🎼Back Ground Music 》》》
【Paradiso】歴2000年7月16・I島【Mineka】夜
ティファのテーマ〜♪
「…眠れないな〜…ったく…怖い話をして眠れなくなるのはそうないとは思ったのにな〜!」
【Hux・row】はその日、あまり寝付けなかったようである。
「…水でも飲みに行くか…」
スタッ…テクテク…
「……?…あれは…」
カランカラン…
【Hux・row】はキッチンに足を運ぶと、そこには【Towa】がいた。すると存在に気づいたのか、彼女は微笑み声をかけてきた。
「ハクロー。…起きていたのか?」
「ああトワさん!…アンタもなのか?」
「ああ。何故か眠れなくてな〜……だが、久々だ!こんなにも楽しく思える日が来たのは…」
「トワさん。…俺もだよ!…やっぱみんなと過ごす時間は大事だ。…それに俺は…トワさんとこうして過ごす時間も…大切なんだ///」
「///!!…ふふ♡…嬉しいぞ///…ハクロー…好きだ♡」
トン♡…ムニッ♡
「ちょっ!?///…と、トワさん///……はは…///」
「ハクロー///…ふふっ♡///」
二人は好意を寄せ合いつつ、甘酸っぱい時間を過ごしていた。するとその光景を見守っていた二人の者がいた。
「あの二人…やはり凄く熱々だな〜…ベア!」(ニカニカ!)「そだね〜♡…トワさんも私と同じようにハクローくんLoveだからね〜♡」(ニコニコ!)
「…お〜いとっつぁん!…ベアさん!…どうせそこにいるんだろ〜?」
「一緒に飲まないか?…私達は別に構わないぞ?」
「(・ー・)」「(・ー・)」
バレてたようだな〜…そだね〜♪
ワイワイガヤガヤ!
「…でもヴェノくんもさ〜本当に変わったよね〜♪…昔は朴念仁で無口のクールガイだったのにさ〜!」
「だからさっきの怪談話で言ったろ〜!?…色々あったんだっつーの!…それに変わった事といえば…まさかトワお嬢に男が出来たってことだな〜!…あの時、初めて出会った僕っ子女子が…ハッチャンに恋をして…しばらく見ない間に年齢サロンとやらを受けてこんな別嬪さんになったんだしな〜!」(ニカニカ!)
「!!///なっ!何を言っているのだ、とっつぁんさん!?///…まぁ〜美人はともかくとして///……実際そうなのだが///」(テレテレ///)
「…へぇ〜!…でも一度見てみたいかもな〜!…その〜…小さい頃のトワさんの姿ってのも!」
「…」「…」「…」
ドン引き〜……
「…ん?…どうしたんだよみんな?」
「…ハッチャン…お前まさか…」(ジーッ!)
「遂にロリコンに走った訳なのぉ〜!?///…それで、アダルティーでセクシーな私の求愛に、目もくれないんだね…あ〜あ〜、あの時整形してなかったら〜…今頃ハクローくんに、幼女の姿で、あ〜んなことやこ〜んな事を平気にしてはされていたんだね〜…」(お〜シクシク…)
「…そ、そうなのかハクロー!?///…まさかとは思ったが…女難だからと言って…幼女の姿となった私や…ロアにも手を出そうという願望が……それで昼間も実年齢は18歳とはいえ、体は12歳の姿のケイトさんに連れられては嬉しそうに二人で漁に出て行動していたのだな…」(サッ///ジーーッ!!!ドキドキ///)
「だぁぁぁっ〜///!!!!!違うってぇ〜の!!…アンタら誤解もいいとこだ!!…ただ…ヤエカさんがすこぶる少女の姿のトワさんの話をしていた事を嬉しく雄弁に話していたから決して疾しい事ではなく、興味本位で気になっただけなんだっての///!!…ってぇ〜!?それにベアさん!!…遂にロリコンに走ったってどういう事だよ〜!!??///…つかそもそも!!…みんなして、そんな社会的にも完全アウトに入るいらんことを妄想するなぁ〜///!!」(クワァ!)
