげてくださいね♡///』

「ええっ!?///…!?…いやいやいや!!///西野さんまでも〜う!!///」

あははははははは!! うふふふふふふっ!

「…ふふふっ♡!!///」(お兄ちゃん…お姉ちゃん…本当にありがとう!!…でも…もう私は大丈夫です!!…ハクローさんがいてくれれば!私はとっても幸せなのですから!///)

それから【Hux・row】は【Linea】と一緒に三橋とありさにこれまでの経緯を話していくうちに、別れの時間が迫ってきた。

「…では、色々ありがとうございました!三橋三等海佐、西野さん!!」

「ありがとうお兄ちゃん!…お姉ちゃん!」

『構わないよ!…それに、ゆいちゃんは思った以上にしっかりしているようだ!…これからも…よろしく頼むぞ…白狼!!』

『白狼くん!…これからもゆいをお願いしておきますね♪……あなたもどうか無事にね…ゆい。…またあなた達にこうして逢えて本当に嬉しかったわ。……また【Sognare】でお会いしましょう。…元気でね!』

フワァ…! ヒィーーン…

「!!…二人の光が…!?名刀【Louvel】に吸収されていく…!!」

「…どうやらお兄ちゃんとお姉ちゃん…ハクローさんの持つ名刀【Louvel】がお好きなのですね!心なしか刃が輝いて見えますよ!」

【Hux・row】は【Lunea】と一緒に三橋とありさを見送り、光となり名刀【Louvel】に集気されていく。すると次に笑い声を出していた少女は【Hux・row】に語りかける。

『ウフフ!あはは!…ハクローお兄さん!本当にありがとう!…この【Kagoya】の町を救ってくれて!』

「あっ!!…幽冥界霊拝堂の座敷童子ちゃん!?」

『あっ!リーネさんは私を見るのは初めてだよね!?…初めまして!私はこの【Kagoya】の水の精霊を受けておりました【Milal】改めラルというの!!…ハクローお兄さんとベアお姉ちゃんに色々助けてもらってね♪…こうしてみんなと笑顔で元気いっぱい過ごしてるの!…ハクローお兄さん!…また逢えて嬉しいよ!』

「よう、ラル!…また逢えたな!!…心なしか笑顔が増えたな〜!…ベアさんは今別行動中で会わせてやれなくて残念だけど、相変わらず元気だよ!」

『そうなんだ〜!でもベアお姉ちゃんが元気ならそれでいいよ〜♪それを聞いただけでも私!すっごく嬉しいよ♪!』

「まぁ〜っ!水の精霊さんなのですね!?…通りで先程の戦闘中に雨が降ってきて、まるで援護するかのようにハクローさん達を守りお助けしていたのですね〜!!」

【Hux・row】と【Linea】はラルと話をしていると、【Luster】の英霊ヤエカから解放されたのか、少し疲れた表情をした【Towa】がやってきた。

「…はぁ〜…やっとヤエカ姐さんから解放された。……【Luster】の力で英霊になっても、ヤエカ姐さんのままなのだな……」

「ああ、トワさん紹介するよ!!…この嬢ちゃんがラル!!…アキルの野郎の能力から俺達を手助けしてくれた水の精霊なんだ!」

『初めましてだね♪【狼志組】のトワお姉ちゃん!!…でも本当に千夜お姉ちゃんにそっくりだね〜!…私びっくりしたよ〜!』

「!!この声は!?…そうか、この子があの時語りかけてきた少女だったのか!?……おかげで助かった!礼を言うよ!」(なでなで!)

『えへへ〜♪…あとハクローお兄さん…お母さんに会ったんだよね?』

「…ああ!…ラルの母さんのセレナール(【Selenal】)さんにこの名刀【Louvel】に【Luster】の力を分け与えてくれたんだ!…そのおかげでお前と…みんなとこうして再び会えたんだ!…ありがとな!…ラル!」

【Hux・row】と【Towa】は水の精霊ラルにお礼を言う。するとニヤニヤとした表情で二人に話し出した。

『で〜も〜♪…ウフフ♪アハハ!!…よく千夜お姉ちゃんが言ってたけど、ハクローお兄さんって本当に女好きなんだね〜♪ベアお姉ちゃんとは《熟年夫婦》のような雰囲気があって、今度は《新婚夫婦》としてトワお姉ちゃんがいたりしてさ〜♪ハクローお兄さん、今すっごく幸せそうだよ〜♪』

「ちょっ!?ら…ラル!?///」(ドキッ!///)

「〜!?///…な、なぁぁっ!?///」(ドキッ!///)

「〜!!///…むぅ〜ッ!!///ではラルちゃん!!私はどうなのですか〜!?///」

『ん〜?…リーネお姉ちゃんはどっちかというと〜…ハクローお兄さんにとっては〜♪…親戚でいう従兄妹(いとこ)同士の《妹》的なポジションかな〜♪!…確かに熱々だけどね〜♪…でもやっぱりベアお姉ちゃんとトワお姉ちゃんの二人と〜♪お兄さんの永遠の殿堂入りのフィアンセ!…千夜お姉ちゃんには流石に敵わないよ〜♪』

「(TーT)」(ガーン!!)

「あ…ははは。……水の精霊からしても、そんなに俺達って熱々なのか?…トワさん?///」

「〜!?///しっ!?///…知らんっ!!///」(プイッ!!///!!)(……ま、まあ確かに先程から私は。…ハクローに対して…《好き》と何度も言ってしまっては…そう思われても不思議ではないかも知れないな。…だが物事には順序というものがあるだろっ!!///…全く、マセている水の童者だな!!///)

アハハハハ!!

タッタッタ…ザッ……

「ん?…!!」

「ふ…副長!?…それにヤエカ姐さん…ナガワ!!」

『あ…【狼志組】の皆さん!!』

ラルの方に誰かが歩み寄ってきたようなので視線を合わす。そこには【狼志組】副長の【Fukabe】が英霊となったナガワとヤエカを引き連れ、まるで敬意を表するかのように微笑みを浮かべ、優しく語りかける。

「…あなたが水の精霊の【Milal】改めラルさんだね。…まさか本当に存在するとはな…この町【Kagoya】の清流の水を長い期間…見守り維持してくれて…あなたに是非ともお礼を言いたい。…本当に感謝する」

『ありがとね〜ラルちゃん!…おかげで町の人は喜んでたし!ここの清流で汲んで作ったラムネは本当に美味しくて、よく五重塔に登ってトワとルーくんと三人で夕焼けを見ながらラムネを飲んだの!…本当にこの町に美味しい水を長年維持してくれてありがとうね〜!!』

『ラルくん。……ベアンヌ君や副長からも少しばかり事情を聞いていたが、昔の水害で色々と気苦労をしたらしいな…だが、もう君は一人ではない。これからは我々もいる。…温かく…そしてこれからも、次の世代の維新のために【Kagoya】の町で働く彼らの姿を…我々と共に見守っていこう!』

『!!…は…はい!!…グスッ!…えぐっ!!…皆さん…こんな私を…本当に…ありがとうございます!!』

「…よかったな…ラル!」(ニコッ!)

「ふふ。…ああ…本当に!」(ニッ!)

「ラルちゃん…とっても嬉しそうですね〜!!」(ニコニコ!)

・・・

その後、ラルは【Hux・row】の持つ名刀【Louvel】に【Luster】の光となって集気され戻っていく。そして一同は、千夜ノ桜の前に集まる。

「……千夜ノ桜は…燃やし尽くされたようだな…」

「…ああ。……すまない…ヤエカ姐さん…ナガワ…!!…グスッ!!…えぐっ…!!」

『もうトワ…泣かないの!…と言いたいけど…グスッ!…うぅ…!!』

『…くっ!!…守れなかったな…!!この町の象徴を…!!』

「…もう…あの綺麗で素晴らしい桜が…見れないのですね……」

「ああ。……くそっ!!【Demister】(終焉ノ使徒)の野郎共…よくもっ!!……」

『…フフッ!』

ガシッ!!

「!?…ち…千夜…!?」

【Hux・row】は隣に誰かに手を掴まれたので視線を向ける。そこには、【Luster】の光を宿した千夜が立っていた。そしてすかさず千夜から貰った十手を持ち、笑顔で語りかけた。

『私がなんとかする!!…白狼!…トワさん!…力を貸してくれる!?』

「!!…ああ!…だけどトワさんの能力は…」

「ああ…もう私の能力は…」

『心配しないでトワさん!!……私の能力を、私と同じくらいハクローを心から大切に…愛してあげているあなたに分けてあげる!!…いくわよ!!…二人共…準備はいい!?』

「!!…分かった!!…千夜頼む!!」

「!!…千夜さん…あ…ありがとう…!!」

『…じゃあ…行くわよ!!…はぁあああああ!!!!!』

「うぉおおおおお!!!!」

「はぁああああああ!!!」

三人は十手を持ち、桜に目がげて上に翳(かざ)す。すると、【Luster】の光が周辺を包み込み、修復しては生命を与えていく。そしてみるみるうちに、桜の花が咲いていく。

キィイイイイイイイイン……ザワザワ…サ〜ッ…サラサラサラ…

「!!さ…桜が!?」

「も…戻った…千夜さん!!」

『…これで…いいわよね…白狼!?』

「…ああ。…!?…ああ!!…本当に…お前は…ぐっ!!」(ポロポロ…)

ダキィ!!…チュッ♡!!

『…!?///ちょっ!?///もう白狼!!こんなところでそれする〜!?///』

「ああ!!…本当に…お前はすげぇよ!!…現世で住んでた時…お前の愛人で…俺は本当にお前の事を誇りに思うよ!!……っ…!!…ありがとうな千夜!!…この町の桜を元に戻してくれて…この千夜ノ桜…本当にお前のようで…すげぇ〜綺麗だよ!!///」(ポロポロ…)

『〜///!?ば…バカ!!///はぁ〜白狼……ホントにアンタってやつは!!…でも嬉しい♡///!!…本当に綺麗ね…この千夜ノ桜っていう名前の桜…///…あと…アンタにあげた十手を通して…その…【Luster】の力で具現化したあなたと現世の私との強い絆から映し出された私だけど…また逢えて本当に嬉しい///…愛しているわ!…白狼♡///』

ギュッ♡///!!…チュッ♡♡♡!!

「よかったな…ハクロー!!」(ニッ!)

『あははは♪あれじゃあ流石に敵わないわね〜!!…千夜ちゃんか〜!本当にハクローくんとアツアツで一番お似合いのフィアンセって感じがするわね〜!!』

『うむ…あの二人からは…本当に熱い愛に満ちた強い信頼の絆が結ばれているようだ!!』

「ハクローさん…フフ!…またこのような縁で千夜さんと逢えて…本当に良かったですね!」

「…あれがハクローくんの現世のフィアンセか。…三橋くんの姿を見ても驚いたが、確かにトワに面影がよく似ているようだな。…このような縁で現世の愛人に会えて…さぞ嬉しそうだな」

「…本当に…ありがとうな千夜…大好きだ!!///…お前を…愛している!///」(スーッ…)

『も〜う!それ本当なの!?///アンタそれを他の女の人にも言ってるんでしょうが!?///…でも…嬉しい…ふふっ♡///』

二人は再会を祝い、深い愛の口づけを再び交わそうとした。しかしそれを阻む者が姿を現した。


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜JOJOの奇妙な冒険黄金の風より・Lotta Foroco

ザシュザシュザッシュ!!

「!?…かはっ!!…ぐっ!!!」

ばたり……!!

「「「「「!?」」」」」

『し…白狼っ!?…!!』

バキャッ!!

『あぐっ!!』

「は、ハクロー!!千夜さん!!…この能力は…!!まだ生きていたのか!!??」(キッ!!)

『…本当に昔から人を陥れたりするのが好きで…デリカシーのない奴ね…アキル!!!!!』

『…よくもハクローが現世の愛人の千夜さんとの再会の幸せの時間を…このような形で踏み躪りおって!!!』

【Hux・row】の背後から、土で出来た刀やナイフが深く突き刺さり、背中の上下の服が引き裂かれ、その場に倒れ伏せた。そしてその近くにいた千夜を投げ飛ばし、【Akill】が姿を現した。

「よおよお〜!?…ヒャハハ!!…まさか化けてはノコノコと俺の前に現れるとはなぁ〜!!ザコ隊長共よぉ〜!!ヒャハハハハ!!!」

「!!…あ…アキル…!!よくも…よくもハクローさんを!!!ご覚悟を!!…はぁあああああ!!」

「…おらよ!!」 

ヌチャッ!!!

「あぐっ!!…ん!?…んん〜///!!…う…動けない!……くっ!…許しません!…アキル…あなただけはぁ〜〜!!!!!」

「…ヒャアッハッハハ!!!おいおい!!さっきまで人にイチャイチャを見せつけておいて、もうおねんねか〜!?…んじゃま…そろそろ…そこのヤエカと…ナガワのように…あの世にいっちまいなぁああああ!!!!」

ブン!!

「!!ダメェええーーー!!」

『…はぁあああああ!!!!』

『やめろおおおおお!!!』

「ハクローをよくも…覚悟しろぉーーー!!アキル!!!」

リィーーン…♪【冥鐘】…ザシュン…!!

「……!!…な…に…?…く…くそ…が…」

バターーン…

「……」(シャ〜…)

キン!!…リィーーン♪【冥鐘】

『ふ…副長!?』

『…副長!!』

「副長!!」

【Hux・row】にとどめを刺そうとした【Akill】を、志士一同は止めようとした。その背後に【Fukabe】が刀を抜刀し、【Akill】の背中を斬りつける。斬り捨てた後には、それは供養ではない絶望的な言葉を言い放った。


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜八重の桜より・輝かしい未来へのエール

「安心しろ。…殺しはしない。……まだ死んでもらうわけにはいかない……眠っている間、貴様に踏み躙られた者達や…隊士の分までその重い罪を味わってもらわないといけないのだからな…」(ゴゴゴゴゴゴ…)

『!?副長…まさか…あの秘技を…アキルに!?』

『副長…致し方あるまい…アキルの犯した罪は大きい。…やむを得ないことだ』

「さあ…そろそろ夜明けも近い。…ハクローくんの傷の手当てを…!!…千夜さん…」

「!!…千夜さん…」

「千夜さん……」

『私が治癒を施しました!!大丈夫、無事です!!…白狼は絶対に死なせない!!あの時、命を賭けてまで…私を全力で守ってくれたのだから!!……そうよね…白狼!!』

ダキッ!!

千夜の治癒能力で【Hux・row】の怪我を回復させた千夜は微笑みを浮かべ、頬を撫で優しく抱きしめる。その様子に一同は安堵の表情を浮かべていた。

「ああ…よかった…本当によかったですハクローさん!!…千夜さん!!…本当にありがとうございます…!!」

「ああ…ああ!!…ハクロー!!…千夜さん…ありがとう!…ハクローを救っていただき…本当に感謝を…お礼を申し上げます!!」

『もしもの時は…必ずハクローくんを助ける…か。…!!本当に心強いフィアンセね〜!!千夜ちゃんって!!』

『うむ…こちらもお礼を言おう!…ハクローを助けていただき、本当に助かった!』

「…【狼志組】副長である私からも是非ともお礼を言いたい。…千夜さん…ハクロー君の命を救っていただき、感謝する」(ぺこり!)

