「…ああ。…大丈夫だ」
「いよっ!…流石は男前ですね〜♪…もう!!///」(偽テレテレ〜///)
「…甘い。…!!」
「…ふっふ〜ん♪…それ!!」
トン!…ビューーー!!
豹策はオロアの攻撃を躱すも、素早く回り込まれては、背後から押し出される。思わず驚いた表情を見せる。
「!!…抜かれたかっ!?」(ビューーン!!)
「いってらっしゃ〜い♪」(ニコニコ〜フリフリ〜!)
「……っ!」(シュン!)
豹策は光の中へと消えていった。オロアは最後の試練に対して、こう思った。
(いよいよ最後の試練です!…もしかしたら今回の三つの試練であなた自身、色々価値観が変わるきっかけがあるかもしれませんよ〜!…でも流石の身のこなし…伊達に麻薬取締官といったところですね〜!)
・・・
・・
・
🎼Back Ground Music 》》》
〜女性刑務所〜
「…おいそこ!!手が止まってるぞ!!」
「…!!…っ」(…くっ!!…何でこの私がこんなことを…)
《…み、三木川!?…となると…ここは女性刑務所か…》
三木川は事件後、ある女性刑務所に収容されていた。その日々を気に食わない態度で、黙々と作業していたが手を止めていたからか、刑務官に注意される。
「……っ!」(毎日工場でこれをひたすら組み立てる作業…もういい加減うんざりしてくるわね。)
作業終了〜
「入れ!!」
ガシャン!!
「…!!…もう…何で私がこんな目に…うぅ!…グスッ…!!」(…霧矢…!!アイツのせいで…私は…!!)
《…三木川…泣いても…お前の罪は消えない。…ここで更生し、自分の犯した罪と向き合う事だな。》
三木川は自分の欲の事しか考えていないようであり、自分の罪を嫌でも認めたくないと言う姿勢を見せており、更生をするのには困難な状態が続いていた。
「…くっ!…はぁ…泣いても…誰も助けてくれない。…それに仮に外に出たとしても私にはもう居場所はどこにもない…ここでずっと生活してた方がマシかもしれないわね…」
ガン!!
「!!」
突然付近から物音が聞こえた。そこには自分と同じく付近で過ごしていた女性の囚人がいた。そして高圧的な罵声を浴びせては三木川を威圧する。
「…はぁ…静かにしな!アンタ!」
「あ…は…はい!」(シュン…)
その生活がおよそ7年も続き、そして三木川にとって予想外の事態が訪れた。
ガチャ!…ギィィ…
「…釈放だ。」
「!!…え…」
三木川は懲役10年以下の判決が下されたが、およそ7年でその刑期を終えては出所した。しかしあの事件で、三木川の両親は政治家を辞任しては勘当及び絶縁を持ちかけられ、行方も分からずじまいであった。また元受刑者という肩書きもあり、麻薬所持という逮捕歴から何処からも指を刺されては就職口にもつけず、彼女は冷遇される立場にいた。
スタッ…スタッ…ザッ!!
「…くっ…!!…何で!?…どうして!…どうして出所させたのよぉおおお!!!!」(ブワぁああ!!!!)
《…惨めと言えばいいのか…だがこれが…麻薬所持の法を犯した受刑者の末路というのか…世間から目の敵にされ、このような扱いを受けるのか…》
豹策は、麻薬取締官として、出所後の三木川の様子をじっと見つめていた。自分自身が麻薬を取り締まる立場であり、その禁忌を犯した罪人がその後、どのような洗礼を受けるのかを記憶の中で知った。すると、三木川の頭上には冷たい雨が降り注いだ。
ポタポタ…ザーーーッ!!
「!!あ…雨!?…ぐっ!!…風邪を引いたらまずいわ!!」
ピチャ! ピチャ! ピチャ!