「あはは冗談だよ〜も〜う!…でもさ〜!私はハクローくんの小さい頃とかの方が気になるかな〜♪」
「なぁっ!?///」
「あぁ〜っ!そういえばそうだな〜!…なあハクロー!…まだルーさんが健在だった時に、私とヤエカ姐さんと、三人で五重塔に登って夕日を眺めては…お前の話も少し聞いていたんだが…一体ルーさんと、どのように同じ時を過ごしたのだ!?///」(小さい頃のハクローか〜!…一体どんな姿をしていたんだろうな〜!?///)
「…どうなんだハッチャン!?」
ワクワク…キラキラ…
「…んーそうだなぁ〜!現世で生きていた時に…俺と【Louverd】元よりロベルが出会ったのは、確か小学一年生の時だったな〜!」
「へえ〜!本当に幼馴染って感じだね〜♪」
「そうなのか!?…そんな幼い時期にルーさんと出会ったのか…!?」
「…ルーさん…か…」(…確かセリル局長が…【Luster】っていうのは【Fiducia】の能力の中でも、類なる稀な能力の一つとか言っていたな。…確か一番隊隊長のソガミにも、そのルーという名前の者と一度手合わせしては、セリル局長を通して、その素養に目覚めたとか言って…あの人からは…『…ヴェノさん。…コイツをアンタに託すでさ〜!…どうか新人のハクローくんと…十番隊隊長の…トワのこと…よろしく頼んだでさ〜!……』と、最期に渡された自慢の愛刀【紅ノ壱尋】(くれないのいちじん)。この一振りにも【Luster】が宿っているからか、ネルソンが俺の為に、ある鍛冶屋に頼み込んで隠れて依頼し、貴重な鉱石を使って特注で作ったと、餞別に貰った《両双剣【Fen・Grill】(フェン・グリル)》にも、その素養があると局長が話していたな。…俺自身、そのルーと名乗っている者には会ったことはないが…アンタ自身は、自分と何気にヘアースタイルと姿が似ているから、自分とキャラが被ってると皮肉を交えて言っていたが…それ本当なんかね〜?)
「…でさでさ!?…どんな感じだったの〜!?」(ワクワク!)
「是非ヤエカ姐さんの妹でもある私にも教えて欲しいぞハクロー!!」(キラキラ!)
「ああ〜!二人共分かった分かった!…確かあれはな〜…」
・・・
・・
・
🎼Back Ground Music 》》》
トワイライトプリンセス・Courage〜♪
時は戻り、現世の時代小学一年生の【Hux・row】(白狼)とロベル
「…はぁ…」
ある日の昼休み。ロベルはグラウンドのベンチで一人座って過ごしていた。するとそこに、狼の子供のような雰囲気のある黒髪の児童が近寄ってきた。
「?…お〜い!…一人でどうしたんだ〜?」
「…?…あれ?…君は…確か…同じ一年の…」
「ああ!…俺二ノ宮白狼!!…よろしくなぁ!!…確か…え〜と…」
「…フィル・ロベル京一。…ドイツ人と日本人の…ハーフだよ。…でもさ…二ノ宮くん…悪いけど…僕にはあまり関わらない方がいいよ…」
「?…何で?」
「…だって…普段…みんな僕をハーフだとかで差別するから…だからこうして一人でいる方が…」
「…君の為になるんだよ。…とか言いたげだな〜!」(ニカニカ!)
「…!!」
白狼はそうロベルにいうと、笑みを浮かべてはこう話した。
「そんなの、生まれた国と人種と境遇とかで差別だとか!…んなの俺には関係ないっての!!…それに、ドイツ人と日本人のハーフでも、こうして日本語だって喋れるじゃんか〜!」
「!!…何で君は…この僕にこうも接してくるんだい?」
「…へへ〜ん♪…同じクラスメイトだから!!」
「…それだけ?」
「それだけだっての!…他に理由はいらないよ!…それにこうして話すだけでも同じ人間だろっ!!…俺は決してお前をバカにしたりだとか、差別なんてしないぜ!」
「!!…はは!…なんか変わってるね〜!…二ノ宮くんは…!」(ニッ!)