『…こちらこそ、白狼の事を見守っていただき、感謝を申し上げます!…ふふっ!…アンタもここに来て…こんなに心強い仲間の人達がいるのね!!…大切にしなさい!!』

チュッ♡!!

・・・

暫くすると、夜明けが見てきており、時間切れが近いのか【Luster】の力で具現化した英霊のヤエカとナガワ、千夜は最後に【Fukabe】と【Towa】やその他のものに挨拶した。

『…では副長…あとはお願いしておきます!!』

『副長…今までありがとうございました。また何かの縁でお会いできたらと思います。トワ!困った時は必ず私を呼んで頼りなさいね!…また会いましょう!あと…ルーくんの親友のハクローくんをお願いしとくわね!…元気で!』

『トワさん、それにゆいも…白狼のこと…頼んどくわね!!』

「…お前達のような英霊となるくらいの立派な志士を…私は誇りに思う!…もしもの時はハクロー君やトワの力になって欲しい。…頼んだぞ!…千夜さんも…誠に感謝する!」

「ヤエカ姐さん!…ナガワ!…また会おう!…千夜さんも本当にありがとう!ハクローのことは任せてくれ!…あなたの分まで、私が刀を振って全力で守る!」

「…皆さん…お元気で…!!…千夜さん!!大丈夫です!!ハクローさんがまた女難にあって浮気しそうになったら代わりに怒りますから!…だから千夜さんも…そんな悲しい顔をしないでくださいよぉ〜!!…うぅ…グスッ!…」

『もう…ゆい泣かないの。…白狼を頼んだわよ!!…では皆さん!ご健闘とご武運を…この【Kagoya】の美しい町の復興を…心から祈っております!』

千夜は皆を代表して言うと、光となっては名刀【Louvel】に集気されていく。そして夜明けが見えて来たからか周辺に日光が差し込んできた。

キラァーーーーッ!!

「!!…夜明けだ…それに…町の火災が…」

「鎮まっていきます…!!ああ…よかったです!!」

ピィーー!!タッタタタタ!!

「!!副長!!…伝令です!!どうやら【Demister】(終焉ノ使徒)メンバー達が逃亡し、引き上げたとのことです!…もうこの町には用はないという事らしいです!」

「…!!…そうか…ご苦労だった。…アキルはそこにいる!確保しろ!」

ハッ!! アキルー確保〜!! 苦い顔をしているぞ…!! 何か嫌な夢でも見ているのか…

「くっ!!【Demister】(終焉ノ使徒)…!!今度会ったときは…!!」

「絶対に許してはおきません!!…でもトワさん!…今はこの夜明けの旭日を拝んでは私達の勝利を胸に刻んでおきましょう!!…ハクローさんも運ばないといけませんね!!」

【Towa】と【Linea】はそういうと、【Hux・row】を背負い、皆の元【河原木亭】へと向かっていく。そして【Hux・row】は、また長い睡眠に入る。

・・・
・・



🎼Back Ground Music 》》》



♪〜パリは燃えているか・オルガン

〜【Sognare】・【Y・ Corvo】の教会の世界〜

「ん〜?…!!ここは…教会!?」

「…目が覚めたか?」

「…!!…あ…コルボ!!…となると此処は…【Sognare】ってことか…!?」

【Hux・row】は目を覚ますと、どこかの国の教会のベンチにて横になっていた。建物には青白い光が照らされており、十字架が白く神秘的な光を指していた。そして、何かもの悲しい哀愁感漂うパイプオルガンの音楽が流れている。そして司祭者の立つ位置には黒い衣を着た八咫烏の異名を持つ人物【Y・ Corvo】(ヤタ・コルボ)が立ち尽くしており、【Hux・row】が気がついたのを理解し、振り向いて声をかける。【Y・ Corvo】は【Luster】の事を聞き出した。

「…どうやら…見事【冥鐘】を会得し…【Luster】の素養にも目覚めたようだな…」

「…ああ!…ロベルが持っていた独特の力だよな!?…だが驚いたよ!!…まさかその力で、この【Paradiso】で別れをした人達がこうして具現化して《英霊》として現れるんだからよ!!…それに千夜にも会えて、焼けてしまった千夜ノ桜を元に戻してくれたんだ!!…だけど俺は…」

【Hux・row】は先程背後から誰かに刺されてしまったことを覚えていたようである。それを【Y・ Corvo】は丁寧に説明する。

「安心してくれ。…その千夜が君を治療してくれた。…君は無事に生きている…」

「…そっか。…だけどアキルの野郎…まだ生きてやがったとは…!!…となるとアイツは!?」

「安心したまえ…それは【狼志組】の副長フカベがなんとかした…心配は無用だ」

「副長が!?…そうか…あと何となくだが、副長の放つオーラが、アンタとそっくりだったんだが…いったいどうしてなんだ?」

【Hux・row】は【Y・ Corvo】に【Fukabe】のことを聞こうとする。すると【Y・ Corvo】は腰に巻いていた清刀【八咫光】を持ち、またもや試すかのようにこう答えた。

「…それを聞くからには…覚悟は出来ているのか?」(チャキッ!)

「…まあやっぱこうなるよな…分かった!!」(チャキッ!)

【Hux・row】は三橋から託された日本海軍の軍刀を持ち、【Y・ Corvo】と向き合う姿勢を見せる。

「…では…ゆくぞ!!」

シュッ!!

「…今度は…そうはいかない…」(シャーー…)

キン!!…リィーーン…♪【冥鐘】

ブン!!

キーーン!!

「…ほう…【冥鐘】を会得し、少しは反応ができるようになったようだな…それに…以前に比べて、いい目をするようになった…」(ギリギリ…)

「まぁ〜な!…だけど…相変わらず早いし、本当につえぇなアンタは……」(ギリギリ…)

「…フッ!!…はぁっ!!」

キン!…リィーーン【冥鐘】…♪

「!!…【冥鐘】!?」

【Y・ Corvo】は刀を構えると、【冥鐘】を鳴らし、音速の如き速さで【Hux・row】の軍刀の刀身を斬りつけていく。

ガキン!!カンカン!!ガキン!!カン!!

キィーーーン!!カランカラン…

チャキッ!!

「!!…な…なんで…?」

「…まだやるか?」

「…降参だよ…今回も俺の負けだ。……でも驚いたな…アンタも【冥鐘】を使うんだな〜!…って!?…も…もしかしてアンタ…まさか【狼志組】にいたんじゃあ…!!」

【Hux・row】は【Y・ Corvo】が【冥鐘】を使えることに疑問を感じていた。その質問の答えは、まるではぐらかすかのように伝え、先に【Fukabe】の事を告げる。

「それは…君が【狼志組】に所属しているのなら…いずれわかる事だ。…とにかく今は【狼志組】の副長…フカベの事を少しだけ教えよう。……彼はかつて私の一番の…愛弟子だったのだ!!」

「!!……なっ!?…副長が…アンタの弟子だったのか!?…まぁ〜確かに説得力があるかもな…!…あの絶対的な悪を許さない、問答無用で断ち切るようなオーラは…確かにアンタそのものだった。……んで?いつ知り合ったんだ?」

【Y・ Corvo】はその問いに心置きなく答えた。

「…彼は今からおよそ18年も前に、私の剣の修行をつけた時期があった。その時彼に私の秘技である【八咫烏ノ秘剣】秘剣其ノ一・悔夢(カイム)を教えたのだ。……これを言うからには、もうお気づきだろう…?」

「!?…じゃあアキルは!…副長の手によって…あの【Jeil】とか【Makiras】のように…」

「…今…奴は自分の過ちを…昏睡状態のままそのまま目が覚めることがなく、深い絶望と苦しみを味わっているだろう…ただ同情などはするな!…奴には取り返しのつかない犯した罪があるのだ。……それに君は、奴の行いが許せなかったのだろう?」

「…そうだな…俺はアキルの奴にまんまと嵌められた!…ヤエカさんや…ナガワさんを亡き者にされ、そして…リーネまで犯そうとして!!…俺は…!!…だからこそ……トワさんやリーネを…それだけじゃあない!…俺の大切な人達を…これからも守っていきたいんだ!!……ヤエカさんやナガワさんだって【Luster】の力で英霊になってまで俺に力を貸してくれたんだ!…ロベルが託してくれた【Luster】と…名刀【Louvel】に誓い…必ず!!…この意志を貫き通して見せる!!」

【Hux・row】は自分の持つ決意を【Y・ Corvo】にぶつける。それを見ては仮面越しからは笑みを浮かべたかのような声を出しては語りかける。

「…フッ…覚悟はできているようだな…これからも…頼んでおくぞ…【狼志組】のシローよ…」

フワァーーー

「…ああ。…!!…そうか…もう時間切れか…」

【Y・ Corvo】の身体は透けていき、周囲の青白い光はなくなり、明るいナチュラルカラーの明るい光が差し込んできた。それを見て【Hux・row】は【Y・ Corvo】に別れの挨拶を済ませ【Y・ Corvo】は去り際に【Hux・row】にこのように伝える。

「コルボ!!…また…会おうぜ!」(フリフリ…)

「…ああ。……また会おう…シロー……【狼志組】……は…局…新…生…強…い…力…に…な…る…」

「…!!こっ…コルボ!!……!!くっ!!」

キィイイン!!

・・・
・・


B. いいえ


《Capitolo・12》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜FF7REMAKEより・メインテーマ

〜【Paradiso】歴:2000年・7/13・昼方【D島】【CronoSt】(クロノスト)【R・P】社〜

「ん…ん〜?ん?…!!…こ…ここは!?」

「!?……やっと気が付いたのかハクロー!?……全く…心配したのだぞ!!…もう三日間は寝ていたのだからな!!」

「え?…!?なっ!?と…トワさん!?…それにここって…」

【Hux・row】はある病室にて目を覚ます。そこには普段の【狼志組】の制服姿に身を包んだ【Towa】がおり、心配そうにして顔を覗く。特に異常もなく安堵したのか、笑みを浮かべて話を続けた。

「安心しろ。…ここは【R・P】社の救済ギルド【Grazia】の病室だ!」

「!!…え!?俺いつの間に【R・P】社に!?…まあ三日間も寝てたらそうなるか。…ハァ〜!…そうか。…あれ?でもなんでトワさんがここにいるんだ?」

「ああ。私だけではなくて、実は副長も来ているんだ!」

「!!…ふ、副長も!?…でも、一体何が?」

「…それはだな。……あっ…副長!!」

「…!?」

【Hux・row】は視線を向ける。そこには【Fukabe】とその後ろには【Lu-cis・H】が尋ねに来たようだ。

「身体の傷は癒えたかい?…ハクローくん?」

「気が付いたか?…ハクロー君」

「は…はい!ルーシス室長!…それに副長!…おかげさまで。……ですが、ご迷惑をおかけしました。あの…アキルは?」

「それなら心配はいらない。…私が静止させた。あの《謀叛者》には償ってもらう罪がある。それに、千夜ノ桜広場で死なれたともあっては。…折角君の現世でのフィアンセである、千夜さんが復興してくれた【Kagoya】の桜を汚されるのはどうにもならないからな…」

【Fukabe】の言葉に、【Y・ Corvo】の言った会話の内容に相違はないことを理解し、納得して話を続ける。

「…そうですか、わかりました。…それで…何故副長とトワさんが遥々遠方からこの【R・P】社へと尋ねに来たのですか?」

【Hux・row】の問いに【Fukabe】は、その問いに対し、こう答える。

「それは来てみたら分かることだ。二人共、同行願えるか?」

「私も、ベアとその他のリーネくんやビルくんといったメンバーも呼ばれているのだ…一緒について来てもらってもいいかな?」

「は…はい!」

「…わかりました」

タッタッタ…

【Hux・row】と【Towa】は【Lu-cis・H】と【Fukabe】の二人の後ろをついていく。辿り着いた場所はトレーニングルームであり、前方には【Agente】の参謀兼リーダーの【Campanella】が待ち構えていた。彼女は【Hux・row】の姿を見ると、元気に挨拶する。

「おっ!!ハクローくんじゃ〜ん♪やっほ〜!もう身体は大丈夫なの〜?」

「お〜ネラ参謀!!この通り!!…で?いったいここで何を始めるんですか?」

【Campanella】は【Hux・row】の問いに笑みを浮かべ、こう話した。

「ふっふ〜ん♪そ・れ・は・ね☆…これから君達には〜♪仮想空間に行って【狼志組】の局長に会ってもらう事で〜す♪」

「!!…えっ!?」

「か…仮想空間!?…副長、一体これはどういう事ですか!?【Saiga】局長は今【狼志組】の屯所にいるのでは…」

その問いに、【Fukabe】は二人に対し、少し威圧的に語りかける。

「普段サイガ(【Saiga】)が局長を名乗っているが、今回君達のように過酷な運命の立ち位置にある事を特別視し、我々の本物の《局長》が直々に君達に会いたいという事だ。…だがくれぐれもこの事は……内密にして……ほしい。…命に関わる事だからな…」(ゴゴゴゴゴゴ…)

「…!!…は…はい!わかりました!」(アセアセ…)(とは言っても…俺はまだモノホンの局長はおろか…その【Saiga】って局長の代理の人にすら会ったことがないんだよな〜…)

「しょ!承知しました、副長!」(ヒヤヒヤ…!)(…一体…どんな人なのだろうか?…その本物の局長とは…)

「ネラ。準備はできたかい?」

「あいよ〜ルーシス兄さん!じゃあロア!…みんなを呼んできて〜!」

「!!わかり…ました…!…あ、あとお帰りな…さい!…ハクロー…さん!…無事に帰って来てくれて…嬉しいです!///…では、また後で…」(ぺこり!)

テッテッテ…

デジタル迷彩の帽子を被った【Roar】がひょっこりと現れ、嬉しそうかつ恥ずかしそうに挨拶し、一同を収集する為、室内を後にする。見届けた【Hux・row】は【Towa】に彼女を紹介する。

「…ははっ!…ロア。…久しぶりに見たけど元気そうでよかった!…あ〜トワさん!…あの子はロアって言って、ルーシス室長の一人娘なんだ!」

「そうなのか!…ふむふむ、あの子がルーシス室長の娘さんのロアか!……初めて見たが【導き人】のオロアにそっくりではあるが、おとなしい子なのだな〜!」(…ハクローは、子供にも懐かれるんだな!…私はあんな事があったが……いつか将来…お前と私の子を産む日が来るのだろうか…///…っ!?///な、何を考えているのだ〜私はぁ〜〜っ!?///)(テレテレ///)

「?…トワさん?どうかしたか?」

「〜!?///な、なんでもないんだ!!///」(ドキ♡…ドキ♡)

【Hux・row】と【Towa】は【Roar】の帰りを待つ。暫くすると、【Roar】が戻ってくると、【Beanne】【Linea】【Bill】と何故か【Keito】も同行していたのか、姿を現す。

「あ〜ん♡やっと目が覚めた〜!んもぉ〜会いたかったよ〜♡ハクローく〜ん♡♡♡///ほ〜ら再会のキスだよ〜♡!!ん〜♡///」

「だぁ〜べ、ベアさん!///や、やめろってのぉ〜っ!!それに…ケイト!…何でお前まで!?」

【Beanne】のスキンシップに絡まれながらも、思わず声をかける。

「いやぁ〜!何故かウチも成り行きでな〜!…ま、とにかくよろしゅうな!…それにな…ウチ…」

「な…なんだよ?」

「…私から説明しますね…ハクローさん……」

【Linea】は【Hux・row】の耳元に来ては、名刀【Louvel】を触りながら、深刻そうに囁いた。

「…【Orbin】さんの事ですが。…あの【Kagoya】の火災で…あの人は。……もう……うぅ…!!…グスン…!!」

「!!…そうか。……わかったよ。…ケイト…ごめんな…辛かっただろ…」(この名刀【Louvel】も…リーネの薙刀のフォチャードも…あの人の形見にもなってしまったんだな…【Orbin】さん…あの時菊川先生の餞別の仕込み刀《白狼刃》…それを《白狼刀》にする為、刃を入れていただき、最後の最期まで…本当にありがとうございました!!)