「…っくしゅん!!…ゲホッ!…ゴホッ!…ハァ…ハァ…!!…こんなに惨めで苦しい思いをしているのに!!…誰も助けてくれないぃっ!!…ああ…あーーーーー!!!!…憎い…!!…憎い!!…憎い…!!…憎い!!この世の中が憎い!!」
《三木川…いよいよ世の中まで恨み出したか…刑務所を出所しても…嫌でも自分の考え方は変わらないとはな…》
豹策は刑務所を出所しても更生の兆しを見せない三木川の執念深いところを見ては、その様子をじっと見つめる。
「…私の手で…この世の中を……え?」
バサッ…
「…風邪を引くぞ…」
「…放っといて!!…もう私には…どこにも居場所はないんだからっ!!」
《!!…あの男は…》
三木川に降り注ぐ雨をある男が傘をさしては遮っていた。そこには刺青の入った怪しげな一人の男がいた。豹策はその姿を見ては驚愕した。その男は槇原兄妹の仇の男であった。その男は問いかける。
「…この世の中が憎いのか?」
「…ええ!!大っ嫌いよ!!…全て!!…この世の中を…自分の思い通りになればいいとっ!!…ずっと思いたいくらいにっ!!!」
《…三木川…》
三木川は自分の犯した罪を認めず、ありったけ社会の生きづらさと、今まで自分の築きあげてきたものが崩壊しては惨めな生活を送っていたことに対する怒りを男にぶつけた。すると男は笑みを浮かべては三木川を抱き寄せる。
「…そうか…なら着いてこい!…案内してやる!!」(ニヤァ!)
ダキッ!
「え!?…ちょ!?な…何!?」
タッタッタ…
・・・
「…ここが俺達のアジトだ。」
「…ここは…ビル…」
三木川が男に連れられたのは、ある古いビルであった。その一室には、灯りがついていた。すると男は三木川を快く歓迎した。
「…まぁ入れ。風呂に入って汚れた身体をしっかり洗い流せ。」
「……」
《…そういう事だったのか。…出所後の三木川は…この男に手を差し伸べられ、生き延びていたというわけか…》
豹策は出所後の三木川の生活が一体どんなものであったのかを知った。その様子の一部始終目を離さずに知ろうとした。
🎼Back Ground Music 》》》
シャーーー…
「……」(…何であの男は…私を助けたんだろう…)
・・・
ガチャ!
「…上がったか?」
「…ええ…一応礼を言うわ…ありがとう。…だけど…何でこんな私を助けたの?」
「…これを見ろ。…心当たりがあるはずだろ?」(ピラッ!)
「…!!…こ…これって!?」
《!!…これって!?…あの事件の記事か!?》
男が三木川に差し出したのは、7年前に三木川が麻薬所持により裁かれた裁判の記事であった。すかさず男は三木川に言い放った。
「そこでだ…三木川…お前の力が必要だ。……俺達と協力してくれないか?」
「!!」
《…こいつらは…この口振りからすると、テロリズムの奴らといったところか!?》
「…安心しろ。…お前の安全は保証する。…俺が…いや俺達が守ってやる!…なぁそうだろ〜お前達〜!?」
バタン!!…パンパパーン!! ヒュー!! ヒュー!!
「!!…な…何!?」
突然事務所内に響き渡るクラッカーの音。そこには男の部下がクラッカーを開けては、まるで三木川を歓迎するかのように言い放った。
「ヤッホーイ!!新しい仲間だぜ〜!!」「君があの三木川か〜!…派手にやるね〜!!…よろしく〜!!」「よろぴくね〜!!」
「…あなた達は…一体…」
「…俺達は…社会から孤立した者達の集まり…まっ!!要するに裏社会側の人間って事だよ!…そしてこいつを扱っている。…見覚えがあるだろ!?」
「!?…それって…」
《!!…合成麻薬(MDMA)!!…やはりそうか…コイツら…この時から影で麻薬を売り捌く連中だったということか…!!》
「…そう言うこと!」「俺達はお前と同じように!」「道を踏み外した者達だよ〜ん!」
「…そう…で?…あなたの名前は…何?」
三木川は男の名前を聞く。すると男はこう話した。
「…俺の名前は反原(そりはら)っていうここの組織のボスだ。ま、偽名だけどな〜♪…そしていずれは…世界一の麻薬王になる男だ!!」
ドーーン!!