「はっはは〜!よく言われる!…それに二ノ宮ってのはよしてくれよ〜!…別に名前で白狼と呼び捨てで結構だよ!…あ、そうだ!…お前は…名前は…なんて呼べばいいんだ?」
「…僕は、両親からロベルって愛称で呼ばれてるんだ。」
「じゃあロベル!…今日からそう呼ぶ!…そして、今日から俺達は友達だ!!」
「!!…友…達…!?」
「ああ!!…ん?…なんだ?嬉しくないのか?」
「いや…この日本の国に来てね…友達が出来たのは、…実は君が初めてなんだ!」
「!!…へえ〜!そうなのか〜!!…でも案外俺もそうかもな〜♪」
「!!白狼も…!?」
「ああ!…俺だってなんか目つきが狼みたいで不気味で怖いだとか言われて…これといった心から笑い合える友ってのはいない一匹狼って感じだからな〜!…俺達…仲良くなれそうだな〜♪」
「…そうか。…じゃあ…白狼!…よろしくね。」(ニコッ!)
「ああロベル!…これからよろしくな!!」(ニカニカッ!)
ガシッ!!
・・・
「…最初…アイツとはそんな感じの出会いだっだな〜!!」
「そうなのか〜!当時生まれた境遇による偏見とかで、クラスメイトに相手にされなかったルーさんを…ハクロー…お前が進んで手を差し伸べたのだな…///」(小学一年生の頃から…人ができていたのか…男前なのだな///…さぞ両親の躾が良かったのだろうな…///)
「あ〜んハクローくんイケメ〜ン♡」
ムギュッ♡…チュッ♡…ペロリ♡
「ダァあああっ!!やめろってのベアさん///!!は、離してくれ///!!」(ジタバタ!グイグイ!)
「あぁ〜んっ♡い・や・だ・よ☆」(キャピン!)(…もしかしたら私も、その頃にハクローくんと出会ってたら…何か変われたかもしれないかな…ま、今こうして会えて過ごせてるから、もういいんだけどね〜♪)
「…でハッチャン。…その後の話は?」
「ああとっつぁん!…まあ〜それで、ロベルは色々いじめとか名前違いもあっては、理性をなくして大暴れした時もあった。まあその時は俺が仲裁役になってから、特に何もなくて…無事に俺達は中学に上がって、そこからかな〜!俺達が剣の道を学ぶ運命的な出会いをしたのはっ…!!」
・・・
時は戻り、現世の時代中学一年生の【Hux・row】(白狼)とロベル
「!!ええっ!?…い、居合道だとぉ〜!?」
「ああ!…僕ね…この春休み期間中に、両親と自衛隊の記念式典のパレードを見物してさ!…その時に隊員が持っていたサーベルを持つ姿に惹かれてね!…真剣を持つ競技である居合を学ぼうと思うんだ!」
「…そっか!」
「でね…白狼!…君もどうかなと思ってさ〜!」
「!!お、俺が!?…でも何で?」
そう白狼は言うと、ロベルは笑みを浮かべてこう言った。
「…僕の無二の親友だからね、君は!…それに僕自身、君と一緒に学びたいんだ!…剣の道を…!!」
「…剣…か…!」(空見上げ〜…)
白狼は実際誰かが剣を持つ姿を、漫画、洋画や時代劇でも見たことがある為、少し憧れもあったようである。
「…どうかな?…白狼?」
「まあ俺自身…帰宅部って決めてたけど…習い事程度ならいいかもな〜!…分かったよ、ロベル!…付き合う!」
「!!……ありがとう白狼!…場所は、最近龍川神社の神職勤め。…神主さんの人が始めたらしいから!今日の放課後、早速行こう!」
「龍川神社か〜!!」
〜放課後〜
チリーン♪チリーン♪
「…結構長い道だよな〜!
「仕方ないよ。…近くは山らしいから!」
シャーーッ…キキーー!!