【Hux・row】は事情を知り【Keito】を元気づける。しかし彼女は前向きにこう話す。

「…あんがとうなハクローはん!…でもウチは大丈夫や!こんなんで泣いて立ち止まってたりしてたら、それこそ親方にも顔向け出来んからな!!…ウチは強くなるで〜!!…ハクローはんやリーネはんみたいに!!」

「!!…ケイト…お前…!!…そうか!…ならよかったよ…安心した!…だけどな〜ケイト!…もし本当に困った時はみんなに頼れ!…な、みんな?」

「はい、ハクローさん!ケイトさん!…困ったことがあればいつでも言ってください!!…あなたの力になります!!」

「…よしケイト!!俺もお前の力になる!!…教官みたいにはいかないかもしれないけど!!それでも俺は、お前をこの拳で守る!!…もちろんロラン兄貴だって!絶対力になってくれるさ!!」

「!!…ビル…///!…あ〜ホンマ、一丁前に男前な事言ってからにぃ〜!!…まあともかく!…みなさん!改めましてよろしゅうな!!」

【Hux・row】は【Keito】を励ますと、他のメンバーも鼓舞し、彼女を励ます。その様子を見ていた【Towa】と【Beanne】が【Hux・row】に近づいて肩に靠(もた)れかかり、賞賛するように話した。

「…ハクロー!…お前はなかなか《リーダーシップ》があるのだな!…よくこんな状況で皆をまとめたな!」

「見直したぞ〜ハクローく〜ん♡!!あの《維新事変》で、更に一皮剥けたって感じだね〜♪」(ま、ハクローくんなら剥けているでしょ♡!!///)

「…ま〜なベアさん、トワさん!…あの【Luster】の英霊の中に、こういう時どうすればいいのかという事を指導してくれた恩師がいたんだよ!…まあルーシス室長にそっくりな人なんだけどな〜…」

「ふふっ!…そうか!」

【Hux・row】達はフロアの中央に集まり、転移に向けて準備を開始する。そして【Campanella】が準備を始める。

カタカタカタ………

「ふぅ〜、さてさて〜♪準備ができましたっと♪…では皆さん!!そのまま立っておいてね〜!…これから仮想空間に飛ばしますので〜♪準備はいいかな〜?」

「!!…ええっ!?」

「このフロアそのものが、仮想空間に繋がる入り口なのか!?」

「まぁ〜…本当に驚く技術ですよね〜!」

「すげえな〜!!本当に!!」(キラキラ!)

「ビル…ほんまに機械もんが好きやな〜!」(クスクス!)

一同は【R・P】社の誇る《仮想空間転移装置》の技術も存在する事から、更に【Paradiso】独特の最先端技術に驚きを隠せなかった。

ブォーーンン……

「…しかし驚きだな。……【狼志組】内にも仮想空間に行く事が出来るゴーグル型のデバイスはあったが。…こればかりは私も初めてだよ、ベアさん」

「あはは!すぐ慣れるよ〜トワさん!またハクローくんに色々教えてもらうといいよ〜♪」

「よぉ〜〜し〜♪…では皆さん!目を瞑っててくださ〜い♪」

【Campanella】は【Hux・row】達に目を瞑るように促す。

「ではでは…始めるよ〜♪」

カタカタ…dfhfifksjjksdhd3564892490101

電子信号の滝が流れる映像が脳内に流れ、視界が開いた。一同は目を開くとそこは、非現実的な景色が広がっていた。

・・・

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜TOD2より・Water Memory

〜仮想空間・【水門波紋境界】〜
 
ザザーーーッ…ポタポタ…

「なっ!?ここは…赤い橋!?…それに…周りは清流…水はなんか薄暗い紺色…波紋の色は…水色……確かに仮想空間らしい景色だな…」

「【Kagoya】の町の清流通りのようにも思いますけど…でもここは一体…」

「仮想空間の中やけど…なんか薄暗いところやな〜!」

「なんか…長い橋が続いているな…」

「?看板か?…《【水門波紋境界】》…そう呼ばれている地なのか?……半年前にうろ覚えではあるが、一度見知らぬ街にいた【Sognare】の夢を見ていた私も。…ここは初めての場所だ。…この奥に我々の本当の局長がいるのだな…」
         
「ふふ〜ん♪…さ〜て、とにかく歩いてみましょうか〜♪!!」

一同が転移された場所を確認する。そこは赤い橋が無数に広がり、上には屋根があり、青白い照明が進行方向に点灯して周辺は雨が降り続いていた。すると、もう一人の少女【 Roar】が現れるとすぐさま【Hux・row】の手を持ち、案内役を申し出た。         

「皆さん…では…ご案内しますね。…ハクローさん…ついて来てくださいね///」(ギュッ!)
         
「!?ろ、ロア!?いつの間にいたんだ!?さっきまでネラ参謀の隣にいた筈じゃあ!?……!!あ〜そういや、ロアは機械とか使わなくても仮想空間へそのまま介入出来る能力があるんだよな。改めて見ると本当にすごいよな!…偉いぞ〜!道案内よろしく頼むわ!」(なでなで!)

「〜///…ありがとう…ございます…ハクローさん!///…では…いきましょう…///」(テレテレ…///)(褒めてくれました。…嬉しいです♪)

「…なあ…ハクロー…まさかとは思うが。…お前は。…女難だからといって…幼女が好きな…ロリk…」

「いっ!?…いやいやいやトワさん!!ち、違うっての!!」(ブンブン!)

「あはは!トワさん!私も一度言ったことがあるよ〜ハクローくんに〜♡……でもどっちかっていうと〜♪…ロアはハクローくんの事をいい《お兄ちゃん》みたいに見てるからね〜♪!…まっ!私はハクローくんの《愛人》の役目なんだけどね〜♪キャーッ♡!!」(ダキィ!!)

「うおっ!?…ったくベアさん…アンタが抱きついてくるとロアが道案内できないだろ!?…離れてくれって!」         

「そうです!!…もうベアさんっ!!///ハクローさんから離れてください!///…そんな美味し…!!…いえいえ!…ベアさんよりもその役目!私が代わりにやりますので!///ハクローさん!!いいですよね!?///」

「いやここは私が!!///…ハクロー!!///どうだろうか!?///」

「「「どうなの〜♡?(どうなんですか///!?)(どうなんだ///!?)///」」」(ドキドキ///)

ニコニコゴゴゴゴ…ドドドドドドドド……

「」(ダラダラ…)

「きょ…教官…」(呆然)

「あっちゃ〜!こりゃあ〜あきまへんわ〜!ハクローはん…とうとう恐れていた《女難》のトラブルっちゅうのが来よったな〜…おいたわしややで〜」(ヒェーーッ!)

【Hux・row】は三人に詰め寄られると、いよいよ【Beanne】【Towa】【Linea】による《正妻戦争》の女難トラブルが訪れてしまったようである。そしてすかさずそれを見ていた【Roar】は涙目になって静止させる。

「うぅ……皆…さん…喧嘩はだめ…です!…どうか…ハクローさんを…責めたてては…いじめ…ないで…ください…仲良く…しましょう…!!///」(うるうる!)

「うん♪わかったよ〜ロア〜♪」(なでなで…)(えへへ〜♪で〜も〜♪仮想現実の世界なら〜♪…グヘヘ〜♡)

「あっ!?…ご、ごめんなさいロアちゃん!!…怖がらせてしまいましたね…」(ナデナデ…)(ウフフ…でもハクローさん…また後で二人っきりでゆっくりお話しをしましょうね♡///)

「す…すまないロア!…私としたことがつい熱くなってしまったようだ!///」(なでなで…)(…ヤエカ姐さんだってハクローと仮想現実で…!!///…それにフィアンセの千夜さんと似ている私の方が誘いに乗ってくれるはずだ!…流石に私との申し出は断れない筈だ…!!///)

「あ…あはは…」

ドン!

「!!うぉっと!?…け…ケイト!?」

【Hux・row】の後ろを軽く張り手をされる。振り返るとそこには【Keito】が立っており、少し意地悪そうな笑みを浮かべた顔で話す。

「ハクローはん。…ちゃぁ〜んと惚れさせた三人の責任…しっかり取ったりぃ〜や!…しまいには女の敵になってまうで〜自分!」(クスクス!)(ポンポン!)

「教官!!例え女難でも俺はアンタのこと、尊敬する!!」

「…はは…ありがとよ…ビル…ケイト…肝に銘じておくわ…」(トホホ…)(いよいよ来てしまったな俺…後戻りできない領域に…///)

・・・

スタスタスタ…

「それにしても…だいぶ長い橋だな〜!…周りはまるで海みたいに水気が広がってるし、よくこの橋自体が痛まないと思うよな〜!」

「そうですよね〜!…確かに…橋が四方八方に広がっていて長いですね。…それに…なんだか薄暗くて不気味で…少し怖いですね…///」(ダキッ!)

「あ〜ん♡ハクローくん私も怖〜い〜♡///」(ギュッ!)

「ハクロー…大丈夫だ!もしもの時は私が守る!///」(グイッ!)

【Hux・row】は三人の求愛者に引きつられつつも、【Roar】に連れられて薄暗い道を歩いていく。それを背後から同行していた【Bill】と【Keito】はドン引きしつつも、見守っていた。

「あらら〜…これは収拾つきまへんな〜……ビル!…アンタはあんなんなったらあかんで〜!」

「う〜ん。…俺、教官みたいにはモテモテじゃあないからな〜!…それに、今は強くなること以外考えられない!!」

「…そうか。…それ聞いたウチがアホやったわ……」

「??」

タッタッタ……

「…皆さん。…見えて来ました…あちらです…!」(ビシッ!!)

「…お、着いた!…けどこれって………神社か?」

「…まぁ〜!大きな社なのですね!…それになんか…大きな…しめ縄…が…!!///」(うっ!?///な…縄!?///…もう思い出したくありません!!///)

「…!?…なんだか見ていると懐かしいなぁ〜!…島根に住んでいた時は巫女として《出雲大社》の行事に参加していた時を思い出す…!」(合掌!)

「へぇ〜っ!?トワさんって島根県の出身なんだ〜!」

「でっけ〜しめ縄だな〜!!」

「出雲大社をモチーフにしてるんか〜!!…結構仏教好きなんかもな〜!【狼志組】の局長さんっちゅうのは」

【Hux・row】は到着した場所を確認すると、現世で存在する島根県の《出雲大社》をモチーフにした赤い社があり、上には巨大なしめ縄が祀られていた。すると、そこに一人の男性が現れた。

コツンコツン……

「…お待ちしておりました。…トワ。…よく来ましたね」

「さ、サイガ(【Saiga】)局長!!…な…何故ここに!?」

【Towa】に声をかけたのは、局長の身分として代理を務めている【Saiga】と名乗る者であった。特徴としては、白い道衣に額には【狼】の文字が刻まれた額当てを付けた金髪の男性であった。その様子にすかさず、話を続ける。

「今は局長代理です。…では局長の元へとご案内します。ロアさんもご苦労様でした」

「…はい。……サイガさんも…いつもお疲れ様…です!」(ペコリ!)

「へぇ〜!ロア、顔見知りなのか?」

「…はい…///」

「ロアの能力って、こうやって仮想空間に介入して、色んな人と知り合いになったりして交流してるんだってさ〜♪…まっ!現世でいうネットニュースを閲覧してるように、色々情報交換向きな能力なんだよね〜♪」(まあそれが原因で前に少しばかり危ない目に遭った事があるんだけどね〜…)

スタッ…スタッ…

「こちらです。…局長。お連れしました」





《…お開けなさい》

【Saiga】は局長を名乗る者に入室の許可を得てから簾(すだれ)のような目隠しをめくると、皆に中へ入るように促す。

「どうぞ…皆様お入りください」

「では…皆さん…どうぞ…」

「…!!よ〜し!……局長!失礼します!」

「失礼します、局長!」

「で…では、失礼します!」

「失礼しま〜す!」

「お、お邪魔します…」

ガバッ!!

……タッタッタ…!!

ザザッ…!!

「…!!…なっ!?る、ルーシス室長!?それに副長!?」

「副長!…いつの間にここへ!?」

【Hux・row】と【Towa】は驚愕した。そこには【Lu-cis・H】や【Fukabe】が待ち構えていた。その様子に二人は説明するように話した。

「お疲れ、ハクローくん。実は先回りしていたのだよ。……ロア。…ご苦労だった」「皆の者…よく来てくれた。…局長、一同が来られました!…こちらへどうぞ!」

…タッタッタ…

スタッ!…リィーーン♪…【冥鐘】

「?【冥鐘】か?…!!なっ!?」「白髪の…女っ!?…女性だったのか…我々の本当の室長は…!?」「まぁ〜っ!とても綺麗な女性のお方です!…それに背が高いのですね!…てっきり現世の【新撰組】《近藤勇》さんのような男の人だと思っておりましたが…意外です!」「へぇ〜♪《女局長》ってやつだね〜♪」「背が高い女の人だな〜!俺、初めて見たよ!」「こりゃあ驚いたで〜!…それに、どえらい綺麗な別嬪(べっぴん)さんやないけ!」

【冥鐘】の音を鳴らし、歩んできてその姿を現したのは一人の女性であった。一同は【狼志組】の局長の姿を初めて見てすこぶる驚いた。女局長の容姿は、身長が170代後半のある長身。白髪のロングが特徴的な髪型は、かつて現世では《剣豪》と呼ばれていた《巌流島》にて《宮本武蔵》と決闘を交わし、敗北したとされる剣客《佐々木小次郎》を連想させる。まるで狼の尻尾のようなポニーテールに前髪はサイドへ分けられていた。黒とベージュの交じった着物のようなロングコートを着用し、靡(なび)かせながら一同の反応を見て微笑みを浮かべていた女局長は、一同に丁寧に挨拶した。

「…初めまして。【R・P】社のギルド並びに【Melton】の方々。…そして我らが【狼志組】のハクローとトワ。…私が【狼志組】の局長。…名を【Serilous・R】(セリルゥース・ラテリア)と申します。セリルとお呼びください。ランクはS4です」

《【狼志組】局長・【Serilous・R】(セリルゥース・ラテリア)》

「あなた方の活躍は、ルーシスとフカベから聞いております。我々の志士の内、五番隊隊長アキルによる叛逆行為、並びに【Kagoya】の町の平和に脅威をもたらした【Demister】(終焉ノ使徒)の野望をよくぞ退けてくれました。……御礼を申し上げます」

【Serilous・R】は深々と挨拶する。【Hux・row】は一度お辞儀をし、今回の騒動に対する疑問や処遇について返答した。

「…ありがとうございます。…セリル局長。…ですが今回の一件で、ナガワさんとヤエカさんの二人は殉職しました。…幸い【Luster】の力で奇跡的に英霊となり、一時的にではありますが共に一緒に戦う事を約束してくれました。…それでも、俺自身の失態で二人の内、【Demister】(終焉ノ使徒)の目論みにより…ヤエカさんを……それにもう一人の隊長、ナガワさんもアキルによって失ったのは大きな問題であります。それに対し、局長はどうお考えなのですか?」

「…そうですね。…ハクロー。…あなたには、初任務と致しましては。…誠に荷が重たかった事と思われます。ですがその二人の隊長だけではありません。一番隊隊長のソガミも、今回の一件で……殉職されました」

「……」「……」(…ソガミ…)

「!!…そうですね…」「……ソガミ一番隊隊長……!!…くっ!!」

【Lu-cis・H】【Fukabe】【Hux・row】【Towa】は、その報告を知っていたが【Fukabe】自身は苦い顔つきである。【Hux・row】【Towa】も、心なしか悲しげな表情をしていた。

「…そして、【Luster】の力を持つハクロー…トワ。……そしてその片鱗を見せ始めているベアさん。…あなた方三人はこれから【Kagoya】で起こった騒動よりも…更に大きな戦いに巻き込まれる運命にある事でしょう。無論その他のあなた方も例外ではありません」

「!?な…なんだって!?ベアさんにも………っ!!」(……なら…何でアンタは……っ!)