「もうボス〜それ高望みし過ぎだぜ〜!!」「そうだぜ〜!他の世界にいる奴らはボス以上に実力のある奴ばかりなんだぜ〜!」「あんまり夢見んなよ〜!おっさん!」
「う!?…うっせぇな〜お前ら!!…俺がなるといったらなるんだ!!///」(カァ〜!!)
「…ふふ…アハハ!!…アーーッハハハハハ!!!!」(ゲラゲラ!)
「!!」「おっ!?笑った!!」「ヒャハハ!!」「へぇ〜!いい声で笑うんだな〜♪」
三木川は反原率いるメンバーのやりとりを見ては、自分と同じ立場にいる者だと知って安心したのか笑い出した。そしてこのように話した。
「いいわよ!!…泥沼に突き落とされていた私を助けてくれた恩義もあるし、アンタ達の話乗るわ!!…何でも頼ってちょうだい!!」
《…三木川…あれだけ惨めな生活をしたんだ。おそらくこいつらに手を差し伸べられては救われたと思いこんでは、奴らに対して恩義を感じてしまっていたのかも知れないな…》
豹策は、表で生きる人間にはルールに従い、日々を過ごすことも出来れば、裏社会では社会のレールに乗れなくなり、孤立してしまった者の集まりが、ルールを逸脱したとしても、生きる為には仕方ないと感じ、禁忌を破ってでも自分の欲を満たそうとする者達がいるという事を豹策は知った。
「そうか。じゃあこれからよろしくな三木川!」
「よろしく〜!」「ははは!よ〜し今日は宴だ〜!!」「いっぱい飲むぜ〜!!」
「ハハハハハ!!よ〜しいいぞ〜!!…ムショあがり出し!今日はいっぱいのも〜!!」
アハハハハハハ!!
《…くっ!!…やはり人間だからかこういう時に笑って…傷の舐め合いとも言えるのか…だが…!!…くそっ!!》
豹策はこの時、やるせない気持ちになっていた。自分の相棒兼パートナーの宣行の仇の男達を前に、複雑な感情が湧いてきた。
・・・
そして月日が経過し、次第に実力をつけていった反原の事務所は大きくなり、世界と渡り歩いては様々な部下を率い、麻薬組織そのものの規模は大きくなっていった。それは、後に公安警察が極秘で捜査を行うくらいの危険な犯罪組織として名を轟かせるものとなっていた。
「!!…おい!!ビックニュースだぜ!!…見てみろよ!!」
「ん?…どうしたの?」
反原がパソコンを前にして何か大きなニュースが出たのか、喜んでは有頂天にいた。その様子を見ては三木川が覗きに来る。
「これこれ!…大手の麻薬業者の取引があるらしいんだ!!…それで俺達も顧客リストに入ってるんだよ!!」
「!!…へぇ〜!やったじゃあん!!…これで私達…」
「ああ!大きく一歩前進ってわけだ!!」
「やった〜♪…反原〜!私あなたに人生賭けて正解だったわ〜♡」
チュッ!♡
「ほ〜うやってくれるね〜♪」(ウキウキ!)
チュー!!♡
反原と三木川は仲睦まじく接吻を交わす。その光景を見ていた他のメンバーはじっと見つめていた。
「…はぁ〜仲良いね〜!あの二人…」「同類と言えばいいのかどっかで意気投合するってやつか…」「類は友を呼ぶってやつだな〜!」
「よ〜しお前ら!!これから大仕事だ〜!!きびきび働けよ〜!!」
「おう!」「了解〜!!」「よ〜し!一丁やるか〜!!」
反原の指示で、メンバーは取引に向けて準備する。そして秘書的立場であった三木川は、反原に言われては何処かに連れて行かれる。
「…ここだ。」
「!!…これって…武器庫!?…色々あるわね…」
三木川が見たのは、襲撃に備えてハンドガン、ショットガン等の銃火器が揃えられている武器庫に案内された。すると反原は、一丁の銃を三木川に手渡した。
「…コイツを預けておく!…もしもの時はそれを使って俺達を守ってくれ!…頼んだぞ!…三木川!!///」
「…!!…ええ!…任せておいてよ…反原♡///」
ダキッ!