「着いたよ白狼!」
「龍川神社…初詣以来かもな〜!」
🎼Back Ground Music 》》》
久石譲・Oriental Wind〜♪
《龍川神社》
二人は龍川神社の鳥居の境内前に自転車を止めては坂道を歩いて行く。周囲は森に囲まれており、日の光が神聖な雰囲気を醸し出している。
「…案外神聖な場所なんだよな〜ここ」
「神社という響きから、その神聖な場所って表現は間違いでもないし伊達ではなさそうだね」
タッタッタ…スタッ!
「よ〜し!…ようやく本堂だ。」
「ごめんくださぁ〜い!」
「?……あ、はぁ〜い!」
タッタッタ…
「?…あれ?…巫女さんがいるな!」
「珍しいね。…?…何か餌を持ってるね」
二人は本堂に辿り着き、声をかける。そこには池に鯉がいるからか、餌を持っていた一人の巫女が尋ねてきた。
コツン…コツン…
「あの〜?…何か御用でしょうか?」
「突然ですみません!…私はフィル・ロベル京一!…ここの神職を勤めております、《菊川》さんという方に居合道を教わりたく、訪問させていただきました!」(ぺこり!)
「俺…あ、いや私も同じく!…二ノ宮白狼と申す者であります!」(ぺこり!)
「ああ〜入門者の方ですね〜♪…菊川先生〜!…入門者のお若い方達がお見えになっております〜♪」(ニコニコ♪)
「……」(巫女さん…かなりフランクに言ったな。)
「……」(菊川さんか…一体どんな剣の先生なんだろうか…?)
スタッスタッ!
二人は待っていると、そこに痩せ型体型で、丸眼鏡がチャームポイントの、和服を着た中年男性が姿を現し、丁寧に自己紹介をした。
「…ん〜?あ〜どうも。私が菊川と申す者です。…本日はどう言ったご用件で?」
「はっ!初めまして僕はフィル・ロベル京一と申す者です!…ロベルと呼んでください!」
「俺は二ノ宮白狼!…白狼と呼んでくれたらいいです。俺達はこの龍川神社で…」
《居合道を学びたく、菊川先生!…あなたの元を訪ねてきた所存であります!…どうかよろしくお願いします!》
二人はそう宣言すると、菊川は少しばかりの口角を上げ、このように言った。
「…そうですか。…わかりました。…では手始めに、こちらを持ってください」
ポイッ!
「!!おっと!」
「!?…これは…?」
「《そこらへん》に落ちていた、ただの木の枝の棒ですよ。…その棒を使って、早速二人で剣戟を行ってくれますかな?」
「……」(いまそこらへんに落ちてた棒って言わなかったか。…この菊川って人…)
「……」(剣戟…か。…早速実践から入って腕を見極める。…と言ったところか!)
「…では道場へご案内しましょう。…ついて来てくれますか?」
クルッ…タッタッタ…
菊川はそう伝えると、踵を裏返し、隣接している道場へと足を運んでいく。その場所は、正方形上で15mはある、趣の感じられる道場であった。窓からは木漏れ日の光が照らされている。
🎼Back Ground Music 》》》
奇妙な人々1〜♪
「…では。これより第一回…白狼氏と…ろ…ロ……ベル氏による剣戟を開始しますね…」
「?…何でロベルの発音だけゆっくりなんだよ、菊川さん?」
「白狼…そこは先生の方がいいよ!…でも確かに…何故僕の名前だけゆっくり喋ったんですか?…菊川先生?」
「う〜んむ…それはだね〜…」
菊川は何やら深刻そうにしながらもこのように答えた。
「…私、カタナカナが苦手なんですよ…」
「…は?…おいロベル通訳してくれ!…今、この人なんて言ったんだ!?」
「カタナ…カナ…?…あっ!…もしかして、カタカナが苦手と言いたいんじゃあないかな?…白狼」
「あ〜そういう事か。…根っからの日本人ってやつか〜!…この菊川って人!」
二人は菊川の人間性と、その性格を読み取っていたようである。しかし、それを覆すことが起こり得るとは知らずに───────
「オッホン!オッホン!ゴッホン!…え〜気を取り直して…では…これより…」
「おいおいちょっと待てぇ〜!!…何で咳とかは普通にカタカナ言えるんだよアンタ!?」(ビシッ!)