「【Luster】の光を宿していると言うのか!?」

「!?」(え…私も!?……そういえばあの時、ヴェノくんと一緒に……あの自称《イレイザー》と戦ってた時だったかな。……このアルビトーロの剣身が一時的に光ってたような……!!もしかして…)

「っ!?……って…え。……!?ええっ!?私達も、ですか!?」「おっ…俺達も!?」「それホンマかいな〜!?…こりゃあ、ただ事やあらへんで〜!」

相手の返答に対し、【Hux・row】は【Serilous・R】に対する不信感が募り、怒りを顕にして強く主張して立ち上がった。

「…じゃあ、アンタはそれを知ってて、何故俺達をここに呼び出したんだ!?……あの【Kagoya】で起こった大惨事に、そのまま現実世界の【Paradiso】にアンタが来て助けてやればよかったんじゃあないのか!?そうすればあの貴重な志士達が死なずに、ここまで多くの犠牲にならずに済んだんじゃあないのか!?…どうなんだ!?」(バッ!!)

ガシッ!!

「よせハクロー!!気持ちはわかるが、相手は我々の局長だ!!」「ハッ!!ちょっ!?ハクローくん!お、落ち着いてって〜!」「そうですよハクローさん!!まずいですよ!…相手は局長さんなんですよ!?」「お、落ち着け教官!!」「ハクローはん!まあまあやめんかいなぁ〜!!」「ハクロー…さん…落ち着いて…くださ…い」

「!!お、お前ら……で、でもよ…」

【Hux・row】は一同に取り押さえられて静止させられる。その様子に、【Lu-cis・H】や【Fukabe】は向かい合わせになり、意を決して【Serilous・R】の事実を伝えた。

「…ハクローくん。…確かに君の疑問はごもっともなことだ。部下の隊長の命が脅かされている危機的状況の時に…局長自らが出てこなくてどうするのかと…」「…確かに見殺しと捉えられていても致し方ないのやもしれない。……でもな…ハクロー君。…ここにいる我々のセリル局長は…昔起きたある大きな事故の負傷で…残念ながら現実の【Paradiso】の世界では存在すらまともに出来ない……《幽体》のみの身体なのだ」

「!!ゆ、幽体…だと!?……!!なっ…何だって!?…じゃあ、今俺達が話しているアンタはまさか…!?…ラルのような精霊…いや、《亡霊》なのかよ!?」

「!!お、驚いたぞ。……まさかセリル局長は…ゆ、ゆゆゆ、幽霊のような存在だったのかぁ〜!?」(ひぃッ!)

「へぇ〜!…ラルちゃんみたいなものなのね〜♪」

「ひぃっ!?…ゆ…幽霊さんなのですかぁ〜〜!?」

「お、驚いた!!…でも俺っ!…あの時の子供の幽霊以外にも…この目で初めてハッキリ見れた!!」(キラキラ!!)

「こりゃあ〜一本取られたでぇ〜!…【狼志組】の局長の正体が…まさか幽霊やったとはな〜!」

一同は【Serilous・R】の正体を知り驚いた。彼女は落ち着いており、淡々としては引き続き話を進めていく。

「フカベが仰ったように確かに私は、過去に大事故に巻き込まれ、《幽体離脱》を経験し、こうして幽霊とも言えば思念のみが残った《亡霊》の身体として、今の形を保っておいでの状態です。…確かにハクローが仰った通り、それは的確かつ、確信のつくようにも感じます」

「………」(…キッ!)

「ふふっ!…ハクロー。……あなたの事はアガルタを通して話は聞いております。《ロベル》とも知り合いなのですよね?」

「!!…局長!?…ロベルと面識が!?」

「はい。彼にも私は接触しました。…サイガ、ソガミを通じて一目、彼の実力を拝見させていただきました。…彼が宿していた光輝の力【Luster】は、間違い無く本物の《光》です。…心なしかその名刀【Louvel】にすら、未だ彼の持つ【Luster】の片鱗が残っている所存であります。…そしてあなたも様々な方と接触し、その素養が芽生え始めているようですね」

「…はい。……だがこの力は奴ら…【Demister】(終焉ノ使徒)の奴らは退くことは出来た。……けど。…【G・lrof】には勝てなかったんだよな…ロベル…」

【Hux・row】は名刀【Louvel】を握り、今は亡きロベルの事を想う。そして不意に【Serilous・R】は【G・lrof】の事について話し出した。

「あなたもその刀を持つと言う事は…【G・lrof】の事を色々聞いているのでございますね?」

「…はい、セリル局長。…確か、世界の厄災を招く一人だと聞いています」

「…それを…【Paradiso】の世界の人達以外にも。……夢の心の中の世界【Sognare】にて……《鴉》の仮面を被りし黒い服を身に纏った、まるで《八咫烏》のような雰囲気のある者【Y・ Corvo】元より…コルボからも、大体の事を聞いたのですよね?」

「!!」(…なぁっ!?)

「……!!」(ハクローくんが…まさかコルボと面識があるとは驚いたよ…)「…!!…コルボさんとも面識があるのか。……それは本当なのか……ハクロー君?」

「?ハクロー。…コルボとは一体誰なのだ?」「コルボさんって…一体…」「誰なんだ、教官?」「誰なんや?一体そのコルボって人…?」「…ハクローくん…あなた一体…」

【Hux・row】は正直に【Y・ Corvo】と接触した事実を【Lu-cis・H】や【Fukabe】【Serilous・R】に向かい、正直に話す。

「…セリル局長の仰るとおりです。確かに、俺は【Sognare】でコルボと接触しています。最初は【Dail】邸で【Jeil】に命を脅かされそうになった所を助けてもらい、そこから【Sognare】を通じて彼との交流が始まりました。そして先程も夢を見て彼と話をしました。……セリル局長。…教えてください!!……一体コルボは何者なのですか!?…何故、昔副長を弟子に仕立て上げては、あのアキルにかけた秘技《悔夢》(カイム)を教えたのですか!?…それに、何故、【冥鐘】を使えるのですか!?」

「!!…驚いたな、ハクロー君。…コルボさんから私の事情を聞いていたとはな…」「…ハクローくん…君は一体…」

【Lu-cis・H】や【Fukabe】は【Hux・row】の言葉から、接触への相違はないと感じ、驚いていた。そして【Serilous・R】は口を開き、【Y・ Corvo】の真実を語った。

「…フカベとコルボとの関わりはあまりよく知りませんが、コルボ。…彼はこの【狼志組】の《創設者》なのです。およそ【Paradiso】歴1985年の出来事です。…そして【冥鐘】は、彼から私に継承するかのようにお教えいただきました」

「!!…そうだったのか…コルボ…アンタ…」(それであの時、いずれわかると言ったのか…通りで強いわけだよ…コルボ…)

「なっ!?…は…初めて聞いたぞ!…そのコルボという男が、我々の属する【狼志組】の創設者で…【冥鐘】の伝道者だったのか!?…ハクロー…お前は一体…」

【Towa】は【Hux・row】の話を聞き、驚愕していた。そして【Hux・row】は【Serilous・R】に質問する。

「…でも、なんで俺がコルボと接触しているとわかったんですか?」

「…ふふふ…私にはわかるのですよ。…あなたには、コルボと関わったような印…所謂《八咫烏》を象徴する三本足の《タトゥー》が、おでこに見えておりましてね〜♪」

「…!!…なっ!?と…トワさん!?何か書いてるか!?」(アセアセ!…ピラッ!)

「?…いや。特に何もないようだが?」(首かしげ?)

「ほほほ。…冗談ですよ♪…でも私には、あなたがコルボと接触した事は、面構えを見ていたら何となくなのですが、分かった次第であります」

「はぁ〜…ったく!…でも、その姿…いくら何でも若いよなぁ〜!?……そもそも。…あの時オロアから聞きそびれてしまったんだけど…俺達のような【現世人】って、一体何年くらい前からいるんだ?」

【Hux・row】の問いに【Serilous.R】はこう答えた。

「およそ【Paradiso】歴1960年代の頃からですね。その頃ですと、現世では《バブル期》の始まりの頃だったのでしょうか。……その時期から【導き人】のオロアさんが《10〜30代》までの…限られた年齢層の現世の人の魂のみを引き連れ、流行りの《異世界転生》に因んで【現世人】としての身分を持たせ、この【Paradiso】へと招待することが増え、ここ【J島】の【Kagoya】の町が新しく作られる頃から、《現世》から運んできた日本独特の文明を生かし、発展させていきました。…しかし、その数年後…何者かが仕組んだ《大火》が発生しました」

「…その大火が原因で…ラルの起こした水害で町を飲み込んでしまい…住民が…犠牲になってしまったんだな…」

「はい。…ですがそれをハクロー…あなたが見事水の精霊の【Milal】を改めラルを説得し、今は【Luster】の加護で英霊として使役することが出来ました。誠に感謝します。…さて、世間話はここまでにして…そろそろ…本題に移ろうかと思います。……ハクロー、トワ、そしてベアンヌさん。…前に来て一緒についてきて貰えませんでしょうか?」

「…は…はい!」「ハッ!局長!」「アイアイサ〜♪」

ザッザッザ…!…スタッ!

「…他の皆さんは残っていてください。ルーシス、フカベ。皆さんをよろしくお願いしますね」

「ハッ!…局長」「わかったよ。セリル」

「ハクローさん…一体何を?」「教官達だけ行って、俺達はここで待つのか?」「一体何が始まるんやろうな〜?」

・・・

〜仮想空間・【水門波紋境界】・清流滝の間〜

ザッザッザ……

スタンッ!

「着きました。ここならいいでしょう…」

ザザ〜ッ!!

「?……!!なぁっ!?滝で周囲が囲まれてるぜ〜…」「へぇ〜♪この滝の勢い…なんか私が一時期住んでいたカナダ、オンタリオの《ナイアガラの滝》を思い出すね〜♪」「い…一体ここは?…局長…何をするつもりなのですか?」

「………」

【Serilous・R】は、周辺が滝で囲まれ、清流が流れ込んでいる広い空間へと三人を誘い集めると─────

ジャキッ!!

リィーーン…♪【冥鐘】

「「「!?」」」

突然約長さが3mはある大太刀を用意し、こう言い放つ。

「あなた達の覚悟を…確かめさせて貰いましょうか…」(チャキッ…!)

…リィーーン…♪【冥鐘】

「…!!」「…!!」「…へぇ〜♪…なるほどねぇ〜♪」

「…心の程……宜しいでしょうか…?」(ゴゴゴゴゴゴゴ…)

「……」「どうする…ハクロー!?」「ハクローくん……どうするの〜?」





B. いいえ


《Capitolo・13》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



片翼の天使・再生〜♪

〜仮想空間・【水門波紋境界】・清流滝の間〜

「…ああ、いいぜ〜セリル局長!!…アンタと勝負する!!」(ジャキン!!)「ハクロー…!!私も…よろしくお願いします、局長!」「局長だからといって…手加減はしないわよ〜♪」

ヒィーーン…

【Hux・row】の持つ名刀【Louvel】からは、【Luster】の光が差し込んでいる。それを見た【Serilous.R】は微笑みを浮かべて話しかけ、大太刀を奮い立たせた。

チャキッ!

「…ほぉ。……早速、その名刀【Louvel】の刀身に【Luster】の光を。……フフ…実に面白いですね…!!ハァッ!!!」

シャッ!!!

ブォーーーン!! ガキィーーン…!

「!?ぐぅぉっ!…!!グォアッ!」「あぐっ!…!?あーーーっ!!」「!!あーーれ〜!!」

ヒューーーン!!………

ザバーーーン!!!

「なぁっ!?…ベアさん!!トワさん!!」

突然【Serilous・R】の広範囲の居合いが襲いかかり、【Hux・row】は耐えることはできたが【Towa】と【Beanne】は無慈悲にも下の水溜まりへと落ちてしまった。そしてすかさず追撃を繰り出していく。

「………」

シュンッ!!

「!?」(…は、早い!?)

「……よそ見している時間は与えませんよ、ハクロー!!…ハァッ!!」(ブン!!)

〜リィーーン…♪【冥鐘】

ガキンガキン!!カンカン…ザシュザシュザッシュ!!!!

「!!…ぐあっ!!」(…くっ!?…なんつう早さの連撃の……斬撃だ!!それに一撃一撃が…オーラル並みに…重い!!…だがな…このままで終わらせない!!)

ジャキッ!!

「…胴がガラ空きですよ?」(ブン!!)

「…っちっ!!ハァッ!!」(ブン!!)

キーーン!!ギリギリ!!

【Hux・row】は【Serilous・R】の攻撃を受け止め、睨みつけている。その様子に、相手は賞賛の声を上げた。

ギリギリ……

「……受け止めましたか。…なるほど。…なかなか出来ますね…」

「トワさんとベアさんを一体どうする気なんだ、セリル局長!?…それにアンタ…いきなりこんな勝負を仕掛けてきやがって……一体何が目的なんだ!?」

【Hux・row】は二人の安否を問いかけ、勝負の目的を聞く。それに対し【Serilous.R】は微笑み、こう問いかける。

「…ご安心を。彼女達はあと《5分》もすれば二人の内、一人がここに転移するように術を施してしております。……それまで、あなたが耐えることが出来たらの話ですが…ハァッ!!」

ブン!

「っち!!」(スタンッ!!)

《白狼夜宗流対空迎撃一式・二の型【千夜・飛燕】!!》

「はぁあああああ!!!」(相手は大太刀だ!!隙が…でき!!)

ブン!!…キィーーン!!

「…その程度ですか?」(ゴゴゴゴ…)

「!!…見切られた…!?…!!ぐあっ!!」

…リィーーン…【冥鐘】…キィーーーーン…

ザシュザシュ!!ズザーーーッ!!

「!!…ぐぁっ…かはっ!!…はぁ…はぁ…!!」(…な、なんてこった!!……セリル局長…この剣技と早さ…頭の回転と鋭さと力…どれを取っても【導き人】のオーラルと…ほぼ同格のように……!!つ…つぇぇ…!!)