《!!…あの銃は!?…そういう事か。…じゃああの時、この反原を殺した後に…俺を撃った女は…!!…なっ!?…あれは!?》
豹策は自分を始末した女性の正体を知った。そうしていると、豹策がよく知っている者の顔が見えた。どうやら潜入捜査官として、反原のアジトに潜り込んでいた宣行であった。
「反原!…ちょっといいか!?…どうやら大手の取引業者からメールが来ていた!!すぐに来てくれるか!?」
「!!…おうそうか新入りご苦労だ!!…武器庫の戸締り頼んだぞ!」
「…はい!」(ぺこり)
「よろしくね〜♪」
バタン!
「…さて…」
《槇原…すまない…本当にすまない!!》
・・・
その後日…
「は…離しなさいよ!!何なのよあなた達!?…ん…んん〜!」
《ゆ…優花!?…そうか…誘拐されたのか!?…コイツらが優花を!?》
車内には反原と三木川、優花が乗車していた。そして潜入捜査官の宣行の正体を知っては、反原は怒りを露わにしていた。
「…そうかあの新入りぃっ!!…槇原っつう警察の犬だったのかよ!!…くそがっ!!」
「まんまとしてやられたわね!!…でもどうする反原!?…事務所の方…やばいんじゃあ…」
「ああ。おそらく警察が今乗り込んでいるだろうな…おそらくあいつらはもう…くそっ!!一体どうすれば!!」
《この話から想定するに、三木川が反原に対してあのクラブハウスに逃げ込もうとしたのか…》
豹策は話の内容から、宣行が反原が率いる犯罪組織に命を奪われた後だと推測する。
「…今は閉業しているクラブハウスがあるの!…あそこなら…しばらく身を隠せれるわ!」
「…そうか!お前が通い詰めていた場所か!?…なら話は早い。すぐにそこへ行くか…だが槇原という男も処分するために、電話をかけておくか〜♪」
prrrrr!!
ピッ。
【???】(…槙原か?)
【豹策】(…霧矢だ。…お前達は一体誰だ?…何者で今何処にいるんだ?)
【???】(!!…そうか。お前が…相棒の霧矢ってやつか!!…なら話は早い。…おい!!お前の兄さんの相棒の霧矢さんやぞ〜!!しっかり挨拶しろ〜!!)
【優花】(霧矢さん!!…!?…んん!?ん〜!!)
【豹策】(!!…優花!!…お前らぁ…早く居場所を吐け!!!!…こっちはなぁ!!…お前ら殺したくてウズウズしてるんだよぉ!!!!)
【???】(ア〜ハハハハ!!!これはおもしれぇ〜わ!!!それがマトリ捜査官の男の言葉かよ〜!!!…いいぜ〜!!なら教えるわ!!…繁華街のクラブハウスの目の前に今おるから案内してやるよ!!あと警察に言ったらこの優花って女の命はないぞ〜!!…まあ…せいぜい頑張りな!…それまでお前がくたばらんか…実物なんだがよぉ〜ハッハッハ!!!!)
ブチッ!!…ツーッ!…ツーッ!…
「!!…霧矢…!!許せない…でも…」(ギリギリッ…)
「…三木川…!!」
ガシッ!!
「!!」
「安心しろ!…お前は俺の女だ!…必ずお前を守ってやる!…三木川!!///」
「!!…ありがとう…反原!!///…もう私は…あの惨めな生活はもう嫌なのっ!!…あなたと一緒に夢を見るわ…!…絶対に生きましょう!!」(ポタポタ!)
「…ああ…ああ!…ありがとよ!!///」(ポロッ!)
「……!!」(一体なんなの!?…この人達!?…でも…コイツらが兄貴を殺したのには違いない!!涙を見せた所で…私はアンタ達を絶対に許さないから!!)