「…白狼。…あまり突っ込んでいたら試合が始まらないよ!」
「そうですよ白狼くん。…少し大目に見てください。…では仕切り直して…え〜…これより…白狼氏と…ロデネル氏による剣g…」
「ちょ、ちょっと待ってください!…今僕をロデネルって言いませんでしたか!?…菊川Lehrer!!(レーラー!※ドイツ語で先生)」(ビシッ!)
「…はて?…ああ〜言ったような…気もしなくないですね〜…」(口笛〜♪ピピ〜ピ〜♪)
「……!!」(…イライラ!)
「…おいおいロベル…お前さっき言った言葉思い出せっての…!」(ビシッ!)
「ハッ!!…あ…そうだった!…じゃあ仕切り直してください…ですが菊川先生。…次は…ないですよ…」(ニコニコ…ギロッ!)
「ハイハイ。…え〜…ではこれより白狼氏と…ロベ〜ル…」
「!!…ふぅ…」(イラッ!…伸ばしただけか!…ダメだダメだ!…抑圧!…抑圧!)
「…あ…セーフか…」(まだ発音が伸びているならまだ大丈夫だったか…)
「…ト氏による…」
「!!…ロ…ベル……ト…だと…!!」(イライラ!!)
ブチッ!!
「!!…おうっ!!…ま、まずい!!」(くっ!!名前間違いによるイライラでいよいよ目覚めるか…伝説の…スーパーロベ…)
「ん〜?…!!??」
「…うぉおおお!!!!!」
バシューン!シュンシュン!!!
🎼Back Ground Music 》》》
「ふふ…ふふふふ!!!!!」
「!!…な、何事でしょうか…!?」
「ダァ〜!!まずいよ菊川先生!!…ロベルはなぁ〜!…自分の名前を何度も貶されると、理性を失くしちまって…最悪悪い方に覚醒して…!!」
「…Okay! es ist ein Blutfest♪…ハァッ!!(よ〜し!血祭り確定だね♪)」
ブン!!ブンブン!!
ロベルは完全に怒りに目覚めて、刀で斬りつけるかのように棒を菊川と白狼に目がげて振り下ろし、襲いかかる。
「うぉおお!!!!」(ヒョイヒョイ!!)
「おっと!……う〜む仕方ありませんね…白狼くん。…この場を収めるのは…たった一つだけ方法があります。」
「!!…菊川先生!…それは…一体!?」
「…それはですね〜…」
ドドドドドドドド…
「そ、それは…」
「……」(ユラ〜…!)
「…逃亡あるのみですよ〜!…では私はこれにてさらば〜!!」
ピューーーー!!!
「ダァ〜〜!!きっ、汚ねえぞ〜アンター!!…ハッ!」
「…逃しませんよ……ハァっ!!」
ダッタタッタタタ!!!
「うぉおお!!………!?…あ、俺はノーカンか!…ったく。…それにしても…」(フセッ!)
「おっと!…危ない!…よっと!」(ヒョイヒョイ!)
「…えあああ!!!」(ブンブン!)
「…あのロベルの攻撃を見ては、容易く避けてやがる。…伊達に剣の先生ではないってことか。」
「…ふふ。見え見えですよ…!!」
パァーーン!!
「…ぐウォッ!…弁慶の泣き所をついてくるとは…!?…!!」(いってて〜!ピョンピョン!)
「Bereit!!(ご覚悟〜!!)」
ブン!!
「…やれやれ。」
パシッ!
「…Was!?(なんだって!?)」
「し、白刃取り!?」
「…ぐっ!!」(ギリギリ…)
「…そこまでです…ロベ〜ル……くん!…ふん!」
ガシッ!ブシューーン!!…ドシャアン!!!
「ぐあっ!!………」(グテン…!)