【Hux・row】は【Serilous・R】の実力を肌で実感する。その戦闘力は、今まで戦ってきた敵と比べると別格であり、以前対戦した【導き人】のオーラルの戦闘力と比べても大差ない事を肌で感じ取り、その果てしなく遙かなる高みの強さを目の当たりにした。すると、相手はまるで失望にも近い表情で無慈悲にも流れ落ちる激流の滝を背にして威圧的に語りかける。

ザザーーッッ!!

「…あら。…それが【Luster】を宿した、現世でのロベルの親友の力だというのですか?……拍子抜けもいい所ですね…誠に残念です。……それでもあなたは我々の武力集団【狼志組】に属する者ですか?」(スーッ…チャキッ!!)

…リィーーン〜♪【冥鐘】

「!!…チッ!!来る!!」

【Serilous・R】は《野球》でいう左打者のような構えにて技を繰り出そうとしている。その様子に、【Hux・row】は身構え、抜刀術の構えを決める。

「…!!」(ジャーー…)

キン!…リィーーン〜♪【冥鐘】

「ふふ……!!」

シャッ!!

「!!そこだああ!!」

ブン!…リィーーン〜♪【冥鐘】……!!

キィーーーン!!!ギリギリギリ…

【Hux・row】は【Serilous・R】が攻撃を開始した瞬間に【冥鐘】の能力を利用し、待ち構える。攻撃を受け流し、反撃の狼煙を上げるかのように薙ぎ払い斬りつけようとするが、相手はその攻撃を大太刀にて容易く受け止める。

「…あらあら。……カウンターとはいささかであるも、剣撃に怖気付くことなく反撃の好機を狙い。…よく私と剣を交えて立ち向かう事を選択して下さりましたねぇ〜…ふふふ」

「…まあな。…おかげで技が閃いたよ!!」

《白狼夜宗流一式四の型【千夜・冥護】(せんや・めいご)》

「…それに、そろそろ…か!!……ベアさん!!」

シュン!!

「は〜い♡!!私の愛しい恋人、ハクローく〜ん〜♡……ハァッ!!」

ブン!!キィーーーン!!

戦いが始まってから5分が経過し、【Beanne】が転移されると、早急に【Hux・row】を援護し【Serilous・R】に立ち向かう。しかしその攻撃を相手は容易く受け止められるも、彼女はそれを称賛し褒め称えるように話し出す。

ギリギリ……

「!!…へぇ〜!よく反応したわねぇ〜!…流石ハクローくんやトワさんの女局長さんだね〜♪」

ヒィーーン…

「…ほぉ。………やはりベアンヌさん…あなたの持つその銃剣にも【Luster】の片鱗があるようですね。……いいでしょう…!!ハァッ!!」

ガキィーーーーン!!!

「…ぐっ!!まだまだ!!…ハァッ!!」

シュッ!シュッ!シュッ!!

ガキィーーーン!!!!!

「!!なぁっ!?」

【Beanne】は風の能力を使い、高速移動してそのまま四方八方からの攻撃を開始する。それを【Serilous.R】はあっけなく破り、大太刀を押し付けて力強く迫ってくる。

ギリギリ……

「そのような小細工。…何も意味はありません。……それで数々の者を倒して来たのも事実かも知れません。……ですが私には通用しませんよ……」

ギリギリギリ……

「ぐっ!!………ふふっ♡!!」

「!!」

「うぉらああ!!!取ったー!!」

《白狼夜宗流・対空迎撃一式・一の型【千夜・鷲空】(せんや・わしぞら)》

「……陽動ですか。……甘いですよ!!」

ブン!!ゲシィ!!…!!

…メリィイイ!!!!

「!!ぐぉはっ!!…うぉあああああ!!!!」

ヒューーーーン!!!!

「は…ハクローくん!!…!!あぐっ!!」

【Hux・row】は【Serilous・R】の重い蹴りにより宙へ高く吹き飛ばされる。更に【Beanne】に対し追撃として大太刀を豪快に振り、薙ぎ払って距離を置かせ、宙へ浮き上がり無防備状態の【Hux・row】に対し、追撃をかけようと華麗に宙を舞う。

「ぐっ!!何つう蹴りだよ…剣の腕だけじゃあなく…オーラル並みに…重いな…久々だぜ…!!」

「フフッ…蹴りが重いという言葉…一度ロベルと手合わせした時に、同じ事を言われましたね〜♪……では。さようなら…!!ハァ!!」

ブン!!ガキィイイン!!!

「…!!」

キラキラキラキラ…

《【Beanne Formula Sacred Sword】(べアンヌ式神聖剣・Ⅰの奥義)【Cielo nobile】(シエル・ノービル)》

ガキィーーーーン!!!

「………へぇ〜…」

「させないよ!!…【Cielo nobile】(シエル・ノービル)の洗礼を受けなさい!!!!」

【Beanne】は自らの大技を繰り出し、【Serilous・R】と対抗する。しかし、それを容易く受け止められ、微笑みを浮かべて前へと力強く弾き飛ばす。

ギリギリ……

「…その程度ですか?…ハァーーッ!!」

ガキィーーン…

「…!!ぐっ!!」

「ベアさん!!…くっ!」(ダキッ!!)

スターーン!!

「大丈夫か、ベアさん!?」

「…ありがとう、ハクローくん♡!…私は大丈夫…!?あぶっ!!」

「…!?」

ブォンッッ!!

キィィーーーン!!

〜デンデンデンデンデンデンデンテレレレレレレレレ〜♪

「ぐっ…!!とっ!!」「トワさ〜ん♪」

更に5分が経過し、【Towa】が姿を現す─────

「…あら。…トワ…やっとお出ましになられましたか」(ギリギリ!)

「局長とはいえど。…!!好きにはさせない!!…ハァあああああ!!!」(ギリギリ!)

ヒィーーン…

【Towa】の両腕には、右腕には【Yaeka】の形見【桜花月輪刀】左手には普段使用している名無しの愛刀【無銘の刀】が握られていた。【桜花月輪刀】の刃からは【Luster】の光が宿っていた。それを見た【Serilous・R】は微笑みを浮かべ、【Towa】を見つめる。

「やはり【Luster】の光を…ふふ。……どうやらそれはヤエカの持つ刀のようですね。……去り際にロベルとの剣戟で、その刀にも素養が芽生えたという事ですか。……いいでしょう。…あなた達が持つ、その《光輝の力》が……」

《偽りではないことを祈るばかりです!!》

リィーーン〜♪【冥鐘】…!!

ガキガキガキガキガキガ…キィーーーン!!!

「!!ぐぁっ!!」「くっ!!……重いわね…」「くぅっ!…これが…本当の局長の剣なのか!?」

「まだですよ…ハァッ!!!」

ガキィーーーーン!!!

「ぐあっ!!」「あぐっ!!…うぅ……!!くっ!!」「くっ…!!…ちっ!?…なんて強さなのかしらねぇ〜♪…ハクローくんとトワさんとこの局長さんてぇ〜…」

三人は、圧倒的な力を行使して立ち塞がる【狼志組】の局長【Serilous・R】を前にして、立ち上がる事が困難になりつつあった。それを見かねたのか呆れたように彼女は三人に対し、更に責め立てるような言葉を発した。

「…あらあら三人方。…寝る時間にしては早いですよ…それにまだ私…これまで《一割》も力を出してすらいないというのに……」(やれやれ……)

「!?…なぁっ!?」(ゾクッ!!)「な…なんだ…って…!?」(ゾワッ!)「…それでこの強さとはねぇ〜…まさに神に匹敵するかのような自分に酔ったかのような……余裕の素振りねぇ〜!……その態度…気に食わないわね〜♪…そろそろ化けの皮を剥がしたらどうかしらぁ〜♪………!!局長さん!!」

ジャキンッ!!!

三人はその事実を知り、驚愕する。しかし【Beanne】だけは、その横柄な態度が気に入らないのか、意地でも敵対する高潔な意志を強く見せようとする意思表示として、銃剣【Arbitro】の剣先を相手に向ける。

「ふふっ。…いいでしょう。本当は怪我の傷を見せたくは無かったのだけれど……致し方ないようですね。……では教えて差し上げましょうか。………絶対的な《神》にも匹敵する…圧倒的な《力》の前にひれ伏せては……精々絶望しないようにしなさい!!……ハァッ!!」

パキィーーーーン!!…

バァサッ!…バサバサバサ……

「!!…なっ!?…何だよ…あれ!?セリル局長の顔半分が黒ずんで……!?……背中に……」「6枚の…羽…いや翼が生えている!!…だが、左右は全く違う!!…まるであれは…神話に出てくる…」「大方キリストの聖書に出てくる《ルシフェル》だね!…この果てしない力…心なしか《ガブリエル》にも見えるわね!」

【Serilous・R】は背中に魂で出来た翼を創造し、左側には天使のような翼、右側には青黒い悪魔のような翼を宿しており、6枚の翼にて飛行している。その神々しい風貌から、キリストの聖書に登場する大天使《ラファエル》《ミカエル》《ガブリエル》それらを含め、《明けノ明星》の異名を持つ、かつての大天使《堕天使ルシファー》をも連想させる姿をしていた。そして、右側の顔は昔に経験した、大事故で黒ずんでいるのか、先程とは比べ物にならない、ただならぬ《威圧感》を持ち合わせつつ神々しいオーラを放ち、三人を威嚇する。

「では…準備運動はこのくらいにして…ハクロー…トワ…ベアさん…三人方…」

ドドドドドドドドドドドド……

《これからあなた方の持っている【Luster】の真髄を…そして…その力の持つ本当の正しき意味を…この姿で…武力組織の長として、あなた達の身体で教えて差しあげましょう。……覚悟は宜しいですか?》

ゴゴゴゴゴゴゴ…

「!!」(ゾクッ!!)「!!」(ゾクッ!!…キッ!!)「!!」(ゾワッ!!)

【Hux・row】【Beanne】【Towa】の三人は、かつて経験したことのない【Serilous・R】の発する、全ての闘う者を力で平伏させ、抑圧させようとせんばかりの凍てつく、絶対的強者のオーラを前に青ざめ、鳥肌を立たせる。しかし三人はそれでも諦める姿勢を見せず、相手をじっと見つめる。

「…上等だ!!」「行くわよ〜!!…その翼が飾りではない事を願うばかりにね!!」「くっ!!…私だって、負けられないのだ!!」

・・・

〜その頃・仮想空間・【水門波紋境界】待機室〜

「セリル局長…何という恐ろしい強さなのでしょうか。……あのハクローさんやベアさん…トワさんまでもが……まともに相手にならないなんて…それにあの翼は…こころなしか、とても神々しくて美しいですね。…まるで、小説のファンタジーに出てくる…天使のような…」

「確かに!…でも右はなんか悪魔のような翼だなぁ〜!!あの姿は、なんか漫画でも見たことがあるぞ!!」(教官…ベア姐さん!!…それにトワの姐御…どうか…教官を…!!)

「ああビル!…あの姿…まるで《堕天使》やな!!…ホンマに摩訶不思議な世界やでぇ〜!…この【Paradiso】っちゅう世界はホンマに…」

「…局長…まさか…彼らに【Luster】の真髄を教え込む気なのか!?…ハクロー君…トワ…二人の志士は…この試練を無事に乗り越えれる事が出来るだろうか……」

「大丈夫だよフカベくん。……セリルにはもしもの時にはあの技があるからここでは命を落とすことはないよ」(以前…【Veno・nix】という男にもその【Luster】の素養があったからか、呼ばれた時もセリルは…あの羽を広げ…【Fiducia】の能力を使い……彼に【Luster】の真髄を叩き込んでいたのだったな…ハクローくん、ベア、そしてトワくん……無事に帰ってくることを祈るよ…)

一同は待機室にて、【Serilous・R】との戦闘の様子をモニターにて見守っていた。そして壮絶な戦いは、いよいよ第二幕へと突入しようとしていた─────

・・・



🎼Back Ground Music 》》》



♪〜SO4より・The incarnation of Devil

リィーーン♪【冥鐘】…リィーーン♪【冥鐘】…リィーーン♪【冥鐘】…リィーーン♪【冥鐘】…リィーーン♪【冥鐘】…リィーーン♪【冥鐘】

「!!」「………」「!!」

【Hux・row】【Beanne】【Towa】の三人は、【Serilous・R】が放つ、圧倒的な《神の力》に匹敵するプレッシャーを前に平伏そうになるも、負けじと気合いで睨みつける。頭上には神々しい光が照らされており、まさしく神が降臨したかのように演出されていた。心なしか、【冥鐘】が鳴り響く音を三人一同は聞き取っていた様子であった。

リィーーン♪【冥鐘】…リィーーン♪【冥鐘】…リィーーン♪【冥鐘】…リィーーン♪【冥鐘】…リィーーン♪【冥鐘】…リィーーン♪【冥鐘】

「…では。…行きますよ。……三人共、…これより神聖な大天使でもあり。……かつ悪魔の一面を持ち合わせたこの《堕天使ルシファー》に見立てられた姿にて無慈悲なる神の鉄槌を…この。…《ロベル》から託された光輝の力【Luster】の光に照らされた大太刀にて…神速で斬らせて分からせてあげます。…覚悟してもらいましょうか?」(チャキッ!!)

ヒィーーン…!!

ザワァァァァァ!!!!!

「!!…ったくセリル局長め…!…まるで自分が神になったかのような《中二病》言葉をベラベラと…行くぞ〜ベアさん!!」「ええ!ハクローくんも…気を引き締めなさい!!…トワさん!!」「私は大丈夫だ!!…必ず…乗り越える!!」

「…ふふ。…行きますよ……ハァッ!!」

シュッ!!……!!

バキィイイイン!!!!…ギィイイイイン!!!

「!?避けろぉ!!」「…くっ!!なっ!?地面がたった一振りの斬撃で…割れていく…!?」

【Serilous・R】は出現させた6本の翼を使い空高く飛び立って飛行し【Luster】を宿した大太刀の先を地面に突き刺し真空波を起こす。地面は八等分に地面を引き裂き、一目散に亀裂と衝撃が程走り、地響きを起こした。

ガラガラ……グラグラ…

「くっ!!なんて…斬撃なの!?……ッ!?来るわよ!!二人共身構えておきなさい!!」

バサバサ……!!

「………」

チャキッ!!

…リィーーン…♪【冥鐘】

《セリルゥース聖天使剣術・神狼浄邪剣(しろうじょうじゃけん)【閃叉光翼】(せんしゃこうよく)》

ヒィーーン…!…カキン!!ザシュッ!!ズバッ!!!ブシャ!グサッ!!…

「!!ぐあああああっ!!」「うぐっ!!…くっ!!…ああぁっ!!!」「くっ!!あぐっ!!あぁっ!!」

「…まだですよ……!!」

カキン!!ザシュッ!!ズバッ!!!キィーーーン!!

相手は休む間も無く、更に神速の八連撃の斬撃をお見舞いする。

…ガラガラ…

「……?」(?土の…壁?…これは…まるでアキルの……)

最後に切り上げたのは、三人の内の一人ではなく壁であった。突き刺さった土壁は、切り裂いた地面を媒介にして造られ、出現したようだ。

……ビキビキ…!!

バキャーーン!!!

ヒュンヒュンヒュン!!!