《…だがお前達は、この後俺に…優花…お前を守りきれなくて…すまなかった…!!》
「クラブハウスか…およそ7年ぶりか。…だが行くしかない!…槙原安心しろ!…必ず仇を取るから。…お前の誓いにも賭けて…必ず妹を助けてやるからな!!」
タッタッタッタ…
《…くっ!!…槇原!…それに優花!…すまなかった!!お前達兄妹を守ってやれなくて…》
・・・
🎼Back Ground Music 》》》
カチリ!!
「…よくここまでこれたな〜!…褒めてやるよぉ〜!!」
「…その声…どうやらお前が犯罪組織の親玉かぁっ!!…自分が一体…何をしたのか…わかってんのかぁああ!!??」
《…この時の俺は、優花を殺されて、もう完全に理性を無くしていた。銃を向けては本当にこの反原を殺そうと必死だったんだ。》
「おいおい…たかが女一人じゃあねえか!?…いや俺達にとっては敵で憎き邪魔でしかない公安の犬のスパイの妹とあっては今までのツケを身体で返してもらうしかな…!!」(ニタニタ)
チャキ!!…ダーーン!!…カランカラン…
「………」
「!!…ぐああ!!目が…目がぁあ!!!…て…テメェ…!!…なぁっ!?」(ギラッ!)
《…そして俺は、殺気の込めた自分の…精一杯な笑みで…法の外に出る覚悟を決めて…射殺したんだ。…反原を!》
「…もういいだろお前らは…良いほど楽をしては十分楽しんでは笑ったんだろ。だから…お前のような麻薬を使っては人を食い物にする社会の下衆は…そろそろいい加減黙っとけ。…その代わりに…お前らの分まで…俺が笑うようにするからよ!」(ニッ!)
ゾワァーー!!
「…!!…やろぉぉぉ!!」
ダーーン!!
「………」
「!!」(霧矢!!……よくも反原を!!…でも久しぶりね。…あの時の礼を…たっぷりさせて貰うわよ!!!!)
ダーーン!! プス!!
「!!…くっ!!…誰だ…?」
「…!!」(ギロッ!!)(絶対にアンタを許さないからぁっ!!!…脳天にぶち込んであげるわ!!!!)
ダーーン!!
プス!! ブシャ!!
「…!!…カハッ!」
「あぐ!!…く…そ……うぅ…!!」(…!!そ…そんな…反原…ごめん…なさ…い…)
バタン! バタン!!
《結果的に相討ち…だがこれで良かったんだ…これで…!!!》
キィーーーン!!
《…ここでか…見てやる。お前の記憶の叫びを…》
豹策は三木川の記憶を観測しようとする。そこには中学生時代の悲惨な三木川の現実があった。
〜三木川・中学生時代〜
「!!…ちょっと!?返しなさいよ!?」
「だめ〜!はいパス〜♪」
「ああっ!!…!?うわっ!」
バシャッ!!
「アハハ!汚いわね〜!!」「モップで掃除してあげるわね〜♪」
ゴシゴシ…
「…や、やめて!!なんでこんなことすんのよ!?」
《…そうか…昔三木川はいじめに遭ってたのか…》
すると、同級生の生徒が三木川に言い放った。
「アンタが生意気だから!」「お嬢様気取りで見栄っ張りなんだよ!!…一体何様だってんだよ!?」
ガシャン!!
「!!…ぐっ…!!」
三木川は他の女生徒からの仕打ちに耐えていた。その後、自分の受けた屈辱を嘆いた。
「くそ…許さない!!…絶対にアイツらを許さない…!!!…この私をこんな目に遭わせたんだから…!!!…今に見てなさい…!!」
〜ある夜〜
「…へぇ〜!君可愛いねぇ〜!」
「…そ〜う♪…じゃあ遊んでいく〜?」
「おういいねぇ〜♪行こう行こう♪」
スタッスタッ!