「…どうか許してください。…そして、神聖な神社で騒ぎを起こしたことを…深く謝罪させてください…真神様…」(南無阿弥陀仏…)
ポンポンポン…チーーン♪
菊川は社に纏っていた白い狼の神に見立てた大真神と呼ばれる石像に、深々と祈りを捧げる。その間に、白狼はロベルに近づいては安否を確認する。
🎼Back Ground Music 》》》
♪〜劇場版キングダムより・KINGDOM・将
「おいロベル!…しっかりしろ!!」(…気絶してるだけか。……でも背負い投げかよ〜……だけど…この菊川って人……実力は本物だ!)
白狼は驚いた。時々ふざけた素振りを見せる菊川の実力は、本物であるということを知る。そして菊川は白狼に対し、こう言った。
「…どうもすみませんでしたね。…手荒な真似をしたことを深く謝罪します。…お詫びと言ってはなんですが…私の技の一つの型をお見せしましょうか…どうか道場内に足を運んでください。」(ぺこり!)
「…え?」
〜道場内〜
「…では…準備は宜しいでしょうか?…一瞬ですよ…」(チャキッ!)
「…!!」(菊川先生が持っているのは、間違いなく斬れる刀だ…それに…なんて闘気だッ!)
白狼は刀を持つ菊川の姿を見ては息を飲む。その姿は、昔の侍のような気高い闘志を放っては、目の前の藁を見つめ、神速の如く持っていた真剣の刀を抜刀する。
チャキッ!…シャッ!
ザシュ! ズバッ! ズシャッ!
「……」(シャーー……)
キン!!
パラパラ…!
「…!!…す…すげえ〜…」(お〜!!)
「これが私なりの…あなたの友人への謝罪です。…どうかお許しください。」
「…別にいいですよ。…それで、俺達は不合格ってことですか?」
「…いえ、特に合否とかはなく…二人共…晴れて合格ですよ」
「…は?…マジで!?」
「はい、マジなんですね〜。…別に私の腕は、特に名門とかで雇われる程でもないんで、プロ意識の持つ門下生達はみんな他所へ行っては人手不足でね〜…あぁ〜おいたわしや〜!」
「…えぇ!?…こんなにも素早く抜刀して藁を細切れにするくらい強えぇのにか…!?…まるでアンタの刀を振る姿が、どっかの歴史漫画に出てくる、昔の中国の歴史にあった…三国志時代前の紀元前…春秋戦国時代を生きる…物凄ぇえ覇気を持ってる天下の大将軍の一人のようなのにかっ!?……嘘だろっ!?」
「本当にですよ。…それに私は、案外運も絡みますが…ちゃんとした目利きを持っておりますんで。…どうやらあなた方二人には…何か特別なものを秘めているようですからね。」
「!!…俺と…ロベルが……ん?…今運も絡むって言いませんでした?」
「ゲフンオホン!…まあとにかくです。…あなた達二人には…いつかきっと…大きな運命に立ち向かわなくてはならない日が来るやもしれません。…その為に、この龍川神社で居合を学ぶのも、一つの人生とも言えるでしょう。…いかがですか?…白狼くん?」
「!!……」
白狼はこの時思ったのは、いつか自分には、立ち向かわなければならない運命があるとするならば、ここで武力を持つ術を身につけておいた方が、今後の為になると同時に、可能性の道を広げる足掛かりにもなると考え、菊川に対し、決意を述べた。
「…わかった菊川先生!…俺はアンタの元で剣を学ぶ!…いつかその運命を斬り開く日が来るその時の為になぁ!…ここにいる…親友ロベルと一緒に!」
「…そうだね。…僕も同じ気持ちだよ。…白狼!」
「うぉっ!?…ろ、ロベル!?…もう大丈夫なのか!?」
「…この程度、心配いらないよ。…でも、先に返事して抜け駆けはずるいよ白狼!…僕達は二人で一つだろ?」
「…!!…おう!」
「…ほう。やっと起きましたか。…ロ〜ベルくん…あぁ〜!私はカタカナは苦手なんですよ〜…では、あなたも入門の意志はあるのですね?」
「はい!…菊川先生!…僕はあなたの元で剣を学びます!…よろしくお願いします!」(ぺこり!)
「よろしくお願いします菊川先生!」(ぺこり!)