「!!…破片がこちらに!?」

切り裂いた地面の間からは、岩の破片がまるでナイフのように鋭く放たれ、【Serilous・R】めがげて飛来する。

「……フッ。…そういう事ですか。…!!そこですね」(ブォン!!)

キィーーーーン!!!!

「…………」

「あらあらベアさん。…ご無事でしたか。…あなたはルーシスが言っておりましたが、《森羅万象》の《火・水・風・土》を司る。…世にも珍しい力を持つ【Fiducia】能力者だと……」(ギリギリ…)

「…流石に、今の技は堪えたね〜。……でも、それを聞くとなると…セリル局長の能力が気〜に〜な〜る〜な〜♪……勿体ぶらないで出してきなさいよ!!」(キッ!!)

「ウフフ。…言われなくても…!!はぁっ!!」(バァッ!!)

ガキン!!

「ッ!?な…何だ!?…!!つ、冷たぁっ!!………こ…氷だと!?…」(ガチン!)「!!つ…冷たいっ!!…くぅっ!!…動け…ないっ!!///」(ジタバタ!!)

【Serilous・R】は奇襲を仕掛けてきた【Hux・row】と【Towa】に対し、未だ明かされていなかった【Fiducia】の能力を使用したのか、氷を召喚して二人の上半身を氷漬けにして拘束する。それに飽き足らず、次の攻撃へと迎撃する姿勢を見せる。

「……それで済んだとお思いで?……ハァッ!!!」

ゴロゴロゴロゴロ…!!!

ピシャアアン!!!!

ダァーーーーン!!!!シャラシャラビリビリ…

「ぐぁああああああっ!!!」(ビリビリ!!)

「ううあっっ!!…〜!!はあああああああぁあんんんっ!!!!」(ビリビリ!!!)

【Hux・row】と【Towa】の頭上から、神の裁きの如き雷鳴が鳴り響き、神聖な清らかな色彩を放つ巨大な落雷が直に直撃し、轟音が鳴り響く。あまりの衝撃に、二人は悲鳴をあげる。それを見た【Beanne】は二人の安否を確認する。

ビリビリ!!!

「!!ハクローくん!!…トワさん!!」

リィーーン♪【冥鐘】

ブォン!!

「!?……くっ!!」

キィン!!

「よそ見はダメだとハクローにもいいましたが。…あなたも同じですね?……ベアさん…ふふふっ!」

…ギリギリ………

「!!…くっ!!調子に乗らないで!!…このルシフェル局長!!………覚悟しなさい。……ハクローくんやトワさんとこの局長だろうと…私はもう手加減はしないわよ。…全力で。……行かせてもらうわよ…………Siete pronti?(覚悟はいいかしら?)」(ギラッ!…ゴゴゴゴゴゴ…)

ヒィーーン!!

「っ!?………ふふっ♪…来なさい!!」(…この目…!?……ふふっ!……今はいない、私達のかつての同胞………ルーシスの妻…《色白ノ魔女》のあの子の事を思い出すわね〜♪)

「はぁああああああっ!!!!」

《【Beanne Formula Sacred Sword】(べアンヌ式神聖剣・Ⅲの奥義)【Rilievo del santo】(リレーボ・デェル・サント)》

【Beanne】は銃剣【Arbitro】の刀身に火を宿し【Luster】の力を使って聖火の剣を形成して【Serilous・R】を浄化するかの如く、十字架状に斬りつけようと接近する。

ヒィーーン…ボォオオオ!!

「……へぇ〜……」

「浄化の聖火の炎を灯した、この銃剣【Arbitro】で、その堕天使の姿から大天使へと昇華させてあげるわ。……!!ありがたく光栄に思いなさい!!」

シャッ!! ザシュ! シュッ!

十 十 十 

「トドメェえええッッ!!」(ブン!)

「…甘いわね。…ハァッ!!!」(ですが…皮肉にも彼女程放っていた《光》ではない事が誠に残念です……)

ブン!!

「…なんてね〜♪今だよ!!ハクローくん!!トワさん!!」

「…!?」

【Beanne】はそういうと、【Serilous・R】から距離を取ると【Hux・row】と【Towa】が手を繋ぎ、技を繰り出そうとしていた。

《白狼夜宗流一式三の型【千夜・威信】》

《【八重華流抜刀術】特式【桜閃光】》

「行くぞトワさん!!…俺達の【Luster】に込められたヤエカさんやナガワさんに託された想いって奴を…セリル局長に見せてやろうぜぇ!!」(ニッ!)

「ああハクロー!!…お前と一緒なら、私はどこへでも付き合う!!…共に行こう!!…私が愛する愛しき人よ!!」(フッ!)

チャキン!!

キィーーーーン!!!!ギリギリギリ!!

【Hux・row】と【Towa】の攻撃は、【Luster】の宿した大太刀によって容易く受け止められる。そして余裕の表情を浮かべ、反撃の姿勢を見せる。

「二人で協力ですか。……ふふっ!なるほど。…ですがこれしきの攻撃では……!!止めることは出来ませんよ!!」

チャキッ!!

「…ふふ〜ん♪……!!Fire♪」

ダーーーン!!…チャキッ!

キィイイインン!!!!…ザシュ!!

「……!?」

【Beanne】は銃剣【Arbitro】を発砲して助走をかけ、更に風の能力を利用して威力を上げ【Serilous・R】に剣先を突き刺し、三人で一気に押し上げていく。

ギリギリ………

「セリル局長……!!!!」「これで……!!」「Finale!!!!」

ガキィイイイン!!!!

「あらあら。…これはお見事。…二人なら無理でも三人で。……まるで現世でいう《毛利元就》氏の《三矢の訓》を意味していますね〜、ウフフ♪…でも残念だったわね。…上をご覧なさい!!」

「?……!!…なっ!?」「な…何だ!?」「!!ま…まずいわ!!」

三人の頭上には、無数の神々しい光の矢が飛来しており、無慈悲にも神聖かつ洗礼の雨の如く、三人に降り注ぐ。

ヒュンヒュンヒュン!!

「ぐぁああ!!…くっ!」「あぐっ!!…ああっ!!…うぐぅっ…!!」「あっ!!ぐっ!!…くっ…!!…まさか…上から…光の矢とは……やってくれるわね…」

【Hux・row】達は、【Serilous・R】の能力により、光の矢が突き刺さり、膝をつく。そして、先程からの攻撃パターンで彼女の持つ能力を理解したのか、【Beanne】は口を開いた。

「…なるほど。…局長の能力は私と対になる能力なのね。……さっきは氷・雷・そして今…光と来た。……驚いたわ…」

【Beanne】はそう推察すると、【Serilous・R】は微笑んで自分の能力を紹介した。

「ウフフ。…惜しいわベアさん。…私は氷・雷・光の他にも…実は闇・時という、未知の類い稀な能力を持ち合わせている者なのですよ。…時とは次元。…過ぎ去りし時空を刻めば、無慈悲に進み…何かの《因果》で戻すことも出来るモノ。……そして…時が止まるという事。……故にそれは…」

カッチカチカチ…

カチリッ…………………

【Serilous・R】は時の能力を使い、三人の時を止め、先程よりも長い《聖なる槍》のような光の矢を召喚する。そして最後に再戦を望む意志を伝え、三人の健闘を祈る。

「最近…現世に存在したある《奇妙な漫画》を見て知ったことですけど…時を止めるという事は…この世の世界全てを支配しかねない能力だという事を!…ふふ。……さようなら。……楽しかったわ。…【Luster】の力に導かれ。…そして選ばれし光輝の力の意志を継ぐ《運命の者》と呼べば宜しいのかしら?……三人共…また強くなってから…私に挑みにいらっしゃい。…あと願うなら…あのソガミのことを敬愛していた彼もです。……ではお行きなさい、自分自身の持つ…真の【Luster】の素養を持つ者として…その意志に従って…」

カチン!……ターーン!!

シュンシュンシュン!!!!

ザシュザシュザッシュ!!…

「!!ぐぁあああ!!!」「あぐっ!!うぅっ!!」「ぐっ!あっ!あぐっ!!…ううぁああぁっ!!!!」

「…終幕の…《刻》です!!!!」(ジャキーン!)

リィーーン♪【冥鐘】

《セリルゥース聖天使剣術・神狼浄邪剣【光輝ノ一閃】(こうきのいっせん)》

シャーーキィイイイイオオオオンンン!!!!

「…………」

…シャーー…キン!!

……リィーーン♪【冥鐘】

ザシューーーン!!!!

「…!!ぐぁっ!!……く、くそ……」「あぁっ!…ぐっ…」「…くっ!…こんな…ところ…で…」

バタン! バタン! バタン!

【Serilous・R】の【Luster】の宿した大太刀が【Hux・row】【Beanne】【Towa】を斬りつけ、意識を失ったように3人はその場に倒れ伏せた。そして──────

「ふふ……これで少しは、あなた達のお役に立てたかと思います。どうか、その光輝の力【Luster】を……この世界の【Paradiso】の救済の為に、正しく役立ててくれればと。………祈るばかりです」(シャーー…)

キン!!…リィーーン〜♪【冥鐘】

今後の活躍を期待する言葉を伝え、【冥鐘】を鳴らし、大太刀を帯刀した─────

・・・
・・







B. いいえ


《Capitolo・14》
続きを読みますか?

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜TOD2より・Water Memory

〜仮想空間・【水門波紋境界】社の間



「…!?ハッ!!」

ガバッ!!…ギュッ!!

「?……ここって?……!!て…てぇっ!?///…と…トワさん!!///…それに…べ…ベアさん!!///」

「…んん〜…?……!!〜///!!…な、なぁっ!?///…は…ハクロー!?///」(かぁ〜!///ドキドキ…///)(顔が…ち!…近いぞ///)

「ん〜?…zzz…もう食べられましぇ〜ん…♡///」(狸寝入りダキィーー♡!!)

【Hux・row】は目を覚ますと、外は雨が降り続き、薄暗く畳の部屋の寝室で寝ており、そこには右には【Beanne】左には【Towa】が寝た《川の字》状態になっていた事に気づく。【Towa】は目が覚めると、顔が近かったのか顔を赤面させて【Hux・row】の方を照れ臭そうにじっと見る。当の【Beanne】は狸寝入りし、今の時間を大切にしようとそのまま身体にしがみついている。

ガラララ……

「?…ん?…あっ」

そうしていると襖が開く。そこに頬を膨らませた【Linea】を筆頭に他のメンバーが訪ねてきたようである。

「あっ!ではありませんっ!!///も〜う!ハクローさん!!///あなたという人はぁ〜!///…局長に呼ばれて来たものの!…性懲りも無くこうしてふしだらな事を〜!!///」(プンプン!)

「大丈夫か!?教官!?ベア姉さんも!?それに、トワの《姉御》も!?」

「あ…姉御って…ビル!アンタはん流石にその言い方は。……まあええわ。…でも、その様子やとハクローはんも、みんな無事らしいな〜!!」

「…ああ。それでセリル局長は一体何処に?」

ガラララ…

「こちらにいますよ…」(ひょこっ!)

「!!うぉわああああ!!!!」「うわぁああ!!」(ダキッ!!)「あ〜ん♡私も怖いよ〜ハクローく〜ん♡」(ダキィ♡!!)

【Serilous・R】は突然和室内にある小さな襖から顔を出し、驚かせるようにして【Hux・row】を尋ねる。突然の事でびっくりしたのか、【Towa】は身体にしがみ付くかのように抱きつき、【Beanne】はわざとらしくして楽しそうに【Hux・row】の身体にハグをする。するとその様子を見て驚いていた【Linea】は、直様正気に戻り、【Beanne】を無理矢理引き剥がそうとする。

「ハッ!!…〜///もう!ベアさん///!!…いい加減ハクローさんから離れてくださ〜い!」(グイグイ!)

「え〜っ、嫌だよ〜♪!だってぇ〜!これからお疲れ会も兼ねて〜私とトワさんとハクローくんと三人で一緒に〜♡…大人のお・た・の・し・み♡なんだから〜☆」(キャピン★!)

「!?///な…なぁっ!!〜!?///」(ドキドキ!///)(あ、あの時や…ヤエカ姐さんがハクローにやった事を……!!今度は私が…///)

「ベアさんやめとけっての!!///みんな見てんだぞ!?///」

「〜!!///だ…だめです!!ふしだらで不埒(ふらち)かつ、最低です!!///…させませんよ〜!///ハクローさんの《貞操》は、この私が守ってみせます!!///」

ギャー!ギャー!

「フフフ。……モテモテのようですね〜ハクロー。…ロベルと同じ《プレイボーイ》な方からなのか。…まさしくその背中の《狼》に似合う男といったところですか〜♪」(クスクス…)

「教官…本当にお疲れだ!」

「おいたわしや〜そして三人と末永〜く幸せにな〜!ハクローはん…」(合掌…)

「お前達も見ていないで、た…助けてくれ〜!!」(ジタバタ)

「ハクローさんは私と一緒の時を過ごしたいんですぅ〜!!///」(ギューッ…ムニッ♡)

「え〜?♡絶対私だよ〜♪ねっ!?ハクローくん♡!!」(ムニッ♡)

「私なのだろ、ハクロー!?///…千夜さんの顔をした私なら…お前も安心だろ?…///」(ギュッ!ムニッ♡)

ムニっ!!ボイーン♡

「…!!///ムグッ!!んッ〜ン〜〜!!!///」(やばい!!い、息が…くっ!!は、離してくれ〜!!!)

【Hux・row】は【Beanne】【Linea】【Towa】の胸に圧迫されて抱きつかれ、ひと時の求愛に見事耐え切った。

・・・

「…ハァ〜…酷え目にあった……」(とぼとぼ……)

「自業自得やで〜ハクローはん!…これに懲りたら、もう女は作らん事やな!!…とはいえ…」

「教官はモテるからな〜!…また誰かが惚れて尋ねてきては…」

「絶対にさせません!!///ハクローさんは絶対に誰にも渡しませんよ〜!!…ですよね!?お二人も…」

「ん〜っ。……私は別に構わないかな〜♪…だってぇ〜♪私はハクローくんの愛人なんだし〜♡浮気とか〜♪それくらいの事なんか寛大な目で多めに見るよ〜♡ねっハクローくん♡」(ダキッ♡!)

「私も大いに否定はしないぞ!…ハクロー!///……例えお前に他の《女》が出来たとしても…私の事を決して忘れず…ずっと愛してくれているのなら、それで十分だ!♡♡///」(ダキッ♡!)

「うぉっ!!///」

「(・ー・)」(ガーン!!)