《…それが始まりって事か…そしてもう戻れないとこまで来ては、悪女としての道に走った訳か…》
その数日後…
「ねぇねぇ〜!これとかどう?」
「いいねぇ〜…ん?…!?…なっ!?…だ…誰ですか!?」
「ようそこの姉ちゃん!…よくも俺の女泣かせてくれたな〜!?」「ヤッホ〜♪」
「み…三木川!?」「な…なんでそんな男と…!?」
三木川は墨の入った碌でもない男と共に行動しては帰宅帰りの同級生の女生徒に対し、恐喝するかのように言った。
「…い〜い?…この事を誰かに話したら…アンタ達…どうなるかわかっているわよね〜?」(ニタァ〜!)
「!!」(ゾワッ!)「!!」(ゾクッ!)
「じゃ行こっか!」「おう!」
スタッタッタ…
「…もう…あまり関わらない方がいいよね…」「…うん…」
その事があったからか、もう三木川をいじめる生徒はいなくなり、その者を集めては恐怖で支配するようになった。
〜月日が経ち、三木川高校時代〜
「…え…何よこれ?」
カシャ!
「!!」
「あ〜!へぇ〜!それ授業でやってた麻薬だよね〜!?…隠れてやってたんだね〜?」
「ち…違う!!気づいたら私の机の中にあって、私じゃあないの!?」
「でもこの写真は〜?…もう言い逃れできないよ♪…これは退学確定モノだね…でも麻薬のことバラされたくなかったら、自主退学の方が将来のためよ〜♪」
「!!」
〜後日〜
『退学通知書』
ざわ…ざわ…
「アイツが…退学!?…突然すぎるだろ!?」
「陸上部でも名のある奴なのに…」
「一体何が…!?」
「ふふ…ざまあみろ♪」
《…そういうことか…そして、ここからしばらくして…奴の悪事は分かってしまった。》
・・・
〜三木川・高校三年生・裁判所〜
「…認めたようだな…三木川…」(ギロッ!!)
「……認めましたね!!」(キッ!)
「……認めたな…!!」(ギラァ!!)
「あ…ああ…ぁ…」(グラグラ…ポロポロ…)
「…ッ!!」(ポロポロ…)(お願い…豹!!…あとは…頼んだよ…)
《…今思えば、これが俺自身の原点だったわけか。…この時はまだ法の中だった。だが今の俺はもう法の外に出てしまった…》
「道を誤ったな…三木川。…お前は自分の背負っている麻薬所持の罪を天野のみならず、これまで様々な生徒に覆い被せては陥れて…人として許されない事をした。お前は学校のヒーローでも…英雄ですらない。…違法薬物所持という法を犯し…女子高生の皮を被った…立派な犯罪者だ。誰も…もうお前に味方する奴はいない。」
「!!…ぐっ!?」(グラグラ…ポロポロ…)
「…そして…あんなに明るく元気だった天野を…気に入らないからという個人の感情一つで卑劣にもロッカーの中に合成麻薬(MDMA)を忍ばせては罪をでっちあげ…こんなに弱々しい顔にさせるまで、徹底的に精神的に追い詰めようとした。…そして…何よりも一番許せないのは…そんな目に遭わせた元凶でもある…お前と大きく繋がっては裏で糸を引き、獲物が来るのをじっと待っている麻薬密売組織の闇市業者もだ…一つだけ言える真理がある…お前は…いや…」
《お前らが麻薬に手を出しちまった以上…とっくに行くところは決まっていた!…大人しく投降しろ!》
ダーーン!! ビギィーーーーン!!!!
「!!!???…あ…あぁぁ………いやぁ……!!…そんなの……!!…い…いやあぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!………」(ポロポロ!…グラグラ…フッ…)
(私は…私は!!…何も…悪くないのにっ!?…全てアイツらが…このメチャクチャな社会が悪いのにぃぃーーーー!!!!)
ガクンッ!!!
「確保ぉおおお!!!」
ガチャン!!!
《…ここで、お前の悪事の人生に幕を下ろした。…後はお前がもしこの【Paradiso】に来ては人を陥れるようなら…その時は容赦しない!…法の外の檻に抜け出してでも地の果てまでお前を追い、裁きに行く!!》
・・・
・・
・