「…わかりました。…では早速、これから…その棒で剣戟を始めてもらいましょうか?」
「!!…はい!」
「はい!」
・・・
・・
・
〜歳月が経ち【Hux・row】(白狼)・ロベル・高校二年生時代〜
「じゃあ菊川先生。…今日はこれにて失礼します!…お疲れ様です!」(ぺこり!)
「菊川先生〜♪お疲れ様です〜♪」(ぺこり!)
「…あ〜はいはい千夜さん、千里さん…本日もご苦労でした〜!…どうかお気をつけてお帰りください。」
スタッ…タッタッタ…
「…行きましたか。…もう出てきてもいいですよ。…二人共。」
カチャッ!…スタッ!…タッタッタ…
カチャッ!…スタッ!…タッタッタ…
ザザッ!…ヒューー……
「よ〜し!…今日で…記念すべき…1000回目の剣戟だぜ〜…ロベル!」
「そのようだね白狼!…現時点では僕がリードしているけど…今回は…どう勝敗が転ぶかな…?」
「…それは…今回の剣戟で分かることだ!…それにしても…ったく!…女生徒A・B!!(A.千夜・B.千里)…あいつら着替えるのに時間かけすぎだっての!!」
「…白狼。…彼女達には僕達男とは違って、か弱くて…それに大切なものが一つや二つあるんだ!……僕達男が、Frau(※ドイツ語で女性)に優しく出来ないようなことを言っちゃあ剣士としてダメだよ!」
「あ〜っ…それもそうだな!…すまん!今のは俺が悪かったな!」(…ドイツ語で…女性ってことか…)
「…よく言いましたね。それでこそ、千里さんの他にも、様々な女性に対し、好意を抱かせる色男気質のロベールくんですね。」
「…ロベルですよ菊川先生。いい加減ちゃんと名前を…って!?…ええっ!?///色男って…一体どういうことですか!?///」(ジーーっ!)
「?…はて?…自覚もご存知もなかったのですか?…貴方…私達龍川神社で働く若い巫女さんにとって…既に攻略済みなのか、彼女達はよく赤面しては、貴方に対する好意全開で、色恋話を雄弁に語っておりましたがね〜!…全く、男に現を抜かさずに、ちゃんと神聖な巫女としての自覚を持って仕事をしてほしいものです…」(やれやれ…)
「…///」(色…男…///…この…僕が…///)
「…ろ…ロベル…お前…」(天然ジゴロってやつか…)
「…しかしですね〜…白狼くんもなかなかの色男気質でもあるんだけどね〜…一部の巫女さんからも、どうやら貴方にも気があるようなことを言っておりましてね〜…」(…あと、口外はしませんが…色恋話に鈍感なあなたはお気づきではないかもしれませんが…どうやら千夜さんは…あなたに対し、強い好意を抱かせているようですがね〜…)
「は、ハァッ///!?…ま…マジかよ…」(巫女さんが…お、俺に…///通りでバレンタインの時にチョコをくれた訳だよ…)
「ごほん。……菊川先生。…いい加減真面目にやりましょうか。…そろそろ日が暮れるので…」(ニコニコゴゴゴ…)
「あ〜ごめん!ごめんてぇ〜!…そんなに怖い顔しないで〜!…ロベ……リっ!?」(あ、やべっ噛んだ!!…早速名前間違っ…!!)
「ろっ!!…ロベルーーー!!!!…覚悟はいいか〜!!??…俺は今回!…絶対に負けない!!」(大丈夫だ菊川先生!!…気づかれる前に、俺が気合いで叫んで打ち消す!!)
「!?……ッ!!…望むところだよ。…白狼!!…勝負だ!…今回も絶対僕が勝っては、リードする!!」(?…なんか僕を急かしているような気が…でも白狼!…その気迫…気合は十分のようだね!)
「…ではこれより、1000回目の…白狼氏とロベル氏による実践剣戟を開始します。…両者…」
「……」(チャキッ!)
「……」(チャキッ!)
「…始めてください。」
「うぉおおお!!!」
「えぁああああ!!!」
カァーーーーン!!!!!
・・・
・・
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