二人の【Hux・row】に対する果てしない好意に【Linea】はショックを受ける。【Hux・row】は【Beanne】【Towa】に抱きつかれて顔を赤くするも、それを丁重に否定する。

「…って〜二人共!!それは流石にだめだっての///!!…ったく…で、セリル局長。…俺達にあの試練を受けさせた真意は一体…」

「……どうするおつもりですか?…あのような試練を突然受けさせて…」「…一体どうすんですかね〜…局長さん?」

【Hux・row】【Beanne】【Towa】の三人は、今回実施された試練について真面目な目つきで【Serilous・R】の方をじっと見る。すると微笑みを浮かべ、その真意を語った。

「今回の試練は、【Luster】の素養がある、あなた達三人に、私の【Luster】の力を分け与える為です。これであなた方も正しき道の【Luster】使いとして、この【Paradiso】での日々争い事やら…【真・ユートピア創造士隊】並びに【Demister】(終焉ノ使徒)の者達と敵対する際にも…そして、いずれ起こりうる【G・lrof】の使いの者達による厄災に立ち向かう力を振るう者として、活躍していける事でしょう…それを現実世界で動けなくなった私や、今は居ない《ロベル》の代わりに、この【Paradiso】の世界で【Luster】の力を、時に素質ある者に伝えていく《伝道者》として、そしてその伝道者の教えを守り、【Paradiso】の世界の平和と秩序を守る為、【Luster】の光を宿した武器を振るっていく《統括者》として活躍していただければと思います」

「……その話からすると、セリル局長は今はいないロベルに代わる【Luster】の伝道者…って事か。つまりそれって…他の《統括者》ってのは…俗にいう…」

「…【Paradiso】の救済活動を主とする者達といえばいいのだろうか?…だが驚いたよ!…ルーさんとヤエカ姐さんの力が…私にもあるなんて…」

「…なるほどね〜!…まさか私にもルーくんのような力がね〜…ちょっと驚いたよ〜!……?」(…もしかして…姐さんが持っていた【拳銃剣】の光も。……この【Luster】?の力の事なのかしら?)

意図を伝えた【Serilous・R】は、今後起こりうる【Paradiso】の厄災について打ち明ける。

「…そして今回【Demister】(終焉ノ使徒)が【絶対治癒修復能力】を手にしましたね?…リーネさんとトワの魂の身体に秘めていた【Fiducia】の能力を抽出して作られたという事は聞いております」

「!!…は…はい。…本当に…あれは辛い経験でした。…突然私を無理矢理襲っては…///私の…初めてを…///一度目に治癒能力を奪われ。…!!それでも飽き足らず、二度も辱めを受けられてしまって……それに私の夢の心の世界に…アウロの操る朝顔の子供まで植え付けられて……くっ!!…グスッ!もう…あんな思いはいやです!…あんまりですよぉ〜!…こんなの…すごく悔しいです!!」(ポタポタ!)

「リーネはん…大変やったんやな…お〜よしよし…」(ポンポン!)

「…私もだ!【Auro】にあのような《下衆》な辱めを受けてしまい…///…《修復能力》を奴らに奪われた!…だが今は、ハクローの現世のフィアンセである《千夜さん》が能力を分け与えてくれたおかげで私の修復能力は元に戻っているようだ。……それでもヤエカ姐さんを陥れたアイツらを…!!許さない…グスッ!…絶対にだ!!」

【Linea】と【Towa】は涙を流し、以前受けた辛い出来事を思い出したからか、悔し涙を流す。そして【Hux・row】は確信的な事を推理して、その事を一同に伝えた。

「…大方。奴らの目的は、自分達の怪我の回復だけを目的としているわけではなさそうだな。…恐らく奴らは、人を怪物にする術やその【絶対治癒修復能力】という能力を使って。…この【Paradiso】の世界を乗っ取り牛耳っては…新たに作り替えようとしているんじゃあないのか?」

「!!」「!!」「!!」「!!」「!!」

【Hux・row】の一つの仮説について一同は驚愕した。それに対し【Serilous・R】はその仮説について、興味深そうに疑問を入れて問いただす。

「…ハクロー。……良いところに気が付きましたね。…では、何故そう思われたのですか?」

「…簡単な事ですよ、セリル局長。奴らは【導き人】の事を殺したい程に毛嫌いしていると言っていた。奴らの目的は恐らく。…この世界に終焉を起こす程の大きな反乱を【Paradiso】の住民同士で何かに因縁付けて引き起こさせ。……長い間、この【Paradiso】を観測していた【導き人】達をこの世界に誘き寄せ、排除かなんかするなりして、新しく自分達がその【導き人】に変わるポストに降臨しようとしている。……というのがあくまで俺が考えた一つの仮説です。…それに俺がラルに【Luster】の事や、各地の精霊の事。…そしてアガルタさんのような歴史ある貴族の一族との接触の話をした時に、ロウディは決して開けてはならない《パンドラの匣》だと言って…その話の先をラルを怪物にしてでも実力行使して静止しようとした。…この事が疑惑から確信に変わったんだと思う。だよな…ベアさん?」

「確かにそういう事を【Rowdy】が言ってたね!…そして厄災…【G・lrof】…そうね…確かに奴以外にも…他にもいるのは本当だよ!…その厄災を引き起こせる者達がね…」

「…全部で何人いるんだ?」

「確認されているのは…奴を含めると…《15人》よ」

「!?そんな…じゅ…15人!?」

「そんなにいるのか!?」

「お、驚いたで〜!!…そんなに盛り沢山やと、従えとる仲間もいっぱいやろうに…」

「…となればだ。…【Varisk】の奴らも引き連れて、今もこの【Paradiso】の世界を陰で暗躍してる可能性も十分にありそうだ。…そして【G・lrof】のような同等の戦力を持った実力者が…奴を含めて15人も…根こそぎ刈り取る間に…また新たな犠牲が出てくるのか…!!…くそっ!!」

「…ハクロー……っ!!」

ガシッ!!

「!!と…トワさん!?」

「トワさん!?」

「トワの姉御…」

「トワはん…アンタ…」

【Hux・row】の手を【Towa】が取り合い、微笑みを浮かべて決意表明する。

「大丈夫だ!私はハクローを全力でサポートする!…同じ【狼志組】であると同時に、我々は【Luster】に導かれし者なのだ!…絶対に奴らの思惑通りにはさせない!だから。…安心しろ…お前には私達がついてる!!///」

「!?…トワさん…アンタ…」

「私も全力で協力するよ〜!ハクローくん!このベアお姉さんにまっかせなさ〜い♪!」

「ベアさん…」

「私も協力します!この世界の平和を脅かす悪者は…私が断じて許しません!」

「俺も協力するよ教官!!トワの姉御、リーネ、ベア姉さん!」

「しゃあない!!その大勝負乗ったるわ〜!!なんやえらい面白くなってきたやないか〜!!」

「お前ら…!!ありがとな!」

【Hux・row】は他のメンバーからの信頼もあり、笑顔が戻った。そして【Serilous.R】は話題を戻すかのように。こう言い放った。


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜久石譲より・天地明察

「…では、ハクロー…トワ…ベアさん。…これより、あなた方【Luster】の伝道者及び代表として統括者を取り決めたいのですが…宜しいでしょうか?」

「!!」「えっ!?」「ん〜?」 

【Hux・row】達は【Serilous・R】の発言に直様耳を傾ける。

「今回の試練での適性を受けた上での代表として…【Luster】伝道者の命を…《ベアさん》。…あなたに引き受けて頂きたいのですが…宜しいでしょうか?」

「!!えっ!?べ、ベアさんが!?」「【Luster】の…伝道者の役目を!?」

「で…!?でぇえ〜!?…わ、私がぁ〜!?…ルーくんに代わる伝道者をぉ〜!?…もぉ〜う!!【Agente】の仕事とかで忙しいのに〜!?」

「でも確かにベアさんなら世界各地を渡り歩いている所がありますし、案外適任かもしれませんね!」

「ベア姉さん!頼んだぞ!!」

「ウチも応援してるで〜!!」

一同は【Beanne】の就任を喜んでいるようであった。

コツンコツン……

「ベア。我々からも頼む」「ベアさん…セリル局長の申し出を引き受けてくれると助かるのだが…」「…!!」(コクコク!)

そこには【Roar】が足元にしがみ付いた状態の【Lu-cis・H】と【Fukabe】が姿を現し、三人からも推奨と推薦の声が挙げられた。

「る、ルーシスおじさん!?…副長さんにロアも〜!?…う〜んでもなぁ〜!そういうのは〜ルーくんの親友のハクローくんとかトワさんとかがいいと思うよ〜!?色んな人と関わりがあって〜…それにラルちゃんのことだってさ〜…」

「この【Paradiso】に在籍している期間は、二人に比べると君の方が長いのだろ?」

「…それに、まだ日の浅いハクローくんには、この命を任せるには荷が重いんだ。…ベア…どうか頼む!」

「俺からも頼むよ、ベアさん!!」

「!!…は、ハクローくんまで〜!?」

「私からもどうか、お願いする!…我々の【Luster】の能力を持つリーダーとして、《導く人》になって欲しいのだ!…ベアさん!」

「トワさんまで〜!?…ん〜…まあ仕方ないか!…私も《AAランク》だし、それくらいしないとダメかなっと☆!…わかったよ!…引き受ける!」

【Beanne】は渋々納得し、【Luster】伝道者としての命を受けた。そして、次に【Hux・row】と【Towa】が【Serilous・R】からの処遇について受ける。

「では、ハクロー…トワ…あなたを、【Luster】統括者としてまとめ上げていく者として、この【Paradiso】の世界にて【Luster】を宿した剣を振るい、世界を救済する事をここに誓いますでしょうか?」

「はい!」

「無論です、局長!!」

「…確かに承りました。ではハクロー…もう一つあなたに命じます。…あなたを、ヤエカの代わりに【狼志組】の八番隊隊長を引き受けては頂けないでしょうか?」

「!?…お…俺が…ヤエカさんの代わりに…八番隊隊長の命を…でもルーシス室長…流石にそれは…」

「私は大いに賛成だよハクローくん。特例措置として、私がなんとか処理しておこう」「副長の私からも君の実力や器量を見ても特に異論はない。今回の【Kagoya】の維新事変の騒動も君のおかげで収めてくれたのだ。…それに君ならヤエカの意志を継ぐ事ができる《器》があるのは確かだ」

【Serilous・R】【Lu-cis・H】と【Fukabe】は【Hux・row】の八番隊隊長の就任に賛成している。その様子に、次は【Towa】に話しかける。

「なあ、トワさん。……俺…」

「いいよハクロー!…寧ろやって欲しい!私は…お前がヤエカ姐さんの代わりに引き受けてくれるなら…嬉しいよ…///」

ダキィ♡

「!!///……っ!!」

「どうするんだい?ハクローくん?」「君自身の言葉で答えなさい」

「ハクローさん…」「教官…」「ハクローはん…」

【Hux・row】は何処かやるせない表情をしていた。しかし、その問いに対し、心から抱えていた問題を交え、返答する。

「…わかりました。俺で良ければ…その八番隊隊長の件、謹んでお受けします。それに俺自身にも責任があります。いくらヤエカさんがロウディ達の手によって怪物にされ、その後奇跡的に【Luster】の英霊になったとしても、それでも俺が…俺が!!…あの人をこの手で殺めてしまったことは……事実なんです!…それにヤエカさんはあの時、協力はしてくれていましたけど…俺との約束があったのに、トワさんを守ることができなかったから、本当は俺の事を憎むくらいに…辛い思いをしていたのだと…!!…だから俺はヤエカさんの分まで、その罪と向き合い…責務を果たしていきます…」

「!!……は…ハクロー…お前はぁ…!!…っ!!」(シュッ!)

パァーーーーン!!!

…ダキィッ!!

「ぐっ…!!…と…トワさん!?」

「トワさん!?」「教官!…トワの姉御…」「トワさん…アンタ…」

【Hux・row】は【Towa】に強くビンタをされ、周りに響き渡った。すると抱きついては涙を流していた。

「この大馬鹿者ぉっ!!…まだお前は…未だにそういう事を引き摺ってヤエカ姐さんを…この手で殺したという《罪悪感》を…その《十字架》を…未だ断ち切れずに言っているのか!?…お前という奴は…ヤエカ姐さんがあの時英霊となって隣にいて戦ってくれていた時や、お前に話しかけていた時の姐さんは、お前に殺されたと言って刃を向けて襲うくらい憎み…恨んでいたのか!?…それとも、あのアキルとの戦いで助けに来てくれた姐さんは…《偽物》だとそう言いたいのか!?」(ポタポタ…)

「!!…トワさん。………?」

ピトっ!!

【Towa】は【Hux・row】の頬を優しく持ち、涙を流しながら、慈悲深く優しく聖女の表情を浮かべて微笑み、彼に対する心からの好意を交えて伝える。

「もう私は大丈夫だ!!…気にするな。…それにもし、自分がヤエカ姐さんを殺めてしまったという罪に悩むのであれば。……!!私も共にその罪を背負ってやる!!///…それがヤエカ姐さんを…そして姐さんが愛していた《ルーさん》の現世での親友であるハクロー。………お前とこうして出会い。…心から信頼しては《天地》の分かれ目が起ころうとも。…共に一緒の道を何処までも歩んでいきたいくらいの…初めての《恋》をし…///……気づけば私は…///ハクローという《素敵な男》を……男として生きる覚悟を捨ててまで。…《女》として好きになっていたんだ///……だから…///今だから素直に言える…///」

ヒラリ…ヒラリ…

《……これが私の……本当の気持ちだよ♡///》

(ポロポロ!)

チュッ♡

「!!///…ああ…ああ!!…すまないなトワさん…本当に…ありがとなぁ……///」(ギュッ!…ポタポタ!!)

チュッ♡

【Hux・row】と【Towa】は雨の降る空間の中、お互い涙を流しながら接吻を交わした。心なしかその光景には光が差し伸べられ、《千夜ノ桜》の桜の花びらが風を舞い、その近くには《英霊ヤエカ》が温かく見守っているように、華やかに見せていた。その光景を見ていた一同は、同情しつつも温かく見守る者達がいた。

「…そうか。…トワくん。……それにハクローくん…君達は…」「彼自身…十字架を背負っていたからな…恐らく、余程ヤエカへの責任を感じていたのだろう。……トワ。…それでいいんだ。在るが儘に《女》として生きて欲しい」

「むぅ〜っ!!///……ハァ〜…今回だけですよ!…ハクローさん!!…トワさん!!」(ニコッ!)

「なんかこうしてみるとハクローくん!千夜ちゃんとキスをしているようにも見えるね〜!あはは♪頼りになるね〜トワさん♪」(ニコッ!)

「教官…なんか嬉しそうだ!」「誰とでも熱々やな〜ホンマに〜!…まっ!…ハクローはん…もう女を泣かさんすなや〜!…なはは!制服が学ランのように見えて…なんか青春そのものやな〜!」

「フフ…今後の【狼志組】の《維新》が実に楽しみです。そしてそれも踏まえ…ベアさん、ハクロー、トワ。あなた達に伝えておきたい事があります」

「は…はい!」「…ハッ!局長!」「今度は何〜?」

すると【Serilous・R】はこの様に述べた。

「特例措置として、あなた達を野外活動の遠征の時は、【狼志組】…そして【Agente】合同の《極秘諜報機関》として、【狼志組特殊部隊】…名を【義狼隊】として、《4人》で連携を取り合った上で【Luster】使いとして、この【Paradiso】の世界で《伝道者》及び《統括者》の活動をし、各島の治安を守って頂きたく思います。宜しいでしょうか?」

「ハッ!!……?……え?」「4人!?…でも…今は…」「3人しかいないよね〜!」

「ほほほ。…いずれ分かります。…ではルーシス、フカベ。…客人を元の世界へとお願いしておきますよ…」

「…わかった。ロア、頼んだよ!」「ロアくん…頼んだぞ」

「わかりました、お父さん。フカベさん。………みなさん…目を瞑っていてくださいね…」

「………」

…………

【Roar】に言葉をかけられ、一同は目を瞑る。すると眩い光が差し込んでいく。

・・・
・・


🎼Back Ground Music 》》》



♪〜天気の子より・家族の時間

〜【Paradiso】歴:2000年7/13・夕方・【D島】【CronoSt】(クロノスト)【R・P】社・トレーニングルーム〜

ヒィーーン!!!

「…ッ!!」

「おお〜!…やぁ〜お疲れだね〜♪!!」

現実世界に戻り、【Campanella】が待ち構え、出迎えてくれたようだ。その様子を見た一同は安堵する。

「ネラ参謀。…どうにか戻ってきたか〜!…でも…これで俺達も…」

「めでたく【Luster】使いとしての道が開いた…という事なのか。…とても非現実的だが、それでもあれは…」

「夢じゃあないんだな〜これが〜!!…さっ!!もう夕方だし!!そろそろ家に帰ろっか〜♪」

そう言った三人を【Campanella】が静止する。

「ん〜?…!いやいや、折角だし今日はここのレストランでさ〜!みんなで食べようよ〜!!ハクローくんの《退院祝い》とか《昇進祝い》と〜♪…そ・れ・に♡アハハ!やっと念願の《春》が来て、念願の《本命彼女》ッッ!!トワさんが出来たことも兼ねてさぁ〜♪!!」(ニヤニヤ〜♪!)

「!?…な、なぁっ!?///ま…まあ飯か…いいかもな…トワさん///…どうするよ?///」

「なぁっ!?///わ…私は別に構わないぞ、ハクロー!!///」(み、見られていたのかぁ〜!!///)

「むう〜!///でも…ご飯ですか〜!!いいですね〜!!」「よ〜し飯だ〜!!」「もう!ビルはしたないで〜!と…いいつつもウチもお腹ペコペコかもなぁ〜♪」

「おっいいねぇ〜!!…でも私、ちょっと先に用事があるから、みんな先に行っといてくれる〜?」

【Beanne】はそう言うとその場を離れる。そのまま一同は先に以前宴会したレストランの場所へと案内される。

〜レストラン内部〜

「?……あれ?客がいない…」

「ウチらだけで楽しもうとね〜!貸切にしたんだ〜♪…おっ!!ロラン!!…それにステラさん!」

タッタッタ!!

「おう、お前達!無事だったか!!」「皆さん本当にお疲れ様です!…リーネも…本当にお疲れ様…」(ぺこり!)

「!!ステラさん。…はい…!!はいっ!…お久しぶりです!…でも私……あれからすごく怖かったです〜!!」(ジョーー!!)

ダキッ!!

「おっと!……そうですね。……ロランさんやビルさん…トワさんからも事情をお聞きしましたが…本当に大変だった様ですね…でも…今日は私が腕によりをかけて作りましたから、リーネ。ゆっくり召し上がってくださいね!」(なでなで!)

【Stera】は【Linea】の頭を撫でつつ、自身ありげに腕を振る舞って料理を作ってくれたそうだ。すると【Bill】が【Kagoya】へ訪れた時に買ったお土産を渡した。

「あっ!そうだ!!ステラ姐さん!…これ!!」

キラキラキラ!!

「え?…!!まぁ〜!…綺麗なペンダント!?…ビルさんこれは?」

「へへ〜ん!!【Kagoya】に行った時に俺とロラン兄貴で一緒に探して、ステラ姉さんに似合うかと思って買ってきたんだ!!…ダメだったか?」

「!!…いえ…とても…嬉しいですよ…!!お二人共…ありがとう!!」(ポロポロ!)

ダキッ!!

「うわぁっ!?」「うぉっ!!///す…ステラ…///」

「ありがとうございます///!!…本当に!!…ふふ…大切にしますね!!…お二人共…本当にありがとうございます!お二人が無事に帰ってきてくれて嬉しいです…私は///!!」(ポタポタ)

「俺達こそ留守にして寂しい思いさせてごめんな!ステラ姉さん!!」「こちらこそだ…ステラ…お前が元気で俺達は本当に嬉しいぞ!」

【Bill】と【Rolan】【Stera】はお互い抱きしめ合い、再会を祝った。それはまるで仲睦まじい家族の様にも思えた。それを見ていた【Hux・row】と【Towa】は温かく見守ってその光景を見ていた。

「…まるで家族の様だな!…血縁関係がなくても…ヤエカ姐さんや私のように……ふふっ!」

「ああ…本当に。…やっぱ俺、こいつらの様にこうして笑い合っている人達の笑顔を…守っていきたい。この幸せの時間をいつまでも!…その為に俺は【Luster】を駆使して…戦う!!」

「ハクローさん。…あっ!ステラさんが作ってくれたご飯が冷めたら悪いので、そろそろ頂きますをしましょうか!!」

「せやな!ベアはんには悪いけど、折角の手料理や!!美味しくいただくで〜♪」

「あはは!そうだね〜♪じゃあみんな集まって〜♪ではでは皆さん今日も一日お疲れ〜♪じゃ!」

いただきます!!

一同は食事を運んでいく。その度に御味が良いのか、絶賛の声がレストラン内で聞こえてくる────

ワイワイ♪ガヤガヤ♪

「!!美味いなぁ〜!!このトマトソースのパスタ!!…ステラの料理、すごく美味いよ!!」

「ハクロー!このピラフも美味いぞ!…ステラさん!……本当に感謝する!!」

「ウフフ!…本当にステラさんの料理は美味しいですね〜♪…ん〜!幸せです〜♪」

「やっぱり久しぶりに食べるステラ姉さんの料理は最高だよぉ〜!!……グスン…よかった…生きていて…!!」

「ハハ〜!ビル!ほらナフキンだ!涙を拭け!!…だが本当にステラの料理は最高だ!!…本当に…」

ありがとう!!…ステラ!!

「!!…はい…本当にありがとう!!…私を【Dail】から解放してくださり、こうして皆さんに感謝の言葉をかけて下さいまして…グスン!!嬉しい限りです!!」(ポロポロ…)

「ああっ!!…ご、ごめんステラ姉さん!!何か嫌なことを思い出したのか!?」

「…違い…ます。…これは…嬉し泣きというものです。…ビルさん…」

「あはは!!ビルくんはハクローくんみたいにいかないようだね〜♪」

誰かの声が聞こえたので一同は振り向くと、そこには【Roar】と【Beanne】がやってきた。

「ん?…あ〜ベアさん!!それにロアも!!…貸切で空いてるから、好きなとこ座ってもいいぞ!」

【Hux・row】は気付くと、すかさず場所を開ける。

「!!…はい…」

「アイアイサ〜♪」

チョコン…!

「…おっ!」(俺達の隣へ来たか!)

「……〜♪」(まっ、たまにはハクローくんの隣は預けておくかな〜♪…ではでは、ネラのとこにっと〜♪)

【Roar】は【Hux・row】と【Towa】の間に入り込み、ちょこんと座り込む。その様子に【Beanne】はにんまりとした表情を浮かべつつ【Campanella】の隣へ座る。

「…ロア?…何故に私達の所へ来るのだ?」



「…トワさんと…ハクローさんと一緒にいると。……私…何故か落ち着くんです…///」(ムギュッ!)(…トワさん。…初めて会ったばかりですけど…お母さんの様に…温かくて…落ち着きます……です…///)

「へぇ〜!!…と・な・る・と★…ロアは〜…ハクローくんとトワちゃんにとって〜♪良い《お兄さん》と《お姉さん》ってやつだね〜アハハ♪…二人共、将来仲の良い《夫婦》になりそうだねぇ〜♪」(ニヤニヤ!)

「!!…ゲホッ!!ゲホッ!!…ね、ネラ参謀!?///」(カァ〜!///)

「!!…っ!?///…な、なぁっ!?///」(カァ〜!///)

「〜!?///」(プシュ〜!)

【Campanella】の突然の大胆発言に【Hux・row】と【Towa】は赤面し、【Roar】もそれを聞いて赤面し蒸発してしまった様子である。そしてその発言に痺れを切らした【Linea】は注意を促した。

ガタン!!

「も〜う!カンパネラさん!!///食事中は静かにしてください!!はしたないですよ〜!!///」(プンプン!!///)

「え〜っ!?…もうリーネちゃんノリ悪いぞ〜♡胸はまだしもそんだけ頭がお固いと、いつまでもハクローくんが振り向いてくれないぞ〜♡!でしょ〜ベア!?」(ニヘラ〜♡)

「そだね〜♡私も〜お固いこと言う女の子はハクローくんのタイプじゃあなさそ〜♪でもリーネちゃんは〜!…私よりもこ・こ・が人一倍大きいから〜♡それを武器にして〜♡…大胆にベッドで誘い出して〜♪徐に白くてセクシーなランジェリー脱いだりして誘惑すればワンチャンありかもね〜♪!」(ニヤニヤ!)

「なっ!?///ななっ…///なっ!?///…何を言っているんですか〜!!??///」(カァ〜ッ!!///)

あっははは!!顔赤いぞ〜リーネちゃーん!!ゲラゲラ!! も〜う!!///二人共不潔です!!///…下品です〜っ!!!///

「…教官…今日も1日ご苦労だったな〜!!」

「だが、それでもこうして賑やかな食事が出来たのは久々だ!…ステラ。どうだろうか?この食事風景は?」

「ウフフ♪…とてもいいと思いますよ!…こうして楽しそうに食事をする皆さんは…本当に仲が良くて、いつ見ても飽きませんね!!」

「ハクローはん…普段アンタが守ろうとするもんが一体なんなのか…なんとなくわかった気がするな〜っ!……ん?…!!…おおっ!!…このグラタン…んまぁいなぁ〜〜!!!」

・・・

食事を終え、商業施設の入浴場で入浴を済ませた後、一度皆と解散する。その後、何故か【Beanne】から【Hux・row】と【Towa】が【Agente】のギルド室に招き、機械を触り、何かを始めていた。

ガチャン!!……ウィ〜ン!

「〜♪よ〜し!!…じゃあさ二人共!…この中に入ってくれるかな〜?」(ウキウキ!!)

《パンパカパーン!!》

「ん?……これって【Wear.CR】!!…でも《改》って書いてるな…」「?…一体何なのだ?…これは?」(首かしげ?)

「ふっふ〜ん…入ってみればわかるよ〜!!…ほら入って!!…ほ〜ら!!」

「ああ。…じゃあ…」

「…失礼する」

【Beanne】はそういうと、二人に目を瞑るように答え、機械を弄りスイッチを押した。すると身体に着用していた服が面妖に変化していく。そして無事済んだ事を確認すると声を掛ける。

プシュ〜!!

「終わったよ〜出てきて〜♪」

バサッ!!

「?…ああ。…!!うおっ!?服が…!?」(ヒラヒラ…)

「か…変わっている!?…!!……〜!?///…す…スカートなのか!?///…リーネさん程ではないが…結構短いぞ!!///」(カァ〜!!///)

【Hux・row】の服装は、上には燕尾服に裾は三つに分かれており、下はグレーのスーツを着ている。【Towa】の方は、純白の衣服に身を纏い、上は、トレードマークのてんとう虫のマフラーに、ネクタイを巻いては白のブレザーのような着物を身につけ、羽衣生地の長いマントを靡かせる。下は純白のスカートを履き、純白のハイソックスを着用し、陰影は心なしか桜色のコントラストで彩られていた。

ヒラリ!

「へぇ〜、トワさんはスカートか〜!?…なんか、結構新鮮だな!…トワさん。…その服…すげえ似合うよ…綺麗だ///」(テレテレ///)

「…!!///ば、馬鹿者ぉっ!!///…はっ、恥ずかしいであろう!!///…でも…ハクローのその服も…なかなか似合うな!…まるで騎士のようでいい!…ふふっ!!///」(テレテレ///)

その様子は仲睦まじく、【Beanne】自身も満足そうからか、満面の笑みで寄ってきた。

「どうだろうか〜!?女局長さんから言われた《【義狼隊】用の制服》!!…気に入ってくれたかな〜?…はいこれ〜!!元の服、返しておくね〜♪」

「ああ、ありがとうなベアさん!!…この服いいなぁ〜!…おかげで抜刀しやすくなったし!!…トワさんも…その服…いいよ!///やっぱ…すげぇ綺麗だ!///」(キリッ!)

「〜!!///…く、諄(くど)い!!……に、二度も綺麗と言うな!!///……無礼者ぉっ!!///……阿呆っ!!///…ふふっ!…だがハクロー、ベアさん!…ありがとう!…だが突然服を着替えて…一体何をするのだ?」

「ふっふ〜ん♪…そ・れ・は…これからお客さんが来るからだよ〜!!…今回の出迎え係は〜…ハクローくん!!…君だよ〜!!」(ビシッ!)

「えっ!?…俺が!?……いいのか?」

「うん♪…あっ、そろそろ時間だから一階のエントランスに行っててくれるかな〜♪」

「?」

・・・

〜【CronoSt】(クロノスト)【R・P社】1Fエントランスホール・7/13・夕方〜

「…とりあえず…着いたけど…ん?」

【Hux・row】はエントランスホール1Fから、一人の男がこちらに向かって来ているのがわかった。そこには、渋い顔つきの俳優面をしており、ワイルドに長めのコートの迷彩服を着ては、首に巻いていた赤いマフラーを靡(なび)かせる。その男からは、真面目そうな雰囲気があるも、何か狂気じみたオーラを持っていた。お互いは初顔合わせながらもゆっくり歩み寄る。

🎼Back Ground Music 》》》



♪〜龍が如くより・Receive You

スタスタスタスタスタスタ…ザッ!

スタスタスタスタスタスタ…ザッ!

「……」(何だ?…なんか豹柄のようで陸上自衛隊のような迷彩柄のコートを着た男がいるな…)

「……」(ネイビー色のデジタル迷彩服、それに…銀髪の白狼のような…男!!…間違いない…コイツが…!!)

【Hux・row】は相手の男をじっと見つめていた。そしてその男は、まるで以前から【Hux・row】の存在を知っていたかのような声で、狂気じみた声で話しかけた。

「へへ!…【Hux・row】…いや……ハッチャーーン!!…一仕事終えて…只今帰ってきたゾォ〜〜〜!!!!」(ニヤリ!フリフリ!)

「……ッ…!!」(ニッ!)(何だ…コイツは?…だが…この男の目…それに雰囲気からして【真・ユートピア創造士隊】とか【Varisk】の奴ら。……とは違うのは確かだな。……ハハッ!…そうかよ、ベアさん…アンタの言うように…面白そうな客人のようだなぁっ!!)










突如【R・P】社に訪れた一人の客人。その風貌は、狂気じみた紫のような、黒い豹のオーラを醸し出しているが、それでも【Hux・row】のように、何か大切な者を守る為に長きに渡る壮絶な戦いに終止符を打ち、成し遂げた戦場帰りの一人の男のようにも感じられた。【Hux・row】は男を見つめ、いつでもどうぞという形で、前に立つ者に雪原で生息する白い狼のオーラを放つかのように、笑みを浮かべ立ちつくしている。そして、《白狼》と《黒豹》の異名を持つ二人の因縁が交差する伝説の物語は、ここから新しく始まろうとしていた─────





《第一章:白狼と誓いの儀礼刀──────完!!》

















《To Be Continued…→》
 
 
 
 
 
 
 


第20話:【Agente】(エージェント)【Kagoya】街の維新編part5 〜Finale〜 完読クリア!


ENDING!
A. 見る
B. 見ない


B. いいえ